JP2003291488A - インク吸収性に優れたインクジェット記録媒体 - Google Patents

インク吸収性に優れたインクジェット記録媒体

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JP2003291488A
JP2003291488A JP2002095149A JP2002095149A JP2003291488A JP 2003291488 A JP2003291488 A JP 2003291488A JP 2002095149 A JP2002095149 A JP 2002095149A JP 2002095149 A JP2002095149 A JP 2002095149A JP 2003291488 A JP2003291488 A JP 2003291488A
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silica
layer
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alumina composite
sol
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JP2002095149A
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Katsumasa Nakahara
勝正 中原
Masahiro Inoue
政広 井上
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光沢性、インク吸収性、画像色濃度、色安定性
に優れたインクジェット記録媒体を得る。 【解決手段】基材の少なくとも片面上に、平均細孔半径
が12nm以上、かつ、細孔半径0.7〜100nmの
全細孔容積が1.0ml/g以上のシリカアルミナ複合
キセロゲルAを含有するインク受容層を有し、その上層
に、平均細孔半径が6〜10nmのシリカアルミナ複合
キセロゲルBを含有するインク受容層を有する、インク
ジェット記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体、特にイ
ンクジェットプリンタに適した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
インクの液滴を噴射して、被記録材に直接画像を形成す
る方法である。インクジェット方式のプリンタは、小型
化が容易なこと、フルカラー化、高速化が容易なこと及
び印字騒音が低いこと等から急速に普及してきている。
【0003】このため、インクジェット記録媒体として
は、インクを速やかに吸収し、鮮明な画像を得るため
に、紙やフィルム等の基材上にシリカやアルミナ等の無
機微粒子及びポリビニルアルコール等のバインダとから
なる多孔質のインク受容層を設けたものが知られてい
る。
【0004】インクジェット用記録媒体は、インク中に
多量に含まれる溶媒をインク受容層中の細孔で吸収する
必要がある。このため、インク受容層は細孔半径と細孔
容積が大きいことが必要である。セイコーエプソン社製
のPM9000C、MC10000等、近年A3サイズ
以上の大判が印刷できる、いわゆる大判プリンタも低価
格化により急速に普及しつつあり、これらの大判プリン
タにおいては、画質を低下させることなく、できるだけ
短時間に印画できることが求められている。したがっ
て、このような大判プリンタ用の記録媒体は、従来の小
型卓上プリンタ用の記録媒体以上にインク吸収速度が速
く、かつ、インク吸収容量が大きいことが求められてい
る。また、色濃度の高い鮮明な画像を形成できることか
ら、透明性のよいインク受容層も求められている。
【0005】さらに、インクジェット記録方法が水系の
インクを使用するため、記録物に水がかかってもインク
中の染料が流れてインクが滲んだりしないこと(以下、
耐水性という)や、記録媒体の表面が硬いものに接触し
て傷がつき、記録物の品質を損なうことがないこと(以
下、耐擦傷性という)や、表面の光沢度が高いこと(以
下、光沢性という)等も必要とされている。
【0006】これらの課題に対応するために、従来から
数多くのインクジェット記録媒体が提案されている。特
開2000−21892には、基材上に、ベーマイトを
含む多孔質層を設け、その上層にシリカ及びアルミナを
含む複合粒子をバインダで結合した構成の多孔質層を有
し、光沢度と色濃度の高い記録シートが開示されてい
る。該記録シートの製造方法は、シリカ及びアルミナを
含む複合ゾルからなる塗工液を塗布した後、平滑な表面
を有する型に圧接して乾燥する方法であるために、該公
報の実施例のように紙を基材に使用する場合には適用で
きるが、樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂被覆層を有
する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)のような水不
浸透性基材の場合には、乾燥時に塗工液中の溶媒を蒸発
させて除去することができないために適用できなかっ
た。また、基材が紙であるために、インクジェットプリ
ンタで印字すると、紙がインク中の溶媒を吸収してぼこ
つき(いわゆるコックリング)が生じ、記録物の外観を
損ねるという問題があった。
【0007】また、特開2000−351267には、
基材上にベーマイトを含むインク受容層を有し、その上
層に平均粒子径が10〜200nmのポリ塩化アルミニ
ウムで処理したシリカ粒子、又は、アルミナ超微粒子等
の酸化物粒子を含んだ塗工液から形成された層が積層さ
れた顔料インク用記録媒体が開示されている。しかし、
ベーマイトを含むインク受容層では細孔容積と細孔半径
において充分な特性が得られず、インク吸収性が不充分
な場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高光沢で、
染料系インク及び顔料系インクのいずれにおいても優れ
たインク吸収性を有し、かつ、高色濃度で色安定性に優
れた記録ができるインクジェット記録媒体を得ることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の少なく
とも片面上に、平均細孔半径が12nm以上、かつ、細
孔半径0.7〜100nmの全細孔容積が1.0ml/
g以上のシリカルミナ複合キセロゲルA(以下、複合キ
セロゲルAという)を含有するインク受容層を有し、そ
の上層に、平均細孔半径が6〜10nmのシリカアルミ
ナ複合キセロゲルB(以下、複合キセロゲルBという)
を含有するインク受容層を有する、インクジェット記録
媒体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録媒体
は、基材上に、第1層目として複合キセロゲルAを含有
するインク受容層を有し、その上層に、第2層目として
複合キセロゲルBを含有するインク受容層を有する構成
よりなる。
【0011】本発明では、第1層目のインク受容層中に
複合キセロゲルAを含有することにより、インクの吸収
性が向上し、さらに、インクの定着性が向上し、耐水性
のよい記録媒体が得られるので好ましい。
【0012】複合キセロゲルAは、平均細孔半径が12
nm以上であり、かつ、細孔半径0.7〜100nmの
全細孔容積が1.0ml/g以上である。複合キセロゲ
ルAが上述の数値範囲内であることにより、インク吸収
性が格段に優れた記録媒体が得られる。上記の細孔特性
が満足されないと、インク吸収性が悪く、ビーディング
現象が発生することから好ましくない。平均細孔半径は
14nm以上が特に好ましく、また、細孔半径0.7〜
100nmの全細孔容積が1.2ml/g以上であるこ
とが特に好ましい。なお、本発明では、これらの細孔特
性は、窒素吸脱着法で測定され、平均細孔半径は全細孔
容積の1/2の細孔容積を有する半径として定義され
る。細孔特性を測定するための具体的な装置としては、
カンタクローム社製、商品名オートソーブ3B等が挙げ
られる。
【0013】本発明では、第2層目のインク受容層中に
複合キセロゲルBを含有することにより、光沢性と発色
性に優れ、さらには、インクの定着性が向上して耐水性
のよい記録媒体が得られるので好ましい。
【0014】複合キセロゲルBは、平均細孔半径が6〜
10nmである。これにより、インク吸収性のよい記録
媒体が得られるので好ましい。複合キセロゲルBの平均
細孔半径が6nm未満であると、インク吸収性が悪くビ
ーディング現象が発生するおそれのあることから好まし
くなく、平均細孔半径が10nm超であると、インク受
容層の透明性が悪くなり、画像の色濃度が低下すること
から好ましくない。平均細孔半径は7〜9nmが特に好
ましい。
【0015】本発明において、複合キセロゲルAは、次
のシリカアルミナ複合ゾルAから溶媒を除去することに
より製造できる。シリカアルミナ複合ゾルA(以下、複
合ゾルAという)は、シリカヒドロゲルと、水に溶解し
たときの液性が酸性であるアルミニウム塩(以下、酸性
アルミニウム塩という)とを反応させることにより得ら
れる。
【0016】本発明において、複合ゾルAの原料として
使用される、シリカヒドロゲルはケイ酸アルカリと酸と
を混合して得られたものを使用する。ケイ酸アルカリ
は、水溶液の状態で使用することが好ましい。
【0017】ケイ酸アルカリとしては、具体的には、ケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられ、安価な
点からケイ酸ナトリウムが特に好ましい。ケイ酸ナトリ
ウム中のSiO/NaOのモル比は1〜4が好まし
い。SiO/NaOのモル比が1未満であると、ナ
トリウムの量が多くなることから、酸性アルミニウム塩
を添加した際、多量の塩が生成するため好ましくなく、
SiO/NaOのモル比が4超であると、ケイ酸ナ
トリウム水溶液にならないため好ましくない。ケイ酸ナ
トリウム中のSiO/NaOのモル比は2〜3.5
が特に好ましい。
【0018】酸としては、硝酸アルミニウム、硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられ、中でも塩化
アルミニウムの1種のポリ塩化アルミニウムが、陰イオ
ンの含有量が少ないためケイ酸アルカリと反応させた際
に生成する塩の量が少ないことから特に好ましい。
【0019】本発明では、ケイ酸アルカリと酸の混合方
法は、特に限定されず、ケイ酸アルカリの水溶液に酸を
添加してもよいし、酸にケイ酸アルカリの水溶液を添加
してもよい。ケイ酸アルカリと酸を混合するのに要する
時間としては0.5〜8時間が好ましい。これにより、
得られる複合キセロゲルAは細孔容積と細孔半径は最適
なものが得られる。混合する時間は2〜6時間が特に好
ましい。
【0020】また、ケイ酸アルカリと酸の混合後のpH
は4〜11であることが好ましい。混合後の溶液がpH
4未満であるか、pH11超であると、得られるシリカ
の一次粒子の平均粒子径(以下、一次粒子径という)が
小さくなるため好ましくない。シリカヒドロゲルが得ら
れた後の溶液において、シリカ濃度としては20%(質
量換算、以下同じ)以下であることが好ましい。シリカ
濃度が20%超であると、分散性のよい複合ゾルが得ら
れないため好ましくない。
【0021】得られたシリカヒドロゲルは、1〜24時
間かけて熟成することが好ましい。シリカヒドロゲルを
熟成することにより、シリカの一次粒子が成長し、細孔
容積と平均細孔半径のより大きい複合キセロゲルAを得
ることができる。また、温度60〜95℃で熟成させる
と、さらに、好ましい。これにより、シリカの一次粒子
径を大きくすることができ、細孔容積と平均細孔半径の
大きい複合キセロゲルAが得られる。
【0022】得られたシリカヒドロゲルは、平均粒子径
が100μm以下の粒子であることが好ましい。シリカ
ヒドロゲルを製造する際に、ケイ酸アルカリと酸との混
合方法によっては、直径が数mm程度の大きなシリカヒ
ドロゲルが生成することがある。このため、得られたシ
リカヒドロゲルは、酸性アルミニウム塩を添加した際の
反応をより均一にするために、適宜、機械的に粉砕する
ことが好ましい。粉砕の方法としては、コロイドミル、
ビーズミル、超音波分散機等を使用する方法が挙げられ
る。シリカヒドロゲルは平均粒子径が50μm以下の粒
子であることが特に好ましい。
【0023】本発明において、得られるシリカヒドロゲ
ル中のシリカの一次粒子径は2〜20nmであることが
好ましい。シリカの一次粒子径が2nm未満であると、
得られる複合キセロゲルAの細孔半径が小さくなるなの
で好ましくなく、一次粒子径が20nm超であると、得
られるインク受容層の細孔容積が小さくなるので好まし
くない。本発明において、シリカの一次粒子径は、An
alytical Sears、Chemistry,
[12]1981−1983(1956)で開示されて
いる方法に従い、カセイソーダ滴定法等により測定され
る。得られた比表面積を使用し、下記式 D=6000/A・d により算出される。ここで、Dはシリカの一次粒子径
(nm)、Aは比表面積(m/g)、dは密度(2.
2g/cm)である。
【0024】得られたシリカヒドロゲルに、酸性アルミ
ニウム塩を添加することにより、複合ゾルAが得られ
る。混合する酸性アルミニウム塩としては、塩化アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム等の水酸化アルミニウムと強酸との無機
塩、又は酢酸アルミニウム等の有機酸塩を好適に使用で
きる。
【0025】ポリ塩化アルミニウムは、化学式が[Al
(OH)16−n](1<n<6、m<10)
で表される化合物である。具体例としては、多木化学社
製の商品名タキバイン#1500、PAC250A等の
市販されているものが挙げられる。酸性アルミニウム塩
は、適宜水に溶解して、シリカヒドロゲルに混合するの
が好ましい。
【0026】シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩を
混合する方法としては、特に限定されず、シリカヒドロ
ゲルを含有する溶液に酸性アルミニウム塩を添加しても
よいし、酸性アルミニウム塩の溶液にシリカヒドロゲル
を添加してもよい。シリカヒドロゲルと酸性アルミニウ
ム塩を混合する際には、撹拌して、局所的に濃度が不均
一になることを防ぐことが好ましい。
【0027】シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩を
混合する際の温度は25〜150℃が好ましい。温度が
25℃未満であると、反応速度が遅くなり、シリカヒド
ロゲル中のシリカ粒子の表面に充分にアルミナが付着し
ないおそれがあるので好ましくない。また、温度が15
0℃超であると、取扱いのための操作が困難となるので
好ましくない。
【0028】酸性アルミニウム塩の添加量は、複合ゾル
Aのゼータ電位が+10mV以上となる量が好ましく、
特には+20mV以上となる量が好ましい。複合ゾルA
のゼータ電位を+10mV以上とすることにより、アニ
オン性解離基を有する染料に対しては定着性を有し、画
像の耐水性に優れたインク受容層を形成できる。
【0029】シリカヒドロゲルに対する酸性アルミニウ
ム塩の添加量としては、SiO換算で100gのシリ
カヒドロゲルに対して、Al換算で5〜40gの
酸性アルミニウム塩を添加することが好ましい。酸性ア
ルミニウムの添加量が増すにつれて、複合粒子のゼータ
電位が大きくなる傾向がある。酸性アルミニウムの添加
量がAl換算で5g未満であると、複合粒子のゼ
ータ電位が小さくなるので好ましくなく、添加量がAl
換算で40g超であると、得られる複合キセロゲ
ルAの細孔容積と細孔半径が低下するので好ましくな
い。添加量はAl 換算で10〜25gが特に好ま
しい。
【0030】シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩と
を混合した溶液は、アルカリ金属イオン等の多量の不純
物イオンを含有しているので、この不純物イオンを除去
し精製することが好ましい。不純物イオンを除去する方
法としては、限外濾過膜を使用すると効率がよく好まし
い。なお、精製する前に、混合液に水酸化ナトリウム等
のアルカリ金属水酸化物又は塩酸等の酸を添加する等し
て、溶液をpH6〜8に調整すると、生成した複合ゾル
Aに吸着した陰イオン又は陽イオンも除去できるのでよ
り好ましい。
【0031】不純物イオンを除去した後、溶液を適宜濃
縮することにより複合ゾルAが得られる。得られた複合
ゾルAは、必要に応じて酸により解膠して、凝集粒子の
大きさを調節してもよい。凝集粒子の平均粒子径(以
下、凝集粒子径という)は、ビーズミルによる粉砕、超
音波分散等により小さくできる。
【0032】解膠剤としては、特に限定されず、塩酸、
硝酸、硫酸、アミド硫酸等の無機酸、又は酢酸等の有機
酸が使用できる。これらの解膠剤は、単独で使用しても
よく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0033】複合ゾルA中のシリカアルミナ複合粒子A
(以下、複合粒子Aという)は平均粒子径200〜50
0nmであることが好ましい。複合粒子Aの平均粒子径
が200nm未満であると、得られるインク受容層中の
複合キセロゲルAの細孔容積と細孔半径が小さくなるた
め好ましくなく、複合粒子Aの平均粒子径が500nm
超であると、得られるインク受容層の光沢性が損なわれ
るため好ましくない。
【0034】複合キセロゲルBは、次のシリカアルミナ
複合ゾル(以下、複合ゾルBという)から、溶媒を除去
することにより製造できる。複合ゾルBは、シリカゾル
と酸性アルミニウム塩とを混合することにより製造でき
る。複合ゾルBを製造する際に使用する酸性アルミニウ
ム塩と複合ゾルAを製造する際に使用する酸性アルミニ
ウム塩とは同じ酸性の性質を示すものであれば、同じも
のでも異なるものでもよい。
【0035】シリカゾル中のシリカの一次粒子径は30
〜70nmであることが好ましい。シリカの一次粒子径
が30nm未満であると、インク吸収性が悪くなるので
好ましくなく、一次粒子径が70nm超であると、イン
ク吸収性は優れるが、光沢性と画像の色濃度が低下する
ため好ましくない。シリカの一次粒子径は40〜50n
mであることが特に好ましい。シリカゾルの具体例とし
ては、触媒化成工業社製の商品名カタロイドSI−45
P等が挙げられる。
【0036】シリカゾルと酸性アルミニウム塩との混合
方法としては、特に限定されず、シリカゾルに酸性アル
ミニウム塩を添加してもよいし、酸性アルミニウム塩に
シリカゾルを添加してもよい。いずれの方法において
も、より均一に混合するために撹拌しながら添加するこ
とが好ましい。また、混合する際の温度も特に限定され
ないが、操作の点から、温度150℃以下が好ましい。
【0037】シリカゾルに対する酸性アルミニウム塩の
混合量は、SiO換算で100gのシリカに対して、
Al換算で1〜20gの酸性アルミニウム塩を混
合することが好ましい。これにより、複合ゾルB中のシ
リカアルミナ複合粒子B(以下、複合粒子Bという)の
ゼータ電位が+10mV以上になる。酸性アルミニウム
塩の混合量がAl換算で1g未満であると、得ら
れる複合粒子Bのゼータ電位が小さくなるので好ましく
なく、混合量がAl換算で20g超であると、得
られる複合ゾルBの物性に支障はないが、後述の限外濾
過等による不純物元素を除去する操作が容易でなくなる
ので好ましくない。混合量は、Al 換算で5〜1
0gが特に好ましい。
【0038】シリカゾルに酸性アルミニウム塩を添加し
た後の混合液には、未反応の酸性アルミニウム塩等の不
純物オインが残存するため、これを除去することが好ま
しい。この不純物イオンを除去するためには、混合液に
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物又は塩酸等
の酸を添加する等して、混合液をpH5〜10に調製す
ることが好ましい。これにより、少ない洗浄水量で、よ
り効率的に不純物イオンを除去できる。pHは6〜8に
調製することが特に好ましい。pH調製した後、限外濾
過膜等により不純物イオンを除去する方法が挙げられ
る。
【0039】このようにして得られた複合ゾルBは、必
要に応じて、解膠剤を添加するか、又は超音波分散する
等して、解膠できる。解膠剤としては、特に限定され
ず、塩酸、硝酸、硫酸、アミド硫酸等の無機酸、又は酢
酸等の有機酸が使用できる。これらの解膠剤は、単独で
使用してもよいし、適宜混合して使用してもよい。
【0040】得られる複合ゾルBは、凝集した状態であ
ってもよいし、単分散した状態であってもよい。これを
第1層の上に塗布することにより、インク受容層の光沢
性が著しく向上する。光沢度は、JIS Z8741で
規定する60°鏡面光沢度で30%以上が好ましく、4
0%以上が特に好ましい。
【0041】本発明においては、第1層は実質的に複合
キセロゲルAとバインダとからなるものが好ましい。他
の成分が含有されてもよいが、複合キセロゲルAとバイ
ンダを合わせて90%以上含むことが好ましい。第2層
においても、同様に、実質的に複合キセロゲルBとバイ
ンダとからなるものが好ましく、他の成分が含有されて
もよいが、複合キセロゲルBとバインダを合わせて90
%以上含むことが好ましい。
【0042】本発明では、複合ゾルA、Bのいずれとも
バインダを適宜混合して、第1層に使用する塗工液A
(以下、塗工液Aという)及び第2層に使用する塗工液
B(以下、塗工液Bという)を作製する。塗工液A、B
のいずれにおいてもバインダは、特に限定されず、ポリ
ビニルアルコール又はその変成物、でんぷん又はその変
成物、SBRラテックス、NBRラテックス、ヒドロキ
シセルロース、ポリビニルピロリドン等の有機物を使用
できる。また、ポリビニルアルコールを使用する場合に
は、必要に応じて、架橋剤として、ホウ砂等のホウ酸塩
又はホウ酸を添加すると塗工層の強度が増し、表面のク
ラック等を防止できるので好ましい。
【0043】塗工液Aにおいて、複合ゾルAとバインダ
との混合比としては、固形分比で100/5〜40が好
ましい。バインダ量比がこれより少ないと塗工層の強度
が弱くなり、クラックが生じ、基材との接着性が不充分
となるため好ましくなく、バインダ量比が多すぎると塗
工層の細孔容積と細孔半径が小さくなりインク吸収性が
不充分となるので好ましくない。
【0044】塗工液Bにおいて、複合ゾルBとバインダ
との混合比としては、固形分比で100/1〜15が好
ましい。バインダ量比がこれより少ないと塗工層の強度
が弱くなり、クラックが生じ、表面の光沢性が損なわれ
るので好ましくなく、バインダ量比が多すぎると、塗工
層の細孔半径が小さくなり、インク吸収性が不充分とな
るので好ましくない。
【0045】塗工液の塗布方法としては、まず、塗工液
Aから得られる未乾燥状態の塗工層(第1層)、及び、
この塗工層(第1層)上に、さらに、塗工液Bから得ら
れる未乾燥状態の塗工層(第2層)を形成する方法が好
ましい。その方法としては、基材に、第1層を塗布した
後、第1層が乾かないうちに第2層を塗布するか、又
は、第1層と第2層を同時に塗布する方法が挙げられ
る。
【0046】第1層が乾燥してから、第2層を塗布乾燥
する方法では、下層である第1層の平滑性が充分でない
ために、上層の第2層を設けたとしても、光沢性が不充
分となるため好ましくない。
【0047】第1層、第2層の二つのインク受容層を塗
布した後の乾燥方法としては、温度100℃以上の乾燥
空気で乾燥するか、又は、一旦冷却してインク受容層を
ゲル化により不動化させた後、温度70℃以下の乾燥空
気により乾燥することが好ましい。特に、一旦冷却して
ゲル化により不動化させた後に乾燥する方法を使用する
と、細孔容積と細孔半径のより大きいインク受容層が形
成でき、インク吸収性が格段に優れた記録媒体が得られ
るので好ましい。
【0048】基材としては、種々のものを使用すること
ができ、セルロースを主体とした紙類、合成紙類、不織
布等のほか、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の水不浸透性
のプラスチック性フィルムが挙げられる。なかでも、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムは、表面の平滑性と
耐久性に優れたインクジェット用フィルムが得られるの
で好ましく、さらには、シリカ、カオリン等の白色顔料
を内添した白色ポリエチレンテレフタレートフィルム
は、光沢性も向上し、高品質のインクジェット用フィル
ムが得られることから特に好ましい。また、ポリオレフ
ィン樹脂被覆紙(RCペーパー)も表面の平滑性、光沢
性に優れ、かつ、写真に似た風合いのインクジェット用
記録紙が得られるので好ましい。
【0049】第1層の塗工量としては、乾燥後において
5〜50g/mが好ましく、35〜50g/mが特
に好ましい。塗工量が5g/m未満であると、インク
吸収性が不充分となり好ましくなく、塗工量が50g/
が超であると、インク吸収性はよくなるが、塗工層
が厚くなり、クラックが生じることがあるため好ましく
ない。
【0050】第2層の塗工量としては、乾燥後において
0.5〜5g/mが好ましく、1〜4g/mが特に
好ましい。塗工量が0.5g/m未満であると、イン
ク受容層の光沢度が不充分となるため好ましくなく、塗
工量が5g/m超であると、インク吸収性が不充分と
なるため好ましくない。
【0051】塗工液の塗工方法としては、特に限定され
ず、バーコータ、ダイコータ、グラビアコータ、エアー
ナイフコータ、ブレードコータ、コンマコータ、スライ
ドコータ、カーテンコータ等が挙げられる。
【0052】
【実施例】以下に、実施例(例1、2)及び比較例(例
3〜8)を示す。
【0053】[複合ゾルAの合成]容量2リットルのガラ
ス製反応器に、3号ケイ酸ソーダ溶液(SiO濃度2
8.84%、NaO濃度9.31%)554.8g及
びイオン交換水1182.6gを入れ、撹拌しながら5
mol/L塩酸水溶液330.0gを4時間かけて添加
した。添加後、反応液はpH6.4であった。その後、
温度80℃に昇温し、4時間撹拌して熟成し、シリカヒ
ドロゲルを生成させた。得られたシリカヒドロゲルには
直径数mmの粗大粒子があったため、コロイドミルによ
り平均粒子径30μm以下にまで粉砕した。
【0054】この粉砕したシリカヒドロゲルを、再び容
量2リットルのガラス製反応器に入れて撹拌しながら温
度80℃に昇温し、シリカヒドロゲルのSiO質量に
対するポリ塩化アルミニウムのAl質量比が10
0/15となる量のポリ塩化アルミニウム水溶液(多木
化学社製、商品名:タキバイン#1500、Al
濃度23.5%、Cl濃度:8.1%、以下全て同じ)
を、約10分間かけて徐々に添加した。添加終了後、温
度80℃で1時間撹拌した後、室温にまで冷却した。
【0055】この反応液に5mol/Lの水酸化ナトリ
ウム溶液を加えて、反応液のpHを7に調製した後、限
外濾過装置を使用して、濾液の電導度が50μS/cm
以下に低下するまで精製した。
【0056】この精製した溶液中の総固形分量の3%と
なる量のアミド硫酸を添加して、減圧下で加熱濃縮し、
冷却後、直径0.5mmのジルコニア製ビーズのビーズ
ミルを使用して粉砕し、濃度23%、pH5、一次粒子
径16nm、凝集粒子径290nmの第1層用の複合ゾ
ルAを得た。
【0057】[複合ゾルBの合成]容量2リットルのガラ
ス製反応器に、一次粒子径41nmの球状シリカが分散
したシリカゾル(触媒化成工業社製、商品名:カタロイ
ドSI−45P、SiO 濃度40.2%、NaO濃
度0.42%)299g及びイオン交換水1663gを
入れ、温度80℃に昇温し、撹拌しながら、ポリ塩化ア
ルミニウム水溶液38.3gを、約10分間かけて徐々
に添加した。
【0058】添加終了後、温度80℃で1時間撹拌した
後、この反応液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、
反応液のpHを7.3に調製した後、冷却し、限外濾過
装置を使用して濾液の電導度が50μs/cm以下に低
下するまで精製した。
【0059】次いで、解膠剤として、精製した溶液中の
総固形分量の2%となる量のアミド硫酸を添加して、減
圧下加熱濃縮し、超音波分散して、濃度30%、pH
5.8、一次粒子径41nm、凝集粒子径148nmの
第2層用の複合ゾルBを得た。
【0060】[アルミナゾルの合成]容量2リットルのガ
ラス製反応器に、ポリ塩化アルミニウム水溶液327g
とイオン交換水1548gを入れ、温度95℃に昇温し
た。次いで、アルミン酸ナトリウム溶液(Al
度:20%、NaO濃度19%)125gを添加し、
温度95℃で24時間撹拌し、熟成してスラリを得た。
なお、アルミン酸ナトリウム溶液添加直後の液のpHは
8.7であった。
【0061】熟成後のスラリを限外濾過装置を使用して
精製した後、再び、温度95℃に昇温し、このスラリの
総固形分量の3%となる量のアミド硫酸を添加して、減
圧下で加熱濃縮し、超音波分散して、濃度25%、pH
3.8、凝集粒子径190nmのアルミナゾルを得た。
【0062】上記の方法で得た2種類の複合ゾル及びア
ルミナゾルから、それぞれ溶媒を除去して得られる複合
キセロゲルA、複合キセロゲルB及びアルミナゲルの細
孔特性を表1に示す。細孔特性の評価は、これらのゾル
を温度120℃で乾燥してキセロゲルとし、その粉末を
120℃、13.3Pa以下で2時間真空脱気した後、
窒素吸脱着装置(カンタクローム社製、商品名:オート
ソーブ3B型)を使用して、窒素の吸着脱着等温線を測
定して、比表面積、細孔容積及び平均細孔半径を求め
た。
【0063】ここで、比表面積は、BET多点法による
測定値である。細孔容積は、窒素吸着脱着等温線よりB
JH法により算出された細孔半径0.7〜100nmの
値である。また平均細孔半径は、窒素吸着脱着等温線よ
りBJH法により求められた累積細孔容積分布曲線にお
いて、細孔半径0.7〜100nmの細孔容積の1/2
の細孔容積を有する半径とした。
【0064】
【表1】
【0065】次いで、各例の記録シートを作製した。
【0066】[例1(実施例)]複合ゾルAにポリビニル
アルコール(信越化学工業社製、型番MA26−GP、
以下全て同じ)水溶液、ホウ砂水溶液及びホウ酸水溶液
を、固形分比が、それぞれ、100/15/1.5/
2.0となる割合で添加し、さらに水を加えて総固形分
濃度17%の第1層用の塗工液Aを調製した。
【0067】また、第2層用の複合ゾルBにポリビニル
アルコール水溶液、ホウ砂水溶液及びホウ酸水溶液を固
形分比が100/4/0.4/1.6となる割合で添加
し、さらに水を加えて総固形分濃度17%の第2層用の
塗工液Bを調製した。
【0068】厚さ125μmの白色PETフィルム(帝
人デュポン社製、型番U51LY)上に、この2種類の
塗工液をスライドコータを使用して、乾燥後の塗工量が
第1層35g/m、第2層3g/mとなるように同
時に塗工後、温度5℃に冷却し塗工層をゲル化させて不
動化した後、温度50℃の乾燥空気で乾燥してインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0069】[例2(実施例)]乾燥後の塗工量が第1層
40g/m、第2層3g/mとした以外は、例1と
同様の方法でインクジェット記録媒体を得た。
【0070】[例3]第2層用の塗工液Bを塗布しない以
外は、例1と同様の方法でインクジェット記録媒体を得
た。
【0071】[例4]アルミナゾルにポリビニルアルコー
ル水溶液、ホウ砂水溶液及びホウ酸水溶液を固形分比が
100/8/0.5/0.25となる割合で添加し、さ
らに水を加えて総固形分濃度17%の第1層用の塗工液
Aを調製した。第2層用の塗工液Bには例1と同じもの
を使用して、RCペーパー(三菱製紙社製、型番CPF
−170VE)上に、例1と同様の方法で塗布乾燥する
ことにより、インクジェット記録媒体を得た。
【0072】[例5]セイコーエプソン社製記録紙(商品
名PM写真用紙<光沢>、型番KA420PSK、染料
系インク向け記録紙)をインクジェット記録媒体として
使用した。
【0073】[例6]セイコーエプソン社製記録紙(商品
名フォト・プリント紙2、型番PMA4SP1、染料系
インク向け記録紙)をインクジェット記録媒体として使
用した。
【0074】[例7]セイコーエプソン社製記録紙(商品
名MC写真用紙<半光沢>、型番KA420MSH、顔
料系インク向け記録紙)をインクジェット記録媒体とし
て使用した。
【0075】[例8]セイコーエプソン製記録紙(商品名
MC写真用紙ロール<光沢>、型番MCSP24R1、
顔料系インク向け記録紙)をインクジェット記録媒体と
して使用した。
【0076】以下に、記録媒体の評価方法を述べる。 [光沢度]日本電色工業社製ハンディー光沢度計PG−1
Mを使用して、JIS−Z8741で規定する20°、
60°、85°光沢度を測定した。なお、光沢度の単位
は以下全て%を意味する。
【0077】次いで、セイコーエプソン社製の染料系イ
ンク式の大判プリンターPM9000Cと顔料系インク
式の大判プリンターMC10000を使用して評価パタ
ーンを印刷した。
【0078】[PM9000Cによる印刷方法]用紙設定
を専用光沢フィルム(スーパーファイン、色補正無し)
とフォトプリント紙(ファイン、色補正なし)の2種類
で印刷した。印刷に際しては、CMYK各色が0、3
0、70、100%の4種類を組み合わせた、合計21
6色のパターンを印刷した。
【0079】[MC10000による印刷方法]イメーシ
ョン社のリップ(Raster Imaging Pr
ocessor)を使用して、用紙設定:DCP3、イ
ンク量制限:400%の条件と用紙設定:DICC、イ
ンク量制限:400%の2種類の条件で印刷した。印刷
に際しては、CMYK各色が0、30、70、100%
の4種類を組み合わせた、合計216色のパターンを印
刷した。
【0080】印刷後の画像特性については、以下の項目
を評価した。
【0081】[インク吸収性]印刷終了後に、目視により
216色のうちどれか1色でも表面にインクの浮きが生
じているものを×、充分にインクを吸収しているものを
○とした。
【0082】[色濃度]印刷後1時間後にグレタグ色濃度
計を使用して、216色の全色の色濃度、L、a、b
を測定した。この内、4K(CMYK4色全て重ね打
ちしたブラック)、K(ブラック100%)、C(シア
ン100%)、M(マゼンタ100%)、Y(イエロー
100%)、R(マゼンタ100%+イエロー100
%)、G(シアン100%+イエロー100%)、B
(シアン100%+マゼンタ100%)の8色の色濃度
を比較した。
【0083】[色変化]印刷後室温で3日間放置した後
に、再びグレタグ色濃度計を使用して、216色の全色
の色濃度、L、a、bを測定し、216色全てにつ
いて色変化△Eを求めた。△Eは、 △E={(△L)×2+(△a)×2+(△b)×
2}×1/2 で得られる値である。216色の内、△Eが3未満、3
以上6未満、6以上の色の数を表3に示す。216色の
内、△Eの小さい色の数が多い記録媒体ほど色安定性が
優れることを示している。
【0084】[評価結果]各記録媒体の60°光沢度を
表2に示す。本発明の記録媒体は、高い光沢度を示し
た。上層のない例3の光沢度は不充分であった。
【0085】
【表2】
【0086】PM9000Cでのインク吸収性、色濃度
の評価結果を表3及び表4に示す。表3には、用紙設定
を専用光沢フィルムにして印字した結果を、表4には、
用紙設定をフォトプリント紙にして印字した結果を示
す。なお、PM9000Cは染料系インク式プリンタで
あることから、例7と例8の顔料系インク向け記録紙に
ついては、評価を行わなかった。
【0087】本発明の記録媒体に、用紙設定をフォトプ
リント紙にして印字したものは最も高い色濃度を示し
た。なお、表4において、例4及び例5の記録媒体につ
いては、この用紙設定では、インクを充分吸収できなか
ったため、色濃度の評価を行わなかった。
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】PM9000Cでの色変化の評価結果を表
5及び表6に示す。表5には、用紙設定を専用光沢フィ
ルムにして印字した結果を、表6には、用紙設定をフォ
トプリント紙にして印字した結果を示す。なお、表3と
同様、PM9000Cは染料系インク式プリンタである
ことから、例7と例8の顔料系インク向け記録紙につい
ては、評価を行わなかった。また、表6の色濃度につい
ても、表4と同様、例4と例5の記録紙はインク吸収性
が充分でかったことから、評価を行わなかった。
【0091】本発明の記録媒体に、用紙設定を専用光沢
フィルムにして印字したものの色安定性は非常に優れて
いた。
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】MC10000でのインク吸収性、色濃度
の評価結果を表7及び表8に示す。表7には、用紙設定
としてDCP3(インク量制限:400%)を使用した
結果を、表8には、用紙設定としてDICC(インク量
制限:400%)使用した結果を示す。なお、MC10
000は顔料系インク式プリンタであることから、例5
と例6の染料系インク向け記録紙については、評価を行
わなかった。
【0095】本発明の記録媒体は、2つの印刷条件の両
方において優れたインク吸収性を示し、かつ、色濃度も
高かった。なお、表8において、例4、例7、例8の記
録媒体については、この用紙設定で上記条件では、イン
クを充分に吸収できなかったことから、色濃度の評価を
行わなかった。
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】以上のように、本発明の実施例は、高光沢
で、染料系インク式のプリンタ及び顔料系インク式のプ
リンタに対して、ともにインク吸収性に優れ、高発色で
色安定性が優れていた。
【0099】
【発明の効果】本発明により、高光沢で、染料系インク
及び顔料系インクのいずれにおいても、優れたインク吸
収性を有し、かつ、高色濃度で色安定性に優れた記録の
できるインクジェット記録媒体が得られる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の少なくとも片面上に、平均細孔半径
    が12nm以上、かつ、細孔半径0.7〜100nmの
    全細孔容積が1.0ml/g以上のシリカアルミナ複合
    キセロゲルAを含有するインク受容層を有し、その上層
    に、平均細孔半径が6〜10nmのシリカアルミナ複合
    キセロゲルBを含有するインク受容層を有する、インク
    ジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】前記シリカアルミナ複合キセロゲルAが、
    シリカヒドロゲルと、水に溶解したときの液性が酸性で
    あるアルミニウム塩とを反応させることにより得られ
    る、シリカアルミナ複合ゾルAから溶媒を除去して得ら
    れる、請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】前記シリカアルミナ複合キセロゲルBが、
    シリカゾルと水に溶解したときの液性が酸性であるアル
    ミニウム塩とを反応させることにより得られる、シリカ
    アルミナ複合ゾルBから溶媒を除去して得られる、請求
    項1に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】前記シリカアルミナ複合ゾルAが、一次粒
    子の平均粒子径が2〜20nmのシリカ、及びアルミナ
    が凝集して得られた平均粒子径200〜500nmのシ
    リカアルミナ複合粒子Aを含有する請求項1又は2に記
    載のインクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】前記シリカアルミナ複合ゾルBが、一次粒
    子の平均粒子径が30〜70nmのシリカ、及びアルミ
    ナが凝集して得られたシリカアルミナ複合粒子Bを含有
    する請求項1又は3に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 【請求項6】前記基材が、ポリエチレンテレフタレート
    フィルム、又はポリオレフィン樹脂被覆紙である、請求
    項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  7. 【請求項7】基材の少なくとも片面上に、下記シリカア
    ルミナ複合ゾルAを含有する塗工液Aから得られる未乾
    燥状態の塗工層(第1層)、及び、この塗工層(第1
    層)上にさらに下記シリカアルミナ複合ゾルBを含有す
    る塗工液Bから得られる未乾燥状態の塗工層(第2層)
    を形成した後、前記塗工層(第1層及び第2層)を温度
    100℃以上の乾燥空気で乾燥するか、又は、一旦冷却
    してゲル化して不動化させてから温度70℃以下の乾燥
    空気により乾燥する、インクジェット記録媒体の製造方
    法。シリカアルミナ複合ゾルA:シリカヒドロゲルと、
    水に溶解したときの液性が酸性であるアルミニウム塩と
    を反応させることにより得られるシリカアルミナ複合ゾ
    ルであって、このゾルから溶媒を除去して得られるキセ
    ロゲルが、平均細孔半径が12nm以上、かつ、細孔半
    径0.7〜100nmの全細孔容積が1.0ml/g以
    上であるもの。シリカアルミナ複合ゾルB:シリカゾル
    と、水に溶解したときの液性が酸性であるアルミニウム
    塩とを反応させることにより得られるシリカアルミナ複
    合ゾルであって、このゾルから溶媒を除去して得られる
    キセロゲルが、平均細孔半径が6〜10nmであるも
    の。
  8. 【請求項8】基材上に、まず塗工液Aを塗布して未乾燥
    状態の塗工層(第1層)を形成し、この塗工層(第1
    層)が未乾燥状態であるときに、塗工液Bを塗布して未
    乾燥状態の塗工層(第2層)を形成する請求項7に記載
    のインクジェット記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】基材上に、塗工液A及び塗工液Bをこの順
    に2層になるよう同時に塗布する請求項7に記載のイン
    クジェット記録媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009178881A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録媒体
WO2011055821A1 (ja) * 2009-11-09 2011-05-12 株式会社資生堂 スティック状化粧料及びその製造方法

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