JP2003295483A - 電子写真感光体及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体及び画像形成方法

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JP2003295483A
JP2003295483A JP2002104916A JP2002104916A JP2003295483A JP 2003295483 A JP2003295483 A JP 2003295483A JP 2002104916 A JP2002104916 A JP 2002104916A JP 2002104916 A JP2002104916 A JP 2002104916A JP 2003295483 A JP2003295483 A JP 2003295483A
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photoreceptor
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JP2002104916A
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Okushi Okuyama
奥士 奥山
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰返し使用時の電位安定性を損なわずに所望
の感度に調整が可能な感光体及びそれを用いた画像形成
方法を提供すること。 【解決手段】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生物
質及び顔料を含有する電荷発生層、電荷輸送物質を含有
する電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体
において、該電荷発生物質のIp(イオン化ポテンシャ
ル)をIp(CGM)、該顔料のIpをIp(PI
G)、該電荷輸送物質のIpをIp(CTM)とする
と、 0.05<|Ip(CGM)−Ip(PIG)|<0.
5、かつ 0<|Ip(CGM)−Ip(CTM)|<0.5 であることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体及
びそれを用いた画像形成方法に関し、プリンタ、複写機
等に有用であって、かつ露光手段として半導体レーザ光
等を用いて像形成を行うときにも好適な電子写真感光体
及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行わ
れており、電子写真感光体(以下、感光体ともいう)を
はじめとして太陽電池、イメージセンサ等の光電変換素
子として応用されている。従来、これらの光導電性材料
には主として無機系の材料が用いられ、例えば感光体に
おいては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機
光導電材料を主成分とする感光層を設けた無機感光体が
広く使用されてきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の感光体として要求される感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ずしも満足で
きるものではなかった。例えばセレンは熱や指紋の汚れ
等により結晶化するために感光体としての特性が劣化し
やすい。また、硫化カドミウムを用いた感光体は耐湿
性、耐久性に劣り、また、酸化亜鉛を用いた感光体も耐
久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るが、セレン、硫化カドミウム等の感光体は毒性の点で
製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有してい
る。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、感光体の感光層等に使用することが試みられる
等、近年活発に研究が行われている。例えば、特公昭5
0−10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニ
トロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体
が記載されている。しかしながらこの感光体は感度及び
耐久性において十分なものではない。そのため電荷発生
機能と電荷輸送機能を異なる物質に個別に分担させた機
能分離型の感光体が開発された。このような感光体にお
いては、材料を広い範囲で選択できるので任意の特性を
得やすく、そのため高感度、高耐久である有機感光体が
得られることが期待されている。
【0006】このような機能分離型の有機感光体は、例
えば、特開昭60−247647号に記載されているよ
うに導電性基体上に薄い電荷発生層を設け、この上に比
較的厚い電荷輸送層を設ける構成がとられている。
【0007】一方、最近の高画質化にともない感光体の
感度と複写機の画像形成プロセスのマッチングが重要で
ある。具体的には、感光体の基本的な層構成、材料を変
えないで、しかも感光体に必要な特性、例えば電位安定
性を損なわずに、ユーザーニーズに対応して感度の異な
る感光体を実現する技術が求められている。
【0008】このための方法の一つとして、薄い電荷発
生層をさらに薄膜化する方法があるが、この方法は電荷
発生層内で発生したキャリアの再結合が起こりやすく露
光部電位の上昇が顕著で、また薄膜化に伴い塗布ムラが
発生し画像乱れが懸念されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰返
し使用時の電位安定性を損なわずに所望の感度に調整が
可能な感光体及びそれを用いた画像形成方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
下記手段により達成される。
【0011】1.導電性基体上に、少なくとも電荷発生
物質及び顔料を含有する電荷発生層、電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光
体において、該電荷発生物質及び該顔料が780nmに
吸収を持ち、該電荷発生物質のIp(イオン化ポテンシ
ャル)をIp(CGM)、該顔料のIpをIp(PI
G)、該電荷輸送物質のIpをIp(CTM)とする
と、 0.05<|Ip(CGM)−Ip(PIG)|<0.
5、かつ 0<|Ip(CGM)−Ip(CTM)|<0.5 であることを特徴とする電子写真感光体。
【0012】2.電荷発生物質がA型チタニルナフタロ
シアニンであることを特徴とする上記1記載の電子写真
感光体。
【0013】3.電荷発生物質がB型チタニルナフタロ
シアニンであることを特徴とする上記1記載の電子写真
感光体。
【0014】4.顔料がナフタロシアニンであることを
特徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真
感光体。
【0015】5.電荷発生層中のナフタロシアニンの濃
度が1〜7質量%であることを特徴とする上記4記載の
電子写真感光体。
【0016】6.導電性基体と電荷発生層の間に中間層
を有し、該中間層がN型半導性粒子とバインダーを含有
することを特徴とする上記1〜5のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0017】7.N型半導性粒子が酸化チタンであるこ
とを特徴とする上記6記載の電子写真感光体。
【0018】8.上記1〜7のいずれか1項に記載の電
子写真感光体を150mm/sec以上の回転線速度で
用いることを特徴とする画像形成方法。
【0019】本発明者は鋭意研究の結果、導電性基体上
に少なくとも電荷発生物質及び顔料を含有する電荷発生
層上に、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層して
なる感光体において、電荷発生物質及び顔料が780n
mに吸収を持ち、電荷発生物質、顔料及び電荷輸送物質
のIpが特定の関係にある化合物を用いることにより、
種々の環境下においても安定でかつ繰返し使用時の電位
安定性を損なわずに感度調整が可能な感光体を得ること
を見出した。
【0020】これらの効果に対する電荷発生物質、顔料
及び電荷輸送物質の機能については十分には解明されて
いないが以下のように考えている。電荷発生物質に顔料
を混合すると、電荷発生層(CGL)中の顔料の量に比
例して電荷発生物質(CGM)のキャリアの発生量が低
減し、感度が調整できる。また、電荷発生物質、顔料及
び電荷輸送物質のIpが上記特定の関係にあるときに、
光照射時に電荷発生物質で発生したキャリアの一部を顔
料がトラップする。しかし、顔料のトラップは浅いた
め、その後に印加される高電界によりキャリアが解放さ
れ、顔料添加による電位不安定は起こらない。
【0021】また、本発明の効果をより発現するために
は、電荷発生物質がA型チタニルナフタロシアニンまた
はB型チタニルナフタロシアニンであることが好まし
く、顔料がナフタロシアニンであることが好ましく、導
電性基体と電荷発生層の間に中間層を有し、中間層がN
型半導性粒子とバインダーを含有することが好ましく、
N型半導性粒子が酸化チタンであることが好ましい。ま
た、上記感光体を150mm/sec以上の回転線速度
で用いて画像形成することが好ましい。
【0022】(顔料)次に、本発明に用いられる顔料に
ついて説明する。本発明に用いられる顔料は、そのイオ
ン化ポテンシャルIp(PIG)が下記式を満足するこ
とが必要である。
【0023】0.05<|Ip(CGM)−Ip(PI
G)|<0.5 また、電荷発生層中に顔料を含有させることにより過剰
の光を吸収してCGMのキャリア発生量を低減するた
め、780nmに吸収を有するものが好ましく、特にナ
フタロシアニンは780nm付近にシャープな吸収を示
し、また繰返し使用時の電位安定性に優れているので好
ましい。
【0024】ナフタロシアニンについては既に種々の中
心金属のナフタロシアニンが知られており、例えば特開
昭63−55556号には積層感光体においてナフタロ
シアニンが電荷発生物質として使用されている。しかし
ながら、本発明の感光体では実施例にも見られるように
ナフタロシアニンはキャリアの発生物質として感度へ寄
与しておらず、逆に減感の役割を果たしている。
【0025】本発明に用いられるナフタロシアニンは次
の一般式(1)で表される。
【0026】
【化1】
【0027】式中、Mは水素原子または金属原子を表
し、好ましくはSi、Ge、Sn、Cu、Zn、Mg、
Ti、V、Al、In等が挙げられる。またYは置換も
しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ハロゲン原子、酸素原子、シロキシ基、または
水酸基を表し、X1、X2、X3、X4は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、またはアルコキシ基、アリールオ
キシ基を表す。
【0028】更に、本発明に使用されるナフタロシアニ
ンは、電荷発生層中でバインダに溶解させた形で使用す
るには有機溶媒や種々のバインダへの溶解性の高いナフ
タロシアニンが好ましく、例えば炭素数の大きいアルキ
ル基を分子内に有するものは溶解性が高く、炭素数が6
以上のアルキル基を有することが好ましい。
【0029】従って、一般式(1)で表されるナフタロ
シアニン中、M、Y、Xを特定し、下記一般式(2)で
表されるシリコンナフタロシアニンが特に好ましい。
【0030】
【化2】
【0031】式中、Yは(Rn)3SiO−基(Rnは
アルキル基またはアリール基を表し、Rnのうち少なく
とも1つは炭素数6以上のアルキル基)を表し、X1
2、X3、X4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、またはアルコキシ基、アリールオキシ基を表す。
【0032】また、これらのシリコンナフタロシアニン
はJ.Am,Chem.Soc.,106,7404
(1984)に記載されている方法に従って合成するこ
とができる。
【0033】以下に本発明に用いられるナフタロシアニ
ンの具体例を示す。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】(電荷発生物質)本発明に用いられる電荷
発生物質としては、そのイオン化ポテンシャルIp(C
GM)が下記2式を満足することが必要である。
【0039】0.05<|Ip(CGM)−Ip(PI
G)|<0.5 0<|Ip(CGM)−Ip(CTM)|<0.5 また、LD光に対して感度を有するものであればかまわ
ないが、具体的にはα、β、τ、X等の結晶型の無金属
ナフタロシアニン、A、B、Cの各型結晶、アモルファ
ス及びブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有す
るチタニルナフタロシアニン、チタニルナフタロシアニ
ンとバナジルナフタロシアニンの混晶に代表される複数
のナフタロシアニンの混晶、銅ナフタロシアニン等に代
表される各種の金属ナフタロシアニン、ナフタロシアニ
ン、その他ポルフィリン誘導体、アゾ化合物、ジブロモ
アンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリ
リウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエ
アリウム化合物等が挙げられ、中でもブラッグ角2θ
(±0.2°)の9.5°、24.1°、27.2°に
ピークを有するA型またはB型チタニルナフタロシアニ
ンが最も好ましい。
【0040】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとは、ノイズとは異なった明瞭な
鋭角の突出部のことである。
【0041】 X線管球 Cu 電 圧 40.0kV 電 流 100mA スタート角度 6.0deg. ストップ角度 35.0deg. ステップ角度 0.02deg. 測定時間 0.50sec. (電荷輸送物質)本発明に用いられる電荷輸送物質とし
ては、そのイオン化ポテンシャルIp(CTM)が下記
式を満足するものであれば種々使用できる。
【0042】 0<|Ip(CGM)−Ip(CTM)|<0.5 代表的なものとして、例えばオキサゾール、オキサジア
ゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダソール等
に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核を有する
化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリン
系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン化
合物、スチリル系化合物、ポリス(ビス)スチリル系化
合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、β−フェ
ニルスチリルフェニルアミン系化合物、ブタジエン系化
合物、ヘキサトリエン系化合物、カルバゾール系化合
物、縮合多環系化合物等が挙げられる。これらの電荷輸
送物質の具体例としては、例えば特開昭61−1073
56号に記載の電荷輸送物質を挙げることができるが、
特に代表的なものの構造を次に示す。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】(N型半導性粒子)中間層には、N型半導
性粒子とバインダーを含有することが好ましく、さら
に、N型半導性粒子が酸化チタンであることが好まし
い。
【0049】本発明に用いられるN型半導性粒子とは、
導電性キャリアを電子とする性質を持つ微粒子を示す。
すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、N型
半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させることによ
り、基体からのホール注入を効率的にブロックし、ま
た、感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)からの電子に
対してはブロッキング性を示さない性質を有するものを
いう。
【0050】N型半導性粒子は、具体的には酸化チタン
(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では特に酸化
チタンが好ましく用いられる。
【0051】本発明に用いられるN型半導性粒子の平均
粒径は、数平均一次粒径で10〜200nmが好まし
く、15〜150nmがより好ましい。10nm未満で
は中間層にベナードセルが発生せず、中間層による黒ポ
チの発生の防止効果が小さい。一方、200nmより大
きいとベナードセルの均一性が悪く、その結果、黒ポチ
も増加する。数平均一次粒径が前記範囲のN型半導性粒
子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、かつ、
このような塗布液から形成されたベナードセルが形成さ
れた中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好
で、かつ、耐クラッキング性を有する。
【0052】前記N型半導性粒子の数平均一次粒径は、
例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によっ
て10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を
一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平
均径としての測定値である。
【0053】本発明に用いられるN型半導性粒子の形状
は、樹枝状、針状及び粒状等の形状があり、このような
形状のN型半導性粒子は、例えば酸化チタン粒子では、
結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルフ
ァス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよ
く、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。そ
の中でもルチル型のものが最もよい。
【0054】(感光体の構成)感光体の構成は種々の形
態が知られている。本発明の感光体は積層型機能分離型
感光体とするのが望ましい。この場合、図1に示すよう
な構成となる。通常は(a)のように導電性基体1上に
電荷発生層2、電荷輸送層3が順次積層されている。必
要により、(b)のように導電性基体1上に下引き層4
を、あるいは(c)のように電荷輸送層3上にさらに保
護層5を積層することもある。
【0055】感光層の形成においては電荷発生物質また
は電荷輸送物質を単独で、もしくはバインダや添加剤と
ともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効である。し
かし、一般に電荷発生物質の溶解度は低いため、そのよ
うな場合電荷発生物質を超音波分散機、ボールミル、サ
ンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用いて適当な分散
媒中に微粒子分散させた液を塗布する方法が有効とな
る。この場合、バインダや添加剤は分散液中に添加して
用いられるのが通常である。
【0056】感光層の形成に使用される溶剤または分散
媒としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタ
ノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸−t−ブチル、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセトフェ
ノン、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン、トリクロルエタン、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等が挙げられる。
【0057】電荷発生層もしくは電荷輸送層の形成にバ
インダを用いる場合に、バインダとして任意のものを選
ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム形成能を
有する高分子重合体が望ましい。このような重合体とし
ては例えば次のものを挙げることができるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0058】 ポリカーボネート アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン共重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン−アルキッド樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン−アルキッド樹脂 シリコーン−ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 バインダに対する電荷発生物質の割合は10〜600質
量%が好ましく、さらには50〜400質量%とするの
が好ましい。バインダに対する電荷輸送物質の割合は1
0〜500質量%とするのが好ましい。電荷発生層の厚
さは0.01〜20μmとされるが、0.05〜5μm
が好ましい。電荷輸送層の厚みは1〜100μmとされ
るが、5〜30μmが好ましい。
【0059】電荷発生層に対する顔料の割合は0.1〜
20質量%とされるが、1〜15質量%が好ましく、2
〜10質量%が特に好ましい。
【0060】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、または反復使用時の疲労の低減を目的として電子受
容物質を含有させることができる。このような電子受容
性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、
ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水
フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3−ニトロ無水
フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット
酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニト
ロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、p−ニ
トロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロ
ルイミド、クロラニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ
−p−ベンゾキノン、アントラキノン、ジニトロアント
ラキノン、9−フルオレニリデンマロノニトリル、ポリ
ニトロ−9−フルオレニリデンマロノニトリル、ピクリ
ン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,
5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−
ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタ
ル酸、メリット酸、その他の電子親和力の大きい化合物
を挙げることができる。電子受容性物質の添加割合は電
荷発生物質の質量100に対して0.01〜200が好
ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0061】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては、例えばトコフェロー
ル等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物も
しくはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合
物、ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル
化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール
誘導体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜
リン酸エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノー
ル化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化
合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物等が
有効である。特に有効な化合物の具体例としては「IR
GANOX1010」、「IRGANOX 565」
(チバ・ガイギー社製)、「スミライザー BHT」、
「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)等のヒン
ダードフェノール化合物、「サノール LS−262
6」、「サノール LS−622LD」(三共社製)等
のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0062】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記の電荷発生層及び電荷輸送層用に挙げたも
のを用いることができるが、そのほかにナイロン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メ
タクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリビニルア
ルコール、セルロース誘導体等が有効である。また、メ
ラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化または化
学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いることがで
きる。
【0063】導電性基体としては金属板、金属ドラムが
用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の導
電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の金
属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙や
プラスチックフィルム等の基体の上に設けてなるものを
用いることができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。なお、文中「部」
とは「質量部」を表す。
【0065】実施例1 (感光体1の作製) 〈中間層〉ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1
部、酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製)3.
5部、メタノール10部を同一容器中に加え、超音波ホ
モジナイザーを用いて分散して中間層塗布液を作製し、
アルミニウムを蒸着したポリエステルベース上に中間層
塗布液を浸漬塗布し、2μmの乾燥膜厚で中間層を設け
た。
【0066】 〈電荷発生層〉 B型チタニルナフタロシアニン(Ip=5.50eV) 120g BX−1(ブチラール樹脂、積水化学社製) 120g 2−ブタノン 4050ml シクロヘキサノン 450ml を混合し、サンドミルを用いて80時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.25μmの電荷発生
層を形成した。
【0067】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質3−23(Ip=5.40eV) 200g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤1 5g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0068】
【化12】
【0069】(感光体2〜5の作製)感光体1の電荷発
生層に顔料として表1に示す量のナフタロシアニンを加
え、他は感光体1と同様にして感光体2〜5を作製し
た。
【0070】(感光体6〜10の作製)感光体1の電荷
発生層のB型チタニルナフタロシアニン(Ip=5.5
0eV)をA型チタニルナフタロシアニン(Ip=5.
55eV)に換え、電荷発生層に顔料として表1に示す
量のナフタロシアニンを加え、他は感光体1と同様にし
て感光体6〜10を作製した。
【0071】(感光体11〜15の作製)感光体1の電
荷発生層のB型チタニルナフタロシアニン(Ip=5.
50eV)をY型チタニルナフタロシアニン(Ip=
5.25eV)に換え、電荷発生層に顔料として表1に
示す量のナフタロシアニンを加え、他は感光体1と同様
にして感光体11〜15を作製した。
【0072】(感光体16、17の作製)感光体1の電
荷輸送層の電荷輸送物質3−23(Ip=5.40e
V)を例示化合物3−24(Ip=5.60eV)及び
3−25(Ip=5.80eV)に換え、電荷発生層に
顔料として表1に示す量のナフタロシアニンを加え、他
は感光体1と同様にしてそれぞれ感光体16、17を作
製した。
【0073】
【表1】
【0074】〔評価〕作製した感光体について、下記の
ようにして感度及び耐久性を評価した。その結果を表2
に示す。
【0075】(感度)感光体を約5×5(cm)の平板
状に切り出して感光体試験装置EPA8100(川口電
機社製)に装着し、スタティックモードにて、帯電電位
が800±20(V)になるように調整し、帯電後、
2.0秒間暗減衰させ、外部の白色光源を用いフィルタ
ーカットにより780nm、0.5μW/cm2の光を
露光し、感光体の表面電位が−600Vから−300V
に半減する光量E1/2を感度とした。
【0076】(耐久性)感光体をコニカ社製デジタル複
写機Konica7060(コロナ帯電、レーザ露光、
反転現像、静電転写、爪分離、ブレードクリーニング、
クリーニング補助ブラシローラー採用プロセスを有す
る)の改造機に搭載し、グリッド電圧VGを−750V
に調整し、未露光部電位VH及び0.7mWの光照射時
の露光部の電位VLを20℃、50%RHの環境下にて
測定した。次に、同じ環境下で20万枚プリントした後
のVH、VLを測定した。
【0077】また、本発明におけるIp(CGM)、I
p(CTM)及びIp(PIG)の測定は、理研計器社
製「表面分析装置AC−1」を用い、下記測定条件で行
った。
【0078】光量:50nW 計数時間:10sec 単位光量子数:1×1011
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明により、繰返し使用時の電位安定
性を損なわずに所望の感度に調整が可能な感光体及びそ
れを用いた画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 下引き層 5 保護層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生物
    質及び顔料を含有する電荷発生層、電荷輸送物質を含有
    する電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体
    において、該電荷発生物質及び該顔料が780nmに吸
    収を持ち、該電荷発生物質のIp(イオン化ポテンシャ
    ル)をIp(CGM)、該顔料のIpをIp(PI
    G)、該電荷輸送物質のIpをIp(CTM)とする
    と、 0.05<|Ip(CGM)−Ip(PIG)|<0.
    5、かつ 0<|Ip(CGM)−Ip(CTM)|<0.5 であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷発生物質がA型チタニルナフタロシ
    アニンであることを特徴とする請求項1記載の電子写真
    感光体。
  3. 【請求項3】 電荷発生物質がB型チタニルナフタロシ
    アニンであることを特徴とする請求項1記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】 顔料がナフタロシアニンであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体。
  5. 【請求項5】 電荷発生層中のナフタロシアニンの濃度
    が1〜7質量%であることを特徴とする請求項4記載の
    電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 導電性基体と電荷発生層の間に中間層を
    有し、該中間層がN型半導性粒子とバインダーを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 N型半導性粒子が酸化チタンであること
    を特徴とする請求項6記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体を150mm/sec以上の回転線速度で
    用いることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021014547A (ja) * 2019-07-16 2021-02-12 東洋インキScホールディングス株式会社 緑色顔料及びその利用

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