JP2003295503A - 負帯電トナー、その製造方法およびこの負帯電トナーを用いた画像形成装置 - Google Patents
負帯電トナー、その製造方法およびこの負帯電トナーを用いた画像形成装置Info
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Abstract
上、トナーのカブリの更なる低減、転写効率の更なる向
上等の求められる特性をより効果的に発揮できる負帯電
性トナーとそれらを用いた画像形成装置を提供する。 【解決手段】小粒径および大粒径の負帯電性シリカ1
3,14がトナー母粒子8aに付着し、次いで第1の外
添剤である小粒径の負帯電性シリカ13に、平均一次粒
子径がこの負帯電性シリカ13より大きく、第2の外添
剤であるルチルアナターゼ型酸化チタン15が付着する
形でトナー母粒子8aに付着している。これにより、ル
チルアナターゼ型酸化チタン15は負帯電性シリカ13
を介してトナー母粒子8aに確実に付着し、トナー母粒
子8aから遊離し難くなる。そして、負帯電性シリカ1
3,14によりトナー母粒子8aが負帯電され、ルチル
アナターゼ型酸化チタン15によりトナー母粒子8aの
過帯電が防止される。
Description
り画像形成を行う画像形成装置に用いられ、この画像形
成装置の潜像担持体上の静電潜像を現像するための一成
分非磁性トナーおよびその製造方法の技術分野に属し、
特に、トナー母粒子に対して負帯電性を有する外添剤が
少なくとも添加されてなる一成分非磁性トナーである負
帯電トナー、その製造方法およびこの負帯電トナーを用
いた画像形成装置の技術分野に属する。
としては、一般的には二成分トナーが知られ、比較的安
定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの
混合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要
がある。そのため、一成分非磁性トナーが開発されてい
る。この一成分非磁性トナーとしては、一成分磁性トナ
ーが開発されているものの、磁性材料の不透明性から鮮
明なカラー画像を得られないという問題がある。そこ
で、従来、カラートナーとして一成分非磁性トナーであ
る負帯電トナーが開発されている。
ーにおいては、帯電安定性、流動性、耐久安定性等を向
上させることを目的として、従来、トナー母粒子に外添
剤の微粒子を外添させる表面処理が行われている。
粒子に負極性を付与する負帯電性を有する二酸化ケイ素
(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)および酸化
チタン(チタニア)を単独または複数種組み合わせて使
用することが知られている。この場合、それぞれの外添
剤はそれらの有する特徴を活かすために、単独よりも複
数種組み合わせて使用するのが一般的である。
組み合わせて使用したトナーであっても、次のような問
題がある。すなわち、 トナーに外添剤を添加しても帯電量分布が存在する
ため、負帯電用トナーであっても正に帯電したトナーの
発生は避けきれなかった。その結果、負帯電反転現像で
作像する画像形成装置では、潜像担持体(感光体)の非
画像部にトナーが付着するため、クリーニングトナー量
が増大してしまう。また、印字枚数が増すに従い、トナ
ー表面上の外添剤が埋没するため、実質上有効に機能す
る外添剤の量が減少して、カブリトナー量が更に増える
と同時に、トナーの帯電量が低下してトナー飛散が発生
してしまう。 トナーの劣化防止のために、シリカを多量に添加し
てトナーの流動性を維持しようとすると、流動性は改善
されるが、定着性が低下してしまう。 シリカを増やすと、トナーの負帯電能力が高くなり
過ぎて印字画像濃度が低下するため、比較的低電気抵抗
のチタニアやアルミナを添加しているが、一般にチタニ
アやアルミナは一次粒子径が小さいため、印字枚数が増
えるとトナー母粒子中に埋没し、それらの効果が発揮で
きなくなってしまう。 良好なフルカラートナーを得るために、逆転写トナ
ーの発生を可能な限り抑制することが求められる。
し、シランカップリング剤で処理されている処理層を有
するルチル型酸化チタンを外添剤として用い、紡錘形状
のルチル型酸化チタンでトナー母粒子に付着した酸化チ
タンがこのトナー母粒子内に埋没しないようにし、また
シランカップリング剤との親和性がよいアナターゼ型酸
化チタンでトナー母粒子にシランカップリング剤の均一
な被膜を得ることにより、帯電分布が均一で、摩擦帯電
性を低下させることなく安定した帯電特性を得るととも
に、環境依存性、流動性および耐ケーキング性を向上さ
せることが特開2000−128534号公報において
提案されている。この公開公報に開示されているトナー
によれば、前述の諸問題〜がある程度解決すること
ができる。
にルチル/アナターゼ混晶型酸化チタンを添加すること
により、フルカラー画像において、色再現性、透明性を
損なうことなく、トナーの流動性を高め、温度・湿度の
環境に左右されずに安定した摩擦帯電性を得るととも
に、トナー飛散を防止して非画像部へのトナーのカブリ
を防止することが特開2001−83732号公報にお
いて提案されている。この公開公報に開示されているト
ナーによっても、前述の諸問題〜がある程度解決す
ることができる。
各公開公報のトナーでは、ルチル型酸化チタンにより酸
化チタンがトナー母粒子内に埋没することを抑制して安
定した帯電特性をある程度得ることができるとともに、
アナターゼ型酸化チタンにより流動性および環境依存性
をともに向上させることができるものの、外添剤として
ルチル/アナターゼ型酸化チタンを単に用いているだけ
であるので、ルチル/アナターゼ型酸化チタンはトナー
母粒子に確実にかつ長期的に安定して付着しなく、トナ
ー母粒子から遊離してしまうことが考えられる。このた
め、ルチル/アナターゼ型酸化チタンの特性、つまりト
ナー母粒子内へ埋没し難い特質と電荷調整機能をより効
果的に活かすことは難しく、長期的に安定した帯電特
性、流動性の向上および環境依存性の向上、耐久性の向
上にも限度があることが考えられる。すなわち、前述の
諸問題〜をより効果的に解決するために、トナーの
更なる改良された特性が求められる。
ものであって、その目的は、帯電特性の長期的安定化、
耐久性の更なる向上、トナーのカブリの更なる低減、転
写効率の更なる向上等の求められる特性をより効果的に
発揮できる負帯電性トナーを提供することである。
ーとして使用したときに逆転写トナーの発生をより効果
的に抑制できるとともに画像濃度をより均一にかつより
一層長期にわたって安定して維持できる負帯電トナーお
よびその製造方法を提供することである。
めに、請求項1の発明の負帯電トナーは、トナー母粒子
に対して疎水性の外添剤が少なくとも外添処理されてな
る負帯電トナーにおいて、前記疎水性の外添剤が、少な
くとも負帯電性を有する第1の外添剤とこの第1の外添
剤より平均一次粒子径の大きな第2の外添剤とを含み、
前記トナー母粒子に前記第1の外添剤が付着していると
ともに、この第1の外添剤に前記第2の外添剤が付着し
ていることを特徴としている。
前記第1の外添剤の仕事関数が前記トナー母粒子の仕事
関数より小さく設定され、かつ、前記第2の外添剤の仕
事関数が前記トナー母粒子の仕事関数と略同一か、また
は前記トナー母粒子の仕事関数より大きく設定されてい
ることを特徴としている。更に、請求項3の発明の負帯
電トナーは、前記第1の外添剤の添加量(重量)が前記
第2の外添剤の添加量(重量)より多く設定されている
ことを特徴としている。
前記第1の外添剤は疎水性の負帯電性シリカおよび導電
性微粒子の少なくとも1つであり、また前記第2の外添
剤は、酸化アルミニウム、正帯電性シリカ、ルチルアナ
ターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、アナターゼ
型酸化チタン、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸
化物粒子、チタン酸ストロンチウム(TiO3Sr)の
少なくとも1つであることを特徴としている。
着色剤、樹脂および離型剤または電荷制御剤を含有して
なることを特徴としている。更に、請求項6の発明の負
帯電トナーは、粉砕法により作製された前記トナー母粒
子を用いた粉砕法トナーまたは重合法により作製された
前記トナー母粒子を用いた重合法トナーであることを特
徴としている。
円形度が0.91以上であることを特徴としている。更
に、請求項8の発明の負帯電トナーは、個数基準の50
%径(D50)が9μm以下であることを特徴としてい
る。
造方法は、請求項1ないし3のいずれか1記載の負帯電
トナーを製造する方法であって、最初に前記トナー母粒
子と前記第1の外添剤とを混合し、次いでこれらの混合
物に前記第2の外添剤を添加して混合することにより、
前記負帯電トナーを製造することを特徴としている。更
に、請求項10の発明の画像形成装置は、請求項5記載
の負帯電トナーを使用することを特徴としている。
においては、第1の外添剤がトナー母粒子に付着し、次
いで第2の外添剤がトナー母粒子に付着した第1の外添
剤に付着する形でトナー母粒子の表面に付着するように
なる。したがって、第1の外添剤の有する負帯電機能と
いう固有の特性と第2の外添剤の有する固有の特性とが
相乗された機能がトナー母粒子に付与される。すなわ
ち、第1の外添剤の有する負帯電機能と第2の外添剤の
固有の特性による機能とを単にプラスしただけでのもの
ではなく、例えば第1の外添剤の負帯電機能による過剰
な負帯電効果が適宜選択された第2の外添剤の機能によ
り良好な帯電に調整可能となるとともに、第2の外添剤
の機能による過剰な効果が第1の外添剤の機能により調
整可能となる。これにより、トナー母粒子が確実にかつ
良好に負帯電されるとともに、本発明の負帯電トナーは
長期にわたって求められる安定した負帯電特性を有する
ようになり、逆転写トナー、カブリトナー、トナーの中
抜けあるいはトナーのチリ等が効果的に抑制可能とな
る。その場合、逆転写トナーの発生がより効果的に抑制
されることから、本発明の負帯電トナーをフルカラート
ナーとして使用したときに、画像濃度がより均一にかつ
より一層長期にわたって維持される。これにより、高品
質のフルカラーの画像が長期にわたって得られる。
求められる機能に応じた特性を有する外添剤を選択する
ことで、負帯電トナーに求められる機能に簡単かつ確実
に対応可能となるとともに、トナー粒子の表面に少なく
とも第2の外添剤が存在するようになるので、第2の外
添剤の特性が効果的に発揮されるようになる。例えば、
第2の外添剤にルチルアナターゼ型酸化チタンを選択す
ると、このルチルアナターゼ型酸化チタンの固有の特性
であるトナーの負の過帯電防止機能およびトナーの流動
性の向上機能が効果的に発揮され、また、第2の外添剤
にアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を選択すると、こ
のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子の固有の特性であ
るトナーの凝集性向上機能が効果的に発揮されるように
なる。
してトナー母粒子に確実に付着することから、第2の外
添剤はトナー母粒子から遊離し難くなり、耐久性が向上
する。したがって、第2の外添剤はその固有の特性を長
期にわたって安定して活かすことができるようになる。
粒子の仕事関数より小さく設定され、かつ、第2の外添
剤の仕事関数がトナー母粒子の仕事関数と略同一か、ま
たはトナー母粒子の仕事関数より大きく設定されること
で、第2の外添剤が、トナー母粒子に付着した第1の外
添剤により一層確実に付着され、第2の外添剤の特性が
より確実に活かされるようになる。
く添加することで、仮に第1の外添剤の一部がトナー母
粒子に埋没しても、第2の外添剤は第1の外添剤を介し
てトナー母粒子に確実に付着し、トナー母粒子から遊離
することが少なくなる。したがって、より安定した負帯
電特性を有するとともに、逆転写トナー、カブリトナ
ー、トナーの中抜けあるいはトナーのチリ等がより効果
的に抑制される。
おいては、最初にトナー母粒子と第1の外添剤とを混合
し、次いでこれらの混合物に第2の外添剤を添加して混
合することにより、疎水性の第2の外添剤はトナー母粒
子に付着した疎水性の第1の外添剤に付着する形でトナ
ー母粒子の表面に確実に付着するようになる。これによ
り、逆転写トナー、カブリトナー、および画像濃度の変
動が効果的に抑制できる本発明の負帯電トナーが確実に
かつ効率よく製造されるようになる。
本発明の負帯電トナーを用いているので、より均一な画
像濃度で高品質のフルカラーの画像が長期にわたって得
られる。
ナーの実施の形態の一例を模式的に示す図である。図1
(a)に示すように、この例の負帯電トナー8はトナー
母粒子8aに外添剤12が外添されて構成されている。
外添剤12には、平均一次粒径が小粒径および大粒径の
2種類の粒径の疎水性の負帯電性シリカ(SiO2)1
3,14、および疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタン
(TiO2)15がそれぞれ使用されている。その場
合、疎水性の負帯電性シリカ13が本発明の第1の外添
剤を構成し、疎水性のルチルアナターゼ型酸化チタン1
4が本発明の第2の外添剤を構成している。なお、後述
するようにルチルアナターゼ型酸化チタン14は長軸径
と短軸径を有する紡錘形状を有しており、本発明の負帯
電トナー8ではルチルアナターゼ型酸化チタン14の長
軸径が負帯電性シリカ13,14の平均一次粒子径より
大きく設定される。
平均一次粒径は20nm以下、好ましくは7〜16nm
(この表記法は7nm〜16nmの意味である。他の単
位の場合も同じである)であり、また大粒径の疎水性シ
リカ14のの平均一次粒径は30nm以上、好ましくは
40〜50nmに設定されている。また、疎水性ルチル
アナターゼ型酸化チタン15はルチル型酸化チタンとア
ナターゼ型酸化チタンとが所定の混晶比で用いられてお
り、例えば前述の特開2000−128534号公報に
開示されている製造方法により製造することができる。
この疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタン15は紡錘形
状を呈しており、その長軸径が0.02〜0.10μmで
あるとともに、長軸径と短軸径との軸比が2〜8に設定
されている。
シリカ13,14がトナー母粒子8aに付着し、次い
で、ルチルアナターゼ型酸化チタン15がこの負帯電性
シリカ13に付着する形で、トナー母粒子8aに付着し
ている。このような負帯電性シリカ13を介したルチル
アナターゼ型酸化チタン15のトナー母粒子8aへの付
着形態では、ルチルアナターゼ型酸化チタン15がトナ
ー母粒子8aに遊離し難くなり、確実に付着する。
ターゼ型酸化チタン15が複数(図示例では、2個)の
負帯電性シリカ13を介してトナー母粒子8aに付着す
る場合には、ルチルアナターゼ型酸化チタン15はトナ
ー母粒子8aに対してより強固に付着するようになり、
トナー母粒子8aから非常に遊離し難くなる。これに対
して、図1(c)に示すようにルチルアナターゼ型酸化
チタン15がトナー母粒子8aに直接付着し、このルチ
ルアナターゼ型酸化チタン15に負帯電性シリカ13が
付着する場合には、トナー母粒子8aに対するルチルア
ナターゼ型酸化チタン15の付着力が極めて弱く、負帯
電性シリカ13およびルチルアナターゼ型酸化チタン1
5がトナー母粒子8aから遊離し易いものとなる。ま
た、図1(d)に示すように第2の外添剤として、負帯
電性シリカ13とほぼ同じ大きさの外添剤15′を用い
た場合にも、これらは、帯電状態が中和して互いの付着
力が極めて弱くなり、トナー母粒子8aから遊離し易く
なる。
子8aの仕事関数(例示は後述)より小さい仕事関数
(例示は後述)を有する疎水性の負帯電性シリカ13に
よりトナー母粒子8aは負の帯電性が付与されていると
ともに、トナー母粒子8aの仕事関数より大きいかある
いはトナー母粒子8aの仕事関数と略同一(仕事関数差
が0.25eV以内)である仕事関数(例示は後述)を
有する疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタン15を混合
使用することで、トナー母粒子8aの過帯電が防止され
ている。
リカ13,14および疎水性ルチルアナターゼ型酸化チ
タン15の各仕事関数の間には、 負帯電性シリカ < トナー母粒子 ≦ ルチルアナターゼ
型酸化チタン または、 負帯電性シリカ < トナー母粒子 ≒ ルチルアナターゼ
型酸化チタン に設定されている。
器(株)製AC−2)により、照射光量500nWで測
定されるものであり、その物質から電子を取り出すため
に必要なエネルギーであり、仕事関数が小さいほど電子
を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、
仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕
事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負
に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物
質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として
数値化されるものである。
5.3〜5.75eV、好ましくは5.4〜5.7eVであ
る。また、第1の外添剤である負帯電性シリカ13の仕
事関数は、5.0〜5.3eV、好ましくは5.1〜5.2
5eVであり、更に、第2の外添剤であるルチルアナタ
ーゼ型酸化チタンの仕事関数は、5.55〜5.75e
V、好ましくは5.6〜5.7eVである。そして、負帯
電トナー8自体の仕事関数は、5.35〜5.8eV、好
ましくは5.4〜5.75eVである。
13の添加量(重量)が第2の外添剤であるルチルアナ
ターゼ型酸化チタン15の添加量(重量)より多く設定
されている。
のトナー母粒子8aに対する添加量は、0.1〜3重量
%、好ましくは0.5〜2重量%であり。大粒径の負帯
電性シリカ14のトナー母粒子8aに対する添加量は、
0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%であ
る。また、ルチルアナターゼ型酸化チタン15のトナー
母粒子8aに対する添加量は0.05〜2重量%、好ま
しくは0.1〜1.5重量%である。更に、トナー母粒子
8aに対する全外添剤12粒子の添加量は、0.5〜5
重量%、好ましくは1〜4重量%の割合とするとよい。
リカ13の他に、導電性微粒子として、導電性二酸化ケ
イ素、導電性酸化チタン、導電性酸化アルミニウム、導
電性酸化亜鉛、酸化錫のいずれかを用いることができ
る。また、第2の外添剤としては、前述のルチルアナタ
ーゼ型酸化チタン15の他に、正帯電性シリカ、酸化ア
ルミニウム、ルチルアナターゼ型酸化チタン、ルチル型
酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸化アルミニウ
ム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子、チタン酸ストロンチ
ウム(TiO3Sr)のいずれかを用いることができ
る。
ー8に用いられるトナー母粒子は粉砕法および重合法の
いずれの方法でも作製することができ、以下、その作製
について説明する。また、詳細は後述するが、粉砕と重
合法の変形でトナー構成材料を有機溶媒中に均一に溶解
分散した液を水中にエマルジョンの形で存在せしめ、次
いで有機溶媒を除去し、水洗・乾燥することでも作製す
ることができる。
負帯電トナー(以下、粉砕法トナーという)8の作製に
ついて説明する。粉砕法トナー8は、樹脂バインダーに
顔料、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一
混合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却
後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理されて得られ
たトナー母粒子8aに、さらに、外添剤である流動性改
良剤が外添されてトナーとされる。
樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−
α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−
クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビ
ニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重
合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体
を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成
エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素
樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明にお
いては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレ
ン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂が好ましい。本発明にあってはバインダー
樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟
化温度が70〜150℃の範囲が好ましい。
使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブ
ラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロ
ー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン
6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジン
イエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレー
キ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド4
8:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.
ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レ
ッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.
I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・
イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、
C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベ
ント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料
および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイク
ロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリ
ラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モ
ンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリ
プロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワッ
クス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オ
イルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化
学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化
学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリ
エント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フ
タロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラ
ックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックス
アレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アン
モニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロ
キシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金
属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用
には無色ないしは白色のものが好ましい。
とも、前述のように第1の外添剤である小粒子径の疎水
性の負帯電性シリカ13および前述の疎水性ルチルアナ
ターゼ型酸化チタン15がそれぞれ用いられる。なお、
これらの第1および第2の外添剤に、更に他の公知の無
機および有機のトナー用流動性改良剤を1種以上混合使
用することも可能である。他の公知の無機および有機の
トナー用流動性改良剤としては、例えば、アルミナ、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化
ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、
窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタ
イト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、チタン酸バリウムやチタン酸ストロ
ンチウム等のチタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子
を使用することができる。これらの微粒子はシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリ
コーンオイル等で疎水化処理して使用することが好まし
い。その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、
スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
を表1に示す。
重量部に対して、着色剤は0.5〜15重量部、好まし
くは1〜10重量部であり、また、離型剤は1〜10重
量部、好ましくは2.5〜8重量部であり、更に、荷電
制御剤は0.1〜7重量部、好ましくは0.5〜5重量部
であり、更に、流動性改良剤は0.1〜5重量部、好ま
しくは0.5〜4重量部である。
効率の向上を目的として、球形化処理により円形度をア
ップさせることがよい。粉砕法トナー8の円形度をアッ
プさせるためには、(A) 粉砕工程で、比較的丸い球状で
粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるタ
ーボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は
0.93まで可能である。または、(B) 粉砕したトナー
を市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSF
S−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用す
れば円形度は1.00まで可能である。
(球状化係数)は0.91以上であり、これにより良好
な転写効率が得られる。そして、円形度は0.97まで
はクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシク
リーニングを併用することでクリーニングすることがで
きる。
ー8としては、個数基準の50%径である平均粒子径
(D50)が9μm以下、好ましくは4.5〜8μmに設
定される。これにより、粉砕法トナー8の粒子径が比較
的小粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤として
疎水性の負帯電性シリカと疎水性の仕事関数の大なる金
属酸化物とを併用することで、疎水性の負帯電性シリカ
の量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水性
の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができるの
で、定着性が向上する。なお、本発明におけるトナー粒
子等における平均粒子径と円形度は、シスメックス株式
会社製のFPIA2100で測定する値である。
添剤の総量(重量)がトナー母粒子の重量に対して0.
5重量%以上4.0重量%以下に設定されるが、好まし
くは、1.0重量%から3.5重量%の範囲に設定するの
がよい。これにより、粉砕法トナー8をフルカラートナ
ーとして使用したときに逆転写トナーの発生を抑える効
果を発現することができる。なお、外添剤を総量で4.
0重量%以上添加すると、トナー表面より飛散したり、
定着性を悪化させる要因となる。
トナー(以下、重合法トナーという)8の作製について
説明する。重合法トナー8としては、懸濁重合法、乳化
重合法、分散重合法等がある。懸濁重合法においては、
重合性単量体(モノマー)、着色顔料、離型剤とを、必
要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御
剤、その他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散さ
せた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水
溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造
粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合ト
ナー粒子を形成することができる。
型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性
剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過
程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加す
ることによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒
子を形成することができる。重合法トナー作製に用いら
れる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動
性改良剤に関しては、上記の粉砕トナーと同様の材料が
使用できる。
のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、
エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、
ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリ
デン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフル
オロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効で
あるので使用が可能である。
が使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリ
ウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸
ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト
リウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルト
リメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウ
ムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキ
サデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリ
オキシエチレンエーテル等がある。
能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾ
ビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチ
ロニトリル等がある。
使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫
酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アル
ミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
量)を表2に示す。
重量部に対して、重合開始剤は0.03〜2、好ましく
は0.1〜1重量部であり、また、界面活性剤0.01〜
0.1重量部であり、更に、離型剤は1〜40重量部、
好ましくは2〜35重量部であり、更に、荷電制御剤は
0.1〜7重量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、
着色剤は1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部で
あり、更に、凝集剤(電解質)は0.05〜5重量部、
好ましくは0.1〜2重量部である。
効率の向上を目的として、球形化処理により円形度をア
ップさせることがよい。重合法トナー8の円形度の調節
法としては、(A) 乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温
度と時間を制御することで、円形度を自由に変えること
ができ、その範囲は0.94〜1.00である。また、
(B) 懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、
円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度
を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させ
ることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節す
ることが可能となる。
合法でも作ることができ、例えば特開平63−3040
02号公報に開示されている方法でも作製できる。この
場合には、形状が真球に近い形となるため、形状を制御
するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望
のトナー形状にすることができる。
の例の重合法トナー8の望ましい円形度(球状化係数)
は0.95以上であり、円形度が0.97まではクリーニ
ングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニング
を併用することでクリーニングすることができる。
おいても、個数基準の50%径である平均粒子径
(D50)が9μm以下、好ましくは4.5〜8μmに設
定される。これにより、重合法トナー8の粒子径が比較
的小粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤として
疎水性の負帯電性シリカと疎水性の仕事関数の大なる金
属酸化物とを併用することで、疎水性の負帯電性シリカ
の量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水性
の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができるの
で、定着性が向上する。なお、この重合法トナー8の場
合にも、トナー粒子等における平均粒子径と円形度は、
シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する
値である。
述の粉砕法トナーと同様に、外添剤の総量(重量)がト
ナー母粒子の重量に対して0.5重量%以上4.0重量%
以下に設定されるが、好ましくは、1.0重量%から3.
5重量%の範囲に設定するのがよい。これにより、重合
法トナー8をフルカラートナーとして使用したときに逆
転写トナーの発生を抑える効果を発現することができ
る。なお、外添剤を総量で4.0重量%以上添加する
と、トナー表面より遊離したり、定着性を悪化させる要
因となる。
報に開示されている方法に準じてトナーを作製すること
ができる。具体的には、粉砕法トナー構成材料である着
色剤、樹脂、離型剤、必要により電荷制御剤をニーダ、
ロールミルあるいは2軸押出機を用いて均一混練した後
に、粗粉砕し、次いで極性の有機溶媒中に溶解分解さ
せ、均一分散液(分散相)を調整する。次に、分散安定
剤として、例えばポリビニルアルコール等の水溶性高分
子、アニオン性界面活性剤等の各種界面活性剤があり、
その他リン酸カルシウム等の各種金属酸化物の中から適
切な分散安定剤を選び、この分散安定剤を水中に含有し
た連続相となる水溶液と調整する。次にエマルジョン造
粒法として、分散相を、機械式例えばTKオートホモ
ミキサー(特殊機化工業製)を用いて、連続相中に高速
撹拌を行うことで懸濁せしめる方法、分散相を微細な
孔を有する多孔質ガラスを介して前述の連続相に圧入す
ることによりエマルジョンを形成する方法がある。いず
れの方法もエマルジョンを作れるが、粒子径並びに粒度
分布を制御し、かつ、環境依存性を少なくするには後者
の方がよい。造粒には、エマルジョンの溶液を撹拌槽に
移し、撹拌しながら温度50℃以上に保ち、含まれる有
機溶媒を除去せしめ、次いで、洗浄、濾過を繰り返して
乾燥することで平均粒径9μm以下の着色粒子を得るこ
とができる。また、水の代わりに、樹脂成分などが溶解
しない有機溶媒を用い、析出させる方法も同様な手順で
可能である。
剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオ
イル等で疎水化処理して使用することが好ましい。疎水
化処理剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン、
オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、シリコーンオイル、オクチルートリクロシラン、デ
シルートリクロルシラン、ノニルートリクロシラン、
(4−iso−プロピルフェニル)−トリクロルシラ
ン、ジヘキシルジクロシラン、(4−t−ブチルフェニ
ル)−トリクロシラン、ジペンチルージクロルシラン、
ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシ
ラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロル
シラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ
−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘ
キシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、
トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロ
ルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−
iso−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等
が例示される。
は、前述のヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、反転
ミキサー、ハイスピードミキサ、サイクロミックス、ア
キシャルミキサー等の公知の複合機に投入されて、トナ
ー母粒子8aに対して外添剤12粒子が付着処理され、
本発明の負帯電性トナー8が得られる。その場合、まず
トナー母粒子8aと第1の外添剤である疎水性の負帯電
性シリカ13とを混合し、その後でこの混合物に第2の
外添剤である疎水性の仕事関数の大なる金属酸化物15
を添加して混合するようにする。このトナーの製造方法
により、図1に示すように負帯電性シリカ13,14を
トナー母粒子8aに確実に付着させることができるとと
もに、小粒径の負帯電性シリカ13に疎水性の仕事関数
の大なる金属酸化物15を確実に付着させることができ
る。
ー8においては、重合法トナーおよび粉砕法トナーある
いはそれらを組み合わせた変形方法のいずれでも、図1
に示すように負帯電性シリカ13,14がトナー母粒子
8aに直接付着し、この負帯電性シリカ13に疎水性の
仕事関数の大なる金属酸化物15が付着する。その場
合、仮に、小粒径の負帯電性シリカ13がトナー母粒子
8aに埋没しても、埋没した疎水性の負帯電性シリカ1
3に、この疎水性の負帯電性シリカ13の仕事関数より
大きい仕事関数の疎水性金属酸化物15が仕事関数差に
よる接触電位差で付着してトナー母粒子8aから遊離す
ることが少なくなる。したがって、トナー母粒子8aの
表面が疎水性の負帯電性シリカ13,14および疎水性
の仕事関数の大なる金属酸化物15によりまんべんなく
覆われるようになる。
15の有するトナー母粒子8aに埋没し難い特質と電荷
調整機能とがより効果的に活かすことができるようにな
り、疎水性の負帯電性シリカ13,14の有する負帯電
性能および流動性という固有の特性と、疎水性の金属酸
化物15の有する比較的低抵抗でかつ負の過帯電防止特
性という固有の特性とが相乗された機能をトナー母粒子
8aに付与することができる。これにより、負帯電トナ
ー8の流動性低下を防止できるとともに負の過帯電を防
止できることから、より良好な負帯電特性を得ることが
できるようになり、その結果、逆転写トナーの発生およ
びカブリを効果的に抑制することができる。したがっ
て、負帯電トナー8はその負帯電がより一層長期にわた
り安定し、連続印字における安定した画像品質を与える
ようになる。
性シリカ13の添加量(重量)を疎水性の金属酸化物1
5の添加量(重量)より多く添加することで、疎水性ル
チルアナターゼ型酸化チタン15が、トナー母粒子8a
に直接付着した負帯電性シリカ13により確実に付着す
るようになる。したがって、負帯電トナー8の負帯電が
より一層長期にわたり安定し、非画像部のカブリがより
一層抑制されるとともに転写効率が更に向上し、更に逆
転写トナーの発生がより効果的に抑制されるようにな
る。
非接触一成分現像方式の一例を模式的に示す図である。
図2中、1は有機感光体、2はコロナ帯電器、3は露
光、4はクリーニングブレード、5は転写ローラ、6は
供給ローラ、7は規制ブレード、8は負帯電トナー、9
は転写材、11は現像ローラであり、Lは非接触一成分
現像プロセスにおける現像ギャップである。
の有機単層型でもよいし、有機感光層が多層の有機積層
型でもよい。有機積層型感光体1は、図3(a)に示す
ように導電性支持体1a上に、下引き層1bを介して、
電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dからなる感光層を
順次積層したものである。
支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・c
m以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に
切削等の加工を施した管状物やポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗
料により導電性を付与した管状物、導電性ポリイミド樹
脂を形成してなる管状物とから形成することができる。
なお、他の形状例としては、ベルト状、板状、シート状
支持体等が例示でき、また、他の材料、形状例として、
ニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした
金属ベルト等も好適に使用することができる。
1bとしては公知の下引き層が使用可能である。例え
ば、下引き層1bは接着性を向上させ、モワレを防止
し、上層の電荷発生層1cの塗工性を改良、露光時の残
留電位を低減させるなどの目的で設けられる。下引き層
1bに使用する樹脂はその上に電荷発生層1cを有する
感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に対し
て耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用可能
な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、
共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコ
ール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わせで使
用することができる。また、これらの樹脂に二酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させてもよい。
ては、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタ
ロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニ
ン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチ
ン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェ
ニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨
格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有する
アゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジ
アゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を
有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有
するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するア
ゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環
キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン
およびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよび
ナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔
料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料などが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独ま
たは2種以上の組み合わせで使用することができる。
しては、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化
ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
バインダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比
でバインダー樹脂100重量部に対して、10〜100
0重量部の範囲で用いられる。
しては公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正
孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばク
ロルアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、
ナフトキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の組
み合わせで使用することができる。
物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、ト
リフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾ
ン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベン
ゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合
物、スチリル化合物およびこれらの化合物の誘導体が挙
げられる。これらの電子供与性物質は単独または2種以
上の組み合わせで使用することができる。
化防止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤
などを含有することもできる。電荷輸送層1dにおける
バインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチ
ラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂
などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶
性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカ
ーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質
の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対
して25〜300重量部の範囲で用いられる。
るためには、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダ
ー樹脂の種類によって異なるが、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル類等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレ
ン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、モノクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることが
できる。また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、
ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方
法を用いて分散と混合を行うとよい。
輸送層1dの塗工法としては、浸漬コーティング法、リ
ングコーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法、スピンコーティング法、ブレー
ドコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイ
フコーティング法等の方法を用いる。また、塗工後の乾
燥は常温乾燥後、30〜200℃の温度で30から12
0分間加熱乾燥することが好ましい。これらの乾燥後の
膜厚は電荷発生層1cでは、0.05〜10μmの範
囲、好ましくは0.1〜3μmである。また、電荷輸送
層1dでは5〜50μmの範囲、好ましくは10〜40
μmである。
に示すように上述した有機積層型感光体1において説明
した導電性支持体1a上に、同様の下引き層1bを介し
て、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等とバインダー、
溶媒等からなる単層有機感光層1eを塗布形成すること
により作製される。有機負帯電単層型感光体について
は、例えば特開2000−19746号公報に開示され
ている方法に準じて作製するとよい。
してはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔
料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系
顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系
顔料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、ア
ゾ系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、ス
チルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジ
フェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸
送化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子
吸引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られて
いるパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、
クロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカ
ーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹
脂等の熱可塑性樹脂が例示される。
重量%、電荷発生剤0.5〜20重量%、電荷輸送剤1
0〜50重量%、増感剤0.5〜30重量%であり、好
ましくはバインダー45〜65重量%、電荷発生剤1〜
20重量%、電荷輸送剤20〜40重量%、増感剤2〜
25重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、
溶解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
ンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等
の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗
布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、
スプレーコート等により乾燥後の膜厚15〜40μm、
好ましくは20〜35μmで塗布・乾燥されて単層有機
感光体層1eとされる。
1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/
sで回転する感光体ドラムであり、コロナ帯電器2等の
帯電部材によりその表面が均一に負帯電された後、記録
すべき情報に応じた露光3が行なわれることにより、感
光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。
成分現像器10であり、有機感光体1上に負帯電トナー
8を供給することで有機感光体1における静電潜像を反
転現像し、可視像化するものである。現像器10には、
負帯電トナー8が収納されており、図2に示すように反
時計方向で回転する供給ローラ6によりトナーを現像ロ
ーラ11に供給する。現像ローラ11は図示のごとく反
時計方向に回転し、供給ローラ6により搬送されたトナ
ー8をその表面に吸着した状態で、時計方向に回転する
有機感光体1との接触部に搬送し、有機感光体1上の静
電潜像を可視像化する。
mmで、金属製のパイプにメッキやブラスト処理したロ
ーラ、あるいは中心軸周面にNBR、SBR、EPD
M、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる体積抵抗値
104 〜108 Ω・cm、硬度が40〜70°(アスカ
ーA硬度)の導電性弾性体層が形成されたもので、この
パイプのシャフトや中心軸を介して、図示していない電
源より現像バイアス電圧が印加される。
銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの
等が使用されるが、現像ローラ11に対して図示しない
スプリング等の付勢手段により、あるいは弾性体として
の反発力を利用して線圧20〜60gf/cmで押圧さ
れ、現像ローラ11上のトナー層厚を5〜20μm、好
ましくは6〜15μm、トナー粒子の積層形態としては
略1〜2層、好ましくは1〜1.8層とされるとよい。
では、現像ローラ11と有機感光体1とを現像ギャップ
Lを介して対向させるものであるが、現像ギャップLと
しては100〜350μmとするとよく、また、図示し
ないが直流電圧(DC)の現像バイアスとしては−20
0〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧(A
C)としては1.5〜3.5kHz、P−P電圧1000
〜1800Vの条件とするとよい。また、非接触現像方
式にあって、反時計方向に回転する現像ローラ11の周
速としては、時計方向に回転する有機感光体1に対して
1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とする
とよい。
に回転し、供給ローラ6により搬送された負帯電トナー
8をその表面に吸着した状態で有機感光体1との対向部
に負帯電トナー8を搬送するが、有機感光体1と現像ロ
ーラ11との対向部において、交流電圧を重畳して印加
することにより、負帯電トナー8は現像ローラ11表面
と有機感光体1表面との間で振動することにより現像さ
れる。本発明にあっては、交流電圧の印加により現像ロ
ーラ11表面と有機感光体1表面との間でトナー8が振
動する間にトナー粒子と現像ローラ11表面とが接触さ
せることができるので、これによっても、小粒子径の正
帯電トナーを負帯電させることができ、カブリトナーを
減少させることができるものと考えられる。
2には不図示;後述する図3に図示)は可視像化された
有機感光体1と転写ローラ5との間に送られるが、転写
ローラ5による有機感光体1への押し圧荷重を、接触現
像方式と同程度の20〜70gf/cm、好ましくは2
5〜50gf/cmとするとよい。
れイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKから
なる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体1を
組み合わせれば、フルカラー画像を形成することのでき
るフルカラー画像形成装置となる。このフルカラー画像
形成装置としては、図4に示す4色の各現像器と回転可
能な1つの潜像担持体からなる4サイクル方式(詳細は
後述)、4色の各現像器と各潜像担持体とを1列に並べ
たタンデム方式、および、1つの潜像担持体と4色の回
転可能な現像器を組み合わせたロータリー方式がある。
用いられる負帯電トナーの作製例、およびこの負帯電ト
ナーを用いた、図2に示す基本構成を有する図4に示す
非接触または接触一成分現像プロセスによる画像形成装
置の有機感光体、転写媒体の製造例について説明する。
なお、図4に示す画像形成装置は接触一成分現像プロセ
スを行うこともでき、後述する作像化試験では、この画
像形成装置を用いて接触一成分現像プロセスによる試験
も行った。ただし、以下の説明においては、基本的にこ
の画像形成装置は非接触一成分現像プロセスを行うもの
としている。
較例を作製し、作像化の試験を行った。以下、これらの
各実施例および各比較例、および作像化の試験で使用し
た図2に示す非接触一成分現像プロセス画像形成装置の
有機感光体、転写媒体の製造例について説明する。
8の実施例および比較例は、いずれも、前述の重合法ト
ナーと粉砕法トナーの両トナーについて作製した。その
場合、各例のトナーの作製に用いた流動改良剤(外添
剤)は、短軸径が20nmである疎水性のルチルアナタ
ーゼ型酸化チタン(20nm)、平均一次粒子径が12
nmである小粒径の、ヘキサメチルジシラン(HMD
S)により表面処理された疎水性の気相法シリカ(7n
mおよび12nm)、平均一次粒子径が40nmである
大粒径の、同様にして疎水化された気相法シリカ(40
nm)、シランカップリング処理された疎水性のアナタ
ーゼ型酸化チタン(30〜40nm)、およびシランカ
ップリング処理された疎水性のルチル型酸化チタン(長
軸径100nm、短軸径20nm)のいずれかの組合せ
であり、または疎水化処理されていない各種の導電性微
粒子、酸化アルミニウムおよびチタン酸ストロンチウム
である。そして、アミノシランで疎水化処理された気相
法シリカ(30nm)およびジメチルシランで疎水化処
理されたアルミナーシリカ複合酸化物微粒子(17n
m)がある。それらの仕事関数Φを測定した結果を表3
に示す。なお、各仕事関数Φは、前述の理研計器(株)
製の光電子分光装置AC−2により、照射光量500n
W、20℃、RH55%で測定した。
たルチルアナターゼ型酸化チタン(20nm)の仕事関
数Φは5.64eVであり、このときの規格化光電子収
率は8.4であり、アナターゼ型酸化チタンの仕事関数
Φは5.66eV、規格化光電子収率は15.5であり、
ルチル型酸化チタンの仕事関数Φは5.61eV、規格
化光電子収率は7.6であった。また、気相法シリカ
(7nm)の仕事関数Φは5.18eV、規格化光電子
収率は6.1であり、気相法シリカ(12nm)の仕事
関数Φは5.22eVであり、規格化光電子収率は5.1
であった。更に、気相法シリカ(40nm)の仕事関数
Φは5.24eVであり、規格化光電子収率は5.2であ
った。更に、疎水性の正帯電シリカ(30nm)の仕事
関数Φは5.37eVであり、規格化光電子収率は11.
5であった。更に、疎水性のアルミナーシリカ複合酸化
物微粒子(17nm)の第1の仕事関数Φは5.18e
V、第2の仕事関数Φは5.62eVであり、それぞれ
の規格化光電子収率は4.6および14.6であった。ま
た、疎水化処理をしていない導電性微粒子のアナターゼ
型酸化チタン(0.063μm)の仕事関数Φは4.96
eV、規格化光電子収率は18.8であり、同じアナタ
ーゼ型酸化チタン(0.135μm)では仕事関数Φは
5.01eV、規格化光電子収率は19.5であり、同じ
くルチル型酸化チタン(0.239μmで)は仕事関数
Φは5.11eV、規格化光電子収率は22.4であっ
た。また、導電性シリカ(二酸化ケイ素、0.068μ
m)の仕事関数Φは5.05eVであり、規格化光電子
収率は33.4であり、導電性酸化アルミニウム(0.2
57μm)の仕事関数Φは5.00eV、規格化光電子
収率は16.2であり、導電性酸化亜鉛(0.125μ
m)の仕事関数Φは4.88eV、規格化光電子収率は
7.1であった。そして、同じく疎水化処理をしていな
いチタン酸ストロンチウムの仕事関数Φは5.62eV
であり、規格化光電子収率は10.4であった。
ールAとの重縮合ポリエステルと該重縮合ポリエステル
の多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量
比)混合物(三洋化成工業(株)製)100重量部に、
マゼンタ顔料のカーミン6Bを5重量部、離型剤として
融点が152℃、Mwが4000のポリプロピレン3重
量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体E
−81(オリエント化学工業(株)製)4重量部をヘン
シェルミキサーを用いて均一混合した後、内温150℃
の二軸押し出し機で混練し、冷却した。この冷却物を2
mm角以下に粗粉砕し、更にこの粗粉砕品をジェットミ
ルで微粉砕し、分級装置により分級し、平均粒径7.1
μmで、円形度0.91のマゼンタトナーの母粒子を得
た。このトナー母粒子の仕事関数は5.51eVであっ
た。
て、重量比で、先に第1の外添剤として流動性改良剤で
ある負帯電性疎水性シリカの平均一次粒子径が約12n
mのものを1.0重量%添加し、市販のブレンダーを用
いて撹拌混合した。次いで、第2の外添剤として疎水性
のシリカーアルミナ複合酸化物微粒子を0.5重量%添
加し、実施例1のマゼンタトナーを作製した。この実施
例1のトナーの仕事関数は、測定の結果、5.48eV
であった。そして、以降の実施例と比較例に用いる外添
剤の種類とその仕事関数の一覧表を表3に示している。
添加混合し、次いで、第1の外添剤を添加混合した。そ
れ以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製
した。この比較例1のトナーの仕事関数は5.39eV
であった。
1重量部にし、二軸押し出し機の内温の一部を130℃
に設定し、同様にして粉砕法トナーの母粒子を作製し
た。この母粒子トナーは平均粒径6.2μmで、円形度
0.905であった。分級したトナー母粒子に対して、
重量比で0.2%の疎水性シリカ(平均一次粒子径7n
m、比表面積250m2)を加え、表面処理を行った
後、熱風球形化装置サーフュージングシステムを用い、
熱処理温度250℃に設定し、部分的に球形化処理を行
い、その後、同様にして再度分級し、平均粒径7.35
μmで、円形度0.940のマゼンタトナーの母粒子を
得た。また、このトナー母粒子の仕事関数は、測定の結
果、5.50eVであった。
ずれも重量比で、先に第1の外添剤として流動性改良剤
である負帯電性疎水性シリカの平均一次粒子径が約7n
mのものを1.0重量%添加し、市販のブレンダーを用
いて撹拌混合した。次いで、第2の外添剤としてルチル
アナターゼ型で混晶比がルチル型10重量%、アナター
ザ型90重量%のシランカップリング剤で疎水化処理し
たルチルアナターゼ型酸化チタン(疎水化度58%、比
表面積150m2)を0.5重量%添加し、実施例2のマ
ゼンタトナーを作製した。この実施例2のトナーの仕事
関数は、測定の結果、5.65eVであった。
添加混合し、次いで、第1の外添剤を添加混合した。そ
れ以外は実施例2と同様にして比較例2のトナーを作製
した。この比較例2のトナーの仕事関数は5.57eV
であった。
ある負帯電性疎水性シリカの平均一次粒子径が約7nm
の代わりに約40nmのものを1.0重量%添加し、市
販のブレンダーを用いて撹拌混合した。第2の外添剤に
は実施例2と同じものを0.5重量%添加混合した。そ
れ以外は実施例2と同様にして比較例3のトナーを作製
した。この比較例3のトナーの仕事関数は5.64eV
であった。
第1と第2疎水性外添剤をそれぞれ1.0重量%と0.5
重量%を同じに添加混合して、実施例2と同様にして比
較例4のトナーを作製した。この比較例4のトナーの仕
事関数は5.59eVであった。 (g)実施例3の粉砕法トナーの作製 前述の実施例2のトナーにおいて、流動性改良剤である
第1の外添剤として、先に負帯電性疎水性シリカの平均
一次粒子径が約7nmのものを0.5重量%、同平均一
次粒子径約12nmのものを0.5重量%、更に同平均
一次粒子径約40nmのものを0.5重量%と平均一次
粒子径約0.23μmの導電性酸化アルミニウム0.4重
量%添加し、市販のブレンダーを用いて撹拌混合した。
次いで、第2の外添剤として、疎水性の平均一次粒子径
が約17nmのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を
0.5重量%と金属酸化物微粒子として平均一次粒子径
が約20nmのルチルアナターゼ型酸化チタンを0.3
重量%添加混合して、実施例2と同様にして実施例3の
マゼンタトナーを作製した。この実施例3のトナーの仕
事関数は、5.60eVであった。
添加混合し、次いで、第1の外添剤を添加混合した。そ
れ以外は実施例3と同様にして比較例5のトナーを作製
した。この比較例5のトナーの仕事関数は5.56eV
であった。
作製 (a) 実施例4の乳化重合法トナーの作製 スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重
量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合
物を、 ・水 105重量部 ・ノニオン乳化剤 1重量部 ・アニオン乳化剤 1.5重量部 ・過硫酸カリウム 0.55重量部 からなる水溶性混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌し
て70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳
白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
ム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミン
を添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の
硫酸アルミニウムを0.3重量部を加え、ついでTKホ
モミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
リル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水
40重量部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同
様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重
合し、粒子を成長させた。重合停止後、この二次粒子の
会合と造膜結合強度を上げるため、pHを5以上に調整
しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後、得
られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行
ってシアントナーの母粒子を得た。得られたシアントナ
ーの母粒子は、測定の結果、平均粒径が6.8μm、円
形度が0.98のトナーであり、その仕事関数は5.57
eVであった。
も重量比で、先に第1の外添剤として流動性改良剤であ
る負帯電性疎水性シリカの平均一次粒子径が約12nm
のものを0.8重量%、負帯電性疎水性シリカの平均一
次粒子径が約40nmのものを0.5重量%添加し、市
販のブレンダーを用い混合攪拌した。次いで第2の外添
剤としてルチルアナターゼ型で混晶比がルチル型10重
量%、アナターザ型が90%のシランカップリング剤で
疎水化処理したルチルアナターゼ型酸化チタン(疎水化
度58%、比表面積150m2/g)を0.5重量%添加
し、実施例4のシアントナーを作製した。この実施例4
のトナーの仕事関数は、測定の結果、5.56eVであ
った。
添加混合し、次いで、第1の外添剤を添加混合した。そ
れ以外は実施例4と同様にして比較例6のトナーを作製
した。この比較例6のトナーの仕事関数は、測定の結
果、5.51eVであった。
ンブルーの代わりにキナクドリンに変更するとともに、
二次粒子の会合と造膜結合強度を上げるための温度を9
0℃のままに保持したことと第2の外添剤として疎水化
処理されたアナターゼ型酸化チタン(疎水化度62%、
比表面積98m2/g)を用いた点が異なる以外は実施
例4と同様にして実施例5のマゼンタトナーを作製し
た。この実施例5のマゼンタトナーの円形度は0.97
であり、また、このマゼンタトナーの仕事関数は、測定
の結果、5.65eVであった。
添加混合し、次いで第1の外添剤を添加混合した。それ
以外は実施例5と同様にして比較例7のトナーを作製し
た。この比較例7のトナーの仕事関数は、測定の結果、
5.59eVであった。
例1〜7を用いて、図2に示す非接触一成分現像プロセ
スによる画像形成装置を用いて作像化を行った。まず、
画像形成装置の各構成部材の製造例を説明する。
アルミ引き抜き管を表面研磨した導電性支持体周面に、
下引き層として、アルコール可溶性ナイロン{東レ
(株)製「CM8000」}6重量部とアミノシラン処
理された酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール10
0重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーテ
ィング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜
厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
ニルフタロシアニン顔料1重量部と、ブチラール樹脂
{BX−1、積水化学(株)製}1重量部と、ジクロル
エタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用
いたサンドミルで8時間分散させて顔料分散液を得、得
られた顔料分散液をこの下引き層上に、リングコーティ
ング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.
3μmの電荷発生層を形成した。
スチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボ
ネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)製)60
重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が
22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥
させて電荷輸送層を形成し、2層からなる感光層を有す
る有機感光体1を作製した。得られた有機感光体1の一
部を切り欠き、試料片としては仕事関数を市販の表面分
析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用い、照射
光量500nWで測定したところ、5.47eVを示し
た。
おいて、導電性支持体1aにシームレスの厚さ40μm
で直径85.5mmのニッケル電鋳管を用い、また、電
荷発生顔料としてチタニルフタロシアニンを用い、更
に、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合
物を用い、それ以外は前述の製造例と同様にして有機積
層感光体2を作製した。この有機感光体の仕事関数を同
様に測定すると、5.50eVであった。
アルミパイプ表面に、ニッケルめっき(厚さ23μm)
を施し、表面粗さ(Ra)4μmの表面を得た。この現
像ローラ11表面の一部を切り欠き、同様にして仕事関
数を測定したところ、4.58eVであった。
ルトを作製した。アルミニウムを蒸着した厚さ130μ
mのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部 ・導電性カーボンブラック 10重量部 ・メチルアルコール 70重量部 からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロ
ールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形
成した。
ようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転
写層を形成した。
し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行う
ことにより転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体
積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事
関数は5.37eV、規格化光電子収率6.90を示し
た。
制ブレード7としては80μm厚のSUS板に厚さ1.
5mmの導電性ウレタンゴムチップを導電性接着剤で貼
り付けて作製し、このときのウレタン部の仕事関数は5
eVとした。
像形成装置を用いて行った作像化の試験について説明す
る。作像化のプロセスを行った時の作像条件は、有機感
光体1の周速を180mm/sとし、有機感光体1と現
像ローラ10との周速比2とした。また、規制ブレード
7を、現像ローラ10上のトナー層厚が略1層となるよ
うに線圧40gf/cmで現像ローラ10に押圧した。
明電位を−100Vにそれぞれ設定し、また、図示しな
い電源により、DCの現像バイアスを−200Vに、重
畳するACの現像バイアスを周波数2.5kHzでP−
P電圧1500Vの条件に設定し、現像ローラ10と供
給ローラ6とを同電位に設定した。
媒体として、前述の転写ベルトからなる中間転写ベルト
を使用した。そして、図2に示す転写ローラ5に相当す
る背面側の一次転写ローラに+300Vを印加し、一次
転写ローラによる中間転写ベルトの有機感光体1への押
し圧荷重を33gf/cmに設定した。
ローラ10によって搬送された一成分非磁性トナー8を
非接触現像(ジャンピング現像)により現像し、現像さ
れた有機感光体1上のトナー像を中間転写ベルトに転写
する。中間転写ベルトに転写されたトナー像を、図2に
示されていない二次転写部で転写電圧+800Vで普通
紙に転写し、図示しない熱ローラで定着した。
部の画像部の10箇所の各濃度をマクベス反射濃度計で
測定し、平均値を求めた。また、カブリおよび逆転写ト
ナーのOD値はテープ転写法で求めた。テープ転写法と
は住友3M(株)製のメンディングテープを感光体上に
存在するトナーに貼り付けてカブリトナーや逆転写トナ
ーをテープ上に転写し、次いでこのメンディングテープ
および貼り付け前のメンディングテープをそれぞれ白紙
上に貼り、これらの反射濃度を測定し、その測定値より
テープの反射濃度を差し引いた値をカブリおよび逆転写
トナーの各反射濃度としている。また、転写効率は転写
前後の感光体上に存在するトナーに前述のテープを貼り
付け、剥がしたテープの重量を測定することで、その重
量差より計算し求めた。逆転写トナーは1色目のベタ画
像を作製し、次いで2色目の白ベタ画像を作像させたと
きに、白ベタ画像に相当する非画像部となる感光体上に
逆転写された1色目のトナーを逆転写トナーとして、テ
ープ転写法で求めた値である。それらの結果を表4に示
す。また、現像ローラ11上のトナーの平均帯電量q/
m(μc/g)、正帯電トナー量(個数%)、Si添加
剤遊離率(%)、Al添加剤遊離率(%)、Ti添加剤
遊離率(%)を表5に示す。
加混合したとき、母粒子表面に対する外添剤の固着状態
を分析できる市販のPTー1000パーティクルアナラ
イザ{横河電機(株)製}にて測定したトナー母粒子か
らの個数による添加剤遊離率(%)を示した。この遊離
率の数値が高いと、トナー母粒子表面から外添剤の遊離
が生じやすいことを意味している。
ナーはいずれも比較例のトナーに比し、ベタ画像濃度が
高く、かつカブリと逆転写が少なく、また、転写効率も
高いことが示された。そして、表5からわかるように、
実施例1〜5のトナーはいずれも比較例のトナーに比
し、平均帯電量が過帯電することもなく、正帯電トナー
量も少なく抑えられており、かつ、外添剤の遊離率も低
くなることが示された。また、負帯電性の疎水性のシリ
カは小粒子径と大粒子径の双方が存在する方が効果的で
あることがわかった。
の作製、作像化の試験に用いた画像形成装置、作像化の
試験およびその試験結果)更に、本発明の負帯電性トナ
ー8の他の実施例のトナーを作製し、作像化の試験を行
った。以下、これらのトナー作製、作像化の試験に用い
た画像形成装置、作像化の試験およびその試験結果につ
いて説明する。
法トナーの製造例に従い、顔料をピグメントイエローに
変更したイエロートナーを作製した。この実施例6のイ
エロートナーの仕事関数は、5.56eVであった。
法トナーの製造例に従い、顔料をカーボンブラックに変
更したブラックトナーを作製した。この実施例7のブラ
ックトナーの仕事関数は、5.54eVであった。
触現像プロセスが可能なフルカラープリンタを使用し
て、非接触現像プロセスによりフルカラーの作像を行っ
た。図4に示すように、このフルカラープリンタは1つ
の負帯電用電子写真感光体(潜像担持体)140による
4サイクル方式のフルカラープリンタである。
が組み込まれた像担持体カートリッジである。この例で
は、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体
と現像部ユニットが個別に装着できるようになってお
り、本発明の相対関係にある仕事関数を有する負帯電用
電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)140が
図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転
駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿
って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段とし
ての現像器10(Y、M、C、K)、中間転写装置3
0、およびクリーニング手段170が配置される。
面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯
電した感光体140の外周面には露光ユニット40によ
って所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなさ
れ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が
形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤
が付与されて現像される。
マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、
およびブラック用の現像器10Kが設けられている。こ
れら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ
揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現
像ローラ(現像剤担持体)11のみが感光体140に圧
接し得るようになっている。これらの現像器10は、感
光体における仕事関数と相対関係にある仕事関数を有す
る負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであ
り、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シ
アンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体
140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現
像する。現像ローラ11は硬質のローラ、例えば表面を
粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたト
ナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に
転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に
感光体140の外周面に付着しているトナーTを掻き落
とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによっ
て掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回
収部とを備えている。
4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各
ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36
とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定さ
れた図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ
合っていることによって感光体140と略同一の周速で
回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体
140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動される
ようになっている。
中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体1
40に圧接される位置に配置されており、感光体140
と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部
T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベ
ルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに
配置されている。
介して図示しない電極ローラが配置されており、この電
極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次
転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンション
ローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベ
ルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ3
3は二次転写部T2を形成するバックアップローラであ
る。このバックアップローラ33には中間転写ベルト3
6を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。
二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しな
い剥離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能
になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39の
ためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39
は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対し
て接離可能になっている。
電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層と
を有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹
脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電
層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加さ
れる。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除
去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出
部に電極ローラが接触するようになっている。
で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー
像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト
36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2におい
て、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシ
ート(記録材)Sに転写される。シートSは、給紙装置
50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタ
イミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カ
セット、52はピックアップローラである。
紙経路70を通って装置本体のケース80上に形成され
たシート受け部81上に排出される。なお、この画像形
成装置は、排紙経路70として互いに独立した2つの排
紙経路71、72を有しており、定着装置60を通った
シートはいずれかの排紙経路71又は72を通って排出
される。また、この排紙経路71、72はスイッチバッ
ク経路をも構成しており、シートの両面に画像を形成す
る場合には排紙経路71又は72に一旦進入したシート
が、返送ローラ73を通って再び二次転写部T2に向け
て給紙されるようになっている。
の作動の概要は次の通りである。 (i) 図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコン
ピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画
像形成装置の制御部90に入力されると、感光体14
0、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト
36が回転駆動される。
160によって一様に帯電される。 (iii) 一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユ
ニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像
情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の
静電潜像が形成される。
ばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが接触
し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目の
イエローのトナー像が感光体140上に形成される。 (v) 中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と
逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形
成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベ
ルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ3
8およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から
離間している。
ーがクリーニング手段170によって除去された後、除
去手段41から除電光L2によって感光体140が除電
される。 (vii) 上記(ii)〜(vi)の動作に必要に応じて繰り返され
る。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第
3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内
容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重
ね合わされて形成される。
からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部
T2に達する直前あるいは達した後に(要するにシート
S上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像
が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間
転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー
像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に
転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベル
ト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に
残留しているトナーが除去される。
ことによってシートS上のトナー像が定着し、その後、
シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合には
シート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチ
バック経路71または72を経て返送ローラ73に向
け)搬送される。
ナー、実施例6のイエロートナー、実施例7のブラック
トナーの4色のトナーを用いて、前述のフルカラープリ
ンタによりフルカラーの作像を行った。作像は、環境試
験室内で10℃の低温かつRH15%の低湿、23℃の
常温かつRH60%の常湿、35℃の高温かつRH80
%の高湿の各条件下で、各5000枚の20%デューテ
ィのフルカラー印字を行った。画像品質をチェックした
結果、安定した画像品質の試験結果が得られた。
プリンタの印字動作を止めて、感光体上の前の印字した
トナーが中間転写ベルトより逆転写されているかを調べ
たが、このトナーの逆転写はほとんど見られず、トナー
の逆転写防止にも効果があることがわかった。ちなみ
に、第1と第2の外添剤の添加混合順序を逆にして作製
した4色のトナーを用いて、同様に作像試験を行った
が、カブリおよび逆転写トナーの発生が印字枚数の増加
とともに見られ、結局クリーニングトナー量の増大をも
たらす結果となった。
関数の小さい第1の外添剤を添加混合し、次いでそれよ
りも仕事関数の大きい第2の外添剤を添加混合した本発
明のトナーは、平均帯電量を安定にするだけでなく、カ
ブリトナーや逆転写トナーの発生を少なくすることがわ
かった。なお、本発明の一成分非磁性トナーは前述の非
接触現像プロセスによる画像形成装置に限定されること
なく、図5に示す接触現像プロセスによる画像形成装置
にも適用することができる。また、この場合には、前述
の有機感光体2と組み合わせて使用することができる。
トナーによれば、第1の外添剤をトナー母粒子に付着
し、次いで第2の外添剤をトナー母粒子に付着した第1
の外添剤に付着する形でトナー母粒子の表面に付着する
ようにしているので、第1の外添剤の有する負帯電機能
という固有の特性と第2の外添剤の有する固有の特性と
を相乗した機能をトナー母粒子に付与できる。すなわ
ち、第1の外添剤の有する負帯電機能と第2の外添剤の
固有の特性による機能とを単にプラスしただけでのもの
ではなく、例えば第1の外添剤の負帯電機能による過剰
な負帯電効果を適宜選択された第2の外添剤の機能によ
り良好な帯電に調整可能となるとともに、第2の外添剤
の機能による過剰な効果を第1の外添剤の機能により調
整可能となる。
好に負帯電できるとともに、本発明の負帯電トナーに長
期にわたって求められる安定した負帯電特性を持たせる
ことができ、逆転写トナー、カブリトナー、トナーの中
抜けあるいはトナーのチリ等を効果的に抑制可能とな
る。その場合、逆転写トナーの発生をより効果的に抑制
されることから、本発明の負帯電トナーをフルカラート
ナーとして使用したときに、画像濃度をより均一にかつ
より一層長期にわたって維持できる。これにより、高品
質のフルカラーの画像を長期にわたって得ることができ
る。
求められる機能に応じた特性を有する外添剤を選択する
ことで、負帯電トナーに求められる機能に簡単かつ確実
に対応可能となるとともに、トナー粒子の表面に少なく
とも第2の外添剤を確実に存在させることができるの
で、第2の外添剤の特性を効果的にわたってに発揮でき
るようになる。例えば、第2の外添剤にルチルアナター
ゼ型酸化チタンを選択すると、このルチルアナターゼ型
酸化チタンの固有の特性であるトナーの負の過帯電防止
機能およびトナーの流動性の向上機能を効果的に発揮で
き、また、第2の外添剤にアルミナーシリカ複合酸化物
微粒子を選択すると、このアルミナーシリカ複合酸化物
微粒子の固有の特性であるトナーの凝集性向上機能を効
果的に発揮できるようになる。
介してトナー母粒子に確実に付着できることから、第2
の外添剤をトナー母粒子から遊離し難くでき、トナーの
耐久性を向上できる。したがって、第2の外添剤はその
固有の特性を長期にわたって安定して活かすことができ
るようになる。
粒子の仕事関数より小さく設定し、かつ、第2の外添剤
の仕事関数をトナー母粒子の仕事関数と略同一か、また
はトナー母粒子の仕事関数より大きく設定することで、
第2の外添剤を、トナー母粒子に付着した第1の外添剤
を介してトナー母粒子により一層確実に付着でき、第2
の外添剤の特性をより確実に活かすことができるように
なる。
く添加できることで、仮に第1の外添剤の一部がトナー
母粒子に埋没しても、第2の外添剤を、第1の外添剤を
介してトナー母粒子に確実に付着でき、第2の外添剤が
トナー母粒子から遊離することが抑制できる。したがっ
て、より安定した負帯電特性を有するとともに、逆転写
トナー、カブリトナー、トナーの中抜けあるいはトナー
のチリ等がより効果的に抑制できる。
よれば、最初にトナー母粒子と第1の外添剤とを混合
し、次いでこれらの混合物に第2の外添剤を添加して混
合することにより、疎水性の第2の外添剤を、トナー母
粒子に付着した疎水性の第1の外添剤に付着する形でト
ナー母粒子の表面に確実に付着させることができるよう
になる。これにより、逆転写トナー、カブリトナー、お
よび画像濃度の変動を効果的に抑制できる本発明の負帯
電トナーを確実にかつ効率よく製造できるようになる。
の実施の形態の一例を模式的に示す図、(b)はトナー
母粒子と外添剤との付着状態を示す、(a)におけるIB
部分の部分拡大図、(c)およ(d)はそれぞれ本発明
との比較のためのトナー母粒子と外添剤との付着状態を
示す、(b)と同様の部分拡大図である。
非接触現像プロセスによる画像形成装置の一例を模式的
に示す図である。
を示す図である。
いた非接触現像プロセスによる4サイクル方式のフルカ
ラープリンターの一例を示す図である。
接触現像プロセスによる画像形成装置の一例を模式的に
示す図である。
光、4…クリーニングブレード、5…転写ローラ、6…
供給ローラ、7…規制ブレード、8…一成分非磁性トナ
ー、8a…トナー母粒、9…転写材または転写媒体、1
0…現像装置、11…現像ローラ、12…外添剤、13
…小粒径の疎水性シリカ(SiO2)(第1の外添
剤)、14…大粒径の疎水性シリカ(SiO2)(第1
の外添剤)、15…疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタ
ン(TiO2)(第2の外添剤)、L…現像ギャップ
Claims (10)
- 【請求項1】 トナー母粒子に対して疎水性の外添剤が
少なくとも外添処理されてなる負帯電トナーにおいて、 前記疎水性の外添剤は、少なくとも負帯電性を有する第
1の外添剤とこの第1の外添剤より平均一次粒子径の大
きな第2の外添剤とを含み、前記トナー母粒子に前記第
1の外添剤が付着しているとともに、この第1の外添剤
に前記第2の外添剤が付着していることを特徴とする負
帯電トナー。 - 【請求項2】 前記第1の外添剤の仕事関数が前記トナ
ー母粒子の仕事関数より小さく設定され、かつ、前記第
2の外添剤の仕事関数が前記トナー母粒子の仕事関数と
略同一か、または前記トナー母粒子の仕事関数より大き
く設定されていることを特徴とする請求項1記載の負帯
電トナー。 - 【請求項3】 前記第1の外添剤の添加量(重量)が前
記第2の外添剤の添加量(重量)より多く設定されてい
ることを特徴とする請求項1または2記載の負帯電トナ
ー。 - 【請求項4】 前記第1の外添剤は疎水性の負帯電性シ
リカおよび導電性微粒子の少なくとも1つであり、また
前記第2の外添剤は、酸化アルミニウム、正帯電性シリ
カ、ルチルアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタ
ン、アナターゼ型酸化チタン、酸化アルミニウム−二酸
化ケイ素複合酸化物粒子、チタン酸ストロンチウム(T
iO3Sr)の少なくとも1つであることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれか1記載の負帯電トナー。 - 【請求項5】 着色剤、樹脂および離型剤または電荷制
御剤を含有してなることを特徴とする請求項1ないし4
のいずれか1記載の負帯電トナー。 - 【請求項6】 粉砕法により作製された前記トナー母粒
子を用いた粉砕法トナーまたは重合法により作製された
前記トナー母粒子を用いた重合法トナーであることを特
徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の負帯電ト
ナー。 - 【請求項7】 円形度が0.91以上であることを特徴
とする請求項1ないし6のいずれか1記載の負帯電トナ
ー。 - 【請求項8】 個数基準の50%径(D50)が9μm以
下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
1記載の負帯電トナー。 - 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれか1記載の負
帯電トナーを製造する方法であって、 最初に前記トナー母粒子と前記第1の外添剤とを混合
し、次いでこれらの混合物に前記第2の外添剤を添加し
て混合することにより、前記負帯電トナーを製造するこ
とを特徴とする負帯電トナーの製造方法。 - 【請求項10】請求項5記載の負帯電トナーを使用する
ことを特徴とする画像形成装置。
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