JP2003298198A - フレキシブルプリント基板、銅張積層板、および保護シート - Google Patents

フレキシブルプリント基板、銅張積層板、および保護シート

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JP2003298198A
JP2003298198A JP2002101637A JP2002101637A JP2003298198A JP 2003298198 A JP2003298198 A JP 2003298198A JP 2002101637 A JP2002101637 A JP 2002101637A JP 2002101637 A JP2002101637 A JP 2002101637A JP 2003298198 A JP2003298198 A JP 2003298198A
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Masahiko Arai
正彦 新井
Kenichi Okada
顕一 岡田
Kazuharu Kobayashi
一治 小林
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性と耐屈曲性とがともに高く、−30
℃程度の低温環境下および80℃程度の高温環境下にお
いても剥離しにくいフレキシブルプリント基板(FP
C)を提供する。 【解決手段】 FPC10またはFPC10を構成する
銅張積層板11もしくは保護シート12において、ベー
スフィルム1またはカバーレイフィルム5を接着するた
めのベースフィルム側接着剤層2および/またはカバー
レイフィルム側接着剤層4として、シラン変性エポキシ
樹脂を含有するシラン変性エポキシ樹脂接着剤を用い
る。前記シラン変性エポキシ樹脂としては、例えば、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂と、アルコキシシラン類と
を反応させることによって得られる生成物を用いること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(HDD)の配線などに用いられるフレキシブル
プリント基板に関し、特に、耐湿熱性と耐屈曲性の向上
を図ったフレキシブルプリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルプリント基板(FP
C)は、厚さが薄く、柔軟性に富み優れた屈曲特性を有
することから、近年、プリンターのヘッド部や、ハード
ディスクドライブ(HDD)のサスペンション等、電気
機械や電子機器の可動部分用の配線板として広範に用い
られている。
【0003】この種のFPCを製造するためには、例え
ば、以下の手順を用いることができる。まず、ポリイミ
ド樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等
からなる柔軟性を有するベースフィルム上に接着剤を介
して銅箔を接着し、銅張積層板とする。そして、得られ
た銅張積層板の銅箔をエッチングし、配線となるべきと
ころを残して他の部分を除去することによってパターン
回路を形成する。このパターン回路の上に、カバーレイ
フィルム上に接着剤層を形成した保護シートを、前記接
着剤層4が内面になるように積層させたのち、接着剤を
硬化させることにより、フレキシブルプリント基板を得
る。従来、ベースフィルムやカバーレイフィルムを接着
させるための接着剤としては、一般的に、エポキシ樹脂
接着剤が用いられている。このエポキシ系接着剤は、一
般にエポキシ樹脂(プレポリマー)と硬化剤と組み合わ
せたエポキシ樹脂組成物として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の集積
化、高密度化が進んでおり、該電子機器内部の平均温度
が上昇する傾向にある。しかしながら、汎用のエポキシ
系接着剤は、一般に硬化物のガラス転移温度(Tg)が
低く、温度上昇により弾性率が低下しやすい性質を有し
ているので、例えば80℃程度の高温環境下では、屈曲
による負荷を分担できずに耐屈曲性が低下するという問
題がある。
【0005】また、シクロヘキサン環などの剛直な構造
を分子内に有する高Tg型エポキシ系接着剤も知られて
いる。この高Tg型エポキシ系接着剤の硬化により得ら
れる硬化物は、高温環境下でも軟らかくなりにくいが、
硬くてもろいので、ピール強度が低いという欠点を有す
る。特に、特に常温以下(23〜−30℃)や高温環境
(40度以上)においてピール強度の低下が著しく、屈
曲時に突然剥離してしまうこともある。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、耐湿熱性と耐屈曲性とがともに高く、−30
℃程度の低温環境下および80℃程度の高温環境下にお
いても剥離しにくいフレキシブルプリント基板(FP
C)を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、フレキシブ
ルプリント基板またはフレキシブルプリント基板を構成
する銅張積層板もしくは保護シートにおいて、ベースフ
ィルムまたはカバーレイフィルムを接着するための接着
剤として、シラン変性エポキシ樹脂接着剤を用いること
により解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて、本
発明を詳しく説明する。図1は、フレキシブルプリント
基板(FPC)の断面図を示す。図1において、符号1
は、ベースフィルムであり、このベースフィルム1上に
は、ベースフィルム側接着剤層2が形成されており、さ
らにこのベースフィルム側接着剤層2の上にパターン回
路3が形成されている。パターン回路3の上には、カバ
ーレイフィルム側接着剤層4を介してカバーレイフィル
ム5が接着されている。前記ベースフィルム1およびカ
バーレイフィルム5としては、従来FPC用に用いられ
ている種類のプラスチックフィルムを特に制限なく用い
ることができるが、例えば、ポリイミド樹脂フィルム、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィ
ルム等は、引っ張り強度と弾性率がともに大きく、柔軟
性、屈曲性ともに優れたものとなるので、特に好まし
い。
【0009】本実施の形態のFPC10においては、前
記ベースフィルム側接着剤層2およびカバーレイフィル
ム側接着剤層4として、シラン変性エポキシ樹脂を含有
するシラン変性エポキシ樹脂接着剤が用いられる。本発
明において、前記シラン変性エポキシ樹脂としては、例
えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、アルコキシシ
ラン類との反応によって得られる生成物を用いることが
できる。
【0010】前記シラン変性エポキシ樹脂は、例えば、
特開2001−59011号公報に記載されているよう
に、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂として、分子内
に水酸基を有するものを用い、該ビスフェノール型エポ
キシ樹脂の水酸基と、アルコキシシラン類とを反応させ
ることにより、合成することができる。また、市販品の
例としては、例えば、荒川化学工業株式会社製のコンポ
セランE102、同じくE200などが挙げられる。
【0011】前記水酸基を有するビスフェノール型エポ
キシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAやビスフ
ェノールF等のビスフェノール類と、エピクロロヒドリ
ンやβ−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシド
との反応により得られ、下記一般式(1)
【0012】
【化1】
【0013】により表されるものを用いることができ
る。この一般式(1)において、Xは、イソプロピリデ
ン基(ビスフェノールAの場合)、メチレン基(ビスフ
ェノールFの場合)、エチリデン基、ジフェニルメチレ
ン基、シクロヘキシリデン基、酸素原子、スルホニル基
などの2価基であり、Yは、水素原子またはメチル基な
どの炭素数1〜3個のアルキル基である。このようなビ
スフェノール類のうち、ビスフェノールAを用いたビス
フェノールA型エポキシ樹脂は、最も汎用的に使用さ
れ、低価格であるので、特に好ましい。
【0014】また、式(1)中、繰り返し単位の個数n
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂の一部の分子におい
て1以上であれば、nが0の分子を相当量含んでいても
よく、平均で約0.1〜35とすることが好ましい。前
記繰り返し単位の個数nが0.1未満では、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂中の水酸基が少なくなり、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂と、アルコキシシラン類との反応
が起こりにくくなり、好ましくない。一方、前記繰り返
し単位の個数nが35を超えると、エポキシ当量があま
りに大きくなり、エポキシ基による硬化が困難になると
ともに、ビスフェノール型エポキシ樹脂中の水酸基があ
まりに多く、アルコキシシラン類との反応により生成す
る結合の数が多くなり、生成物がゲル化し、接着剤とし
ての使用が困難になるおそれがあり、好ましくない。
【0015】また、前記アルコキシシラン類としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテト
ラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシ
シラン類、または、これらの縮合物(縮合物1分子中の
ケイ素原子の平均個数は通常2〜300程度である)等
が挙げられる。特に、テトラメトキシシランやメチルト
リメトキシシランのようにメトキシ基を有するものは、
反応性が高く、ビスフェノール型エポキシ樹脂との反応
や、硬化時の縮合が容易に進行するようになるので、好
ましい。
【0016】前記アルコキシシラン類としては、特に、
下記一般式(2)
【0017】
【化2】
【0018】(式中、Meはメチル基を示し、mは0以
上の整数であり、mの平均繰り返し単位数は1〜7であ
る)で代表される化合物を含むテトラメトキシシラン縮
合物が好ましい。前記mの平均繰り返し単位数は1〜7
であり、当該テトラメトキシシランの縮合物の数平均分
子量は260〜1116程度のものがより好ましい。平
均繰り返し単位数mが上記範囲内のものは、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂や有機溶剤への溶解性がよく、ビス
フェノール型エポキシ樹脂との反応性が良好である。
【0019】前記シラン変性エポキシ樹脂は、例えば、
特開2001−59011号公報に記載されているよう
に、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂と、アルコキシ
シラン類とを脱アルコール反応によりエステル化するこ
とにより製造することができる。ビスフェノール型エポ
キシ樹脂とアルコキシシラン類の使用割合は、特に制限
されないが、アルコキシシラン類のシリカ換算重量/ビ
スフェノール型エポキシ樹脂の重量比を、0.01〜
1.2の範囲とするのが好ましい。
【0020】ただし、アルコキシシラン類のアルコキシ
基とビスフェノール型エポキシ樹脂の水酸基との当量比
が1付近(化学量論的に等量付近)であると、脱アルコ
ール反応の進行によって溶液の高粘度化やゲル化を招き
やすいため、ビスフェノール型エポキシ樹脂の水酸基の
当量またはアルコキシシラン類のアルコキシ基の当量の
いずれか一方が多くなるように前記当量比を1未満また
は1を超えるように調整するのが好ましい。特に、前記
当量比は、0.8未満または1.2以上に調整するのが
好ましい。
【0021】そしてシラン変性エポキシ樹脂の製造は、
例えば、前記各成分を仕込み、加熱して生成するアルコ
ールを留去しながらエステル交換反応を行うことにより
行うことができる。反応温度は50〜130℃程度、好
ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15
時間程度とされる。なお、アルコキシシラン類として2
種以上のものを用いる場合には、それぞれを同時にビス
フェノール型エポキシ樹脂と反応させることもでき、ま
たは順次に反応させることもできる。
【0022】上記のエステル交換反応に際しては、反応
促進のために従来公知のエステルと水酸基のエステル交
換触媒のうち、エポキシ環を開環しないものを使用する
ことができる。特に、有機錫、有機酸錫が好ましく、具
体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が
有効である。
【0023】また、上記反応は溶剤中で行うこともでき
る。ここで用いられる溶剤としては、前記ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂およびアルコキシシラン類を溶解する
有機溶剤であれば、特に制限はないが、例えば、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロ
フラン、メチルエチルケトンなどの非プロトン性極性溶
媒が挙げられる。
【0024】上述のシラン変性エポキシ樹脂接着剤から
得られる硬化物は、従来のエポキシ樹脂から得られる硬
化物に比して優れた耐熱性を示す。この理由は、以下に
示すとおりである。まず、シラン変性エポキシ樹脂の合
成過程において、アルコキシシラン類と、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂とが反応することにより、アルコキシ
シラン部位とビスフェノール型エポキシ樹脂部位との間
に、結合が形成される。
【0025】さらに、シラン変性エポキシ樹脂接着剤の
硬化過程においては、以下に示す2つの過程が並行して
進行する。 (1)ビスフェノール型エポキシ樹脂に由来するエポキ
シ基が前記硬化剤と開環反応して重合する過程。 (2)アルコキシシラン部位が、周囲の水分を吸収しな
がら脱アルコール反応することにより、シロキサン結合
(≡Si−O−Si≡)を形成しながら縮合する過程。
【0026】これにより、一のアルコキシシラン部位と
他のアルコキシシラン部位、一のビスフェノール型エポ
キシ樹脂部位と他のビスフェノール型エポキシ樹脂部位
との間にも結合が形成されるようになり、高次の架橋構
造を有する硬化物となる。このため、該硬化物は、高温
環境下においても低温環境下においても高い弾性率を示
すとともに、耐熱性が向上するものと考えられる。従っ
て、FPC10の製造に用いる接着剤として、前記シラ
ン変性エポキシ樹脂接着剤を用いることにより、高温環
境下においても低温環境下においても耐屈曲性に優れた
FPC10を製造することが可能となる。
【0027】前記シラン変性エポキシ樹脂接着剤は、上
記シラン変性エポキシ樹脂を含有する組成物である。シ
ラン変性エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されない
が、通常、前記組成物の固形分中50質量%以上である
ことが好ましい。前記組成物は、溶剤により適宜に濃度
を調整できる。溶剤としては、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトンなどの非プロトン性極性溶媒を使用できる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ
て、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節
剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、
着色剤、安定剤、カップリング剤等を適宜に配合するこ
とができる。
【0028】前記シラン変性エポキシ樹脂接着剤は、一
般的なエポキシ接着剤用硬化剤と混合したのち被着物に
塗布して、100〜200℃程度の温度で熱処理するこ
とによって硬化し、前記被着物を接着することができ
る。前記エポキシ接着剤用硬化剤としては、従来エポキ
シ系接着剤に使用されている硬化剤を特に制限なく使用
できる。具体的には、ジエチレントリアミン、テトラエ
チレンペンタミン、ジシアンジアミド、m−フェニレン
ジアミンなどのポリアミン系硬化剤、無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、4−メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸などの酸無水物系硬化剤などが挙げられ
る。
【0029】次に、本発明を具体例に基づいて詳しく説
明する。
【0030】「実施例1」まず、図2に示すように、ベ
ースフィルム1として厚さ25μmのポリイミド樹脂フ
ィルムを用い、このベースフィルム1の上にシラン変性
エポキシ樹脂接着剤を10μmの厚さにて塗布してベー
スフィルム側接着剤層2とし、このベースフィルム側接
着剤層2の上に厚さ35μmの銅箔6を積層して、銅張
積層板11を作製した。次いで、図3に示すように、得
られた銅張積層板11の銅箔6を塩化第二鉄水溶液によ
りエッチングしてパターン回路3を形成した。また、図
4に示すように、カバーレイフィルム5として厚さ25
μmのポリイミド樹脂フィルムを用い、この上にシラン
変性エポキシ樹脂接着剤を30μmの厚さに塗布し、乾
燥させることにより、カバーレイフィルム側接着剤層4
を形成して、保護シート12を作製した。そして、銅張
積層板11のパターン回路3の上に、前記保護シート1
2を、カバーレイフィルム側接着剤層4が内面となるよ
うに積層し、熱ラミネートにより貼り合わせ、200℃
/20分の条件で熱硬化処理を行うことにより、FPC
10を作製した。図5に、得られたFPC10の平面図
を示す。このFPC10は、長さLが100mm、幅W
が10mmであり、パターン回路3の配線の両端に端子
7を有するものである。
【0031】「比較例1」ベースフィルム側接着剤層2
およびカバーレイフィルム側接着剤層4に用いる接着剤
として、シラン変性エポキシ樹脂接着剤に代えて、とも
に、市販の高Tg型エポキシ系接着剤を用い、銅張積層
板11と保護シート12とを積層させた後の処理方法と
して、160℃/1時間プレスする方法を用いたことを
除き、実施例1と同様の手順により、FPC10を作製
した。
【0032】「比較例2」ベースフィルム側接着剤層2
およびカバーレイフィルム側接着剤層4に用いる接着剤
として、シラン変性エポキシ樹脂接着剤に代えて、とも
に、汎用エポキシ系接着剤を用い、銅張積層板11と保
護シート12とを積層させた後の処理方法として、16
0℃/1時間プレスする方法を用いたことを除き、実施
例1と同様の手順により、FPC10を作製した。
【0033】以上、3種類のFPC10に対して、以下
の試験を行った。
【0034】「ガラス転移温度および引っ張り弾性率」
それぞれの接着剤について、常温(23℃)および90
℃における引っ張り弾性率と、ガラス転移温度(Tg)
とを、動的粘弾性法によりそれぞれ測定した。
【0035】「疲労試験」図6に示すように、互いに平
行に配置された上部可動治具21および下部固定治具2
2に、FPC10を屈曲半径rが2mmになるように取
り付けて固定し、FPC10に一対の電線23、24を
取り付け、抵抗測定装置(図示せず)により、前記端子
7間の抵抗を測定できるようにした。そして、下部固定
治具22を固定し、上部可動治具21を20mmのスト
ローク、1500回/分の速度にて往復運動させる。こ
の間、FPC10のパターン回路3の抵抗値の変化を測
定し、抵抗値が初期抵抗値から10%増加するまでに要
した時間を疲労寿命とした。そして、疲労寿命に達する
までに上部可動治具21が往復した回数を屈曲寿命とし
た。FPC10の評価基準としては、屈曲寿命が100
0万回以上のときを良好(「○」)、100万回以上1
000万回未満を良(「△」)、100万回未満を不可
(「×」)とした。
【0036】「ピール強度」JIS C 6471 A
法に準拠して、補強板に試料を両面粘着テープにて張り
合わせ、180°方向に引き剥がして、各接着剤のピー
ル強度を測定し、0.4kg/cm以上を良好とし、
0.4kg/cm未満を不良とした。測定温度を−30
℃、23℃、80℃に変えてそれぞれ測定した。
【0037】上記試験の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果から明らかなように、ベー
スフィルム側接着剤層2およびカバーレイフィルム側接
着剤層4に用いる接着剤として、シラン変性エポキシ樹
脂接着剤を用いることにより、高温多湿条件下において
も屈曲性能が低下せず、耐湿熱性が向上する。また、高
温においても低温においても、ピール強度が優れたもの
となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
FPCまたはFPCを構成する銅張積層板もしくは保護
シートにおいて、ベースフィルムまたはカバーレイフィ
ルムを接着するための接着剤として、シラン変性エポキ
シ樹脂接着剤を用いたので、高温多湿条件下においても
屈曲性能が低下せず、耐湿熱性が向上する。また、高温
においても低温においても、ピール強度が優れたものと
なる。従って、FPCの信頼性が従来に比して一層向上
し、高機能の電気機械、電子機器を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフレキシブルプリント基板の一例を
示す概略断面図である。
【図2】 銅張積層板の一例を示す概略断面図である。
【図3】 銅張積層板の上にパターン回路を形成した状
態の一例を示す概略断面図である。
【図4】 保護シートの一例を示す概略断面図である。
【図5】 フレキシブルプリント基板の一例を示す平面
図である。
【図6】 フレキシブルプリント基板の屈曲寿命の測定
方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…ベースフィルム、2…ベースフィルム側接着剤層、
3…パターン回路、4…カバーレイフィルム側接着剤
層、5…カバーレイフィルム、6…銅箔、10…フレキ
シブルプリント基板、11…銅張積層板、12…保護シ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一治 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 田辺 信夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4F100 AB17B AB33B AK01A AK01C AK52G AK53G AL06G BA03 BA06 BA10A BA10C CB00 GB43 JB07 JJ03 JK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム、ベースフィルム側接着
    剤層、パターン回路をなす銅箔層、カバーレイフィルム
    側接着剤層およびカバーレイフィルムの順に積層された
    フレキシブルプリント基板において、 前記ベースフィルム側接着剤層と前記カバーレイフィル
    ム側接着剤層との一方または両方に用いられる接着剤
    が、シラン変性エポキシ樹脂接着剤であることを特徴と
    するフレキシブルプリント基板。
  2. 【請求項2】 ベースフィルム上に接着剤層を介して銅
    箔を積層した銅張積層板において、 前記接着剤層に用いられる接着剤が、シラン変性エポキ
    シ樹脂接着剤であることを特徴とする銅張積層板。
  3. 【請求項3】 カバーレイフィルム上に接着剤層を形成
    した保護シートにおいて、 前記接着剤層に用いられる接着剤が、シラン変性エポキ
    シ樹脂接着剤であることを特徴とする保護シート。
JP2002101637A 2002-04-03 2002-04-03 フレキシブルプリント基板、銅張積層板、および保護シート Withdrawn JP2003298198A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010098075A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Nippon Mektron Ltd フレキシブル回路基板の製造方法及びフレキシブル回路基板
JP2015074089A (ja) * 2013-10-04 2015-04-20 三井化学東セロ株式会社 高周波基板材料

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JP2010098075A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Nippon Mektron Ltd フレキシブル回路基板の製造方法及びフレキシブル回路基板
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