JP2000108202A - 脂肪族ポリエステル系フィルム - Google Patents
脂肪族ポリエステル系フィルムInfo
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Abstract
ト等の加工適性、およびヒートシール強度に優れた脂肪
族ポリエステル系フィルムを提供する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(Rは水素または、炭素数1〜3のアルキル
基)である脂肪族ポリエステルを主成分としたフィルム
であって、厚み方向の屈折率(Nz)が1.440〜
1.455であり、かつ表面エネルギーが45dyne
/cm以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル
系フィルム。
Description
系樹脂からなるフィルムであり、さらに詳しくは生鮮食
品、加工食品、医薬品、医療機器、電子部品等の包装用
フィルムにおいて重要な特性である印刷及びラミネート
等の加工適性、ならびに製袋後のヒートシール強度に優
れた脂肪族ポリエステル系フィルムに関する。
フィルムには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、およびナイロン6などに代表さ
れるポリオレフィン、芳香族ポリエステル、ポリアミド
などの各種プラスチックが使用されている。これらの包
装材用フィルムは、使用後回収され、焼却廃棄されるか
或いは土中に埋められるかのいずれかの手段により処理
されている。しかし、その回収には多大の労力を要する
故に、現実には回収しきれずに放置され環境公害等の様
々な問題を引き起こしていることは周知の通りである。
また、焼却する場合、火力が強すぎて炉の損傷が激しい
うえに大量の燃料を必要とするためコスト高となる。一
方、土中に埋められる場合は、廃棄物が生分解性を有し
ておらず、土中に半永久的に残存してしまうという問題
点があった。このような状況から、良好な生分解性を有
する各種包装用フィルムを求める動きが高まっている。
を付与すべく、例えば澱粉等の生分解性を有する成分を
ブレンドすることが種々検討されている。更には、光分
解性を付与する方法、或いは、光分解性を付与したポリ
エチレンと澱粉の生分解性を有する成分をブレンドする
方法等が検討され、上述の問題の解決策として注目され
ている。然しながらこれらの方法では、澱粉成分は生分
解性を有するので土中で微生物によって分解されるが、
澱粉以外のポリマー部分は分解されない。このため、結
局は上記問題の根本的解決策とはならない。
る社会的な認識の高まりと共に、プラスチック加工品全
般に対し、自然環境のなかに廃棄されたとき、経時的に
分解・消失し、自然環境に悪影響を及ぼさないプラスチ
ック製品が求められていた。
自身が生分解性を有する各種生分解性高分子素材が検討
されている。中でもポリ乳酸は、自然環境下に棄却され
た場合に容易に分解されること、例えばポリ乳酸フィル
ムは土壌中において自然に加水分解されたのち微生物に
よって無害な分解物となることを利点として、従来より
種々開発されてきた。具体的には例えば、ポリ乳酸フィ
ルムは、医薬用の成型品として(特公昭41−2734
号、特公昭63−68155号等)、また、医薬用途以
外の使い捨て用途の生分解性汎用材料の基本原料として
応用が種々検討されている。
フィルムは透明性、生分解性、汎用フィルムと同等の優
れた機械的性質を有することから、一般包装材をはじめ
幅広い用途に、応用が期待されている。
は、生分解性フィルムとして、ポリ乳酸系重合体からな
り、面配向度ΔPが3.0×10-3以上であり、かつフ
ィルムを昇温したときの結晶化融解熱量ΔHmと昇温中
の結晶化により発生する結晶化熱量ΔHcとの差(ΔH
m−ΔHc)が20J/g以上である、実用的な強度お
よび熱寸法安定性を有するフィルムを記載している。
優先して開発を進めた結果、本来脂肪族ポリエステルが
持つ優れた特性を十分に引き出すことが出来ていなかっ
た。すなわち、生分解性を重視するために、フィルムの
配向および結晶化が十分ではなく、強度や熱寸法安定性
がいまだ不十分であった。
医療機器、電子部品等の包装用フィルムとして用いる場
合、このようなフィルムでは、包装用途のフィルムとし
て必要な印刷工程もしくはラミネート工程などの加工工
程において寸法変化を生じたり、しわが発生するなどの
加工適性に問題があることが明らかになった。
取り性、及び製品使用時の滑り性が要求される。この滑
り性が不十分な場合、フィルムの製造時及び加工時にハ
ンドリング性が不良となり、フィルムの走行時にガイド
ロール等との接触において滑り性不良により、張力が増
大し、フィルム表面に擦り傷が発生して走行性が悪くな
る。この滑り性を改良するために、フィルム中に、脂肪
酸エステル系や脂肪酸系および脂肪酸アマイド系などの
有機系潤滑剤、及びシリカ、炭酸カルシウムなどの無機
微粒子(アンチブロッキング剤)などを含有させた例
が、特開平8−34913号公報、および特開平9−2
78997号公報に開示されている。
肪族ポリエステル系フィルムはポリオレフィン系樹脂も
しくは脂肪族ポリエステル系樹脂等からなるシーラント
フィルムをラミネートし、ヒートシールにより内容物を
密閉する必要がある。ハンドリング性の改良のために、
特開平8−34913号公報および特開平9−2789
97号公報に記載の有機系潤滑剤を脂肪族ポリエステル
系フィルムに添加すると、走行性は改善されるが、脂肪
族ポリエステル系フィルムとシーラントフィルムとの間
の接着強度が低下して接着不十分となり、包装用の袋と
して使用することは困難である。
はアンチブロッキング剤の添加のみでは、包装用途に要
求される透明性を維持しながら、加工適性と製袋後のヒ
ートシール部の接着性とを両立させる事は困難であっ
た。
を解決し、特に包装用途などに好適な、印刷やラミネー
ト等の加工適性、およびヒートシール強度に優れた脂肪
族ポリエステル系フィルムを提供することを目的とす
る。
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルムと
は、以下のとおりである。
返し単位が一般式−O−CHR−CO−(Rは水素又は
炭素数1〜3のアルキル基)である脂肪族ポリエステル
を主成分としたフィルムであって、厚み方向の屈折率
(Nz)が1.440〜1.455であり、かつ表面エ
ネルギーが45dyne/cm以上であることを特徴と
する脂肪族ポリエステル系フィルムである。
ル性の樹脂層を積層していることを特徴とする第1の発
明に記載の脂肪族ポリエステル系フィルム。
脂層がポリオレフィン系樹脂もしくは脂肪族ポリエステ
ル系樹脂であることを特徴とする第2の発明に記載の脂
肪族ポリエステル系フィルム。
がポリ乳酸であることを特徴とする第1乃至3の発明に
記載の脂肪族ポリエステル系フィルム。
ステルとは、主たる繰り返し単位が一般式−O−CHR
−CO−(Rは水素または炭素数1〜3のアルキル基)
であるポリエステルをいう。
位は、すべて上記一般式で表されることが好ましいが、
必要に応じて、脂肪族ポリエステルとしての性能を損な
わない範囲で、上記一般式で表される繰り返し単位以外
の単位を含んでも良い。具体的には、例えば、分子中の
繰り返し単位のうちの70モル%以上が上記一般式で表
される繰り返し単位であることが好ましく、より好まし
くは、80モル%以上であり、さらに好ましくは90モ
ル%以上であり、特に好ましくは95モル%以上であ
る。
常、芳香族成分は含まれない。必要に応じて、脂肪族ポ
リエステルとしての性能を損なわない範囲で、芳香族成
分を採用しても良いが、その場合、芳香族構造を含む繰
り返し単位の比率は、分子中の繰り返し単位のうちの1
0モル%以下であることが好ましく、より好ましくは、
5モル%以下であり、さらに好ましくは3モル%以下で
ある。
えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(2−オキシ
酪酸)等が挙げられるが、これらに限定されない。この
中でも、ポリ乳酸が性能及び価格の点で最も好ましい。
また、脂肪族ポリエステルは単独重合体であってもよ
く、上記一般式から選択される複数種の繰り返し成分が
共重合された共重合体であってもよい。さらに、脂肪族
ポリエステルは、単一のポリマーであってもよく、また
は複数種の脂肪族ポリエステルの混合物であってもよ
い。
斉炭素が存在する場合、L−体、DL−体、D−体とい
った光学異性体が存在し得るが、それらのいずれも採用
でき、また、それら異性体の混合物も採用できる。
の効果を阻害しない範囲で、他の高分子材料が混合され
ても構わない。他の高分子材料が混合される場合、好ま
しくは、脂肪族ポリエステルは、脂肪族ポリエステルと
他の高分子材料との総重量のうちの70重量%以上であ
り、より好ましくは、80重量%以上であり、さらに好
ましくは、90重量%であり、特に好ましくは、95重
量%以上である。上述した脂肪族ポリエステル(以下、
単に「ポリマー」ということがある。)は、公知の方
法、例えば、対応するα−オキシ酸の脱水環状エステル
化合物の開環重合などの方法で製造され、本発明のフィ
ルムの原料となる。
量平均分子量は、好ましくは、1万〜50万である。よ
り好ましくは、4〜30万である。特に好ましくは、5
〜30万である。重量平均分子量が小さすぎる場合に
は、得られるフィルムの物性が低下しやすく、且つ、生
分解速度が速すぎる傾向があるので好ましくない。ま
た、フィルム製造時の製膜機からの押出性、2軸延伸機
での延伸性を十分確保するためには重量平均分子量は1
万以上であることが好ましい。一方、重量平均分子量が
高すぎる場合には、脂肪族ポリエステルの溶融押出しが
困難になるという問題が生じやすい。
剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、潤
滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、結晶核剤、着色防
止剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、離型剤、抗菌剤、ま
たは難燃剤などを含有させてもよい。例えば、必要に応
じて帯電防止性等を考慮して、ラウリルホスフェートカ
リウム塩等のアニオン系界面活性剤、四級アンモニウム
塩等のカチオン系界面活性剤、脂肪族高級アルコールや
高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物等のノニオン系
界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体
等のポリアルキレングリコール類、ジメチルポリシロキ
サン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級アルコ
キシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル類を一
種または二種以上含有させることができる。
性を改善するためには、脂肪族ポリエステルに対し不活
性な粒子である、無機粒子、有機塩粒子または耐熱性高
分子粒子などの不活性粒子を脂肪族ポリエステル中に含
有させ、フィルム表面に適切な表面凹凸を付与すること
が好ましい。
チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、タル
ク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、リン酸リチウム、硫酸バリウム、フ
ッ化リチウム等の金属の塩、等が挙げられる。
ら、透明性に優れたフィルムを得るためには、脂肪族ポ
リエステルと屈折率の近い粒子であるシリカを用いるこ
とが好ましく、なかでも1次粒子が凝集してできた凝集
体のシリカ粒子、破砕型シリカ、ガラスフィラーが特に
好ましい。
たは、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、もしく
はマグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
ベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸などのビニル系モノマーの単独または共重合体が
挙げられる。具体的には、例えば、架橋ポリスチレン樹
脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂などの架
橋高分子粒子、およびシリコーン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱
硬化性フェノール樹脂等の耐熱性有機粒子が挙げられ
る。
独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。ま
た、フィルム中の不活性粒子の平均粒子径は0.01〜
3.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜
2.5μmである。不活性粒子の平均粒子径は、電子顕
微鏡によって求めることができる。また、脂肪族ポリエ
ステルに対する不活性粒子の含有量は、0.005〜2
重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1.0
重量%である。なかでも、脂肪族ポリエステルとの屈折
率が近く、かつ平均粒子径が1.0〜2.5μmと比較
的大きな不活性粒子を、ポリエステルに対し0.01〜
0.1重量%を含有させることが、フィルムの透明性お
よび滑り性を両立するために特に好ましい。
を両立する為には、2種以上の不活性粒子を併用するこ
とも好ましい。特に、フィルムの製膜中に変形する大粒
径の不活性粒子(例えば、架橋度の低い架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル等の架橋高分子粒子、一次粒子の凝集
体であるシリカ等)とフィルム製膜中に変形しない小粒
径の通常の不活性粒子を組み合わせることが好ましい。
添加方法は、特に限定されず、公知の任意の方法が可能
である。具体的には、例えば、脂肪族ポリエステルとし
てポリ乳酸を使用する場合であれば、ラクチドを重合さ
せる前に、溶融したラクチドに不活性粒子を分散させる
方法、及びラクチドの重合反応中に不活性粒子を分散さ
せる方法などがある。
族ポリエステル組成物は、従来公知の方法により、フィ
ルムに成形される。好ましくは、フィルムは成形後にさ
らに延伸される。具体的には、縦方向または横方向に延
伸する一軸延伸法、インフレーション法、または同時二
軸延伸法、もしくは逐次二軸延伸法などの二軸延伸方を
用いる。逐次ニ軸延伸法としては、例えば、縦延伸およ
び横延伸を順に行ってもよく、あるいは横延伸および縦
延伸を順に行ってもよい。また、横・縦・縦延伸法、縦
・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの延伸方法を適
用することができる。さらに必要に応じて、熱固定処
理、縦弛緩処理、または横弛緩処理などを施してもよ
い。さらに好ましくは、二軸延伸後に熱固定される。
出成形法により製造する場合には、公知のT−ダイ法、
インフレーション法等が適用でき、これらの方法により
未延伸フィルムを得ることができる。押出し温度は、用
いる脂肪族ポリエステルの融解温度(Tm)〜Tm+7
0℃の範囲、より好ましくは、Tm+20〜Tm+50
℃の範囲である。押出し温度が低すぎると、押出機に対
して負荷がかかりすぎるために安定して押出し成形を行
うことが困難となりやすい。また逆に、押出し温度が高
すぎると、脂肪族ポリエステルが分解しやすくなるので
好ましくない。脂肪族ポリエステルフィルムを製造する
のに用いる押出機のダイとしては、環状又は線状のスリ
ットを有するものを用いることができる。また、ダイの
温度については押出温度と同様の温度が適用される。
ムの二軸延伸は、一軸目の延伸と二軸目の延伸を逐次に
行っても、同時に行っても良い。延伸温度は、用いる脂
肪族ポリエステルのTg(ガラス転移点)〜Tg+50
℃の範囲が好ましい。さらに好ましくはTg+10〜T
g+40℃の範囲である。延伸温度が低すぎると延伸が
困難であり、逆に高すぎると厚み均一性または得られた
フィルムの機械的強度が低下し好ましくない。
に分けて行っても良いが、それぞれの延伸方向に最終的
には少なくとも3倍以上、更に好ましくは、3.5倍以
上、また縦・横面積倍率で9倍以上、更に好ましくは1
2倍以上延伸することが厚みの均一性や機械的性質の点
から好ましい。縦、横延伸比がそれぞれ3倍以下、また
面積倍率で9倍以下では、厚み均一性の良いフィルムは
得るのが困難になり、また、機械的強度等の物性の充分
な向上が得られにくい。脂肪族ポリエステルを主成分と
する基材フィルムの厚みは、10〜250μmであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは12〜250μmであ
る。
縦延伸方向を意味し、また幅方向は横延伸方向を意味す
る。延伸倍率の上限は、特に限定されない。ただし、延
伸中にフィルムが破断しないように制御されることが好
ましい。
プロセス中に、他の樹脂との共押出し工程またはコーテ
ィング工程を設けて、複層フィルムとしてもよい。
z)は、任意の方法により所定の範囲に調整することが
できる。具体的には、例えば、縦延伸を二段以上で行
い、そのうちの少なくとも一段をTg+20℃〜Tg+
40℃の温度範囲で延伸速度が10000%/分以上、
好ましくは15000%/分以上、さらに好ましくは2
0000%/分以上で延伸する工程を含むプロセスが採
用される。
ルムの厚み方向の屈折率(Nz)は1.440〜1.4
55である必要があり、さらに好ましくは1.445〜
1.455である。Nzが1.440未満では、フィル
ムを製膜する工程において破断が発生しやすくなり、更
に印刷工程、ラミネート工程およびヒートシール工程等
でしわ、平面性悪化等が発生し好ましくないだけでな
く、ヒートシール強度も不良となる。また、1.455
以上では印刷工程、ラミネート工程およびヒートシール
工程等でしわ、平面性悪化、伸び等が発生し加工適性が
不良となるため好ましくない。
系フィルムの表面エネルギーは45dyne/cm以上
であり、さらに好ましくは47dyne/cm以上であ
る。表面エネルギーが45dyne/cm未満ではヒー
トシール強度が不十分となるため好ましくない。
ルギーを45dyne/cm以上とするためには、コロ
ナ放電処理、コーティング処理、プラズマ処理または火
炎処理などを行うことが好ましい。
フィン系樹脂もしくは脂肪族ポリエステル系樹脂からな
り、ドライラミネーションや押出しラミネーション等の
方法によって積層される。ヒートシール層として脂肪族
ポリエステル系樹脂を用いた場合、ラミネート製品全体
として生分解性を付与できるという大きな利点が得られ
る。ドライラミネーションはグラビアコート方式、リバ
ースキスロールコート方式、リバースロールコート方式
により接着剤層を塗布し、乾燥後、ヒートシール性を有
する前記樹脂フィルムを積層する方法が一般的である。
主剤とNCO基を持った硬化剤とを混合して用いる二液
反応型のウレタン系接着剤及びその他のイソシアネート
系接着剤等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂として
はポリエチレン、ポリプロピレンあるいはこれらの共重
合体等が挙げられる。
ルの具体例としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコー
ル酸、ポリ(2−オキシ酪酸)等が挙げられるが、これ
らに限定されない。この中でも、ポリ乳酸が性能及び価
格の点で最も好ましい。また、脂肪族ポリエステルは単
独重合体であってもよく、複数種の繰り返し成分が共重
合された共重合体であってもよい。さらに、脂肪族ポリ
エステルは、単一のポリマーであってもよく、または複
数種の脂肪族ポリエステルの混合物であってもよい。脂
肪族ポリエステルの構成炭素原子中に不斉炭素が存在す
る場合、L−体、DL−体、D−体といった光学異性体
が存在し得るが、それらのいずれも採用することができ
る。また、それら異性体の混合物も採用することができ
る。
及び効果を具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例に限定されない。まず、以下の実施例、比較例にお
ける物性の評価方法を説明する。
リエステル系フィルムの厚み方向の屈折率を測定した。
脂肪族ポリエステル系フィルム表面に幅1cm、長さ6
cmに塗り、2秒間でフィルムが縮む試薬を選び、表面
エネルギーを測定した。
系フィルムの上に、グラビアインキ(ラミエース61白
二液タイプ、東洋インキ社製)をグラビア印刷して印刷
インキ層を形成した。次いで、接着剤(AD585/C
AT−10、東洋モートン社製)を2g/m2塗布した
後、常法に従って厚み60μmの未延伸ポリプロピレン
フィルム(P1120、東洋紡績製)をドライラミネー
ト法にて貼り合わせてシーラント層を設け、脂肪族ポリ
エステル系フィルム積層体を得た。得られた積層体及び
実施例2で得た積層体の状態を観察し、三段階評価を実
施した。 ○;しわ及び印刷ずれが無く、フィルムの状態良好△;
しわ又は/及び印刷ずれが若干発生×;平面性悪化が見
られ、しわおよび印刷ずれが発生
び湿潤時(水有り)の剥離強度を測定した。測定は、引
張速度100mm/分での90°剥離試験により行われ
た。表1に記載の「水無し」は、温度23℃、湿度65
%RHにおける測定値である。「水有り」は、測定試料
にスポイトで水滴をたらし、フィルムを湿潤状態にして
測定した値である。
実施したときのフィルムの破断回数で評価した。フィル
ムの破断が発生しないか、または1回発生する場合を良
好と判断した。
対し、表面突起を形成するための不活性粒子として平均
粒子径1.8μmの凝集体シリカ粒子を0.06重量部
含有したポリ乳酸ポリマーを得た。このポリマーを、T
ダイ付き口径30mm押出機を使用して、樹脂温度21
0℃で押出した後、20℃のチルロールで冷却し、厚さ
275μmの未延伸フィルムを得た。複数本のセラミッ
クロールによりフィルム温度を95℃に予熱し、ロール
間で30000%/分の延伸速度で縦方向に1.4倍延
伸し、更に97℃で2.5倍縦方向に延伸した。次い
で、テンター式延伸機で横方向に100℃で4倍延伸し
た後、150℃で熱固定した。その後、130℃で3%
横弛緩処理を行った。得られたフィルムを40℃に加熱
しコロナ処理を行って、厚さ20μmの二軸延伸フィル
ムを得た。表1にその物性を示す。
様の方法で、二軸延伸フィルムを得た。表1にその物性
を示す。
の縦延伸を行わなかった以外は実施例1と同様の方法
で、二軸延伸フィルムを得た。表1にその物性を示す。
N’−エチレンビス(ステアリルアミド)をポリ乳酸1
00重量部に対して0.15重量部を配合させた以外は
実施例1と同様の方法で、二軸延伸フィルムを得た。表
1にその物性を示す。
法で二軸延伸フィルムを得た。表1にその物性を示す。
(ラミエース61白二液タイプ、東洋インキ社製)をグ
ラビア印刷して印刷インキ層を形成した。次いで、接着
剤(AD585/CAT−10、東洋モートン社製)を
2g/m2塗布した。さらにシーラント層として、重量
平均分子量18万のポリ−D、L−乳酸(L体/D体=
80/20;重量比)を樹脂温度200℃でTダイ付き
口径30mm押出機より押出すことにより得られた厚み
60μmの未延伸フィルムを常法に従いドライラミネー
トした以外は、他の実施例及び比較例と同様の物性評価
を行った。結果を表1に示す。
包装用フィルムの実用特性として重要な、印刷やラミネ
ート等の加工適性および製袋後のヒートシール強度に優
れているため、環境に優しい一般包装用フィルムとして
極めて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位が一般式−O−CH
R−CO−(Rは水素または、炭素数1〜3のアルキル
基)である脂肪族ポリエステルを主成分としたフィルム
であって、厚み方向の屈折率(Nz)が1.440〜
1.455であり、かつ表面エネルギーが45dyne
/cm以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル
系フィルム。 - 【請求項2】 前記フィルムがヒートシール性の樹脂層
を積層していることを特徴とする請求項1記載の脂肪族
ポリエステル系フィルム。 - 【請求項3】 前記のヒートシール性の樹脂層がポリオ
レフィン系樹脂もしくは脂肪族ポリエステル系樹脂であ
ることを特徴とする請求項2記載の脂肪族ポリエステル
系フィルム。 - 【請求項4】 前記脂肪族系ポリエステルがポリ乳酸で
あることを特徴とする請求項1乃至3記載の脂肪族ポリ
エステル系フィルム。
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