JP3495211B2 - 配線基板形成用転写シート及びその製造方法並びに配線基板の製造方法 - Google Patents
配線基板形成用転写シート及びその製造方法並びに配線基板の製造方法Info
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Description
導体素子収納用パッケージ等に使用される配線基板を製
造するために用いる転写シート、及び該転写シートを用
いての配線基板の製造方法に関するものである。
体素子を収納するパッケージに使用される高密度多層配
線基板として、セラミック配線基板が多用されている。
このセラミック配線基板は、アルミナなどの絶縁性基板
上に、タングステンやモリブデン等の高融点金属から成
る配線導体を形成したものであり、この絶縁性基板の一
部に凹部が形成されており、この凹部内に半導体素子を
収納し、適当な蓋体によって凹部を気密に封止してパッ
ケージとするものである。
基板では、絶縁性基板を構成するセラミックスが固くて
脆い性質を有することから、製造工程または搬送工程に
おいて、セラミックスの欠けや割れが発生しやすく、半
導体素子の気密封止性が損なわれることがあるために歩
留まりが低い等の問題があった。また、この多層セラミ
ック配線基板は、焼結前のグリーンシートにメタライズ
インクを印刷し、印刷後のシートを積層した後に焼結す
ることによって製造されるが、その製造工程において、
高温での焼成による収縮を生じるため、得られる基板に
反り等の変形や寸法のばらつき等が発生し易いという問
題がある。
ッケージなどに使用される配線基板は、各種電子機器の
高性能化に伴って、今後益々高密度化が進み、配線幅や
配線ピッチを50mm以下にすることが要求され、ビア
ホールもインターステイシャルピアホール(IVH)に
する必要や、ICチップの実装方法もワイヤーボンディ
ングからフリップチップヘと代わるため、基板自体の平
坦度を小さくする必要も生じている。上述したセラミッ
ク多層配線基板は、寸法安定性に欠けるため、このよう
な回路基板の超高密度化や、フィリップチップ実装が要
求する基板の平坦度等に対して十分に対応できないとい
うのが実情である。
は、有機樹脂を含む絶縁性基板の表面に銅等の金属層か
ら成る回路パターンを形成した樹脂製配線基板が知られ
ている。この樹脂製配線基板は、セラミック配線基板の
ような欠けや割れ等の欠点がなく、また多層化に際して
も、焼成のような高温での熱処理を必要としないという
利点を有している。
銅箔等の金属箔を絶縁製基板上に貼り、次いで金属箔の
不要な部分をエッチング法やメッキ法により除去するこ
とにより導体回路パターンを形成することにより製造さ
れるものであることから、種々の問題があった。例え
ば、エッチング液等の薬液により、絶縁性基板の特性が
変化したり、金属箔により形成されている導体回路パタ
ーンが絶縁性基板表面に載置されているのみであるた
め、この回路パターンと絶縁性基板との密着不良を生
じ、両者の界面に空隙等が発生し易く、また多層化にあ
たっては、IVHを形成する時には逐次積層によらねば
ならず、一括積層を行うことができない等の問題があ
る。さらに、導体回路パターンにより絶縁性基板上に凸
部が形成されるために平坦度が低く、フリップチップ実
装に要求される平坦度を満足するに至っていない。
金属箔を貼付し、エッチング法等を用いて金属箔の不要
な部分を除去して導体回路パターンとし、これを転写シ
ートとして有機樹脂を含む絶縁性基板と圧着させ、次い
で樹脂フィルムを引き剥がすことにより導体回路パター
ンを絶縁性基板に転写して上記の樹脂製配線基板を製造
する方法が提案されている。この方法によれば、絶縁性
基板が各種の薬液に接触することがないので、薬液によ
る基板の特性低下を防止することができる。また、導体
回路パターンは絶縁性基板上に埋め込まれるため、両者
の密着性は良好であり、平坦度も高いという利点を有し
ている。
うな転写シートを用いての導体回路パターンの転写によ
り樹脂製配線基板を製造する場合、転写シートが粘着性
を持っているため、回路転写時に絶縁性基板に部分的に
密着し、導体回路パターンの転写不良や位置ずれ(寸法
誤差)を生じ易く、歩留りが極めて低いという問題があ
る。またこのような転写不良、寸法誤差等の問題は、導
体回路パターンが50μm 以下の微細パターンである場
合に特に顕著であり、高密度配線化やフリップチップ実
装の妨げとなっている。このような問題を解決するため
には、絶縁性基板として可及的に柔軟性の高いものを使
用することが考えられるが、この場合には、積層時等に
基板の変形が生じる等の新たな問題が発生する。
良、寸法誤差等の問題を生じることなく、導体回路パタ
ーンを絶縁性基板に転写することが可能な転写シート及
びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、特に50μm 以下の微細な導体回路パターンを有
する配線基板を歩留りよく製造することが可能な転写シ
ート及びその製造方法を提供することにある。
トを用いての配線基板の製造方法について検討した結
果、上述した種々の問題は、転写シートと絶縁性基板と
を圧着させた時の両者の接触に原因があることを見出
し、用いる転写シートにおいて、導体回路パターンと樹
脂フィルムとを接着させる粘着剤の粘着力を調整するこ
とにより、上述した種々の問題を解決することに成功し
たものである。
フィルムの一方側表面に設けられた粘着層と、該粘着層
上に形成された回路パターン状の金属層とから成る配線
基板形成用の転写シートにおいて、前記金属層が設けら
れている側の転写シート面は、該金属層が形成されてい
ない表面の粘着力が、該金属層で覆われている粘着層表
面の粘着力よりも小さく設定されていることを特徴とす
る転写シートが提供される。
着層を介して金属箔を貼付し、該金属箔の一部を除去し
て回路パターン状に成形し、次いで前記金属箔によって
覆われていない部分の粘着層を選択的に硬化させ又は該
部分の粘着層を除去して粘着力を低下させることを特徴
とする転写シートの製造方法が提供される。
ィルム上に粘着保持された金属層を引き剥がす時の18
0°ピール強度(JIS−Z−0237に準拠)として
表される。従って、金属層が形成されていない部分、即
ち表面が露出している部分の粘着力は、この部分に上記
金属層を同一条件で粘着保持させ、これを引き剥がす時
の180°ピール強度で示される。
ていない表面が露出している部分の粘着力が低いため、
これを絶縁性基板と圧着させた時、転写シートの樹脂フ
ィルムと該基板との接触により生じる問題を有効に回避
することができる。即ち、本発明者等の研究によると、
転写シートと絶縁性基板との圧着時に、導体回路パター
ンを構成している金属層を保持している樹脂フィルムと
絶縁性基板とが接触すると、該樹脂フィルムの変形や気
泡の巻き込みを生じ、この結果として、導体回路パター
ンの寸法誤差などが生じ、不良品発生率が高くなること
が認められた。
いる金属層が形成されていない部分では、金属層形成部
分に比して粘着力が小さく設定されていることから、樹
脂フィルムと絶縁性基板とが接触した場合において、両
者の摩擦力が有効に緩和され、この結果として、樹脂フ
ィルムの変形や気泡の巻き込みが有効に防止されるもの
である。
い部分の粘着力を低下させるには、この部分の粘着層を
選択的に硬化させるか、或いはこの部分の粘着層を除去
することによって行われる。粘着層の選択的硬化は、例
えば、粘着層が露出している部分に、光を照射する等、
粘着層を構成する粘着剤の種類に応じた手段によって行
うことができる。また粘着層の除去は、例えば溶剤を塗
布してこの部分の粘着層を洗い流すことによって行うこ
とができる。勿論、これらの手段は、金属層が形成され
ている部分の粘着層の粘着力を低下させるものであって
はならない。
体例に基づいて詳細に説明する。図1に本発明の転写シ
ートの製造プロセスを示し、図2には、この転写シート
を用いての配線基板の製造プロセスを示す。
を製造するにあたっては、先ず、図1(a)に示されて
いる様に、樹脂フィルム1の片面に粘着剤を塗布して粘
着層2を形成し、次いで、この粘着層2上に金属乃至合
金箔層(以下、単に金属箔と呼ぶ)3を貼付する。
リエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン等が使用されるが、この樹脂フィルム1の
厚みは、10乃至500μm、特に20乃至300μm
の範囲にあることが好ましい。フィルム厚みがこの範囲
よりも小さいと、フィルム1の変形や折れ曲がりを生じ
易く、例えば以下の工程で回路パターンを形成した場
合、或いは転写時等において、形成した回路パターンの
断線を起こしやすくなる。また厚みが上記範囲よりも大
きいと、フィルム1の柔軟性が損なわれ、後述する転写
工程において、フィルム1の剥離が困難となることがあ
る。
体公知のものを使用することができ、例えばアクリル樹
脂系、シリコン樹脂系、エポキシ樹脂系、ビニル樹脂
系、スチレン−ブタジエン系、SBS或いはSIS系、
イソプレン系、クロロプレン系、アクリルブタジエン系
等のエラストマー重合体や、天然ゴム、再生ゴム等に、
必要に応じてポリテルペン樹脂、ガムロジン、ロジンエ
ステルまたはロジン誘導体、油溶性フェノール樹脂、ク
マロン・インデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着付
与剤を配合した組成から成るものが使用され、これらは
溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型等、何れのタイプの
ものであってもよい。本発明においては、後述する選択
的硬化を行うために、上述した粘着剤の中でも、光硬化
型の単量体成分、光重合開始剤、光反応性架橋剤等の重
合成分を含む光硬化型の粘着剤を用いることが最も好ま
しい。粘着剤層2の厚みは、粘着剤の種類によっても異
なるが、通常3乃至40μm程度の範囲がよい。
するためのものであり、金、銀、銅、アルミニウム等の
低抵抗金属、或いはその合金等が好適である。特に好ま
しいものは、銅、または銅を含む合金である。金属箔3
の厚みは、1乃至100μm 、特に5乃至50μm の範
囲にあることが好ましい。この厚みが1μm よりも薄い
と形成される導体回路の抵抗率が高くなり、また100
μm よりも厚いと、転写シートを用いて得られる配線基
板(図2参照)を積層する時に、絶縁性基板5の変形が
大きくなったり、絶縁性基板5への金属層(導体回路パ
ターン)3aの埋め込み量が多くなり、絶縁性基板5の
歪が大きくなり、樹脂硬化後に基板が変形を起こしやす
くなる。更にエッチング処理しにくくなるため精度のよ
い微細な回路パターンを得難くなる傾向がある。
0mm以上、特に50g/20mm以上、最も好ましくは1
00g/20mm以上の粘着力で粘着層2に粘着保持され
ていることが好ましい。即ち、この粘着力が上記範囲よ
りも低いと、図1(b)で示すような導体回路パターン
の形成および選択的硬化工程において、金属箔3或いは
金属箔3から形成される導体回路パターン形状の金属層
3aが脱落したり、或いは位置ずれしたりするおそれが
あり、微細な回路パターンを形成することが困難となる
傾向がある。尚、上記の粘着力は、光硬化型以外の粘着
剤を使用する場合には、500g/20mm以下、好まし
くは400g/20mm以下に設定しておくことが好まし
い。必要以上に高い粘着力で金属箔3を粘着保持する
と、転写が困難となるからである。一方、光硬化型の粘
着剤を用いる場合には、転写に先立っての光照射によ
り、粘着層2の全体にわたって容易に粘着力を低下させ
ることができるので、上記範囲よりも粘着力が大きい場
合でも格別の問題はない。
箔3を剥がす時の180°ピール強度で測定されるが、
この粘着力は、用いる粘着剤の種類や組成により調整す
ることができる。例えば粘着付与剤の配合量を調整する
ことにより、上述した範囲の粘着力を付与することがで
きる。
属箔3を粘着保持させた後に、金属箔3から所定の回路
パターン形状を有する金属層3aを作成し、次いで選択
的硬化を行うか、或いは金属層3aが形成されていない
部分の粘着層を除去することにより、本発明の転写シー
トAを得ることができる(図1(b)参照)。
路に相当)3aの形成は、公知のレジスト法によって容
易に行うことができる。例えば、金属箔3の全面にネガ
型又はポジ型のフォトレジスト4を塗布し、所定パター
ンのマスクを介して露光を行い、現像後、プラズマエッ
チングやケミカルエッチング等により、非パターン部
(フォトレジストが除去されている部分)の金属箔3を
除去する。これにより、金属箔3から所定の回路パター
ンを有する金属層3aが形成される。またスクリーン印
刷等により、金属箔3上に所定回路パターン形状にレジ
スト4を塗布し、上記と同様にエッチング処理すること
により、金属層3aを形成することができる。尚、図示
されている様に、この金属層3a上には、レジスト4が
残存することになるが、後述する転写工程に先立って、
残存しているレジスト4を適当なリンス液を用いて洗浄
除去しておく。但し、後述する絶縁性基板の特性や金属
層3aと絶縁性基板との密着性に悪影響を与えるもので
ない限り、例えば、絶縁性基板の構成素材と同じ組成の
レジストを用いた場合には、残存するレジスト4を除去
しなくともよい。
露出部分2a(金属層3aが形成されていない部分)の
選択的硬化を行うか、又はこの部分2aの粘着層を選択
的に除去する。この選択的硬化により、粘着層2の表面
露出部分2aの粘着力は低下し、金属層3aを保持して
いる粘着力よりも小さなものとなり、本発明の転写シー
トAが得られる。また、この部分の粘着層を除去すれ
ば、表面粘着力は樹脂フィルム1表面の粘着力となり、
やはり粘着力は低下し、本発明の転写シートAを得るこ
とができる。尚、図1(b)では、表面露出部分2aに
は粘着層が存在しているが、上記の様に、この部分の粘
着層を除去すれば、当然この部分では、樹脂フィルム1
の表面が露出していることになる。
えば粘着剤として紫外線硬化型などの光硬化型の粘着剤
を使用し、金属層3a側から紫外線等の硬化光を照射す
ることによって容易に行うことができる。また、硬化光
照射による硬化以外にも、粘着剤の種類に応じて種々の
手段で選択的硬化を行うこともできる。例えば表面露出
部分2aに、硬化触媒等の薬剤を塗布することにより、
選択的硬化を行うことが可能である。また表面露出部分
2aの粘着層を除去する場合には、この部分に適当な溶
剤を塗布して、この部分の粘着層を洗い流せばよい。
り低下した表面露出部分2aの粘着力は、一般に20g
/20mm未満、好ましくは15g/20mm以下、最も好
ましくは実質上ゼロとするのがよい。これにより、転写
時における樹脂フィルム1と絶縁性基板との接触による
不都合を最も有効に防止することができる。この表面露
出部分2aの粘着力は、金属箔3を先と同じ条件でこの
部分に貼付し、その180°ピール強度を測定すること
により示される。また選択的硬化による粘着力の低下の
度合いは、用いる粘着剤の種類毎に硬化を行って粘着力
を測定しておき、この粘着力の値に基づいて硬化条件を
設定することにより調整できる。粘着層除去により粘着
力を低下させる場合には、その粘着力は、樹脂フィルム
1表面の粘着力となり、一般的には実質上ゼロになる。
れた本発明の転写シートAを用いての配線基板の製造
は、図2に示すプロセスで行われる。尚、図2では、表
面露出部分2aの粘着層を選択的に硬化させた場合を例
にとって示した。
縁性シート5を積層し、絶縁性シート5に金属層3を埋
め込み固定する。図2(a)は、金属層3aの一部が埋
め込まれた例であり、図2(A)は、金属層3aが完全
に埋め込まれた例である。
に相当するものであり、樹脂と無機質充填材或いは繊維
状基材とからなる。樹脂としては、例えばPPE(ポリ
フェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドト
リアジン樹脂)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ
素樹脂、フェノール樹脂等が好適であり、特に製造上の
見地から、室温で液状の熱硬化性樹脂(未硬化状態)が
望ましい。また無機質充填材、繊維状基材は、絶縁性基
板に一定の強度を持たせ且つ膨張率等を適当な範囲に調
整するために使用されるものである。一般に無機質充填
材としては、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 O
3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、ゼオライト、酸
化チタン(TiO2 )、窒化アルミニウム(AlN)、
炭化ケイ素(SiC)、チタン酸バリウム(BaTiO
3 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、チタ
ン酸カルシウム(CaTiO3 )、ほう酸アルミニウム
等が代表的であり、これらは、平均粒径が20μm 以
下、特に10μm 以下、最も好適には7μm 以下で略球
形であるのがよい。また平均アスペクト比が2以上、特
に5以上の繊維状の粒子を使用することもできる。また
繊維状基材としては、例えば紙、ガラス織布、ガラス不
織布、テフロン等の合成繊維を上げることができる。上
述した樹脂と無機質充填材とは、体積比率で60:40
乃至30:70の範囲で使用されるのがよく、また樹脂
と繊維状基材とは、体積比率で60:40乃至40:6
0の割合で使用するのがよい。
は、例えば転写シートAと半硬化状態の絶縁性シート5
とを、金属層3aが間になるように重ね合わせて圧着
し、次いで必要により、絶縁性シート5を硬化すること
によって行うことができる。
ては、ガラスの織布、不織布或いは紙、テフロン等の基
材にワニス状の硬化性樹脂を含浸乾燥させたブリブレグ
を用いることができる。勿論、このプリプレグの組成
は、先に述べた絶縁性シート5(絶縁性基板)の組成に
対応する。また硬化性樹脂を含む絶縁スラリーを用い
て、ドクターブレード法、押出成形、射出成形等によ
り、絶縁性シートを作成することもできる。
乃至500kg/cm2 程度であるが、この圧力が小さけ
れば、金属層3aの一部が絶縁性シート5に埋め込まれ
(図2(a)参照)、この圧力を高くすれば、金属層3
a全体を絶縁性シート5に埋め込むことができる(図2
(A)参照)。
したのと同様の硬化性樹脂を含む絶縁スラリーを、ドク
ターブレード法、押出成形、射出成形等により、金属層
3aの厚みよりも大きく且つ絶縁性基板に対応する厚み
に施し、絶縁性スラリーの硬化を行うことによって、前
述した埋め込みを行うことができる。この場合には、図
2(A)に示されている様に、金属層3a全体が絶縁性
シート5に埋め込まれる。尚、上述したスラリーは、絶
縁性基板を構成する前述したような硬化性の有機樹脂と
無機質フィラーとの複合材料に、トルエン、酢酸プチ
ル、メチルエチルケトン、メタノール、メチルセロソル
ブアセテート、イソプロピルアルコール等の溶媒を添加
して粘度調整することにより調製される。スラリー粘度
は成形方法にもよるが、一般に100乃至3000ポイ
ズ(25℃)が適当である。
に、樹脂フィルム1を粘着層2と共に絶縁性シート5か
ら引き剥すことにより、回路パターンを有する金属層3
aが絶縁性シート5に転写され、必要により、絶縁性シ
ート5を完全硬化させることにより、目的とする単層の
配線基板が得られる。特に図2(B)に示されている配
線基板は、金属層3aが絶縁性シート5に完全に埋め込
まれており、回路パターンを形成する金属層3aによる
凸部が形成されていないため、得られる基板は極めて平
坦性に優れており、特に一括積層による多層配線基板の
製造やフリップチップ実装に適している。
基板を製造する場合、転写シートAの表面露出部分2a
(図2では、粘着層の表面となっている)の粘着力が低
く設定されているため、例えば転写シートAの金属層3
aを絶縁性シート5に埋め込む際に(図2(a),
(A)参照)、樹脂フィルム1と絶縁性シート5とが接
触しても、両者の間に大きな摩擦力が生じることがな
く、従って絶縁性シート5に埋め込まれた金属層3aの
位置ズレや気泡の巻き込みが有効に防止され、転写不良
や断線を生じることがなく、不良品の発生率は著しく低
い。特に図2(A)に示す様に金属層3aを完全に絶縁
性シート5に埋め込み、図2(B)に示す様な平坦度性
に特に優れた配線基板を製造する場合には、樹脂フィル
ム1と絶縁性シート5との接触頻度は極めて高くなる
が、本発明の転写シートAを使用すれば、このような配
線基板を製造する場合にも、転写不良や断線を有効に防
止することができる。また微細な回路パターンを有する
配線基板も、極めて高い歩留りで製造することが可能と
なる。
よりさらに熱処理を行って絶縁性シート5を完全硬化さ
せ、更に所望により打ち抜き法やレーザーを用いた方法
でバイアホールを形成し、このバイアホール内に導電性
樹脂、金属フィラーを含有する導電性インク、金属ペー
スト等の導電性物質を充填し、これを別個に形成された
所定枚数の回路基板と積層し、加圧若しくは加熱して密
着し一体化して多層配線基板を作成することができる。
尚、バイアホールの形成及び導電性物質の充填は、絶縁
性シート5と転写シートAとの圧着に先立って、或いは
圧着等の段階で行うこともできる。
層2を光硬化型の粘着剤で形成した場合には、前述した
転写シートAの金属層3aを絶縁性シート5に埋め込む
に先立って(或いは埋め込んだ後に)、樹脂フィルム1
側から硬化光を照射し、金属層3aが設けられている部
分の粘着層2の硬化を行うことが望ましい。このような
光硬化により、粘着層2による金属層3aの粘着保持力
が低下し、金属層3aの埋め込まれた絶縁性シート5か
らの樹脂フィルム1の剥離に際して、金属層3aの転写
不良や断線が一層確実に防止することができるからであ
る。この場合、樹脂フィルム1としては、硬化光透過性
の良好なものが使用される。
いる部分の粘着力(180°ピール強度)が、50g/
20mm未満、好ましくは30g/20mm未満、最も好ま
しくは実質上ゼロなる程度に行うのがよく、一般的には
300mJ/cm2 以上の強度で1乃至10分間程度の硬
化光照射とするのがよい。
テレフタレート(PET)から成る樹脂のフィルム表面
に、紫外線硬化型のアクリル系樹脂から成る粘着剤を塗
布して粘着層を形成し、この粘着層上に厚みが12μm
の銅箔(平均表面粗さ0.8μm )を接着し、180°ピ
ール強度が300g/20mmの粘着力で銅箔が貼付され
たシートを作成した。次いで、フォトレジストを前記銅
箔の表面に塗布し、所定のマスクを介して露光現像を行
い、線幅が50μm 、配線間隙が50μm 以下の微細な
パターン導体回路を銅箔から形成し、転写シートとし
た。上記の転写シートに、照射条件(強度及び時間)を
種々変更して銅箔側から紫外線を照射し、粘着層露出部
分の粘着剤を硬化させた。この時の粘着層露出部分の一
部を切り取り、これに前記と同じ銅箔を同じ条件で貼付
し、これを引き剥がす時の180°ピール強度を測定
し、露出部粘着力として表1に示した。尚、実験例1で
は、紫外線の照射を全く行わなかった。
ーとして球状シリカを、体積比率で35:65の割合で
混合し、この混合物に酢酸ブチルを加えてミキサーによ
って十分に混合して粘度(25℃)が100ポイズの絶
縁性スラリーを調製した。この絶縁性スラリーを用い、
ドクタープレード法により約100μm の厚みの絶縁性
シートを作成し、さらにレーザーによりバイアホールを
形成し、そのホール内にCu−Ag合金粉末を含む銅ペ
ーストを充填した。
路側に、上記の絶縁性シートを重ね合わせ、真空積層機
により、30kg/cm2 の圧力で2分間加圧した後、P
ETフィルムを剥して導体回路を絶縁性シートに転写
し、単層の配線基板を得た。この配線基板それぞれ10
枚について、双眼顕微鏡により、導体回路の位置ずれ及
び気泡の巻き込みの有無を観察し、その発生割合を表1
に示した。
量を代え、150g/20mmの粘着力で銅箔を粘着保持
せしめた以外は、上記実験例と同様にして単層の配線基
板を作成し、同様の評価を行った。その結果を表1に示
す。
外は、実験例6と同様にして単層の配線基板を作成し、
同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
量を代え、10g/20mmの粘着力で銅箔を粘着保持せ
しめると共に、紫外線照射を行わずに実験例6と同様に
して単層の配線基板を作成し、同様の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。尚、この場合には、導体回路の一
部が転写前に完全に剥がれてしまった。
出部分の粘着層を溶剤により除去した以外は、実験例6
と同様にして単層の配線基板を作成し、同様の評価を行
った。その結果を表1に示す。
粘着剤をエポキシ樹脂系粘着剤に代え、粘着層露出部分
の選択的硬化を硬化触媒(アミン系硬化剤)の塗布によ
り行った以外は、実験例6と同様にして単層の配線基板
を作成し、同様の評価を行った。その結果を表1に示
す。
ィルムの表面に紫外線硬化型粘着剤を塗布して粘着層を
形成し、この上に9μm 厚の銅箔を粘着し、実験例1と
同様の手法により、回路幅25μm 、配線間隙25μm
の導体回路を形成し、転写シートとした。この転写シー
トに、回路側から紫外線を照射して露出部分の粘着剤を
硬化させ、実験例1と同様に露出部粘着力を測定した。
次いで、この転写シートを、PPE樹脂とアラミド不織
布より成るシートに加熱圧着した。この後、PETフィ
ルム側から紫外線を照射し、導体回路形成部分の粘着力
をゼロにし、次いでPETフィルムを引き剥がし単層の
配線基板を作成した。この単層配線基板について、実験
例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
板と転写シートを重ね合わせて導体回路を転写させる際
の、導体回路の位置ずれ、気泡の巻き込み等を有効に防
止することができ、寸法精度の高い導体回路を形成する
ことができる。
図。
るプロセスを示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの一方
側表面に設けられた粘着層と、該粘着層上に形成された
回路パターン状の金属層とから成る配線基板形成用の転
写シートにおいて、 前記金属層が設けられている側の転写シート面は、該金
属層が形成されていない表面の粘着力が、該金属層で覆
われている粘着層表面の粘着力よりも小さく設定されて
いることを特徴とする転写シート。 - 【請求項2】 前記粘着層が光硬化型の粘着剤で形成さ
れている請求項1に記載の転写シート。 - 【請求項3】 前記金属層側からの光照射により、前記
金属層が形成されていない部分の粘着層が選択的に硬化
され、その粘着力が選択的に低下している請求項2に記
載の転写シート。 - 【請求項4】 前記金属層が形成されていない部分の粘
着層が除去され、その部分の粘着力が低下している請求
項1に記載の転写シート。 - 【請求項5】 前記金属層が形成されていない表面の粘
着力が、20g/20mm未満に設定されている請求項1
に記載の転写シート。 - 【請求項6】 樹脂フィルム上に粘着層を介して金属箔
を貼付し、 該金属箔の一部を除去して回路パターン状に成形し、 次いで前記金属箔によって覆われていない部分の粘着層
を選択的に硬化させ又は該部分の粘着層を除去して粘着
力を低下させることを特徴とする転写シートの製造方
法。 - 【請求項7】 前記金属層が形成されていない表面の粘
着力を20g/20mm未満に低下させる請求項6に記載
の製造方法。 - 【請求項8】 前記粘着層が光硬化型の粘着剤で形成さ
れており、粘着層の選択的硬化を金属層側からの光照射
により行う請求項6又は7に記載の製造方法。 - 【請求項9】 前記粘着層の除去を溶剤を用いて行う請
求項6又は7に記載の製造方法。 - 【請求項10】 請求項3の転写シートを使用し、該シ
ートの樹脂フィルム側からの光照射により、粘着層の金
属層が形成されている部分の硬化を行って、当該部分の
粘着力を低下せしめ、 この転写シートの金属層側に絶縁性シートの層を形成し
且つ金属層の少なくとも一部を絶縁性シートに埋め込
み、 次いで樹脂フィルムを引き剥がすことを特徴とする配線
基板の製造法。
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