JP2003298214A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JP2003298214A
JP2003298214A JP2002103002A JP2002103002A JP2003298214A JP 2003298214 A JP2003298214 A JP 2003298214A JP 2002103002 A JP2002103002 A JP 2002103002A JP 2002103002 A JP2002103002 A JP 2002103002A JP 2003298214 A JP2003298214 A JP 2003298214A
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Japan
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substrate
conductive paste
intaglio
electronic component
conductor pattern
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JP2002103002A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ono
大野  猛
俊克 ▲高▼田
Toshikatsu Takada
Toshikazu Horio
俊和 堀尾
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成後のパターン形成及びビアと導体パター
ンとの接続信頼性に優れた電子部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、可とう性材料である凹版の表
面に溝部を設け、該溝部の表面に離型剤を塗布して剥離
層を設けた後、上記溝部に導電性ペーストを充填してか
ら該導電性ペーストを乾燥させる。次いで、ビアを有す
る基板の表面及び/又は上記導電性ペーストのラミネー
ト側表面に転写溶剤を塗布して、上記基板の表面及び/
又は上記導電性ペーストのラミネート側表面を軟化させ
る。その後、上記導電性ペーストを充填した上記凹版と
上記基板とをラミネートし、次いで、上記凹版を上記基
板から剥離することにより上記導電性ペーストのパター
ンを上記基板上に転写し、その後、転写された上記基板
を焼成することにより、電子部品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品の製造方法
に関し、更に詳しくは、導体パターンと基板との十分な
接着力を維持すると共に、焼成後のパターン形成及びビ
アと導体パターンとの接続信頼性に優れた電子部品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品の導体パターンは、
スクリーン印刷や凹版印刷等の印刷方法により、Agペ
ースト等の導電性ペーストのパターンを基板上に印刷
し、その後、基板を焼成することにより形成されてい
る。そして、近年、電子部品の小型化のために、電子部
品の導体パターンを構成する導体ラインの微細化が求め
られている。
【0003】上記の要求に応えるべく、今日までに様々
な導体パターンの形成方法が知られている。例えば、特
開平4−240792号公報には、形成すべき導体パタ
ーンに対応した溝が形成された凹版の該溝に導電性ペー
ストを充填し、その導電性ペーストを乾燥・硬化させ、
次いで、基板上に硬化性樹脂を介してそのパターンを転
写することによって、所望の導体パターンを形成する印
刷方法が開示されている。また、特開平7−16963
5号公報には、表面に溝を有する可とう性樹脂からなる
凹版の表面に剥離層を設け、次いで、上記溝に導電性ペ
ーストを充填・乾燥し、そして、基板上に接着層として
機能する樹脂層を形成後、上記凹版と上記基板とを所定
の範囲の熱及び所定の範囲の圧力を加えることによって
貼り合わせ、その後、上記凹版を上記基板から剥離して
上記導電性ペーストのパターンを上記基板上に転写し、
転写後、転写された上記導電性ペーストのパターンを焼
成することによって、所望の導体パターンを形成する電
子部品の製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子部品の小型
化・高密度化のために、導体パターンを微細化するだけ
でなく、積層構造にすることが必要になっている。積層
構造では、上下層の導体パターンを接続するためのビア
を形成する必要がある。そして、かかるビアを設けた電
子部品においては、当然のことながら、ビアと導体パタ
ーンとの接続信頼性が要求される。
【0005】しかしながら、上記特開平4−24079
2号公報及び特開平7−169635号公報に記載の電
子部品の製造方法では、基板上に接着層として機能する
樹脂層を形成して、導体パターンの転写を行っているた
め、樹脂層が焼成工程で消失することにより、図5に示
すように、ビアと導体パターンとの間に隙間が生じてし
まう。その結果、両者の接触が点接触となって抵抗が大
きくなり、接続信頼性が低下するおそれがある。また、
加熱によって軟化しやすいグリーンシートを用いれば、
かかる樹脂層を設けなくても導体パターンと基板との接
着性が確保できるが、この場合でもビア自体は加熱によ
って軟化しないことから、依然としてビアと導体パター
ンとの接続性は特に改善されるものではない。そして、
上記各公報には、ビアと導体パターンとの接続信頼性の
改善については特に知見がない。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、導体パターンと基板との十分な接着力を維持す
ると共に、焼成後のパターン形成及びビアと導体パター
ンとの接続信頼性に優れた電子部品の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の製造
方法は、表面に溝部を有する凹版の該溝に導電性ペース
トを充填してから該導電性ペーストを乾燥し、次いで基
板表面及び/又は上記導電性ペーストのラミネート側表
面に転写溶剤を塗布し、その後、上記導電性ペーストを
充填した上記凹版と上記基板とをラミネートし、次い
で、上記凹版を上記基板から剥離することにより上記導
電性ペーストのパターンを上記基板上に転写し、その
後、転写された上記基板を焼成することを特徴とする。
【0008】本発明では、上記凹版の材料は可とう性材
料とすることができる。また、本発明では、上記導電性
ペーストを充填する前の上記溝部の表面に剥離層を設け
ることができる。更に、本発明の上記転写溶剤は、アル
コール系化合物、エーテル系化合物、エステル系化合物
及び芳香族系化合物のうちの少なくとも1種を主成分と
する転写溶剤とすることができる。更に、本発明の上記
基板はグリーンシートとすることができ、又は、ビアを
有する基板とすることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明の電子部品の製造方法では、所定
の転写溶剤を塗布することにより、基板表面及び/又は
上記溝部に充填された上記導電性ペーストのラミネート
側表面を軟化させ、次いで転写を行うことにより、導体
パターンと基板との十分な接着力を維持すると共に、パ
ターンの変形、浮きの発生を抑えて優れた導体パターン
を形成することができる。また、本発明の電子部品の製
造方法では、従来のように基板に樹脂等の接着層を設け
る必要がないことから、作業性に優れ、従来よりも簡単
な工程で容易に導体パターンの転写を行うことができ
る。更に、本発明の電子部品の製造方法では、ビアと導
体パターンとを十分に密着させることができるので、接
続信頼性が高い電子部品を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら更に詳細に説明する。本発明で使用さ
れる凹版の一例を図1に示す。凹版1の表面(ラミネー
トの際に基板表面と接する側の表面)には、凹版印刷に
よって基板上に形成する導体パターンに対応したパター
ンとなる溝部11を有する。
【0011】上記凹版1の材料については特に限定はな
く、必要に応じて種々の材料のものを用いることができ
る。特に、凹版の材料として可とう性材料を用いると、
基板上に導体パターンを転写する工程において、凹版と
基板とを剥離する場合に、図8に示すように、凹版1が
容易に変形して、凹版1と基板4との剥離状態は面と線
との剥離となる。その結果、可とう性のないガラス板等
の剛体材料の場合と比較して剥離が容易であり、剥離時
に基板や導体パターンに損傷を与えにくいので好まし
い。上記可とう性材料とは、可とう性、即ち、凹版と基
板とを剥離する際に変形して、凹版と基板との剥離状態
が面と線との剥離となる性質があれば特に材質に限定は
ない。例えば、銅板、ニッケル板等の金属薄板、ポリイ
ミドフィルム、PET、PSF、PC、PEI(ポリエ
ーテルイミド)、PAR(ポリアクリレート)、PEE
K(ポリエーテルケトン)等の樹脂フィルム等が挙げら
れる。
【0012】上記溝部11の形成方法については特に限
定はなく、上記凹版の材質等に応じて種々の方法によっ
て形成することができる。具体的には、例えば、凹版の
材質が金属の場合は、メッキ、レーザ加工等の方法、凹
版の材質が樹脂の場合は、レーザ加工、ホットプレス等
の方法により形成することができる。また、上記溝部1
1の形状についても特に限定はなく、図1に示すよう
に、断面形状が矩形状でもよく、あるいは、図2に示す
ような台形形状でもよい。
【0013】また、本発明では、図1に示すように、上
記溝部11に導電性ペーストを充填する前に、上記溝部
11の表面に剥離層12を設けておくことができる。こ
れにより、転写の際に凹版と導電性ペーストとを容易に
剥離することができる。その結果、パターン形成に優れ
ると共に、上記溝部に充填した導電性ペーストが上記溝
部に残留することを防止することができるので好まし
い。上記剥離層12の形成方法、剥離層の成分等につい
ては特に限定はなく、上記凹版の材質、導電性ペースト
の成分等に応じて種々の方法により形成することができ
る。例えば、上記溝部の表面に離型剤を塗布、必要に応
じて乾燥させることにより設けることができる。ここ
で、上記離型剤としては、例えば、フッ素系カップリン
グ剤(パーフルオロデシルトリエトキシシラン等)、シ
リコーン系離型剤等が挙げられる。
【0014】次に、本発明では、導体パターンとなる導
電性ペーストを上記溝部に充填し、次いで、該導電性ペ
ーストを乾燥させる。上記導電性ペーストの充填は、通
常、図3に示すように、上記凹版1の表面に導電性ペー
スト2を塗布し、次いで、スキージ3によって上記凹版
1の表面にある余分な導電性ペーストをかき取って除去
することにより行われる。
【0015】上記導電性ペースト2の成分については特
に限定はなく、必要に応じて種々の成分のものを用いる
ことができる。通常、上記導電性ペースト2としては、
Au、Ag、Mo、Cu、W、Ag−Pt、Ag−Pd
等が用いられる。また、上記導電性ペースト2は、導電
性を備える限り、その他の成分を含んでいてもよい。例
えば、乾燥後の導電性ペーストに適度な柔軟性を持たせ
て、転写工程でのクラックの発生を抑制するため、導電
性ペースト中にフタル酸エステル(フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル及びフタル酸ジブチル等)等の可塑剤
を添加することができる。更に、本発明の上記スキージ
3についても、上記凹版の表面にある余分な導電性ペー
ストをかき取って除去することができる限り、特にその
材質について限定はない。上記スキージ3の材質として
は通常、セラミック製スキージや樹脂製スキージが用い
られる。かかるスキージを用いると、凹版表面を傷つけ
ることなく余分な導電性ペーストを除去できるので好ま
しい。
【0016】また、本発明では、上記導電性ペーストを
上記溝部に充填した後、上記導電性ペーストを乾燥させ
る。この乾燥手段については特に限定はないが、通常、
ベルト式乾燥機を用いて乾燥温度70〜150℃にて行
われる。尚、充填後の上記導電性ペーストを乾燥させる
と、通常、導電性ペーストの体積が減少する。そこで、
本発明では、上記溝部に充填した上記導電性ペーストを
乾燥した後、乾燥による体積減少分を補うために追加の
導電性ペーストを再充填し、次いで、再充填後の上記導
電性ペーストを再乾燥することを少なくとも1回以上行
うことができる。
【0017】そして、本発明では、上記導電性ペースト
を充填した上記凹版と上記基板とをラミネートする前
に、基板表面及び/又は上記溝部に充填された上記導電
性ペーストのラミネート側表面に転写溶剤を塗布する。
図4は、基板4の表面に転写溶剤を塗布した状態を示す
図である。ここで、上記「基板表面に転写溶剤を塗布す
る」とは、基板上にビア等の凸部がある場合、この凸部
の表面に転写溶剤を塗布する場合も含む。
【0018】上記転写溶剤を塗布することにより、上記
溝部に充填された上記導電性ペーストのラミネート側表
面及び/又は基板表面を軟化させることができる。図4
では、基板4の表面に転写溶剤を塗布したことにより、
表面に軟化部41が形成されている。この状態で、図7
に示すように、上記導電性ペースト2を充填した上記凹
版1と上記基板4とをラミネートすることにより、接着
層として機能する樹脂層を別途設けなくても、上記基板
4の表面に導体パターンを転写することができる。よっ
て、樹脂層を形成する工程を省略して容易に電子部品を
製造できる。また、ビアのように基板の表面に凸部が存
在している箇所に導体パターンを設ける場合、従来の接
着層として機能する樹脂層を設ける方法では、図5に示
すように、焼結の際に樹脂層6が消失してビア5と導体
パターン7との間に隙間が生じる結果、両者の接触が点
接触となって抵抗が大きくなり、接続信頼性が低下する
おそれがある。一方、本発明では、転写溶剤によって導
電性ペーストの表面を軟化させることができるので、図
6に示すように、転写の際、ビア5の形状に対応して導
体パターン7が変形する。その結果、ビア5と導体パタ
ーン7とをより確実に接着させることができ、接続信頼
性を向上させることができる。
【0019】上記転写溶剤の成分は、充填した上記導体
パターン及び/又は上記基板の表面を軟化させることが
できる限り特に限定はなく、基板の材質、導電性ペース
トの成分等に応じて種々の成分とすることができる。上
記転写溶剤の成分としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール、2−ブタノール及びt−ブタノール等の1価
アルコール、並びにエチレングリコール及びジエチレン
グリコール等の2価又は多価アルコール等のアルコール
系化合物、ブチルカルビトール等のエーテル系化合物、
酢酸エステル(酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル
等)及びフタル酸エステル(フタル酸ジメチル、フタル
酸ジエチル及びフタル酸ジブチル等)等のエステル系化
合物、ベンゼン及びトルエン等の芳香族系化合物等が挙
げられる。本発明の上記転写溶剤として好ましくは、ア
ルコール系化合物、エーテル系化合物、エステル系化合
物及び芳香族系化合物のうちの少なくとも1種を主成分
とするものである。尚、主成分とは、転写溶剤100%
に対し上記各化合物のうちの少なくとも1種が70%以
上(好ましくは75%以上)であることを意味する。
【0020】また、上記転写溶剤として、上記基板の材
質及び/又は導電性ペーストに含まれる成分と同一(完
全同一のみならず、部分的に同一の場合も含む)の成分
を含有する転写溶剤を用いてもよい。かかる転写溶剤を
用いることにより、転写溶剤成分が上記基板又は上記導
電性ペースト中に吸収されたとしても、上記基板又は上
記導電性ペーストに対して影響を及ぼすおそれが低いの
で好ましい。
【0021】上記基板4の材料については特に限定はな
く、電子部品分野において一般的に使用されている材料
を適宜選択して用いることができる。例えば、上記基板
は、アルミナセラミックス等の各種セラミック材料、チ
タン酸バリウムを主体とする誘電体の他、グリーンシー
トによって形成することができる。特に、グリーンシー
トは加熱及び本発明の転写溶剤によって軟化する性質を
有しているので、導体パターンと基板との接着性を更に
向上させることができる。よって、本発明では基板とし
てグリーンシートを用いるのが好ましい。
【0022】本発明では、上記転写溶剤を塗布した後、
図7に示すように、上記凹版1の表面(溝部を設けた側
の表面)と上記基板4の表面とを貼り合わせ、圧着させ
ることによりラミネートを行う。その後、図8に示すよ
うに、上記凹版1を上記基板4から剥離することによ
り、導体パターン7を上記基板4の表面に転写する。上
記ラミネートの方法、条件は、導体パターンを上記基板
上に転写することができる限り特に限定はなく、必要に
応じて種々の方法、条件を採用することができる。通
常、ラミネートの際の温度は20〜100℃、好ましく
は50〜80℃である。また、ラミネートの圧力は40
〜100kg/cm、好ましくは50〜80kg/c
である。更に、ラミネートの時間は60〜300
秒、好ましくは120〜200秒である。
【0023】本発明では、上記工程により、転写溶剤が
揮発したり、あるいは、基板や導体パターンに吸収され
ることにより、導体パターン表面や基板表面に存在する
軟化部41は消失し、上記導体パターンと上記基板とを
より確実に密着させることができる。また、基板にビア
があっても、図6に示すように、両者を確実に密着させ
て、接続信頼性を向上させることができる。また、本発
明では、上記凹版を上記基板から剥離して、導体パター
ンを上記基板上に転写した後、上記基板について乾燥を
行ってもよい。かかる乾燥を行うことにより、ラミネー
トの際に軟化部41の消失が十分でなかったとしても、
この乾燥により、転写溶剤が揮発するか、又は上記基板
若しくは導体パターン中に転写溶剤が吸収されることに
より、軟化部41を確実に消失させることができるので
好ましい。この場合の乾燥温度は、通常50〜150
℃、好ましくは75〜125℃の範囲である。
【0024】そして、本発明では、導体パターンが転写
された上記基板を焼成する。この焼成条件については特
に限定はなく、必要に応じて様々な条件に設定すること
ができる。本発明では、通常は、150〜300℃、好
ましくは200〜300℃の条件で脱脂を行い、その
後、ベルト焼成炉を用いて700〜900℃、好ましく
は750〜900℃、更に好ましくは800〜850℃
の条件で焼成が行われる。従来のように、接着層として
機能する樹脂層を設ける方法では、焼成条件の設定によ
っては、かかる樹脂層から燃焼ガスが発生して、導体パ
ターンの剥離や変形が生じるおそれがあり、かかる弊害
を是正するためには焼成条件を特定の条件に設定してお
く必要がある。一方、本発明では、上記樹脂層を設ける
必要がないことから、上記樹脂層を設ける場合と比較し
て自由に焼成条件を設定することができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく
説明する。本実施例では、ニッケル製の板材を凹版の基
材として用いた。該基材の表面に、フォトリソグラフィ
ーによりレジストパターンを形成し、その後、ニッケル
メッキを行うことによって、基板上に設ける導体パター
ンに対応するパターンとなる溝部を有する凹版を形成し
た。ここで、該溝部の幅、即ち、得られるライン幅は5
0μmとなるようにした。次いで、上記凹版及び溝部の
表面に離型剤(シリコーン系離型剤、東レダウコーニン
グ社製「DKQ3−210」)を塗布、乾燥させること
により、上記凹版及び溝部の表面に剥離層を形成した。
その後、上記凹版上に導電性ペースト(Agペースト)
を塗布し、次いで、セラミック製スキージで上記凹版表
面の余分な導電性ペーストをかき取ることにより、上記
溝部に導電性ペーストを充填した。そして、ベルト乾燥
炉を用いて最高温度80℃で導電性ペーストを乾燥させ
た。この乾燥工程により、充填した導電性ペーストの体
積が減少したことから、乾燥後、上記と同様の方法で再
度上記溝部に導電性ペーストを充填し、乾燥を行った。
これにより、上記溝部への導電性ペーストの充填を完了
した。
【0026】また、本実施例では、基板としてガラスセ
ラミック製の基板を用いた。また、転写溶剤として、ブ
チルカルビトール:酢酸ブチル=3:1の割合となるよ
うに混合した溶液を調製した。そして、この転写溶剤を
上記基板の表面及び上記溝部に充填された上記導電性ペ
ーストのラミネート側表面に塗布した。次いで、上記凹
版の表面と上記基板の表面とを張り合わせ、続いて熱圧
着機によって、40℃、50kg/cm、200se
cの条件で熱圧着することによりラミネートを行った。
ラミネートが終了してから室温まで冷却し、次いで、上
記基板から上記凹版を剥離して導体パターンを転写し、
そして、導体パターンが転写された上記基板を乾燥させ
ることにより転写工程を完了した。その後、導体パター
ンが転写された上記基板を840℃で焼成することによ
り、電子部品を製造した。
【0027】一方、比較例として、基板上に接着層とし
て機能する樹脂層を設けて転写を行う方法を行った。即
ち、凹版及び基板としては、上記実施例の凹版及び基板
を用いた。そして、該基板の表面に、ポリビニルブチラ
ール(PVB)を溶解したブチルカルビトールアセテー
ト(BCA)溶液を塗布することにより、接着層として
機能する樹脂層を設けた。樹脂層の厚さはほぼ20μm
以下である。次いで、熱ローラーによって、100℃、
20kg/cm、5cm/minの条件で圧着を行っ
た。圧着が終了してから室温まで冷却し、次いで、上記
基板から上記凹版を剥離して導体パターンを転写し、そ
して、導体パターンが転写された上記基板を乾燥させる
ことにより転写工程を完了した。その後、導体パターン
が転写された上記基板を840℃で焼成することによ
り、電子部品を製造した。
【0028】そして、上記実施例及び比較例の方法によ
り得られた単板について、焼成工程終了後にパターンを
上面から撮影することにより、パターン形状等に影響が
ないか比較した。また、上記実施例及び比較例の方法に
より得られた積層体(凹版印刷で形成した層に他のグリ
ーンシートをラミネートしたもの)について、焼成後の
積層体断面を露出させて撮影することにより、パターン
形状等に影響がないか比較した。その結果を以下の図9
に示す。
【0029】図9より、実施例の方法により製造された
単板及び積層体は、いずれも微細なパターンであると共
に、転写によってパターンに変形、浮き等の不具体は認
められなかった。また、積層体についても膨れ及びデラ
ミ(導体パターン7とビア5及び基板4との間隙)は認
められなかった。更に、ビアとの接続についても特に問
題は認められなかった。これに対し、比較例の方法によ
り製造された単板及び積層体は、微細なパターンを形成
できる反面、転写によってパターンに変形、浮きが発生
していた。また、積層体では、膨れは確認できなかった
が、断面撮影の結果、図9に示すように、20〜25μ
m程度のデラミが発生していることが確認された。更
に、外観検査より、ビア5と導体パターン7との剥離が
生じており、ビアとの接続についても問題が認められ
た。以上の結果より、基板表面に接着層として機能する
樹脂層を設けて転写を行う比較例よりも、転写溶剤を塗
布して転写を行う実施例の方が、転写によってパターン
に変形、浮き等の不具体はなく微細なパターンを得るこ
とができ、ビアとの接続信頼性も高いことが判る。
【0030】尚、本発明においては、上記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更し
た実施例とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる凹版の断面概略図である。
【図2】本発明で用いる凹版表面に形成された溝の形状
を示す断面模式図である。
【図3】本発明で用いる凹版に導電性ペーストを充填す
る工程を説明する断面概略図である。
【図4】本発明で用いる基板及びビア表面に転写溶剤を
塗布した状態を説明する断面概略図である。
【図5】樹脂層を設けて転写及び焼成を行った状態を説
明する断面概略図である。
【図6】本発明で、ビアと導体パターンとの接着状態を
説明する断面概略図である。
【図7】凹版と基板とを張り合わせた状態を示す断面概
略図である。
【図8】ラミネート後、凹版を剥離して導体パターンを
転写する工程の断面概略図である。
【図9】単板における実施例の導体パターンと比較例の
導体パターンの上面撮影図及び積層体における実施例の
導体パターンと比較例の導体パターンの断面撮影図であ
る。
【符号の説明】
1;凹版、11;溝部、12:剥離層、2;導電性ペー
スト、3;スキージ、4;基板、41;軟化部、5;ビ
ア、6;樹脂層、7;導体パターン。
フロントページの続き (72)発明者 堀尾 俊和 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA23 BB25 BB44 BB72 BB76 DD32 DD56 DD64 GG11 GG20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に溝部を有する凹版の該溝に導電性
    ペーストを充填してから該導電性ペーストを乾燥し、次
    いで基板表面及び/又は上記導電性ペーストのラミネー
    ト側表面に転写溶剤を塗布し、その後、上記導電性ペー
    ストを充填した上記凹版と上記基板とをラミネートし、
    次いで、上記凹版を上記基板から剥離することにより上
    記導電性ペーストのパターンを上記基板上に転写し、そ
    の後、転写された上記基板を焼成することを特徴とする
    電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記凹版の材料は可とう性材料である請
    求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記導電性ペーストを充填する前の上記
    溝部の表面に剥離層を設ける請求項1又は2記載の電子
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記転写溶剤は、アルコール系化合物、
    エーテル系化合物、エステル系化合物及び芳香族系化合
    物のうちの少なくとも1種を主成分とする転写溶剤であ
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記基板がグリーンシートである請求項
    1乃至4のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記基板はビアを有する請求項1乃至5
    のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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