JP3506071B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
- Publication number
- JP3506071B2 JP3506071B2 JP31304699A JP31304699A JP3506071B2 JP 3506071 B2 JP3506071 B2 JP 3506071B2 JP 31304699 A JP31304699 A JP 31304699A JP 31304699 A JP31304699 A JP 31304699A JP 3506071 B2 JP3506071 B2 JP 3506071B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon atoms
- layer
- group
- charge
- charge transport
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
関し、さらに詳しくは、電荷輸送媒体を含有する感光層
を備えた電子写真感光体に関する。
(電子写真感光体)の光導電材料としては、セレン(S
e)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(Zn
S)、および、アモルファスシリコン(a−Si)など
の無機物質が知られている。これらの無機感光体は、多
くの長所を持っているが、それと同時に、例えば有害で
あること、廃棄が簡単にできないこと、コスト高である
ことなどの欠点を有している。そのため、近年では、こ
れらの欠点を解消した有機物質を用いた有機感光体が数
多く提案され、実用化されている。
を発生する電荷発生媒体を含む材料(以下、電荷発生材
料と称する。)からなる電荷発生層と、発生した電荷キ
ャリアを受け入れ、これを輸送する電荷輸送媒体を含む
材料(以下、電荷輸送材料と称する。)からなる電荷輸
送層とを別々に形成した機能分離型感光体(積層型感光
体)と、電荷発生と電荷輸送とをひとつの感光層内で行
う単層型感光体とがある。そして、材料選択の幅が広
く、かつ高感度化が可能なので、機能分離型感光体が多
く採用されている。
能を備えた層は、電荷輸送媒体であるポリビニルカルバ
ゾールなどの高分子光導電性化合物を電子輸送材料とし
て用いて形成される場合と、電荷輸送媒体である低分子
光導電性化合物をバインダーポリマー中に分散溶解した
ものを電子輸送材料として用いる場合とがある。高分子
高導電性化合物を用いる場合は、高分子光導電性化合物
単独では製膜性、接着性が不十分であるため、可塑剤あ
るいはバインダーポリマーなどが添加されるが、その結
果、感度の低下や残留電位の増加が生じる場合があり、
実用化が困難である。低分子光導電性化合物を用いる場
合は、バインダーポリマーを適当に選択することによっ
て、容易に機械的特性の優れた感光体を得ることができ
るが、感度の点で充分なものとはいえない。
下に示す。例えば、米国特許第3,820,989号に
記載のジアリールアルカン誘導体は、バインダーポリマ
ーに対する相溶性の問題は少ないが、光に対する安定性
が悪い。このため、このジアリールアルカン誘導体を、
低分子光導電性化合物として帯電および露光を繰り返す
電子写真用の感光体の感光層に使用すると、感光体の感
度が反復使用によって徐々に低下するという問題が生じ
る。また、特開昭58−65440号公報に記載されて
いるスチルベン化合物は、電荷保持力および感度などは
比較的良好であるが、反復使用時における安定性につい
ては満足し難い。
記載されているモノスチリルトリフェニルアミン化合
物、特公平05−042661号公報と特開昭62−1
20346号公報とに記載されているジスチリルトリフ
ェニルアミン化合物、特公平06−093124号公報
および特開昭63−163361号公報に記載されてい
るトリスチリルトリフェニルアミン化合物は、電荷保持
力、感度が良好で、反復使用時における安定性も良好で
ある。しかし、電荷の移動度が未だ充分ではないため、
高速電子写真感光体用の電荷輸送材料として満足できる
ものではない。
の代表例であり、それぞれ特公昭63−019867号
公報に記載の化合物例、特公平05−042661号公
報に記載の化合物例、特公平06−093124号公報
に記載の化合物例である。
合物においては、電荷のホッピングサイトとなる以下に
示すトリフェニルアミン構造(化学式(201))が、
1分子内に1つしか含まれておらず、充分な電荷移動度
が得られないため、大きな光感度が得られない。
報には、これらの化合物に種々の置換基を導入しても良
いことが記載されているが、複数個のトリフェニルアミ
ン構造を導入することについては全く開示されていな
い。
は、前記トリフェニルアミン構造を一つ含む化合物を複
数混合して用いる電子写真感光体が記載されているが、
複数個のトリフェニルアミン構造を含有した化合物は示
されておらず、大きな光感度は得られていない。
て、特許第2940502号に開示された化合物群があ
げられる。これは、後述する本発明の一般式(2)で示
される化合物を単独で電子写真感光体に用いたものであ
り、優れた光感度特性を有し、残留電位も小さく、良好
な繰り返し安定性を示す。しかしながら、ここで開示さ
れている化合物群は、単独では溶媒への溶解性が不十分
で、バインダーポリマーと混合して塗料を作製するにお
いて、塗料濃度を高くできないという問題点を有してい
る。塗料の高濃度化の要望は、溶媒使用量の削減などの
観点から重要である。
みてなされたもので、優れた光感度特性を有する電子写
真感光体を提供することを課題とする。さらに、繰り返
し使用時の電位安定性に優れた電子写真感光体を提供す
ることを課題とする。また、さらに、電子写真感光体の
製造に用いる塗料の溶媒に対して、電荷輸送媒体が良好
な溶解性を有し、高い塗料濃度が得られる電子写真感光
体を提供することを目的とする。
の一般式(1)で示される新規な有機光導電性物質を電
荷輸送媒体として用いることを特徴とする。すなわち、
本発明の電子写真感光体は、以下の一般式(1)で示さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む
感光層(第1の発明)、あるいは、以下の一般式(1)
で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物
と以下の一般式(2)で示される化合物から選ばれる少
なくとも1つの化合物とを含有する感光層(第2の発
明)を備えていることを特徴とする。
いてもよいフェニル基を示す。Ar1〜Ar6上の置換
基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から
4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミ
ノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元
素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換し
ていてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1〜R
6は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なっ
てもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R
28は水素、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が
1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキ
ルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロ
ゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R1
3,R14,R21,R22,R29,R30は水素、
炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4
の直鎖アルコキシ基を示し、同一でも異なっていても良
い。)
いてもよいフェニル基を示す。Ar1〜Ar6上の置換
基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から
4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミ
ノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元
素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換し
ていてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1〜R
6は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なっ
てもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R
28は水素、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が
1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキ
ルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロ
ゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R1
3,R14,R21,R22,R29,R30は水素、
炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4
の直鎖アルコキシ基を示し、同一でも異なっていても良
い。)
つの発明の電子写真感光体において、感光層が電荷輸送
層と電荷発生層とを有し、該電荷輸送層が電荷輸送媒体
を含有していることを特徴とする電子写真感光体であ
る。
荷のホッピングサイトを有しており、このホッピングサ
イトが電荷を輸送することにより、電子写真感光体とし
ての特性を発現する。優れた電荷輸送特性を発現させる
ためには、いかにして電荷の輸送を効率良く行うかが重
要である。
しては、前記一般式(1)で表される化合物を単独で用
いる場合と、この化合物と前記一般式(2)で示される
化合物を混合した混合物を用いる場合とがある。混合し
て用いる場合において、前記一般式(1)で示される化
合物と前記一般式(2)で示される化合物との合計量に
対する前記一般式(2)で示される化合物の割合は70
重量%以下、好ましくは50重量%以下とされる。この
範囲をこえると塗料に用いる溶媒への溶解性が低下する
場合がある。そして、電子写真感光体においては、いず
れにおいても良好な塗料溶解性が得られ、かつ優れた電
子写真特性が得られる。以下、単に電荷輸送媒体と示す
場合は、これらふたつの形態(単独あるいは混合物)を
包含するものとする。
荷のホッピングサイトとなるトリフェニルアミン構造を
3個または4個備えていることを特徴としており、その
作用によって、電子写真感光体に非常に優れた電子写真
特性を付与することができる。また、この電荷輸送媒体
は、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタンおよびトルエンなどの溶媒に可溶で
あり、良好な塗料溶解性を示し、塗料の高濃度化を図る
ことができる。そして、これらの溶媒に、電荷輸送媒体
をバインダーポリマーととともに溶解または分散させた
液体(塗料)を、感光層形成面に塗工することによっ
て、機械的な強度が大きい、硬い膜(感光層)を作製す
ることができる。
一般式(1)、(2)で示される化合物の例を表1〜6
に示す。表中、特に指定のないRは水素を示す。ただ
し、本発明において、電荷輸送媒体として用いることが
できる化合物はこれらに限定されるものではない。
物は、いずれも公知の製造方法によって合成することが
できる。例えば、以下の化学式
ン誘導体と、以下の化学式
ittig反応で縮合させることによって得ることがで
きる。
の種々の形態を採用し得る。図1〜6は、本発明の電子
写真感光体の実施形態例を示した断面図である。図1に
おいては、導電性支持体1上に、電荷発生媒体を主成分
とする電荷発生層2と、この上に設けられた上述の電荷
輸送媒体を主成分とする電荷輸送層3とからなる感光層
4が設けられて、積層型の電子写真感光体が構成されて
いる。電荷発生層2、電荷輸送層3は、例えばバインダ
ーポリマーからなるマトリックス中に、それぞれ、電荷
発生媒体または上述の電荷輸送媒体を、混合、もしくは
分散してなるものである。
定性の確保の観点から、好ましくは0.01〜2μm、
さらに好ましくは0.1〜1μmとされる。下限値未満
の場合は必要な電荷の発生が困難となり、上限値をこえ
ると光導電性が低下する。電荷輸送層3の膜厚は好まし
くは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmと
される。下限値未満の場合は暗減衰が大きくなり電荷の
保持が困難となる。また上限値をこえると光感度が低下
する。
図1に示した電子写真感光体と異なり、導電性支持体1
側に電荷輸送層3が設けられ、この上に電荷発生層2が
設けらおり、このアンダーコート層5を含む感光層4が
構成されている。
図1に示した構造において、導電性支持体1と電荷発生
層2との間にアンダーコート層5が設けられることによ
り、このアンダーコート層5を含む感光層4が構成され
ている。図4に示した電子写真感光体においては、図2
に示した構造において、導電性支持体1と電荷輸送層3
との間にアンダーコート層5が設けられている。さらに
電荷発生層2の上には、最外層として保護層(オーバー
コート層)8が設けられて、アンダーコート層5、電荷
輸送層3、電荷発生層2、保護層8からなる感光層4が
構成されている。
ポリマーから構成されている。また、アンダーコート層
5と保護層8の膜厚は、好ましくはそれぞれ0.01〜
20μm、さらに好ましくは0.2〜10μmとされ
る。それぞれ上限値をこえると光感度が低下する。
生層2と電荷輸送層3とを備えた感光層4を構成する
と、光感度特性、繰り返し使用時の電位安定性の観点か
ら最も望ましく、最も優れた電子写真特性が得られる。
1の上に、電荷輸送媒体と電子発生媒体とを含み、これ
らの両方の特性を付与した複合層6からなる感光層4を
設けた構成とすることもできる。複合層6は例えばバイ
ンダーポリマーからなるマトリックス中に、電荷輸送媒
体と電荷発生媒体を混合、もしくは分散してなるもので
ある。あるいは、図6に示したように、導電性支持体1
と複合層6との間にアンダーコート層5を設け、アンダ
ーコート層5と複合層6とからなる感光層4を構成する
こともできる。なお、本発明の電子写真感光体におい
て、アンダーコート層5、保護層8は必須ではなく、こ
れらを設けるか否かは用途、設計条件などによって適宜
選択可能である。
ウム基板などが用いられる。電荷発生媒体としては、公
知の光導電性材料、例えばCdS、Se、ZnOおよび
a−Siなどの無機材料、Si、Ge、Co、Cu、A
l、In、Ti、PbおよびVなどの金属原子を有する
フタロシアニン類、無金属のフタロシアニン、アゾ系顔
料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、多環キノン系
顔料およびペリノン系顔料、シアニン系色素およびスク
アリリュウム系色素などの有機材料を、単独または混合
して用いることができる。
用いるバインダーポリマーは、通常使用されている絶縁
性樹脂から選択することができる。また、例えば、ポリ
ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹
脂、ポリビニルピレン樹脂などの有機光導電性ポリマー
などを用いることができる。具体的には、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリケトン樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリシラン樹脂な
どの絶縁性樹脂などを例示することができる。これらの
バインダーポリマーは、1種あるいは2種以上組み合わ
せて用いることができる。
3、電荷発生層2、複合層6中において、それぞれ99
〜0重量%、好ましくは70〜30重量%とされる。バ
インダーポリマーの配合量は、電荷輸送媒体、電子発生
媒体などの種類、組み合わせ、配合量などによって適宜
調整される。よって、電荷輸送層3、電荷発生層2、複
合層6中の電荷輸送媒体、電荷発生媒体のそれぞれの配
合量は、それぞれ30〜70重量% とされる。下
限値未満の場合は電荷輸送媒体、あるいは電荷発生媒体
の作用を有効に発揮させることができず、上限値をこえ
るとバインダポリマーがバインダーとしての機能を有さ
ず、成膜性が著しく損なわれる。
リマーとしては、通常用いられる樹脂材料が使用可能で
ある。具体的には、例えば、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン11、ナイロン610、共重合ナイロンお
よびアルコキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶
性ポリアミド樹脂、並びに、カゼイン、ポリビニルアル
コール樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合樹脂、エポキシ樹
脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ニトロセルロースおよびカルボキシメチルセル
ロースなどのセルロース樹脂などを例示することができ
る。これらは1種、あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。
に応じて通常用いられる各種添加剤を添加することがで
きる。添加剤は、一般に後述する塗料調整時に添加され
る。電荷輸送媒体を含む層には、例えば、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、電子吸引性化合物、および、可塑材な
どを添加することができる。電荷発生媒体を含む層に
は、例えば可塑材、電子受容性化合物、電子供与性化合
物などを添加することもできる。アンダーコート層5、
保護層8には、例えば電子受容性化合物、電子供与性化
合物などを添加することもできる。
生媒体を含む電荷発生層2、これらの両方を含む複合層
6は、例えば、電荷輸送媒体もしくは電荷発生媒体、ま
たは電荷輸送媒体と電荷発生媒体の両方を、バインダー
ポリマーとともに溶媒中に溶解、あるいは分散した塗料
を、各層の形成面に塗工、乾燥することによって得るこ
とができる。また、アンダーコート層5、保護層8も同
様に、溶媒中に材料であるポリマーを分散、あるいは溶
解させて塗料とし、この塗料を各層の形成面に塗工、乾
燥することによって得ることができる。
荷輸送媒体とともに分散、溶解させるバインダーポリマ
ーなどの種類によって適宜選択されるが、その塗工時
に、すでに形成されている電荷発生層やアンダーコート
層に影響を与えないものが好ましい。また、電荷発生媒
体を溶解、分散させる溶剤としては、電子発生媒体とと
もに分散、溶解させるバインダーポリマーなどの種類に
よって適宜選択されるが、その塗工時に、すでに形成さ
れている電荷輸送層やアンダーコート層に対して影響を
与えないものから選択することが好ましい。具体的に
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、モノ
クロロベンゼン、および、ジクロロベンゼンなどの芳香
族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、および、
シクロヘキサノンなどのケトン類;メタノール、エタノ
ール、および、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類;酢酸エチルおよびメチルセロソルブなどのエステ
ル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、および、トリクロロエチレンなどの脂肪
族ハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジ
オキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムア
ミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを
例示することができる。アンダーコート層5、保護層8
を形成する塗料の溶媒は特に限定しないが、例えばこれ
らの溶媒から選択して用いることができる。
体と電荷発生媒体とを含む塗料において、電荷輸送媒体
の濃度は10〜30重量%とされる。また、電子輸送媒
体とバインダーポリマーの合計濃度は20〜60重量%
とされる。下限値未満の場合は電荷輸送媒体が十分に溶
媒に溶解しない場合があり、上限値をこえると乾燥工程
に必要なエネルギーが大きくなるからである。電荷発生
媒体、あるいは電荷発生媒体と電荷輸送媒体とを含む塗
料において、電荷発生媒体の塗料中の濃度は、例えば1
0〜30重量%、電荷発生媒体とバインダーポリマーの
合計濃度は20〜60重量%とされる。アンダーコート
層5、保護層8を形成する塗料の材料の濃度は、特に限
定しないが例えば20〜50重量%とされる。
は、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコータ
ー、バーコーター、浸漬コーター、ドクターブレード、
ローラーコーター、カーテンコーター、ビードコータ
ー、スライドホッパーなどの通常の塗工装置を用いて行
うことができる。乾燥は加熱乾燥が好ましく、温度条件
は40〜300℃程度、好ましくは60〜200℃程
度、乾燥時間は2分〜10時間程度、好ましくは10分
〜6時間程度で、静止または送風条件下で行うことがで
きる。
感光体の好適な用途としては、複写機、プリンター、フ
ァクシミリなどのみならず、電子写真製版、太陽電池お
よび電解発光素子などの光電変換素子、光変換素子、並
びに、光ディスク用材料などがあげられる。
細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)アルミニウム基板上に、メトキシメチル化
ナイロン(ユニチカ(株)製、T−8)からなるアンダ
ーコート層(0.1μm厚)を形成し、このアンダーコ
ート層上に、n型チタニルフタロシアニンとポリビニル
ブチラール(積水化学(株)製、BX−1)とを含む電
荷発生層(0.1μm厚)を形成した。電荷発生層中の
n型チタニルフタロシアニンの含有量は45重量%であ
った。さらに、その上に、表1に例示した化合物1と、
ポリカーボネート((三菱瓦斯化学(株)製のユーピロ
ンZ−200)とを、0.8:1の重量比で含有する4
0重量%のジクロロエタン溶液を作製し、この溶液(塗
料)を塗布し、90℃で60分間乾燥させて20μm厚
の電荷輸送層を形成した。この膜の塗工性は良好で、塗
膜強度も充分であった。
社製の静電記録試験装置(EPA-8100)を用いて−6kV
のコロナ放電で帯電させた後に、3秒間暗減衰させ、5
ルックスの白色光を5秒間照射し、その表面電位が1/
2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量(E1/2,
ルックス・秒)を測定した。また、白色光5秒照射後の
残留表面電位(-Vr,ボルト)を測定した。これらの結
果を表7に示した。
合物1にかえて、表8に示した化合物を用いて実施例1
と同様に感光体を作製し、その特性を測定した。結果を
あわせて表8に示した。表8に示した化合物の番号は、
表1〜6に例示した化合物の番号に対応している。な
お、実施例7〜実施例10は、前記一般式(1)、
(2)で示される化合物を混合して用いたものである。
例えば実施例7の1/51=50:1とは、化合物1と
化合物51とを50:1の重量比で用いたことを示して
る。
かえて、表1に例示した化合物51のみを用いて、実施
例1と同様の手順で感光体を作製しようと試みたが、化
合物51単独では、実施例1と同様の40重量%濃度で
は完全に溶媒に溶解せず、塗料を調整できなかった。 (比較例2〜4)電荷輸送媒体として、実施例1で用い
た化合物1にかえて、以下の化学式(101)〜(10
3)で表される化合物を用いて、実施例1と同様にして
感光体を作製し、その特性を測定した。結果を表9に示
した。
実施例1〜10においては、前記一般式(1)で示され
る化合物を単独で用いた場合、あるいは前記一般式
(1)、(2)で示される化合物を混合して用いた場合
のいずれにおいても、電荷輸送媒体以外は同様の構成か
らなる比較例1〜4とくらべて光感度(E1/2)が小さ
く、優れた光感度が得られた。また、1000回後の測
定値も初期測定値とほぼ同程度であって、優れた繰り返
し安定性を示した。なお、いずれの実施例においても塗
料調整時の電荷輸送媒体の溶媒への溶解性は良好であっ
た。
アルミニウムを蒸着させた導電性支持体上に、ポリアミ
ド樹脂(東レ(株)製、A−70)からなるアンダーコ
ート層(0.1μm厚)を形成し、このアンダーコート
層上に、τ型無金属フタロシアニンと、ブチラール樹脂
(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#300
0)を含む電荷発生層(0.1μm厚)を形成した。電
荷発生層中のτ型無金属フタロシアニンの含有量は50
重量%であった。
化合物1を用い、酸化防止剤(日本チバガイギー(株)
製、IRGANOX1010)を、電荷輸送媒体に対し
て1.5重量%加えて実施例1と同様にして感光体を作
製した。この感光体について実施例1と同様の測定を行
った結果を表10に示した。
た化合物1にかえて、表11に示した化合物を用いて実
施例11と同様に感光体を作製し、その特性について測
定した。表11に示した化合物の番号は、表1〜6に例
示した化合物の番号に対応している。なお、実施例17
〜実施例20は、前記一般式(1)、(2)で示される
化合物を混合して用いたものである。例えば実施例17
の2/52=50/5は、化合物2と化合物52とを5
0:5の重量比で用いたことを示している。
化学式(104)で示される化合物(6)を用いて、実
施例11と同様にして感光体を作製した。この感光体の
測定結果を、表12に示した。
係る実施例11〜20においては、前記一般式(1)で
示される化合物を単独で用いた場合、あるいは前記一般
式(1)、(2)で示される化合物を混合して用いた場
合のいずれにおいても、電荷輸送媒体以外は同様の構成
からなる比較例5と比べて、優れた光感度および繰り返
し安定性を示した。なお、いずれの実施例においても塗
料調整時の電荷輸送媒体の溶媒への溶解性は良好であっ
た。
いては、初期の半減露光量の値から、優れた光感度特性
を有することが確認され、かつ、初期の半減露光量の値
と1000回後の値との差が小さいことから、残留電位
とともに暗減衰が小さく、また光疲労が少ないため良好
な繰り返し安定性を有することが確認できた。また、い
ずれの実施例においても、電荷輸送媒体は溶媒に対して
良好な溶解性を示したので、高濃度の塗料を調整でき、
溶媒使用量の削減を実現できることが明らかとなった。
感光体は、前記一般式(1)で示される化合物から選ば
れる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体として含む
感光層、あるいは、前記一般式(1)で示される化合物
から選ばれる少なくとも1つの化合物と前記一般式
(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの
化合物とを電荷輸送媒体として含有する感光層を備えて
いるため、優れた光感度特性を有し、残留電位とともに
暗減衰が小さく、また光疲労が少ないため良好な繰り返
し安定性を有する。また、本発明において用いる電荷輸
送媒体は溶媒に対して良好な溶解性を示すため、塗料濃
度を高くすることができ、溶媒使用量を削減することが
できる。
4…感光層、5…アンダーコート層、6…複合層、8…
保護層。
Claims (3)
- 【請求項1】 以下の一般式(1)で示される化合物か
ら選ばれる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体とし
て含有する感光層を備えていることを特徴とする電子写
真感光体。 【化1】 (式中、Ar1〜Ar6は置換基を有していてもよいフ
ェニル基を示す。Ar1〜Ar6上の置換基は、炭素数
が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキ
シ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数
が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、こ
れらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよ
く、同一でも異なっていてもよい。R1〜R6は水素ま
たはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。
R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は水
素、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4
のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ
基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素
であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R1
4,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が
1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖ア
ルコキシ基を示し、同一でも異なっていても良い。) - 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真感光体にお
いて、感光層が以下の一般式(2)で示される化合物か
ら選ばれる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体とし
て含有していることを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、Ar1〜Ar6は置換基を有していてもよいフ
ェニル基を示す。Ar1〜Ar6上の置換基は、炭素数
が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキ
シ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数
が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、こ
れらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよ
く、同一でも異なっていてもよい。R1〜R6は水素ま
たはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。
R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は水
素、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4
のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ
基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素
であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R1
4,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が
1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖ア
ルコキシ基を示し、それぞれ同一でも異なっていても良
い。) - 【請求項3】請求項1又は2に記載の電子写真感光体に
おいて、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とを有し、該
電荷輸送層が電荷輸送媒体を含有していることを特徴と
する電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31304699A JP3506071B2 (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31304699A JP3506071B2 (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 電子写真感光体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003366711A Division JP2004046260A (ja) | 2003-10-27 | 2003-10-27 | 電子機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001133994A JP2001133994A (ja) | 2001-05-18 |
JP3506071B2 true JP3506071B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=18036562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31304699A Expired - Fee Related JP3506071B2 (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3506071B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4174391B2 (ja) | 2002-08-30 | 2008-10-29 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
WO2014157115A1 (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | 三菱化学株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
-
1999
- 1999-11-02 JP JP31304699A patent/JP3506071B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001133994A (ja) | 2001-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2940502B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JPS6314156A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP3196568B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
EP0498641B1 (en) | Electrophotographic photoreceptor | |
JP2934983B2 (ja) | 塗布液 | |
US7291432B2 (en) | Imaging members | |
JP3506071B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
US5424158A (en) | Photosensitive material for electrophotography comprising metal free phthalocyanine molecularly dispersed in the binder polymer | |
EP1235117B1 (en) | Imaging members | |
JP3114308B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JPH05204175A (ja) | 電子写真用感光体 | |
JPH04290852A (ja) | ビススチリル化合物及び電子写真感光体 | |
JP2003270812A (ja) | 電子写真感光体 | |
JPH055359B2 (ja) | ||
JPH0516018B2 (ja) | ||
JP2606111B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JPH0516019B2 (ja) | ||
JP2899833B2 (ja) | 塗布液 | |
JPH0435756B2 (ja) | ||
JP4118225B2 (ja) | 電子写真感光体および画像形成装置 | |
JPH05224440A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP3097159B2 (ja) | 感光体 | |
JP2004046260A (ja) | 電子機器 | |
JP2899834B2 (ja) | 塗布液 | |
JPH05197172A (ja) | 電子写真感光体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031125 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031208 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071226 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101226 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101226 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |