JP2003292481A - メルカプトアルコールカルボン酸エステル類、その香料組成物及び該エステル類の製造方法 - Google Patents
メルカプトアルコールカルボン酸エステル類、その香料組成物及び該エステル類の製造方法Info
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Abstract
様、シトラス様香気特性を満足する新規化合物、該化合
物を有効成分として含有する香料組成物及び該化合物の
製造方法の提供 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数2から5の直鎖又は分岐アルキ
ル基を示す)で表わされるメルカプトアルコールカルボ
ン酸エステル類、該エステル類を有効成分として含有す
る香料組成物及び該エステル類の製造方法。
Description
ルコールカルボン酸エステル類、その香料組成物及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、果物様、ミート
様、特にグレープ様の香気に優れたメルカプトアルコー
ルカルボン酸エステル類、それを有効成分として含有す
る香料組成物及び該エステル類の製造方法に関する。
カプトアルコールギ酸エステルは、果物調、グリーン
調、焦臭、焼肉臭、トースト臭燻肉様及びミート様なら
びに野菜様の香気及びフレーバーを出すことができるか
又はかかる香調を強めることができるものとしてで開示
されている。このものは香料組成物、あるいは洗剤、化
粧品、ワックス、歯磨のような賦香製品に使用すること
ができること、あるいは食品製造の際のフレーバー用化
合物として有用であることを開示している。中でもギ酸
3−メルカプト−3−メチルブチル、ギ酸4−メルカプ
ト−4−メチルペント−2−イルが好ましいものとして
開示されている。
ルカプトアルコール酢酸エステルは、果物調、グリーン
調、焦臭、焼肉臭、トースト臭燻肉様及びミート様なら
びに野菜様の香気及びフレーバーを出すことができるか
又はかかる香調を強めることができるものとしてで開示
されている。このものは香料組成物、あるいは洗剤、化
粧品、ワックス、歯磨のような賦香製品に使用すること
ができること、あるいは食品製造の際のフレーバー用化
合物として有用であることを開示している。中でも酢酸
3−メルカプト−3−メチルブチル、酢酸4−メルカプ
ト−4−メチルペント−2−イルが好ましいものとして
開示されている。
OR10等を示し、R10はメチル基又はエチル基を示
す。)の化合物が、緑茶飲料用添加剤として有用なこと
を見出し、特願2001−210104として出願し
た。しかしながら、上記のメルカプトアルコールギ酸エ
ステル、メルカプトアルコール酢酸エステル等の化合物
は、果物様、ミート様、特にグレープ様香気特性を有す
る物質としては満足できるものではなかった。本発明者
らは、上記化合物等について種々の検討を重ねた結果、
意外にも本発明の化合物が、独特の香調を有し、香料組
成物の有効成分としても有用なことを見出した。
ート様、特にグレープ様、シトラス様香気特性を満足す
る新規化合物、該化合物を有効成分として含有する香料
組成物及び該化合物の製造方法の提供を目的とする。
(1)
は分岐アルキル基を示す)で表わされるメルカプトアル
コールカルボン酸エステル類を提供する。
カルボン酸エステル類を有効成分として含有する香料組
成物を提供する。
ルを原料とし、これにに不活性溶媒中で硫化水素を付加
した後、アルデヒド部分を還元してメルカプトアルコー
ルを得、ついで炭素数2〜5の直鎖または分岐のアルキ
ル基を有するカルボン酸、該カルボン酸の無水物または
該カルボン酸のハライドにより上記メルカプトアルコー
ルをエステル化することを特徴とする上記メルカプトア
ルコールカルボン酸エステル類の製造方法を提供する。
メルカプトアルコールカルボン酸エステル類は、新規な
化合物であり、果物様、ミート様、特にグレープ様、シ
トラス様香気特性を有し、香味の持続性、嗜好性の増加
についての効果が顕著であった。本発明により得られる
化合物は、そのままで、あるいは他のフレーバー用化合
物と一緒に果物、野菜、食肉、穀類のような食品の香気
及びその他の食品の香気を改善し、あるいは強めたりす
るのに用いることができる。なお本発明において、食品
とはチョコレート、コーヒー及び緑茶のような製品を含
む意味で使用されている。
ン酸3−メルカプト−3−メチルブチル、酪酸3−メル
カプト−3−メチルブチル、イソ酪酸3−メルカプト−
3−メチルブチル、イソ吉草酸3−メルカプト−3−メ
チルブチル、カプロン酸3−メルカプト−3−メチルブ
チル等が例示される。
は特に制限されないが、香料組成物の全体量を基準とし
て0.001ppm〜1000ppm、好ましくは0.01pp
m〜100ppmの範囲で添加することにより、グレープ
様、シトラス様の香調を付与することができ好適であ
る。式(1)に示す化合物の香料組成物への添加濃度が
上記の下限未満であるとグレープ様、シトラス様の香気
を付与することができず、上限を超えるとイオウ様の香
気が強調されて好ましくない。またこれらの化合物の適
当量を配合した本発明の香料組成物を飲食品へ配合する
際の配合量は、0.001〜1重量%、好ましくは0.
01〜0.5重量%の範囲内を例示することができる。
にして製造することができる。
ンアルデヒド)に硫化水素を付加し、ついでアルデヒド
部分を還元すると式(4)
の硫化水素の付加は、例えば、常法に従って、テトラヒ
ドロフラン(THF)やエーテルなどの硫化水素ガスを
溶解しうる不活性溶媒中で、触媒量のアミン存在下に行
うことができる。反応液中にヒドロキノンなどの重合防
止剤を共存させると収率が向上するので好ましい。ヒド
ロキノンの使用量は、式(5)の3−メチル−2−ブテ
ナールに対して0.1から5重量%が好ましい。硫化水
素ガスは、反応前に溶媒に飽和させてから反応させても
よく、また反応系にバブリング導入しながら反応させて
もよい。アミンとしては、付加反応速度を向上させるも
のであれば特に限定されないが、トリエチルアミンを好
ましく例示できる。アミンの使用量は、式(5)の3−
メチル−2−ブテナールに対して1〜10重量%が好ま
しい。反応温度としては−10〜50℃、好ましいもの
として0〜30℃の範囲を例示できる。
ルカプトアルデヒド類が一般的に不安定なため、単離せ
ずに行うのが好ましい。還元剤としては、アルデヒドが
還元される還元剤であれば特に限定されないが、水素化
ホウ素ナトリウムを好ましいものとして例示できる。常
法に従い、水素化ホウ素ナトリウムを水あるいはエタノ
ール、イソプロピルアルコールなどに懸濁させ、上記で
得られた3−メルカプトアルデヒド体の反応液を加える
ことにより、還元反応が達成される。反応後、通常の後
処理を行い、式(4)のメルカプトアルコールを得るこ
とができる。
アルキル基を有するカルボン酸によりエステル化する
と、例えばイソ酪酸でエステル化すると式(3)
カプト−3−メチルブチルが生成する。このエステル化
は常法に従って、上記カルボン酸と式(4)のメルカプ
トアルコールを酸性触媒の存在下に適宜な溶媒中で、De
an-Starkの水分離装置などを用いて、還流条件下に系外
に生成する水を除去しながら行うことができる。1当量
のカルボン酸を用いた場合、好都合なことにS−アシル
化体の生成はほとんど観察されなかった。溶媒として
は、例えばシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどを
例示される。その使用量は式(4)のメルカプトアルコ
ールに対して50〜1000重量%が例示される。酸性
触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエ
ンスルホン酸などのスルホン酸類;硫酸、リン酸などの
鉱酸などが例示される。その使用量は、式(4)のメル
カプトアルコールに対し0.01〜10重量%の範囲内
が適当である。
は、式(4)のメルカプトアルコールに上記したカルボ
ン酸の無水物またはハロゲン化物を用いることもでき
る。常法に従い、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩
基の存在下、式(4)のメルカプトアルコールに対して
カルボン酸無水物またはカルボン酸ハライドを1当量さ
せると、式(1)のメルカプトアルコールカルボン酸エ
ステル類を効率よく得ることができる。
たはカルボン酸ハライドを用いた式(4)のメルカプト
アルコールのO−アシル化は、チオールとアルコールの
反応性の相違を考慮すると、一旦S−アシル化体が生成
し、その後にO−アシル化体に転位している経路が考え
られる。本発明者らはこの経路を裏付けるため、式
(4)の化合物にチオ酢酸を付加させて得た3−アセチ
ルチオ−3−メチルブテナールのアルデヒド部分を還元
したところ、予想していた3−アセチルチオ−3−メチ
ルブタノールではなく、アセチル基が転位した酢酸3−
メルカプト−3−メチルブチルが得られた。従って、S
−アシル化体はO−アシル化体へ転位しやすいという性
質が確認され、本発明の式(4)の化合物のエステル化
においても、S−アシル化体が中間体となっている可能
性が予測された。
−2−ブテナール42g(0.5mol)、テトラヒドロ
フラン(THF)100g、ヒドロキノン1g(0.00
9mol)、トリエチルアミン3g(0.03mol)、を仕
込み氷水冷を行う。3℃〜5℃で硫化水素ガスをバブリ
ングする。7時間たったところ、未反応率29%だっ
た。ここでバブリングを止め、一夜放置したところ原料
は消失した。容積500mlの四つ口フラスコにNaBH
4を8g(0.21mol)、水40gを仕込み氷水冷下、〜
30℃/1時間で上記反応液を滴下した。氷水冷下、〜
30℃/2時間撹拌後、有機層を5%H2SO4aq.
(250g×1)、10%NaClaq.(250g×
1)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポ
レーターにて溶媒を回収し、粗製63.2gを得た。こ
のものを減圧蒸留し3−メルカプト−3−メチルブタノ
ール39.2g(純度92.4%、収率66.4%)を
得た。
ノールを6.5g(55.7mol)、イソ酪酸5.5、ト
ルエン50ml、p−トルエンスルホン酸0.1gを3時
間アゼオ条件下に加熱還流した。冷却後、飽和重曹水に
注ぎ、エーテル抽出した。有機層から溶媒回収後、残渣
を減圧蒸留しイソ酪酸3−メルカプト−3−メチルブチ
ル7.3g(GC純度7.8%、収率68.9%)を得
た。GC−MSにより構造を確認した。マスフラグネン
テーションイオン:190(M+)、102、75、7
1、69(bp)、43からS−アシル化体ではなく、O−
アシル化体であることが確認された。
施例2)、酪酸(実施例3)、イソ吉草酸(実施例4)
およびカプロン酸(実施例5)を使用して同様な方法
で、プロピオン酸−3−メルカプト−3−メチルブチル
(実施例2)、酪酸3−メルカプト−3−メチルブチル
(実施例3)、イソ吉草酸3−メルカプト−3−メチル
ブチル(実施例4)およびカプロン酸3−メルカプト−
3−メチルブチル(実施例5)を得た。
ールカルボン酸エステル類の物性および香気評価を表1
に示した。
合した。 (香料組成物の処方) アミルイソバレレート 8 シンナミルアルコール 5 シンナミルイソバレレート 3 シンナミルプロピオネート 3 シトラール 1 エチルアセテート 62 エチルベンゾエート 3 エチルブチレート 16 エチルカプロエート 3 エチルエナントエート 8 ヒドロキシシトロネラール 1 メチルアンスラレート 132 メチルサリシレート 12 ターピニルアセテート 10エタノール 732 合計 1000 上記香料組成物99.5に実施例1のイソ酪酸3−メル
カプト−3−メチルブチル0.1%エタノール溶液0.
5gを加えて、甘いグレープ感を有し、かつ持続性のあ
る新規なグレープ用香料組成物を得た。
た香料組成物と、加えていない香料組成物を比較評価し
たところ、専門パネラー10人全員がいずれも本発明品
を加えた香料組成物がグレープ感が強く、持続性におい
ても格段に優れていると評価した。
ブチルに代えて実施例2〜5で得られた化合物を加えた
場合も、多少のニュアンスは異なるが同様の結果であっ
た。
にグレープ様、シトラス様香気特性を満足する化合物、
該化合物を有効量含有する香料組成物、及び該化合物の
製造方法が提供される。
3)
合した。 (香料組成物の処方) アミルイソバレレート 8 シンナミルアルコール 5 シンナミルイソバレレート 3 シンナミルプロピオネート 3 シトラール 1 エチルアセテート 62 エチルベンゾエート 3 エチルブチレート 16 エチルカプロエート 3 エチルエナントエート 8 ヒドロキシシトロネラール 1 メチルアンスラレート 132 メチルサリシレート 12 ターピニルアセテート 10エタノール 732 合計 999 上記香料組成物99.5に実施例1のイソ酪酸3−メル
カプト−3−メチルブチル0.1%エタノール溶液0.
5gを加えて、甘いグレープ感を有し、かつ持続性のあ
る新規なグレープ用香料組成物を得た。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数2から5の直鎖又は分岐アルキ
ル基を示す)で表わされるメルカプトアルコールカルボ
ン酸エステル類。 - 【請求項2】 請求項1記載のメルカプトアルコールカ
ルボン酸エステル類を有効成分として含有する香料組成
物。 - 【請求項3】 3−メチル−2−ブテナールに不活性溶
媒中で硫化水素を付加した後、アルデヒド部分を還元し
てメルカプトアルコールを得、ついで炭素数2〜5の直
鎖または分岐のアルキル基を有するカルボン酸、該カル
ボン酸の無水物または該カルボン酸のハライドにより上
記メルカプトアルコールをエステル化することを特徴と
する請求項1記載のメルカプトアルコールカルボン酸エ
ステル類の製造方法。 - 【請求項4】 硫化水素付加を重合防止剤の存在下に行
うことを特徴とする請求項3記載のメルカプトアルコー
ルカルボン酸エステル類の製造方法。 - 【請求項5】 硫化水素付加を触媒量のアミン存在下に
行うことを特徴とする請求項3記載のメルカプトアルコ
ールカルボン酸エステル類の製造方法。
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JP2002100456A JP3913594B2 (ja) | 2002-04-02 | 2002-04-02 | メルカプトアルコールカルボン酸エステル類、その香料組成物及び該エステル類の製造方法 |
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JP2008545813A (ja) * | 2005-05-13 | 2008-12-18 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | フレバリング成分としてのチオール |
JP2014529598A (ja) * | 2011-08-24 | 2014-11-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | メルカプトアルキルカルボキシラートの製造方法 |
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JP2021080327A (ja) * | 2019-11-15 | 2021-05-27 | 長谷川香料株式会社 | 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤 |
JP2021143150A (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-24 | 長谷川香料株式会社 | 含硫化合物および香味付与剤 |
-
2002
- 2002-04-02 JP JP2002100456A patent/JP3913594B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2018003623A1 (ja) * | 2016-06-28 | 2018-01-04 | 株式会社クラレ | 含硫黄化合物除去用の組成物 |
CN109310982A (zh) * | 2016-06-28 | 2019-02-05 | 株式会社可乐丽 | 用于去除含硫化合物的组合物 |
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