JP2003275957A - 研削加工方法及び装置 - Google Patents

研削加工方法及び装置

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JP2003275957A
JP2003275957A JP2002083217A JP2002083217A JP2003275957A JP 2003275957 A JP2003275957 A JP 2003275957A JP 2002083217 A JP2002083217 A JP 2002083217A JP 2002083217 A JP2002083217 A JP 2002083217A JP 2003275957 A JP2003275957 A JP 2003275957A
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grinding
grindstone
diameter
rough
finish
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JP2002083217A
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English (en)
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Yukimasa Hirotsu
幸政 弘津
Noriyuki Okita
則行 沖田
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Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Original Assignee
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工効率を低下させることなく良好な加工精
度を確保する。 【解決手段】 先端部に砥石20が設けられた砥石軸1
8を回転駆動しながら当該砥石20とワーク10とを切
込み方向に相対送りすることによりワーク10の周面を
荒研削加工し、その後に当該荒研削加工時よりも前記砥
石軸18の撓み量が減少する条件で仕上げ研削加工す
る。さらに、前記荒研削加工の加工内容から砥石20の
切れ味を判定し、その切れ味が低いほど当該荒研削加工
後の仕上げ研削加工による研削量を増やす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク内周面また
は外周面を荒研削加工及び仕上げ研削加工する方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、砥石軸の先端に設けられた砥石
をワーク周面に押し当てて研削加工を行う場合には、そ
の研削抵抗を受けることにより、前記砥石軸が撓んでそ
の撓み角だけ前記砥石によるワークの加工面に勾配が生
じたり、ワークに歪みが生じたりする。このような加工
面の勾配やワークの歪みは加工精度の向上の大きな妨げ
となる。
【0003】そこで従来は、比較的高い切込み速度で荒
研削加工を行った後、この荒研削加工時よりも切込み速
度を落として前記砥石軸の撓みが小さくなる条件で所定
の研削量だけ仕上げ加工を行う(さらに好ましくは仕上
げ加工終了前に切込み送りを停止したまま研削を続ける
スパークアウト研削を行う)方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記研削加工時におけ
る砥石軸の撓み量やワークの変形量は、砥石の切れ味に
よって変化する。具体的には、研削中に砥石駆動トルク
(駆動モータの電力)を一定に保持する制御や切込み速
度を一定に保持する制御を行っていても、砥石の切れ味
が低下するとその分だけ砥石軸の撓み量が増大し、加工
面の勾配が大きくなる。また、研削抵抗が高くなる分だ
けワークの弾性変形量が増大し、またワーク温度の上昇
によっても寸法変化が生じることとなる。従って、その
後に所定量だけ仕上げ研削を行っても高い加工精度を得
ることは困難である。
【0005】このような不都合を解消する手段として、
前記荒研削加工を早めに終了して前記仕上げ研削による
研削量(ワーク除去量)を十分大きく確保することが考
えられるが、その場合、砥石の切れ味が良好なときには
必要以上に仕上げ研削加工が行われることになり、その
分サイクルタイムが延びて加工効率が低下する不都合が
生じる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、加工効
率を低下させることなく良好な加工精度を確保すること
ができる研削加工方法及び装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、砥石軸及びその先端部に設け
られた砥石を回転駆動しながら当該砥石とワーク周面と
を切込み方向に相対送りすることにより当該ワーク周面
を荒研削加工し、その後に当該荒研削加工時よりも前記
砥石軸の撓み量が減少する条件で仕上げ研削加工する研
削加工方法において、前記荒研削加工の加工内容から砥
石の切れ味を判定し、その切れ味が低いほど当該荒研削
加工後の仕上げ研削加工による研削量を増やすものであ
る。
【0008】この方法によれば、荒研削加工における砥
石の切れ味が低いとき、すなわち、砥石軸の撓みが大き
く、またワークの変形が生じ易いときには、当該荒研削
加工後の仕上げ研削加工による研削量が増加されるた
め、この仕上げ研削加工によって前記砥石軸の撓みやワ
ーク変形による加工誤差を十分に解消することができ
る。その一方、荒研削加工における砥石の切れ味が良好
なときには仕上げ研削加工による研削量を必要最小限に
抑えて高い加工効率を維持することができる。
【0009】前記荒研削加工における砥石の切れ味を判
定するには、例えば砥石軸の撓みを検出するセンサ等を
設けるようにしてもよいが、その場合にはコストが増大
する。これに対し、前記荒研削加工時には前記砥石の回
転駆動トルクを一定に保持するように切込み方向の送り
速度を制御し、前記ワーク周面の加工径が所定径に到達
した時点から前記砥石の回転駆動トルクが前記荒研削加
工時よりも低下する条件で切込み方向の送り速度を制御
しながら前記仕上げ研削加工を行うとともに、前記荒研
削加工での切込み方向の送り速度が低いほど当該荒研削
加工後の仕上げ研削加工による研削量を増やす方法を行
えば、定トルク制御での研削加工で砥石の切れ味が低い
ときにはその分研削速度が低下することを利用して、特
別なセンサを要しない簡単な構成で砥石の切れ味を判定
し、適正な切込み送り制御をすることができる。
【0010】ここでいう「送り速度」としては、例えば
荒研削加工開始後の所定期間における送り速度の平均値
を採用してもよいし、当該期間中における送り速度の最
大値を採用してもよい。要は、砥石の切れ味を実質的に
評価できる値を取り込めばよい。
【0011】また、前記砥石軸の撓みに起因する加工面
の勾配やワーク変形による寸法変化を有効に解消するに
は、前記仕上げ研削加工がその終了前に前記切込み方向
の相対送りを停止したまま研削を続けるスパークアウト
研削加工を含むことが好ましく、その場合において、前
記荒研削加工時の砥石の切れ味が低いほど当該荒研削加
工後の仕上げ研削加工におけるスパークアウト研削加工
による研削量を増やすことにより、前記加工面の勾配や
ワーク変形による寸法変化をより確実に解消することが
可能になる。
【0012】また本発明は、砥石軸と、その先端部に設
けられた砥石と、これら砥石軸及び砥石を回転駆動する
回転駆動手段と、前記砥石とワーク周面とを切込み方向
に相対送りする切込み送り手段と、この切込み送り手段
による送り速度を制御する切込み送り制御手段とを備
え、この切込み送り制御手段は、前記砥石が前記ワーク
周面を荒研削加工した後にこの荒研削加工時よりも前記
砥石軸の撓み量が減少する条件で仕上げ研削加工するよ
うに前記切込み送りを制御するとともに、前記荒研削加
工時における砥石の切れ味が低いほど当該荒研削加工後
の仕上げ研削加工の研削量を増やすものである研削加工
装置である。
【0013】この装置によれば、荒研削加工時における
砥石の切れ味が低いときには、切込み送り制御手段が仕
上げ研削加工による研削量を増加させる制御を行う。こ
れにより、前記砥石軸の撓みやワーク変形による加工誤
差が十分に解消される。その一方、荒研削加工における
砥石の切れ味が良好なときには仕上げ研削加工による研
削量が必要最小限に抑えられて高い加工効率が維持され
る。
【0014】より具体的に、前記切込み送り制御手段
は、前記砥石の回転駆動トルクを予め設定された目標ト
ルクに保持するように切込み方向の送り速度を調節しな
がら前記ワーク周面の加工径が前記荒研削加工終了目標
径に達するまで前記荒研削加工を行わせ、その後に前記
仕上げ研削加工を行わせるとともに、前記荒研削加工時
における切込み方向の送り速度が低いほど当該荒研削加
工後の仕上げ研削加工の研削量を増やすものが好適であ
る。
【0015】この装置によれば、荒研削加工時における
切込み方向の送り速度を監視するだけの簡単な構成で砥
石の切れ味が判定され、その判定に基づいて適正な仕上
げ研削加工の研削量が決定される。
【0016】また、具体的に前記仕上げ研削加工の研削
量を変更する手段としては、前記ワーク周面の加工径を
検出する加工径検出手段と、検出された加工径と予め設
定された荒研削加工終了目標径及び仕上げ研削加工終了
目標径との大小を判定する比較手段とを備え、前記切込
み送り制御手段は、前記ワーク周面の加工径が前記荒研
削加工終了目標径に達するまで前記荒研削加工を行わ
せ、その後、前記ワーク周面の加工径が前記仕上げ研削
加工終了目標径に達するまで前記仕上げ研削加工を行わ
せる切込み送り操作部と、前記荒研削加工時における砥
石の切れ味が低いほど、当該荒研削加工後の仕上げ研削
加工について設定される仕上げ研削加工終了目標径を増
加させる補正と、当該荒研削加工について設定される荒
研削加工終了目標径を減少させる補正の少なくとも一方
を行う目標径補正手段とを備えたものが、より好まし
い。この構成によれば、荒研削加工終了目標径と仕上げ
研削加工終了目標径との差が拡張されることによって研
削量が増やされる。
【0017】さらに、前記仕上げ研削加工にスパークア
ウト研削加工を含ませるようにすれば、砥石軸の撓みや
ワーク変形による寸法変化をより確実に解消することが
でき、砥石の切れ味が低いときには前記スパークアウト
研削加工による研削量を増やすことが非常に有効とな
る。具体的には、前記比較手段が、前記荒研削加工終了
目標径及び仕上げ研削加工終了目標径と検出される加工
径との比較に加え、当該荒研削加工終了目標径よりも大
きくて仕上げ研削加工終了目標径よりも小さいスパーク
アウト研削加工開始目標径と検出された加工径との比較
をするものであり、前記切込み送り操作部が、前記仕上
げ研削加工中にワーク周面の加工径が前記スパークアウ
ト研削加工開始目標径に達した時点で前記切込み方向の
相対送りを停止したまま研削を続けるスパークアウト研
削加工を行わせるものであり、前記目標径補正手段が、
前記荒研削加工時における砥石の切れ味が低いほど当該
荒研削加工後の仕上げ研削加工について設定されるスパ
ークアウト研削加工開始目標径を減少させる補正をする
ものが、好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図
面に基づいて説明する。なお、この実施の形態では円筒
状のワーク10の内周面を研削する内面研削に本発明を
適用したものを示すが、本発明はワーク外周面を研削す
る円筒研削にも良好に適用することが可能であり、また
ワークの全体形状は必ずしも完全な円筒状でなくてもよ
い。
【0019】図1に示す内面研削盤は、ワーク10を支
持するワーク支持台12を備えている。このワーク支持
台12は切込み送りモータ14及び図略の送りねじ機構
によって切込み方向すなわちワーク10の半径方向と平
行な方向(図1では上下方向)に送られる。
【0020】ワーク支持台12の近傍には、回転駆動手
段であるホイールへッド16が設置されている。このホ
イールへッド16には砥石軸18が装着され、この砥石
軸18の先端部に砥石20が固定されている。ホイール
へッド16には、前記砥石軸18及び砥石20を高速で
回転駆動する図略の砥石駆動モータが内蔵され、その回
転駆動状態で砥石20がワーク10の内側に挿入され、
かつ、前記ワーク10がワーク支持台12とともにその
半径方向に切込み送りされることにより、前記砥石20
がワーク内周面に押付けられてその内周面を研削するよ
うに構成されている。また、前記ホイールへッド16に
は、その砥石駆動モータの駆動電力(研削電力)を検出
する電力検出回路22が接続されている。
【0021】なお、本発明では、ワーク10ではなくホ
イールへッド16を移動させることにより切込み方向の
送りを行うようにしてもよい。
【0022】前記ワーク支持台12には、ワーク10の
加工径(実際の内径)を検出する加工径検出器24が設
置されている。この加工径検出器24は、前記ワーク1
0の内周面に当てられる一対の接触片26を有し、これ
ら接触片26の変位量に基づいてワーク加工径に対応す
る電気信号を出力するように構成されている。
【0023】この加工径検出器24の検出信号は比較器
28に入力される。比較器28は、ワーク加工径につい
て予め設定された荒研削加工終了目標径R2、スパーク
アウト研削加工開始目標径R1、及び仕上げ加工終了目
標径R0と、前記加工径検出器24で検出された実際の
加工径Rとの大小を判定し、その判定信号を切込み送り
制御手段であるNC装置30に入力する。具体的には、
次の信号を出力する。
【0024】a)R2≦R<R1のとき→判定信号S2
を出力。
【0025】b)R1≦R<R0のとき→判定信号S1
を出力。
【0026】c)R≧R0のとき→判定信号S0を出
力。
【0027】ここで、前記仕上げ加工終了目標径R0は
製品としての最終目標径に設定され、スパークアウト研
削加工開始目標径R1は仕上げ加工終了目標径R0から
所要のスパークアウト研削量を差し引いた径に設定され
ている。また、荒研削加工終了目標径R2は、前記仕上
げ加工終了目標径R0から前記スパークアウト研削量も
含めた仕上げ研削加工全体の所要研削量を差し引いた径
に設定されている。
【0028】NC装置30は、本発明に関連する機能と
して、切込み送り操作部32と目標径補正部34とを含
んでいる。切込み送り操作部32は、前記電力検出回路
22から入力される検出信号(研削電力の検出信号)
と、比較器28から入力される判定信号とに基づき、前
記切込み送りモータ14に制御信号を出力して所定の切
込み送り操作を行うものである。目標径補正部34は、
後述の荒研削加工における切込み方向の送り速度(切込
み送り速度)を監視し、その切込み送り速度に基づい
て、前記比較器28で設定されている仕上げ研削加工終
了目標径R0を補正するものである。
【0029】次に、このNC装置30の制御動作を含め
た研削盤全体の加工動作を、図2に示すグラフも参照し
ながら説明する。
【0030】まず、ホイールへッド16が図略の移送手
段によりその軸方向前向き(図1では左向き)に移送さ
れ、砥石20がワーク10の内周面との間に所定の隙間
をおいた位置で当該ワーク10の内側に挿入されるとと
もに、ホイールへッド16に組み込まれた砥石駆動モー
タが作動して砥石軸18および砥石20が一体に高速で
回転駆動される。
【0031】次に、切込み送り操作部32は、切込み送
りモータ14を作動させてワーク10の切込み送りを行
わせる。そして、砥石20がワーク10の内周面に接触
した時点から荒研削加工が開始される。
【0032】このとき、研削電力は急激に上昇するが、
この研削電力が予め設定された荒加工電力P1に到達し
た時点(図2の点A)で、切込み送り操作部32は検出
研削電力を前記荒加工電力P1に保つ(すなわち回転駆
動トルクを目標トルクに保持する)ように切込み送り速
度のフィードバック制御を実行する。これにより、定電
力(定トルク)切込み速度制御に基づく荒研削加工が実
行される。
【0033】このような荒研削加工が進むにつれ、研削
量及びワーク加工径Rは次第に上昇する。この加工径R
は加工径検出器24により検出され、その検出信号が比
較器28に入力される。比較器28は、検出加工径Rと
予め設定された荒研削加工終了目標径R2とを比較し、
検出加工径Rが荒研削加工終了目標径R2に達した時点
(図2では研削量がG2に達した時点;同図点B)でN
C装置30に判定信号S2を出力する。これを受けて切
込み送り操作部32はフィードバック制御の目標電力を
それまでの荒加工電力P1から仕上げ加工電力P2(<
P1)に下げて砥石軸18の撓みが小さくなる研削状態
にする。すなわち、荒研削加工から仕上げ研削加工に移
行する。
【0034】前記荒研削加工中、目標径補正部34は実
際の切込み送り速度を監視し、目標径補正のためのパラ
メータとして取得する。この切込み送り速度の取得方法
は種々考えられる。例えば、荒研削加工が開始されてか
ら所定期間、一定のサンプリング周期で切込み送り量を
取り込み、切込み送り速度を時々刻々算出してその平均
値を算出するようにしてもよいし、荒研削加工開始後の
所定期間内にワーク10が切込み送りされた量からその
平均送り速度を算出するようにしてもよいし、前記所定
期間内での切込み送り速度の最大値を取り込むようにし
てもよい。要は、荒研削加工時における切れ味を判定で
きる値を取得できればよい。
【0035】すなわち、前記荒研削加工では、研削電力
を一定に保持する(砥石駆動トルクを一定に保持する)
ように切込み送り速度が制御されており、砥石20の切
れ味が低いほど実際の切込み送り速度が長くなるので、
その切込み送り速度を監視することにより荒研削加工中
における砥石20の切れ味を判定することができるので
ある。
【0036】そして、目標径補正部34は、前記荒研削
加工での切込み送り速度が一定値未満である場合には、
その不足分に相当する補正量(例えば基準切込み送り速
度と実際の切込み送り速度との偏差に適当なゲインを乗
じた量)を前記比較器28で設定されている仕上げ研削
加工終了目標径R0に加算する。すなわち、当該荒研削
加工直後の仕上げ研削加工について設定されている仕上
げ研削加工終了目標径R0を増加させる補正をする。前
記送り速度が一定値以上の場合には、仕上げ研削加工終
了目標径R0の補正はしない。
【0037】その後、定電力制御に基づく仕上げ研削加
工が進み、加工径検出器24により検出される加工径R
がスパークアウト研削加工開始目標径R1に到達した時
点(図2では研削量G1に達した時点;同図点C)で、
比較器28の出力信号が判定信号S1に切換わる。これ
と同時に、切込み送り操作部32は切込み送りモータ1
4を停止させて切込み送りのみを止め、仕上げ研削加工
の終期工程であるスパークアウト研削加工(切込み送り
をせずに砥石20の駆動のみを行う加工)に移行する。
これにより、研削電力及び砥石軸18の撓みはさらに減
少する。
【0038】このようなスパークアウト研削加工によ
り、加工径Rはさらに僅かずつ増加する。そして、この
加工径Rが仕上げ研削加工終了目標径R0、すなわちワ
ーク10の最終目標径に達した時点(図2では研削量が
G0に達した時点;同図D)で、比較器28の出力信号
が判定信号S0に切換わる。この判定信号S0を受けて
切込み送り操作部32はワーク10を砥石20から離し
て研削加工を終了させる。
【0039】以上示した研削方法及び装置では、砥石2
0の切れ味が低くて荒研削加工時における切込み送り速
度が低いとき、すなわち、研削抵抗が高くて砥石軸18
の撓みが大きいときには、仕上げ研削加工終了目標径R
0が増加方向に補正されてその分スパークアウト研削量
が増加されるので、前記砥石軸18の撓みを解消するの
に十分なスパークアウト研削量を確保することができ
る。
【0040】その一方、砥石20の切れ味が良好で荒研
削加工時における切込み送り速度が高いとき、すなわ
ち、研削抵抗が低くて砥石軸18の撓みが小さいときに
は、仕上げ研削加工終了目標径R0及びスパークアウト
研削量は変更されないので、当該スパークアウト研削加
工が必要以上に行われるのを回避して作業効率の低下を
防ぐことができる。
【0041】しかも、前記砥石軸18の撓みを是正する
ために仕上げ研削加工終了目標径R0を増加させなけれ
ばならない寸法は一般的に僅か(高々数μm)であり、
ワーク10の最終寸法精度に実質的な影響はない。
【0042】なお、前記スパークアウト研削加工を含む
仕上げ研削加工全体の研削量を増加させる手段として
は、前記のように仕上げ研削加工終了目標径R0を増加
させる補正をするものに限らず、荒研削加工終了目標径
R2及びスパークアウト研削加工終了目標径R1を減少
させる補正をするようにしてもよい。
【0043】前述の装置においては、目標値補正部34
が、荒研削加工での切込み送り速度が一定値未満の場合
にその不足分に相当する補正量を前記比較器28で設定
されている荒研削加工終了目標径R2及びスパークアウ
ト研削加工開始目標径R1から減算する(すなわち両目
標径R2,R1を減少させる補正をする)ものであれば
よい。あるいは、スパークアウト研削加工開始目標径R
1は補正せずに荒研削加工終了目標径R2のみ補正する
(すなわちスパークアウト研削量は増やすことなく仕上
げ研削量全体を増やす)ようにしてもよいし、スパーク
アウト研削加工そのものを適宜省略することも可能であ
る。
【0044】また、荒研削加工終了目標径R2及びスパ
ークアウト研削加工開始目標径R1の減少方向の補正
と、仕上げ研削加工終了目標径R0の増加方向の補正と
の双方を行うようにしてもよい。
【0045】その他、本発明は例えば次のような実施の
形態をとることも可能である。
【0046】・前記実施形態では、NC装置30と別に
比較器28が設置されているが、その比較処理をNC装
置30の内部で行うようにしてもよい。
【0047】・荒研削加工時における切れ味の判定は、
例えば撓みセンサを用いて砥石軸18の実際の撓みを検
出することによっても行うことが可能である。この場合
も、切込み送り速度を取り込む場合と同様、所定期間内
に検出される撓みの大きさの平均値を採用するようにし
てもよいし、当該撓みの最大値を採用するようにしても
よい。
【0048】・本発明において「切れ味が低いほど…仕
上げ研削加工による研削量を増やす」とは、必ずしも当
該研削量をアナログ的に調節するものに限られない。例
えば、砥石の切れ味の低下の度合いが一定以上の場合に
は一律に前記研削量を所定値だけ増加させるようにして
もよいし、切れ味の低下の度合いに応じて段階的に研削
量の増加分を設定するようにしてもよい。
【0049】・前記荒研削加工終了目標径R2を補正し
ない場合(例えば仕上げ研削加工終了目標径R0の増加
方向の補正のみを行う場合)には、切込み送り速度に対
応するパラメータとして荒研削加工の全所要時間を確認
し、その所要時間に基づいて荒研削加工時での砥石切れ
味を評価することも可能である。具体的には、前記所要
時間が一定時間を超える場合に、切れ味が低いとして目
標径の補正をするようにすればよい。
【0050】・仕上げ研削加工による研削量を増やす方
法は、上記のような目標径の補正に限られない。例え
ば、切込み送り位置を監視しながら荒研削加工及び仕上
げ研削加工を進めていく場合には、当該仕上げ研削加工
における切込み送り量を増加する補正を行うようにすれ
ばよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、荒研削加工及び
仕上げ研削加工を順に行うにあたり、前記荒研削加工の
加工内容から砥石の切れ味を判定し、その切れ味が低い
ほど当該荒研削加工後の仕上げ研削加工による研削量を
増やすものであるので、加工効率を低下させることな
く、荒研削加工時に発生する砥石軸の撓みを解消するの
に十分な仕上げ研削量を確保して良好な加工精度を得る
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる研削加工装置の概
略構成図である。
【図2】前記研削加工装置による研削加工での研削量及
び研削電力の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ワーク 14 切込み送りモータ 16 ホイールへッド(回転駆動手段) 18 砥石軸 20 砥石 22 電力検出回路(トルク検出手段) 24 加工径検出器 28 比較器 30 NC装置(切込み送り制御手段) 32 切込み送り操作部 34 目標径補正部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C034 AA01 AA05 BB91 CA02 CA16 CB01 DD07 3C043 AA00 AB00 CC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石軸及びその先端部に設けられた砥石
    を回転駆動しながら当該砥石とワーク周面とを切込み方
    向に相対送りすることにより当該ワーク周面を荒研削加
    工し、その後に当該荒研削加工時よりも前記砥石軸の撓
    み量が減少する条件で仕上げ研削加工する研削加工方法
    において、前記荒研削加工の加工内容から砥石の切れ味
    を判定し、その切れ味が低いほど当該荒研削加工後の仕
    上げ研削加工による研削量を増やすことを特徴とする研
    削加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の研削加工方法において、
    前記荒研削加工時には前記砥石の回転駆動トルクを一定
    に保持するように切込み方向の送り速度を制御し、前記
    ワーク周面の加工径が所定径に到達した時点から前記砥
    石の回転駆動トルクが前記荒研削加工時よりも低下する
    条件で切込み方向の送り速度を制御しながら前記仕上げ
    研削加工を行うとともに、前記荒研削加工での切込み方
    向の送り速度が低いほど当該荒研削加工後の仕上げ研削
    加工による研削量を増やすことを特徴とする研削加工方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の研削加工方法に
    おいて、前記仕上げ研削加工はその終了前に前記切込み
    方向の相対送りを停止したまま研削を続けるスパークア
    ウト研削加工を含むものであり、前記荒研削加工時の砥
    石の切れ味が低いほど当該荒研削加工後の仕上げ研削加
    工におけるスパークアウト研削加工による研削量を増や
    すことを特徴とする研削加工方法。
  4. 【請求項4】 砥石軸と、その先端部に設けられた砥石
    と、これら砥石軸及び砥石を回転駆動する回転駆動手段
    と、前記砥石とワーク周面とを切込み方向に相対送りす
    る切込み送り手段と、この切込み送り手段による送り速
    度を制御する切込み送り制御手段とを備え、この切込み
    送り制御手段は、前記砥石が前記ワーク周面を荒研削加
    工した後にこの荒研削加工時よりも前記砥石軸の撓み量
    が減少する条件で仕上げ研削加工するように前記切込み
    送りを制御するとともに、前記荒研削加工時における砥
    石の切れ味が低いほど当該荒研削加工後の仕上げ研削加
    工の研削量を増やすものであることを特徴とする研削加
    工装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の研削加工装置において、
    前記切込み送り制御手段は、前記砥石の回転駆動トルク
    を予め設定された目標トルクに保持するように切込み方
    向の送り速度を調節しながら前記ワーク周面の加工径が
    前記荒研削加工終了目標径に達するまで前記荒研削加工
    を行わせ、その後に前記仕上げ研削加工を行わせるとと
    もに、前記荒研削加工時における切込み方向の送り速度
    が低いほど当該荒研削加工後の仕上げ研削加工の研削量
    を増やすものであることを特徴とする研削加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の研削加工装置に
    おいて、前記ワーク周面の加工径を検出する加工径検出
    手段と、検出された加工径と予め設定された荒研削加工
    終了目標径及び仕上げ研削加工終了目標径との大小を判
    定する比較手段とを備え、前記切込み送り制御手段は、
    前記ワーク周面の加工径が前記荒研削加工終了目標径に
    達するまで前記荒研削加工を行わせ、その後、前記ワー
    ク周面の加工径が前記仕上げ研削加工終了目標径に達す
    るまで前記仕上げ研削加工を行わせる切込み送り操作部
    と、前記荒研削加工時における砥石の切れ味が低いほ
    ど、当該荒研削加工後の仕上げ研削加工について設定さ
    れる仕上げ研削加工終了目標径を増加させる補正と、当
    該荒研削加工について設定される荒研削加工終了目標径
    を減少させる補正の少なくとも一方を行う目標径補正手
    段とを備えたことを特徴とする研削加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の研削加工装置において、
    前記比較手段は、前記荒研削加工終了目標径及び仕上げ
    研削加工終了目標径と検出された加工径との比較に加
    え、当該荒研削加工終了目標径よりも大きくて仕上げ研
    削加工終了目標径よりも小さいスパークアウト研削加工
    開始目標径と検出された加工径との比較をするものであ
    り、前記切込み送り操作部は、前記仕上げ研削加工中に
    ワーク周面の加工径が前記スパークアウト研削加工開始
    目標径に達した時点で前記切込み方向の相対送りを停止
    したまま研削を続けるスパークアウト研削加工を行わせ
    るものであり、前記目標径補正手段は、前記荒研削加工
    時における砥石の切れ味が低いほど当該荒研削加工後の
    仕上げ研削加工について設定されるスパークアウト研削
    加工開始目標径を減少させる補正をするものであること
    を特徴とする研削加工装置。
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