JP2003297332A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JP2003297332A
JP2003297332A JP2002100748A JP2002100748A JP2003297332A JP 2003297332 A JP2003297332 A JP 2003297332A JP 2002100748 A JP2002100748 A JP 2002100748A JP 2002100748 A JP2002100748 A JP 2002100748A JP 2003297332 A JP2003297332 A JP 2003297332A
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water
aqueous electrolyte
positive electrode
battery
soluble polymer
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JP2002100748A
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Tokuo Inamasu
徳雄 稲益
Taku Kozono
卓 小園
Hiroyuki Yoshida
寛之 吉田
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Yuasa Corp
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンホールが存在する非水溶性微多孔セパレ
ータを用いても、電池性能に影響を与えることがない非
水電解質電池の構成を提供し、これによって製造コスト
を下げ、非水電解質電池を安価に提供することを目的と
する。 【構成】 正極、負極、非水溶性微多孔セパレータ及び
非水電解質から構成される非水電解質電池において、該
正極と前記非水溶性微多孔セパレータとの間に水溶性ポ
リマー層を設ける。前記水溶性ポリマー層はフィラーを
含有していることにより層の均一性が向上する。本技術
は厚さが25μm以下の非水溶性微多孔セパレータを用
いる電池において特に効果が大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、非水電解質電池に関
し、特に非水電解質電池の正極−負極間の隔膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近の携帯電子機器は、携帯電話に代表
されるように軽量、小型化が望まれている。その携帯機
器における電源としての電池も、小型化、軽量化、薄型
化が求められており、さらに高エネルギー密度を有する
電池が強く要望されている。
【0003】このような要望に応え得る電池として非水
電解質電池がある。例えばリチウムイオン電池では、正
極活物質にリチウム含有遷移金属酸化物等が、負極にグ
ラファイト等の炭素質材料等が、非水電解質としてエチ
レンカーボネート等の溶媒にLiPF6等を溶かした非
水電解質等が用いられている。そして、外装材には金属
缶や金属樹脂複合材料等が用いられている。
【0004】セパレータには高分子微多孔膜等が用いら
れている。セパレータには電解質を含浸しイオンがスム
ーズに透過できる程度の孔が必要であるが、正・負極の
活物質が微短絡を起こしうる程度のピンホールがあって
はならない。微短絡が生じると、充電電気量が余分に消
費され、又、電池の未使用時に徐々に容量を失うからで
ある。この問題に対しては、検査によってピンホールが
無いことが確認されたセパレータを用いることで解決し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記セ
パレータの製造工程における前記検査は大掛かりな装置
と工程を必要としていた。ここで、検査工程にかかるコ
ストが原材料費に占める割合は、前記セパレータの厚さ
が薄いほど大きくなる傾向があるが、とりわけ25μm
の厚さを境にして前記割合が急激に大きくなる。25μ
m以下のセパレータにおいてはピンホールの発生率が急
に高くなり、前記検査工程にかかる手間や破棄するセパ
レータの割合が高くなるためである。
【0006】本発明は、ピンホールが存在する微多孔セ
パレータを用いても、電池性能に影響を与えることがな
い非水電解質電池の構成を提供し、これによって製造コ
ストを下げ、非水電解質電池を安価に提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、請求項1に記載したように、正極、負
極、非水溶性微多孔セパレータ及び非水電解質から構成
される非水電解質電池において、前記正極と前記非水溶
性微多孔セパレータとの間に水溶性ポリマー層があるこ
とを特徴とする非水電解質電池である。
【0008】このような構成によれば、非水電解質にほ
とんど溶解しない電子絶縁性の水溶性ポリマー層を正極
表面に配置することで、電池内部の微短絡を防ぐことが
できる。このことから、たとえ微多孔セパレータにピン
ホールが存在したり傷ついていたりしても、前記水溶性
ポリマー層によって正極と負極とが絶縁されるので、微
短絡を起こさない。従って、特に検査工程のコストが原
材料費に占める割合が特に大きかった25μm以下の薄
い微多孔セパレータを用いた非水電解質電池において、
前記検査工程を省くことができるので、本発明の効果が
顕著に発揮される。
【0009】本発明の特徴であるこのポリマー層は、水
溶性であることを条件とする。その理由は次の通りであ
る。即ち、該ポリマー層を正極表面に配置するには、該
ポリマー原料を溶媒と混合して正極上に塗布し、乾燥す
ることによって形成させることが好ましい。このとき、
水溶性ポリマーであれば、特殊な有機溶剤を使用するこ
となく水に溶かして塗布することが可能である。即ち、
溶剤に水を使用することで製造設備を簡略化することが
可能であり、コストを低減することができる。
【0010】水溶性ポリマー層に用いられる水溶性ポリ
マーとしては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピリメチルセルロース
等の多糖類、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸系
樹脂、ポリビニルメチルエーテル、無水マレイン酸共重
合体、カルボキシポリメチレン等が挙げられる。これら
の中で、カルボキシメチルセルロースは水溶性ではある
ものの、非水電解質に殆ど溶けず、安価であることから
好ましい。また、メチルセルロースのように、リチウム
と反応する官能基をアルキル化する等の方法で、その官
能基を失活させたものを用いることが好ましい。
【0011】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、正極、負極、非水溶性微多孔セパレータ及び非水電
解質から構成される非水電解質電池において、前記正極
と前記非水溶性微多孔セパレータとの間に水溶性ポリマ
ー層があり、且つ、前記水溶性ポリマー層はフィラーを
含有していることを特徴とする非水電解質電池である。
【0012】このような構成によれば、上記効果に加
え、正極と非水溶性微多孔セパレータの間に水溶性ポリ
マー層を均一に設けることが極めて容易となる。すなわ
ち、水溶性ポリマーにフィラーを加え、適度に粘度を調
節した水性塗液は塗工性に優れ、均一な塗布が容易とな
る。これに対して、フィラーを含有しない水溶性ポリマ
ーのみを正極と微多孔セパレータの間に設けようとする
場合、塗液が正極表面で「液だれ」や「ハジキ」を起こ
しやすく、ピンホールの無い塗膜を得るには2回以上塗
布を繰り返す必要が生じる。従って、前記水溶性ポリマ
ー層がフィラーを含有することにより、工程を簡略化す
ることが可能となる。さらに水溶性ポリマーがフィラー
を含有することで塗工性が向上するため、水溶性ポリマ
ーの使用量が少量であっても充分にピンホールのない水
溶性ポリマー層を得ることができ、電池のインピーダン
スを上げることなく極間の絶縁性を向上することが可能
となる。
【0013】前記水溶性ポリマー層に含有させるフィラ
ーとしては、基本的に電池性能に悪影響を及ぼさない電
子絶縁性の材料であれば何でも良い。例えばポリプロピ
レン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマーや酸化珪
素、ゼオライト、ガラス、アルミナ、酸化チタン等の無
機酸化物等を例示することができ、またそれらを混合し
て用いることも可能である。フィラーの添加量は前記水
溶性ポリマーに対して5〜95重量%が好ましい。ま
た、非水電解質に用いることから、フィラーに含まれる
活性な水素は疎水処理しておくことが望ましい。
【0014】電池のエネルギー密度を高いものとするた
め、前記水溶性ポリマー層は薄く形成させることが望ま
しい。そのため、前記水溶性ポリマー層に含有させるフ
ィラーの粒径は、5μm以下が好ましく、1μm以下が
より好ましい。
【0015】また、本発明は、請求項3に記載したよう
に、正極、負極、非水溶性微多孔セパレータ及び非水電
解質から構成される非水電解質電池において、前記非水
溶性微多孔セパレータの厚さは25μm以下であること
を特徴とする。非水溶性微多孔セパレータの厚さはエネ
ルギー密度の観点から薄いものが好ましい。即ち、本発
明の水溶性ポリマー層と併用することで、非水溶性微多
孔セパレータを薄くすることにより例え微多孔セパレー
タにピンホールがあったとしても内部短絡を引き起こさ
ないので、製品の不良率が低減し、安全性も向上する。
しかも、検査工程にかかるコストが原材料費に占める割
合が特に大きかった25μm以下の非水溶性微多孔セパ
レータにおいて前記検査工程を省略できるため、非水電
解質電池を安価に提供することができる。
【0016】ここで、水溶性ポリマー層は、電子伝導性
を有さず、イオン伝導性を有することが必要である。
【0017】本発明電池において、水溶性ポリマー層が
フィラーを含有しない場合には、該水溶性ポリマー層は
微孔を有さない均一相となっていると考えられ、非水電
解質は該水溶性ポリマー層に膨潤しゲル状態となってイ
オン伝導性を有するものと考えられる。
【0018】また、水溶性ポリマー層がフィラーを含有
する場合には、該水溶性ポリマー層は前記ゲル状態の他
にフィラー部分において微孔を形成していると考えら
れ、非水電解質は該水溶性ポリマー層に膨潤しゲル状態
となると共に、前記微孔部分に含浸され、これらによっ
てイオン伝導性を有するものと考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づきさらに詳
細に説明する。但し、本発明は以下の記載により限定さ
れるものではない。
【0020】本発明の非水電解質電池に用いられる非水
溶性微多孔セパレータは、優れたレート特性を発現させ
るため、多孔体で構成されることが好ましい。多孔体を
構成する材料としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレンに代表されるポリオレフィン系、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートに代
表されるポリエステル系、ポリフェニレンサルファイ
ト、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメ
タタクリレート等が挙げられる。これらの中で、シャッ
トダウン機能を有するポリオレフィン系の多孔体フィル
ムが最も好ましい。
【0021】前記非水溶性微多孔セパレータはまた、電
解質との濡れ性が良いものも好ましく、濡れ性が悪い場
合は、界面活性剤等の処理を施すことが好ましい。上記
材料のうち、フッ素樹脂等は非水電解質との濡れ性が優
れており、好ましい。フッ素樹脂としては、ポリフッ化
ビニリデンまたはフッ化ビニリデンを含む共重合体が好
ましい。ポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン
を含む共重合体は、乳化重合や懸濁重合により得られる
単独重合体、共重合体、ブロック共重合体等をを用いる
ことが可能である。例えば、フッ化ビニリデン、フッ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、
フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロ
ピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロ
ピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等を挙げることができる。これらを単独あるいは混合物
として、さらには上記フッ素樹脂以外の重合体と混合し
て用いることが可能である。上記フッ化物以外の重合体
に架橋部位を有する重合体も使用可能である。しかしな
がら、架橋後の耐溶剤性の観点から、フッ化ビニリデン
の成分は50重量%以上であることが好ましい。さらに
好ましくは75重量%以上であり、最も好ましくは95
%以上である。
【0022】さらに、非水溶性微多孔セパレータの引っ
張り強度を向上させる目的で、前記多孔体に別の多孔性
フィルムや繊維状材料等を張り合わせる、前記多孔体を
別の多孔性フィルムや繊維状材料等の空隙中に埋め込ま
せる、等の方策を講じてもよい。前記多孔性フィルムや
繊維状材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンに
代表されるポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエ
ステル系、ポリフェニレンサルファイト、ポリイミド、
ガラス等が好ましい。このうち、ポリエステル製の不織
布は、電解質の含浸性、融合のしやすさ、及びコストの
観点から好ましい。前記不織布の厚さはエネルギー密度
の観点から薄いものが好ましい。即ち、その厚さは50
μm以下であり、好ましくは25μm以下である。さら
に、前記不織布の目付けは、埋め込まれる前記多孔性材
料や繊維状材料の保持量の観点から、20g/m2以下
が好ましい。また、強度の観点から、5g/m2以上が
好ましい。さらに、引っ張り強度向上の目的で布や経緯
直行配列の不織布を用いることも可能である。
【0023】本発明の電池に用いる非水溶性微多孔セパ
レータの空孔率は、強度の観点から98体積%以下が好
ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積
%以上が好ましい。またその厚さはエネルギー密度の観
点から薄いものが好ましい。即ち、その厚さは50μm
以下であり、好ましくは25μm以下、さらに好ましく
は20μm以下、最も好ましくは10μm以下である。
【0024】本発明の電池における電解質中のリチウム
塩としてはLiPF6やLiBF4が好ましく、LiPF
6とLiBF4とを併用することも可能である。さらに低
温特性を向上する目的で、LiPF6 やLiBF4以外
の塩と併用することも可能である。例えば、LiClO
4 、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiC
3CO2、LiSCN、LiBr、LiI、Li2
4、Li210Cl10、NaClO4、NaI、NaS
CN、NaBr、KClO4、KSCN、等の、Li、
Na、またはKの1種を含む無機イオン塩、LiN(C
3SO22、LiN(C25SO22、(CH34
BF4、(CH34NBr、(C254NClO4
(C254NI、(C374 NBr、(n−C
494NClO4、(n−C494NI、(C254
N−maleate、(C254N−benzoat
e、(C254N−phtalate等の四級アンモ
ニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルス
ルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウ
ム等の有機イオン塩が挙げられる。特に、LiPF6
LiBF4と、LiN(C25SO22のようなパーフ
ルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用い
ると、電解液の粘度をさらに下げることができる点、保
存性を向上させる効果がある点で好ましい。
【0025】上述したようなリチウム塩を溶解する有機
溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメ
チルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;γ−ブチロ
ラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル;n
−カプロン酸メチル、n−カプロン酸エチル、n−カプ
リル酸メチル、n−カプリル酸エチル、n−カプリン酸
メチル、n−カプリン酸エチル、リノール酸メチル、安
息香酸メチル、ブロモ酢酸メチル、2−ブロモプロピオ
ン酸メチル、2−ブロモ酪酸メチルなどの鎖状エステ
ル;テトラヒドロフランまたはその誘導体、1,3−ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルジグライ
ムなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル
などのニトリル類;ジオキサランまたはその誘導体;ス
ルホラン、スルトンまたはその誘導体などの単独または
それら2種以上の混合物などを添加することも可能であ
る。しかしこれらに限定されるものではない。このよう
な有機溶媒を添加することによりサイクル特性や安定性
等の電池特性を改善することができる。
【0026】液体電解質(電解液)は、電極間に非水溶
性微多孔セパレータを挟み込み積層したり、巻き込んだ
りした後に注液してもよい。注液法としては、常圧で注
液してもよいが、真空で注液することが好ましい。真空
注液としては、あらかじめ真空にした電池に電解液を注
液し常圧に戻す方法等、種々の方法が可能である。真空
含浸としては、あらかじめ常圧で注液した後に真空にす
る方法等、種々の方法が可能である。これらの場合、真
空により含浸の速度を速める観点から13332Pa以
下の真空度が望ましい。また、電解質の溶媒の揮発性を
抑える観点から1333Pa以上の真空度が望ましい。
さらに、含浸速度を高める目的で加圧含浸方法も用いて
もよい。
【0027】また、本発明の正極に使用するリチウム含
有遷移金属酸化物としては、一般式LiyMO2、Liy
Mn2-xX4(Mは、IからVIII族の1種類以上
の金属元素、例えばLi,Ca,Cr,Ni,Fe,C
o,Mn)等が挙げられる。ここで、異種元素置換量を
示すx値については、置換可能な最大量まで有効である
が、放電容量の観点から0≦x≦1が好ましい。また、
リチウム量を示すy値については、リチウムを可逆的に
利用しうる最大量が有効であるが、放電容量の観点から
0≦y≦2が好ましい。)等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0028】前記リチウム含有遷移金属酸化物に、その
他の活物質を混合して用いてもよい。例えば、CuO、
Cu2O、Ag2O、CuS、CuSO4等のI族金属化
合物、TiS2、SiO2、SnO等のIV族金属化合
物、V25、V612、VOx、Nb25、Bi23、S
23などのV族金属化合物、CrO3、Cr23、M
oO3、MoS2、WO3、SeO2などのVI族金属化合
物、MnO2、Mn23などのVII族金属化合物、F
23、FeO、Fe34、FePO4、Ni2 3、N
iO、CoO3、CoOなどのVIII族金属化合物な
どで表される。さらに、ジスルフィド、ポリピロール、
ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、
ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラフ
ァイト構造炭素質材料などであるが、これらに限定され
るものではない。
【0029】負極材料としては、特に限定されるもので
はないが、電解質溶媒に用いるプロピレンカーボレート
の分解を避ける観点から、グラファイト材料が好まし
い。例えば、以下の物性を有するものが挙げられるが、
これらの範囲に限定されるものではない。 エックス線回折等による分析結果; 格子面間隔(d002) 0.333から0.350nm a軸方向の結晶子の大きさ La 20nm以上 c軸方向の結晶子の大きさ Lc 20nm以上 真密度 2.00〜2.25g/cm3
【0030】さらに、グラファイト材料にスズ酸化物や
珪素酸化物等の金属酸化物を添加することや、リンやホ
ウ素を添加し、改質を行うことも可能である。また、グ
ラファイトとリチウム金属、リチウム−アルミニウム、
リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム−アルミニウ
ム−スズ、リチウム−ガリウム、またはウッド合金など
のリチウム金属含有合金などを併用することや、あらか
じめ電気化学的に還元することによって、本発明に用い
る炭素質材料にあらかじめリチウムを挿入することも可
能である。
【0031】また、正極及び負極活物質粉体の少なくと
も表面層部分を電子伝導性やイオン伝導性の良いもの、
あるいは疎水基を有する化合物などで修飾することも可
能である。例えば、金、銀、カーボン、ニッケル、銅、
非晶質炭素などの電子伝導性の良い物質や、炭酸リチウ
ム、ホウ素ガラス、固体電解質等のイオン伝導性のよい
物質、あるいはシリコーンオイル等の疎水基を有する物
質をメッキ、焼結、メカノフュージョン、蒸着、焼き付
け等の技術を応用してコートすること等が挙げられる。
負極活物質としてグラファイトを用いる場合、その粒子
の表面を非晶質炭素で修飾することによりプロピレンカ
ーボネートの分解を抑制できるため望ましい。
【0032】本発明に用いる電気化学的活性物質は、平
均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。特
に正極に用いる電気化学的活性物質は、高出力特性を向
上する目的で10μm以下であることが望ましい。所定
の形状の粉体を得るため、粉砕機や分級機等を用いるこ
とが可能である。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミ
ル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、
カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等
が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有
機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分
級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機など
が乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
【0033】なお、本発明の正極および負極の塗布方法
については、例えば、アプリケーターロールなどのロー
ラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクター
ブレード方式、スピンコーティング、バーコーダーなど
の手段を用いて任意の厚さおよび任意の形状に塗布する
ことが望ましいが、これらに限定されるものではないな
お、これらの手段を用いた場合、電解質層およびカレン
トコレクターと接触する電気化学的活性物質の実表面積
を増加させることが可能である。
【0034】正極、負極の電極合剤に必要に応じて導電
剤や結着剤やフィラー等を添加することができる。導電
剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性
材料であれば何でも良い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、
鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラ
ック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カー
ボンウイスカー、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アル
ミニウム、銀、金など)粉、金属繊維、導電性セラミッ
クス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物と
して含ませることができる。これらの中で、導電性及び
塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。その
添加量は1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量
%が好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であ
り、その理想とするところは均一混合である。そのた
め、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、
遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、ある
いは湿式で混合することが可能である。
【0035】結着剤としては、テトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレンジエンターポリマー(EP
DM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、フッ素ゴム等といった熱可塑性樹脂、ゴム
弾性を有するポリマー、多糖類等を1種または2種以上
の混合物として用いることができる。ここで、多糖類の
ようにリチウムと反応する官能基を有する結着剤は、例
えばメチル化する等の方法で、その官能基を失活させて
おくことが好ましい。その添加量としては、1〜50重
量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。特
に、正極に用いられる結着剤としては、ポリフッ化ビニ
リデンが最も望ましい。すなわち、正極表面に本発明の
水溶性ポリマーを塗布した時に、正極の結着剤が溶け出
し、十分な表面絶縁化が得られなくなる可能性があるか
らである。
【0036】ここで用いるフィラーとしては、電池性能
に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。例えば
ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマ
ーや酸化珪素、ゼオライト、ガラス、アルミナ、酸化チ
タン等の無機酸化物等を例示することができる。フィラ
ーの添加量は前記水溶性ポリマーに対して5〜95重量
%が好ましい。また、非水電解質に用いることから、フ
ィラーに含まれる活性な水素は疎水処理しておくことが
望ましい。
【0037】電気化学的活性物質の集電体としては、構
成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体で
あれば何でもよい。例えば、正極用集電体としては、ア
ルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭
素、導電性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、導
電性、耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅等の表
面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を
用いることができる。負極用集電体としては、銅、ニッ
ケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成
炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等
の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等
の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した
物を用いることができる。これらの材料については表面
を酸化処理することも可能である。これらの形状につい
ては、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット
状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多孔質
体、発砲体、繊維群の形成体等が用いられる。厚さは特
に限定はないが、1〜500μmのものが用いられる。
これらの集電体の中で、正極には耐酸化性に優れている
アルミニウム箔が、負極には還元場において安定であ
り、且つ電導性に優れ、安価な銅箔、ニッケル箔、鉄
箔、およびそれらの一部を含む合金箔が好ましい。さら
に、電気化学的活性物質層と集電体との密着性が優れて
いる粗面表面粗さが0.2μmRa以上の箔であること
が望ましい。このような粗面を得る目的で電解箔は優れ
ている。特にハナ付き処理を施した電解箔は最も好まし
い。
【0038】外装材としては、鉄やステンレススチー
ル、アルミニウムといった金属缶を用いることも可能で
あるが、重量エネルギー密度の観点から、金属箔と樹脂
フィルムの金属樹脂複合材料が好ましい。金属箔の例と
しては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、SUS、チ
タン、金、銀等、ピンホールのない箔であれば何れでも
よいが、軽量且つ安価なアルミニウム箔が好ましい。ま
た、樹脂フィルムとしては、外面にはポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ナイロンフィルム等の突き刺し強
度が優れた樹脂フィルムを1層以上用い、内面にはポリ
エチレンフィルム、ナイロンフィルム等の熱可塑性であ
って融着可能なフィルムを1層以上用いることが好まし
い。耐溶剤性の観点からこのような樹脂フィルムの開口
部を熱可塑性樹脂で封止することが望ましい。さらに、
電池の膨れを抑制し、電極の密着性を向上する目的で、
減圧下で封止することが望ましい。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの記載により限定される
ものではない。図1は、本発明に係る実施例の非水電解
質電池の外観図であり、図2は同電池の断面図である。
【0040】(実施例1)正極1は、以下のように作製
した。正極活物質としてのLiCoO2、導電剤として
のアセチレンブラック及び結着剤としてのポリフッ化ビ
ニリデンを90:5:5の重量比率で混合後、溶剤とし
てN−メチルピロリドンを加えて上記材料の正極スラリ
ーを作製した。なお、該ポリフッ化ビニリデンはN−メ
チルピロリドン溶液として添加した。前記添加量はポリ
フッ化ビニリデンの固形分換算値である。
【0041】得られたスラリーを正極集電体12として
のアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面に塗布し、乾
燥によりN−メチルピロリドンを除去した後、ロールプ
レスし、正極集電体12上に正極合剤11が形成された
正極1を得た。テスターで該正極合剤11の表面抵抗を
測定したところ、約100mΩを示した。
【0042】負極2は、以下のように作製した。負極活
物質として炭素粒子の表面を非晶質炭素で修飾したグラ
ファイトを、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用
い、該負極活物質と該結着剤とを95:5の重量比率で
混合後、溶剤としてN−メチルピロリドンを加え、上記
材料の負極スラリーを製作した。なお、該ポリフッ化ビ
ニリデンはN−メチルピロリドン溶液として添加した。
前記添加量はポリフッ化ビニリデンの固形分換算値であ
る。得られたスラリーを負極集電体22としての電解銅
箔の両面に塗布し、乾燥によりN−メチルピロリドンを
除去した後ロールプレスし、負極集電体22上に負極合
剤21が形成された負極2を得た。
【0043】ポリプロピレン製の微孔膜(厚さ16μ
m)を界面活性剤(燐酸トリオクチル)により処理し、
非水溶性微多孔セパレータ3として用いた。
【0044】水溶性ポリマーとしてカルボキシメチルセ
ルロース(第一工業製薬株式会社製、商品名;セロゲン
EP、以下「CMC」と略す)を用いた。該水溶性ポリ
マーを温水で溶かし、1.1wt%のCMC水溶液を作
製した。フィラーとして、疎水性超微粉酸化珪素(日本
アエロジル株式会社製、品番;RX200、商品名;ア
エロジル)を用いた。
【0045】該フィラーをエタノールに分散させ、そこ
に前記CMC水溶液をフィラーとCMC水溶液の重量比
が9:1となるように加え、さらに水を加えて粘度を調
節し、スラリーを得た。該スラリーを正極合剤11の表
面にアプリケータロールを用いて100μm程度の隙間
で塗布した後、乾燥により前記エタノールと水を除去
し、さらにロールプレスすることにより厚さ5μmのフ
ィラーを含んだ水溶性ポリマー層7を形成した。テスタ
ーで表面抵抗を測定したところ、無限大を示した。
【0046】前記負極2、非水溶性微多孔セパレータ3
及びフィラー入り水溶性ポリマー層7が形成された正極
1を積層により接触させ、発電要素4を構成した。正極
1及び負極2に、アルミニウム板(幅5mm、厚さ10
0μm)及びニッケル板(幅5mm、厚さ100μm)
を、それぞれ電気抵抗溶接により接続し、それぞれ正極
端子6及び負極端子6とした。筒状の金属樹脂複合材料
(ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/変性
ポリプロピレン)からなる外装体5の内部に前記発電要
素4を配置した後、エチレンカーボネート40重量部、
γ−ブチロラクトン40重量部及びプロピレンカーボネ
ート20重量部からなる混合溶媒に1.5M/lとなる
ように四フッ化ホウ酸リチウムを溶解した非水電解質を
1333Paの減圧下で注液し、さらに1333Paの
減圧下で封口することで、非水電解質電池を作製した。
これら減圧注液工程及び減圧封口工程において、電解質
の沸騰は見られなかった。この電池を本発明電池1とす
る。
【0047】(比較例1)水溶性ポリマー層7が被覆さ
れていない正極1を用いたことを除いては、実施例1と
同様にして非水電解質電池を作製した。この電池を比較
電池1とする。
【0048】(実施例2)ポリプロピレン製の微孔膜
(厚さ16μm)をロールから必要量切り出し、熱した
ハンダゴテの先を軽く押し当てたところ、直径約2mm
の大穴が開いた。このようにして「故意に大穴を設けた
ポリプロピレン製微孔膜」を得た。
【0049】前記「故意に大穴を設けたポリプロピレン
製微孔膜」を非水溶性微多孔セパレータ3として用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして非水電解質電池
を作製した。これを本発明電池2とする。
【0050】(参考例1)前記CMC水溶液を前記正極
の表面にアプリケータロールを用いて200μm程度の
隙間で塗布した後、乾燥し、さらにロールプレスするこ
とにより厚さ2μmの水溶性ポリマー層を形成した。テ
スターで表面抵抗を測定したところ、測定位置によって
は無限大を示さなかった。即ち、正極表面が水溶性ポリ
マー層で被覆されていない部分が生じていた。
【0051】(参考例2)前記CMC水溶液を前記正極
の表面にアプリケータロールを用いて400μm程度の
隙間で塗布したところ、該CMC水溶液は正極の表面で
流れ、水溶性ポリマー層の厚さにムラが生じてしまっ
た。
【0052】(実施例3)前記CMC水溶液を前記正極
1の表面にアプリケータロールを用いて200μm程度
の隙間で塗布した後、乾燥し、さらにロールプレスする
ことにより水溶性ポリマー層7を形成した。さらに、該
CMC水溶液を再度200μm程度の隙間で塗布した
後、乾燥し、さらにロールプレスすることにより正極1
の表面に厚さ4μmの水溶性ポリマー層7を形成した。
テスターで表面抵抗を測定したところ、無限大を示し
た。該水溶性ポリマー層7が形成された正極1を用いた
こと、及び、前記「故意に大穴を設けたポリプロピレン
製微孔膜」を非水溶性微多孔セパレータ3として用いた
ことを除いては、実施例1と同様にして非水電解質電池
を作製した。これを本発明電池3とする。
【0053】(実施例4)水溶性ポリマーとしてメチル
セルロース(信越化学工業株式会社製、商品名;メトロ
ーズSHV-P、以下「MC」と略す。)を用いたこと及び
前記「故意に大穴を設けたポリプロピレン製微孔膜」を
非水溶性微多孔セパレータ3として用いたことを除いて
は、実施例3と同様にして非水電解質電池を作製した。
これを本発明電池4とする。
【0054】(比較例2)前記「故意に大穴を設けたポ
リプロピレン製微孔膜」を非水溶性微多孔セパレータ3
として用いたこと及び水溶性ポリマー層7が被覆されて
いない正極1を用いたことを除いては、実施例1と同様
にして非水電解質電池を作製した。これを比較電池2と
する。
【0055】(電池性能試験)これらの本発明電池1,
2,3,4及び比較電池1,2を用いて、20℃におけ
るレート特性を調査した。試験条件は、充電は20℃
で、0.2ItmA(時間率)、4.2V7時間の定電
流定電圧充電とし、放電は20℃で、0.2ItmA,
1.0ItmA,2.0ItmA、終止電圧2.7Vの
定電流放電とした。得られた放電容量の0.2ItmA
の放電容量に対する割合の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1より、本発明電池は、比較電池1と比
較して、同等のレート特性を示すことがわかる。つま
り、本実施例で設けた程度の水溶性ポリマー層の厚さで
は、電池性能に悪影響を及ぼさないといえる。ただし、
水溶性ポリマー層を有さず、非水溶性微多孔セパレータ
に前記「故意に大穴を設けたポリプロピレン製微孔膜」
を用いた比較電池2は、充電を行っても電圧が上昇しな
かったため、レート特性の調査は行わなかった。
【0058】以上の結果から、本発明電池の水溶性ポリ
マー層は、薄く均一に塗布して絶縁性を確保することに
より、電池性能に悪影響を及ぼすことがほとんどなく、
また非水溶性微多孔セパレータに傷や少々の穴が開いて
いても微短絡を起こすことがなく、電池性能に影響を与
えなかった。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、非
水溶性微多孔セパレータに多少の傷等があっても水溶性
ポリマー層により正極と負極を隔離できることから、ピ
ンホール検査を簡略化した安価な非水溶性微多孔セパレ
ータを使用することが可能であり、さらに用いているポ
リマーが水溶性であることから製造工程の時間が短縮で
き、製造設備も簡略化することができる。さらに、水溶
性ポリマー層にフィラーを併用することにより、均一な
水溶性ポリマー層とすることができ、水溶性ポリマー材
料の使用量を最小限に抑えることができる。従って、製
造コストが削減できるので、非水電解質電池を安価に提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の外観図である。
【図2】本発明に係る電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極 11 正極合剤 12 正極集電体 2 負極 21 負極合剤 22 負極集電体 3 非水溶性微多孔セパレータ 4 発電要素 5 外装体 6 端子 7 水溶性ポリマー層
フロントページの続き Fターム(参考) 5H021 AA06 CC04 EE02 EE31 HH03 5H029 AJ14 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ04 DJ04 EJ12 HJ04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、非水溶性微多孔セパレータ
    及び非水電解質から構成される非水電解質電池におい
    て、前記正極と前記非水溶性微多孔セパレータとの間に
    水溶性ポリマー層があることを特徴とする非水電解質電
    池。
  2. 【請求項2】 正極、負極、非水溶性微多孔セパレータ
    及び非水電解質から構成される非水電解質電池におい
    て、前記正極と前記非水溶性微多孔セパレータとの間に
    水溶性ポリマー層があり、且つ、前記水溶性ポリマー層
    はフィラーを含有していることを特徴とする非水電解質
    電池。
  3. 【請求項3】 前記非水溶性微多孔セパレータは厚さが
    25μm以下である請求項1または2記載の非水電解質
    電池。
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