JP2000008647A - 建物の制振構造 - Google Patents

建物の制振構造

Info

Publication number
JP2000008647A
JP2000008647A JP10177875A JP17787598A JP2000008647A JP 2000008647 A JP2000008647 A JP 2000008647A JP 10177875 A JP10177875 A JP 10177875A JP 17787598 A JP17787598 A JP 17787598A JP 2000008647 A JP2000008647 A JP 2000008647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
staircase
damper
relative displacement
earthquake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177875A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Hanzawa
徹也 半澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP10177875A priority Critical patent/JP2000008647A/ja
Publication of JP2000008647A publication Critical patent/JP2000008647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 階段室等を有効に利用して建物の耐震性を高
めることのできる建物の制振構造を提供することを課題
とする。 【解決手段】 階段室15と建物10との間に、例えば
粘弾性ダンパーからなるダンパー18を備える構成とし
た。そして、階段室15には、その外周部に外壁16を
一体に形成する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば集合住宅等
の建物において耐震性を高めるのに用いて好適な建物の
制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、近年、ビル等の建築物の
躯体には高い制震性能が要求されており、このために各
種ダンパー装置や補強材等を組み込んだ免震・制震構造
が多種開発されている。
【0003】例えば、図5に示すような集合住宅等の建
物1においては、建物1自体に各種免震・制振装置を組
み込んだり、建物1の躯体を制振構造としたり、また補
強フレーム等を別途組んでこれによって建物1の補強を
図る等の技術が提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示し
たような集合住宅等の建物1において、建物1の外部に
階段室2が付属して設けられている場合、階段室2は建
物1の耐震性を高めるための要素として有効に利用され
ていないのが現状である。本発明は、以上のような点を
考慮してなされたもので、階段室等を有効に利用して建
物の耐震性を高めることのできる建物の制振構造を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建物と、該建物に沿って設置された上下方向に連続する
構造体との間に、これら建物と構造体との相対変位を減
衰するダンパーが備えられていることを特徴としてい
る。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1記載の建
物の制振構造であって、前記構造体が、前記建物の側面
に設けられた外階段であることを特徴としている。
【0007】このように、外階段等の構造体と建物の間
にダンパーを備えることによって、地震等で建物と構造
体との間に相対変位が生じたときに、これを減衰し、振
動を低減することができる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の建物の制振構造であって、前記構造体の外周部
に、該構造体の補強のための壁体が一体に形成されてい
ることを特徴としている。
【0009】これにより、構造体の剛性を高めて、この
構造体を、建物に生じる振動を低減するための要素とし
て、より効果的に活用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建物の制振構
造の実施の形態の一例を、図1ないし図4を参照して説
明する。
【0011】図1において、符号10は集合住宅等の建
物、11は建物10の各階に設置されて建物10の長手
方向に延在する廊下、12は廊下11に沿って複数配置
された住戸、をそれぞれ示している。
【0012】この図に示すように、建物10の両端部に
は、それぞれ外階段を構成する階段室(構造体,外階
段)15が設けられている。この階段室15は、建物1
0の側面から所定寸法離間した位置に設けられており、
建物10とは独立した構成となっている。
【0013】階段室15の三側面(建物10に対向する
側を除いた三方)には、階段室15を補強するため、上
下方向に連続する外壁16が一体に形成されている。こ
こで、外壁16によって補強された階段室15は、建物
10から切り離したときに建物10の固有周期よりも短
い固有周期を有しているのが好ましい。
【0014】そして、図1および図2に示すように、建
物10と階段室15との間には、ダンパー18が組み込
まれている。図2に示したように、このダンパー18
は、粘弾性体ダンパーからなり、建物10の各階のスラ
ブ19に一端が固定された鋼板18aと、階段室15の
各階のスラブ20に一端が固定された鋼板18bとが上
下に交互に配置され、これら鋼板18a,18b間に粘
弾性体18cが介装された構成となっている。
【0015】このような構成の建物10においては、地
震等が発生すると、建物10とその両側の階段室15と
が独立して挙動し、建物10と各階段室15との間で相
対変位が発生する。すると、建物10と階段室15との
間に組み込まれたダンパー18においては、建物10側
の鋼板18aと、階段15側の鋼板18bとの間で水平
方向の相対変位が生じ、この相対変位エネルギーは粘弾
性体18cによって吸収される。その結果、建物10と
階段室15との相対変位が減衰され、建物10における
振動が低減されるようになっている。
【0016】ここで、図3に示すものは、上記構成から
なる建物10における解析モデルである。この解析モデ
ルにおいて、建物10の質量m1と階段室15の質量m
2との関係を、階段室15は建物10に対して狭いの
で、m2=0.05×m1とする。そして、建物10を
例えば鉄筋コンクリート造10階建てとして、その質量
m1および剛性k1からなる系の固有周期を0.6秒と
する。また階段室15は、その質量m2が軽く、また容
易に壁量を増やせることから、その質量m2および剛性
k2からなる系の固有周期を0.4秒とする。そして、
建物10および階段室15からなるフレームの粘性減衰
を2%とする。さらに、簡単のため、m1=980(t
f)とすれば、固有周期T=2π×(m/k)0.5の関
係から、k1=110(tf/cm)、k2=12(t
f/cm)となる。
【0017】ここで、粘弾性ダンパーであるダンパー1
8では、減衰率ηは、剛性をkm、減衰係数をcmとす
るとη=ω×cm/kmであり、ω=2π×1(Hz)
のとしたときのηを0.8(減衰定数40%に相当)と
し、これを一定とした。そして、ダンパー18は、簡単
のため、cm/km=0.127で一定とし、kmのみ
をパラメータとした。
【0018】図4に示すものは、kmを変化させたとき
の応答変位倍率(地動の変位に対する建物10の相対変
位の倍率)を示す。ここで、U1は質点m1における変
位を、U2は質点m2における変位を示す。この図から
明らかなように、km=4.0tf/cmの時、変位U
1は元々のフレームに比べ、3/4となっている。
【0019】上述した建物10の制振構造では、階段室
15と建物10との間にダンパー18を備える構成とな
っている。これにより、地震等で建物10と階段室15
との間に生じた相対変位を減衰して、建物10における
振動を低減することができ、したがって、建物10の耐
震性を高めることができ、地震時における建物10の損
傷を防ぐとともに、建物10の居住性を高めることがで
きる。しかも、階段室15は、元々建物10のプランに
含まれていたものであるため、従来のように、建物の耐
震性を高めるためだけの特別な補強フレーム等を付加す
る必要がなく、前記効果を低コストで得ることができ
る。
【0020】また、階段室15は、その外周部に外壁1
6が一体に形成された構成となっている。これにより、
階段室15の剛性が高められ、この階段室15を、建物
10に生じる振動を低減させるための要素として、より
効果的に活用することができる。
【0021】なお、上記実施の形態において、階段室1
5を建物10の両端部に設ける構成としたが、これに限
るものではなく、一方の端部だけでも良いし、また他の
側面に設ける構成としても良い。また、建物10につい
ては、その平面形状を上記長方形以外の他のいかなる形
状としても良い。さらに、上記実施の形態では、構造体
として階段室15を例に挙げたが、建物10の側面に沿
って設けられたものであれば、他の例えばエレベータシ
ャフト等を構造体としても良い。
【0022】また上記実施の形態では、ダンパー18と
して粘弾性ダンパーを用いたが、粘弾性体18cの材質
については何ら問うものではなく、エネルギーを効率よ
く吸収できるのであればいかなる材質のものを採用して
も何ら支障はない。また、粘弾性ダンパーに代えて、履
歴ダンパー、粘性ダンパー等、他の種類のダンパーを用
いても良い。
【0023】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および2
に係る建物の制振構造によれば、外階段等の構造体と建
物の間にダンパーを備えることによって、地震等で建物
と構造体との間に相対変位が生じたときに、これを減衰
して、建物における振動を低減することができる。した
がって、建物の耐震性を高めることができ、地震時にお
ける建物の損傷を防ぎ、建物の居住性を高めることがで
きる。しかも、構造体として元々建物のプランに含まれ
ていた外階段等を用いることによって、従来の補強フレ
ーム等のように、建物の耐震性を高めるためだけの特別
な構造体を付加する必要がなく、前記効果を低コストで
得ることができる。
【0025】請求項3に係る建物の制振構造によれば、
構造体の外周部に、補強のための壁体が一体に形成され
た構成となっている。これにより、構造体の剛性を高め
て、この構造体を、建物に生じる振動を低減するための
要素として、より効果的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建物の制振構造を適用した建物
の一例を示す平断面図である。
【図2】 前記制振構造の要部を示す斜視図である。
【図3】 同制振構造の解析モデル図である。
【図4】 前記解析モデル図における変位応答倍率を示
す図である。
【図5】 従来の建物の制振構造を適用した建物の一例
を示す平断面図である。
【符号の説明】
10 建物 15 階段室(構造体,外階段) 16 外壁 18 ダンパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物と、該建物に沿って設置された上下
    方向に連続する構造体との間に、これら建物と構造体と
    の相対変位を減衰するダンパーが備えられていることを
    特徴とする建物の制振構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建物の制振構造であっ
    て、前記構造体が、前記建物の側面に設けられた外階段
    であることを特徴とする建物の制振構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の建物の制振構造
    であって、前記構造体の外周部に、該構造体の補強のた
    めの壁体が一体に形成されていることを特徴とする建物
    の制振構造。
JP10177875A 1998-06-24 1998-06-24 建物の制振構造 Pending JP2000008647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177875A JP2000008647A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 建物の制振構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177875A JP2000008647A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 建物の制振構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000008647A true JP2000008647A (ja) 2000-01-11

Family

ID=16038594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10177875A Pending JP2000008647A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 建物の制振構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000008647A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063821A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Maeda Corp 既存建物の耐震補強構造
JP2013217171A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Fujiwara Sangyo Kk 津波・洪水など非常事態時の避難装置
US11299902B2 (en) 2016-12-20 2022-04-12 Industry-Academic Cooperation Foundation, Dankook University Damping system utilizing space between stair chamber and inner building

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063821A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Maeda Corp 既存建物の耐震補強構造
JP2013217171A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Fujiwara Sangyo Kk 津波・洪水など非常事態時の避難装置
US11299902B2 (en) 2016-12-20 2022-04-12 Industry-Academic Cooperation Foundation, Dankook University Damping system utilizing space between stair chamber and inner building

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006274613A (ja) 耐震補強構造
JP4913660B2 (ja) 鉄骨階段
JP2004211288A (ja) 建物の構造
JPH1162316A (ja) 耐震制振構造物
JP2000008647A (ja) 建物の制振構造
KR20070067855A (ko) 공동주택의 층간 소음 저감장치
JP2002004628A (ja) 制振骨組構造及び建築物
JP2006138127A (ja) 建物の構造
JP2855491B2 (ja) 遮音床構造
JP4756795B2 (ja) 板状住宅
JP3477597B2 (ja) 既存建築物の耐震補強構造
JPH10231639A (ja) 制振構造
JP2011038294A (ja) 付加質量制震建物
JP2010112013A (ja) 制振建物
JP3230839B2 (ja) 建物ユニットの防振構造
JP2001207675A (ja) 制震構造および制震装置を組み込んだ制震構築方法
KR100883058B1 (ko) 건축용 패널
JP6730103B2 (ja) 建物
JP2002121903A (ja) 既存構造物の耐震補強構造
JP3190953B2 (ja) 建物の制震構造
JP2004218413A (ja) 床構造
JP3820521B2 (ja) 建物の架構
JP4028640B2 (ja) 床衝撃音の遮断構造とユニット建物
JP3640195B2 (ja) 建築物の制振構造
JPH06220921A (ja) ユニット式建物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927