JP4655430B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質及びこれを用いた非水電解質二次電池に関し、特に、負極に炭素材料を用いた非水電解質二次電池の不可逆容量を低減し、エルギー密度が高く、充放電充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供するための電解質用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非水電解質二次電池は、携帯電話,PHS(簡易携帯電話),小型コンピューター等の携帯機器類用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源として注目されている。
【0003】
このような非水電解質二次電池は、一般に、正極活物質を主要構成成分とする正極と、負極材料を主要構成成分とする負極と、非水電解質とから構成される。正極活物質としてはリチウム含有遷移金属酸化物が、負極材料としては炭素質材料が、非水電解質としてはリチウム塩を非水溶媒に溶解させたものが広く用いられているが、非水電解質二次電池の電池性能をさらに向上させるために、これらの各構成材料に関する研究が活発になされている。
【0004】
特許第2830365号公報には、非水溶媒として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンを併用する技術が開示されており、低温性能に優れた非水電解質二次電池が得られるとされている。
【0005】
ところが近年では、携帯機器を筆頭に、電池を電力源とする各種機器の高性能化の要求が高まっているため、電池性能をさらに向上させた非水電解質二次電池が強く求められている。しかしながら、従来の非水電解質二次電池の性能をさらに向上させることができない原因として、次の問題点があった。
【0006】
第一に、負極に用いる炭素質材料はその表面が非極性であるのに対し、非水電解質に用いる溶媒は極性を有したものが多い。このため、前記炭素質材料に対する前記溶媒の濡れが充分なものとならないといった問題点があった。また、前記炭素質材料の中でも、グラファイトは特に金属リチウムの電位に近い卑な電位で充放電反応が進行するため、高い作動電圧を有した非水電解質二次電池を得るうえで好適な材料である。しかしながら、前記グラファイトを有機体の焼成によって得るには2000℃以上での熱処理が必要であり、この熱処理の過程でほとんどの官能基が焼失してしまうため、グラファイトの表面は炭素質材料の中でも特に非極性であるといった問題点があった。
【0007】
第二に、プロピレンカーボネートは、非水電解質に用いる溶媒の中でも特に誘電率が高いため、支持電解質塩の解離度を高め、非水電解質のイオン伝導度を高いものとすることができるので、高い放電性能を有する非水電解質二次電池を得ることができ、さらに、沸点が高く、融点が低いので、低温でも非水電解質が凝固することがなく、低温充放電特性に優れた非水電解質二次電池を得るうえで好適な材料である。しかしながら、炭素質材料を負極に用いた非水電解質二次電池の溶媒としてプロピレンカーボネートを用いた場合、充電に伴って炭素材料を用いた負極表面でプロピレンカーボネートの分解反応が進行するため、不可逆容量が大きく、また、前記分解反応に伴ってガスが発生するといった問題点があった。さらに、この分解反応は、前記炭素材料にグラファイトを用いた場合に特に大きいといった問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、炭素材料を用いた電極における不可逆容量を低減し、エルギー密度が高く、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討の結果、非水電解質二次電池が特定の物質を含むことにより、驚くべきことに、高率放電性能、充放電サイクル性能及び低温性能の全てに優れた非水電解質二次電池が得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の技術的構成及びその作用効果は以下の通りである。ただし、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。
【0010】
すなわち、本発明は、請求項1に記載したように、正極、負極及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、前記正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は炭素質材料を使用し、前記非水電解質はプロピレンカーボネートを含み、さらに(化学式1):
【式2】
(ここで、n、mは1〜6の自然数、pは0〜2n+1の整数、qは0〜2m+1の整数)
で示される物質を添加剤として含むことを特徴とする非水電解質二次電池である。
【0014】
また、前記炭素質材料がグラファイト材料である非水電解質二次電池である。
【0016】
このような構成としたことによる作用効果については必ずしも明らかではないが、(化学式1)で示される物質が負極上で分解し、負極表面に被膜が形成されることにより、プロピレンカーボネート等の電解質構成材料が負極上で分解する反応が抑えられるものと考えられる。従って、充放電効率が向上するので、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0017】
さらに、負極を炭素質材料とした場合でも、炭素質材料へカチオンが挿入する際に発生しやすかった電解質構成材料の分解を抑えることができるので、充放電サイクル性能をさらに向上させ、且つ、高率放電特性にも優れた炭素質材料電極の特性を充分に発揮させることができる。
【0018】
さらに、前記炭素質材料にグラファイトを用いると、特に従来グラファイトを用いた場合に甚だしかった前記電解質構成材料の分解を抑えることができるため、作動電位が極めて卑であるグラファイトの特性を充分に発揮させることができるので、充放電サイクル性能及び高率放電性能に優れ、さらに、作動電圧が高く、エネルギー密度が高い非水電解質二次電池を提供することができる。
【0019】
さらに、非水電解質の構成材料にプロピレンカーボネートを用いると、特にプロピレンカーボネートを用いた場合に甚だしかった負極上でのプロピレンカーボネートの分解を抑えることができるので、誘電率が高く、非水電解質のイオン伝導度を高いものとすることができ、さらに、沸点が高く、融点が低いといったプロピレンカーボネート特徴を十分に発揮させることができるので、充放電サイクル性能、高率放電性能に優れ、作動電圧が高く、さらに、高い放電性能と低温特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の(化学式1)で示される物質の含有量は、非水電解質の重量に対して0.1重量%以上5重量%以下とすることが好ましく、特に0.1重量%以上1重量%以下とすることがより好ましい。0.1重量%未満ではプロピレンカーボネートの分解抑制効果が十分に発揮できず、5重量%を超えると低温での電池特性を低下させることがある。
【0021】
(化学式1)において、n、mの値は1〜6とすることが好ましく、電解液との親和性の観点からその値を定めることが望ましい。また、p、qの値は0でもよいが、少なくとも一方を1以上としてフッ素元素を導入すると、耐酸化性が向上するため、好ましい。
【0022】
本発明電池の非水電解質に用いる溶媒としては、限定されるものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;酢酸メチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル;テトラヒドロフランまたはその誘導体、1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルジグライムなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ジオキサランまたはその誘導体;スルホラン、スルトンまたはその誘導体などの単独またはそれら2種以上の混合物などを用いることができる。
【0023】
本発明電池の非水電解質に用いる電解質塩としては、限定されるものではないが、例えば、LiClO4 、LiBF4、LiAsF6、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li210Cl10、NaClO4 、NaI、NaSCN、NaBr、KClO4 、KSCN、などのLi、Na、またはKの1種を含む無機イオン塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、(CH3 4 NBF4 、(CH34 NBr、(C254 NClO4 、(C254 NI、(C374 NBr、(n−C494 NClO4 、(n−C494 NI、(C254 N−maleate、(C254 N−benzoate、(C254N−phtalateなどの四級アンモニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウムなどの有機イオン塩が挙げられる。これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
【0024】
本発明の非水電解質二次電池に用いられるセパレータは優れたレート特性を示す多孔膜や不織布等を単独、あるいは併用することが望ましい。そのセパレータを構成する材料として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル系、フッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などに代表されるフッ素樹脂系、ポリフェニレンサルファイト、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタタクリレートなどが挙げられる。それらの中でも電解液との濡れ性が優れたセパレータが望ましい。濡れ性の悪いセパレータには界面活性剤等の処理を施すことが必要となる。
【0025】
本発明の非水電解質電池に用いるセパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
【0026】
上記の電解液は、電極間に本発明のセパレータを挟み込み積層したり、巻き込んだりした後に上記電解液を注液することが可能である。注液法としては、常圧で注液することも可能であるが真空含浸方法や加圧含浸方法も可能である。
【0027】
また、本発明の非水電解質電池の正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有燐酸塩、リチウム含有硫酸塩などを単独、あるいは混合して用いることが望ましい。リチウム含有遷移金属酸化物としては、一般式Liy Co1-xx2 、Liy Mn2-xX4(Mは、IからVIII族の金属(例えは、Li,Ca,Cr,Ni,Fe,Coの1種類以上の元素)であり、異種元素置換量を示すx値については置換できる最大量まで有効であるが、好ましくは放電容量の点から0≦x≦1である。また、リチウム量を示すy値についてはリチウムを可逆的に利用しうる最大量が有効であるが、好ましくは放電容量の点から0≦y≦2である。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
上記の正極活物質に、さらにその他の活物質を混合して用いることができる。例えば、CuO、Cu2 O、Ag2 O、CuS、CuSO4 などのI族金属化合物、TiS2 、SiO2 、SnOなどのIV族金属化合物、V25 、V612、VOx、Nb2 5 、Bi23 、Sb23などのV族金属化合物、CrO3 、Cr23 、MoO3 、MoS2 、WO3 、SeO2 などのVI族金属化合物、MnO2 、Mn23 などのVII 族金属化合物、Fe23 、FeO、Fe34 、FePO4、Ni23 、NiO、CoO3 、CoOなどのVIII族金属化合物などで表される。さらに、ジスルフィド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラファイト構造炭素質材料などであるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
さらに、負極は、以下のようなグラファイトが挙げられる。例えば上記炭素質材料が、エックス線回折等による分析結果が次のようなものであることが好ましい。
格子面間隔(d002) 0.333から0.350nm
a軸方向の結晶子の大きさ La 20nm以上
c軸方向の結晶子の大きさ Lc 20nm以上
真密度 2.00から2.25g/cm3
もちろんこれらの範囲に限定されるものではない。
【0030】
さらに、グラファイトにはスズ酸化物や珪素酸化物といった金属酸化物を添加することや、リンやホウ素を添加し改質を行うことも可能である。また、グラファイトとリチウム金属、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、およびウッド合金などのリチウム金属含有合金などを併用することや、あらかじめ電気化学的に還元することによって、本発明に用いる炭素質材料にあらかじめリチウムを挿入することも可能である。
【0031】
また、本発明の非水電解質二次電池に用いる電気化学的活性物質の少なくとも表面層部分を電子伝導性やイオン伝導性の良いもの、あるいは疎水基を有する化合物で修飾することも可能である。例えば、金、銀、カーボン、ニッケル、銅等の電子伝導性のよい物質や、炭酸リチウム、ホウ素ガラス、固体電解質等のイオン伝導性のよい物質、あるいはシリコーンオイル等の疎水基を有する物質をメッキ、焼結、メカノフュージョン、蒸着、焼き付け等の技術を応用してコートすることが挙げられる。
【0032】
さらに、本発明の非水電解質二次電池に用いる電気化学的活性物質は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。特に正極に用いる電気化学的活性物質は高出力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ましい。所定の形状を得る上で、粉体を得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
【0033】
なお、本発明の非水電解質二次電池に用いる正極および負極の塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコーダーなどの手段を用いて任意の厚みおよび任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるものではないなお、これらの手段を用いた場合、電解質層およびカレントコレクターと接触する電気化学的活性物質の実表面積を増加させることが可能である。
【0034】
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極および負極の電極合剤に必要に応じて導電剤や結着剤やフィラー等を添加することができる。導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば何でも良い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。これらの中で、導電性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。その添加量は1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
【0035】
上記結着剤としては、通常、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、カルボキシメチルセルロース等といった熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー、多糖類等を1種または2種以上の混合物として用いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反応する官能基を有する結着剤は、例えばメチル化するなどしてその官能基を失活させておくことが望ましい。その添加量としては、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
【0036】
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、アエロジル、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は0〜30重量%が好ましい。
【0037】
電気化学的活性物質の集電体としては、構成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極用集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。負極用集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。これらの材料については表面を酸化処理することも可能である。これらの形状については、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群の形成体等が用いられる。厚みは特に限定はないが、1〜500μmのものが用いられる。これらの集電体の中で、正極には耐酸化性に優れているアルミニウム箔が、負極には還元場において安定であり、且つ電導性に優れ、安価な銅箔、ニッケル箔、鉄箔、およびそれらの一部を含む合金箔が好ましい。さらに、電気化学的活性物質層と集電体との密着性が優れている粗面表面粗さが0.2μmRa以上の箔であることが望ましい。このような粗面を得る目的で電解箔は優れている。特にハナ付き処理を施した電解箔は最も好ましい。
【0038】
外装材としては、重量エネルギー密度の観点から、金属箔と樹脂フィルムの金属樹脂複合剤が好ましい。金属箔の例として、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、SUS、チタン、金、銀等、ピンホールのない箔であれば何れでもかまわないが、好ましく軽量且つ安価なアルミニウム箔が好ましい。また、樹脂フィルムとしては外面にはポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の突き刺し強度が優れた樹脂フィルムを、内面にはポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム等の熱可塑性であって融着可能なフィルムが好ましい。耐溶剤性の観点からこのような樹脂フィルムの開口部を熱可塑性樹脂で封止することが望ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の詳細について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
(本発明電池)下記の手順にしたがって、本発明の非水電解質二次電池を作製した。
【0041】
正極1は次のようにして作製した。正極活物質であるLiCoO2 、導電剤であるアセチレンブラック及びバインダーとしてのポリフッ化ビニリデンを90:5:5の重量比率で混合し、溶剤としてN−メチルピロリドンを用いて上記材料の正極スラリーを製作した。得られたスラリーを20μmの正極集電体12であるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥によりN−メチルピロリドンを除去して正極活合剤層11を形成し、ロールプレスによりプレスし、正極1を得た。
【0042】
負極2は以下のように作製した。負極材料であるグラファイト(Lcが100nm以上)及びバインダーであるポリフッ化ビニリデンを95:5の重量比率で混合し、溶剤としてN−メチルピロリドンを用いて上記材料の負極スラリーを製作した。得られたスラリーを負極集電体22である電解銅箔の両面に塗布し、乾燥によりN−メチルピロリドンを除去して負極合剤層21を形成し、ロールプレスによりプレスし、負極2を得た。
【0043】
セパレータ3として界面活性剤(ポリエチレングリコール)により処理したポリプロピレン製の微孔膜(厚さ27μm)を用いた。
【0044】
非水電解質として、エチレンカーボネート40重量部、γ−ブチロラクトン40重量部、プロピレンカーボネート20重量部及びアセチレンカルボン酸ジメチル1重量部を混合した混合溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム20重量部を溶解させた電解液を用いた。
【0045】
これらの部品を用いて負極2/セパレータ3/正極1の順に積層により接触させ、極群4とした。正極にアルミニウム端子(幅5mm、厚さ100μm)、負極にニッケル端子(幅5mm、厚さ100μm)を電気抵抗溶接により接続した。外装体5である筒状の金属樹脂複合フィルム(ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/変性ポリプロピレン)内に前記極群4を配置した後、前記非水電解質を1333Paの減圧状態で注液し、さらに1333Paの減圧状態で封口することにより本発明電池を作製した。この本発明電池の設計容量は500mAhである。
【0046】
(比較電池)
非水電解液として、非水電解質として、エチレンカーボネート40重量部、γ−ブチロラクトン40重量部及びプロピレンカーボネート20重量部を混合した混合溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム20重量部を溶解させた電解液を用いたことを除いては、本発明電池と同様にして比較電池を作製した。
【0047】
(電池試験)
本発明電池及び比較電池を用いて、初期放電容量と、300サイクル後の放電容量を測定した。試験条件は、温度25℃において行い、充電は4.1V,0.2ItmA,7時間の定電流定電圧充電とし、放電は25℃で終止電圧2.7V,0.2ItmAの定電流放電とし、充電末及び放電末にそれぞれ30分の休止状態を設けた。初期放電容量、及び、300サイクル後の放電容量の前記初期放電容量に対する百分率をサイクル性能(%)として表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1から明らかなように、比較電池は本発明電池に比べて初期放電容量が大幅に増大した。これは、アセチレンカルボン酸ジメチルの添加により、電解液中のプロピレンカーボネートの分解が抑制されたため、設計容量通りの初期放電容量が得られたものと考えられる。一方、比較電池は、充電中にプロピレンカ−ボネ−トの分解が起こり、設計容量通りの初期放電容量が得られなかったものと考えられる。また、比較電池は本発明電池と比較して、300サイクル後の放電容量が低いことが分かる。これは、サイクル中に電解液中のプロピレンカーボネートが分解し、可逆容量が低下したためであると考えられる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、上記の通り長期信頼性が高く、高性能、高エネルギー密度を有する非水電解質二次電池を提供するものであり、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二次電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極
11 正極合剤層
12 正極集電体
2 負極
21 負極合剤層
22 負極集電体
3 セパレータ
4 極群
5 外装体

Claims (1)

  1. 正極、負極及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、前記正極及び負極のうち少なくとも一方の電極は炭素質材料を使用し、前記非水電解質はプロピレンカーボネートを含み、さらに、(化学式1):
    【式1】
    (ここで、n、mは1〜6の自然数、pは0〜2n+1の整数、qは0〜2m+1の整数)
    で示される物質を添加剤として含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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