JPH09196877A - 洗浄液の汚染度検査装置 - Google Patents

洗浄液の汚染度検査装置

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JPH09196877A
JPH09196877A JP8025930A JP2593096A JPH09196877A JP H09196877 A JPH09196877 A JP H09196877A JP 8025930 A JP8025930 A JP 8025930A JP 2593096 A JP2593096 A JP 2593096A JP H09196877 A JPH09196877 A JP H09196877A
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隆幸 加藤
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孝志 寒河江
Yoshihisa Komatsu
喜久 小松
Hisayoshi Kato
久佳 加藤
Masaru Tsujioka
勝 辻岡
Masahiro Yamashita
雅博 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄液の汚染度を簡便に検査することの出来
る汚染度検査装置の提供。 【解決手段】 電極11,12と,電極の一方12に一
端を接続するコンデンサ13と,電圧を印加する高周波
電源14と,コンデンサ13の端子間の電圧値Vcを検
知する電圧検出回路15と備える電気化学的性状検出部
10と,光源21及び光センサ22を備えて光センサ2
2の出力を受けて検査対象液体の光透過率Tを算定する
光学的性状検出部20と,汚染度を判定する判定手段3
0とを有している。判定手段30は,電圧値Vcを検査
対象液体81に含まれる原液の濃度Dに変換する濃度変
換手段31と,光透過率Tを検査対象液体81に含まれ
る油成分の含有率Eに変換する油分変換手段32とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,界面活性剤,無機塩,及び有機
系防錆剤等を含む機械加工部品等の洗浄液の汚染度を検
査する汚染度検査装置に関する。
【0002】
【従来技術】機械加工部品等の中間製品は,有機アミ
ン,有機インヒビター,及び防腐剤等を含む洗浄液によ
って洗浄した後,次工程に送られることが多い。この洗
浄液は,有機アミン,有機インヒビター,防腐剤,界面
活性剤等を含む原液を水で30〜50倍程度に希釈した
ものが通常用いられている。
【0003】上記洗浄液は,主として,洗浄を繰り返す
間に機械油が混入することにより,または水分が混入し
て濃度が低くなることにより,洗浄能力が低下する。し
かしながら,洗浄液の洗浄力を正確に判定するには,化
学分析等による専門的な分析力を必要とし,機械加工な
どの製造現場においてこれを行うことは困難である。そ
のため,洗浄液は,通常,目視検査により,又は一定の
期間使用された後は定期的に交換されている。
【0004】一方,油圧機械に用いる作動油には,安全
性に優れた水溶性の作動油があり,この水溶性の作動油
については,簡便な性状検査装置が提案されている(特
開昭63−96546号公報,特開平4−166754
号公報,特開平5−180766号公報等)。これらの
装置は,化学分析的な方法を用いておらず,検査対象液
体の電気的なインピータンスの変化や,光の透過率の変
化を検知して簡便に性状の劣化を判定するものである。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記のよう
に,使用された洗浄液の性状を目視検査によって又は個
々に分析することなく一定の管理基準によって洗浄液を
更新する方法は,次のような問題点がある。即ち,洗浄
液の許容基準を緩めて長期間使用すれば,十分に洗浄さ
れない部品などが次工程におくられ,一方,洗浄液の許
容基準を厳しくして安全サイドにすれば,洗浄液の利用
度が低下しロスが増えることになる。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであり,少なくとも界面活性剤,無機塩,及
び有機系防錆剤を含む原液を水で希釈してなる機械加工
部品等の洗浄液の汚染度を簡便に検査することの出来る
コンパクトな汚染度検査装置を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,少なくとも界面活性剤,
無機塩,及び有機系防錆剤を含む原液を水で希釈してな
る機械加工部品等の洗浄液(以下,単に洗浄液という)
の汚染度を検査する汚染度検査装置であって,検査容器
内に検査対象液体を挟んで対置した一対の電極と,この
電極の一方に一端を接続するコンデンサと,上記電極の
他方と上記コンデンサの他端との間に電圧を印加する高
周波電源と,上記コンデンサの端子間の電圧値を検知す
る電圧検出手段と備える電気化学的性状検出部と,検査
容器内に検査対象液体を挟んで対置する光源及び受光素
子を備えて受光素子の出力を受けて検査対象液体の光透
過率を算定する光学的性状検出部と,上記電気化学的性
状検出部及び光学的性状検出部の出力を受けて検査対象
液体の汚染度を判定する判定手段とを有しており,上記
判定手段は,上記電圧検出手段の電圧値を検査対象液体
に含まれる上記原液の濃度に変換する濃度変換手段と,
上記光透過率を検査対象液体に含まれる油成分の含有率
に変換する油分変換手段とを備え,上記原液濃度と油成
分含有率とに基づいて検査対象液体の汚染度を決定する
ことを特徴とする洗浄液の汚染度検査装置にある。
【0008】本発明において,最も注目すべきことの第
1点は,検査対象液体のインピーダンスの変化によって
変動するコンデンサ端子間の電圧値を検知する電気化学
的性状検出部と,検査対象液体の光の透過率を検知する
光学的性状検出部と,両検出部の出力を受けて汚染度を
判定する判定手段とを設けたことである。そして,上記
判定手段は,上記電圧検出手段の電圧値を検査対象液体
に含まれる上記原液の濃度に変換する濃度変換手段と,
上記光透過率を検査対象液体に含まれる油成分の含有率
に変換する油分変換手段とを備え,上記原液濃度と油成
分含有率とに基づいて検査対象液体の汚染度を決定す
る。
【0009】洗浄液に水分が混入し原液の濃度が低下す
ると,洗浄液のインピーダンスが大きくなりコンデンサ
の端子間の電圧Vcは低下する。従って,上記コンデン
サ電圧Vcとインピーダンスとの間に成立する関係式
(理論式もしくは統計的なデータに基づく回帰式等)を
基に,前記検出電圧値から原液の濃度の低下状態を推定
することができる(濃度変換手段)。
【0010】また,洗浄液に機械油などの鉱物油が所定
値以上に混入すると洗浄液が白濁するようになるから,
同様に光学的性状検出部の透過率から油分の含有率を推
定することが出来る。従って,上記原液の濃度の低下度
と油分の含有率から,検査対象洗浄液の汚染度を判定し
使用可能限界を決定することが可能である。
【0011】そして,コンデンサの端子電圧Vcの測定
と光の透過率の測定とは,オペレータの複雑な操作を必
要とせず,スイッチ等を操作して装置を作動させること
によって後は自動的に行うようにすることができる。ま
た,上記測定結果に基づく判定のアルゴリズムまたは論
理式を予め定めることにより,判定手段は判定結果を自
動的に出力することができるから,本装置は極めて簡便
な操作によって結果を得ることができる。
【0012】また,装置の要部である光学系や電気回路
は軽量かつ小型化することが出来るから,装置全体は極
めてコンパクトにまとめ上げることができる。上記のよ
うに,本発明によれば,洗浄液の汚染度を簡便に検査す
ることの出来るコンパクトな汚染度検査装置を提供する
ことが出来る。
【0013】そして,上記濃度変換及び油分変換は,請
求項2に記載のように,電圧検出手段の電圧値をVc,
原液の濃度をDとし,α,βを洗浄液種によって異なる
所定のパラメータとしたとき, D=(αVc+β)4 ・・・(1) なる計算式に基づいて原液濃度Dを算出し,前記油分変
換手段は,前記光透過率をT,油成分の含有率をEと
し,γ,εを洗浄液種によって異なる所定のパラメータ
としたとき, E=(γT+ε)4 ・・・(2) なる計算式に基づいて含有率Eを算出することによっ
て,測定値Vc,Tと変換値D,Eとの間に高い相関関
係を得ることができる。即ち,詳細を後述する実験デー
タが示すように,洗浄液の原液の濃度D及び油分含有率
Eは上記(1),(2)式によってかなりの精度で判定
することができる。
【0014】なお,検査容器内に対置する一対の電極
は,請求項3記載のように,ステンレス鋼によって形成
することが好ましい。洗浄液は防錆能力を有するために
PH値が高く,そのために,導電性に優れているためよ
く用いられるAl等の電極は洗浄液との間の化学反応に
よって洗浄液を挟持した電極間のインピーダンスが容易
に変化しやすい。しかしながら,ステンレス鋼を用いる
ことにより,洗浄液との化学反応を抑制し特性を安定化
することが出来る(後述する表2,図4,図5参照)。
【0015】また,請求項4記載のように,光源と受光
素子との間に形成される洗浄液の光路上の距離(以下,
透光距離という)は1〜5mmの範囲内にすることが好
ましい。即ち,洗浄液を光が通過する距離が5mmを超
えると,検出光の強度が弱くなり,透過率の検出精度が
低下するという不具合が発生する。一方,1mm未満に
透光距離を狭くし過ぎると,光源と受光素子の間に空気
等の気泡が混入した場合に,その間に停滞し易くなり,
透過率の測定精度に誤差を生じ易くなるからである。
【0016】また,請求項5記載のように,電極の間隔
は1〜5mmの範囲内にすることが好ましい。電圧検出
手段において,電極の間隔が5mmを越えて大きくなる
と,室温との温度差の大きい検査対象液体を検査のため
に投入した場合に,検査対象液体が室温近くの温度に低
下するのに時間がかかり,測定結果がその間不安定にな
るという不具合があるからである。
【0017】即ち,電圧値の測定精度を保持するために
は,検査対象液体の温度変動範囲を室温近傍に制御し,
室温との温度差が余り大きくならないようにすることが
好ましい。そのためには,電極の間隔を狭くして速やか
に室温近傍にすることが望ましい。一方,1mm未満に
電極間隔を狭くし過ぎると,電極間の電子の移動が活発
化し過ぎてしまい,検出される電圧の変化を捉えにくく
なり,その結果検出精度が低下するからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本例は,有機アミン,有機インヒビター,及び防腐剤等
を含む原液を水で希釈してなる機械加工部品等の洗浄液
の汚染度を検査する汚染度検査装置である。図1に示す
ように,この汚染度検査装置1は,検査容器40内に検
査対象液体81を挟んで対置した一対の電極11,12
と,この電極11,12の一方12に一端を接続するコ
ンデンサ13と,電極11,12の他方11とコンデン
サ13の他端(アース)との間に電圧を印加する高周波
電源14と,コンデンサ13の端子間の電圧値Vcを検
知する電圧検出回路15と備える電気化学的性状検出部
10と,検査容器40内に検査対象液体81を挟んで対
置する光源21及び光センサ22を備えて光センサ22
の出力を受けて検査対象液体の光透過率Tを算定する光
検出回路23とを有する光学的性状検出部20と,電気
化学的性状検出部10及び光学的性状検出部20の出力
V(T)を受けて検査対象液体81の汚染度を判定する
判定手段30とを有している。
【0019】判定手段30は,電圧検出手段10の電圧
値Vcを検査対象液体81に含まれる上記原液の濃度D
に変換する濃度変換手段31と,光透過率Tを検査対象
液体81に含まれる油成分の含有率Eに変換する油分変
換手段32とを備え,上記原液濃度Dと油成分含有率E
とに基づいて検査対象液体81の汚染度を決定する。そ
して,濃度変換手段31は,α,βを洗浄液種によって
異なる所定のパラメータとしたとき, D=(αVc+β)4 ・・・(1) なる計算式に基づいて原液濃度Dを算出する。また油分
変換手段32は,γ,εを洗浄液種によって異なる所定
のパラメータとしたとき, E=(γT+ε)4 ・・・(2) なる計算式に基づいて含有率Eを算出する。
【0020】また,電極11,12はステンレス鋼SU
S304によって形成されており,電極11,12の間
隔gは3mmである。そして,光源21と光センサ22
との間に形成される洗浄液81の光路上の距離Lは5m
mである。
【0021】以下,それぞれについて説明を補足する。
検査対象液体としての洗浄液には,例えば,有機アミン
5〜10%,有機インヒビター1〜5%,防腐剤1〜5
%,界面活性剤1〜5%,油水分離剤1〜5%,銅腐食
抑制剤(微量),消泡剤(微量),水(残分)からなる
原液を30〜50倍に水で希釈したもの(以下,洗浄液
Aという)や,有機アミン20〜30%,有機インヒビ
ター10〜20%,防腐剤1〜5%,銅腐食抑制剤(微
量),消泡剤(微量),水(残分)からなる原液を30
〜50倍に水で希釈したもの(以下,洗浄液Bという)
等がある。洗浄液Aは,水溶性洗浄防錆剤であり,油分
離が優れているという特徴を有し,自動車,一般機械部
品の油分離用に用いられる。また,洗浄液Bは,水溶性
洗浄防錆剤であり,エマルジョン油剤の油水分離性に優
れと共に防錆力を有し,金属加工における洗浄液として
用いられる。
【0022】検査容器40は,検査対象液体81を収容
する透明な樹脂性のケース41と,電極11,12とか
らなり,ケース41の下部に設けた開口部に電極11,
12が取り付けられている。また,検査容器40は,外
箱42の凹状内部に嵌合し,かつ,位置決めされるよう
に固定される。この外箱42の上面には,直流電源25
によって駆動される光源(LED)21と,集光レンズ
24と,光センサ22が取り付けられている。検査容器
40の大きさは,横45〜50mm,縦50〜60mm
である。そして,電極11,12とコンデンサ13の直
列回路には,高周波電源14から20KHZ,5Vの電
圧が印加される。
【0023】コンデンサ13の端子電圧Vc及び光セン
サ22の出力V(T)は,それぞれ電圧検出回路15及
び光検出回路23を介して,判定手段30のA/Dコン
バータ33にインプットされる。そして,ディジタル値
に変換されてマイクロプロセッサ300に入力される。
【0024】マイクロプロセッサ300は,電圧検出手
段10の電圧値Vcを上記算式(1)に従って原液の濃
度Dに変換する濃度変換プログラム(濃度変換手段3
1)と,上記算式(2)に従って光透過率Tを油成分の
含有率Eに変換する油分変換プログラム(油分変換手段
32)と,上記濃度D及び油成分の含有率Eに基づいて
検査対象液体81の良否を判定する判定プログラムとを
有している。そして,上記判定プログラムの判定結果等
の各種の情報は表示器34に表示され,また,判定結果
はランプ35の色別表示によって表示される。同図にお
いて,符号36は,判定手段30を起動させる作動スィ
ッチである。
【0025】次に,濃度変換プログラム(濃度変換手段
31)と油分変換プログラム(油分変換手段32)のア
ルゴリズムと作用について説明する。表1は,前記組成
の洗浄液Aの各種のサンプル(使用した液)について,
正確な化学分析により決定した濃度D及び油成分の含有
率Eの値と,本装置1による電圧値Vc及び透過率Tの
測定値とを記載したデータである。
【0026】
【表1】
【0027】そして,図2は,表1の電圧値Vcを横軸
に,表1の濃度Dを4分の1乗した値 4√Dを縦軸にし
てプロットしたグラフである。また,直線61は,上記
プロットしたデータ 4√Dの電圧値Vcへの回帰直線で
あり,上記回帰直線61は,前記算式(1)において,
α=0.1257,β=0.73268,とした式に等
価である。そして,上記回帰直線61の相関係数rは
0.78であり,両値の間の高い相関度を示している。
【0028】また,図3は,表1の透過率Tを横軸に,
表1の油分の含有率Eを4分の1乗した値 4√Eを縦軸
にしてプロットしたグラフである。また,直線62は,
上記プロットしたデータ 4√Eの透過率Tへの回帰直線
であり,上記回帰直線62は,前記算式(2)におい
て,γ=−0.0532,ε=8.05751,とした
式に等価である。そして,上記回帰直線62の相関係数
rは−0.87であり,両値の間の高い相関度を示して
いる。
【0029】そして,判定手段30は,原液の濃度Dが
所定値を超えた場合,または油分の含有率Eが所定値を
超えた場合に,洗浄液は使用不可と判定する。その結
果,F検定により,高度に有意(<1%)となり,この
診断は,高い判定精度を有している。
【0030】次に,ステンレス鋼SUS304を用いた
本例の電極11,12は,洗浄液と長い間接触しても電
気的な特性の変化が少ないことを実験データを用いて説
明する。表2は,前記洗浄液Aと洗浄液Bのそれぞれを
新液と使用後の液の両方について,電極11,12間に
洗浄液を入れた場合のインピーダンスZの経時的な変化
を,Al(アルミニウム)製の電極の場合と共に示した
ものである。
【0031】
【表2】
【0032】表2において,サンプルNo1,No2,
No3は,それぞれNo1を起点として時間間隔を数秒
だけ置いて測定したデータであり,XはサンプルNo1
〜No3の平均値を示す。また,図4,図5,は,表2
において電源周波数が20KHZ時における上記ステン
レス電極について,図8,図9は同様にAl電極につい
て,新液と使用液のデータを同一図上にプロットして,
洗浄液AまたはBのそれぞれを図示したものである。表
2,または図4と図8との比較及び図5と図9との比較
から分かるように,ステンレス鋼の電極の場合には,イ
ンピーダンスZのバラツキが少なく,特性が大変安定し
ている。
【0033】次に,本例では電極11,12の間隔を3
mmと狭くすることにより,洗浄液の温度が変化しても
電極11,12間の洗浄液の温度がすぐに下がり,電圧
値Vcの測定値のバラツキを小さくすることが可能であ
ることを実験データを用いて説明する。図6は,前記洗
浄液Bの新液について,洗浄液の温度を変化させた場合
のインピーダンスZの値をプロットしたものであり,折
れ線63〜65は,それぞれ室温21.5℃,25℃,
29℃の場合を示し,いずれも検査対象液体を注入して
15〜20秒後に計測したものである。
【0034】また,図7は,前記洗浄液Bの使用液につ
いて,洗浄液の温度を変化させた場合のインピーダンス
Zの値をプロットしたものであり,折れ線66〜68
は,それぞれ室温21.5℃,25℃,29℃の場合を
示し,いずれも検査対象液体注入して15〜20秒後に
計測したものである。これら図6,図7からも分かるよ
うに,液の温度差にによる電圧値Vcのバラツキを抑え
ることができる。一方,電極の間隔を例えば10mmと
広くした場合には,洗浄液の温度が安定せず,その間電
圧値Vcが変動する。そのため,正しい結果を得るのに
時間がかかるようになる。
【0035】そして,本装置1は,検査容器40,光学
系,及び電気回路部を含めて,容易に持ち運び出来る程
度に小型軽量化することが出来る。また,オペレータの
複雑な操作を必要とせず,検査対象液体81を検査容器
40に注入し,そしてケース42にセットした後,作動
キー36を投入して装置1を作動させることにより,自
動的に短時間の内に判定結果を得ることができる。即
ち,経験や熟練を必要とせず,非常に簡便であり,製造
現場で用いるのに好適である。また,コンデンサ13
は,検査対象液体の電気化学的な特性により,抵抗に置
換しても同様な作用効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】上記のように,本例によれば,洗浄液の
汚染度を簡便に検査することの出来るコンパクトな汚染
度検査装置1を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の汚染度検査装置を部分的に断面図
で図示した模式的システム構成図。
【図2】実施形態例1の汚染度検査装置の電圧値Vcを
横軸に原液の濃度Dを4分の1乗した値 4√Dを縦軸に
してプロットしたグラフ。
【図3】実施形態例1の汚染度検査装置の透過率Tを横
軸に油分の含有率Eを4分の1乗した値 4√Eを縦軸に
してプロットしたグラフ。
【図4】実施形態例1の汚染度検査装置の電極間に同一
の検査対象液体を注入し,時間を置いて複数回電極間の
インピーダンスを測定した場合における値のバラツキ
を,新液と使用後の液とを左と右に分けて図示した図
(ステンレス鋼電極,洗浄液A)。
【図5】実施形態例1の汚染度検査装置の電極間に同一
の検査対象液体を注入し,時間を置いて複数回電極間の
インピーダンスを測定した場合における値のバラツキ
を,新液と使用後の液とを左と右に分けて図示した図
(ステンレス鋼電極,洗浄液B)。
【図6】実施形態例1の汚染度検査装置において洗浄液
の温度を変化させた場合の電極間のインピーダンスZの
値の変化を室温21.5℃,25℃,29℃のそれぞれ
の場合についてプロットした図(洗浄液Bの新液)。
【図7】実施形態例1の汚染度検査装置において洗浄液
の温度を変化させた場合の電極間のインピーダンスZの
値の変化を室温21.5℃,25℃,29℃のそれぞれ
の場合についてプロットした図(洗浄液Bの使用液)。
【図8】実施形態例1の汚染度検査装置の電極をAlに
換えて電極間に同一の検査対象液体を注入し,時間を置
いて複数回電極間のインピーダンスを測定した場合にお
ける値のバラツキを,新液と使用後の液とを左と右に分
けて図示した図(アルミニウム電極,洗浄液A)。
【図9】実施形態例1の汚染度検査装置の電極をAlに
換えて電極間に同一の検査対象液体を注入し,時間を置
いて複数回電極間のインピーダンスを測定した場合にお
ける値のバラツキを,新液と使用後の液とを左と右に分
けて図示した図(アルミニウム電極,洗浄液B)。
【符号の説明】
10...電気化学的性状検出部, 11,12...電極, 13...コンデンサ, 14...高周波電源, 15...電圧検出回路, 20...光学的性状検出部, 21...光源, 22...光センサ, 30...判定手段, 31...濃度変換手段, 32...油分変換手段, 40...検査容器, 81...検査対象液体,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 隆幸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 寒河江 孝志 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 小松 喜久 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 加藤 久佳 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 辻岡 勝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山下 雅博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも界面活性剤,無機塩,及び有
    機系防錆剤を含む原液を水で希釈してなる機械加工部品
    等の洗浄液の汚染度を検査する汚染度検査装置であっ
    て,検査容器内に検査対象液体を挟んで対置した一対の
    電極と,この電極の一方に一端を接続するコンデンサ
    と,上記電極の他方と上記コンデンサの他端との間に電
    圧を印加する高周波電源と,上記コンデンサの端子間の
    電圧値を検知する電圧検出手段と備える電気化学的性状
    検出部と,検査容器内に検査対象液体を挟んで対置する
    光源及び受光素子を備えて受光素子の出力を受けて検査
    対象液体の光透過率を算定する光学的性状検出部と,上
    記電気化学的性状検出部及び光学的性状検出部の出力を
    受けて検査対象液体の汚染度を判定する判定手段とを有
    しており,上記判定手段は,上記電圧検出手段の電圧値
    を検査対象液体に含まれる上記原液の濃度に変換する濃
    度変換手段と,上記光透過率を検査対象液体に含まれる
    油成分の含有率に変換する油分変換手段とを備え,上記
    原液濃度と油成分含有率とに基づいて検査対象液体の汚
    染度を決定することを特徴とする洗浄液の汚染度検査装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記濃度変換手段
    は,前記電圧検出手段の電圧値をVc,原液の濃度をD
    とし,α,βを洗浄液種によって異なる所定のパラメー
    タとしたとき, D=(αVc+β)4 なる計算式に基づいて原液濃度Dを算出し,前記油分変
    換手段は,前記光透過率をT,油成分の含有率をEと
    し,γ,εを洗浄液種によって異なる所定のパラメータ
    としたとき, E=(γT+ε)4 なる計算式に基づいて含有率Eを算出することを特徴と
    する洗浄液の汚染度検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において,前記
    電極はステンレス鋼によって形成されていることを特徴
    とする洗浄液の汚染度検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれが1項に
    おいて,前記光源と受光素子との間に形成される洗浄液
    の光路上の距離は1〜5mmの範囲内にあることを特徴
    とする洗浄液の汚染度検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれが1項に
    おいて,前記一対の電極の間隔は1〜5mmの範囲内に
    あることを特徴とする洗浄液の汚染度検査装置。
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