JP2003292709A - 樹脂組成物及び該樹脂組成物による収縮性フィルム - Google Patents

樹脂組成物及び該樹脂組成物による収縮性フィルム

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JP2003292709A
JP2003292709A JP2002102306A JP2002102306A JP2003292709A JP 2003292709 A JP2003292709 A JP 2003292709A JP 2002102306 A JP2002102306 A JP 2002102306A JP 2002102306 A JP2002102306 A JP 2002102306A JP 2003292709 A JP2003292709 A JP 2003292709A
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JP
Japan
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resin composition
film
water
poly
shrinkable film
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JP2002102306A
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English (en)
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Yoshio Inoue
義夫 井上
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の水分との接触により収縮するフィルム
は、いずれも水分との接触により不可逆的な収縮現象を
示すフィルムであり、用途が限定されるという難点を解
消するため、新規な樹脂組成物と、この樹脂組成物を用
いてなる、水により厚さ及び表面積が可逆的に変化して
厚化/薄化するフィルムを提供する。 【解決手段】 本発明は、第1に少なくともポリヒドロ
キシスチレンと低結晶性高分子とを含有することを特徴
とする樹脂組成物に関し、第2に該樹脂組成物を用いて
なる収縮性フィルムであって、水により厚さ及び表面積
が可逆的に変化する収縮性フィルムに関するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリヒドロキシスチレン
と特定の高分子とを含有する樹脂組成物及び該樹脂組成
物を原料とした、水により厚さ及び表面積が可逆的に変
化する収縮性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、水分との接触により収縮する
フィルムとしては、例えばケン化度98モル%以上のポ
リビニルアルコールのフィルム(特開昭57−1606
15号公報参照)、特定のポリアミド樹脂と特定のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とからなる樹脂組成
物のフィルム(特開昭64−9238号公報参照)や、
ビニルエステル(共)重合体の部分加水分解物からなる
フィルム(特開平5−177709号公報参照)等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のフィルムはいずれも水分との接触により不可逆的
な収縮現象を示すフィルムであるため、用途が限定され
ていて、従って、水より可逆的に厚さが変化する新規な
フィルムの開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の現状に鑑みて鋭意検討をした結果、ポリヒドロキ
シスチレンに特定の樹脂を混合した樹脂組成物を原料と
して用いると、水により可逆的に厚さが変化して厚化/
薄化現象を示すフィルムが得られることを見出し、更に
研究を重ねて本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、第1に少なくともポ
リヒドロキシスチレンと低結晶性高分子とを含有するこ
とを特徴とする樹脂組成物と、第2に該樹脂組成物を用
いてなる収縮性フィルムであって、水により厚さ及び表
面積が可逆的に変化する収縮性フィルムを提供するもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明において使用するポリヒドロキシス
チレンについては、ホモポリマーとしては例えば、ポリ
(3−ヒドロキシスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシス
チレン)又はそれらの誘導体が挙げられる。誘導体にお
ける置換基の導入は、予めモノマーの段階で行われても
よいし、ポリマーにした後に行われてもよく、導入され
る置換基の種類としては、置換又は無置換アルキル基、
芳香族置換アルキル基、芳香族基、ハロゲン等が挙げら
れる。
【0008】コポリマーとしては例えば、3−ヒドロキ
シスチレン又は4−ヒドロキシスチレンとスチレン、無
水マレイン酸、マレイミド、アクリル酸、アクリル酸誘
導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、ビニルイミ
ダゾール、ビニルピロリドン、エチルビニルエーテル、
ジエン化合物等との共重合体が挙げられる。
【0009】本発明で使用する低結晶性高分子として
は、例えば、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−
ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ
(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)等のポリヒドロキ
シ酸の、低結晶性のものが挙げられる。
【0010】又、他の低結晶性高分子としては、例え
ば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(酢酸ビニ
ル)、ポリ(酪酸ビニル)、ポリエチレンイミン、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリピニルピ
ロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリス
チレンスルホン酸ナトリウム又はこれらの共重合体等の
高分子であって、低結晶性のものが挙げられる。尚、こ
れらの中でも好ましいのは、低結晶性のポリ(3−ヒド
ロキシ酪酸)であり、特に、ダイアッド単位のアイソタ
クト立体規則度80%以下のポリ(3−ヒドロキシ酪
酸)は、収縮性フィルムに用いた場合に厚化/薄化の程
度が大きく、しかも短時間での厚化/薄化が可能であっ
て好ましい。
【0011】本発明の樹脂組成物は、少なくとも上記ポ
リヒドロキシスチレンと上記低結晶性高分子とを含有す
るものであり、この樹脂組成物におけるポリヒドロキシ
スチレンと低結晶性高分子の配合割合は、ポリヒドロキ
シスチレン10〜90重量部に対し、低結晶性高分子9
0〜10重量部であることが好ましい。
【0012】尚、本発明の樹脂組成物には、後述する本
発明の効果を損なわない範囲で、一般に樹脂フィルムを
形成する際に用いる添加剤、例えば安定剤、滑剤、加工
助剤、着色剤等を添加することができる。
【0013】上記のように構成される本発明の樹脂組成
物から、本発明の収縮性フィルムを成形する方法につい
ては特に限定されず、例えば、インフレーション法、T
ダイ法、カレンダー法、キャスト法、切削法、エマルシ
ョン法又はホットプレス法等の公知の手段から適宜に選
択して採用することができ、又、これらのうちの方法に
より得られたフィルムは、必要に応じて延伸処理をする
こともできる。
【0014】このようにして得られた本発明の収縮性フ
ィルムは、水により可逆的な厚化/薄化現象を示すこと
に特徴がある。即ち、本発明の収縮性フィルムを水中に
浸漬すると表面積が収縮して厚化し、この状態で乾燥さ
せるとその収縮した形状を維持することができ、更に、
収縮して厚くなった本発明の収縮性フィルムを水に浮か
せておくと薄化し、表面積が拡大して元のフィルム状に
戻るのである。
【0015】上記現象には、水温と界面活性剤の影響が
認められ、水中に浸漬させる場合は温度が高いほど収縮
率が高く、水に接触させた場合の拡大率は温度が低いほ
ど高くなる。又、界面活性剤への暴露の影響について
は、界面活性剤の濃度が高いほど、収縮率が低下する傾
向にある。
【0016】本発明の収縮性フィルムにおける、上記の
ような厚さ及び表面積が水により可逆的に変化する厚化
/薄化機能の機構は明らかではないが、従来に見られな
い新しい機能であり、このような機能を有する本発明の
収縮性フィルムは、従来の収縮フィルムについての一般
包装材、ラベル、キャップシール等の用途の他に、医薬
用包装材、医療材料、緩衝材、パッキン等に使用するこ
とができる。
【0017】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、ダイ
アッド単位のアイソタクト立体規則度の測定は13CNM
Rにより行った。
【0018】合成例 アタクチック−ポリ(3−ヒドロ
キシ酪酸)の合成テトラビドロフラン溶液中、20℃に
て、開始剤としてオレイン酸カルシウム/18−クラウ
ン−6エーテル錯体を用いてβ−ブチロラクトンをアニ
オン重合し、アタクチック−ポリ(R,S−3−ヒドロ
キシ酪酸)を得た。この樹脂のゲルパーミエイションク
ロマトグラフ(GPC)法により決定したポリスチレン
換算の重量平均分子量(Mw)は4 5,500、同様
に分子量分布(Mw/Mn)は1.17であり、又、示
差走査熱量測定(DSC)法により測定したガラス転移
温度Tgは0〜5℃、ダイアッド単位のアイソタクト立
体規則度は50%であった。
【0019】実施例1 ポリ(4−ヒドロキシスチレン)[丸善石油化学(株)
製:重量平均分子量:10,800、Mw/Mn:2.
25]40重量部と、合成例で得られたアタクチック−
ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)60重量部とを、溶媒とし
てメチルエチルケトン(MEK)を用い、5重量%の溶
液とした。この溶液をテフロン(登録商標)製ペトリ皿
に流延し、室温で3日間放置して溶媒を蒸発させ、更に
5日間50℃に保ちながら密閉容器内で真空ポンプによ
り溶媒を除去し、乾燥させた。このようにして得られた
キャストフィルムをスペーサーと共に2枚のテフロン
(登録商標)シートにはさみ、東洋精機製圧縮機(Mi
ni Test Press−10) により160〜1
80℃、5MPaで2分間圧縮した。成形後のフィルム
の厚さは約120μmであった。このフィルムを50℃
で1日アニーリング後、徐冷し室温にもどした。
【0020】上記のようにして得られたフィルムに対
し、37℃の水中に8時間浸漬することによる収縮試験
を行ったところ、フィルムは収縮して厚化し、厚さは
1.716mm(試験前の約14.3倍)となり、又、
この厚化したフィルムを37℃の水の水面に浮かせて8
時間放置したところ、薄化し、厚さは1.184mm
(厚化時の約0.69倍)となった。尚、厚化/薄化の前
後におけるフィルムの重量を測定したところ、その変化
は0.5%未満であり、厚化/薄化がフィルムの樹脂の
膨潤や、成分の水への溶出によるものでないことが分っ
た。
【0021】実施例2〜4 ポリ(4−ヒドロキシスチレン)とアタクチック−ポリ
(3−ヒドロキシ酪酸)の配合重量比をそれぞれ50:
50、60:40、70:30に代えた以外は実施例1
と同様にして樹脂の調整、フィルムの成形をし、フィル
ムを37℃の水中に8時間浸漬した結果、すべてのフィ
ルムが実施例1と同様の収縮性を示した。
【0022】比較例1 アタクチック ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)に代え、ダ
イアッド単位のアイソタクト立体規則度100%のアイ
ソタクチック−ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(市販品:
微生物産製、融点:170℃、Tg:0〜5℃、数平均
分子量:約30万)を使用した以外は実施例1と同様に
してフィルムを成形した。このフィルムを37℃の水中
に8時間浸漬したが、水による収縮性を示さなかった。
【0023】比較例2 アタクチック−ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)に代え、高
結晶性ポリ(ε−カプロラクトン)(ダイセル化学工業
製、融点:64℃、Tg:−60℃、数平均分子量:約
6万)を使用した以外は実施例1と同様にしてフィルム
を成形した。このフィルムを37℃の水中に8時間浸漬
したが、水による収縮性を示さなかった。
【0024】比較例3 アタクチック−ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)に代え、高
結晶性ポリ(L−乳酸)(島津製作所製、融点:178
℃、Tg:60℃、数平均分子量:約12万)を使用し
た以外は実施例1と同様にしてフィルムを成形した。こ
のフィルムを37℃の水中に8時間浸漬したが、水によ
る収縮性を示さなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明の有する収縮性フィルムは、水に
より厚さ及び表面積が可逆的に変化して厚化/薄化する
ので、従来の収縮フィルムについての一般包装材、ラベ
ル、キャップシール等の用途の他に、医薬用包装材、医
療材料、緩衝材、パッキン等に特に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリヒドロキシスチレンと低
    結晶性高分子とを含有することを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 少なくともポリヒドロキシスチレン10
    〜90重量部と低結晶性高分子90〜10重量部とを含
    有する請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリヒドロキシスチレン10〜90重量
    部と低結晶性高分子90〜10重量部とよりなる請求項
    1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 低結晶性高分子がポリヒドロキシ酸であ
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 低結晶性高分子がダイアッド単位のアイ
    ソタクト立体規則度80%以下のポリ(3−ヒドロキシ
    酪酸)である請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂
    組成物を用いてなる収縮性フィルム。
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