JP2003298276A - 防振型磁気シールドクリーンルームとその施工法 - Google Patents

防振型磁気シールドクリーンルームとその施工法

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JP2003298276A
JP2003298276A JP2002100507A JP2002100507A JP2003298276A JP 2003298276 A JP2003298276 A JP 2003298276A JP 2002100507 A JP2002100507 A JP 2002100507A JP 2002100507 A JP2002100507 A JP 2002100507A JP 2003298276 A JP2003298276 A JP 2003298276A
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vibration
magnetic shield
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Mitsuo Sato
光男 佐藤
Yoshihiro Koike
善宏 小池
Takeshi Fujii
剛 藤井
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Technology Network Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル構造を採用して装置基礎を定着するこ
とで、クリーン精度、磁気シールド性能及び防振性能を
確保できる防振型磁気シールドクリーンルームとその施
工法を提供する。 【解決手段】 本発明による防振型磁気シールドクリー
ンルーム1は、レベル調整モルタル12を打設した設置
基礎13の上に設置されており、少なくとも片面に磁性
材17を貼設した基板材10を積層して成る底版15と
コンクリート床20、少なくとも片面に磁性材23を貼
設したパネル材11を積層して成る側壁2と、少なくと
も片面に磁性材23を貼設したパネル材11を積層して
成る天井部4と、天井部から吊り下げられるULPAフ
ィルター72と、コンクリート床に防振して設置する装
置基礎及び通気開口に磁性ハニカムを装備して成る磁性
材製通還気ダクト5で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーン機能と共
に装備装置に対する防振と磁気シールドの性能特性を満
たす防振型磁気シールドクリーンルームとその施工法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からのクリーンルームは、ICやL
SIを製造する半導体工場や手術室に代表される各種の
医療室において、半導体の製造における品質面からの信
頼性と安定性の確保や医療室における無菌室化のために
採用されており、壁面や天井における吹出方式の空調と
高性能フィルター(HEPA)の採用によって、クラス
3以上の清浄度を確保している。
【0003】特に、最近の病院等では、人命にも影響を
与える身近な重要問題として各種ME機器に対する電磁
波シールド対策が急務の課題になっていることから、ク
リーンルーム外から手術室等で使用するME機器に対し
て電磁波ノイズが影響を与えないようにしたり、内部の
ME機器が発生する放射ノイズがクリーンルーム外に漏
洩することで、生態情報の伝達に障害を発生させように
電磁波シールドすることも検討されている。
【0004】同様に、半導体の製造においては、性能の
向上が望まれる方向として電子ビームを使用しながら半
導体に描画を施してゆく電子ビーム描画装置等の採用が
行われ、この他の施設にあっても電子ビーム描画装置や
電子顕微鏡等の採用が多くなっている。
【0005】これらの装置にあっては、既存の建家に対
しての設置を可能にすると共に、微少な磁気であっても
電子ビーム等の動静に影響を与えることに対処して、ク
リーン度を確保しながら交流磁界に対しては1/100
以上の磁気シールド性能と地磁気等の直流磁界に対して
も1/50以上の磁気シールド性能を確保することや装
置に対する微量な振動を防止することが要求されてい
る。従って、最近のクリーンルームに対して以下のよう
な要求を強くしている。
【0006】 磁気シールドルーム自体をコンパクト
にして省スペース化を図る。 工場での製作を多くし、施工現場での作業を少なく
する。 構造の自立を確立して、振動の影響を受けないよう
にする。 磁性材に対する衝撃を低減してシールド性能の劣化
を回避する。 現地での施工前に磁気シールド性能を確認する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の要望
に鑑みて所定の性能特性を確保するために提案するもの
であり、パネル構造を採用して装置基礎を定着すること
で、クリーン精度、磁気シールド性能及び防振性能を確
保できる防振型磁気シールドクリーンルームとその施工
法を提供している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による防振型磁気
シールドクリーンルームは、基本的に、レベル調整モル
タルを打設した設置基礎の上に設置されるクリーンルー
ムであり、少なくとも片面に磁性材を貼設した基板材を
積層して成る底版と、底版の上に載置されるコンクリー
ト床と、少なくとも片面に磁性材を貼設したパネル材を
積層して成る側壁と、少なくとも片面に磁性材を貼設し
たパネル材を積層して成る天井部と、天井部から所定の
間隔を保って吊り下げられるULPAフィルターと、コ
ンクリート床に防振して設置する装置基礎及び通気開口
に磁性ハニカムを装備して成る磁性材製通還気ダクトか
ら構成されており、具体的には、装置基礎を、コンクリ
ート床と底版とを貫通して設置基礎に定着したり、装置
基礎を、工場製作した基礎をコンクリート床と底版との
貫通孔を通じてクリーンルームの設置基礎に固着して構
成しており、底版における基板材の積層を、磁性材、基
板材、磁性材、基板材及び磁性材から構成し、側壁にお
けるパネル材の積層を、磁性材、パネル材、磁性材、パ
ネル材及び磁性材から構成したり、天井部におけるパネ
ル材の積層を、磁性材、パネル材、空隙、磁性材、パネ
ル材及び磁性材から構成することを特徴としている。
【0009】又、本発明による防振型磁気シールドクリ
ーンルームの施工法は、上記防振型磁気シールドクリー
ンルームの施工法であって、クリーンルーム設置基礎の
所定位置に非磁性筋を植設して置き、次いで貫通孔が形
成されたコンクリート床と底版とを設置して該貫通孔に
グラウトモルタルを充填し、しかる後に別途に製作して
置いた装置基礎を設置基礎に充填されたグラウトモルタ
ル上に配置し、グラウトモルタルを位置調整した後に充
填して装置基礎を固着している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による防振型磁気シールド
クリーンルームは、レベル調整モルタルを打設した設置
基礎の上に設置されるクリーンルームであり、少なくと
も片面に磁性材を貼設した基板材を積層して成る底版
と、底版の上に載置されるコンクリート床と、少なくと
も片面に磁性材を貼設したパネル材を積層して成る側壁
と、少なくとも片面に磁性材を貼設したパネル材を積層
して成る天井部と、天井部から所定の間隔を保って吊り
下げられるULPAフィルターと、コンクリート床に防
振して設置する装置基礎及び通気開口に磁性ハニカムを
装備して成る磁性材製通還気ダクトから構成されてい
る。
【0011】これによって、本発明による防振型磁気シ
ールドクリーンルームは、パネル構造を採用して装置基
礎を定着することによって、クリーン精度、磁気シール
ド性能及び防振性能を確保している。以下に、本発明に
よる防振型磁気シールドクリーンルームの実施の形態を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は、本実施の形態で示す防振型磁気シ
ールドクリーンルームの斜視図である。
【0013】本実施の形態におけるクリーンルーム1
は、詳細を後述するが、防振型であって全体を磁気シー
ルドしている。このために、クリーンルーム1の躯体2
は、H型鋼3を適宜に適用しながら磁気シールド性能を
付加したパネル構造にすることでスペース化を図ってお
り、天井部4に通気開口に磁性ハニカムを装備した空調
ダクト5を配置することで、クリーンルーム1の磁気シ
ールド性能を確保しながらそのクリーン度を確保してい
る。
【0014】又、敢えて図示していないが、クリーンル
ーム1の床版は、磁気シールド性能を付加しながら建家
の設置基礎の上に設置されており、その上には、コンク
リート床を載置するように構成しているので、所定の装
置振動条件が確保されている。
【0015】図2は、図1で斜視したクリーンルーム1
を(2)−(2)矢視したクリーンルーム床面の平面図
であり、磁気シールド性能を付加したクリーンルームの
躯体内に設置されているコンクリート床、装置基礎及び
各通還ダクトの実施の形態を示している。
【0016】本実施の形態でのコンクリート床6は、上
述したように、クリーンルーム1の床版の上に載置され
ているが、クリーンルーム内に装備される装置を設置す
るための装置基礎7、7’は、建家の設置基礎の上に直
接固着されていると共にコンクリート床6とも結合され
ている。
【0017】本実施の形態の装置基礎7、7’は、以上
のように構成されることによって、クリーンルーム内に
装備される電子ビーム描画装置や電子顕微鏡等の装置に
対して、コンクリート床6のような重量を加算すること
によってさらに高レベルな装置振動条件を確保すること
を可能にしており、従来のような金属製の装置基礎や除
振装置では期待できない防振効果を遺憾なく発揮できる
ものである。
【0018】尚、本実施の形態では、空調ダクトの他に
装備する各装置に結合される各ダクトが図示のように床
面に配列されている。各ダクトの構造については追って
詳述するが、還気側ダクト8は、クリーンルーム内の3
隅に配置して在り、還気側ダクト9は、クリーンルーム
内の両側に配置することで各装置に対応できるように適
宜に設定してある。
【0019】次に、クリーンルーム1の躯体2について
詳細に説明する。図3は、図1で斜視したクリーンルー
ム1を(3)−(3)矢視したクリーンルーム躯体の断
面図であり、磁気シールド性能を付加したパネル構造の
床版、側壁及び天井部の実施の形態を示している。
【0020】本実施の形態におけるクリーンルーム1の
躯体2は、全体的に、躯体を構成している基板材10、
パネル材11とこれらを磁気シールドするための磁性材
とで多層構造に構成されているものであり、床版、側壁
及び天井部の各実施の形態は、それぞれに、以下のよう
に構成されている。
【0021】先ず、クリーンルーム1の底版についてそ
の構成を説明する。本実施の形態におけるクリーンルー
ム1は、レベル調整モルタル12を打設することで水平
度を確立させた設置基礎13の上に設置されており、ス
テンレス製のホールインアンカー14で固定されてい
る。
【0022】本実施の形態における床版15は、絶縁用
の塩化ビニール板16の上にパーマロイの磁気シールド
材17をパーマロイの接ぎ材18で一体に接合して敷設
しており、しかる後に、2層の塩化ビニール製基板材1
0、10をその間にパーマロイの接ぎ材18で一体にし
たパーマロイの磁気シールド材17を挟んで配置し、そ
の上に同じくパーマロイの接ぎ材18で一体にしたパー
マロイの磁気シールド材17を貼設して多層構造に構成
している。
【0023】又、上記床版15の上には、磁気シールド
材17の保護もしくは仕上げ用にステンレス等の非磁性
金属板19を配置しながらコンクリート床20が載置さ
れており、これによって、クリーンルーム1の内部にお
ける床面21を形成しているが、コンクリート床20の
構成は、コンクリート床に非磁性金属板19を貼設しな
いで、上記床版の上に非磁性金属板19を敷設してから
コンクリートを打設し、しかる後に、非磁性金属板19
をコンクリートの上に敷設することでも同様に形成でき
るものであり、いずれの施工でも実施可能である。
【0024】本実施の形態における側壁22は、1層目
を市販のパネル板11の両面にパーマロイの磁気シール
ド材23を貼設して構成し、外方の2層目を市販されて
いるパネル板11の外方片面にパーマロイの磁気シール
ド材23を貼設して構成しており、両層の間には、厚め
のアルミ製スペーサ24を介在させて所定の間隙を保持
している。
【0025】そして、1層目の内面には、薄いアルミ製
のスペーサ25を配置してアルミアルマイトクリア仕上
げ材26を貼設すると共に、2層目の外面には、薄いア
ルミ製のスペーサ25を配置して帯電防止用に焼付塗装
したアルミ製の仕上げ材27を貼設して多層構造に構成
している。
【0026】床版15と側壁22との接合部は、図示の
ようにステンレス製のアングル材28、29を配置し
て、側壁22を挟み込むようにしながらステンレス製の
ボルト30で堅固に形成すると同時に、床版15と側壁
22とをステンレス製のアンカーボルト31で前述した
ステンレス製のホールインアンカー14と共に設置基礎
13の上に固定している。
【0027】天井部32のパネル構造は、基本的に側壁
22と同一であり、内方の1層目を市販のパネル板11
の両面にパーマロイの磁気シールド材23を貼設して構
成し、外方の2層目を市販されているパネル板11の外
方片面にパーマロイの磁気シールド材23を貼設して構
成している。
【0028】そして、各パネル板11間の相互接合は、
図示のように相互間に凹凸形状33を形成して嵌合させ
ながら相互の接合面を帯板34によって封鎖すること
で、その気密性能と磁気シールド性能とを確立してい
る。
【0029】以上のように、天井部32の実施の形態
は、側壁22と共にパネル構造を構成するものである
が、平面形状の荷重を支えるためにH型鋼33を適宜に
配置しており、H型鋼33と各パネル板11とを相互に
結合する必要性から、ステンレス製のボルト・ナット3
5を施工するためにその間の間隙33を側壁22の間隙
よりも大きくしている。又、接合面の隙間を封鎖してい
る帯板34は、隙間を跨ぐように打ち込まれているビス
37によって側壁22と天井部32の表面に密着されて
いる。
【0030】クリーンルーム1の躯体2に配置される内
面のH型鋼33は、図3を(4)矢視した図4に示され
るように、側壁22の壁面に配備された補強H鋼取付ブ
ラケット36で支持されており、上述した天井部32の
1層目をフランジに固着することで下方から支えてい
る。一方、外面のH型鋼38は、内面のH型鋼33と同
様の位置において側壁22の上端面に掛け渡されてお
り、同じく図4に示されるように、上述した天井部32
の2層目をH型鋼38のフランジ39に固着することで
上方から吊り支えている。
【0031】そして、天井部4に配置されている空調ダ
クト5は、通気開口に磁性ハニカムを装備しており、天
井部4を構成している1層目の磁気シールド材を貼設し
たパネル板11と相俟って、開口部に磁路を形成するこ
とでクリーンルーム1の磁気シールド性能を保持してい
る。
【0032】空調ダクト5からの通気は、クリーンルー
ムとしての機能を確立するために、ULPAフィルター
72を従来と同様に天井部4に配置している。ULPA
フィルター72の支持機構73は、天井部4からの吊り
ボルト74によって保持されるシステムフレーム75か
ら構成されており、システムフレーム75とULPAフ
ィルター72、システムフレーム75と側壁22との間
にはバックアップ材76、77とシーリング78、79
を配置することで機密性能を確立している。
【0033】尚、本実施の形態では、吊りボルト74を
ステンレス製にし、システムフレーム75をアルミ押出
し型材で構成することによって、磁気シールド性能の確
立を図っており、従来におけるクリーンルームとの差異
を示している。
【0034】上述したように、クリーンルーム1におい
て内部に装備する電子ビーム描画装置及び電子顕微鏡等
は、微量な振動による影響も防止する必要があるため
に、本実施の形態では、振動防止の対策を確実に実施し
ている。
【0035】図5は、平面図(a)と図2の平面図を
(5)−(5)矢視した装置基礎7の実施の形態を示
し、平面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図
(b)及び平面図(a)を(c)−(c)矢視した断面
図(c)である。
【0036】本実施の形態での装置基礎7は、コンクリ
ート土台40とその上に配置されるステンレス製の基礎
盤41から構成されており、工場等において別途に製作
されている。
【0037】コンクリート土台40には、複数本のH型
鋼42が上面に埋設されており、複数個の中空開口43
が均等に配列されていると共に4隅にレベル調整ボルト
用の貫通孔44が設けられている。
【0038】又、基礎盤41には、中空開口43にグラ
ウトモルタルを充填するための充填口45と4隅に配置
されたレベル調整ボルトの取付孔46が設けられてお
り、基礎盤41は、コンクリート土台40とH型鋼42
とに一体に固着されている。
【0039】装置基礎7は、レベル調整ボルト47によ
って調整されながら設置基礎13の上に直接設置されて
おり、これによって、高レベルな装置振動条件を確保し
ている。そして、クリーンルーム1の底版15に対する
装置基礎7の設定は、レベル調整ボルト47の調整に追
従しながら、ステンレス製の装置基礎固定金物48を調
整することで行われる。
【0040】しかして、本発明による防振型磁気シール
ドクリーンルームの施工法は、上記クリーンルーム1の
施工法であって、クリーンルーム設置基礎の所定位置に
非磁性筋を植設して置き、次いで貫通孔が形成されたコ
ンクリート床と底版とを設置して貫通孔にグラウトモル
タルを充填し、しかる後に、別途に製作して置いた装置
基礎を、設置基礎上に充填された上記グラウトモルタル
の上に配置し、位置調整した後にグラウトモルタルを充
填して装置基礎を固着している。以下に、本発明による
施工法の実施の形態を図5に基づいて具体的に説明す
る。
【0041】実施の形態である設置基礎13への装置基
礎7の設置は、設置基礎13にアラミド等の非磁性筋4
9を植設して置き、次いでクリーンルーム1を設置基礎
13のレベル調整モルタル12の上に設置し、クリーン
ルーム1の底版15に形成したモルタル充填開口50に
非磁性筋49を挿通した後に、グラウトモルタルをモル
タル充填開口50に充填して非磁性筋49をクリーンル
ーム1の底版15に固定する。しかして、この際に、設
置基礎13に設置したレベル調整ボルト47も底版15
の開口51に挿通させることで、設置基礎13に対する
装置基礎7の設置準備が完了する。
【0042】次いで、装置基礎7は、その中空開口43
を非磁性筋49に設定しながら、レベル調整ボルト47
の上に配置して位置とレベルを調整し、位置設定とレベ
ル調整とが完了に至ると、充填口45からグラウトモル
タルを注入することで中空開口43及び装置基礎7の下
部をグラウトモルタルで充填しており、これによって、
装置基礎7は設置基礎13に直接設置されることにな
る。
【0043】上記実施の形態では、装置基礎7をクリー
ンルーム1内に載置したコンクリート床20に形成した
開口部に挿入することによって設置することになるが、
この他の実施形態によっては、製造コストや施工効率を
更に向上させることが可能である。
【0044】図6は、他の実施形態を示す平面図(a)
と、平面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図
(b)と平面図(a)を(c)−(c)矢視した断面図
(c)である。
【0045】本実施の形態では、装置基礎7が工場等で
の別途製造を可能にすることを有効に活用するものであ
り、図示で明らかなように上記実施の形態におけるコン
クリート床20を廃止してその床面をフリーアクセス5
2で構成するものである。
【0046】これによって、設置基礎13に対する装置
基礎7の設置は、コンクリート床20のような作業に障
害物を与えるものが排除されていることで、その設置か
ら位置調整が容易であり、グラウトモルタルの充填にあ
っては型枠の配備からモルタルの注入及び型枠の脱型ま
で広範な現場で円滑に施工できるものである。
【0047】クリーンルーム1の天井部32に配備され
ている空調ダクト5は、図7のように構成されることで
磁気シールド性能を確立している。
【0048】図7は、空調ダクト5の正面図(a)と正
面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図(b)であ
る。
【0049】本実施の形態における空調ダクト5は、矩
形状の開口53を図示のようにL字型に形成しており、
全体をパーマロイ等の磁性材で構成している。空調ダク
ト5の垂直部54にあっては、クリーンルーム1の天井
部32に結合する下端部55にパーマロイ等の磁性材で
構成されるハニカム材56を装備して開口部に磁路を形
成しており、空調ダクト5の水平部57にあっては、垂
直部54に連絡している連結部分58にも同様のハニカ
ム材56を装備して開口部に磁路を形成している。
【0050】そして、空調ダクト5におけるL字型の長
さは、望ましくは開口53の対角を3倍以上の数値に選
定することが妥当であるが、構造上からL字型の長さを
確保することができない場合には、磁性ハニカムを開口
部に配置することでこれをカバーすることもできる。
【0051】以上の構成によって、空調ダクト5におけ
る磁気シールド性能は、高精度に確保されるものであ
り、床版と側壁及び天井部とも相俟って開口部に磁路を
形成することでクリーンルーム1の磁気シールド性能が
保持されることになる。
【0052】図8は、図2の平面図を(8)−(8)矢
視した空調ダクト8、9の部分断面図である。
【0053】本実施の形態における通気側ダクト8は、
クリーンルーム1の床版15から設置基礎13側を貫通
して伸長している下部部分59と床版15の上部にコン
クリート床20を貫通して配置される上部部分60とか
ら構成されている。
【0054】下部部分59は、床版15の下側にパーマ
ロイ等の磁性材で構成する矩形開口61を形成している
が、その内部には、クリーンルーム1の床版15を形成
している磁気シールド多層構造に結合させて、同構造の
薄い磁気シールド多層構造62が図示のような段階状に
配備されている。一方、上部部分60は、床版15の上
に配置されており、ステンレス等の非磁性材で構成する
矩形開口63を形成している。
【0055】下部部分59と上部部分60とを結合して
いる床版15の上部開口部64には、パーマロイ等の磁
性材で構成されるハニカム材65を装備することで、床
版15と同列の開口部において磁路を形成しており、全
体としてクリーンルーム1の磁気シールド性能を確立し
ている。
【0056】又、本実施の形態における還気側ダクト9
は、クリーンルーム1の床版15から設置基礎13側を
貫通して伸長している下部部分66と床版15の上部に
コンクリート床20を貫通する上部部分67とから構成
されている。
【0057】下部部分66は、床版15の下側にパーマ
ロイ等の磁性材で構成する矩形開口68を形成してお
り、その内部には、クリーンルーム1の床版15を形成
している磁気シールド多層構造に結合している同構造の
薄い磁気シールド多層構造69が図示のような段階状に
配備されている。又、上部部分67は、ステンレス等の
非磁性材で構成する矩形開口70をコンクリート床20
内に形成しており、その上面にはステンレス製のグレー
チング71を嵌着している。
【0058】パーマロイ等の磁性材で構成する下部部分
66とステンレス等の非磁性材で構成する上部部分67
とを結合している床版15の上部開口部68には、パー
マロイ等の磁性材で構成されるハニカム材69を装備し
ており、これらの構成によって床版15と同列の開口部
において磁路を形成しており、全体としてクリーンルー
ム1の磁気シールド性能を確立している以上の実施の形
態で説明したように、本発明による防振型磁気シールド
クリーンルームとその施工法は構成されているので、躯
体にパネル構造を採用すると共に、電子ビーム描画装置
や電子顕微鏡等の装置を装備するための装置基礎を、設
置基礎の上に直接定着することによって、クリーンルー
ムとしてのクリーン精度に加えて、磁気シールド性能及
び防振性能を高レベルで確保している。
【0059】以上、本発明による防振型磁気シールドク
リーンルームとその施工法を、上記実施の形態に基づい
て詳細に説明したが、本発明は、これらの実施の形態に
何ら限定されるものでなく、発明の主旨を逸脱しない範
囲において各種の変更が可能であることは当然のことで
ある。
【0060】
【発明の効果】本発明による防振型磁気シールドクリー
ンルームは、レベル調整モルタルを打設した設置基礎の
上に設置されるクリーンルームであり、少なくとも片面
に磁性材を貼設した基板材を積層して成る底版と、底版
の上に載置され両面に非磁性金属板を貼設して成るコン
クリート床と、少なくとも片面に磁性材を貼設したパネ
ル材を積層して成る側壁と、少なくとも片面に磁性材を
貼設したパネル材を積層して成る天井部と、天井部から
所定の間隔を保って吊り下げられるULPAフィルター
と、コンクリート床に防振して設置する装置基礎及び通
気開口に磁性ハニカムを装備して成る磁性材製通還気ダ
クトから構成されているので、クリーン精度、磁気シー
ルド性能及び防振性能を高レベルで確保しながら、以下
の効果を発揮している。
【0061】 パネル構造の採用で、磁気シールドル
ーム自体をコンパクトにして省スペース化を図れる。 工場で躯体や装置基礎等の製作を多くして、施工現
場での作業を少なくできる。 装置基礎を設置基礎の上に直接設置して、微量な振
動にも影響を受けないようにできる。 磁性材の移動を少なくして衝撃を低減することで磁
気シールド性能の劣化を回避できる。 工場で予め製作できるので、事前に磁気シールド性
能を確認することができる。
【0062】又、本発明による防振型磁気シールドクリ
ーンルームの施工法は、上記防振型磁気シールドクリー
ンルームの施工法であって、クリーンルーム設置基礎の
所定位置に非磁性筋を植設して置き、次いで貫通孔が形
成されたコンクリート床と底版とを設置して該貫通孔に
グラウトモルタルを充填し、しかる後に別途に製作して
置いた装置基礎を設置基礎に充填されたグラウトモルタ
ル上に配置し、グラウトモルタルを位置調整した後に充
填して装置基礎を固着しているので、装置基礎を設置基
礎に直接設置する作業を容易にすることでクリーン精
度、磁気シールド性能及び防振性能を高レベルで確保し
ながら、施工効率の向上と費用の低減を図れる効果を発
揮している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による防振型磁気シールドクリーンル
ームの実施の形態を示す斜視図
【 図2】本発明による防振型磁気シールドクリーンル
ームの床面を示す平断面図
【 図3】本発明による防振型磁気シールドクリーンル
ームの床版、側壁及び天井部を示す縦断面図
【 図4】天井部を示す実施の形態の縦断面図
【 図5】装置基礎を示す実施の形態図
【 図6】装置基礎を示す他の実施の形態図
【 図7】空調ダクトを示す実施の形態図
【 図8】内装装置への通気、還気ダクトを示す実施の
形態図
【符号の説明】
1 クリーンルーム、 2 躯体、 3 H型鋼、 4
天井部、5 空調ダクト、 6 コンクリート床、
7、7’ 装置基礎、8、9 還気側ダクト、 10
基盤材、 11 パネル材、12 レベル調整モルタ
ル、 13 設置基礎、14 ホールインアンカー、
15 床版、 16 塩化ビニール板、17、23 磁
気シールド材、 18 接ぎ材、 19 非磁性金属
板、20 コンクリート床、 21 床面、 22 側
壁、24、25 スペーサ、 26 アルミアルマイト
クリア仕上げ材、27 焼付塗装アルミ仕上げ材、 2
8、29 アングル材、30 ボルト、 31 アンカ
ーボルト、 32 天井部、33 凹凸形状、 34
帯板、 35 ボルト・ナット、36 補強H鋼取付ブ
ラケット、 37 ビス、 38 H型鋼、39 フラ
ンジ、 40 コンクリート土台、 41 基礎盤、4
2 H型鋼、 43 中空開口、 44 貫通孔、 4
5 充填口、46 取付孔、 47 レベル調整ボル
ト、 48 固定金物、49 非磁性筋、 50 モル
タル充填開口、 51 開口、52 フリーアクセス、
53 開口、 54 垂直部、55、66 下端部、
56、65 ハニカム材、 57 水平部、58 連
結部分、 59 下部部分、 60、67 上部部分、
61、63、68、70 矩形開口、 62、69 磁
気シールド多層構造、64 上部開口部、 71 グレ
ーチング、 72 ULPAフィルター、73 支持機
構、 74 吊りボルト、 75 システムフレーム、
76、77 バックアップ材、 78、79 シーリン
グ材、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 剛 東京都港区海岸二丁目2番6号 YS海岸 ビル 株式会社テクネット内 Fターム(参考) 2E001 DH01 DH23 FA34 FA35 FA41 5E321 AA42 BB21 BB53 CC16 GG07 GH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レベル調整モルタルを打設した設置基礎
    の上に設置されるクリーンルームであって、少なくとも
    片面に磁性材を貼設した基板材を積層して成る底版、該
    底版の上に載置されるコンクリート床、少なくとも片面
    に磁性材を貼設したパネル材を積層して成る側壁、少な
    くとも片面に磁性材を貼設したパネル材を積層して成る
    天井部、該天井部から所定の間隔を保って吊り下げられ
    るULPAフィルター、該コンクリート床に防振して設
    置する装置基礎及び通気開口に磁性ハニカムを装備して
    成る磁性材製通還気ダクトから構成される防振型磁気シ
    ールドクリーンルーム。
  2. 【請求項2】 装置基礎が、コンクリート床と底版とを
    貫通して設置基礎に定着されることを特徴とする請求項
    1に記載の防振型磁気シールドクリーンルーム。
  3. 【請求項3】 装置基礎が、工場製作した基礎をコンク
    リート床と底版との貫通孔を通じてクリーンルームの設
    置基礎に固着して構成されることを特徴とする請求項2
    に記載の防振型磁気シールドクリーンルーム。
  4. 【請求項4】 底版における基板材の積層が、磁性材、
    基板材、磁性材、基板材及び磁性材から構成されること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防振型
    磁気シールドクリーンルーム。
  5. 【請求項5】 側壁におけるパネル材の積層が、磁性
    材、パネル材、磁性材、パネル材及び磁性材から構成さ
    れることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の防振型磁気シールドクリーンルーム。
  6. 【請求項6】 天井部におけるパネル材の積層が、磁性
    材、パネル材、空隙、磁性材、パネル材及び磁性材から
    構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の防振型磁気シールドクリーンルーム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の防振
    型磁気シールドクリーンルームの施工法であって、クリ
    ーンルーム設置基礎の所定位置に非磁性筋を植設して置
    き、次いで貫通孔が形成されたコンクリート床と底版と
    を設置して該貫通孔にグラウトモルタルを充填し、しか
    る後に別途に製作して置いた装置基礎を設置基礎に充填
    されたグラウトモルタル上に配置し、グラウトモルタル
    を位置調整した後に充填して装置基礎を固着する防振型
    磁気シールドクリーンルームの施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015057770A1 (en) * 2013-10-15 2015-04-23 Rad Technology Medical Systems Llc Radiation vault module with adjustable base frame

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