JP2003291063A - 研削加工方法及び装置 - Google Patents

研削加工方法及び装置

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JP2003291063A
JP2003291063A JP2002095583A JP2002095583A JP2003291063A JP 2003291063 A JP2003291063 A JP 2003291063A JP 2002095583 A JP2002095583 A JP 2002095583A JP 2002095583 A JP2002095583 A JP 2002095583A JP 2003291063 A JP2003291063 A JP 2003291063A
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power
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roughing
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JP2002095583A
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Kenro Sanada
謙郎 真田
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Original Assignee
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撓みセンサの検出信号に頼ることなく、実際
の砥石軸の撓み量を考慮した高精度の仕上げ加工をす
る。 【解決手段】 先端部に砥石20が設けられた砥石軸1
8を回転駆動しながら当該砥石20とワーク10とを切
込み方向に相対送りすることによりワーク10の周面を
荒加工し、その後に仕上げ加工するもの。予め定められ
た荒加工目標電力及び仕上げ加工目標電力を用いて模範
研削状態で前記荒加工及び仕上げ加工が行われたときの
当該荒加工における砥石軸20の撓み量に相当する値を
例えば撓みセンサ24で検出しておき、その後の各ワー
クの研削加工では、その荒加工時における検出値と前記
模範研削状態での荒加工時における検出値と荒加工目標
電力とに基づいて仕上げ加工目標電力を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク内周面また
は外周面を荒加工及び仕上げ加工する方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、砥石軸の先端に設けられた砥石
をワーク周面に押し当てて研削加工を行う場合には、そ
の研削抵抗を受けることにより、前記砥石軸が撓んでそ
の撓み量角だけ前記砥石によるワークの加工面に勾配が
生じたり、ワークに歪みが生じたりする。このような加
工面の勾配やワークの歪みは加工精度の向上の大きな妨
げとなる。
【0003】そこで従来は、比較的高い切込み速度で荒
加工を行った後、この荒加工時よりも研削負荷を落とし
て前記砥石軸の撓み量が小さくなる条件で所定の研削量
だけ仕上げ加工を行う(さらに好ましくは仕上げ加工終
了前に切込み送りを停止したまま研削を続けるスパーク
アウト研削を行う)方法が用いられている。
【0004】より具体的には、予め荒加工目標電力及び
それよりも低い仕上げ加工目標電力を設定しておき、荒
加工時には砥石駆動モータのモータ電力を前記荒加工目
標電力に保持するように、仕上げ加工時には前記モータ
電力を前記仕上げ加工目標電力に保持するように、それ
ぞれ切込み送り速度を制御する定電力制御が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記定電力制御では、
実際の砥石の撓み量に応じた研削加工ができず、特に仕
上げ加工で精度の高い加工を実現しにくいという欠点が
ある。すなわち、砥石の切れ味が変化しない場合には、
一般にモータ電力と砥石軸の撓み量とはほぼ一定に対応
するが、実際には砥石のドレスやその後の研削加工によ
って砥石の切れ味は著しく変動し、それに伴ってモータ
電力と実際の砥石の撓み量との関係も変動する。具体的
には、モータ電力が一定であっても砥石の切れ味が低い
場合には砥石軸の撓み量が増大するため、モータ電力を
一定に保つ制御を行っても実際の砥石軸の撓み量を精度
良くコントロールすることは困難である。
【0006】このような不都合を解消する手段として、
加工中に生じる砥石軸の撓み量を撓みセンサ等で検出
し、その検出値を一定に保持するように仕上げ加工を行
うことが検討されている。ところが、このような仕上げ
研削加工での砥石軸の撓み量は荒加工での撓み量に比べ
て非常に小さく、従って前記撓みセンサの出力する検出
信号のレベルは微弱であり、荒加工時に比べてノイズの
割合が高くなる。その分、検出誤差が生じ易く、安定し
た制御を行いにくいという欠点がある。また、前記撓み
センサに代え、前記撓み量そのものではなくこれに相当
する値を検出する手段を用いる場合(例えば前記砥石軸
とワークとを切込み方向に相対送りするモータの駆動力
を検出する場合)でも、その検出値は微小値となり、制
度の高い制御は望み難い。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、荒加工
後、実際の砥石軸の撓み量を考慮した高精度の仕上げ加
工をすることができる研削加工方法及び装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、砥石軸及びその先端部に設け
られた砥石を砥石駆動モータにより回転駆動し、この砥
石とワーク周面とを切込み方向に相対送りするととも
に、前記砥石駆動モータのモータ電力を予め定められた
荒加工目標電力に保持するように切込み方向の送り速度
を制御して前記ワーク周面を荒加工し、その後に前記モ
ータ電力を前記荒加工目標電力よりも低い仕上げ加工目
標電力に保持するように切込み方向の送り速度を制御し
て前記ワーク周面を仕上げ加工する研削加工方法におい
て、予め定められた荒加工目標電力及び仕上げ加工目標
電力を用いて模範研削状態で前記荒加工及び仕上げ加工
を行い、そのときの当該荒加工における砥石軸の撓み量
に相当する値を検出しておき、その後の各ワークの研削
加工では、その荒加工時に砥石軸の撓み量に相当する値
を検出し、その検出値と前記模範研削状態での荒加工に
おいて検出された砥石軸の撓み量に相当する値と荒加工
目標電力とに基づいて当該ワークについての仕上げ加工
目標電力を演算し、この仕上げ加工目標電力に前記モー
タ電力を保持するように切込み方向の送り速度を制御し
ながら前記ワークの仕上げ加工を行うものである。
【0009】ここで、「模範研削状態」とは、砥石の切
れ味が良好で安定した研削状態を意味し、この「模範研
削状態」での研削加工のデータはワークの量産を開始す
る前の試験加工によって採取される。
【0010】また、「撓み量に相当する値」としては、
砥石軸の撓み量そのものの値の他、例えば当該砥石軸と
ワークとを切込み方向に相対送りするのに要する駆動力
を検出するようにしてもよい。
【0011】前記の方法によれば、事前に模範研削状態
で行われた研削加工時におけるデータ(荒加工目標電力
及び荒加工での撓み量に相当する値の検出値)と、その
後の各ワークの荒加工時に検出される検出値とを用いる
ことにより、仕上げ加工については、実際の砥石軸の撓
み量を前記模範研削状態での仕上げ加工における砥石軸
の撓み量に合致させるための仕上げ目標電力を演算で求
めることができ、この仕上げ目標電力にモータ電力を保
持する制御を行うことにより、撓みセンサ等の検出信号
に頼ることなく、実際の砥石軸の撓み量を考慮した高精
度の仕上げ加工をすることができる。
【0012】具体的に、前記各ワークの荒加工では前記
模範研削状態で用いられた荒加工目標電力と等しい荒加
工目標電力を用いる場合には、その後の仕上げ加工に用
いる仕上げ加工目標電力Pfを次式に基づいて演算する
ようにすればよい。 Pf=(Hro/Hr)・Pfo
【0013】ここで、Pfoは模範研削状態での仕上げ
加工に用いられた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研
削状態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当
する値、Hrは各ワークの荒加工時に検出された砥石軸
の撓み量に相当する値である。
【0014】また、前記各ワークの荒加工では前記模範
研削状態で用いられた荒加工目標電力と異なる荒加工目
標電力を用いる場合には、その後の仕上げ加工に用いる
仕上げ加工目標電力Pfを次式に基づいて演算するよう
にすればよい。 Pf=(Pr/Pro)・(Hro/Hr)・Pfo
【0015】ここで、Proは模範研削状態での荒加工
に用いられた荒加工目標電力、Pfoは模範研削状態で
の仕上げ加工に用いられた仕上げ加工目標電力、Hro
は模範研削状態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み
量に相当する値、Prは各ワークの荒加工で用いられる
荒加工目標電力、Hrは各ワークの荒加工時に検出され
る砥石軸の撓み量に相当する値である。
【0016】また本発明は、砥石軸と、その先端部に設
けられた砥石と、これら砥石軸及び砥石を回転駆動する
砥石駆動モータと、この砥石駆動モータのモータ電力を
検出する電力検出手段と、前記砥石とワーク周面とを切
込み方向に相対送りする切込み送り手段と、前記砥石軸
の撓み量に相当する値を検出する撓み状態検出手段と、
前記切込み送り手段による送り速度を制御する切込み送
り制御手段とを備え、この切込み送り制御手段は、前記
砥石駆動モータのモータ電力を予め定められた荒加工目
標電力に保持するように切込み方向の送り速度を制御し
て前記ワーク周面を荒加工し、その後に前記モータ電力
を前記荒加工目標電力よりも低い仕上げ加工目標電力に
保持するように切込み方向の送り速度を制御して前記ワ
ーク周面を仕上げ加工する切込み送り操作手段と、各ワ
ークの仕上げ加工に用いられる仕上げ加工目標電力を演
算する目標電力演算手段とを含み、この目標電力演算手
段は、予め定められた荒加工目標電力及び仕上げ加工目
標電力を用いて前記切込み送り操作手段により模範研削
状態で前記荒加工及び仕上げ加工が行われたときに前記
撓み状態検出手段で検出された荒加工における砥石軸の
撓み量に相当する値を記憶し、かつ、各ワークの研削加
工ではその荒加工時に前記撓み状態検出手段で検出され
た砥石軸の撓み量に相当する値と前記模範研削状態での
荒加工において前記撓み状態検出手段により検出された
砥石軸の撓み量に相当する値と荒加工目標電力とに基づ
いて当該ワークについての仕上げ加工目標電力を演算す
るものである。
【0017】ここで、前記「撓み状態検出手段」として
は、砥石軸の撓み量を直接検出する撓みセンサの他、例
えば前記切込み送り手段による送り駆動力を検出するも
のであってもよい。
【0018】前記切込み送り操作手段が各ワークの荒加
工に前記模範研削状態で用いられた荒加工目標電力と等
しい荒加工目標電力を用いる場合には、前記目標電力演
算手段は次式に基づいて各ワークの仕上げ加工に用いる
仕上げ加工目標電力Pfを演算するものであればよい。 Pf=(Hro/Hr)・Pfo
【0019】ここで、Pfoは模範研削状態での仕上げ
加工に用いられた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研
削状態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当
する値、Hrは各ワークの荒加工時に検出された砥石軸
の撓み量に相当する値である。
【0020】また、前記目標電力演算手段が、次式に基
づいて各ワークの仕上げ加工に用いる仕上げ加工目標電
力Pfを演算するものであれば、前記各ワークの荒加工
で用いられる荒加工目標電力と前記模範研削状態で用い
られた荒加工目標電力とが異なる場合にも適用が可能に
なる。 Pf=(Pr/Pro)・(Hro/Hr)・Pfo
【0021】ここで、Proは模範研削状態での荒加工
に用いられた荒加工目標電力、Pfoは模範研削状態で
の仕上げ加工に用いられた仕上げ加工目標電力、Hro
は模範研削状態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み
量に相当する値、Prは各ワークの荒加工で用いられる
荒加工目標電力、Hrは各ワークの荒加工時に検出され
る砥石軸の撓み量に相当する値である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図
面に基づいて説明する。なお、この実施の形態では円筒
状のワーク10の内周面を研削する内面研削に本発明を
適用したものを示すが、本発明はワーク外周面を研削す
る円筒研削にも良好に適用することが可能であり、また
ワークの全体形状は必ずしも完全な円筒状でなくてもよ
い。
【0023】図1に示す内面研削盤は、ワーク10を支
持するワーク支持台12を備えている。このワーク支持
台12は切込み送りモータ14及び図略の送りねじ機構
によって切込み方向すなわちワーク10の半径方向と平
行な方向(図1では上下方向)に送られる。
【0024】ワーク支持台12の近傍には、回転駆動手
段であるホイールへッド16が設置されている。このホ
イールへッド16には砥石軸18が装着され、この砥石
軸18の先端部に砥石20が固定されている。ホイール
へッド16には、前記砥石軸18及び砥石20を高速で
回転駆動する図略の砥石駆動モータが内蔵され、その回
転駆動状態で砥石20がワーク10の内側に挿入され、
かつ、前記ワーク10がワーク支持台12とともにその
半径方向に切込み送りされることにより、前記砥石20
がワーク内周面に押付けられてその内周面を研削するよ
うに構成されている。また、前記ホイールへッド16に
は、その砥石駆動モータのモータ電力(研削電力)を検
出する電力検出回路22が接続されている。
【0025】なお、本発明では、ワーク10ではなくホ
イールへッド16を移動させることにより切込み方向の
送りを行うようにしてもよい。
【0026】前記砥石軸18の近傍には、撓み状態検出
手段として撓みセンサ24が設けられている。この撓み
センサ24は、前記砥石軸18の撓み量を検出するもの
で、例えば渦電流式や磁気式の変位センサにより構成さ
れている。
【0027】なお、前記「撓み状態検出手段」として
は、図示の撓みセンサ24の他、砥石軸18の撓み量そ
のものではなく当該撓み量に相当する値を検出するもの
であってもよい。例えば、前記砥石軸18を支持するホ
イールへッド16またはワーク支持台12に応力センサ
を装着し、実際の研削時に前記ホイールへッド16また
はワーク支持台12に発生する応力(砥石軸18の半径
方向と平行な方向の応力)を検出するようにしてもよい
し、ワーク10と砥石軸18とを切込み方向に相対送り
するための切込み送りモータ14による駆動力(例えば
当該モータ14のモータ電流やトルク信号)を「撓み量
に相当する値」として用いることも可能である。
【0028】このような「撓み量に相当する値」につい
ての情報信号(図例では撓みセンサ24の出力する検出
信号)は、前記電力検出回路22の出力する検出信号と
ともにNC装置30に入力される。
【0029】NC装置30は、本発明に関連する機能と
して、切込み送り操作部32と目標電力演算部34とを
含んでいる。切込み送り操作部32は、前記電力検出回
路22から入力される検出信号(モータ電力検出信号)
と、その目標電力(荒加工目標電力及び仕上げ加工目標
電力)とに基づき、切込み送り速度の定電力制御を行う
ための制御信号を前記切込み送りモータ14に出力して
各ワーク10の荒加工及び仕上げ加工を行わせるもので
ある。目標電力演算部34は、前記仕上げ加工目標電力
を演算するものである。
【0030】次に、このNC装置30の制御動作を含め
た研削盤全体の加工動作を、図2に示すグラフも参照し
ながら説明する。この研削盤による加工は、ワーク10
を量産する際に用いるデータを採取するための「模範研
削状態での研削加工」と、実際に製品ワーク10を量産
するための「本研削加工」とに大別される。
【0031】1)模範研削状態での研削加工 この模範研削状態での研削加工は、従来の定電力制御と
同様に、予め設定された荒加工目標電力Pro及び仕上
げ加工目標電力Pfoを用い、かつ、切れ味が良好な砥
石20を用いて行うもので、製品ワーク10を加工する
「本研削加工」の前に試行され、かつ、その「本研削加
工」に用いられるデータを採取するためのものである。
【0032】例えばCBN砥石のように硬い砥石では、
ドレス直後に砥石切れ味が急激に低下し、その後、研削
を重ねるに従って切れ味が上昇する傾向があるので、そ
の研削によって切れ味がある程度安定した砥石を用いて
「模範研削状態での研削加工」を行うようにすればよ
い。この「模範研削状態での研削加工」は1回のみでも
よいが、複数回行って得られた複数のデータの平均値を
とるようにすれば、より好ましい。
【0033】具体的な加工動作を説明すると、まず、ホ
イールへッド16が図略の移送手段によりその軸方向前
向き(図1では左向き)に移送され、砥石20がワーク
10の内周面との間に所定の隙間をおいた位置で当該ワ
ーク10の内側に挿入されるとともに、ホイールへッド
16に組み込まれた砥石駆動モータが作動して砥石軸1
8および砥石20が一体に高速で回転駆動される。
【0034】次に、切込み送り操作部32は、切込み送
りモータ14を作動させてワーク10の切込み送りを行
わせる。そして、砥石20がワーク10の内周面に接触
した時点から荒加工が開始される。
【0035】このとき、モータ電力は急激に上昇する
が、このモータ電力が予め設定された荒加工目標電力P
roに到達した時点(図2の点A)で、切込み送り操作
部32は検出モータ電力を前記荒加工目標電力Proに
保つように切込み送り速度のフィードバック制御を実行
する。これにより、定電力切込み速度制御に基づく荒加
工が実行される。
【0036】この荒加工中、砥石軸18の撓み量が撓み
センサ24により検出され、その検出信号がNC装置3
0に入力される。このNC装置30は、このときの検出
撓み量Hroを取り込んで記憶する。この記憶する検出
撓み量Hroは、例えば一定のサンプリング周期ごとに
取り込んだ検出撓み量の平均値としてもよいし、最大値
を採用してもよい。あるいは、仕上げ加工に移行する直
前の値を取り込むようにしてもよい。また、「撓み量に
相当する値」として例えば切込み送りモータ14のモー
タ電流を用いる場合には、当該モータ電流値を「Hr
o」として取扱えばよい。
【0037】その後、切込み送り位置が所定位置に到達
した時点で、切込み送り操作部32は目標電力をそれま
での荒加工目標電力Proから仕上げ加工目標電力Pfo
に切換えて荒加工から仕上げ加工に移行する(図2の点
B)。すなわち、検出モータ電力を仕上げ加工目標電力
Pfoに保持する制御を開始する。
【0038】さらに、切込み送り位置が特定位置に到達
した時点で、切込み送り操作部32は切込み送りモータ
14を停止させて切込み送りのみを止め、最後のスパー
クアウト加工(切込み送りをせずに砥石20の駆動のみ
を行う加工)に移行する。このスパークアウト加工は本
発明では任意のものである。その後、切込み送り位置が
最終目標位置に到達した時点で切込み送り操作部32は
ワーク10を砥石20から離して研削加工を終了させ
る。
【0039】2)本研削加工 前記模範研削状態での研削加工終了後、各製品ワーク1
0の本格的な加工に移行する。
【0040】この本研削加工における荒加工の動作は、
前記模範研削状態での研削加工と同様である。すなわ
ち、前記荒加工目標電力Proと等しい目標電力を用い
て荒加工が行われるとともに、その荒加工中での撓みセ
ンサ24による砥石軸18の検出撓み量Hrが目標電力
演算部34に取り込まれ、記憶される。このとき、砥石
20の切れ味が前記模範研削状態での切れ味よりも低い
場合には、その分だけ前記検出撓み量Hrは模範研削状
態での検出撓み量Hroよりも大きくなる。従って、そ
の後の仕上げ加工においても、前記模範研削状態で用い
られた仕上げ加工目標電力Pfoと等しい目標電力を用
いると、当該模範研削状態での仕上げ加工における砥石
軸18の撓み量よりも実際の撓み量が大きくなってしま
い、良好な加工精度が得られなくなる。
【0041】そこで、この本研削加工では、目標電力演
算部34は、前記模範研削状態での荒研削加工時に記憶
された検出撓み量Hroと、今回の荒研削加工時に取り
込んだ検出撓み量Hrと、荒加工目標電力Proとに基
づき、模範研削状態での仕上げ加工時における砥石軸撓
み量Hfo(この値は実際には検出されていない)と等
しい砥石軸撓み量を得るための仕上げ加工目標電力Pf
を逆算し、その仕上げ加工目標電力Pfに基づいて切込
み送り操作部32は仕上げ加工時の切込み送り速度を定
電力制御する。
【0042】前記仕上げ加工目標電力Pfの演算原理は
次のとおりである。図3において、実線Lは模範研削状
態での研削加工におけるモータ電力と砥石軸の撓みとの
関係を示し、破線L′は各製品ワーク10の研削加工に
おけるモータ電力と砥石軸の撓みとの関係を示してい
る。破線L′の勾配α′は、模範研削状態よりも砥石2
0の切れ味が低い分だけ直線Lの勾配αよりも大きくな
っている。
【0043】ここで、前記勾配αはそれぞれ次式で表さ
れる。 α=Hfo/Pfo=Hro/Pro …(1) α′=Hfo/Pf=Hr/Pro …(1)′
【0044】(1)(1)′式からα,α′,Pro,
Hfoを消去すると次式が得られる。 Hro・Pfo=Hr・Pf ∴Pf=(Hro/Hr)・Pfo …(2)
【0045】従って、この(2)式で与えられる仕上げ
加工目標電力Pfを用いて仕上げ加工における切込み送
り速度を定電力制御すれば、砥石軸18の撓みを模範研
削状態における撓みHfoに保つ切込み送り速度制御を
実行できることになる。
【0046】なお、この実施の形態は、本研削加工時に
用いられる荒加工目標電力が模範研削状態での研削加工
時に用いられる荒加工目標電力Proと等しい場合であ
るが、砥石20における砥粒の磨耗や組成の異なる砥石
20を用いるなどして模範研削状態での加工条件と本研
削加工での加工条件が変化した場合には、それに応じ
て、模範研削状態での研削加工時に用いられる荒加工目
標電力Proと異なる目標電力Pr′を本研削加工で用
いなければならない。この場合、図3に示すように、 Hr′/Pr′=Hfo/Pf …(3) の関係が成立するので、この(3)式と(1)(1)′
式とから次の(4)式を得ることができる。 Pf=(Pr/Pro)・(Hro/Hr)・Pfo …(4)
【0047】従って、この(4)式で与えられる仕上げ
加工目標電力Pfを採用することにより、模範研削加工
状態での研削加工と異なる荒加工目標電力Proを用い
る場合にも良好な仕上げ加工制御を実現することができ
る。
【0048】なお、前記実施の形態では、切込み送り位
置に基づいて荒加工終了及び仕上げ加工終了のタイミン
グが定められているが、例えばワーク10の加工径を検
出する検出器を付設し、その加工径に基づいて前記タイ
ミングを定めるようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明は、荒加工及び仕上
げ加工を順に行うにあたり、予め定められた荒加工目標
電力及び仕上げ加工目標電力を用いて模範研削状態で前
記荒加工及び仕上げ加工が行われたときの当該荒加工に
おける砥石軸の撓み量に相当する値を検出しておき、そ
の後の各ワークの研削加工では、その荒加工時に検出さ
れた撓み量に相当する値と前記模範研削状態での検出値
と荒加工目標電力とに基づいて当該ワークについての仕
上げ加工目標電力を演算し、この仕上げ加工目標電力に
基づいて仕上げ加工での切込み方向の送り速度を制御す
るようにしたものであるので、仕上げ加工では、撓み状
態検出手段の検出信号に頼ることなく、実際の砥石軸の
撓み量を考慮した高精度の加工をすることができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる研削加工装置の概
略構成図である。
【図2】前記研削加工装置による研削加工でのモータ電
力の時間変化を示すグラフである。
【図3】模範研削状態での研削加工及びその後の各製品
ワークの研削加工におけるモータ電力と砥石軸の撓みと
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ワーク 12 ワーク支持台 14 切込み送りモータ 16 ホイールへッド(砥石駆動モータ内蔵) 18 砥石軸 20 砥石 22 電力検出回路 24 撓みセンサ 30 NC装置(切込み送り制御手段) 32 切込み送り操作部 34 目標電力演算部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石軸及びその先端部に設けられた砥石
    を砥石駆動モータにより回転駆動し、この砥石とワーク
    周面とを切込み方向に相対送りするとともに、前記砥石
    駆動モータのモータ電力を予め定められた荒加工目標電
    力に保持するように切込み方向の送り速度を制御して前
    記ワーク周面を荒加工し、その後に前記モータ電力を前
    記荒加工目標電力よりも低い仕上げ加工目標電力に保持
    するように切込み方向の送り速度を制御して前記ワーク
    周面を仕上げ加工する研削加工方法において、予め定め
    られた荒加工目標電力及び仕上げ加工目標電力を用いて
    模範研削状態で前記荒加工及び仕上げ加工を行い、その
    ときの当該荒加工における砥石軸の撓み量に相当する値
    を検出しておき、その後の各ワークの研削加工では、そ
    の荒加工時に砥石軸の撓み量に相当する値を検出し、そ
    の検出値と前記模範研削状態での荒加工において検出さ
    れた砥石軸の撓み量に相当する値と荒加工目標電力とに
    基づいて当該ワークについての仕上げ加工目標電力を演
    算し、この仕上げ加工目標電力に前記モータ電力を保持
    するように切込み方向の送り速度を制御しながら前記ワ
    ークの仕上げ加工を行うことを特徴とする研削加工方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の研削加工方法において、
    前記各ワークの荒加工では前記模範研削状態で用いられ
    た荒加工目標電力と等しい荒加工目標電力を用い、その
    後の仕上げ加工に用いる仕上げ加工目標電力Pfを次式
    に基づいて演算することを特徴とする研削加工方法。 Pf=(Hro/Hr)・Pfo ここで、Pfoは模範研削状態での仕上げ加工に用いら
    れた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研削状態での荒
    加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当する値、Hr
    は各ワークの荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相
    当する値である。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の研削加工方法において、
    前記各ワークの荒加工では前記模範研削状態で用いられ
    た荒加工目標電力と異なる荒加工目標電力を用い、その
    後の仕上げ加工に用いる仕上げ加工目標電力Pfを次式
    に基づいて演算することを特徴とする研削加工方法。 Pf=(Pr/Pro)・(Hro/Hr)・Pfo ここで、Proは模範研削状態での荒加工に用いられた
    荒加工目標電力、Pfoは模範研削状態での仕上げ加工
    に用いられた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研削状
    態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当する
    値、Prは各ワークの荒加工で用いられる荒加工目標電
    力、Hrは各ワークの荒加工時に検出される砥石軸の撓
    み量に相当する値である。
  4. 【請求項4】 砥石軸と、その先端部に設けられた砥石
    と、これら砥石軸及び砥石を回転駆動する砥石駆動モー
    タと、この砥石駆動モータのモータ電力を検出する電力
    検出手段と、前記砥石とワーク周面とを切込み方向に相
    対送りする切込み送り手段と、前記砥石軸の撓み量に相
    当する値を検出する撓み状態検出手段と、前記切込み送
    り手段による送り速度を制御する切込み送り制御手段と
    を備え、この切込み送り制御手段は、前記砥石駆動モー
    タのモータ電力を予め定められた荒加工目標電力に保持
    するように切込み方向の送り速度を制御して前記ワーク
    周面を荒加工し、その後に前記モータ電力を前記荒加工
    目標電力よりも低い仕上げ加工目標電力に保持するよう
    に切込み方向の送り速度を制御して前記ワーク周面を仕
    上げ加工する切込み送り操作手段と、各ワークの仕上げ
    加工に用いられる仕上げ加工目標電力を演算する目標電
    力演算手段とを含み、この目標電力演算手段は、予め定
    められた荒加工目標電力及び仕上げ加工目標電力を用い
    て前記切込み送り操作手段により模範研削状態で前記荒
    加工及び仕上げ加工が行われたときに前記撓み状態検出
    手段で検出された荒加工における砥石軸の撓み量に相当
    する値を記憶し、かつ、各ワークの研削加工ではその荒
    加工時に前記撓み状態検出手段で検出された砥石軸の撓
    み量に相当する値と前記模範研削状態での荒加工におい
    て前記撓み状態検出手段により検出された砥石軸の撓み
    量に相当する値と荒加工目標電力とに基づいて当該ワー
    クについての仕上げ加工目標電力を演算するものである
    ことを特徴とする研削加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の研削加工装置において、
    前記切込み送り操作手段は、各ワークの荒加工に前記模
    範研削状態で用いられた荒加工目標電力と等しい荒加工
    目標電力を用いるものであり、前記目標電力演算手段は
    次式に基づいて各ワークの仕上げ加工に用いる仕上げ加
    工目標電力Pfを演算するものであることを特徴とする
    研削加工装置。 Pf=(Hro/Hr)・Pfo ここで、Pfoは模範研削状態での仕上げ加工に用いら
    れた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研削状態での荒
    加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当する値、Hr
    は各ワークの荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相
    当する値である。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の研削加工方法において、
    前記目標電力演算手段は、次式に基づいて各ワークの仕
    上げ加工に用いる仕上げ加工目標電力Pfを演算するこ
    とを特徴とする研削加工装置。 Pf=(Pr/Pro)・(Hro/Hr)・Pfo ここで、Proは模範研削状態での荒加工に用いられた
    荒加工目標電力、Pfoは模範研削状態での仕上げ加工
    に用いられた仕上げ加工目標電力、Hroは模範研削状
    態での荒加工時に検出された砥石軸の撓み量に相当する
    値、Prは各ワークの荒加工で用いられる荒加工目標電
    力、Hrは各ワークの荒加工時に検出される砥石軸の撓
    み量に相当する値である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013187164A1 (ja) * 2012-06-13 2013-12-19 コマツNtc株式会社 研削加工装置および研削加工装置の制御方法

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WO2013187164A1 (ja) * 2012-06-13 2013-12-19 コマツNtc株式会社 研削加工装置および研削加工装置の制御方法
JP2013255964A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Komatsu Ntc Ltd 研削加工装置および研削加工装置の制御方法

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