JP5354215B2 - 接着剤組成物、接着剤硬化物、積層体及びフレキシブルプリント基板 - Google Patents

接着剤組成物、接着剤硬化物、積層体及びフレキシブルプリント基板 Download PDF

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Description

本発明は接着剤組成物及びこれより得られる接着剤硬化物、当該接着剤組成物を用いて得られる積層体並びにフレキシブルプリント基板に関する。
フレキシブルプリント基板は、一般に耐熱性及び電気絶縁性に優れたポリイミド、液晶ポリマー等を素材とする耐熱性有機絶縁フィルムに、銅箔やITO膜等の導体を、接着剤を用いて接着して一体化させたものである。当該接着剤としては接着性が良好であることからエポキシ樹脂系接着剤が用いられている。しかし、近年、配線密度や実装密度が格段に高くなっており、プリント配線板の耐熱性、耐湿性、接着性、作業性について一層の向上が求められている。また、テープオートメーテッドボンディング方式による半導体集積回路実装用テープ(TABテープ)は、基本的にはフレキシブルプリント基板と同一のものであり、材料構成や要求される諸特性も基本的に共通するが、要求特性に応じて両者が使い分けられている。
一方、IC、トランジスタ、発光ダイオードなどの半導体装置にも、種々の接着剤が用いられている。これらの分野においても、大電流を用いた発熱量の多い素子が使用されるようになり、耐熱性の高い接着剤の要求が高まりつつある。特に最近、パワーデバイス分野において、半導体チップとして従来用いられていたシリコンに代わり、電気特性に優れたシリコンカーバイドを用いた検討が進められている。シリコンカーバイドを用いた半導体チップには高電圧がかかり、用いられる際の温度も200℃以上と高温となる場合も多い。また、発光ダイオードの高輝度化にともなう発熱量の増大や光の短波長化によって、クラッキングや黄変、はく離が発生しやすく、信頼性の低下を招いていた。
そのため、これらの分野においては、耐熱性の高いポリイミドシロキサン樹脂が耐熱接着剤として用いることが提案されている(たとえば、特許文献1など参照)。しかしながら、接着剤に対してはさらに高い耐熱性が求められるようになり、従来のポリイミドシロキサン樹脂の耐熱性では不十分となりつつある。そこで、ポリイミド鎖の側鎖にエポキシ基を有し、通常のエポキシ樹脂と同様に硬化可能で、耐熱性、基材密着性、電気特性、機械的特性に優れるポリイミド共重合体が提案されている(特許文献2参照)。しかし、当該ポリイミド共重合体は、密着性の点で十分に満足できるものではなかった。なお、本発明者らは既に、シロキサン構造を有するポリアミック酸と、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物とを、開環エステル化反応させることを特徴とする、シロキサン構造を有するシラン変性ポリアミック酸(特許文献3参照)や、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(特許文献4、特許文献5参照)を提案している。これらは、ゾル−ゲル硬化によってシリカを生成するアルコキシシラン類をポリイミドシロキサン樹脂に結合させたものであり、耐熱性の高いシリカによる架橋構造が生成するため、得られる硬化物の耐熱性が向上する。またアルコキシシラン類の導入によって、無機材への密着性も高めることができている。しかしながら、これらのものでは、耐溶剤性を向上させること求められており、また接着剤として耐熱性が不足する場合もあった。
特開2009−167260号公報 特開2002−371132号公報 特開2007−169571号公報 特開2005−290155号公報 特開2005−146213号公報
本発明は、無機材料、有機材料の双方に対する接着性、耐熱性、耐溶剤性に優れた接着剤組成物及びこれより得られる接着剤硬化物、積層体並びに当該積層体からなるフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂に、エポキシ樹脂を配合してなる組成物を用いることにより、上記課題を解決しうるハイブリッド材料である接着剤組成物及びそれより得られる接着剤硬化物、積層体並びに当該積層体からなるフレキシブルプリント配線板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする接着剤組成物、これより得られる接着剤硬化物、積層体並びに当該積層体を使用したフレキシブルプリント配線板に関する。
本発明の接着剤組成物を使用した積層体は、無機材料及び有機材料の双方に対する接着性、耐熱性などに優れた接着剤硬化物となり、得られる積層体は、耐熱性、耐久性に優れたフレキシブルプリント配線板を提供できるという特有の効果を有する。当該接着剤組成物は、特に、プリント配線板用接着剤に好適であり、中でもフレキシブルプリント基板用接着剤組成物や、TABテープに好適である。また当該接着剤組成物は、特に、半導体装置用接着剤に好適であり、中でも発熱量の多いIC、トランジスタ、発光ダイオードに好適である。
本発明において使用されるメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)(以下、成分(A)という)は、ポリイミドシロキサン樹脂(a1)(以下、成分(a1)という)分子の末端、側鎖のいずれかまたは両方に存在するカルボキシル基及び/又は酸無水物基と、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(a2)(以下、成分(a2)という)とを反応させて得られる。このような成分(A)は、たとえば、特開2007−169571号公報、特開2005−290155号公報、特開2005−146213号公報に記載の方法で得られる。
成分(a1)は、当該分子中に当該特定割合でイミド結合を有する化合物であって、分子末端にカルボキシル基及び/又は酸無水物基が存在するように調製されたものである。
成分(a1)は、テトラカルボン酸二無水物(a1−1)〔以下、成分(a1−1)という〕、ジアミノポリシロキサン(a1−2)〔以下、成分(a1−2)という〕及びシロキサン構造を有しないジアミン類(a1−3)〔以下、成分(a1−3)という〕により構成され、これら構成成分を同時に又は逐次に添加して反応させることにより得られる。
成分(a1−1)は特に限定されず、各種公知のテトラカルボン酸二無水物が使用できるが、好ましくはピロメリット酸二無水物や、一般式(1):
Figure 0005354215
(式中、Xは−SO−、−CO−又はO−を示す)で表されるものが挙げられる。その具体例としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,3’,4,4’−テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
成分(a1−2)としては、珪素原子に直結したアルキル基又はフェニル基を有し、シロキサン結合を連続単位とするポリシロキサンの分子末端にアミノ基を有する高分子化合物である。成分(a1−2)としては、例えば一般式(2):
Figure 0005354215
(式中、Rは、互いに独立して炭素数が2〜6のアルキレン基又はフェニレン基であり、好ましくは3〜5のアルキレン基である。Rは、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示し、繰り返し単位数nは1〜30程度、好ましくは1〜20である)で表される化合物が挙げられる。なお、nの数が30を超えると有機溶媒に対する溶解性が低下する傾向がある。
成分(a1−2)の具体例としては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(5−アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(2−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(4−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどを例示でき、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらのうち汎用性の高いα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(たとえば、信越化学工業(株)製、商品名「KF−8010」など)を使用するのがより好ましい。
成分(a1)における成分(a1−2)の使用量は、1重量%以上95重量%未満であることが好ましい。1重量%未満であると柔軟性が低下する傾向にあり、また95重量%以上では硬化膜表面がタックを有する傾向がある。
成分(a1−3)としては、特に限定されず、各種公知のジアミン類が使用でき、例えば2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられ、これらは1種単独で又は2種を組み合わせて使用される。より好ましくは、一般式(3):
Figure 0005354215
で表されるものが挙げられる。
成分(a1)の製造法は、特に限定されないが、好ましくは、成分(a1−1)と成分(a1−2)とを重付加反応させた後、加熱してイミド化反応させることにより両末端に酸無水物基を有する化合物とし、更に成分(a1−3)を添加し、重付加反応させる方法が採用できる。より具体的には、成分(a1−1)と成分(a1−2)を溶剤中で反応温度60〜120℃程度、好ましくは80〜100℃、反応時間は0.1〜2時間程度、好ましくは0.1〜0.5時間で重付加反応させる。次いで、反応温度80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃、反応時間0.5〜50時間程度、好ましくは1〜20時間の条件下でイミド化反応(脱水閉環反応)させればよい。これにより、両末端に酸無水物基を有するポリイミドシロキサンオリゴマーが得られる。
なお、この脱水閉環反応では、脱水剤と触媒量の第3級アミンやピリジンなどの複素環アミンを使用してもよい。当該脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。また、用いる溶剤としては、成分(a1)を溶解するものであればよく、種類及び使用量は特に限定されない。好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、クレゾール、ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム、ベンジルアルコールなどの極性溶剤を例示できる。また、これらのうち、シクロヘキサノン、メチルトリグライム、メチルジグライム、N−メチルカプロラクタムは、成分(a1)及び成分(a2)を相溶させやすいため、後述するシラン変性反応用の溶剤としてそのまま用いることができるため、特に好ましい。
次いで、上記で得られたポリイミドシロキサンオリゴマーに、反応温度60℃以下、好ましくは50℃以下で成分(a1−3)を添加し、反応時間1〜6時間程度、好ましくは1〜3時間で重付加反応させることにより、目的とする成分(a1)が得られる。
前記反応において、成分(a1−1)、成分(a1−2)及び成分(a1−3)の各使用割合は、 [成分(a1−1)のモル数]/[成分(a1−2)のモル数+成分(a1−3)のモル数]=1.0〜1.2であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.1である。当該比率が1.2を超えると、得られる硬化膜の屈曲性が低下する傾向がある。また、成分(a1)における成分(a1−2)の構成割合は、1重量%以上95重量%未満であることが好ましい。当該割合が1重量%未満では、得られる硬化膜の柔軟性が不足し、95重量%を超えると得られる硬化膜にタックが生じる傾向がある。上記構成割合は、硬化膜の力学強度を考慮すると、より好ましくは3重量%以上80重量%未満である。
また、当該樹脂(a1)は、テトラカルボン酸二無水物(a1−1)とジヒドロキシシロキサン(a1−4)(以下、成分(a1−4)という)とを有機溶媒中で、加熱して開環エステル反応させることにより両末端にカルボキシル基及び/又は酸無水物基を有する変性シロキサンとした後、ジアミン類(a1−3)及び更に必要に応じて成分(a1−1)を添加して、加熱してイミド化反応させることによっても合成される。
成分(a1−4)としては、珪素原子に直結したアルキル基又はフェニル基を有し、シロキサン結合を連続単位とするポリシロキサンの分子末端に水酸基を有する高分子化合物である。成分(a1−4)としては、例えば一般式(4):
Figure 0005354215
で表される化合物が挙げられる。一般式(4)中、Rは、互いに独立して炭素数が2〜6のメチレン基又はフェニレン基であり、好ましくは3〜5のメチレン基である。Rは、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示し、繰り返し単位数mは3〜30程度、好ましくは3〜20を示す。mの数が3より小さいと反りが生じやすくなる傾向があり、またmの数が20を超えると有機溶媒に対する溶解性が低下する傾向があるので、前記程度のものが適当である。成分(a1−4)の具体例としては、α,ω−ビス(2−ヒドロキシエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−ヒドロキシブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(5−ヒドロキシペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどを例示でき、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらのうち汎用性の高いα,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングアジア(株)製 ペインタッド8579、DK X8−8579−4、旭化成ワッカーシリコーン(株)製 IM−11)を使用するのがより好ましい。
前記成分(a1)における成分(a1−4)の使用量は、1重量%以上70重量%未満であることが好ましい。1重量%未満であると柔軟性が低下傾向にあり、また70重量%以上では硬化膜表面がタックを有する傾向がある。
成分(a1)のより具体的な製造方法としては、成分(a1−4)と成分(a1−1)を有機溶剤中、反応温度80〜160℃程度、好ましくは100〜150℃、反応時間は0.5〜5時間程度、好ましくは0.5〜3時間で半エステル化反応させて、両末端酸無水物シロキサンを製造する。ついで、当該両末端酸無水物シロキサンと成分(a1−3)、場合によっては不足分の成分(a1−1)とを、極性溶剤中、0〜80℃程度で30分程度反応させることにより、当該ポリアミック酸を製造する。当該ポリアミック酸の脱水閉環反応は、80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃、反応時間は0.5〜50時間程度、好ましくは1〜20時間で行えばよい。またこの脱水閉環反応では、脱水剤と触媒量の第3級アミンやピリジンなどの複素環アミンを使用しても構わない。当該脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。当該成分(a1)の製造に用いる前記極性溶剤としては、生成する成分(a1)を溶解するものであればよく、種類及び使用量は特に限定されない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クレゾール、ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、シクロヘキサノン、メチルトリグライム、メチルジグライム、ベンジルアルコールなどが好ましい。また、これら有機溶剤のうち、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドは、成分(a1)及び成分(a2)を相溶させやすいため、後述するシラン変性反応用の溶剤としてそのまま用いることができるため、特に好ましい。
成分(a1)の当該脱水閉環反応においては、当該脱水閉環反応率が90%以上となるよう進行させて、アミック酸結合の残存量をできるだけ少なくすることが重要である。当該反応率が90%未満では、最終的に得られる積層体に反りが生じやすく、また吸水率が大きくなるため好ましくない。
前記反応において、成分(a1−1)、成分(a1−4)、及び成分(a1−3)の各使用割合は、[(a1−1)のモル数]/[(a1−4)のモル数+(a1−3)のモル数]=1.0〜1.2であることが好ましい。当該比率が1.0未満では、未反応の成分(a1−1)の残存量が増加するため、得られる成分(a1)の成分(a2)に対する反応性が低下する傾向がある。また当該比率が1.2を超えると、得られる硬化物の柔軟性が低下する傾向がある。更に、成分(a1)における成分(a1−4)の構成割合は、1%以上70%未満であることが好ましい。1%未満では、得られる積層体に反りが生じやすくなり、70%以上になると得られる硬化物にタックが生じる傾向がある。上記構成割合は、硬化物の力学強度を考慮すると、より好ましくは3%以上であり、溶剤溶解性を考慮すると40%未満であることがより好ましい。
エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(a2)(以下、成分(a2)という。)は、エポキシアルコール(a2−1)(以下、成分(a2−1)という)と、メトキシシラン部分縮合物(a2−2)(以下、成分(a2−2)という)との脱メタノール反応によって得られる。
成分(a2−1)としては、分子中にエポキシ基及び水酸基を有するものであれば、特に限定されず公知のものを使用することができる。(a2−1)成分として、一般式(5):
Figure 0005354215
(式中、aは1〜10の整数を示す)で表される化合物を用いると、得られる硬化膜の柔軟性が向上するため好ましい。なお、一般式(5)においてaが3以上のものを用いた場合には毒性が低くなり、かつ硬化膜の柔軟性の向上が著しいため特に好ましい。
成分(a2−2)としては、一般式(6):Si(OCH
で表される加水分解性メトキシシランモノマーを、酸又は塩基触媒及び水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
当該成分(a2−2)の1分子中のSiの平均個数は2〜100程度であることが好ましく、さらに好ましくは、3〜8である。Siが2未満であると、成分(a2−1)との脱メタノール反応の際、反応せずメタノールと一緒に系外に流出するメトキシシラン類の量が増える傾向がある。また、100を超えると、成分(a2−1)との反応性が悪くなりやすく、目的とする成分(B)が得られにくくなりやすい。成分(a2−1)と成分(a2−2)との使用割合は、特に限定されないが、通常は、(成分(a2−2)中のメトキシ基の当量)/(成分(a2−1)中の水酸基の当量)=1/0.3〜1/0.01程度となる仕込み比率で脱メタノール反応させることが好ましい。
上記仕込み比率において、該比率が大きくなると、未反応の成分(a2−2)の割合が増加し、また該比率が小さくなると、残存する未反応の成分(a2−1)によって硬化物の耐熱性が悪くなる傾向があるため、前記仕込み比率は、1/0.25〜1/0.05とするのがより好ましい。
成分(a2−1)と成分(a2−2)との当該反応は、例えば、これら各成分を仕込み、加熱して副生するメタノールを留去しながら行なう。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃である。なお、110℃を超える温度で脱メタノール反応させると、反応系中に成分(a2−2)の縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりすぎ高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合には、脱メタノール反応を反応途中で、停止させる等の方法により高粘度化、ゲル化を防止できる。
また、上記成分(a2−1)と成分(a2−2)との脱メタノール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、オキシラン環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、カドミウム、マンガン等の金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
また、上記反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、成分(a2−1)と成分(a2−2)を溶解するものであれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、キシレン、シクロヘキサノン等の非プロトン性極性溶媒を用いるのが好ましい。
なお、成分(a2)を構成するすべての分子がエポキシ基を含有する必要はなく、上記割合となるエポキシ基を含有していればよい。即ち、成分(a2)は、未反応の成分(a2−2)を上限20重量%程度まで含んでいてもよい。
本発明の成分(A)は、成分(a1)の末端、側鎖に存在するカルボキシル基及び/又は酸無水物基と、成分(a2)とを反応させて得られる。この反応は、主に、成分(a1)のカルボキシル基及び/又は酸無水物と成分(a2)のエポキシ基との間で生じる、オキシラン環の開環エステル化反応である。ここで、成分(a2)のメトキシシリル基自体は、反応系内に存在する水分等によって消費されることも考えられるが、通常は開環エステル化反応には関与しないため、通常、メトキシシリル基は、得られる反応生成物中に60モル%以上残存することになる。無機基材に対するより高度の密着性を実現するためにはメトキシシリル基の80モル%以上を残存させることが好ましい。
成分(A)の製造は、成分(a1)と成分(a2)を仕込み、20℃〜40℃程度で開環エステル化反応させることにより行われる。
成分(A)の硬化残分中のシリカ含有率は、0.5重量%以上15重量%未満であることが好ましい。シリカ分が0.5%未満であると、本発明の効果が得られにくくなりやすく、また15%以上であると、成分(A)を硬化させて得られる硬化膜の屈曲性が低下する傾向がある。ここで硬化残分とは成分(A)を塗布した後、ゾル−ゲル硬化やイミド化させて、揮発性成分を除いて得られる固形分を意味し、該組成物を100μm以下で塗布した後、80℃で30分間、150℃で1時間、乾燥、硬化させた後の固形物である。
また、当該開環エステル化反応は、溶剤の存在下で行うことが好ましい。当該溶剤としては、成分(a1)と成分(a2)をともに溶解する有機溶剤であれば特に限定されない。このような有機溶剤としては、例えば、メチルトリグライム、メチルジグライム、N−メチルカプロラクタムなどが使用できる。また、成分(a1)と成分(a2−2)を析出しない範囲で、これらの良溶媒に対し、キシレンやトルエン等の貧溶媒を、溶媒全体の30重量%以下の範囲で使用してもよい。
反応系内へ前記溶剤を添加使用する方法は、特に限定されないが、通常は、(1)成分(a1)を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する。;(2)成分(a2−1)と成分(a2−2)とから成分(a2)を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する。;(3)成分(a1)と成分(a2)との反応の前に加える。の3つの態様から少なくとも1つを選択採用すればよい。
また、成分(a1)と成分(a2)の反応には、反応を促進するための触媒を使用できる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボーレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボーレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボーレート等のテトラフェニルボロン塩等を挙げることができる。触媒は、成分(a1)100重量部に対し、0.1〜5重量部程度の割合で使用するのが好ましい。
本発明で用いられる成分(B)としては、特に限定されず、従来公知のエポキシ基を有する化合物を適宜に用いることができる。たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(たとえば、三菱化学(株)製:商品名「jER828」、「jER834」など)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(たとえば、三菱化学(株)製:商品名「jER807」など)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(たとえば、新日鐵化学(株)製:商品名「ST−3000」など)、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(たとえば、ダイセル化学工業(株)製:商品名「セロキサイド2021P」など)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂などがあげられる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。該例示化合物のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂は、最終的に得られる硬化物が透明性、耐熱性等に優れ、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
本発明で用いられる成分(B)の成分(A)に対する使用割合に関しては、成分(A)の硬化残分に対して、5.0〜25.0重量%とすることが好ましい。当該使用割合が5.0重量%未満であれば、貼り合せ時の流動性が低くなる事から基材への埋め込み性が不足し、耐熱時に発泡の原因となる可能性がある。また、25重量%を超えると、接着剤全体の耐熱性が低下し、やはり耐熱時に発泡の原因となる可能性がある。
また、成分(B)として、前記化合物よりも高分子量のものを用いることができる。高分子量のものを用いてなる接着剤組成物は、得られる硬化物の可撓性が向上する傾向がある。該高分子量物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、エポキシ当量が2000g/eq以上のもの(たとえば、三菱化学(株)製:商品名「JER1010」、「JER4007P」など)、エポキシ変性シリコーン(たとえば、信越化学工業(株)製:商品名「X−22−163A」など)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどがあげられる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1μm以上の接着剤層を形成する場合、又はロールtoロールによってライン乾燥を行う場合、アミン系化合物(C)(以下、成分(C)という)を用いる事が望ましい。本発明で用いられる成分(C)としては、特に限定されず、第3級アミンやピリジンなどの複素環アミンを使用することができる。具体的には、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
本発明で用いられる成分(C)の成分(A)に対する使用割合に関しては、成分(A)の硬化残分に対して、0.01〜1.00重量%である必要がある。当該使用割合が0.01重量%未満であれば、基材貼り合せ前の接着剤乾燥時のイミド閉環に伴う脱水反応が未完了となり、接着剤硬化時に脱水反応に伴う発泡が生じる恐れがある。また1.00重量%を超えると耐熱性が低下する傾向がある。
また、本発明の接着剤組成物には、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤(D)(以下、成分(D)という)を用いることができる。成分(D)としては従来公知の潜在性を有するエポキシ樹脂用硬化剤を使用できる。成分(D)としては、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ホスファゼン系硬化剤などが挙げられる。アミン系硬化剤としては、アミノ基を少なくとも2つ含有する化合物を用いることができる。たとえば、ジシアンジアミド(DICY)、芳香族ジアミン等が挙げられる。フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂、フェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤等が挙げられる。フェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤としては、フェノール性水酸基を持つポリホスファゼン化合物(たとえば、大塚化学(株)製:商品名「SPH−100」など)、環状ホスファゼン系化合物などが挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、フェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤は得られる接着剤硬化物、積層体に難燃性を付与しやすくなるため特に好ましい。
成分(D)の使用に際しては、[成分(D)に含まれるエポキシ基と反応しうる官能基のモル数]/[成分(D)のモル数](モル比:1分子あたりに含まれるエポキシ基又はイソシアネート基の平均個数を示す)が2以上であることが好ましい。2未満である場合、接着剤組成物の硬化性が低くなり、かつ得られる硬化物の架橋密度が低くなるため、硬化物の耐熱性、硬度等の物性が低下する傾向がある。
本発明の接着剤組成物を調製する際に、成分(B)と成分(D)とを反応させるために触媒を使用してもよい。使用可能な触媒としては、特に限定されず、従来公知のエポキシ硬化触媒を用いることができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。硬化触媒は接着剤組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で使用することが好ましい。
本発明の接着剤組成物には、難燃剤(E)(以下、成分(E)という)を使用してもよい。成分(E)としては従来公知の難燃剤が使用できる。例えば、従来公知の無機フィラー系難燃剤、リン系難燃剤などの非ハロゲン系難燃剤が挙げられ、これらの難燃剤を併用して用いてもよい。無機フィラー系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、シリカ、アルミナ、硼酸亜鉛、炭酸カルシウム等が例示できる。リン系難燃剤としては、ポリリン酸、リン酸エステル、フェノール性水酸基を含有しないホスファゼン誘導体などが挙げられる。特にフェノール性水酸基を含有しないホスファゼン誘導体、中でもシアノ基含有環状ホスファゼン化合物(たとえば、伏見製薬所(株)製:商品名「ラビトルFP−300」など)が、難燃性、耐熱性、ブリードアウト性の面から好ましい。(E)成分の使用量は特に限定されないが、不燃性を求められる用途には、接着剤組成物の固形分中3〜70重量%程度用いることが好ましい。
当該接着剤組成物にはゾル−ゲル反応を促進させるための触媒を配合することもできる。当該触媒としては、酸又は塩基性触媒、金属系触媒など従来公知のものをあげることができるが、特にオクチル酸錫やジブチル錫ジラウレートが高活性で、溶解性にも優れており好ましい。前記触媒の使用量はその活性、目的とする硬化物の膜厚により、適宜決めることができる。通常、使用するメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂のメトキシシリル基に対し、触媒能力の高いパラトルエンスルホン酸やオクチル酸錫などで0.01〜5モル%程度、触媒能力の低いギ酸、酢酸などで0.1〜50モル%程度である。
当該接着剤組成物には、接着剤組成物に含まれるメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)に残存するポリアミック酸の脱水閉環反応を促進するべく、脱水剤を使用しても構わない。当該脱水剤としては、特に限定されず、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられる。
接着剤組成物の有効成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の濃度は、用途に応じて適宜に決定でき、必要に応じて溶剤を配合することができる。溶剤としては、当該成分と非反応性であればよく、各種従来公知のものを適宜選択して用いることができる。
本発明の接着剤組成物の調製に際しての成分(B)、(D)の使用割合は、[成分(B)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(D)に含まれるエポキシ基と反応しうる置換基のモル数](モル比)が、0.9以上となるよう配合することが好ましく、より好ましくは1.0である。0.9未満である場合は、熱硬化後にも成分(D)の置換基が残存し、耐熱性が低下する傾向がある。
さらに、接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤を配合してもよい。
当該接着剤組成物は、通常、基材に塗布後、加熱することにより硬化し接着剤硬化物とすることができる。なお、硬化においては、成分(A)に含まれるアルコキシシリル基のゾル‐ゲル硬化反応、残存ポリアミック酸の脱水閉環反応、成分(B)と成分(C)とのエポキシ硬化反応を行う必要がある。ゾル‐ゲル硬化反応の際にはアルコールが、残存ポリアミック酸の脱水閉環反応の際には水が副生するため、エポキシ硬化に先立ってゾル‐ゲル硬化と残存ポリアミック酸の脱水閉環反応とを行うことが好ましい。具体的には、第一段階で溶剤乾燥、ゾル‐ゲル硬化反応、残存ポリアミック酸の脱水閉環反応を、第二段階でエポキシ硬化を行う、二段階硬化を行うことで、急激な硬化収縮による密着力低下や、発泡を抑制する点から好ましい。硬化時間は特に限定されず、接着剤組成物の塗工膜厚、用いた(B)成分、(C)成分や硬化触媒の種類、量によって調整できるが、通常、第一段階(70〜200℃)で1〜10分間程度、第二段階(150℃〜250℃)で10分〜3時間程度硬化させることが好ましい。
またこれらの接着剤硬化物の膜厚は用途によって適宜決定すればよいが、FPC及びTABに用いる場合には、金属箔を除く接着剤硬化物部分として、1〜100μm程度、特に3〜50μmとすることが好ましい。
(積層体への適用)
接着剤組成物を所望の基材にコーティングし、熱硬化させることで積層体を得ることができる。基材としては、ガラス、鉄、アルミ、銅、ITO、シリコン、シリコンカーバイド等の無機基材、ポリイミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)等の有機基材など、各種公知のものを適宜に選択使用できる。また、接着剤組成物を溶剤希釈することで、コーティング性をある程度向上させることもできる。また、基材にコーティングし、第一段階の硬化のみを進行させた後、別の基材を接着剤の半硬化物面にラミネートし、第二段階の硬化を進行させることで、接着剤硬化物を中間層とした、3層からなる積層体を作製することも可能である。上述のような接着剤組成物をコーティングし、熱硬化させることで、フレキシブルプリント基板、IC、トランジスタ、発光ダイオード等に好適な積層体を形成させることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、部及び%は特記しない限り重量基準である。
製造例1(ポリイミドシロキサン樹脂(a1)の製造)
攪拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物(ダイセル化学工業(株)製、商品名「BTDA」)530g、シクロヘキサノン781.3g、メチルシクロヘキサン133.5gを仕込み、80℃になるまで加熱した。ついで、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「KF−8010」)1312.74gを100℃を超えないように徐々に添加した後、180℃まで加熱して1.5時間を要してイミド化反応させた。さらに室温まで冷却した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19.15g、シクロヘキサノン20gを温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、添加終了後も引き続き室温で2時間攪拌し、成分(a1)を得た。なお、成分(a1)におけるジアミノシロキサン(a1−2)の構成割合は72重量%である。 [テトラカルボン酸二無水物のモル数]/[ジアミノシロキサンのモル数+ジアミン類のモル数]=1.1である。硬化残分は64.9%であった。
製造例2(エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(a2)の製造)
製造例1で用いたと同様の反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)1400g及びテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数が4)8957.9gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート2.0gを加え、反応させた。反応中、分水器を使って生成したメタノールを留去し、その量が約630gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約80gを減圧除去した。このようにして、成分(a2)を得た。なお、仕込み時の(メトキシシラン部分縮合物のメトキシ基の当量)/(エポキシアルコールの水酸基の当量)=1/0.1である。
製造例3(メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)の製造)
製造例1で用いたのと同様の反応装置に、製造例1で得たポリイミドシロキサン樹脂溶液(a1)1804.8gと製造例2で得たエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(a2)77.1gを仕込み、30℃で1時間反応させ、目的とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を得た。当該溶液(A)は、硬化残分65.7%であり、当該硬化残分中のシリカ含有率は2%である。なお、ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の数平均分子量は31,000であった。
実施例1(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を3.44g、β−ピコリン(C)を0.08g、エチレングリコールジメチルエーテルを65.07g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例2(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を21.88g、β−ピコリン(C)を0.08g、エチレングリコールジメチルエーテルを83.52g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例3(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を1000.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を72.93g、β−ピコリン(C)を0.07g、エチレングリコールジメチルエーテルを617.04g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例4(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を7.29g、β−ピコリン(C)を0.66g、エチレングリコールジメチルエーテルを126.75g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例5(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を7.29g、β−ピコリン(C)を0.08g、水酸基含有ホスファゼン誘導体(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」、水酸基当量238g/eq)(D)を10.14g、イミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾールC11Z−CN」)を0.01gに対して、エチレングリコールジメチルエーテルを79.07g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例6(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を7.29g、β-ピコリンを0.08g(C)、水酸基含有ホスファゼン誘導体(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」、水酸基当量238g/eq)(D)を9.14g、シアノ基含有ホスファゼン誘導体(伏見製薬所(株)製、製品名「ラビトルSP−300」)を9.21g(E)、イミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾールC11Z−CN」)を0.01gに対して、エチレングリコールジメチルエーテルを78.07g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
比較例1(接着剤組成物の製造)
アクリルエラストマー(ナガセケムテックス(株)製、商品名「WS023DR」)を70.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を7.77g、β-ピコリンを0.08g(C)、ホスファゼン誘導体(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」、水酸基当量238g/eq)(D)を9.73g、シアノ基含有ホスファゼン誘導体(伏見製薬所(株)製、製品名「ラビトルSP−300」)(E)を9.81g、イミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾールC11Z−CN」)を0.01gに対して、エチレングリコールジメチルエーテルを234.35g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
比較例2(接着剤組成物の製造)
製造例1で得たポリイミドシロキサン樹脂(a1)を100.00g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)(B)を7.20g、β-ピコリンを0.08g(C)、水酸基含有ホスファゼン誘導体(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」、水酸基当量238g/eq)(D)を9.02g、シアノ基含有ホスファゼン誘導体(伏見製薬所(株)製、製品名「ラビトルSP−300」)(E)を9.10g、イミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾールC11Z−CN」)を0.01gに対して、エチレングリコールジメチルエーテルを77.12g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
比較例3(接着剤組成物の製造)
製造例3で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)を100.00g、β-ピコリンを0.08g(C)、水酸基含有ホスファゼン誘導体(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」、水酸基当量238g/eq)(D)を9.14g、シアノ基含有ホスファゼン誘導体(伏見製薬所(株)製、製品名「ラビトルSP−300」)(E)を8.39g、エチレングリコールジメチルエーテルを70.78g加えることによって、均一な接着剤組成物液を得ることができた。
実施例7〜12、比較例4〜6(接着シート、接着剤硬化物、積層体の作製)
ブロック共重合ポリイミド−シリカハイブリッドフィルム(荒川化学工業(株)製 商品名 ポミランT25 ジアミン成分中のp−フェニレンジアミンのモル%=80%、熱膨張係数=4ppm、貯蔵弾性率=9.3GPa、膜厚25μm)上に、実施例1〜6及び比較例1〜3の接着剤組成物を硬化後の厚みが50μmとなるようギャップコーターにて塗布、140℃で30分、乾燥、硬化させ、接着シートを得た。50μmの42アロイ(日立金属アドメット(株)製 商品名「YEF42」)に前記の接着シートを重ね合わせた後に圧力1MPa、140℃、1分間、加熱プレスした後、200℃、1時間加熱して、接着剤硬化物層を含む積層体を作製した。
(硬化後の積層体の初期接着性)
実施例7〜12、比較例4〜6の積層体をJIS C−6481に準じて、42アロイ箔とフィルムとの剥離強度を測定した。結果を表1、表2に示す。
(硬化後の積層体の耐溶剤性)
実施例7〜12、比較例4〜6の積層体を剥離させて露出した接着層を、メチルエチルケトンに1時間浸漬し、引き上げた後の外観を観察し、溶解の有無を確認した。結果を表1、表2に示す。
(硬化後の積層体の耐熱性)
実施例7〜12、比較例4〜6の積層体を250℃で24時間加熱した後の接着層の様子をフィルム越しから観察し、発泡の有無を確認した。またJIS C−6481に準じて、42アロイ箔とフィルムとの剥離強度を測定した。結果を表1、表2に示す。
実施例13(フレキシブルプリント基板の製造)
ブロック共重合ポリイミド−シリカハイブリッドフィルム(荒川化学工業(株)製 商品名 ポミランT25 ジアミン成分中のp-フェニレンジアミンのモル%=80%、熱膨張係数=4ppm、貯蔵弾性率=9.3GPa、膜厚25μm)上に、実施例1で得られた接着剤組成物を硬化後の厚みが40μmとなるようギャップコーターにて塗布、140℃で30分、乾燥、硬化させ、接着シートを得た。その接着剤面と18μmの銅箔(古河サーキットフォイル(株)製 商品名「F2−WS」)の処理面とを重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンで80℃,1時間、180℃,1時間処理して接着剤組成物を硬化させフレキシブル銅張積層板を得た。この銅張積層板の銅表面をソフトエッチング処理し、その銅表面に前記の接着シートを重ね合わせた後に圧力1MPa、140℃、1分間、加熱プレスした後、200℃、1時間加熱して、フレキシブルプリント配線板を作製した。
Figure 0005354215
Figure 0005354215
表1、表2から明らかなように、本発明による積層体は、密着性、耐溶剤性、耐熱性に優れており、通常のプリント配線板はもちろん、多層プリント配線板の製造に最適であることが明らかである。

Claims (9)

  1. メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. さらにアミン系化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. さらにエポキシ樹脂用潜在性硬化剤(D)を含有することを特徴とする請求項1又は2に接着剤組成物。
  4. エポキシ樹脂用潜在性硬化剤(D)がフェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤である、請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. さらに難燃剤(E)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 難燃剤(E)がフェノール性水酸基を含有しないホスファゼン誘導体である、請求項5に記載の接着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物を硬化させることにより得られる接着剤硬化物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物層を基材に形成し、その上に基材を接着させることによって得られる積層体。
  9. 請求項8に記載の積層体を用いたフレキシブルプリント基板。

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