JP2003291833A - 作業用車両の操向装置 - Google Patents

作業用車両の操向装置

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JP2003291833A
JP2003291833A JP2002101518A JP2002101518A JP2003291833A JP 2003291833 A JP2003291833 A JP 2003291833A JP 2002101518 A JP2002101518 A JP 2002101518A JP 2002101518 A JP2002101518 A JP 2002101518A JP 2003291833 A JP2003291833 A JP 2003291833A
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work vehicle
distance
switching
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Kensuke Sato
謙輔 佐藤
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業用車両を幅寄せする際のオペレータの負
担を軽くし、作業効率を向上できる作業用車両の操向装
置を提供する。 【解決手段】 前輪1、後輪2、ステアリング操作部材
3、第1の方向制御弁10、操舵バルブ11、油圧ポン
プ12、圧油タンク13、前輪操向用シリンダ14、後
輪操向用シリンダ15、管路40〜46を備えた油圧式
の操向装置において、管路40に遮断弁17を備えると
共に、油圧ポンプ12と管路43とをつなぐ管路48,
49及びタンク13と管路42とをつなぐ管路47,5
0に第2の方向制御弁16を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンやトラク
タなどの作業用車両に備えられる操向装置に係り、特
に、前後輪を同時に操向可能な作業用車両の操向装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クレーンやトラクタなどの作
業用車両には、作業性を向上させるため、複数のステア
リングモードを備えているものが多い。
【0003】以下、図10乃至図12を用いて、前輪の
みを操舵する2WSモード、前後輪を逆位相に操舵する
小回りモード、前後輪を同位相に操舵するカニモードに
切り換え可能に構成された従来例に係る作業用車両の油
圧式パワーステアリングについて説明する。図10は従
来例に係る操向装置に備えられる油圧式パワーステアリ
ングの油圧回路図、図11は従来例に係る操向装置に備
えられるステアリングモード切換手段の構成図、図12
は従来例に係る操向装置を構成するソレノイドの励磁状
態とステアリングモードとの関係を示す表図である。
【0004】これらの図において、1は前輪、2は後
輪、3はステアリングホイールなどのステアリング操作
部材、4は車体、10は方向制御弁(第1の方向制御
弁)、11は操舵バルブ、12は油圧ポンプ、13は圧
油タンク、14は前輪操向用シリンダ、15は後輪操向
用シリンダ、30A,30Bは方向制御弁10に備えら
れたソレノイド、40〜46は管路、100はステアリ
ングモード切換スイッチ、110はステアリングモード
切換スイッチ100の切換位置に応じてソレノイド30
A,30Bの励磁を制御する制御装置を示している。
【0005】図10に示すように、前輪1は車体4に操
舵可能に取り付けられており、前輪操向用シリンダ14
への圧油の供給を制御することによって操舵される。ま
た、後輪2は車体4に操舵可能に取り付けられており、
後輪操向用シリンダ15への圧油の供給を制御すること
によって操舵される。即ち、油圧ポンプ12より供給さ
れる圧油を前輪操向用シリンダ14の右室14aに流入
させることにより前輪1は右方向に操舵され、圧油を左
室14bに流入させることにより前輪1は左方向に操舵
される。同様に、圧油を後輪操舵用シリンダ15の右室
15aに流入させることにより後輪2は左方向に操舵さ
れ、圧油を左室15bに流入させることにより後輪2は
右方向に操舵される。
【0006】前輪操向用シリンダ14及び後輪操向用シ
リンダ15への圧油の供給は、方向制御弁10の切り換
えによって行われる。図10に示すように、本例の方向
制御弁10は、3つの切換位置10a,10b,10c
と2つのソレノイド30A,30Bとを有しており、ソ
レノイド30A,30Bの励磁状態を切り換えることに
よって、これら3つの切換位置10a,10b,10c
のいずれかを選択できるようになっている。ソレノイド
30A,30Bの励磁状態の切り換えは、図11に示す
ように、オペレータが図示しない運転室内に設けられた
ステアリングモード切換スイッチ100を所望の位置に
切り換え、制御装置110が各ソレノイド30A,30
Bの励磁を制御することによって行われる。制御装置1
10は、図12に示すように、オペレータによってステ
アリングモード切換スイッチ100の2WSモードが選
択されたときには、ソレノイド30A,30Bを共に非
励磁状態に切り換え、方向制御弁10の切換位置を切換
位置10bに切り換える。また、オペレータによってス
テアリングモード切換スイッチ100の小回りモードが
選択されたときには、ソレノイド30Aを非励磁状態に
切り換えると共にソレノイド30Bを励磁状態に切り換
え、方向制御弁10の切換位置を切換位置10cに切り
換える。さらに、オペレータによってステアリングモー
ド切換スイッチ100のカニモードが選択されたときに
は、ソレノイド30Aを励磁状態に切り換えると共にソ
レノイド30Bを非励磁状態に切り換え、方向制御弁1
0の切換位置を切換位置10aに切り換える。
【0007】操舵バルブ11は、運転室内に設けられた
ステアリング操作部材3の回転方向及び回転量に応じた
圧油を管路42、43に送るものであって、ステアリン
グ操作部材3を右方向に回転させた場合には、管路40
と管路43及び管路41と管路42を連通させ、ステア
リング操作部材3を左方向に回転させた場合には、管路
40と管路42及び管路41と管路43を連通させるよ
うに構成されている。
【0008】方向制御弁10が切換位置10bに切り換
えられた状態で、ステアリング操作部材3が右方向に回
転されると、ステアリング操作部材3の回転量に応じた
圧油が油圧ポンプ12より管路40、43を通って前輪
操向用シリンダ14の右室14aに流入し、前輪1が右
方向に操舵される。同様に、方向制御弁10が切換位置
10bに切り換えられた状態で、ステアリング操作部材
3が左方向に回転されると、ステアリング操作部材3の
回転量に応じた圧油が油圧ポンプ12より管路40、4
2を通って前輪操向用シリンダ14の左室14bに流入
し、前輪1が左方向に操舵される。
【0009】また、方向制御弁10が切換位置10cに
切り換えられた状態で、ステアリング操作部材3が右方
向に回転されると、ステアリング操作部材3の回転量に
応じた圧油が油圧ポンプ12より管路40、43を通っ
て前輪操向用シリンダ14の右室14aに流入し、前輪
1が右方向に操舵されると共に、前輪操向用シリンダ1
4の左室14bより排出された圧油が管路44、方向制
御弁10、管路46を通って後輪操向用シリンダ15の
右室15aに流入し、後輪2が左方向に操舵される。よ
って、小さな回転半径で作業用車両を右旋回することが
可能になる。同様に、方向制御弁10が切換位置10c
に切り換えられた状態で、ステアリング操作部材3が左
方向に回転されると、ステアリング操作部材3の回転量
に応じた圧油が油圧ポンプ12より管路40、管路4
2、方向制御弁10、管路45を通って後輪操向用シリ
ンダ15の左室15bに流入し、後輪2が右方向に操舵
されると共に、後輪操向用シリンダ15の右室15aよ
り排出された圧油が管路46、方向制御弁10、管路4
4を通って前輪操向用シリンダ14の左室14bに流入
し、前輪1が左方向に操舵される。よって、小さな回転
半径で作業用車両を左旋回することが可能になる。
【0010】さらに、方向制御弁10が切換位置10a
に切り換えられた状態で、ステアリング操作部材3が右
方向に回転されると、ステアリング操作部材3の回転量
に応じた圧油が油圧ポンプ12より管路40、43を通
って前輪操向用シリンダ14の右室14aに流入し、前
輪1が右方向に操舵されると共に、前輪操向用シリンダ
14の左室14bより排出された圧油が管路44、方向
制御弁10、管路45を通って後輪操向用シリンダ15
の左室15bに流入し、後輪2が右方向に操舵される。
よって、作業用車両の向きを変えずに作業用車両を右方
向に移動(カニ移動)することが可能になる。同様に、
方向制御弁10が切換位置10aに切り換えられた状態
で、ステアリング操作部材3が左方向に回転されると、
ステアリング操作部材3の回転量に応じた圧油が油圧ポ
ンプ12より管路40、管路42、方向制御弁10、管
路46を通って後輪操向用シリンダ15の右室15aに
流入し、後輪2が左方向に操舵されると共に、後輪操向
用シリンダ15の左室15bより排出された圧油が管路
45、方向制御弁10、管路44を通って前輪操向用シ
リンダ14の左室14bに流入し、前輪1が左方向に操
舵される。よって、作業用車両の向きを変えずに作業用
車両を左方向に移動することが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
作業用車両が使用される現場には様々な障害物があり、
限られた狭い範囲で作業用車両を目的の場所まで移動さ
せなければならない場合が多いが、従来の2WSモー
ド、小回りモード及びカニモードのみを備えた作業用車
両では、目的の位置に迅速に移動することが難しい場合
がある。
【0012】例えば、図13に示すように、前方及び後
方に障害物C、Dが存在する場所において、位置Aにあ
る作業用車両を、向きを変えず位置Bまで動かす場合、
従来の2WSモード、小回りモード及びカニモードのみ
を備えた作業用車両では、ステアリングモードをカニモ
ードにし、図13に示すように、ステアリング操作部材
3を右にいっぱいまで切って障害物Cにぶつかる手前ま
で作業用車両Eを前進させ、次いでステアリング操作部
材3を左にいっぱいまで切って障害物Dにぶつかる手前
まで作業用車両Eを後退させるという操作を必要な移動
距離にわたって繰り返えさなくてはならず、オペレータ
の負担が大きく、作業効率も悪いという問題があった。
【0013】本発明は、かかる従来技術の不備を解決す
るためになされたものであって、その目的は、作業用車
両を横方向に移動させる際のオペレータの負担を軽く
し、作業効率を向上できる作業用車両の操向装置を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車体に取り付けられた前輪及び後輪と、
前記前輪を操舵する前輪用ステアリングシリンダ及び前
記後輪を操舵する後輪用ステアリングシリンダと、前記
前輪用ステアリングシリンダ及び後輪用ステアリングシ
リンダに圧油を供給する油圧ポンプと、前記前輪及び後
輪の操舵角度を制御するステアリング操作部材と、前記
ステアリング操作部材の操作方向及び操作量に応じて前
記油圧ポンプから前記前輪用ステアリングシリンダ及び
後輪用ステアリングシリンダに供給される圧油の流れを
制御する操舵バルブと、切換位置に応じて前記油圧ポン
プから前記前輪用ステアリングシリンダ及び後輪用ステ
アリングシリンダに供給される圧油の流れを制御する第
1及び第2の方向制御弁と、作業用車両の進行方向を変
更する進行方向制御手段と、前記油圧ポンプから前記操
舵バルブに供給される圧油の流れを遮断する遮断弁と、
前記第1及び第2の方向制御弁の切換位置を変更するス
テアリングモード切換手段とを備え、前記ステアリング
モード切換手段によって作業用車両のステアリングモー
ドが前記前輪と前記後輪とをそれぞれ逆方向に操舵する
小回りモード又は前記前輪と前記後輪とをそれぞれ同方
向に操舵するカニモードのいずれかに切り換えられた場
合には、前記油圧ポンプから吐出された圧油を前記遮断
弁、操舵バルブ及び第1の方向制御弁を介して前記前輪
用ステアリングシリンダ及び前記後輪用ステアリングシ
リンダに供給し、前記ステアリングモード切換手段によ
って作業用車両のステアリングモードが幅寄せモードに
切り換えられた場合には、前記油圧ポンプから吐出され
た圧油を前記第2の方向制御弁及び前記第1の方向制御
弁を介して前記前輪用ステアリングシリンダ及び前記後
輪用ステアリングシリンダに供給するという構成にし
た。
【0015】このようにすると、幅寄せモードの選択時
に操舵バルブへの圧油の供給が絶たれるので、オペレー
タは作業用車両の幅寄せ時にステアリング操作部材を操
作する必要がなく、作業用車両の幅寄せを容易なものに
することができて、オペレータの負担の軽減と作業効率
の向上とを図ることができる。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
は、前記ステアリングモード切換手段を、ステアリング
モード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイッチと、進
行方向切換スイッチと、前記第1及び第2の方向制御弁
に備えられたソレノイドと、前記各スイッチの切換状態
に応じて前記各ソレノイドの励磁状態を制御する制御装
置とをもって構成し、前記ステアリングモード切換手段
によって作業用車両のステアリングモードが幅寄せモー
ドに切り換えられている状態において、前記進行方向切
換スイッチによって作業用車両の進行方向が前進から後
進に又は後進から前進に切り換えられたとき、前記第2
の方向制御弁の切換位置を変更して前記前輪及び前記後
輪の操舵方向を逆向きにするという構成にした。
【0017】このようにすると、進行方向切換スイッチ
を切り換えることによって自動的に前輪及び後輪の操舵
方向が逆向きに切り換えられるので、オペレータは進行
方向切換スイッチの操作とアクセルペダルなどの走行制
御手段の操作を行うだけで作業用車両の幅寄せを行うこ
とができ、作業用車両の幅寄せを容易なものにすること
ができ、オペレータの負担の軽減と作業効率の向上とを
図ることができる。
【0018】また、上記目的を達成するために、本発明
は、前記ステアリングモード切換手段を、ステアリング
モード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイッチと、進
行方向切換スイッチと、前記前輪又は後輪若しくはこれ
ら前輪又は後輪に動力を伝達するプロペラシャフトの回
転数を検出する回転センサと、前記第1及び第2の方向
制御弁に備えられたソレノイドと、前記各スイッチの切
換状態及び前記回転センサによって検出された回転数デ
ータに応じて前記各ソレノイドの励磁状態を制御する制
御装置とをもって構成し、前記制御装置に、前記回転セ
ンサによって検出された回転数データを取り込んで作業
用車両の走行距離を演算する演算部と、作業用車両の走
行距離が予め設定された記憶部と、前記演算部にて算出
された走行距離と前記記憶部に記憶された走行距離とを
比較する比較部とを備え、前記ステアリングモード切換
手段によって作業用車両のステアリングモードが幅寄せ
モードに切り換えられている状態において、前記制御装
置によって前記演算部にて算出された走行距離が前記記
憶部に記憶された走行距離に達したと判定されたとき、
自動的に前記第2の方向制御弁の切換位置を変更して前
記前輪及び前記後輪の操舵方向を逆向きにすると共に、
作業用車両の進行方向を逆向きにするという構成にし
た。
【0019】このようにすると、回転センサによって検
出された回転数データから作業用車両の走行距離を演算
し、当該距離が記憶部に予め記憶された距離に達したと
きに自動的に前輪及び後輪の操舵方向が逆向きに切り換
えられるので、オペレータは、アクセルペダルなどの走
行制御手段を操作するだけで作業用車両の幅寄せを行う
ことができ、オペレータの負担軽減と作業効率の向上と
を図ることができる。
【0020】また、上記目的を達成するために、本発明
は、前記制御装置に走行距離の設定手段を付設し、当該
設定手段により前記記憶部に設定された作業用車両の走
行距離を変更できるようにするという構成にした。
【0021】このようにすると、走行距離の設定手段を
用いて記憶部に設定すべき作業用車両の走行距離を任意
に変更することができるので、作業現場の状況に合わせ
て記憶部に設定すべき作業用車両の走行距離を任意に変
更することができ、幅寄せモードの汎用性を高めること
ができて、より一層のオペレータの負担軽減と作業効率
の向上とを図ることができる。
【0022】また、上記目的を達成するために、本発明
は、前記ステアリングモード切換手段を、ステアリング
モード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイッチと、進
行方向切換スイッチと、作業用車両と障害物との距離を
検出する距離センサと、前記第1及び第2の方向制御弁
に備えられたソレノイドと、前記各スイッチの切換状態
及び前記距離センサによって検出された距離データに応
じて前記各ソレノイドの励磁状態を制御する制御装置と
をもって構成し、前記制御装置に、作業用車両を停止す
べき作業用車両と障害物との距離が予め設定された記憶
部と、前記距離センサによって検出された距離と前記記
憶部に記憶された距離とを比較する比較部とを備え、前
記ステアリングモード切換手段によって作業用車両のス
テアリングモードが幅寄せモードに切り換えられている
状態において、前記制御装置によって前記距離センサに
て検出された距離が前記記憶部に記憶された距離に達し
たと判定されたとき、自動的に前記第2の方向制御弁の
切換位置を変更して前記前輪及び前記後輪の操舵方向を
逆向きにすると共に、作業用車両の進行方向を逆向きに
するという構成にした。
【0023】このようにすると、距離センサによって作
業用車両と障害物との距離を検出し、当該距離が記憶部
に予め記憶された距離に達したときに自動的に前輪及び
後輪の操舵方向が逆向きに切り換えられるので、オペレ
ータは、アクセルペダルなどの走行制御手段を操作する
だけで作業用車両の幅寄せを行うことができ、オペレー
タの負担軽減と作業効率の向上とを図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る操向装置の第
1実施形態例を図1乃至図4を用いて説明する。図1は
第1実施形態例に係る操向装置を構成する走行駆動系の
油圧回路図、図2は第1実施形態例に係る操向装置を構
成する油圧式パワーステアリングの油圧回路図、図3は
第1実施形態例に係る操向装置を構成するステアリング
モード切換手段の構成図、図4は第1実施形態例に係る
操向装置を構成するソレノイドの励磁状態とステアリン
グモード及び作業用車両の進行方向との関係を示す表図
である。
【0025】図1において、1は前輪、2は後輪、4は
前輪1及び後輪2が操舵可能に設けられた車体、5は前
輪1及び後輪2に駆動力を伝達するプロペラシャフト、
21は原動機、22はトランスミッション、23は原動
機21によって駆動される可変容量ポンプ、24は可変
容量ポンプ23の傾転角を調整する傾転角調整シリン
ダ、25はパイロットポンプ、18はパイロットポンプ
25から傾転角調整シリンダ24に供給される圧油の方
向を切り換えて作業用車両の進行方向を制御する第3の
方向制御弁、26は可変容量ポンプ23から供給される
圧油によって正転又は逆転される油圧モータを示してい
る。
【0026】本例の走行駆動系は、第3の方向制御弁1
8に備えられた2つのソレノイド30F、30Gの励磁
状態を変更することによって、作業用車両の進行方向を
前進又は後進に切り換える。即ち、ソレノイド30F、
30Gが共に非励磁状態に切り換えられている場合に
は、第3の方向制御弁18が切換位置18bに切り換え
られ、パイロットポンプ25からの圧油が遮断されるた
めに、傾転角調整シリンダ24が中立位置に移動し、可
変容量ポンプ23の傾転角が中立位置に保持される。よ
って、可変容量ポンプ23からは圧油が吐出されず、油
圧モータ26ひいては作業用車両が停止状態に保持され
る。これに対して、ソレノイド30Fが励磁状態に切り
換えられ、かつ、ソレノイド30Gが非励磁状態に切り
換えられると、第3の方向制御弁18が切換位置18a
に切り換えられ、パイロットポンプ25からの圧油が当
該第3の方向制御弁18を介して傾転角調整シリンダ2
4の第1室24aに流入する。このため、可変容量ポン
プ23の傾転角が第1の状態に切り換えられて油圧モー
タ26に第1の方向から圧油が流入し、作業用車両が第
1の方向に走行する。また、これとは逆に、ソレノイド
30Fが非励磁状態に切り換えられ、かつ、ソレノイド
30Gが励磁状態に切り換えられると、第3の方向制御
弁18が切換位置18cに切り換えられ、パイロットポ
ンプ25からの圧油が当該第3の方向制御弁18を介し
て傾転角調整シリンダ24の第2室24bに流入する。
このため、可変容量ポンプ23の傾転角が第2の状態に
切り換えられて油圧モータ26に第2の方向から圧油が
流入し、作業用車両が第2の方向に走行する。本明細書
においては、前記第1の走行方向を前進、前記第2の走
行方向を後退とする。
【0027】図2に示すように、本実施形態例に係る油
圧式パワーステアリングは、図9に示した従来例に係る
油圧式パワーステアリングの管路40に遮断弁17を備
えると共に、油圧ポンプ12と管路43とをつなぐ管路
48,49及びタンク13と管路42とをつなぐ管路4
7,50を増設し、当該管路47〜50に第2の方向制
御弁16を備えた構成になっている。遮断弁17には、
ソレノイド30Eが備えられており、当該ソレノイド3
0Eを励磁状態又は非励磁状態に切り換えることによっ
て、油圧ポンプ12から操舵バルブ11への圧油の供給
が制御される。また、第2の方向制御弁16には、2つ
のソレノイド30C,30Dが備えられており、これら
2つのソレノイド30C,30Dを励磁状態又は非励磁
状態に切り換えることによって、油圧ポンプ12から管
路42,43への圧油の供給が制御される。その他につ
いては、図9に示した従来例に係る油圧式パワーステア
リングと同じであるので、図2の対応する部分に同一の
符号を付して説明を省略する。
【0028】本実施形態例に係るステアリングモード切
換手段は、図3に示すように、ステアリングモード切換
スイッチ100と、幅寄せ方向切換スイッチ101と、
進行方向切換スイッチ102と、前記第1〜第3の方向
制御弁10,16,18及び遮断弁17に備えられたソ
レノイド30A〜30Gと、前記各スイッチ100,1
01,102の切換状態に応じて前記各ソレノイド30
A〜30Gの励磁状態を制御する制御装置110とをも
って構成されている。ステアリングモード切換スイッチ
100には、2WSモード、小回りモード、カニモード
のほかに幅寄せモードが追加されており、前記制御装置
110に備えられた記憶部110bには、前記各スイッ
チ100,101,102の切換状態と前記各ソレノイ
ド30A〜30Eの励磁状態との関係を示す図4の制御
テーブルが記憶されている。なお、前記各スイッチ10
0,101,102は、図示しない作業用車両の操縦席
に備えられる。
【0029】以下、前記各スイッチ100,101,1
02の切換状態と前記各ソレノイド30A〜30Gの励
磁状態と前輪1及び後輪2の操舵状態と作業用車両の走
行状態との関係を、図4を用いて説明する。
【0030】オペレータがステアリングモード切換スイ
ッチ100によってステアリングモードを2WSモー
ド、小回りモード又はカニモードのいずれかに設定した
場合には、他の入力信号の如何に関わらず、ソレノイド
30C,30D,30Eが非励磁状態に切り換えられ、
第2の方向制御弁16が切換位置16bに切り換えられ
ると共に、遮断弁17が切換位置17aに切り換えられ
る。したがって、この場合には、油圧式パワーステアリ
ングの油圧回路が、図9に示した従来例に係る操向装置
と等価になるので、ステアリングモード切換スイッチ1
00でソレノイド30A,30Bの励磁状態を切り換え
ることによって、作業用車両を2WSモード、小回りモ
ード又はカニモードで走行させることができる。なお、
作業用車両を前進させる場合には、進行方向切換スイッ
チ102をF位置に切り換えることによって、ソレノイ
ド30Fを励磁状態に、ソレノイド30Gを非励磁状態
に切り換える。また、作業用車両を後進させる場合に
は、進行方向切換スイッチ102をR位置に切り換える
ことによって、ソレノイド30Fを非励磁状態に、ソレ
ノイド30Gを非励磁状態に切り換える。
【0031】オペレータがステアリングモード切換スイ
ッチ100を操作して作業用車両のステアリングモード
を幅寄せに設定し、幅寄せ方向切換スイッチ101を操
作して作業用車両の幅寄せ方向を右に設定し、かつ、進
行方向切換スイッチ102を操作して作業用車両の進行
方向をニュートラルNに設定した場合には、ソレノイド
30A,30Eが励磁状態に切り換えられ、ソレノイド
30B,30C,30D,30F,30Gが非励磁状態
に切り換えられる。したがって、この場合には、前輪操
向用シリンダ14及び後輪操向用シリンダ15への圧油
の流入並びに図1に示したアクチュエータ26への圧油
の流入が停止し、作業用車両が停止状態に保持される。
【0032】この状態から、オペレータが進行方向切換
スイッチ102を操作して作業用車両の進行方向を前進
Fに設定すると、ソレノイド30D,30Fが非励磁状
態から励磁状態に切り換えられる。このため、図2にお
いて、油圧ポンプ12より吐出された圧油が、管路4
9、第2の方向制御弁16、管路48、管路43を通っ
て前輪操向用シリンダ14の右室14aに流入し、前輪
1が右方向に最大操舵角度まで操舵されると共に、前輪
操向用シリンダ14の左室14bより排出された圧油が
管路44、第1の方向制御弁10、管路45を通って後
輪操向用シリンダ15の左室15bに流入し、後輪2が
右方向に最大操舵角度まで操舵される。また、図1にお
いて、第3の方向制御弁18が切換位置18aに切り換
えられるため、可変容量ポンプ23の傾転角が第1の状
態に切り換えられて油圧モータ26に第1の方向から圧
油が流入し、作業用車両が前進する。よって、ステアリ
ング操作部材3の回転方向及び回転量に関係なく、アク
セルペダルなどの走行制御手段を操作することによって
作業用車両を前進しながら右方向に幅寄せすることが可
能になる。
【0033】また、オペレータによって作業用車両のス
テアリングモードが幅寄せに設定され、作業用車両の幅
寄せ方向が右に設定され、かつ、作業用車両の進行方向
がニュートラルNに設定されている状態から、オペレー
タが進行方向切換スイッチ102を操作して作業用車両
の進行方向を後進Rに切り換えると、ソレノイド30
C,30Gが非励磁状態から励磁状態に切り換えられ
る。このため、図2において、油圧ポンプ12より吐出
された圧油が、管路49、第2の方向制御弁16、管路
47、管路42、第1の方向制御弁10、管路46を通
って後輪操向用シリンダ15の右室15aに流入し、後
輪2が左方向に最大操舵角度まで操舵されると共に、後
輪操向用シリンダ15の左室15bより排出された圧油
が管路45、第1の方向制御弁10、管路44を通って
前輪操向用シリンダ14の左室14bに流入し、前輪1
が左方向に最大操舵角度まで操舵される。また、図1に
おいて、第3の方向制御弁18が切換位置18cに切り
換えられるため、可変容量ポンプ23の傾転角が第2の
状態に切り換えられて油圧モータ26に第2の方向から
圧油が流入し、作業用車両が後進する。よって、ステア
リング操作部材3の回転方向及び回転量に関係なく、ア
クセルペダルなどの走行制御手段を操作することによっ
て作業用車両を後進しながら右方向に幅寄せすることが
可能になる。
【0034】オペレータが幅寄せ方向切換スイッチ10
1を操作して作業用車両の幅寄せ方向を左に設定した場
合にも、進行方向切換スイッチ102がニュートラルN
に切り換えられている場合には、オペレータが作業用車
両の幅寄せ方向を右に設定した場合と同様に、ソレノイ
ド30A,30Eが励磁状態に切り換えられ、ソレノイ
ド30B,30C,30D,30F,30Gが非励磁状
態に切り換えられて、作業用車両が停止状態に保持され
る。
【0035】この状態から、オペレータが進行方向切換
スイッチ102を操作して作業用車両の進行方向を前進
Fに設定すると、ソレノイド30C,30Fが非励磁状
態から励磁状態に切り換えられる。このため、図2にお
いて、油圧ポンプ12より吐出された圧油が、管路4
9、第2の方向制御弁16、管路47、管路42、第1
の方向制御弁10、管路46を通って後輪操向用シリン
ダ15の右室15aに流入し、後輪2が左方向に最大操
舵角度まで操舵されると共に、後輪操向用シリンダ15
の左室15bより排出された圧油が管路45、第1の方
向制御弁10、管路44を通って前輪操向用シリンダ1
4の左室14bに流入し、前輪1が左方向に最大操舵角
度まで操舵される。また、図1において、第3の方向制
御弁18が切換位置18aに切り換えられるため、可変
容量ポンプ23の傾転角が第1の状態に切り換えられて
油圧モータ26に第1の方向から圧油が流入し、作業用
車両が前進する。よって、ステアリング操作部材3の回
転方向及び回転量に関係なく、アクセルペダルなどの走
行制御手段を操作することによって作業用車両を前進し
ながら左方向に幅寄せすることが可能になる。
【0036】また、オペレータによって作業用車両のス
テアリングモードが幅寄せに設定され、作業用車両の幅
寄せ方向が左に設定され、かつ、作業用車両の進行方向
がニュートラルNに設定されている状態から、オペレー
タが進行方向切換スイッチ102を操作して作業用車両
の進行方向を後進Rに切り換えると、ソレノイド30
D,30Gが非励磁状態から励磁状態に切り換えられ
る。このため、図2において、油圧ポンプ12より吐出
された圧油が、管路49、第2の方法制御弁16、管路
48、管路43を通って前輪操向用シリンダ14の右室
14aに流入し、前輪1が右方向に最大操舵角度まで操
舵されると共に、前輪操向用シリンダ14の左室14b
より排出された圧油が管路44、第1の方向制御弁1
0、管路45を通って後輪操向用シリンダ15の左室1
5bに流入し、後輪2が右方向に最大操舵角度まで操舵
される。また、図1において、第3の方向制御弁18が
切換位置18cに切り換えられるため、可変容量ポンプ
23の傾転角が第2の状態に切り換えられて油圧モータ
26に第2の方向から圧油が流入し、作業用車両が後進
する。よって、ステアリング操作部材3の回転方向及び
回転量に関係なく、アクセルペダルなどの走行制御手段
を操作することによって作業用車両を後進しながら左方
向に幅寄せすることが可能になる。
【0037】以下、幅寄せモードを用いて作業用車両を
右方向に幅寄せする場合を例にとって、幅寄せモードを
実行する際の操向装置の操作方法と作業用車両の動作と
を説明する。
【0038】図12に示すように、前方及び後方に障害
物C、Dが存在する場所において、位置Aにある作業用
車両を向きを変えず位置Bまで動かす場合、オペレータ
は、進行方向切換スイッチ102がニュートラルNに切
り換えられていることを確認した後に、ステアリングモ
ード切換スイッチ100を操作して作業用車両のステア
リングモードを幅寄せに設定すると共に、幅寄せ方向切
換スイッチ101を操作して作業用車両の幅寄せ方向を
右に設定する。
【0039】次いで、オペレータは、進行方向切換スイ
ッチ102を操作して作業用車両の進行方向を前進Fに
切り換え、前輪1及び後輪2を最大操舵角度まで右方向
に操舵する。そして、オペレータは、アクセルペダルな
どの走行制御手段を操作し、作業用車両を右斜め前方に
移動させる。
【0040】オペレータは、作業用車両を障害物Cにぶ
つかる手前まで前進させた後に、進行方向切換スイッチ
102を操作して作業用車両の進行方向をニュートラル
Nに切り換え、作業用車両を停止させる。
【0041】しかる後に、オペレータは、進行方向切換
スイッチ102を操作して作業用車両の進行方向を後進
Rに切り換え、前輪1及び後輪2を最大操舵角度まで左
方向に操舵する。そして、オペレータは、アクセルペダ
ルなどの走行制御手段を操作し、作業用車両を右斜め後
方に移動させる。
【0042】次いで、オペレータは、作業用車両を障害
物Dにぶつかる手前まで後進させた後に、進行方向切換
スイッチ102を操作して作業用車両の進行方向をニュ
ートラルNに切り換え、作業用車両を停止させる。
【0043】これらの操作を繰り返すことにより、作業
用車両を出発位置Aから目的位置Bまで右方向に移動さ
せることができる。なお、作業用車両を左方向に移動さ
せる場合には、幅寄せ方向切換スイッチ101を操作し
て作業用車両の幅寄せ方向を左に設定すれば良い。
【0044】かように、本実施形態例に係る操向装置を
備えた作業用車両は、進行方向切換スイッチ102を操
作するだけで作業用車両を横方向に移動させることがで
きるので、オペレータの負担が軽減され、作業効率を向
上させることができる。
【0045】次に、本発明に係る操向装置の第2実施形
態例を図5乃至図7を用いて説明する。図5は第2実施
形態例に係る操向装置を構成するステアリングモード切
換手段の構成図、図6は第2実施形態例に係る操向装置
を構成するソレノイドの励磁状態とステアリングモード
及び作業用車両の進行方向との関係を示す表図、図7は
第2実施形態例に係る操向装置に備えられる制御装置の
処理手順を示すフローチャートである。
【0046】図5に示すように、第2実施形態例に係る
操向装置は、ステアリングモード切換手段が、ステアリ
ングモード切換スイッチ100と、幅寄せ方向切換スイ
ッチ101と、進行方向切換スイッチ102と、回転セ
ンサ103と、前記各ソレノイド30A〜30Gと、前
記各スイッチ100,101,102の切換状態に応じ
て前記各ソレノイド30A〜30Gの励磁状態を制御す
る制御装置110とをもって構成されており、第1実施
形態例に係る操向装置に対して回転センサ103が追加
された構成になっている。
【0047】回転センサ103は、前輪1、後輪2又は
プロペラシャフト5の回転数を検出し、制御装置110
に送信する。制御装置110には、前輪1、後輪2又は
プロペラシャフト5の回転数から作業用車両の走行距離
Lを演算する演算部110aと、制御すべき作業用車両
の走行距離L0及び図7に示すソレノイドの切換テーブ
ルtable1,table2並びに図6に示す処理手
順が記憶された記憶部110bと、演算部110aにて
算出された作業用車両の走行距離Lが記憶部110bに
記憶された走行距離L0に達したか否かを判定する判定
部110cとが備えられている。その他については、第
1実施形態例と同様に構成される。
【0048】以下、図7を用いて、第2実施形態例に係
る操向装置の処理手順を説明する。
【0049】システムを起動すると、手順S1でステア
リングモードが幅寄せモードになっているか否かの判定
が行われ、ステアリングモードが幅寄せモード以外に設
定されている場合には、手順S2に移行して、記憶部1
10bよりステアリングモードが2WSモード、小回り
モード又はカニモードである場合のソレノイドの切換テ
ーブルtable1,table2を読み出し、これら
の切換テーブルにしたがってソレノイド30A〜30G
を励磁状態又は非励磁状態に切り換える。これによっ
て、作業用車両のステアリングモードが2WSモード、
小回りモード又はカニモードに切り替わり、従来技術の
欄で説明したように、ステアリング操作部材3を回転さ
せることによって、前輪1及び/又は後輪2を所望の状
態に操舵することができる。
【0050】手順S1においてステアリングモードが幅
寄せモードであると判定された場合には、手順S3に移
行し、ステアリングモードが前回から変更されたのか否
かが判定される。他のステアリングモードから変更され
て幅寄せモードになった場合には、手順S4に移行して
作業用車両の進行方向が前進位相に設定され、次いで、
手順S5で演算部110aの算出距離が0にリセットさ
れる。しかる後に手順S6で、幅寄せ方向切換スイッチ
101が右に切り換えられているか左に切り換えられて
いるかに応じて、記憶部110bに格納されているta
ble1よりステアリングモードが幅寄せモードで、幅
寄せ方向が右であり、かつ作業用車両の進行方向が前進
である場合(前進位相)のソレノイドの切換テーブル又
はステアリングモードが幅寄せモードで、幅寄せ方向が
左であり、かつ作業用車両の進行方向が前進である場合
のソレノイドの切換テーブルを読み出し、この切換テー
ブルにしたがってソレノイド30A〜30Gを励磁状態
又は非励磁状態に切り換える。いま、幅寄せ方向切換ス
イッチ101が右に切り換えられているとすると、オペ
レータがアクセルペダルなどの走行制御手段を操作して
作業用車両を走行させると、作業用車両は右斜め前方に
移動を開始し、演算部110aにて算出される車両の走
行距離Lが増加していく。そして、算出された走行距離
Lが記憶部110bに記憶された走行距離L0に達する
まで、手順S1から手順S7までが繰り返される。
【0051】手順S7において、算出された走行距離L
が記憶部110bに記憶された走行距離L0に達したと
判定されると、手順S8で作業用車両の走行方向を後進
側(後進位相)に切り換え、手順S9で演算部110a
の算出距離が0にリセットされて、手順S1に戻る。そ
して、この状態では、手順S3において、ステアリング
モードは変更されていないと判定されるので、手順S6
に移行し、ソレノイド30A〜30Gの励磁状態が後進
位相のテーブルにしたがって切り換えられる。したがっ
て、オペレータがアクセルペダルなどの走行制御手段を
操作して作業用車両を走行させると、作業用車両は右斜
め後方に移動を開始し、演算部110aにて算出される
車両の走行距離が増加していく。かように、手順S1か
ら手順9までの処理を繰り返すことによって、所望の位
置まで作業用車両を移動することができる。
【0052】なお、前記実施形態例においては、作業用
車両を右方向に幅寄せする場合を例にとって説明した
が、作業用車両を左方向に幅寄せする場合についても、
これと同様の手順で行われる。
【0053】本第2実施形態例に係る操向装置による
と、オペレータは、アクセルペダルなどの走行制御手段
を操作するだけで作業用車両の幅寄せを行うことができ
るので、より一層オペレータの負担が軽減され、作業効
率を向上させることができる。
【0054】なお、前記第2実施形態例に係る操向装置
においては、記憶部110bに予め記憶された走行距離
L0の範囲で作業用車両を幅寄せするようにしたが、か
かる構成に代えて、図8に示すように、オペレータが走
行距離L0を設定可能な走行距離設定手段104をステ
アリングモード切換手段に備えることもできる。このよ
うにすると、作業現場の状況に合わせて走行距離L0を
任意に設定することができるので、幅寄せモードの汎用
性をより高めることができ、より一層のオペレータの負
担軽減と作業効率の向上とを図ることができる。
【0055】また、前記第2実施形態例に係る操向装置
においては、作業用車両の走行距離を基準として作業用
車両の前後進の切換を行うようにしたが、かかる構成に
代えて、図9に示すように、ステアリングモード切換手
段に作業用車両と障害物との距離Dを検出する距離セン
サ105を備えると共に、制御装置110に、作業用車
両を停止すべき作業用車両と障害物との距離D0が予め
設定された記憶部110bと、距離センサ105によっ
て検出された距離Dと記憶部110bに記憶された距離
D0とを比較する比較部110cとを備え、制御装置1
10によって距離センサ105にて検出された距離Dが
記憶部11bに記憶された距離D0に達したと判定され
たとき、自動的に第1の方向制御弁10及び第2の方向
制御弁16の切換位置を変更して前輪1及び後輪2の操
舵方向を逆向きにするようにすることもできる。この場
合にも、オペレータは、アクセルペダルなどの走行制御
手段を操作するだけで作業用車両の幅寄せを行うことが
できるので、オペレータの負担軽減と作業効率の向上と
を図ることができる。
【0056】その他、前記各実施形態例においては、ト
ランスミッションとしていわゆるHSTを用いたが、本
発明の要旨はこれに限定されるものではなく、公知に属
する任意のトランスミッションを適用することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
幅寄せモードの選択時に操舵バルブへの圧油の供給が断
ち、作業用車両の幅寄せ時にステアリング操作部材を操
作する必要がないようにしたので、作業用車両の幅寄せ
を容易なものにすることができて、オペレータの負担の
軽減と作業効率の向上とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係る操向装置を構成する走行
駆動系の油圧回路図である。
【図2】第1実施形態例に係る操向装置を構成する油圧
式パワーステアリングの油圧回路図である。
【図3】第1実施形態例に係る操向装置を構成するステ
アリングモード切換手段の構成図である。
【図4】第1実施形態例に係る操向装置を構成するソレ
ノイドの励磁状態とステアリングモード及び作業用車両
の進行方向との関係を示す表図である。
【図5】第2実施形態例に係る操向装置を構成するステ
アリングモード切換手段の構成図である。
【図6】第2実施形態例に係る操向装置を構成するソレ
ノイドの励磁状態とステアリングモード及び作業用車両
の進行方向との関係を示す表図である。
【図7】第2実施形態例に係る操向装置に備えられる制
御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態例に係る操向装置を構成するステ
アリングモード切換手段の構成図である。
【図9】第4実施形態例に係る操向装置を構成するステ
アリングモード切換手段の構成図である。
【図10】従来例に係る操向装置に備えられる油圧式パ
ワーステアリングの油圧回路図である。
【図11】従来例に係る操向装置に備えられるステアリ
ングモード切換手段の構成図である。
【図12】従来例に係る操向装置を構成するソレノイド
の励磁状態とステアリングモードとの関係を示す表図で
ある。
【図13】作業用車両の幅寄せ方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 3 ステアリング操作部材 4 車体 10 第1の方向制御弁 11 操舵バルブ 12 油圧ポンプ 13 タンク 14 前輪操向用シリンダ 15 後輪操向用シリンダ 16 第2の方向制御弁 17 遮断弁 18 第3の方向制御弁 30A〜30G ソレノイド 40〜50 管路 100 ステアリングモード切換スイッチ 101 幅寄せ方向設定スイッチ 102 進行方向設定スイッチ 103 回転センサ 104 走行距離設定装置 105 距離センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に取り付けられた前輪及び後輪と、 前記前輪を操舵する前輪用ステアリングシリンダ及び前
    記後輪を操舵する後輪用ステアリングシリンダと、 前記前輪用ステアリングシリンダ及び後輪用ステアリン
    グシリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、 前記前輪及び後輪の操舵角度を制御するステアリング操
    作部材と、 前記ステアリング操作部材の操作方向及び操作量に応じ
    て前記油圧ポンプから前記前輪用ステアリングシリンダ
    及び後輪用ステアリングシリンダに供給される圧油の流
    れを制御する操舵バルブと、 切換位置に応じて前記油圧ポンプから前記前輪用ステア
    リングシリンダ及び後輪用ステアリングシリンダに供給
    される圧油の流れを制御する第1及び第2の方向制御弁
    と、 作業用車両の進行方向を変更する進行方向制御手段と、 前記油圧ポンプから前記操舵バルブに供給される圧油の
    流れを遮断する遮断弁と、 前記第1及び第2の方向制御弁の切換位置を変更するス
    テアリングモード切換手段とを備え、 前記ステアリングモード切換手段によって作業用車両の
    ステアリングモードが前記前輪と前記後輪とをそれぞれ
    逆方向に操舵する小回りモード又は前記前輪と前記後輪
    とをそれぞれ同方向に操舵するカニモードのいずれかに
    切り換えられた場合には、前記油圧ポンプから吐出され
    た圧油を前記遮断弁、操舵バルブ及び第1の方向制御弁
    を介して前記前輪用ステアリングシリンダ及び後輪用ス
    テアリングシリンダに供給し、 前記ステアリングモード切換手段によって作業用車両の
    ステアリングモードが幅寄せモードに切り換えられた場
    合には、前記油圧ポンプから吐出された圧油を前記第2
    の方向制御弁及び前記第1の方向制御弁を介して前記前
    輪用ステアリングシリンダ及び前記後輪用ステアリング
    シリンダに供給することを特徴とする作業用車両の操向
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ステアリングモード切換手段を、ス
    テアリングモード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイ
    ッチと、進行方向切換スイッチと、前記第1及び第2の
    方向制御弁に備えられたソレノイドと、前記各スイッチ
    の切換状態に応じて前記各ソレノイドの励磁状態を制御
    する制御装置とをもって構成し、 前記ステアリングモード切換手段によって作業用車両の
    ステアリングモードが幅寄せモードに切り換えられてい
    る状態において、前記進行方向切換スイッチによって作
    業用車両の進行方向が前進から後進に又は後進から前進
    に切り換えられたとき、前記第2の方向制御弁の切換位
    置を変更して前記前輪及び前記後輪の操舵方向を逆向き
    にすることを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の
    操向装置。
  3. 【請求項3】 前記ステアリングモード切換手段を、ス
    テアリングモード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイ
    ッチと、進行方向切換スイッチと、前記前輪又は後輪若
    しくはこれら前輪又は後輪に動力を伝達するプロペラシ
    ャフトの回転数を検出する回転センサと、前記第1及び
    第2の方向制御弁に備えられたソレノイドと、前記各ス
    イッチの切換状態及び前記回転センサによって検出され
    た回転数データに応じて前記各ソレノイドの励磁状態を
    制御する制御装置とをもって構成し、 前記制御装置に、前記回転センサによって検出された回
    転数データを取り込んで作業用車両の走行距離を演算す
    る演算部と、作業用車両の走行距離が予め設定された記
    憶部と、前記演算部にて算出された走行距離と前記記憶
    部に記憶された走行距離とを比較する比較部とを備え、 前記ステアリングモード切換手段によって作業用車両の
    ステアリングモードが幅寄せモードに切り換えられてい
    る状態において、前記制御装置によって前記演算部にて
    算出された走行距離が前記記憶部に記憶された走行距離
    に達したと判定されたとき、自動的に前記第2の方向制
    御弁の切換位置を変更して前記前輪及び前記後輪の操舵
    方向を逆向きにすると共に、作業用車両の進行方向を逆
    向きにすることを特徴とする請求項1に記載の作業用車
    両の操向装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置に走行距離の設定手段を付
    設し、当該設定手段により前記記憶部に設定された作業
    用車両の走行距離を変更できるようにしたことを特徴と
    する請求項3に記載の作業用車両の操向装置。
  5. 【請求項5】 前記ステアリングモード切換手段を、ス
    テアリングモード切換スイッチと、幅寄せ方向切換スイ
    ッチと、進行方向切換スイッチと、作業用車両と障害物
    との距離を検出する距離センサと、前記第1及び第2の
    方向制御弁に備えられたソレノイドと、前記各スイッチ
    の切換状態及び前記距離センサによって検出された距離
    データに応じて前記各ソレノイドの励磁状態を制御する
    制御装置とをもって構成し、 前記制御装置に、作業用車両を停止すべき作業用車両と
    障害物との距離が予め設定された記憶部と、前記距離セ
    ンサによって検出された距離と前記記憶部に記憶された
    距離とを比較する比較部とを備え、 前記ステアリングモード切換手段によって作業用車両の
    ステアリングモードが幅寄せモードに切り換えられてい
    る状態において、前記制御装置によって前記距離センサ
    にて検出された距離が前記記憶部に記憶された距離に達
    したと判定されたとき、自動的に前記第2の方向制御弁
    の切換位置を変更して前記前輪及び前記後輪の操舵方向
    を逆向きにすると共に、作業用車両の進行方向を逆向き
    にすることを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の
    操向装置。
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