JP2003298197A - フレキシブルプリント基板、銅張積層板、および保護シート - Google Patents

フレキシブルプリント基板、銅張積層板、および保護シート

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JP2003298197A
JP2003298197A JP2002101636A JP2002101636A JP2003298197A JP 2003298197 A JP2003298197 A JP 2003298197A JP 2002101636 A JP2002101636 A JP 2002101636A JP 2002101636 A JP2002101636 A JP 2002101636A JP 2003298197 A JP2003298197 A JP 2003298197A
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adhesive layer
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silane
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JP2002101636A
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Masahiko Arai
正彦 新井
Kenichi Okada
顕一 岡田
Kazuharu Kobayashi
一治 小林
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性、耐熱性、耐屈曲性がともに向上さ
れたフレキシブルプリント基板を提供する。 【解決手段】 ベースフィルム1またはカバーレイフィ
ルム5を接着するためのベースフィルム側接着剤層2お
よびカバーレイフィルム側接着剤層4として、シラン変
性ポリアミドイミド樹脂を含有するシラン変性ポリアミ
ドイミド系接着剤を用いる。前記シラン変性ポリアミド
イミド樹脂としては、例えば、カルボキシル基および/
または酸無水物基を末端に有するポリアミドイミド樹脂
にグリシジルオキシ基含有アルコキシシラン縮合物を反
応させることにより得られる生成物を用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(HDD)の配線などに用いられるフレキシブル
プリント基板に関し、特に、耐湿熱性と耐屈曲性の向上
を図ったフレキシブルプリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルプリント基板(FP
C)は、厚さが薄く、柔軟性に富み優れた屈曲特性を有
することから、近年、プリンターのヘッド部や、ハード
ディスクドライブ(HDD)のサスペンション等の可動
部分用の配線板として広範に用いられている。この種の
FPCを製造するためには、例えば、以下の手順を用い
ることができる。まず、ポリイミド樹脂やポリエチレン
テレフタレート(PET)樹脂等からなる柔軟性を有す
るベースフィルム上に接着剤を介して銅箔を接着し、銅
張積層板とする。そして、得られた銅張積層板の銅箔を
エッチングし、配線となるべきところを残して他の部分
を除去することによってパターン回路を形成する。この
パターン回路の上に、カバーレイフィルム上に接着剤層
を形成した保護シートを、前記接着剤層が内面になるよ
うに積層させたのち、接着剤を硬化させる。従来、ベー
スフィルムやカバーレイフィルムを接着させるための接
着剤としては、エポキシ系接着剤やポリアミドイミド系
接着剤が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の集積
化、高密度化が進んでおり、該電子機器内部の平均温度
が上昇する傾向にある。しかしながら、エポキシ系接着
剤は、一般にガラス転移温度(Tg)が低く、温度上昇
により弾性率が低下しやすい性質を有しているので、例
えば80℃程度の高温条件下では、耐屈曲性が低下する
という問題がある。また、分子内にシクロヘキサン環な
どの剛直な構造を有する高Tg型エポキシ系接着剤も知
られているが、この種の接着剤から得られる硬化物は、
比較的硬くてもろく、特に常温以下(23〜−30℃)
や高温環境(40度以上)においてピール強度が低下す
るという欠点がある。また、ポリアミドイミド系接着剤
は、耐熱性や耐屈曲性には優れるが、造膜性が低いの
で、塗工性に劣るとともに、吸水性が高いので、高湿雰
囲気下で電気絶縁性が低下し、FPCの信頼性が低下す
るおそれがあるという問題がある。
【0004】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、耐湿熱性、耐熱性、耐屈曲性がともに向上さ
れたフレキシブルプリント基板(FPC)を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、FPCまた
はFPCを構成する銅張積層板もしくは保護シートにお
いて、ベースフィルムまたはカバーレイフィルムを接着
するための接着剤として、シラン変性ポリアミドイミド
系接着剤を用いることにより解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて、本
発明を詳しく説明する。図1は、フレキシブルプリント
基板(FPC)の断面図を示す。図1において、符号1
は、ベースフィルムであり、このベースフィルム1上に
は、ベースフィルム側接着剤層2が形成されており、さ
らにこのベースフィルム側接着剤層2の上にパターン回
路3が形成されている。パターン回路3の上には、カバ
ーレイフィルム側接着剤層4を介してカバーレイフィル
ム5が接着されている。前記ベースフィルム1およびカ
バーレイフィルム5としては、従来FPC用に用いられ
ている種類のプラスチックフィルムを特に制限なく用い
ることができるが、例えば、ポリイミド樹脂フィルム、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィ
ルム等は、引っ張り強度と弾性率がともに大きく、柔軟
性、屈曲性ともに優れたものとなるので、特に好まし
い。
【0007】本実施の形態のFPC10においては、前
記ベースフィルム側接着剤層2およびカバーレイフィル
ム側接着剤層4として、シラン変性ポリアミドイミド樹
脂を含有するシラン変性ポリアミドイミド系接着剤が用
いられる。本発明において、前記シラン変性ポリアミド
イミド樹脂としては、ポリアミドイミドの高分子鎖の末
端に、アルコキシシラン縮合物をグラフトさせたグラフ
ト共重合体が用いられる。
【0008】このようなシラン変性ポリアミドイミド樹
脂は、例えば、特開2001−240670号公報に記
載されているように、カルボキシル基および/または酸
無水物基を末端に有するポリアミドイミド樹脂にグリシ
ジルオキシ基含有アルコキシシラン縮合物を反応させ、
カルボキシル基および/または酸無水物基と、グリシジ
ルオキシ基とを開環エステル化により結合させることに
より、ポリアミドイミド樹脂に、アルコキシシラン縮合
物をグラフトさせる方法により合成することができる。
下記一般式(1)に、このようなシラン変性ポリアミド
イミド樹脂の一例を示す。
【0009】
【化1】
【0010】また、市販品の例としては、例えば、荒川
化学工業株式会社製のコンポセランH901、日立化成
株式会社製のKS6500、KS6600などが挙げら
れる。
【0011】前記カルボキシル基および/または酸無水
物基を末端に有するポリアミドイミド樹脂は、トリカル
ボン酸類とジイソシアネート類を縮合反応するか、また
はトリカルボン酸類とジアミン類を反応させて先ずイミ
ド結合を導入し、次いでこれにジイソシアネート類を反
応させてアミド化することにより合成することができ
る。
【0012】ポリアミドイミド樹脂の構成成分であるト
リカルボン酸類としては、トリメリット酸無水物、ブタ
ン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,
2,4−トリカルボン酸等が例示される。また、ジイソ
シアネート類としては、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が例
示される。また、ジアミン類としては、これらジイソシ
アネート類に対応するジアミン類を例示できる。
【0013】ポリアミドイミド樹脂を合成する際の上記
原料成分の反応割合は、実質的にカルボキシル基および
/または酸無水物基が分子末端に残存する割合であれば
特に限定されない。ジイソシアネート類が空気中や溶剤
中の水分によって失活することを考慮して、カルボキシ
ル基および/または酸無水物基のモル数に対するイソシ
アネート基のモル数、またはカルボキシル基および/ま
たは酸無水物基のモル数に対するアミノ基のモル数が
0.85以上であって1.05を超えない範囲とするこ
とが好ましい。
【0014】ポリアミドイミド樹脂の分子量は、GPC
測定によるスチレン換算値で、重量平均分子量として5
000以上100000未満が好ましい。5000未満
であれば硬化物の伸張率が低くなって柔軟性が低下し、
100000を超えると高粘度で取り扱い作業性が低下
する傾向にある。
【0015】前記ポリアミドイミド樹脂を得るに際して
は、前記のトリカルボン酸類に、ジカルボン酸類やテト
ラカルボン酸類を併用しても差し支えなく、これらの併
用する酸類の使用量は、トリカルボン酸類の10モル%
以下とするのが良い。トリカルボン酸類と併用可能なジ
カルボン酸類としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリ
デカン二酸、これらの酸無水物等の脂肪族ジカルボン酸
類;イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−
4,4’−ジカルボン酸、これらの酸無水物等の芳香族
ジカルボン酸類が例示できる。また、トリカルボン酸類
と併用可能なテトラカルボン酸類としては、ジフェニル
エーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ブ
タン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ベンゼン−
1,2,4,5−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,
3’,4,4’−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,
2,4,5−テトラカルボン酸、これらの酸無水物等が
例示できる。
【0016】また、本発明で使用されるグリシジルオキ
シ基含有アルコキシシラン縮合物は、グリシドールとア
ルコキシシラン部分縮合物との脱アルコール反応によっ
て得られるものである。
【0017】前記アルコキシシラン部分縮合物として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン等
のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエ
トキシシラン等のトリアルコキシシラン類等のモノマー
から適宜選択される一種または二種以上を混合して、加
水分解、部分縮合させることにより得られるものを用い
ることができる。特に、グリシドールとの反応性が高
く、硬化物の弾性率が高いものとなることから、前記モ
ノマーとして、テトラメトキシシランを好ましくは60
モル%以上、より好ましくは80モル%以上用いること
が望ましい。
【0018】当該アルコキシシラン部分縮合物の1分子
当りのSiの平均個数は、2〜100であることが好ま
しい。Siの平均個数が2未満であると、グリシドール
との脱アルコール反応の際、反応せずにアルコールと一
緒に系外に流出するアルコキシシラン類の量が増えるた
め好ましくない。また、100を超えると、グリシドー
ルとの反応性が落ち、目的とするグリシジルオキシ基含
有アルコキシシラン部分縮合物が得られにくい。市販品
等の入手容易性を考慮すれば、1分子当りのSiの平均
個数は3〜20程度のものとされる。
【0019】グリシジルオキシ基含有アルコキシシラン
部分縮合物は、グリシドールとアルコキシシラン部分縮
合物を脱アルコール反応させることにより得られる。
【0020】グリシドールとアルコキシシラン部分縮合
物との使用割合は、特に限定されないが、得られるグリ
シジルオキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物におい
て、(1分子当たりのSiの平均個数)/(1分子当た
りのグリシジルオキシ基の平均個数)=1/1〜20/
1程度の範囲になるように適宜に決めればよい。通常
は、(アルコキシシラン部分縮合物のアルコキシル基の
当量)/(グリシドールの水酸基の当量)=100/1
〜1/1となる仕込み比率で、アルコキシシラン部分縮
合物とグリシドールを脱アルコール反応させることが好
ましい。
【0021】上記仕込み比率において、該比率が大きく
なると未反応のアルコキシシラン部分縮合物の割合が増
加し、また該比率が小さくなると、残存する未反応グリ
シドールによって硬化物の耐熱性が悪くなる傾向がある
ため、前記仕込み比率は、20/1〜1.3/1とする
のがより好ましい。
【0022】アルコキシシラン部分縮合物とグリシドー
ルの反応は、例えば、これら各成分を仕込み、加熱して
生成するアルコールを留去しながら脱アルコール反応を
行なう。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは7
0〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度で
ある。
【0023】また、上記のアルコキシシラン部分縮合物
とグリシドールの脱アルコール反応に際しては、反応促
進のために従来公知の触媒のうち、エポキシ基を開環し
ないものを使用することができる。特に、有機錫、有機
酸錫などが好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレ
ート、オクチル酸錫等が有効である。
【0024】また、上記反応は溶剤中で行うこともでき
る。溶剤としては、アルコキシシラン縮合物とグリシド
ールを溶解する有機溶剤であれば特に制限はない。この
ような有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、キ
シレン等の非プロトン性極性溶媒を用いるのが好まし
い。
【0025】こうして得られたグリシジルオキシ基含有
アルコキシシラン部分縮合物は、前記の通り、(1分子
当たりのSiの平均個数)/(1分子当たりのグリシジ
ルオキシ基の平均個数)の値が、1/1〜20/1程度
の範囲内であるのが好ましい。この値が1/1未満であ
ると脱アルコール反応時間が長くなる傾向があり、又こ
の値が20/1を超えると該部分縮合物中のグリシジル
オキシ基の割合が少なくなり、シラン変性ポリアミドイ
ミド樹脂から得られる硬化物が白濁しやすくなるので、
いずれも好ましくない。また、当該部分縮合物は、分子
中に平均1個以上のグリシジルオキシ基を有することが
必要とされる。
【0026】しかし、グリシジルオキシ基含有アルコキ
シシラン部分縮合物を構成するすべての分子がグリシジ
ルオキシ基を含有している必要はなく、当該部分縮合物
全体として、上記割合となるグリシジルオキシ基を含有
していれば良い。即ち、当該部分縮合物は、当該分子中
に平均1個以上のグリシジルオキシ基を有するという条
件を満足する限り、未反応のアルコキシシラン部分縮合
物を上限20重量%程度まで含んでいてもよい。
【0027】本発明の目的物であるシラン変性ポリアミ
ドイミド樹脂は、前記ポリアミドイミド樹脂と前記アル
コキシシラン部分縮合物とを反応させることにより得ら
れる。この反応は、主に、該ポリアミドイミド樹脂のカ
ルボキシル基および/または酸無水物基と該アルコキシ
シラン部分縮合物のグリシジルオキシ基との間で生じ
る、エポキシ基の開環エステル化反応である。ここで、
アルコキシシラン部分縮合物のアルコキシ基自体は、反
応系内に存在し得る水分等によって加水分解されること
も考えられるが、通常は開環エステル化反応には関与し
ないため、シラン変性ポリアミドイミド樹脂中に60%
以上残存することになる。当該残存割合は、好ましくは
80%以上である。
【0028】上記シラン変性ポリアミドイミド樹脂の製
造は、例えば、前記ポリアミドイミド樹脂と前記アルコ
キシシラン部分縮合物を混合し、加熱して開環エステル
化反応することにより行われる。反応温度は40〜13
0℃程度、好ましくは70〜110℃である。反応温度
が40℃未満であると反応時間が長くなり、また130
℃を超えると副反応であるアルコキシシリル部位同士の
縮合反応が進行するため、いずれも好ましくない。反応
温度が40〜130℃程度の場合の全反応時間は、通常
1〜7時間程度である。
【0029】また、当該反応は、溶剤の存在下で行うこ
とが好ましい。当該溶剤としては、ポリアミドイミド樹
脂とアルコキシシラン部分縮合物をともに溶解する有機
溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤とし
ては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等が使用できる。また、
これらの良溶媒に前記ポリアミドイミド樹脂と前記アル
コキシシラン部分縮合物を析出しない範囲で、キシレ
ン、トルエン等の貧溶媒を溶媒全体の30重量%以下の
範囲で使用しても構わない。
【0030】反応系内に上記溶剤を添加して使用する方
法は、特に限定されず、例えば、次の3つの溶剤添加使
用方法から少なくとも1つを選択し採用すればよい。 (1)トリカルボン酸とジイソシアネートとから、また
はトリカルボン酸とジアミンとから前記ポリアミドイミ
ド樹脂を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する。 (2)グリシドールとアルコキシシラン部分縮合物とか
ら前記アルコキシシラン部分縮合物を合成する時に加え
た溶剤をそのまま使用する。 (3)前記ポリアミドイミド樹脂と前記アルコキシシラ
ン部分縮合物との反応の前に加える。
【0031】また、前記ポリアミドイミド樹脂と前記ア
ルコキシシラン部分縮合物の反応には、反応を促進する
ための触媒を添加することができる。例えば、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチ
レンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メ
チルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイ
ミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の
有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テト
ラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン
・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボレート
塩等を挙げることができる。触媒は、ポリアミドイミド
樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部程度の割合
で使用するのが好ましい
【0032】上述の方法で合成されうるシラン変性ポリ
アミドイミド樹脂は、150〜250℃程度の温度で熱
硬化させると、アルコキシシラン部位が周囲の水分を吸
収しながら脱アルコール反応することにより、シロキサ
ン結合(≡Si−O−Si≡)を形成しながら縮合す
る。その結果、ポリアミドイミド樹脂の高分子鎖が、高
次シロキサン部位を介して連結された高次網目構造を形
成するので、耐熱性が高く、ポリアミドイミド樹脂に由
来する柔軟性と、高次シロキサン部位の高次網目構造に
基づく高弾性および撥水性とを兼ね備えた硬化物が得ら
れる。従って、上述のシラン変性ポリアミドイミド樹脂
を、FPC10のベースフィルム側接着剤層2およびカ
バーレイフィルム側接着剤層4に用いることにより、耐
熱性が高く、吸水性が低く、柔軟で高弾性の優れたFP
C10が得られる。
【0033】前記シラン変性ポリアミドイミド系接着剤
は、上記シラン変性ポリアミドイミド樹脂を含有する接
着性組成物である。シラン変性ポリアミドイミド樹脂の
含有量は、特に限定されないが、通常、前記接着性組成
物の固形分中50質量%以上であることが好ましい。前
記接着性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃
剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング
剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を適宜
に配合することができる。
【0034】また、塗工性を向上させるため、通常、固
形分の割合が10〜40質量%程度である液状にするの
が好ましい。前記接着性組成物を液状化させるための溶
剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NM
P)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド系溶剤、酢酸エチルなどのエステ
ル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系
溶剤、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
系溶剤、フェノール、クレゾールなどのフェノール系溶
剤等の極性溶剤を用いることができる。また、これらの
極性溶剤に、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系
溶剤を併用することも可能である。
【0035】次に、本実施の形態のFPC10を製造す
る好適な手順の一例について説明する。まず、図2に示
すように、ベースフィルム1の上にシラン変性ポリアミ
ドイミド系接着剤を塗布、乾燥させることにより、ベー
スフィルム側接着剤層2を形成し、このベースフィルム
側接着剤層2の上に銅箔6を積層して、銅張積層板11
を作製する。次いで、図3に示すように、銅張積層板1
1の銅箔6を塩化第二鉄水溶液などのエッチング液によ
りエッチングしてパターン回路3を形成する。また、図
4に示すように、カバーレイフィルム5の上にシラン変
性ポリアミドイミド系接着剤を塗布し、乾燥させること
により、カバーレイフィルム側接着剤層4を形成して保
護シート12を作製する。そして、図1に示すように、
銅張積層板11のパターン回路3の上に、保護シート1
2をカバーレイフィルム側接着剤層4が内面となるよう
に積層し、熱硬化処理を行うことによりベースフィルム
側接着剤層2およびカバーレイフィルム側接着剤層4を
硬化させることにより、FPC10を得ることができ
る。
【0036】次に、本発明を具体例に基づいて詳しく説
明する。
【0037】「実施例1」ベースフィルム1として厚さ
25μmのポリイミド樹脂フィルムを用い、このベース
フィルム1の上にシラン変性ポリアミドイミド系接着剤
を10μmの厚さにて塗布してベースフィルム側接着剤
層2とし、このベースフィルム側接着剤層2の上に厚さ
35μmの銅箔6を積層して、銅張積層板11を作製し
た。カバーレイフィルム5として厚さ25μmのポリイ
ミド樹脂フィルムを用い、この上にシラン変性ポリアミ
ドイミド系接着剤を30μmの厚さにて塗布し、乾燥さ
せることにより、カバーレイフィルム側接着剤層4を形
成して、保護シート12を作製した。銅張積層板11の
銅箔6を塩化第二鉄水溶液によりエッチングしてパター
ン回路3を形成した後、このパターン回路3の上に、前
記保護シート12を、カバーレイフィルム側接着剤層4
が内面となるように積層し、熱ラミネートにより貼り合
わせ、150℃/30分、次いで250℃/30分の条
件で熱硬化処理を行うことにより、FPC10を作製し
た。図5に、得られたFPC10の平面図を示す。この
FPC10は、長さLが100mm、幅Wが10mmで
あり、パターン回路3の配線の両端に端子7を有するも
のである。
【0038】「比較例1」ベースフィルム側接着剤層2
およびカバーレイフィルム側接着剤層4に用いる接着剤
として、シラン変性ポリアミドイミド系接着剤に代え
て、ともに、市販のポリアミドイミド系接着剤を用い、
熱硬化処理の条件を180℃/10分、200℃/10
分、240℃/10分としたことを除き、実施例1と同
様の手順により、FPC10を作製した。
【0039】「比較例2」ベースフィルム側接着剤層2
およびカバーレイフィルム側接着剤層4に用いる接着剤
として、シラン変性ポリアミドイミド系接着剤に代え
て、ともに、汎用エポキシ系接着剤を用い、銅張積層板
11と保護シート12とを積層させた後の処理方法とし
て、160℃/1時間プレスする方法を用いたことを除
き、実施例1と同様の手順により、FPC10を作製し
た。
【0040】以上、3種類のFPC10に対して、以下
の試験を行った。
【0041】「ガラス転移温度および引っ張り弾性率」
それぞれの接着剤について、常温および90℃における
引っ張り弾性率と、ガラス転移温度(Tg)とを、動的
粘弾性法によりそれぞれ測定した。
【0042】「塗工性」各接着剤をベースフィルム1上
に塗工し、乾燥後の表面を、原子間力顕微鏡(AFM)
により観察し、表面が極めて平坦でありムラが全く観察
されないものを優良(「◎」)、表面が平坦でありムラ
がわずかに観察されるものを良(「○」)、表面にムラ
が目立つものを不良(「×」)とした。
【0043】「含水率」乾燥状態における含水率は、各
接着剤を、温度20℃、相対湿度20%RHにて24時
間放置した後の含水率として、また、湿潤状態における
含水率は、各接着剤を、温度20℃、相対湿度95%R
Hにて24時間放置した後の含水率として、それぞれ、
カールフィッシャー法により測定した。
【0044】「疲労試験」図6に示すように、互いに平
行に配置された上部可動治具21および下部固定治具2
2に、FPC10を屈曲半径rが2mmになるように取
り付けて固定し、FPC10に一対の電線23、24を
取り付け、抵抗測定装置(図示せず)により、前記端子
7間の抵抗を測定できるようにした。そして、下部固定
治具22を固定し、上部可動治具21を20mmのスト
ローク、1500回/分の速度にて往復運動させる。こ
の間、FPC10のパターン回路3の抵抗値の変化を測
定し、抵抗値が初期抵抗値から10%増加するまでに要
した時間を疲労寿命とした。そして、疲労寿命に達する
までに上部可動治具21が往復した回数を屈曲寿命とし
た。FPC10の評価基準としては、屈曲寿命が100
0万回以上のときを良好(「○」)、100万回以上1
000万回未満を良(「△」)、100万回未満を不可
(「×」)とした。
【0045】「ピール強度」JIS C 6471 A
法に準拠して、補強板に試料を両面粘着テープにて張り
合わせ、180°方向に引き剥がして、各接着剤のピー
ル強度を測定し、0.4kg/cm以上を良好とし、
0.4kg/cm未満を不良とした。測定温度を−30
℃、23℃、80℃に変えてそれぞれ測定した。
【0046】上記試験の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示す結果から明らかなように、ベー
スフィルム側接着剤層2およびカバーレイフィルム側接
着剤層4に用いる接着剤として、シラン変性ポリアミド
イミド系接着剤を用いることにより、常温においても8
0℃においても屈曲性能が良好であり、耐熱性に優れた
ものとなる。また、乾燥状態と湿潤状態とで含水率の差
が小さくなっており、吸水性が低く、耐湿熱性に優れた
ものとなることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
FPCまたはFPCを構成する銅張積層板もしくは保護
シートにおいて、ベースフィルムまたはカバーレイフィ
ルムを接着するための接着剤として、シラン変性ポリア
ミドイミド系接着剤を用いたので、耐湿熱性、耐熱性、
耐屈曲性のいずれにも優れたFPCを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフレキシブルプリント基板の一例を
示す概略断面図である。
【図2】 銅張積層板の一例を示す概略断面図である。
【図3】 銅張積層板の上にパターン回路を形成した状
態の一例を示す概略断面図である。
【図4】 保護シートの一例を示す概略断面図である。
【図5】 フレキシブルプリント基板の一例を示す平面
図である。
【図6】 フレキシブルプリント基板の屈曲寿命の測定
方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…ベースフィルム、2…ベースフィルム側接着剤層、
3…パターン回路、4…カバーレイフィルム側接着剤
層、5…カバーレイフィルム、6…銅箔、10…フレキ
シブルプリント基板、11…銅張積層板、12…保護シ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一治 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 田辺 信夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4J004 AA11 CA06 CC02 FA04 FA05 4J040 EH031 EK051 JA09 LA06 LA07 LA08 NA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム、ベースフィルム側接着
    剤層、パターン回路をなす銅箔層、カバーレイフィルム
    側接着剤層およびカバーレイフィルムの順に積層された
    フレキシブルプリント基板において、 前記ベースフィルム側接着剤層と前記カバーレイフィル
    ム側接着剤層との一方または両方に用いられる接着剤
    が、シラン変性ポリアミドイミド系接着剤であることを
    特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 【請求項2】 ベースフィルム上に接着剤層を介して銅
    箔を積層した銅張積層板において、 前記接着剤層に用いられる接着剤が、シラン変性ポリア
    ミドイミド系接着剤であることを特徴とする銅張積層
    板。
  3. 【請求項3】 カバーレイフィルム上に接着剤層を形成
    した保護シートにおいて、 前記接着剤層に用いられる接着剤が、シラン変性ポリア
    ミドイミド系接着剤であることを特徴とする保護シー
    ト。
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