JPH06192693A - 水系洗浄剤組成物 - Google Patents

水系洗浄剤組成物

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JPH06192693A
JPH06192693A JP4344070A JP34407092A JPH06192693A JP H06192693 A JPH06192693 A JP H06192693A JP 4344070 A JP4344070 A JP 4344070A JP 34407092 A JP34407092 A JP 34407092A JP H06192693 A JPH06192693 A JP H06192693A
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JP
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cleaning
oil
water
acid
liquid
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JP4344070A
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English (en)
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Tatsuhiko Mochizuki
建彦 望月
Motohiro Katagiri
元洋 片桐
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Yuken Kogyo Co Ltd
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Yuken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部品の油汚れ除去に際して、洗浄剤寿命
を大幅に延長できるとともに、液切り性の向上、防錆性
の付与、及び、白粉発生の防止ができる水系洗浄剤組成
物を提供すること。 【構成】 本質的に非イオン界面活性剤を基とする水系
洗浄剤組成物。陽イオン界面活性剤、ビルダーとしての
有機酸、及び、アミン化合物を、必須成分として含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本質的に非イオン界面
活性剤を基とする水系洗浄剤組成物に関する。特に、熱
処理前後・加工工程間における金属部品の油汚れの除去
を目的として、従来の溶剤洗浄の代替手段として水系洗
浄を実施する場合に好適な洗浄剤組成物である。
【0002】以下、本願明細書で使用する主たる略号を
下記する。
【0003】EO…エチレンオキサイド PO…プロピレンオキサイド EDTA…エチレンジアミン四酢酸 NTA…ニトリロ三酢酸 HLB…Hydrophilic-Lipophilic-Balance
【0004】
【従来の技術】従来、上記のような金属部品の油汚れの
除去は、フロン(フッ素化炭化水素)、塩素系溶剤(ト
リクロロエタン等)による溶剤洗浄が主流であった。
【0005】しかし、昨今のフロンや塩素系溶剤は、環
境法規制の関係から、製造・使用が制限ないし全廃の方
向にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来の溶剤洗
浄の代替手段として水系洗浄が考えられる。
【0007】しかし、従来の水系洗浄剤で水系洗浄を行
なった場合、溶剤洗浄では発生しない又は発生しがたい
下記のような問題点が発生した。
【0008】洗浄液寿命が短い。水系洗浄では、洗浄
液が本質的に油に対する溶解能を有しない水をベースと
しているので、多量の油が混入した場合、洗浄能力が低
下し(老化し)て、早期に洗浄液が使用不可となる。
【0009】洗浄後の液切り性が悪い。液切り性が悪
いと、自然放置による乾燥が困難となり、錆発生の一因
となりやすい。強制乾燥すればよいが、設備費が嵩む。
【0010】被洗浄物に錆が発生し易い。溶剤は被洗
浄物に吸着して撥水性の単分子膜を発生させるため、あ
る程度の防錆力が付与されるのに対し、水系では水自体
が錆を発生させる因子である。
【0011】水洗せず放置乾燥すると、白粉(洗浄剤
成分の残渣:主として無機塩成分)が発生する。この様
な白粉と呼ばれる残渣は、洗浄剤成分中の無機塩等が乾
燥後に再結晶すると、付着部分が焼き入れされなかった
り、後加工の塗装不良を発生する。
【0012】本発明は、上記にかんがみて、金属部品の
油汚れ除去に際して、洗浄剤寿命を大幅に延長できると
ともに、液切り性の向上、防錆性の付与、及び、白粉発
生の防止ができる水系洗浄剤組成物を提供することを目
的とする。
【0013】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構
成の水系洗浄剤組成物に想到した。
【0014】本質的に非イオン界面活性剤を基とする水
系洗浄剤組成物において、 陽イオン界面活性剤、 ビルダーとしての有機酸類、及び、 アミン化合物を、 必須成分として含有することを特徴とする。
【0015】
【手段の詳細な説明】以下、本発明について、詳細に説
明する。なお、配合単位は、特に断らない限り、g/L
とする。
【0016】A.本発明の水系洗浄剤組成物は、非イオ
ン界面活性剤を基とする。
【0017】その理由は、イオン性を有しないので、
他の各種イオン性成分(洗浄剤成分や、洗浄液中に入り
込む金属イオン・その他イオン性汚れ成分)と好ましく
ない反応を起こさない、疎水基に対して親水基となる
アルキレンオキサイドの付加数を変えることにより所要
のHLBのものを容易に得られる、ためである。
【0018】非イオン界面活性剤のうち、HLBが4〜
10と低いものが発泡を抑制するのには適するが、鉱油
ベースの油汚れ除去には、HLB 8〜15と高めの方
が適する。従って、スプレー・循環・エア攪拌・揺動等
の激しい機械的攪拌を伴う用途に対しては、これらの高
・低HLB両タイプのものを併用することが望ましい。
【0019】油分離性を良くするためには、具体的には
下記のものが使用可能であるが、これらのうちで強いて
言えば、高級アルコールのポリオキシアルキレン付加体
が望ましい。
【0020】炭素数6〜30の炭化水素鎖を持つ高級
アルコールのポリオキシアルキレン付加体、 炭素数6〜30の炭化水素鎖アルキルアミンのポリオ
キシアルキレン付加体、 炭素数6〜30の炭化水素鎖アルキルアミドのポリオ
キシアルキレン付加体、 ツィン型のソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチ
レン付加体、 プルロニック・タイプまたはそのリバース・タイプの
ポリオキシアルキレン・ブロックポリマー アルキル(炭素数6〜30の炭化水素鎖)フェノール
のポリオキシアルキレン付加体 B.非イオン界面活性剤の洗浄能力を向上させるため
に、下記有機ビルダーとしての有機酸類を必須とし、
適宜無機ビルダーを配合する。ここで、全てを有機ビ
ルダーとすることが、白粉発生防止の見地から望ましい
が、油に対する洗浄能力向上のために、一部無機ビルダ
ーを併用してもよい。
【0021】そして、無機ビルダー成分は、洗浄後に水
洗無しで乾燥させた際の白粉を発生するので、配合量を
洗浄剤組成物の5%以下(望ましくは3%以下)とす
る。
【0022】シュウ酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、マロ
ン酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸、NTA、ED
TA、グルコン酸、ポリアクリル酸、等の有機酸または
それらの塩類を使用することができる。ここで、塩類と
しては、上記の有機酸のナトリウム・カリウム・アミン
塩を挙げることができ、アミンとしては、モノー、ジー
およびトリーエタノールアミンやトリプロパノールアミ
ン等のアルカノールアミンを挙げることができ、さらに
は、後述の項目D.で挙げるアミン化合物、を挙げ
ることができる。
【0023】ここで、ポリアクリル酸塩は、アルミニウ
ム系素材上に薄い可溶性高分子皮膜を形成して腐食を抑
制する作用を奏する。
【0024】炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸水素
カリ、硫酸ソーダ(ボウ硝)等の無機中性塩;炭酸ソー
ダ、炭酸カリ、ピロリン酸カリ、トリポリリン酸ソー
ダ、第2および第3リン酸ソーダ、第2および第3リン
酸カリ、ホウ酸ソーダ、又はホウ酸カリ、等の無機アル
カリ塩を使用可能である。
【0025】上記有機ビルターの作用は、金属イオンの
混入によって上記非イオン界面活性剤(洗浄剤成分)
が、中性付近で金属イオンとエーテル状酸素原子が静電
気的相互作用による束縛を生じるのを防止し、一般的な
ビルダー作用を示して、洗浄力を増強する。
【0026】上記無機ビルダーの作用は、無機中性塩〜
無機アルカリ塩の添加によって界面活性剤の液中に於け
る溶解性を変化させ、洗浄作用と密接に関連するミセル
形成を促進させる。
【0027】なお、無機ビルダーとして、無機アルカリ
塩を使用する場合は、そのまま使用すると金属部品がア
ルミニウム・亜鉛製等である場合、金属素材を侵す(ア
ルカリ腐食の)おそれがあるため、有機酸を使用して、
弱酸性ないし弱アルカリ性、即ち、PH5〜9に調製し
ておくことが望ましい。有機酸は有機酸塩を形成して有
機ビルダーとして作用する。
【0028】また、本発明の水系洗浄剤を、金型部品の
熱処理前の洗浄用に用いる場合は、無機塩、特にナトリ
ウム塩の使用を極力少なくすることが望ましい。洗浄後
そのまま水洗を行わずに、処理物が熱処理炉に入ると、
被洗浄物に残留するナトリウム塩が炉のセラミックス壁
材に付着して腐食させるおそれがある。
【0029】C.本発明の第一の特徴は、下記陽イオン
界面活性剤を必須成分として含むことである。
【0030】陽イオン界面活性剤は、油汚れの混入に対
して洗浄液中の乳化油を分離する作用を与えて油水分離
を可能にし、洗浄液の寿命を延長すると共に雑菌繁殖に
よる腐敗を防止する。油分離の能力は、洗浄対象油の分
離に合わせて設定する。
【0031】陽イオン界面活性剤は、対イオンがハロゲ
ン、特に塩素根であるために、配合量を多くすること
は、洗浄後に水洗を経ずに放置する際の防錆効果に悪影
響を与えるので、添加量を抑制して後述の防錆剤を併用
させる必要がある。
【0032】(1) 陽イオン界面活性剤としては、下記例
示のものを、1種又は2種以上選択して使用可能であ
る。
【0033】炭素数6〜25個の炭素鎖アルキルを有
するトリメチルアンモニウム型、 炭素数6〜25個の炭素鎖モノアルキルジメチルベン
ジルアンモニウム型、及び/又はジアルキルメチルベン
ジルアンモニウム型 炭素数6〜25個の炭素鎖アルキルキノリニウム型 D.本発明の第二の特徴は、下記アミン化合物、を
必須成分として含有することにある。
【0034】C6 〜C25アルキルを持つ1〜3級アミ
ン(以下C6 〜C25アルキルをRで表示する。R−NH
2 、R−NH−R、R−N−[CH32 )、またはC
6〜C25アルキルジアミン(R−NH−[CH]n −N
2 、但しn=2〜3)又はその塩、C6 〜C25アルキ
ル・モノおよびビスアミド(R−CO−NH2 、R−C
O−[CH2n −CO−R、但しn=2〜3)、 鉄系素材に対しては、シクロヘキシルアミンとその誘
導体(EOおよび/またはPO付加体)、ジシクロヘキ
シルアンモニウム塩、C6 〜C25アルキルアミンEOお
よび/またはPO付加体、モルホリンおよびモルホリン
のEOおよび/またはPO付加体、 上記アミン化合物は、アミン及び/又はアンモニウム化
合物の形態で含まれ、特に鉄または銅などの鉄合金素材
の表面に、緩く化学吸着して腐食や発錆を防止する。
【0035】ここに示した上記、の有機アミン化合
物、及び上記B.有機ビルダーの欄で挙げた有機酸の
対イオンとして示されたアミン化合物と、さらに、これ
らのアミン化合物を同欄で示した有機酸を用いて中和し
得られたアンモニウム化物は、油汚れで覆われた非洗浄
物表面に集まって油汚れを乳化させずに金属表面から除
去するため、先に挙げた陽イオン界面活性剤と併用する
ことにより相乗的に油分離を促進する効果と、下記に示
す様な水切り性に関する促進効果が認められる。
【0036】即ち、これらの防錆成分は、洗浄後に被洗
浄物表面にある程度吸着して、そのまま放置して自然乾
燥する際に、液の表面張力を大きく低下させてそ洗浄物
に付着した洗浄液を極めて少なくする効果を奏する。
【0037】また、水切り性を向上させるために、ジア
ルキル(炭素数2〜9の短鎖アルキル)スルホコハク酸
エステル塩、アルコール(炭素数3〜9の短鎖アルキ
ル)の硫酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤とを、上
記アミン化合物等と併用してもよい。
【0038】なお、防錆効果をさらに増大させるために
ヒドロキシベンゾトリアゾール等の有機化合物、亜硝酸
塩、硼砂等の無機化合物、を適宜添加してもよい。
【0039】E.本発明の洗浄剤組成物には、上記各成
分の他に、下記各成分を適宜配合することができる。
【0040】(1) 上記以外の界面活性剤として、下記陰
イオン界面活性剤、両性界面活性剤を使用可能であ
る。
【0041】炭素数2〜9個の短鎖炭化水素を持つエ
アロゾルOT型のジアルキルスルホコハク酸エステル
塩、又は炭鎖(C3 〜C9 )アルコールのポリオキシア
ルキレン付加体の硫酸エステル塩 下記構造式で示されるベタイン型両性界面活性剤
【0042】
【化1】
【0043】下記構造式で示されるアミノ酸型両性界面
活性剤 R−(NHCH2 CH2n+2 COO- (R−:C6 〜C25アルキル基、n:1〜3の整数) 陰イオン性の界面活性剤は、非イオン界面活性剤ととも
に、主に油汚れの除去能力を発揮する。両性界面活性剤
は、洗浄液が中性に近いために、雑菌繁殖による腐敗を
防止すると共に、副次的に洗浄作用を与える目的で任意
に使用することができる。
【0044】(2) 発泡を抑制するためと被洗浄物の油汚
れが多い場合に洗浄力を強化するために、界面活性剤系
の消泡成分以外に、必要に応じて下記の消泡剤成分、
、を使用することができる。
【0045】引火点80℃以上の炭化水素、アルコー
ル、エステル類、置換ベンゼン化合物、テルペン類、
等。
【0046】この目的で使用できる化合物は、引火点
80℃以上の脂肪族炭化水素、パラフィン系炭化水素、
例えば、流動パラフィン、n−トリデカン、n−テトラ
デカン、 80℃以上の引火点を持つエステル、例えば、酢酸ベ
ンジル、乳酸・シュウ酸・安息香酸等のエステル、 これらの成分は、必要に応じて、洗浄剤成分中の各種界
面活性剤によって一部はエマルジョン化されて洗浄液中
に存在し、また一部は洗浄液面に存在して発泡を抑制す
るが、被洗浄物に付着した油汚れを除去する効果も奏す
る。
【0047】(3) そして、本発明の洗浄剤組成物の配
合割合の範囲を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】F.本発明の水系洗浄剤の形態・用途・洗
浄対象・洗浄条件は、下記の通りである。
【0050】(1) 形態:粉末状、顆粒状、ペレット状、
スラリー状、液体状、等特に限定されない。
【0051】(2) 用途:熱処理、部品洗浄、一般洗浄
で、スプレーまたは流し掛け洗浄に使用され、場合によ
っては、エア撹拌を伴う浸漬洗浄、循環流動を伴う洗
浄、又は油汚れが軽微であれば静止の浸漬洗浄にも使用
できる。
【0052】(3) 洗浄対象:金属素材としては、鉄、鉄
合金(炭素鋼、ステンレス、鋳鉄等)、銅および銅合
金、さらには、亜鉛、アルミニウム素材に対しても適用
可能である。このとき、通用、鉄系素材に対しては、P
H8.5〜11.0、アルミニウム系素材に対しては、
PH5.0〜8.7の洗浄液PHを調製して使用する。
【0053】(4) 洗浄手段:洗浄条件は、基本的には、
スプレー洗浄または流し掛け、エア撹拌、揺動、液循
環、超音波併用等の方法により、機械的作用を与えなが
ら洗浄する。
【0054】また、上記の様な方法が採用できない場合
は、洗浄力を強化するために前記に示した引火点80℃
以上の炭化水素、アルコール、エステル類、置換ベンゼ
ン化合物、テルペン類等を、洗浄液中に乳化状に、また
は/および洗浄液面上に油膜状に存在させて油汚れの除
去能力を高める。
【0055】洗浄に当たって、スプレー洗浄または流し
掛け洗浄と、浸漬洗浄の場合について、洗浄剤濃度、ス
プレー圧、洗浄温度、洗浄時間等を、表2に示す。
【0056】なお、浸漬洗浄に関しては、補助手段とし
てエア撹拌、揺動、液循環、超音波併用等を任意に付加
することができる。
【0057】また、本発明による洗浄剤では、通常洗浄
を行った後、水洗を行わず自然乾燥することを想定して
いるが、その外に、洗浄後水洗を実施し、強制乾燥を行
ったり、めっき、塗装等の表面処理を実施する場合も、
当然本発明の洗浄剤組成物の使用用途に含まれる。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の作用・効果】本発明の水系洗浄剤は、本質的に
非イオン界面活性剤を基とする水系洗浄剤組成物におい
て、陽イオン界面活性剤、有機酸、及びアミン化
合物とを、必須成分として含有することにより下記のよ
うな作用効果を奏する。
【0060】本発明の洗浄剤組成物は、金属部品の油汚
れ除去に際して、上記、、に記した陽イオン界面
活性剤とアミン化合物及び/又はこれらアミン化合物の
有機酸による中和物との相乗作用によって、陽イオン界
面活性剤単体使用と比べても混入油汚れの分離性が飛躍
的に向上するために、洗浄剤寿命を大幅に延長できると
ともに、液切り性の向上、防錆性の付与、及び、白粉発
生の防止ができ、溶剤洗浄から切り替えが可能となる。
【0061】即ち、従来の水系洗浄剤では大量の油混入
のために、1回/週の液更新頻度であったものが、本発
明では、簡易な分離油の除去装置を併用することによ
り、2〜3ケ月に一回、長い所は半年に一回の頻度で実
施することが可能となった。
【0062】SPCC(冷間圧延鋼板)には、1週間〜
10日程度の短期防錆目的に 使用でき、発錆し易い鋳
鉄でも、2〜5日程度の防錆力を有する。
【0063】また、アルミニウム・アルミニウム合金素
材に対しては、ポリアクリル酸とその塩を洗浄液中に溶
解させて、素材表面に薄くポリアクリル酸とその塩の膜
を形成させ、腐食を抑制する。
【0064】従って、防錆力が有り、水洗無しで白粉発
生を防止する能力を兼ね備え、従来の溶剤洗浄から切り
替え可能とした。
【0065】
【実施例】以下、実施例及び比較例について行なった洗
浄試験について説明し、本発明の効果を確認する。
【0066】比較例及び各実施例の洗浄剤組成物の組成
を表3に示す。但し、比較例2は比較例1の洗浄剤組成
に、実施例1で用いるジメチルアルキルベンジルアンモ
ニウムクロライド0.2g/Lを添加した組成であり、
また、比較例4は別記する。
【0067】<比較例1>トリクロロエタンの三段(冷
液浸漬20℃→温液浸漬60℃→蒸気74℃)洗浄を、
熱処理後の油冷却されていたギヤ部品(炭素鋼)に対し
て各段で3分(合計9分)実施していたものを、表示組
成の水系洗浄液を用いて、スプレー圧3kgf/cm2 で10
分間洗浄して洗浄後、放置乾燥した。
【0068】初期洗浄性能は良好であるが、洗浄槽から
取り出された際の水分付着が多くて自然乾燥性が良くな
く、また乾燥後に白粉発生し、5日以上放置すると錆が
発生した。さらに、油汚れの蓄積により洗浄液金寿命が
1週間以上確保できなかった <実施例1>表示組成の水系洗浄液を用いて、比較例1
と同条件で洗浄を行なった。
【0069】洗浄槽から取り出された際の水分付着が明
瞭に少なくなって自然放置時の乾燥性が良く、部品仕上
り外観も良好で白粉が認められなかった。このギヤ部品
は、そのまま次工程で加工されるまで約1週間工場内で
放置されたが、特に錆発生は認められなかった。
【0070】また、洗浄液寿命は、油汚れの分離が良好
で、ベルト式の油除去装置を併用することにより、液更
新を2〜3週間に1回で済むようになった。
【0071】<実施例2>従来トリクロロエタンの揺動
浸漬(常温)カゴ洗浄で、アルミニウム・ダイキャスト
(ADC12;JIS H 5302)切削後に切削油が付着した
クラッチ板を5分間処理していたのに対して、表示組成
の水系洗浄液を用いて、60℃で同様に5分間揺動浸漬
洗浄し、水洗なしで放置乾燥した。
【0072】洗浄→放置乾燥後の外観は、油しみや白粉
発生がなく良好であった。また、放置による素材腐食は
認められなかった。洗浄剤は、2週間に一度の更新頻度
で実施して問題なく、ランニング・コストは加熱費用を
含めても、1,1,1−トリクロロエタン使用時の約1
/5となった。
【0073】<実施例3>熱処理前の洗浄で、従来トリ
クロロエタンの3段洗浄を行っていた鉄製のプロペラシ
ャフト部品を、表示組成の水系洗浄液を用いて、60
℃、スプレー圧2kgf/cm2 で20分間のスプレー洗浄を
行った。
【0074】洗浄槽に、油分離除去装置を取り付けた結
果、液更新は2回/月でも洗浄性が保たれた。また、水
洗なしに放置してそのまま熱処理に入り、油除去不良に
よって炉から発煙するようなことが見られなかった。
【0075】<実施例4>トリクロロエタンの三段洗浄
(冷液浸漬20℃→温液浸漬60℃→蒸気74℃)で、
熱処理後にホット油冷却して1日経過した発動機プーリ
ー部品(炭素鋼)を、格段3分(合計9分)実施してい
たものを、下記実施例4の水系洗浄液を用い、スプレー
圧2.5kgf/cm2 で、ステンレス網製カゴを洗浄中に3
回/分回転させながら洗浄した。
【0076】 洗浄液組成 トリポリリン酸ソーダ 2g/L シクロヘキシルアミン 0.3g/L ヤシアルキルアミンEO付加体 4.5g/L 高級アルコールEO・PO付加体 2g/L 高級2級アルコールEO付加体 3g/L ヤシアルキルグリシン型両性界面活性剤 0.5g/L (R−NHCH2 CH2 NHCH2 CH2+2 COO- ) PH 9.6 洗浄液中の混入油は、別槽で自然浮上分離させて下澄み
液を本槽に還流し、本浄液の5倍濃縮液を被洗浄物処理
量に比例して自動注入補給した。
【0077】この結果、洗浄液を1回/月程度の更新頻
度でランニング化可能であった。
【0078】<油分離効果試験>100mlメスシリン
ダに分取した、実施例1、比較例1・2の各洗浄液80
ml(50℃)に対して、熱処理における油冷却油(コ
ールド油)20mlを添加し、メスシリンダ開口部を料
理用のラップシートで封じて1分間振とうした後、50
℃の湯浴中でメスシリンダを放置した。
【0079】15分後に、油分離量は下記の通りであっ
た。陽イオン界面活性剤単独の場合よりも、本発明の陽
イオン界面活性剤・有機酸・アミンの共存組成が優れた
油分離効果を示すことが分かる。
【0080】 実施例1の洗浄液…分離油 14.3ml 比較例1の洗浄液…分離油 1.3ml 比較例2の洗浄液…分離油 7.6ml
【0081】
【表3】
【0082】*1)アルキル:C12〜C18
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 1:62)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的に非イオン界面活性剤を基とする
    水系洗浄剤組成物において、 陽イオン界面活性剤、 ビルダーとしての有機酸類、及び、 アミン化合物を、 必須成分として含有することを特徴とする水系洗浄剤組
    成物。
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