JP2524169B2 - 含硫エステルを含有する香料組成物 - Google Patents

含硫エステルを含有する香料組成物

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JP2524169B2 JP62208364A JP20836487A JP2524169B2 JP 2524169 B2 JP2524169 B2 JP 2524169B2 JP 62208364 A JP62208364 A JP 62208364A JP 20836487 A JP20836487 A JP 20836487A JP 2524169 B2 JP2524169 B2 JP 2524169B2
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俊文 白川
公男 木之下
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武顕 江藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規香料組成物に関し、特に含硫エステルを
含有してなるマイルド天然らしさが強調された香料組成
物に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 従来より香粧品用香料、食品香料などの香料組成物と
してはマイルドでこくのある天然らしさが強調された香
気を有するものが好まれており、このため既知の種々香
料素材を組合せ、またその配合量を変えて、できるだけ
天然らしさを有するように調合することが行われている
が、従来このようなマイルドで天然らしさを与える香料
素材は少なく思い通りの香りを作り出すには素材が不足
している現状である。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決すること
にある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記目的に鑑み鋭意検討した結果、3−
メルカプト−2−メチルプロピオン酸エステルが香料組
成物により天然らしさを賦香し、且つ製造容易で有用な
調合素材であることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は一般式(1) (式中Rはメチル基あるいはエチル基を表わす)で示さ
れる3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸エステル
を含有することを特徴とする香料組成物にある。
上記一般式(1)で示される化合物即ち3−メルカプ
ト−2−メチルプロピオン酸エステル及び/またはエチ
ルエステルはトロピカル系のフルーティーな特徴ある香
気を有し、食品香料、香粧品香料等へ微量添加あること
によりその個性を引き立たせより天然らしさを増強し、
品質を向上させることができるという著効を示す。
含硫エステル類のうち、いくつかは既に調合素材とし
て知られている。例えばメチルチオ酢酸メチルエステ
ル、3−メチルチオプロピオン酸メチル及びエチルエス
テル等がある。しかし上記一般式(1)で示される3−
メルカプト−2−メチルプロピオン酸エステルは調合素
材としてこれまで知られている化合物とは明瞭に異なる
特有の香気を有し極めて優れた調合素材である。本発明
の化合物の対応するカルボン酸である3−メルカプト−
2−メチルプロピオン酸はアスパラガス中より見出され
ているが、このものはほとんど香気がなく香料調合素材
としての利用は出来ない。
本発明の化合物は上記一般式(1)においてRがメチ
ル基またはエチル基であることを必須とする。Rが炭素
数3以上では含硫化合物特有の特徴ある香気が乏しくな
り有用な調合素材とはなり得ない。
本発明の化合物自体は公知である。例えば特開昭49−
124024号公報には本発明の化合物を包含する化合物類の
製造は記載されている。また、J.Agric.Food Chem.,Vo
l.25,No.3,455(1977)にはアスパラガス中の成分同定
のために本発明の化合物の製法が記載されている。もち
ろんこれらには香気等の記載は一切なく香料組成物とし
ての利用可能性は全く示唆されていない。
本発明の化合物は適宜公知の製造に従って製造しう
る。例えばJ.Agric.Food Chem.,Vol.25,No.3,455(197
7)に記載の方法ではメタクリル酸メチルエステルにト
リエチルアミン存在下硫化水素を作用させて調製してい
る。
また特開昭49−124024号では水硫化ナトリウムとメタ
クリル酸エステルを反応させることにより調製してい
る。
本発明の化合物の使用量はその使用目的により相違す
るが一般には香料組成物に対し0.001ないし10重量%の
範囲で使用することが好ましい。このように3−メルカ
プト−2−メチルプロピオン酸メチルエステル及び/ま
たはエチルエステルは香料組成物に少量配合するだけで
も全体をより天然らしくし品質を向上させることが出来
る。
本発明の香料組成物はそのマイルドで天然らしさが強
調された香気を有するところから、香粧品用の調合香料
や食品、飲料、果実、タバコフレーバー等として広く利
用しうる。香粧品の具体例を例示すれば、石鹸、洗剤、
シャンプー、芳香剤、一般化粧品等がある。
以下に実施例を揚げ具体的に説明するが本発明はこれ
により制限されるものではない。
参考例−1 3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸メチルエステ
ルの合成 メタノール100gに水硫化ナトリウム80.0gを溶解して
おき、撹拌しながらメタクリル酸メチルエステル100.0g
と二硫化炭素93.2gを混合した溶液を約45分間で添加し
た。反応温度は30〜40℃に保った。添加終了後濃塩酸12
0gを徐々に滴下し反応液のpHを1に調整すると硫化水素
が若干副生し、食塩が析出し、二硫化炭素が再生され
る。次に水約160mlを加えて撹拌して食塩を溶解し静置
すると水層と油層に分離する。油層より二硫化炭素を留
去してから真空蒸留によって52〜54℃/8mmHgの留分とし
て無色透明な液体3−メルカプト−2−メチルプロピオ
ン酸メチルエステルを79.8g(収率59.5%)得た。
参考例−2 3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸エチルエステ
ルの合成 エタノール100gに水硫化ナトリウム71.3gを溶解して
おき、撹拌しながらメタクリル酸エチルエステル100.0g
と二硫化炭素93.2gを混合した溶液を約45分間で添加
し、後は参考例−1と同様の操作を行なったところ3−
メルカプト−2−メチルプロピオン酸エチルエステルを
75.6g(収率58.0%)得た。
実施例 1 下記処方に沿ってパッションフルーツ型組成物を調製
する。成分 重量部 メチルβ−ナフチルケトン 0.5 ジメチルアンスラニレート 2.0 オレンジ テンプル ネオ(PFW) 12.0 アルデヒド マンダリン10% 1.0 エチルブチレート 1.0 レモン フラグランス キーMS 10.0 オレンジ オイル 70.0 アルデヒド C−16 1.0 アルデヒド C−8 0.3 アルデヒド C−11ウンデシリック 0.1フロロパル 1.0 計 99.0 これとこれに3−メルカプト−2−メチルプロピオン
酸メチルエステル1%アルコール溶液を1部添加したも
のについて官能試験を行ったところ10名の専門審査員が
一致して添加品は香調が自然らしくなり良しとした。
実施例 2 下記処方に沿ってマンゴフレーバーを調製した。成分 重量部 エチルアセテート 5 エチルブチレート 6 エチル2−メチルブチレート 4 d−リモネン 16 エチル カプロエート 6 シス−3−ヘキセノール 5 リナロール 3 ベンズアルベヒド 2 ジエチルマロネート 33 2−メチル酪酸 4 エチルマルトール 8 バニリン 5 γ−ウンデカラクトン 2 ナツメッグ オイル 0.5プロピレングリコール 900.3 計 998.8 これとこれに3−メルカプト−2−メチルプロピオン
酸エチルエステル0.2部を添加したものについて官能試
験を行ったところ10名の専門審査員が一致して添加品は
マイルド感が強くなり良しとした。
比較例−1 3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸n−ブチルエ
ステルの合成 n−ブタノール100gに水硫化ナトリウム57.2gを溶解
しておき、撹拌しながらメタクリル酸n−ブチルエステ
ル100.0gと二硫化炭素93.2gを混合した溶液を約45分間
で添加し、後は参考例−1と同様の操作を行ったところ
3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸n−ブチルエ
ステルを74.5g(収率60.1%)得た。
3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸n−ブチルエ
ステルの評価 3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸n−ブチル
エステルはフルーティーな香気は有するもののメチルエ
ステル及び/またはエチルエステルに比べると含硫化合
物特有の特徴ある香気が乏しくまた香気の強さも乏し
い。さらにこのものを実施例2に示したマンゴフレーバ
ーの処方に0.2部添加して無添加品と比較したが特徴あ
る香気の違いはみられなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江藤 武顕 千葉県野田市船形1573−4 曽田香料株 式会社野田支社内 (56)参考文献 特開 昭49−124024(JP,A) J.Agric.Food Che m.,Vol.25,No.3,P.455 −9(1977)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中Rはメチル基あるいはエチル基を表わす)で示さ
    れる3−メルカプト−2−メチルプロピオン酸エステル
    を含有してなることを特徴とする香料組成物。
JP62208364A 1987-08-24 1987-08-24 含硫エステルを含有する香料組成物 Expired - Lifetime JP2524169B2 (ja)

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JPS6452711A JPS6452711A (en) 1989-02-28
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