JP2003293174A - マグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液及び表面処理方法 - Google Patents

マグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液及び表面処理方法

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JP2003293174A
JP2003293174A JP2002104289A JP2002104289A JP2003293174A JP 2003293174 A JP2003293174 A JP 2003293174A JP 2002104289 A JP2002104289 A JP 2002104289A JP 2002104289 A JP2002104289 A JP 2002104289A JP 2003293174 A JP2003293174 A JP 2003293174A
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Masanobu Yomogihara
正伸 蓬原
Hisafumi Maejima
尚史 前島
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
Kiyotada Yasuhara
清忠 安原
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく、かつ、環境や人体に悪影響を及ぼ
すことがなく、安全に離型剤を除去することができるマ
グネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液を提
供する。 【解決手段】 界面活性剤Aと消泡剤Bとからなるマグ
ネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液であっ
て、AとBとの質量比は、A/B=100/0〜80/
20であり、AとBとの合計濃度が100〜5000p
pmであるマグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチ
ング溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム金属
及び/又は合金用酸エッチング溶液、並びに、マグネシ
ウム金属及び/又は合金の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム合金部材、製品の成形は、
一般的には圧延法、ダイキャスト法や射出成形法で行わ
れる。これらの方法で成形されたマグネシウム合金に
は、成形過程で使用される機械油や離型剤が付着、浸透
しており、特に、ダイキャスト法やチクソモールディン
グ法で成形されたマグネシウム合金には、離型剤が合金
表面から20〜40μmの深さにまで浸透していると言
われている。
【0003】マグネシウム合金において、陽極酸化、化
成処理等の防食処理の前に行われる洗浄工程は、表面に
ゆるく付着した油分の除去を行う脱脂工程と、合金をエ
ッチングし、合金表面から内部に存在する油分の除去を
行う酸エッチング工程と、合金表面に付着したスマット
の除去を行う脱スマット工程と、により行われるのが一
般的である。
【0004】このような酸エッチング工程は、従来、リ
ン酸、硝酸等の無機酸、シュウ酸、酢酸等の有機酸を使
用することによって行われており、上記洗浄工程を行う
ことにより、ある程度の汚染レベルであるマグネシウム
合金の洗浄を行うことができていた。
【0005】しかしながら、汚染が激しかったり、洗浄
し難い離型剤が浸透している場合に、合金表面から内部
に存在する離型剤等の油分を充分に除去することが困難
となる。このため、マグネシウム合金部材、製品に充分
な耐食性を付与できず、電気抵抗の増大、塗膜剥離等の
問題が生じ、また、次工程である防食処理、塗装を行う
ことができないために不良品となり、歩留まりを低下さ
せてしまう。
【0006】また、上記洗浄工程では、充分に洗浄でき
ない場合には、脱脂、酸エッチング工程を行う前に、予
め有機溶剤で溶解、除去する方法を用いることがある
が、工程を加えることになり、生産効率の上で好ましく
なく、有機溶剤の使用により、作業環境の悪化による人
体、環境への悪影響、火災発生の危険性等の問題も生じ
る。
【0007】更に、化学的に溶解させる方法とは全く別
に、表面処理を行う前に、機械的に研磨することは、離
型剤除去に有効であるが、研磨の際に生じるマグネシウ
ム粉末は、大気中で発火することがあるため、火災発生
の危険がある。また、過度な研磨により寸法不良を引き
起こす場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、効率よく、かつ、環境や人体に悪影響を及ぼすこ
とがなく、安全に離型剤を除去することができるマグネ
シウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明は、界面活性剤A
と消泡剤Bとからなるマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液であって、AとBとの質量比は、A
/B=100/0〜80/20であり、AとBとの合計
濃度が100〜5000ppmであることを特徴とする
マグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液で
ある。上記界面活性剤Aは、HLBが11〜15のノニ
オン型界面活性剤であることが好ましい。
【0010】上記マグネシウム金属及び/又は合金用酸
エッチング溶液は、更に、ケイフッ化水素酸、ジルコン
フッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、フッ化水素ナトリ
ウム、フッ化水素カリウム及びフッ酸からなる群より選
ばれる少なくとも1のフッ素化合物C、並びに、リン
酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる群より選ば
れる少なくとも1の酸Dを含有するものであり、フッ素
イオン及び/又はフッ素錯イオンの含有量は、0.01
〜0.5g/Lであり、上記フッ素化合物Cと上記酸D
との合計濃度は、0.2〜10g/Lであることが好ま
しい。
【0011】本発明はまた、酸エッチング工程からなる
マグネシウム金属及び/又は合金の表面処理方法であっ
て、上記酸エッチング工程は、上記マグネシウム金属及
び/又は合金用酸エッチング溶液を用いて、マグネシウ
ム金属及び/又は合金に酸エッチング処理を行う工程で
あることを特徴とするマグネシウム金属及び/又は合金
の表面処理方法である。以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0012】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、マグネシウム金属及び/又は合
金の酸エッチング処理に使用する酸エッチング溶液であ
る。上記マグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチン
グ溶液(以下、「酸エッチング溶液」とも称する)を用
いてマグネシウム金属及び/又は合金表面を酸エッチン
グ処理することにより、マグネシウム金属や合金表面に
付着したり、マグネシウム金属や合金内部に浸透してい
る離型剤等の油分を除去することができ、優れた耐食性
と塗膜密着性とを付与することができる。上記酸エッチ
ング溶液は、脱脂、水洗、酸エッチング、水洗、脱スマ
ット、化成処理、水洗、乾燥という一般的な洗浄工程で
の酸エッチング工程に使用することができるものであ
る。
【0013】本発明におけるマグネシウム合金とは、マ
グネシウム金属を主体とする合金をいう。上記マグネシ
ウム合金に含まれるマグネシウム以外の金属としては、
例えば、アルミニウム、マンガン、亜鉛等を挙げること
ができる。
【0014】上記マグネシウム合金としては、特に限定
されず、例えば、AZ31、AZ91、AZ91D、A
M60、AM50、AZ31B等を挙げることができ
る。ここで、表記のAZやAMは、添加されている金属
元素を示す。Aはアルミニウムであり、Mはマンガン、
Zは亜鉛である。これら表記に続く数字は、これら添加
元素の添加濃度を表しており、例えば、AZ91であれ
ば、アルミニウムが9質量%であり、亜鉛が1質量%で
あることを示している。本明細書においては、上記表記
法において、Mが0とは、Mnの含有量が1質量%未満
という意味である。
【0015】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、圧延、ダイキャスト法又はチク
ソモールディング法によって成形されたマグネシウム金
属やマグネシウム合金に用いることもでき、特にAZ9
1、AM60、AM50等ダイキャスト法又はチクソモ
ールディング法によって成形されたものの離型剤の除去
に、特に効果を発揮する。ダイキャスト法又はチクソモ
ールディング法は、溶融又は半溶融状態のマグネシウム
金属や合金を高速、高圧で金型に注入して成形するもの
である。
【0016】一般的に鋳造に際し、鋳造毎に金型表面に
水系又はエマルジョン系の離型剤を塗布しているため、
成形後のマグネシウム金属、合金の表面には離型剤が強
固に付着しており、また、付着した離型剤は、溶融した
マグネシウム金属、合金の熱によって変質し、離型剤の
一部は素材の内部まで巻き込まれているため、洗浄しに
くい状態になっている。このため、従来のエッチング剤
では内部まで浸透している離型剤を除去することが困難
であり、得られるマグネシウム金属、合金部材の耐食
性、塗膜密着性が不充分であるが、本発明のマグネシウ
ム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液は、界面活性
剤Aと消泡剤Bとからなるものであるため、このような
マグネシウム金属、合金に対しても充分な耐食性、塗膜
密着性を付与することができるものである。
【0017】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、界面活性剤Aと消泡剤Bとから
なるものである。これにより、離型剤に対する浸透性を
高め、発泡性を抑制することができ、上記酸エッチング
溶液の洗浄性を高めることができる。なお、後述するよ
うに、本発明のマグネシウム金属及び/又は合金用酸エ
ッチング溶液において、AとBとの質量比は、A/B=
100/0〜80/20であることから、上記界面活性
剤Aは必須成分であり、上記消泡剤Bは任意成分であ
る。
【0018】上記界面活性剤Aは、マグネシウム金属及
び/又は合金に付着、浸透している離型剤等の油分に対
する上記酸エッチング溶液の浸透性を向上する効果を有
するものであり、洗浄性の向上に寄与するものである。
【0019】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、界面活性剤Aを含有するもので
あることから、界面活性剤を含有しないものに比べて、
金属や合金表面に付着していたり、内部に浸透している
離型剤に対する浸透性が高められているものである。こ
れにより、離型剤が強固に付着していたり、離型剤の一
部が素材の内部に浸透しているマグネシウム金属や合金
に本発明のマグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチ
ング溶液を用いる場合においても、上記酸エッチング溶
液は、離型剤の除去性能に優れるものであり、優れた耐
食性、塗膜密着性を付与することができるものである。
【0020】上記界面活性剤Aとしては、酸エッチング
溶液の離型剤に対する浸透性を向上する効果を有するも
のであれば特に限定されず、例えば、ノニオン型界面活
性剤、アニオン型界面活性剤等を挙げることができる。
【0021】上記ノニオン型界面活性剤としては特に限
定されず、従来公知のものを使用することができるが、
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキ
ルは通常炭素数6〜16)、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル(アルキルは通常炭素
数6〜16)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル(アルキルは通常炭素数6〜16、アリールは通
常フェニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常炭素数6
〜16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミノエーテル(アルキルは通常炭素数6〜
16)、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エス
テル(通常モノエステル、高級脂肪酸は通常炭素数12
〜18の飽和又は不飽和一価脂肪酸)、ポリオキシエチ
レン高級脂肪酸エステル(通常モノ又はジエステル、高
級脂肪酸は通常炭素数12〜18の飽和又は不飽和一価
脂肪酸)、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド
共重合体等を挙げることができる。
【0022】なかでも、洗浄性の観点から、ポリオキシ
エチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチ
ルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニル
エーテル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド
共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノ
ニルフェニルエーテル等が好ましい。また、上記ノニオ
ン型界面活性剤としては、市販品を用いることもでき
る。
【0023】上記界面活性剤Aは、HLBが下限11、
上限15のノニオン型界面活性剤であることが好まし
い。上記界面活性剤Aとしてノニオン型界面活性剤を用
いる場合には、アニオン型界面活性剤を用いる場合に比
べて、酸によって物性の影響が受けにくく、酸条件でも
好適な浸透性を示すことから好ましく用いることがで
き、上記HLBが下限11、上限15である場合には、
マグネシウム金属、合金表面への濡れ性と離型剤の乳化
分散性に優れている。11未満であると、酸エッチング
溶液での分散性が悪く、洗浄性も充分ではないおそれが
ある。15を超えると、離型剤を充分除去できないおそ
れがある。なお、本発明におけるHLBは、グリフィン
の計算式で求められたものである。
【0024】上記HLBが下限11、上限15のノニオ
ン型界面活性剤の市販品としては、例えば、PC−6、
PC−8、PC−10、PC−13(商品名、旭電化社
製)、EM−110、MS−110、LS−106、L
S−110、LS−114(商品名、花王社製)等を挙
げることができる。なかでも、洗浄性及び破泡性の観点
から、PC−8が好ましい。これらのノニオン型界面活
性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0025】上記アニオン型界面活性剤としては特に限
定されず、従来公知のものを使用することができるが、
例えば、高級脂肪酸塩(高級脂肪酸は通常炭素数12〜
18の飽和又は不飽和一価脂肪酸)、アルキル硫酸エス
テル塩(アルキルは通常炭素数12〜18)、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩(アルキルは通常炭素数11〜1
5)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(アルキルは通
常炭素数4程度のアルキル)、ジアルキルスルホコハク
酸エステル塩(2つのアルキルの合計炭素数は通常10
〜20)、アルキルリン酸エステル塩(アルキルは通常
炭素数12〜18のアルキル)、ホルマリン縮合ナフタ
レンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エ
ステル塩(アルキルは通常炭素数8又は9)、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニル硫酸エステル塩(アルキル
は通常炭素数8又は9)等を挙げることができる。上記
アニオン型界面活性剤の塩は、通常アルカリ金属塩であ
り、なかでも、ナトリウム塩を用いるのが好ましい。
【0026】上記アニオン型界面活性剤としては、市販
品を用いることもできる。市販品としては特に限定され
ず、例えば、ペレックスSS−H(商品名、花王社製)
等を挙げることができる。これらのアニオン型界面活性
剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0027】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、消泡剤Bを含有するものである
場合には、酸性溶液が低発泡性となり、溶液中で激しく
水素発生するマグネシウム合金製品に対して酸エッチン
グ処理を行う場合でも作業性に優れている。特に、界面
活性剤AとしてHLBの高いノニオン型界面活性剤が用
いられる場合には、HLBが高くなると、浸透性は高い
が発泡する傾向が強くなるため、上記消泡剤Bをノニオ
ン型界面活性剤と併用することが好ましい。
【0028】上記消泡剤Bとしては、消泡効果を有する
ものであれば特に限定されず、例えば、鉱油系、シリコ
ーン系、アセチレンアルコール系消泡剤等の従来公知の
消泡剤を挙げることができる。なかでも、上記界面活性
剤とともに使用する場合の消泡効果の観点から、鉱油系
消泡剤であることが好ましい。
【0029】上記鉱油系消泡剤としては、鉱油系で消泡
効果を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポ
リオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数1
1〜16)を挙げることができる。
【0030】上記ポリオキシアルキレンエーテル(アル
キレン基の炭素数11〜16)の市販品としては、例え
ば、B940(商品名、アデカ社製)等を挙げることが
できる。
【0031】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液において、上記界面活性剤Aと上記
消泡剤Bとの質量比は、A/B=100/0〜80/2
0である。上記A/Bの上限は、92/8であることが
好ましく、95/5であることがより好ましい。上記A
/Bの下限は、88/12であることが好ましく、85
/15であることがより好ましい。Aの比率が低いと充
分な浸透力が得られず、洗浄能力が低下するおそれがあ
り、Bの比率が低いと発泡が激しくなるおそれがある。
【0032】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液において、上記界面活性剤Aと上記
消泡剤Bとの合計濃度は、質量基準で、下限100pp
m、上限5000ppmである。上記下限は、500p
pmであることが好ましく、1500ppmであること
がより好ましい。100ppm未満であると、充分な効
果が得られないおそれがあり、5000ppmを超える
と、特別な効果の向上が見られないので経済的に利点が
なくなるおそれがある。
【0033】上記界面活性剤Aと上記消泡剤Bとの組み
合わせとしては、洗浄性、形成される化成皮膜の品質に
影響しない組み合わせであれば特に限定されないが、M
S−110とB940、EM−110とB−940、P
C−8とPC−6等の組み合わせが好ましい。また、上
記界面活性剤Aを単独で用いる場合に有効な洗浄性を示
すものとしては、例えば、ペレックスSS−H、PC−
8等を挙げることができる。
【0034】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、更に、フッ素化合物Cを含有す
ることができる。上記フッ素化合物Cとしては、フッ素
を含む化合物であれば特に限定されず、例えば、ケイフ
ッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化水素
酸、フッ化水素ナトリウム、フッ化水素カリウム、フッ
酸等を挙げることができる。
【0035】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、更に、酸Dを含有することもで
きる。上記酸Dとしては特に限定されず、例えば、リン
酸、亜リン酸、次亜リン酸、硝酸、硫酸等の無機酸;シ
ュウ酸、酢酸等の有機酸等を挙げることができる。な
お、本明細書において、上記酸Dは、上記フッ素化合物
Cとして挙げたケイフッ化水素酸、ジルコンフッ化水素
酸、チタンフッ化水素酸、フッ酸を含まない。
【0036】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、更に、上記フッ素化合物Cと上
記酸Dとを含有することが好ましい。上記フッ素化合物
Cと上記酸Dとを含有する場合としては、ケイフッ化水
素酸、ジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、フ
ッ化水素ナトリウム、フッ化水素カリウム及びフッ酸か
らなる群より選ばれる少なくとも1のフッ素化合物C、
並びに、リン酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からな
る群より選ばれる少なくとも1の酸Dを含有するもので
あることが好ましい。これにより、マグネシウム金属や
合金に対するエッチング性能をより向上させることがで
きる。
【0037】上記フッ素化合物Cと上記酸Dとを含有す
る場合としては、エッチング性能の観点から、ケイフッ
化水素酸、並びに、リン酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び
酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1の酸を用いる
ことがより好ましく、ケイフッ化水素酸及びリン酸を用
いることが更に好ましい。また、ケイフッ化水素酸と硝
酸との組み合わせ、ケイフッ化水素酸と硝酸と硫酸との
組み合わせ等として用いることもできる。なお、上記酸
Dとしてシュウ酸を用いる場合には、上記フッ素化合物
としてケイフッ化水素酸を用いる場合と同等の効果が得
られるがシュウ酸はステンレスに対して腐食性を有する
ので、その使用には製造ラインの素材に制限を受ける。
【0038】上記酸エッチング溶液におけるフッ素イオ
ン及び/又はフッ素錯イオンの含有量は、下限0.01
g/L、上限0.5g/Lであることが好ましい。0.
01g/L未満であると、アルミニウムを含有する合金
を酸エッチング処理する場合、アルミニウム成分の溶解
が充分でないおそれがあり、0.5g/Lを超えると、
アルミニウムを選択的に溶解することにより合金表面の
粗度が高くなるおそれがある。上記下限は、0.05g
/Lであることがより好ましく、上記上限は、0.1g
/Lであることがより好ましい。
【0039】上記フッ素イオン、フッ素錯イオンの供給
源としては特に限定されず、例えば、フッ酸、フッ化水
素酸塩、フッ化硼素酸塩等を挙げることができる。なか
でも、エッチング性能の観点から、フッ酸、フッ化水素
酸塩が好ましく、ケイフッ化水素酸がより好ましい。
【0040】上記酸エッチング溶液において、上記フッ
素化合物Cと上記酸Dとの合計濃度は、下限0.2g/
L、上限10g/Lであることが好ましい。0.2g/
L未満であると、エッチング性能が充分でないおそれが
あり、10g/Lを超えると、経済的に利点がなくなる
おそれがある。上記下限は、3g/Lであることがより
好ましく、上記上限は、7g/Lであることがより好ま
しい。
【0041】上記酸エッチング溶液において、上記フッ
素化合物C及び上記酸Dとして、ケイフッ化水素酸、並
びに、リン酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる
群より選ばれる少なくとも1の酸を用いる場合には、上
記フッ素錯イオンの含有量としては、下限0.05g/
Lであることがより好ましく、上限0.1g/Lである
ことがより好ましい。また、上記フッ素化合物C及び上
記酸Dの合計濃度としては、下限0.2g/Lであるこ
とが好ましく、上限10g/Lであることが好ましい。
上記酸エッチング溶液における酸としてケイフッ化水素
酸比率が低いと、充分な洗浄性が得られないおそれがあ
り、ケイフッ化水素酸比率が高くなると、表面の粗度が
高くなるおそれがある。
【0042】上記フッ素化合物C及び上記酸Dとして、
ケイフッ化水素酸、並びに、リン酸、硝酸、硫酸、シュ
ウ酸及び酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1の酸
を含有する酸エッチング溶液は、溶液に含まれるフッ素
錯イオンがアルミニウムを溶解し、均一なエッチングを
施すことができることかから、特にアルミニウムを含有
するマグネシウム合金の表面処理に適している。この場
合、上記酸エッチング溶液において、ケイフッ化水素酸
の含有量が少ないと、アルミニウム成分の溶解が不充分
となり、充分な洗浄性が得られないおそれがある。ケイ
フッ化水素酸の含有量が多くなると、選択溶解により合
金表面の粗度が高くなるおそれがある。
【0043】上記酸エッチング溶液において、上記フッ
素化合物C及び上記酸Dとして、ケイフッ化水素酸及び
リン酸を用いる場合には、上記フッ素錯イオンの含有量
としては、下限0.05g/Lであることがより好まし
く、上限0.1g/Lであることがより好ましい。ま
た、上記フッ素化合物C及び上記酸Dの合計濃度として
は、下限3g/Lであることがより好ましく、上限7g
/Lであることがより好ましい。上記酸エッチング溶液
において、ケイフッ化水素酸比率が低いと、特にアルミ
ニウムを含有するマグネシウム合金の場合、アルミニウ
ム成分の溶解が不充分となり、充分な洗浄性が得られな
いおそれがある。ケイフッ化水素酸比率が高くなると、
選択溶解により合金表面の粗度が高くなるおそれがあ
る。
【0044】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
の表面処理方法は、酸エッチング工程からなるマグネシ
ウム金属及び/又は合金の表面処理方法であって、上記
酸エッチング工程は、上記マグネシウム金属及び/又は
合金用酸エッチング溶液を用いて、マグネシウム金属及
び/又は合金に酸エッチング処理を行う工程である。
【0045】上記酸エッチング工程は、酸エッチング溶
液を用いてマグネシウム金属及び/又は合金をエッチン
グして溶解せしめ、金属、合金内部に浸透した離型剤等
の油分を除去することにより、優れた耐食性、塗膜密着
性をマグネシウム金属及び/又は合金に付与することを
目的として行われる工程である。本発明のマグネシウム
金属及び/又は合金の表面処理方法においては、上記酸
エッチング工程に用いられる酸エッチング溶液が界面活
性剤を含有するものであり、これにより、マグネシウム
金属や合金内部に浸透した離型剤等の油分を除去するこ
とができることから、通常の表面処理方法で行われる脱
脂工程を省略することもできる。
【0046】上記酸エッチング工程において、酸エッチ
ング処理液の温度は、室温から沸点の範囲で用いること
ができるが、下限は、40℃であることが好ましく、上
限は、80℃であることが好ましく、50℃であること
がより好ましい。40℃未満であると、溶解速度が遅
く、不効率となるおそれがあり、80℃を超えると、溶
液の蒸発や熱源の確保等の無駄なことが多くなるおそれ
があり、特別な効果の向上も期待できない。
【0047】上記酸エッチング工程において、上記酸エ
ッチング処理液の処理時間は特に限定されず、酸エッチ
ング溶液の組成、濃度、温度、マグネシウム金属、合金
の種類等により適宜設定すればよいが、合金の品質の良
い場合は、通常1〜5分程度で充分である。1分未満で
あると、耐食性や塗膜密着性が低下するおそれがあり、
5分を超えると、経済的に利点がなくなるおそれがあ
る。ただし、合金の品質の悪い場合は、エッチング時間
をそれ以上に長くする必要があり、浴条件にもよるが、
5〜20分であることが好ましい。
【0048】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
の表面処理方法として好ましい形態としては、酸エッチ
ング工程、脱スマット工程及び化成処理工程からなるマ
グネシウム金属及び/又は合金の表面処理であって、上
記酸エッチング工程は、上記マグネシウム金属及び/又
は合金用酸エッチング溶液を用いて、マグネシウム金属
及び/又は合金に酸エッチング処理を行う工程であるも
のを挙げることができる。
【0049】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
の表面処理方法においては、上記酸エッチング工程を行
う前に、所望により脱脂工程を行うこともできる。上記
脱脂工程は、金属、合金表面にゆるく付着した機械油や
離型剤等の油分を除去し、酸エッチング溶液のマグネシ
ウム金属、合金への濡れ性を向上させることを目的とし
て行われる工程であるが、本発明ではこの目的に制限さ
れるものではない。上記脱脂工程に使用される脱脂剤と
しては、例えば、界面活性剤を含むアルカリ性洗浄剤等
の従来公知のものを用いることができる。
【0050】上記脱脂工程は、通常30〜55℃におい
て数分間程度の浸漬処理がなされるものである。所望に
より、脱脂工程の前に、予備脱脂工程を行うこともでき
る。上記予備脱脂は、水又は水に少量のアルコール(例
えば、エタノール、プロパノール等)を含む溶液を用い
て、通常、25〜50℃で数分間の浸漬処理がなされる
ものである。上記脱脂工程後には、脱脂工程後の脱脂剤
を水洗するために、大量の水洗水によって1回又はそれ
以上でスプレー処理により水洗処理を行うことができ
る。
【0051】上記酸エッチング工程後には、酸エッチン
グ工程後の酸エッチング溶液を水洗するために、大量の
水洗水によって1回又はそれ以上でスプレー処理により
水洗処理を行うことができる。
【0052】上記脱スマット工程は、付着している離型
剤の除去、合金表面に偏析したアルミニウムの除去等を
目的として行われる工程である。上記脱スマット工程の
方法としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
アンモニア等の従来公知のアルカリ性化合物を主成分と
する水溶液により行う方法を挙げることができる。な
お、上記脱スマット工程は、未塗装耐食性が必要なく、
優れた塗膜密着性を有するものを得る場合には、省略す
ることもできる。
【0053】上記化成処理工程は、マグネシウム金属、
合金表面に安定なマグネシウムの酸化物や水酸化物、リ
ン酸化合物の化成皮膜を形成して、耐食性や塗膜密着性
をマグネシウム金属、合金に付与する工程である。
【0054】上記化成処理工程は、製品の使用環境等を
考慮して適宜処理方法を決定することができ、クロム
系、マンガン系、ジルコニウム系等の従来公知の化成処
理方法を用いることができる。クロム系化成処理は、ク
ロム酸が高い酸化力をもち、それ自身が洗浄能力を持つ
ことから、幅広いマグネシウム合金製品に用いられる
が、6価クロムは人体、環境に悪影響を与えるので、使
用すべきでない。マンガン系、ジルコニウム系化成処理
を用いる場合、処理前の離型剤の除去が不充分である
と、充分な耐食性、塗膜密着性等を付与できないことが
多いが、化成処理前に、上記酸エッチング溶液を用いて
酸エッチング工程を行うことにより、離型剤の除去を充
分に行うことができ、耐食性、塗膜密着性に優れるもの
を得ることができる。
【0055】上記化成処理工程後には、その後の塗装後
の塗膜外観等に悪影響を及ぼさないようにするために、
1回又はそれ以上の水洗処理を行うことができる。この
場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当であ
る。この水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水
洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗
することもできる。上記化成処理工程後における水洗処
理の後は、公知の方法に従って、必要に応じて乾燥さ
れ、その後、電着塗装、粉体塗装を行うことができる。
【0056】本発明のマグネシウム金属及び/又は合金
用酸エッチング溶液は、界面活性剤Aを含有するもので
あることから、金属や合金に浸透している離型剤に対す
る浸透性が高く、離型剤等の疎水性物質で汚染されたマ
グネシウム金属及び/又は合金に対しても高い洗浄性を
示すものである。また、消泡剤Bを含有する場合には、
低発泡性であることから、酸性溶液中で激しく水素が発
生するマグネシウム金属、合金製品に適用しても作業性
に優れるものである。これにより、上記マグネシウム金
属及び/又は合金用酸エッチング溶液を用いて酸エッチ
ング処理を行う酸エッチング工程からなる表面処理方法
は、離型剤等に対して高い洗浄性を示すものである。
【0057】従って、上記マグネシウム金属及び/又は
合金用酸エッチング溶液、上記マグネシウム金属及び/
又は合金の表面処理方法は、優れた耐食性と塗膜密着性
を必要とする自動車部材や、それらの他に電気伝導性が
要求される電子機器のマグネシウム部材の表面処理に好
適に用いられる。また、上記酸エッチング工程に次いで
化成処理工程を行う場合には、酸エッチング工程によっ
て金属、合金に浸透している離型剤等の油分を充分に除
去することができることから、マンガン系、ジルコニウ
ム系化成処理等のノンクロム化成処理で化成処理を行う
方法で優れた耐食性、塗膜密着性を付与することがで
き、ノンクロム化成処理を適用できるマグネシウム製品
の幅を広げることが期待できる。
【0058】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り
「質量部」を意味する。
【0059】実施例1 板厚2mmのチクソモールディング製マグネシウム合金
AZ91D試験板を、以下に示した条件で、酸エッチン
グ、水洗、脱スマット、水洗、化成処理、水洗、を行
い、乾燥した後、粉体塗装を行った。水洗は、水道水シ
ャワーで行い、他の各工程は、全てディップ方式で処理
を行った。乾燥は電気乾燥機で100℃、20分間行っ
た。
【0060】〔工程〕 (A)酸エッチング工程 処理液:酸エッチング溶液 処理温度:50℃ 処理時間:2分間 なお、処理液組成は、HSiFが0.7g/L、H
POが5.0g/L、PC−8(商品名、旭電化社
製)が1000ppmである。 (B)脱スマット工程 処理液:5容量%マグダインSF300 アルカリエッ
チング溶液 処理温度:60℃ 処理時間:5分 (C)化成処理工程 処理液:20質量%マグダインSF572(日本ペイン
ト社製) pH:11.5 処理温度:80℃ 処理時間:2分
【0061】得られた試験板を用いて、下記方法で、未
塗装耐食性、化成皮膜電気抵抗、塗装後耐食性、塗膜密
着性を評価し結果を表1に示した。未塗装耐食性 塩水噴霧試験:試験板に5%食塩水を35℃で噴霧し、
48時間経過後の未腐食部分の残存率を目視で評価し
た。
【0062】化成皮膜電気抵抗 表面抵抗測定装置EP−T360(キーエンス社製)を
用いて2探針法で、試験板に形成された化成皮膜の9ヶ
所を測定して、最大値と最小値を除いた7点の値の平均
値を電気抵抗値とした。
【0063】塗装後耐食性 試験板にマグダインPD−E(エポキシ系粉体塗料、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚40μmとなるように塗装
し、160℃20分間焼き付けて粉体塗装した試験板を
作成した。これに金属製カッターで素地までのクロスカ
ットを入れ、塩水噴霧試験にかけ、120時間後にクロ
スカット部に粘着テープを圧着して剥離したときの塗膜
剥離幅で評価した。
【0064】塗膜密着性 (1)同様の方法によって粉体塗装した試験板を120
時間塩水噴霧試験にかけ、その後取り出した塗装板に1
mm間隔の碁盤目を100個作り、粘着テープを貼り付
けて剥離した。残存した碁盤目の数を測定し評価した。 (2)粉体塗装した試験板を50℃の温水に120時間
浸漬する。その後取り出した試験板に1mm間隔の碁盤
目を100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。
残存した碁盤目の数を測定し評価した。
【0065】実施例2 実施例1の工程から脱脂工程を除いて、酸エッチング工
程の処理時間を5分に変更した以外は、実施例1と同様
にして試験板を作製した。次いで、実施例1と同様にし
て評価し、得られた結果を表1に記載した。
【0066】実施例3 酸エッチング工程における酸エッチング溶液中の組成に
おいて、PC−8を1000ppmの代わりに、MS−
110を900ppm、B940を100ppmに変更
した以外は、実施例2と同様にして試験板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして評価し、得られた結果を
表1に記載した。
【0067】比較例1 実施例1の酸エッチング溶液の組成からPC−8を除去
した組成の酸エッチング溶液に変更した以外は、実施例
1と同様にして試験板を作製した。次いで、実施例1と
同様にして評価し、得られた結果を表1に記載した。
【0068】比較例2 比較例1の酸エッチング工程における処理時間を5分に
変更した以外は、比較例1と同様にして試験板を作製し
た。次いで、実施例1と同様にして評価し、得られた結
果を表1に記載した。
【0069】比較例3 実施例2の酸エッチング溶液の組成からMS−100、
B940を除去した組成の酸エッチング溶液に変更した
以外は、実施例2と同様にして試験板を作製した。次い
で、実施例1と同様にして評価し、得られた結果を表1
に記載した。
【0070】比較例4 実施例2のMS−100を700ppm、B940を3
00ppmに変更した以外は、実施例2と同様にして試
験板を作製した。次いで、実施例1と同様にして評価
し、得られた結果を表1に記載した。
【0071】
【表1】
【0072】表1から、実施例により得られた試験板
は、比較例により得られたものに比べて、優れた耐食
性、塗膜密着性を示し、高い皮膜電気抵抗値を示すもの
であった。これにより、チクソモールディング製マグネ
シウム合金に対して好適に用いることができるものであ
ることが判った。
【0073】
【発明の効果】本発明のマグネシウム金属及び/又は合
金用酸エッチング溶液及び表面処理方法は、上述した構
成よりなるので、効率よく、かつ、環境や人体に悪影響
を及ぼすことがなく、安全にマグネシウム金属や合金中
の油分、主として離型剤を除去することができる。これ
により、工程数を短縮することができ、また、洗浄性が
高いことから、対応できる合金の品質が広がり、歩留ま
りの改善が期待できる。当然、既存のクロメート処理設
備、マンガン系化成処理設備にそのまま適応できるもの
であるため、新たな設備投資の必要もない。更に、浸漬
法による処理である場合には、パソコン筐体、携帯電話
筐体、自動車部材・部品、その他複雑な形状をした製品
の処理にも好適に用いることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 安原 清忠 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4K057 WA01 WB01 WE02 WE03 WE04 WE07 WE12 WE14 WF10 WG03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤Aと消泡剤Bとからなるマグ
    ネシウム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液であっ
    て、AとBとの質量比は、A/B=100/0〜80/
    20であり、AとBとの合計濃度が100〜5000p
    pmであることを特徴とするマグネシウム金属及び/又
    は合金用酸エッチング溶液。
  2. 【請求項2】 界面活性剤Aは、HLBが11〜15の
    ノニオン型界面活性剤である請求項1記載のマグネシウ
    ム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液。
  3. 【請求項3】 更に、ケイフッ化水素酸、ジルコンフッ
    化水素酸、チタンフッ化水素酸、フッ化水素ナトリウ
    ム、フッ化水素カリウム及びフッ酸からなる群より選ば
    れる少なくとも1のフッ素化合物C、並びに、リン酸、
    硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる群より選ばれる
    少なくとも1の酸Dを含有するものであり、フッ素イオ
    ン及び/又はフッ素錯イオンの含有量は、0.01〜
    0.5g/Lであり、前記フッ素化合物Cと前記酸Dと
    の合計濃度は、0.2〜10g/Lである請求項1又は
    2記載のマグネシウム金属及び/又は合金用酸エッチン
    グ溶液。
  4. 【請求項4】 酸エッチング工程からなるマグネシウム
    金属及び/又は合金の表面処理方法であって、前記酸エ
    ッチング工程は、請求項1、2又は3記載のマグネシウ
    ム金属及び/又は合金用酸エッチング溶液を用いて、マ
    グネシウム金属及び/又は合金に酸エッチング処理を行
    う工程であることを特徴とするマグネシウム金属及び/
    又は合金の表面処理方法。
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