JP2003227110A - 自動料金収受システム用電磁波吸収防音壁 - Google Patents

自動料金収受システム用電磁波吸収防音壁

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JP2003227110A
JP2003227110A JP2002024897A JP2002024897A JP2003227110A JP 2003227110 A JP2003227110 A JP 2003227110A JP 2002024897 A JP2002024897 A JP 2002024897A JP 2002024897 A JP2002024897 A JP 2002024897A JP 2003227110 A JP2003227110 A JP 2003227110A
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Tomoyuki Hasegawa
智至 長谷川
Akimasa Noda
了誠 野田
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Kuraray Plastics Co Ltd
TEN KK
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Kuraray Plastics Co Ltd
TEN KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ETCシステムで使用する4〜6GHzの高周
波数帯域で、入射角0〜70°という広角度の電磁波を
−10dB以上吸収し、ETCシステムの誤動作を有効
に防止することができると共に車輌騒音を吸収率0.6
以上で有効に吸収して周辺環境を改善することが可能な
ETCシステム用電磁波吸収防音壁を得る。 【解決手段】開口率が50〜90%で多数の開口を有し
た保護部材層(A層)と、密度30kg/m3以上の吸音層
(B層)と、体積固有抵抗値1×104〜1×1010Ω
cmの半導電性発泡層からなる電磁波マッチング層(C
層)と、体積固有抵抗値1×101〜1×103Ωcmの
導電層からなる電磁波吸収層(D層)と、電磁波反射層
(E層)とを順次積層する。B層が30〜100mm、C
層が2〜20mm、D層が5〜50mmの厚みで、C層/
(C層+D層)の厚み比が0.1〜0.7、(A層+B
層)/(C層+D層)の厚み比が1〜3にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、有料道路の料金所
に設置される固定アンテナと通過する車輌に搭載される
車載アンテナとの間で双方向通信される電磁波により通
行料金を自動的に収受する際に不要電波を吸収すると共
に車輌騒音を吸音する自動料金収受システム用電磁波吸
収防音壁に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】ITS
(Intelligent Transport Systems)技術の一つとし
て、例えば車輌に搭載された車載アンテナと有料道路の
料金所に設置された固定アンテナとの間で電磁波を双方
向通信して通行料金を自動的に収受する自動料金収受
(以下、Electronic Toll CollectionをETCと称す
る。)システムが普及している。このETCシステムに
使用する電磁波としては、現状では5.8GHzの高周
波数帯域で、車載アンテナ及び固定アンテナに対して入
射角0〜55°の広角度で双方向通信できるように設定
されている。
【0003】該ETCシステムにおいては、それぞれの
アンテナ間以外の方向へ出力される不要な電磁波が他の
車輌に搭載された車載アンテナや併設された他の料金所
に設置された固定アンテナに受信されることにより他の
ETCシステムを誤動作させる恐れがあり、通行料金の
収受エラーを引き起こす原因になっていた。
【0004】これを防止するには、対象とするETCシ
ステムの周辺に電磁波吸収体を設けて不要な電磁波が他
のETCシステムに影響しないようにする必要がある
が、従来の発泡体にカーボンを添加して誘電損失により
電磁波を吸収する電磁波吸収体や特開2001−217
645公報に示すように多数の開口を有する保護部材、
半導電性発泡層からなる電磁波マッチング層、導電性発
泡層からなる電磁波吸収層及び電磁波反射層を順次積層
した電磁波吸収体等にあっては、5.8GHzの高周波
数帯域の電磁波を−20dB(電磁波吸収率:90%以
上)以上で吸収することが極めて困難であった。
【0005】また、ETCシステムにおいては、電磁波
を双方向通信して通行料金を自動的に収受する際に車輌
を低速走行させる必要があるが、収受完了後においては
車輌を加速運転することにより車輌騒音が高くなって周
辺環境を悪くしていた。このため、ETCシステムの周
りに防音壁を設ける必要があるが、従来の電磁波吸収体
では騒音を有効に吸収することができず、周辺の騒音環
境を充分に改善できなかった。
【0006】本発明は、上記した従来の問題を解決する
ために発明されたもので、その課題とする処は、ETC
システムで使用する4〜6GHzの高周波数帯域で、入
射角0〜70°という広角度の電磁波を−10dB以上
の高い電磁波吸収特性で吸収可能で併設された他のET
Cシステムの誤動作を有効に防止することができると共
に車輌騒音を吸音率0.6以上で有効に吸収して周辺環
境を改善することが可能な自動料金収受システム用電磁
波吸収防音壁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のETCシステム
用電磁波吸収防音壁は、自動料金収受システムの周辺に
設けられ、開口率が50〜90%で多数の開口を有した
保護部材層(A層)と、密度30kg/m3以上の吸音層
(B層)と、体積固有抵抗値1×104〜1×10 10Ω
cmの半導電性発泡層からなる電磁波マッチング層(C
層)と、体積固有抵抗値1×101〜1×103Ωcmの
導電層からなる電磁波吸収層(D層)と、電磁波反射層
(E層)とを順次積層し、かつB層が30〜100mm、
C層が2〜20mm、D層が5〜50mmの厚みで、C層/
(C層+D層)の厚み比が0.1〜0.7、(A層+B
層)/(C層+D層)の厚み比が1〜3からなり、車載
アンテナ及び固定アンテナ間にて入射角度:0〜70°
で双方向通信される周波数:4〜6GHzの電磁波を反
射減衰量:−10dB以上で吸収可能とすると共に周波
数400Hz〜1000Hzの音を吸音率:0.6以上
で吸音可能にしたことにより上記した課題を解決してい
る。
【0008】
【発明の実施形態】図1〜図3に示すように、本発明の
ETCシステム用電磁波吸収防音壁1は、ETCシステ
ムを構成する通過する車輌に設けられた車載アンテナ3
及び料金所に設けられた固定アンテナ5、6の周辺構造
物、例えば車線分離帯や該車線分離帯に設置された料金
表示装置の周辺、また必要に応じて走行レーンの上方に
横架される屋根の下面に設ける。図2は車線分離帯に横
架されたバー(図示せず)に固定アンテナ5、6を取り
付けた例を示す。
【0009】そしてETCシステム用電磁波吸収防音壁
1は保護部材層(A層)7と、吸音層(B層)9と、電
磁波マッチング層(C層)11と、電磁波吸収層(D
層)13と、電磁波反射層(E層)15とを順次積層し
た構造からなり、保護部材層(A層)7は、多数の開口
を有し、かつ開口率が50〜90%からなる。この開口
率が50%未満では、後述する比較例7〜8からも明ら
かなように優れた吸音性が得られず、また開口率が90
%を超えると、内部の吸音層(B層)9、電磁波マッチ
ング層(C層)11及び電磁波吸収層(D層)13を
風、雨などから充分保護することができず、電磁波吸収
性、吸音性が経時的に劣化させるため、上記範囲に設定
する必要がある。開口率の好適例は55〜85%、最適
例としては約65〜75%が望ましい。
【0010】また、保護部材層(A層)7の厚みは特に
限定されないが、保護部材層(A層)7を平板とした場
合には、保護部材として充分機能を果すと共にETCシ
ステム用電磁波吸収防音壁1を軽量化する必要から1〜
10mmの範囲に設定するのが望ましい。
【0011】保護部材層(A層)7としては、電磁波の
反射の少なく、強度、耐久性に優れ、かつ軽量な素材で
あればいずれも使用でき、好適例としては各種樹脂板、
各種樹脂ネットが望ましい。樹脂としては、ポリオレフ
ィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体系樹脂など)、ポリ塩化ビニル系
樹脂などが挙げられるが、ポリエチレン、とくに高密度
ポリエチレンが望ましい。
【0012】また、保護部材層(A層)7の開口形状
は、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状などの多角
形状等のいずれの形状であってもよいが、好適例として
は円形状が望ましい。更に、開口の大きさ(平均径)
は、とくに限定されないが、好適には1〜100mmの範
囲から選ばれる。開口の密度も特に限定されないが、好
適例としては100〜50000個/m2の範囲から選
ばれる。
【0013】また、保護部材層(A層)7としては図3
に示すように枠体17を形成し、該枠体17の開口部に
複数枚のルーバー19を、開口率が50〜90%になる
ように取り付けて保護部材層(A層)7とすることもで
きる。各ルーバー19の取付け角度(傾斜角度)は上記
開口率に応じて適宜設定すればよく、図示の例に限定さ
れるものではない。また、枠体17及びルーバー19は
木質材、好ましくは難燃処理された木質材或は各種樹脂
で構成することができる。
【0014】枠体17及びルーバー19を木質材で構成
する場合にあっては、例えば特開平2001-3030
60号公報に示すように木質材に、燐酸と尿素の縮合物
水溶液をアンモニア水でpH調整した後に硼酸アンモニウ
ム、スルファミンアンモニウム、必要に応じて臭化アン
モニウムを添加した難燃剤、又はリン酸グアニジンとス
ルファミングアニジンの混合水溶液にリン酸及びアンモ
ニア水にてpH調整した後に硼酸化合物系難燃剤を混合し
た難燃剤、縮合リン酸カルバメート、アミドスルフォン
酸塩の混合水溶液と硼酸化合物系難燃剤を混合した難燃
剤、五硼酸アンモニウム、縮合リン酸カルバメート、ス
ルファミン酸アンモニウムの混合水溶液を固形分30%
に調整した難燃剤、五硼酸アンモニウム、縮合リン酸カ
ルバメート、スルファミン酸アンモニウム及び臭化アン
モニウムの混合水溶液を固形分30%に調整した難燃
剤、硼酸をアンモニア水で溶解し、縮合リン酸カルバメ
ート、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム
を完全に溶解し、固形分30%に調整した難燃剤を含浸
させて難燃化させたものが好適である。
【0015】吸音層(B層)9は、不織布、発泡層が使
用できるが、不織布が好適であり、また吸音素材として
は無機素材、樹脂素材が使用できるが、優れた吸音性、
電磁波吸収性を付与できることからガラスウール製の不
織布が最適である。そして吸音層(B層)9は密度30
kg/m3以上であることが重要で、密度が上記以下の場合
には後述する比較例9から明らかなように優れた吸音性
が得られない。吸音層の密度の好適範囲例は30〜45
kg/m3で、最適例としては約30〜35kg/m3である。
【0016】また、吸音層(B層)9の厚みは30〜1
00mmであることが重要であり、30mm未満の場合に
は、後述する比較例6から明らかなように、優れた防音
性が得られないし、また電磁波吸収性も充分とはいえな
い。また100mmを超える場合は、ETCシステム用電
磁波吸収防音壁1が厚くなり過ぎ、嵩高になるため、好
ましくない。最適例としては、密度を約30〜35kg/m
3とした場合、約45〜55mmである。
【0017】電磁波マッチング層(C層)11は、導電
性を付与した各種樹脂発泡材からなる半導電性発泡層か
ら構成される。半導電性発泡層の素材としては、ポリオ
レフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂など)が好適であり、
その他の熱可塑性樹脂、ゴム素材{エチレン−プロピレ
ン共重合体系ゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NB
R)、スチレン−ブタジエン共重合体系ゴム(SB
R)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、シリ
コーンゴム}なども使用できる。
【0018】発泡層に導電性を付与する方法としては、
樹脂に導電剤を含有したのち発泡させる方法が好適であ
る。導電剤としては、各種カーボンが好適に使用でき、
さらにフェライト、カルボニル鉄等の磁性損失材料や酸
化チタン、チタン酸バリウム等の誘電損失材料を併用す
ることもできる。導電剤は、使用する導電剤の種類、使
用する樹脂素材を選択することにより、半導電性発泡層
の体積固有抵抗値が1×104〜1×1010Ωcmにな
るように配合されるが、その配合量は発泡層の樹脂材料
に対し、3〜20重量%の範囲から選ぶのが好適であ
る。
【0019】電磁波マッチング層(C層)11にあって
は、体積固有抵抗値1×104〜1×1010Ωcmの半
導電性発泡層からなることが重要であり、体積固有抵抗
値が1×104Ωcm未満では、後述する比較例12か
ら明らかなように、また、体積固有抵抗値が1×1010
Ωcmを超える場合は、比較例13から明らかなように
優れた電磁波吸収性が得られない。電磁波マッチング層
の体積固有抵抗値の好適な範囲は1×105〜1×108
Ωcm、体積固有抵抗値の最適例は約1.5×106
107Ωcmである。
【0020】また、電磁波マッチング層(C層)11の
厚みは、2〜20mmであることが重要であり、2mm未満
の場合には、後述する比較例1から明らかなように、ま
た20mmを超える場合は、比較例2から明らかなように
優れた電磁波吸収性が得られず、最適例としては約7〜
13mmである。
【0021】尚、電磁波マッチング層(C層)11の体
積固有抵抗及び厚みは、その比重との相関関係に基づい
て決定されることからその比重としては0.1〜0.2
であることが好ましく、最適値としては0.12〜0.
18である。
【0022】電磁波吸収層(D層)13は、導電層から
なり、導電層としては導電性を付与した各種樹脂層が使
用できるが、電磁波吸収、音波吸収、軽量化の面で発泡
体にして用いるのが望ましい。導電性を付与する方法と
しては、樹脂に導電剤を含有させる方法が好適である。
導電剤としては、各種カーボンが好適に使用でき、さら
にフェライト、カルボニル鉄等の磁性損失材料や酸化チ
タン、チタン酸バリウム等の誘電損失材料を併用するこ
ともできる。導電剤は、使用する導電剤の種類、使用す
る樹脂素材を選択することにより、導電層の体積固有抵
抗値が1×10 1〜1×103Ωcmになるように配合さ
れるが、その配合量は導電層の樹脂材料に対し、10〜
50重量%の範囲から選ぶのが好適である。
【0023】導電層の素材としては、樹脂素材が好適で
あり、また樹脂素材としては、ゴム素材{エチレン−プ
ロピレン共重合体系ゴム(EPDM)、ニトリルゴム
(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体系ゴム(S
BR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、シ
リコーンゴム}が好適に使用されるが、ポリオレフィン
系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体系樹脂など)などの熱可塑性樹脂も使
用できる。
【0024】電磁波吸収層(D層)13は、体積固有抵
抗値1×101〜1×103Ωcmの導電層からなること
が重要であり、体積固有抵抗値が1×101Ωcm未満
では、後述する比較例10から明らかなように、また体
積固有抵抗値が1×103Ωcmを超える場合は、比較
例11から明らかなように、いずれも優れた電磁波吸収
性が得られない。電磁波吸収層(D層)13の体積固有
抵抗値の好適な範囲は1×102〜1×103Ωcm、最
適例としては約3×102〜8×102Ωcmの樹脂発泡
体である。
【0025】また、電磁波吸収層(D層)13の厚み
は、5〜50mmであることが重要であり、5mm未満の場
合には、後述する比較例2から明らかなように、優れた
電磁波吸収性が得られない。また、50mmを超える場合
は、嵩高になり使い難く、最適例としては約20〜35
mmである。
【0026】尚、電磁波吸収層(D層)13の体積固有
抵抗値、厚みは、その比重との相関関係に基づいて決定
されることから、電磁波吸収層(D層)13の比重とし
ては0.1〜0.2であることが好ましく、最適例とし
ては0.12〜0.18である。
【0027】電磁波反射層(E層)15は、電磁波吸収
層(D層)13を通過した電磁波を反射させるもので、
反射した電磁波を電磁波吸収層(D層)13で吸収させ
る。電磁波反射層(E層)15としては、電磁波を反射
するものであればどのようなものでも良いが、金属板、
特にアルミニウム板が好適に使用される。電磁波反射層
の厚みは、とくに限定されないが、ETCシステム用電
磁波吸収防音壁1の強度、重さを考慮して、0.5〜5
mmの範囲から選ぶのが好適であり、最適例としては、約
0.7〜3である。
【0028】本発明のETCシステム用電磁波吸収防音
壁1にあっては、C層/(C層+D層)の厚み比が0.
1〜0.7を満足することが重要であり、この比が0.
1未満の場合は、後述する比較例1から明らかなよう
に、またこの比が0.7を超える場合は、比較例2から
明らかなように、優れた電磁波吸収性が得られない。
【0029】また、電磁波マッチング層(C層)11を
用いずに電磁波吸収層(D層)13のみで構成すると、
広角度に対応できず、ある角度では吸収体内部に電磁波
が入る前に、表面で反射してしまうため、広角度で到来
する電磁波を有効に吸収するには、半導電性発泡層から
なる電磁波マッチング層(C層)11が不可欠で、これ
により電磁波吸収層(D層)13に対して電磁波を広角
度で通過させることができる。このため、広角度で電磁
波を吸収させるためには、C層/(C層+D層)の比が
上記範囲を満足することが必要で、その好適範囲として
は0.15〜0.5である。
【0030】また、本発明のETCシステム用電磁波吸
収防音壁1にあっては、(A層+B層)/(C層+D
層)の厚み比が1〜3を満足することも重要であり、こ
の比が1未満の場合は、後述する比較例3及び4から明
らかなように、優れた電磁波吸収性が得られないし、ま
たこの比が3を超える場合は、比較例5から明らかなよ
うに、優れた電磁波吸収性が得られない。電磁波吸収性
を高めるためには、電磁波反射層(E層)15で反射し
た逆位相の電磁波を、電磁波吸収層(D層)13、電磁
波マッチング層(C層)11、吸音層(B層)9、保護
部材層(A層)7を通り抜ける間に吸収する必要があ
り、そのためには(A層+B層)/(C層+D層)の比
が上記範囲を満足することが必要で、その好適範囲とし
ては1.2〜2である。
【0031】このように、本発明においては、上記した
条件をすべて満足することにより、従来のETCシステ
ムでは、固定アンテナ5,6と車載アンテナ3間にて電
磁波を0〜70°で双方向通信する際に使用する4〜6
GHzの高周波数帯電磁波が道路や分離帯、他の設備等
により乱反射することにより入射角が広角度になり、シ
ステムを誤動作させる恐れがあるが、広角度で到来する
乱反射した高周波数帯電磁波を反射減衰量−10dB以
上で有効に吸収して他のETCシステムにおける電子機
器の誤動作を防止すると共に車輌騒音などの周波数40
0〜1000Hzの音を吸音率0.6以上で有効に吸音す
ることができる。ETCシステム電磁波吸収防音壁1の
厚みは、80〜150mmの範囲から選ぶのが好適であ
り、最適例としては約85〜100mmとした。
【0032】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに説明す
る。 実施例1〜2 実施例1及び2に係るETCシステム用電磁波吸収防音
壁1は以下の構成からなり、その電磁波吸収性能及び吸
音性能を表1及び2に示す。
【0033】保護部材層(A層) 開口の形:円形状、開口の径:7mm、開口密度:125
00個/m2の高密度ポリエチレン製樹脂ネット。 吸音層(B層) ガラスウール(GW)製不織布。 電磁波マッチング層(C層) 比重:0.14の高密度ポリエチレン発泡体。(導電:
カーボン、含有量:15wt%) 電磁波吸収層(D層) 比重:0.14のEPDM発泡体。(導電剤:カーボ
ン、含有量:30wt%) 電磁波反射層(E層) アルミニウム板。 上記A、B、C、D及びE層を、両面粘着テープを使用
して、順次積層し、ETCシステム用電磁波吸収防音壁
1を得た。
【0034】このようにして得られたETCシステム用
電磁波吸収防音壁1の電磁波吸収性能及び吸音性能を表
1〜2に示す。 電磁波吸収性能の評価方法及び結果 周波数帯を4〜6GHzにし、直線偏波のTE波、TM
波成分による測定を行った。
【0035】ETCシステム用電磁波吸収防音壁1に対
する入射角度が0°から47.5°の範囲内で、電磁波
周波数5.8GHz付近において: 反射減衰量が−20dB以上 ○ 反射減衰量が−20dB未満 ×
【0036】ETCシステム用電磁波吸収防音壁1に対
する入射角度が47.5°から50°の範囲で、電磁波
周波数5.8GHz付近において: 反射減衰量が−15dB以上 ○ 反射減衰量が−15dB未満 ×
【0037】ETCシステム用電磁波吸収防音壁1に対
する入射角度が50°から55°の範囲で、電磁波周波
数5.8GHz付近において: 反射減衰量が−10dB以上 ○ 反射減衰量が−10dB未満 ×
【0038】ETCシステム用電磁波吸収防音壁1に対
する入射角度が55°から70°の範囲で、電磁波周波
数5.8GHz付近において: 反射減衰量が−10dB以上 ○ 反射減衰量が−10dB未満 ×
【0039】吸音特性の評価方法及び結果 残響室法吸音率(JIS A 1409)、中心周波数
400〜1000Hz残響室法吸音率が0.7以上
○ 残響室法吸音率が0.7未満 ×
【0040】音響透過損失(JIS A 1416)、
中心周波数400〜1000Hz透過損失が30dB以
上 ○ 透過損失が30dB未満 ×
【0041】比較例1〜13 上記実施例1において、各層の厚み、厚み比、保護部材
層の開口率、吸音層の密度、電磁波マッチング層と電磁
波吸収層の体積固有抵抗値をそれぞれ表1の通り変更し
た以外は、実施例1と同様の方法でETCシステム用電
磁波吸収防音壁1とし、表1〜2に示す結果を得た。
【表1】
【表2】 上記説明は、有料道路の通行料金を自動収受するETC
システムを例に説明したが、本発明が適用可能なETC
システムとしては、本発明の自動料金収受システム用電
磁波吸収防音壁は有料駐車場の料金自動収受システム、
ドライブスルー形式のファーストフードにおける料金自
動収受システム等の各種ETCシステムにも適用可能で
ある。
【0042】
【発明の効果】本発明は、ETCシステムで使用する4
〜6GHzの高周波数帯域で、入射角0〜70°という
広角度の電磁波を反射減衰量−10dB以上の高い電磁
波吸収特性で吸収可能でETCシステムの誤動作を有効
に防止することができると共に車輌騒音を吸収率0.6
以上で有効に吸収して周辺環境を改善することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のETCシステム用電磁波吸収防音壁を
一部破断して示す全体斜視図である。
【図2】本発明のETCシステム用電磁波吸収防音壁の
設置例を示す説明図である。
【図3】保護部材層の変更実施形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:ETCシステム用電磁波吸収防音壁、7:保護部材
層(A層)、9:吸音層(B層)、11:電磁波マッチ
ング層(C層)、13:電磁波吸収層(D層)、15:
電磁波反射層(E層)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G07B 15/00 510 G07B 15/00 510 H01Q 17/00 H01Q 17/00 H05K 9/00 H05K 9/00 M (72)発明者 野田 了誠 名古屋市瑞穂区関取町6番地 テン株式会 社内 Fターム(参考) 2D001 CA01 CB02 CD01 DA00 2E001 DF04 DH01 FA30 GA42 GA82 HA33 HD01 HD07 HD08 MA01 3E027 EA01 EA10 5E321 AA41 BB25 GG11 GH05 5J020 EA03 EA04 EA05 EA07 EA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動料金収受システムの周辺に設けられ、
    開口率が50〜90%で多数の開口を有した保護部材層
    (A層)と、密度30kg/m3以上で、厚さが30〜10
    0mmの吸音層(B層)と、体積固有抵抗値1×104
    1×1010Ωcmの半導電性発泡層からなる電磁波マッ
    チング層(C層)と、体積固有抵抗値1×101〜1×
    103Ωcmの導電層からなる電磁波吸収層(D層)
    と、電磁波反射層(E層)とを順次積層し、かつB層が
    30〜100mm、C層が2〜20mm、D層が5〜50mm
    の厚みで、C層/(C層+D層)の厚み比が0.1〜
    0.7、(A層+B層)/(C層+D層)の厚み比が1
    〜3からなり、車載アンテナ及び固定アンテナ間にて入
    射角度:0〜70°で双方向通信される周波数:4〜6
    GHzの電磁波を反射減衰量:−10dB以上で吸収可
    能にすると共に周波数:400Hz〜1000Hzの音
    を吸音率:0.6以上で吸音可能にした自動料金収受シ
    ステム用電磁波吸収防音壁。
  2. 【請求項2】保護部材層(A層)は、開口率が55〜8
    5%である請求項1記載の自動料金収受システム用電磁
    波吸収防音壁。
  3. 【請求項3】吸音層(B層)は、グラスウールで構成さ
    れた吸音層である請求項1又は2記載の自動料金収受シ
    ステム用電磁波吸収防音壁。
  4. 【請求項4】電磁波マッチング層(C層)は、体積固有
    抵抗値1×105〜1×108Ωcmの半導電性発泡層で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の自動料金収受シス
    テム用電磁波吸収防音壁。
  5. 【請求項5】電磁波吸収層(D層)は、体積固有抵抗値
    1×102〜1×103Ωcmの導電層である請求項1〜
    4のいずれかに記載の自動料金収受システム用電磁波吸
    収防音壁。
  6. 【請求項6】自動料金収受システムの周辺に設けられ、
    開口率が65〜75%で多数の開口を有した保護部材層
    (A層)と、密度が30〜35kg/m3、厚さが45〜5
    5mmのグラスウールからなる吸音層(B層)と、体積固
    有抵抗値が1.5×106〜107Ωcm、厚さが7〜13
    mm、比重が0.12〜0.18の半導電性発泡層からな
    る電磁波マッチング層(C層)と、体積固有抵抗値が3
    ×102〜8×102Ωcm、厚さが20〜35mm、比重が
    0.12〜0.18の導電層からなる電磁波吸収層(D
    層)と、厚さが0.7〜3mmの金属板からなる電磁波反
    射層(E層)とを順次積層し、C層/(C層+D層)の
    厚み比が0.1〜0.7、(A層+B層)/(C層+D
    層)の厚み比が1〜3からなり、車載アンテナ及び固定
    アンテナ間にて入射角度:0〜55°で双方向通信され
    る周波数:5.8GHzの電磁波を反射減衰量:−20
    dB以上で吸収可能にすると共に周波数400Hz〜1
    000Hzの音を吸音率0.7以上で吸音可能にした自
    動料金収受システム用電磁波吸収防音壁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115768A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Ngk Insulators Ltd 電波吸収吸音パネル
JP2016086133A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 シヤチハタ株式会社 電波吸収材、並びにその電波吸収材を具備する電子機器、自動料金収受システム、及び車載レーダー装置
CN109713456A (zh) * 2017-10-24 2019-05-03 蔡钧 一种毫米波背景吸收装置

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