JP2014130202A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷現像用トナーにおいて、外添剤として、個数平均一次粒径が36〜100nmであるシリカ微粒子A、個数平均一次粒径が15〜35nmであるシリカ微粒子B、個数平均一次粒径が6〜14nmであるシリカ微粒子C、及び個数平均一次粒径が5〜100nmであるアルミナ微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
加えて、低温低湿(L/L)から高温高湿(H/H)に至る幅広い温湿度の環境下で安定した帯電性能を示し、低温低湿(L/L)環境下でもチャージアップが抑制されカブリの少ないトナーを提供することにある。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いた本発明のトナーの製造方法及び本発明のトナーについて、順に説明する。
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられる。
炭化水素系ワックスの数平均分子量は、300〜800であることが好ましく、400〜600であることがより好ましい。また、JIS K2235 5.4で測定される炭化水素系ワックスの針入度は、1〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。本発明のトナーは、正帯電性トナーであることが好ましい。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(株式会社荏原製作所製、商品名「マイルダー」)、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名「T.K.ホモミクサー MARK II型」)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本発明においては、上記着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナー(現像剤)とする。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
シリカ微粒子Aの個数平均一次粒径は、40〜80nmであることがより好ましく、45〜70nmであることがさらに好ましい。また、シリカ微粒子Aは疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理剤としては、シランカップリング剤、シリコーンオイル、脂肪酸及び脂肪酸金属塩等の疎水化処理剤が挙げられ、高画質が得られるという観点から、シランカップリング剤、及びシリコーンオイルがより好ましい。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
疎水化処理剤は、上記のうち、1種のみを用いてもよく、又は2種以上用いてもよい。
正帯電性の現像剤を得る場合、良好な正帯電性を持つ現像剤が得られ易いことから、アミノシラン化合物やアミノ変性シリコーンオイル等のアミノ基を含有するケイ素化合物を用いることがさらに好ましい。
シリカ微粒子Aの含有量が0.5質量部未満の場合には、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、シリカ微粒子Aの含有量が2.9質量部を超える場合には、トナー粒子の表面から、当該シリカ微粒子Aが遊離し易くなり、外添剤としての機能が低下し、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、他の外添剤の種類や含有量、またその他の外添条件等にもよるが、シリカ微粒子Aの含有量が多いほど、印字耐久性及び保存性が向上し、異なる環境下の帯電性能の差が縮まる傾向にある。
シリカ微粒子Bの個数平均一次粒径は、17〜30nmであることがより好ましく、20〜25nmであることがさらに好ましい。また、シリカ微粒子Bは疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理剤はシリカ微粒子Aに用いたものと同様のものを用いることができる。
シリカ微粒子Bの含有量が0.1質量部未満の場合、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、流動性が低下したり、保存性や耐久性が低下したりする場合がある。一方、シリカ微粒子Bの含有量が2.0質量部を超える場合、トナー粒子の表面から、当該シリカ微粒子Bが遊離し易くなり、高温高湿環境下での帯電性が低下してカブリが発生する場合がある。
なお、他の外添剤の種類や含有量、またその他の外添条件等にもよるが、シリカ微粒子Bの含有量が多いほど、耐久後のカスレが抑えられ且つ異なる環境下の帯電量の差が縮まる傾向にあり、また、シリカ微粒子Bの含有量が少ないほど、低温定着性に優れる傾向にある。
シリカ微粒子Cの個数平均一次粒径は、6.5〜12nmであることがより好ましく、7〜10nmであることがさらに好ましい。また、シリカ微粒子Cは疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理剤はシリカ微粒子Aに用いたものと同様のものを用いることができる。
シリカ微粒子Cの含有量が0.05質量部未満の場合、外添剤としての機能を十分に発揮させることができず、流動性が低下したり、保存性や耐久性が低下したりする場合がある。一方、シリカ微粒子Cの含有量が0.5質量部を超える場合、トナー粒子の表面から、当該シリカ微粒子Cが遊離し易くなり、高温高湿環境下での帯電性が低下してカブリが発生する場合がある。
なお、他の外添剤の種類や含有量、またその他の外添条件等にもよるが、シリカ微粒子Cの含有量が多いほど、初期のカスレが抑えられる傾向にあり、また、シリカ微粒子Cの含有量が少ないほど、低温定着性に優れる傾向にある。
シリカ微粒子Bとしては、種々の市販品を用いることができ、例えば、日本アエロジル社製のNA50Y(:商品名、個数平均一次粒径:35nm);テイカ社製のMSP−012(:商品名、個数平均一次粒径:16nm);キャボット社製のTG−7120(:商品名、個数平均一次粒径:20nm)等が挙げられる。
シリカ微粒子Cとしては、種々の市販品を用いることができ、例えば、クラリアント社製のHDK2150(:商品名、個数平均一次粒径:12nm);日本アエロジル社製のR504(:商品名、個数平均一次粒径:12nm)、RA200HS(:商品名、個数平均一次粒径:12nm);テイカ社製のMSP−013(:商品名、個数平均一次粒径:12nm);キャボット社製のTG−820F(:商品名、個数平均一次粒径:7nm)等が挙げられる。
アルミナ微粒子の個数平均一次粒径は、10〜75nmであることがより好ましく、15〜50nmであることがさらに好ましい。また、アルミナ微粒子は疎水化処理されていてもよい。
アルミナ微粒子の含有量が0.05質量部未満の場合、低温低湿(L/L)環境下における帯電量の上昇が著しくなり、印字カブリが発生する場合がある。一方、アルミナ微粒子の含有量が2質量部を超える場合、高温高湿(H/H)環境下における帯電量の低下が著しくなり、印字カブリが発生する場合がある。
なお、詳細な機構は明らかではないが、着色樹脂粒子に対するアルミナ微粒子の含有量が上記範囲内である場合、トナーの帯電量を均一化する効果が発揮されると推察される。
また、他の外添剤の種類や含有量、またその他の外添条件等にもよるが、後述する実施例に示すように、アルミナ微粒子の含有量が多いほど、低温低湿環境下(L/L)における帯電量が下がり、チャージアップが抑制される傾向にある。また、アルミナ微粒子の含有量が少ないほど、低温定着性に優れる傾向にある。
本発明のトナーは、低温定着性と保存性のバランスに優れ、常温常湿(N/N)環境下における印字耐久性にも優れ、初期カスレや耐久後カスレが極めて生じにくく、さらに、環境による帯電量の差が小さいため、低温低湿(L/L)環境下においてもチャージアップが抑制されカブリの少ないトナーである。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
[実施例1]
重合性単量体としてスチレン75部とn−ブチルアクリレート25部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)5部を、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて分散させて、重合性単量体混合物を得た。
上記重合性単量体混合物に、帯電制御剤として正帯電性帯電制御樹脂1部、離型剤として多官能エステルワックス(日本油脂社製、商品名「WEP7」)5部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.3部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、及び分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.6部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から2.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例2においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は3.0部であり、外添剤の総添加量は3.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から0.5部に変更し、且つ、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例3においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.5部であり、外添剤の総添加量は2.0部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例4においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.8部であり、外添剤の総添加量は2.3部である。
実施例1において、シリカ微粒子Cの添加量を0.2部から0.4部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例5においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.2部であり、外添剤の総添加量は2.7部である。
実施例1において、シリカ微粒子Cの添加量を0.2部から0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例6においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.9部であり、外添剤の総添加量は2.4部である。
実施例1において、アルミナaの添加量を0.5部から1.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例7においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は3.5部である。
実施例1において、アルミナaの添加量を0.5部から0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例8においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.1部である。
実施例1において、アルミナ微粒子として、アルミナa(個数平均一次粒径:18nm、住友化学社製、商品名「AKP−G015」)0.5部の替わりに、アルミナb(個数平均一次粒径:65nm、アエロジル社製、商品名「AEROSIL Alu C」)0.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例9においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.7部に変更し、且つ、アルミナaの添加量を0.5部から0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例10においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.4部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から1.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例11においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は3.2部であり、外添剤の総添加量は3.7部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から1.0部に変更し、且つ、シリカ微粒子Cの添加量を0.2部から0.7部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例12においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.8部に変更し、且つ、シリカ微粒子Cの添加量を0.2部から0.7部に変更し、且つ、アルミナaの添加量を0.5部から1.2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例13においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は3.0部であり、外添剤の総添加量は4.2部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から1.0部に変更し、且つ、アルミナaの添加量を0.5部から1.2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例14においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.5部であり、外添剤の総添加量は2.7部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から0.5部に変更し、且つ、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.8部に変更し、且つ、アルミナaの添加量を0.5部から1.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、実施例15においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.5部であり、外添剤の総添加量は3.0部である。
実施例1において、アルミナ微粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例1においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量及び外添剤の総添加量は、いずれも2.0部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.8部に変更し、且つ、アルミナ微粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例2においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量及び外添剤の総添加量は、いずれも2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から2.0部に変更し、且つ、シリカ微粒子Bを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例3においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.2部であり、外添剤の総添加量は2.7部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例4においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.7部であり、外添剤の総添加量は2.2部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bを添加せず、且つ、シリカ微粒子Cの添加量を0.2部から0.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例5においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aを添加せず、且つ、アルミナaの添加量を0.5部から1.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例6においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は0.5部であり、外添剤の総添加量は2.0部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aを添加せず、且つ、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から1.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例7においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、シリカ微粒子Cを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例8の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例8においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は1.8部であり、外添剤の総添加量は2.3部である。
実施例1において、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から1.0部に変更し、且つ、シリカ微粒子Cを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例9の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例9においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.5部であり、外添剤の総添加量は3.0部である。
実施例1において、シリカ微粒子Aの添加量を1.5部から1.0部に変更し、且つ、シリカ微粒子Bの添加量を0.3部から0.8部に変更し、且つ、アルミナ微粒子として、アルミナa(個数平均一次粒径:18nm、住友化学社製、商品名「AKP−G015」)0.5部の替わりに、アルミナc(個数平均一次粒径:200nm、住友化学社製、商品名「AKP−50」)0.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例10の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例10においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
実施例1において、アルミナ微粒子(アルミナa)0.5部の替わりに、その他の微粒子として、酸化チタンd(個数平均一次粒径:15nm、テイカ社製、商品名「JMT−150ANO」)0.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例11の静電荷像現像用トナーを作製し、試験に供した。なお、比較例11においては、着色樹脂粒子100部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総添加量は2.0部であり、外添剤の総添加量は2.5部である。
上記実施例1〜実施例15、及び比較例1〜比較例11の静電荷像現像用トナーについて、着色樹脂粒子特性及びトナー特性、並びに印字特性を調べた。詳細は以下の通りである。
2−1−1.着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)及び粒径分布(Dv/Dn)
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名「ドライウエル」)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20W(Watt)の超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名「マルチサイザー」)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
容器中に、予めイオン交換水10mLを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料(着色樹脂粒子)0.02gを加え、超音波分散機で60W(Watt)、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度が3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名「FPIA−2100」)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均をとったものである。
計算式1:(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲
長)
容量100mLのポリエチレン製容器にトナーを20g充填し、水の浸入がないよう、蓋をシールして密閉し、55℃に設定した恒温水槽(ヤマト科学社製:BK300)内の水中に該容器を沈め、8時間経過した後に取り出した。取り出した容器からトナーを42メッシュの篩(目開き355μm)の上にできるだけ振動を与えないように移し、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダテスタPT−X」)にセットした。篩いの振幅を1.0mmに設定して、30秒間振動した後、篩い上に残ったトナーの質量を測定し、これを凝集したトナーの質量として、保存性を評価した。
帯電量の測定には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(HL−4570CDW)を用いた。
上記プリンターの現像装置のトナーカートリッジにトナーを充填し、高温高湿(H/H)環境下(温度:33℃、湿度:80%)で24時間放置した後、黒ベタ印字を一枚、更に白ベタ印字を一枚行った。次いで、エレクトロメーター(アドバンテスト製、商品名「TR8652」)を用いて、高温高湿環境下(温度:33℃、湿度:80%)の現像ロール上のトナーを採取し、帯電量を測定した。下記計算式2に示すように、測定された帯電量値を、採取したトナーの質量で除することによりトナー帯電量を算出した。
計算式2:トナー帯電量(μC/g)=測定された帯電量(μC)/採取されたトナー質量(g)
得られた黒ベタ印字の画像濃度(ID)を反射型濃度計(マクベス社製、商品名「RD918」)にて測定した。
同様にして、低温低湿(L/L)環境下(温度:10℃、湿度:20%)におけるトナー帯電量及び画像濃度を算出した。また、高温高湿(H/H)環境下のトナー帯電量に対する低温低湿(L/L)環境下のトナー帯電量の比、及び高温高湿(H/H)環境下と低温低湿(L/L)環境下との画像濃度差も算出した。
2−2−1.定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度:20枚/分)の定着ロールの温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃刻みで変化させ、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定した。
定着率は、改造プリンターで試験用紙に印刷した黒ベタ領域の、テープ剥離操作前後の画像濃度の比率から計算した。即ち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、次式から算出することができる。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分(黒ベタ領域)に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名「スコッチメンディングテープ810−3−18」)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射型濃度計(マクベス社製、商品名「RD918」)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%以上になる最低定着ロール温度をトナーの最低定着温度とした。
カブリには、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(HL−4570CDW)を用いた。現像装置のトナーカートリッジに、現像剤を充填した後、印字用紙をセットし、温度10℃、相対湿度20%の低温低湿(L/L)環境下に24時間放置した。
放置後、黒ベタ印字を1枚行った後、続けて白ベタ印字を1枚行い、白度計(日本電色社製)を用いて白ベタ印字物の紙面上の白色度を測定した。
((印字前の印字用紙の白色度)−(白ベタ印字物の白色度))=カブリ値
とし、カブリ値を算出した。
印字耐久性試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(HL−4570CDW)を用いた。現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で15,000枚まで連続印刷を行った。500枚毎に、黒ベタ印字(印字濃度100%)を行い、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名「RD918」)を用いて黒ベタ画像の中央の印字濃度を3点測定し、その平均値を印字濃度とした。
更に、その後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行い、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上における非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名「スコッチメンディングテープ810−3−18」)に付着させた後、剥ぎ取り、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製、商品名「ND−1」)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値(%)とした。この値が小さいほど、カブリが少なく良好であることを示す。印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3%以下の画質を維持できる連続印刷枚数を調べた。
尚、表3及び表4中、「15000<」とあるのは、15,000枚の時点においても、印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が3%以下の画質を維持できたことを示す。
上記「2−2−3.印字耐久性」の評価と併せて、初期カスレ及び耐久後カスレの評価も実施した。
初期カスレは、耐久印字性試験で500枚印字後の黒ベタ印字物において、黒ベタ画像上部と黒ベタ画像下部のそれぞれ3点で印字濃度を測定し、その平均値をそれぞれ上部印字濃度及び下部印字濃度とし、上部印字濃度及び下部印字濃度の差を算出してカスレの指標とした。
耐久後カスレは、上記試験を連続印刷枚数15,000枚で終了した時点、又は耐久性不良により上記試験を連続印刷枚数15,000枚未満で中断した時点において、初期カスレと同様にして評価を実施した。
なお、下記表4中、比較例6の「カブリ LL環境」、「画像濃度」、「印字枚数」、「初期カスレ」、及び「耐久後カスレ」の評価に記載された「※1」は、印字不良が生じたため評価を中止したことを意味する。また、下記表4中、比較例8の「耐久後カスレ」の評価に記載された「※2」は、ベタ印字が不可能であったため評価を行わなかったことを意味する。
以下、表1〜表4を参照しながら、静電荷像現像用トナーの評価結果について検討する。
表2より、比較例1及び比較例2のトナーは、シリカ微粒子A〜Cのみを含有し、アルミナ微粒子を含有しないトナーである。表4より、比較例1及び比較例2のトナーは、ブロッキング量がいずれも0.2g、最低定着温度が155℃又は160℃、印字耐久試験における連続印刷枚数がいずれも15,000枚を超え、初期カスレ評価におけるID差が0.03又は0.04、耐久後カスレ評価におけるID差が0.07又は0.08である。したがって、比較例1及び比較例2のトナーは、少なくとも保存性、低温定着性、印字耐久性、並びに初期及び耐久後カスレに問題は見られない。
しかし、比較例1及び比較例2のトナーは、高温高湿(H/H)環境下の帯電量に対する低温低湿(L/L)環境下の帯電量の比(以下、当該帯電量の比と称する場合がある。)は2.32又は2.10と極めて大きい。また、低温低湿(L/L)環境下におけるカブリ値(以下、LLカブリ値と称する場合がある。)は5.8又は4.2と極めて大きい。特に比較例1におけるこれらの値は、実施例1〜実施例16、及び比較例1〜比較例11のトナー中、最も大きい。また、高温高湿(H/H)環境下のIDと低温低湿(L/L)環境下のIDとの差(以下、環境によるIDの差と称する場合がある。)は0.40又は0.42と大きい。
したがって、個数平均一次粒径が5〜100nmであるアルミナ微粒子を含有しない比較例1及び比較例2のトナーは、高温高湿(H/H)環境下と低温低湿(L/L)環境下の性能に大きな差があり、また、低温低湿(L/L)環境下においてチャージアップを起こすためカブリが生じやすいことが分かる。
しかし、比較例10のトナーはブロッキング量が2.3gと多い。また、比較例10のトナーは印字耐久試験における連続印刷枚数が10,000枚と少ない。さらに、比較例10のトナーは耐久後カスレ評価におけるID差が0.23と大きい。
したがって、個数平均一次粒径が100nmを超えるアルミナ微粒子を含有する比較例10のトナーは、保存性に極めて劣り、印字耐久性も悪く、さらに耐久後にカスレが生じやすいことが分かる。
しかし、比較例11のトナーは当該帯電量の比が2.21と大きい。また、比較例11のトナーはLLカブリ値が5.2と大きい。また、比較例11のトナーは環境によるIDの差が0.48と大きい。また、比較例11のトナーは耐久後カスレ評価におけるID差が0.21と大きい。
したがって、アルミナ微粒子を含有せず、替わりに個数平均一次粒径15nmの酸化チタン粒子を含有する比較例11のトナーは、高温高湿(H/H)環境下と低温低湿(L/L)環境下の性能に大きな差があり、また、低温低湿(L/L)環境下においてチャージアップを起こすためカブリが生じやすく、耐久後においてカスレも生じやすくなることが分かる。
しかし、比較例3〜比較例5のトナーは、ブロッキング量が最大4.5gである。この値は、実施例1〜実施例16、及び比較例1〜比較例11のトナー中、最も多い。また、初期カスレ評価におけるID差が最大0.15、耐久後カスレ評価におけるID差が最大0.42である。比較例4の耐久後カスレ評価におけるID差の値は、実施例1〜実施例16、及び比較例1〜比較例11のトナー中、最も大きい。
したがって、個数平均一次粒径が15〜35nmであるシリカ微粒子Bを含有しない比較例3〜比較例5のトナーは、特に耐久後にカスレが生じやすいことが分かる。
しかし、特に比較例6のトナーは、ブロッキング量が2.8gと多い。また、当該帯電量の比が1.67と大きい。さらに、上述したように、比較例6の「カブリ LL環境」等の評価においては印字不良が生じている。
したがって、個数平均一次粒径が36〜100nmであるシリカ微粒子Aを含有しない比較例6〜比較例7のトナーは、保存性に劣り、高温高湿(H/H)環境下と低温低湿(L/L)環境下の帯電性能に大きな差がある他にも、全般的に印字性能に乏しいことが分かる。
しかし、特に比較例9のトナーは、最低定着温度が180℃と高い。この値は、実施例1〜実施例16、及び比較例1〜比較例11のトナー中、最も高い。また、初期カスレ評価におけるID差が最大0.28、耐久後カスレ評価におけるID差が0.39である。比較例8の初期カスレ評価におけるID差の値は、実施例1〜実施例16、及び比較例1〜比較例11のトナー中、最も大きい。
したがって、個数平均一次粒径が6〜14nmであるシリカ微粒子Cを含有しない比較例8及び比較例9のトナーは、低温定着性に劣り、特に初期にカスレが生じやすいことが分かる。
よって、外添剤として、個数平均一次粒径が36〜100nmであるシリカ微粒子A、個数平均一次粒径が15〜35nmであるシリカ微粒子B、個数平均一次粒径が6〜14nmであるシリカ微粒子C、及び個数平均一次粒径が5〜100nmであるアルミナ微粒子を含有する実施例1〜実施例15のトナーは、低温定着性と保存性のバランスに優れ、常温常湿(N/N)環境下における印字耐久性にも優れ、初期カスレや耐久後カスレが極めて生じにくく、さらに、環境による帯電量の差が小さいため、低温低湿(L/L)環境下においてもチャージアップが抑制されカブリの少ないトナーであることが分かる。
まず、シリカ微粒子Aの含有量の条件のみが異なる実施例1(含有量:1.5部)、及び実施例2(含有量:2.5部)を比較する。表3より、実施例2のトナーは、実施例1のトナーと比較して、当該帯電量の比がやや小さいが、最低定着温度がやや高い。これらの結果から、シリカ微粒子Aの含有量が多いほど、異なる環境下の帯電性能の差が縮まるが、低温定着性にやや劣ることになると推測される。
なお、比較例7におけるシリカ微粒子Bの含有量は、実施例1におけるシリカ微粒子A及びBの含有量の和と等しい。表4に示すように、比較例7のトナーは保存性及び印字耐久性に劣る。したがって、実施例1におけるシリカ微粒子Aを全てシリカ微粒子Bに置き換えたとしても、トナー特性が悪くなることが分かる。
なお、比較例3におけるシリカ微粒子Aの含有量は、実施例1におけるシリカ微粒子A及びBの含有量の和とほぼ等しい。表4に示すように、比較例3のトナーは耐久後カスレが生じやすい。
また、比較例5におけるシリカ微粒子Cの含有量は、実施例1におけるシリカ微粒子B及びCの含有量の和と等しい。表4に示すように、比較例5のトナーは保存性に極めて劣り、印字耐久性も悪く、耐久後カスレも生じやすい。
したがって、実施例1におけるシリカ微粒子Bを全てシリカ微粒子A又はCに置き換えたとしても、トナー特性が悪くなることが分かる。
なお、比較例9におけるシリカ微粒子Bの含有量は、実施例1におけるシリカ微粒子B及びCの含有量の和の2倍である。表4に示すように、比較例9のトナーは低温定着性に劣り、初期及び耐久後カスレも生じやすい。したがって、実施例1におけるシリカ微粒子Cを全てシリカ微粒子Bに置き換えたとしても、トナー特性が悪くなることが分かる。
なお、比較例2におけるシリカ微粒子Bの含有量は、実施例1におけるシリカ微粒子B及びアルミナ微粒子の含有量の和と等しい。表4に示すように、比較例2のトナーは当該帯電量の比及び環境によるID差が大きく、LLカブリ値も高い。したがって、実施例1におけるアルミナ微粒子を全てシリカ微粒子Bに置き換えたとしても、トナー特性が悪くなることが分かる。
Claims (4)
- 結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷現像用トナーにおいて、
外添剤として、
個数平均一次粒径が36〜100nmであるシリカ微粒子A、
個数平均一次粒径が15〜35nmであるシリカ微粒子B、
個数平均一次粒径が6〜14nmであるシリカ微粒子C、及び
個数平均一次粒径が5〜100nmであるアルミナ微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 着色樹脂粒子100質量部に対して、外添剤の総含有量が1.7〜3.6質量部であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色樹脂粒子100質量部に対して、外添剤中のシリカ微粒子A〜Cの総含有量が1.6〜3.0質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色樹脂粒子100質量部に対して、外添剤として、
前記シリカ微粒子Aを0.5〜2.9質量部、
前記シリカ微粒子Bを0.1〜2.0質量部、
前記シリカ微粒子Cを0.05〜0.5質量部、及び
前記アルミナ微粒子を0.05〜2質量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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