JP2003286843A - 流量制御弁 - Google Patents
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Abstract
りバルブに作用する圧力による推力を抑え、アクチュエ
ータの駆動トルクを小さくして小型化を図ること。 【解決手段】エンジン冷却装置に使用される流量制御弁
1は、エンジンからラジエータを介してポンプへ戻るラ
ジエータ流量を制御する第1弁体31及び第1弁座35と、
エンジンからラジエータを介さずポンプへ戻るバイパス
流量を制御する第2弁体32及び第2弁座36と、両弁体3
1,32を一つのバルブ20として一体的に変位させるステ
ップモータ24とを備える。ラジエータ流量がほぼ零とな
る領域では、バイパス流量がラジエータ流量に比べて僅
かに多く流れ、それ以外の領域では、バイパス流量がラ
ジエータ流量に比べて同じか少なく流れる流量特性とな
るよう第1弁体31、第1弁座35、第2弁体32及び第2弁
座36の構成要素が設定される。
Description
せてエンジンを冷却する水冷式の冷却装置に使用され、
冷却水の流量を制御する流量制御弁に関する。
却装置は、一般には、エンジンの運転状態に拘わらず、
冷却水をサーモスタットにより80℃程度の一定温度に
調整するものが主流となっていた。ところが、エンジン
のフリクション低減、燃費の向上、ノッキング性能の向
上及び冷却水温度の過上昇防止等を図るためには、エン
ジンの運転状態(負荷状態や回転速度等)に応じて冷却
度合いを変えることが有効であることが確かめられてき
た。そこで、エンジンの運転状態に応じて冷却度合いを
制御するようにした水冷式の冷却装置が幾つか提案され
ている。
特許文献1及び2に記載されたエンジンの冷却装置が挙
げられる。特許文献1に記載されたエンジンの冷却装置
は、エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータ
ポンプへ戻る冷却水の流量(ラジエータ流量)を制御す
るための第1の弁体及び第1の弁座と、エンジンから流
れ出てラジエータを介さずにウォータポンプへ戻る冷却
水の流量(バイパス流量)を制御する第2の弁体及び第
2の弁座と、それら第1及び第2の弁体を一つのバルブ
として一体的に駆動する電磁アクチュエータとを含む流
量制御弁を備えている。この流量制御弁の電磁アクチュ
エータは、電磁コイルに通電することにより、磁性材製
のシャフトを吸引してスプリングのばね力に抗して下方
へ変位させ、電磁コイルに対する通電を遮断することに
より、シャフトをスプリングのばね力により上方へ変位
させるものである。このシャフトの変位に伴いバルブ、
即ち、第1及び第2の弁体を一体的に駆動させるように
なっている。
置は、特許文献1の冷却装置と同様に、エンジンから流
出する冷却水をラジエータに循環させるラジエータ回路
と、エンジンから流出する冷却水をラジエータを迂回さ
せてエンジンへ環流させるバイパス回路とを備える。そ
して、バイパス回路とラジエータ回路との合流部位に
は、ラジエータ回路を流通する冷却水の流量(ラジエー
タ流量)と、バイパス回路を流通する冷却水の流量(バ
イパス流量)とを調節するロータリ式流量制御弁が配設
される。この流量制御弁は、ハウジングに回転可能に設
けられたコップ状のロータリバルブを含む。この流量制
御弁は、ロータリバルブの外周でラジエータ流量とバイ
パス流量とを計量して合流させ、その合流した冷却水を
ポンプを介してエンジンへ環流させるようになってい
る。
文献1に記載された流量制御弁において、電磁アクチュ
エータによりバルブを駆動するに当たり、アクチュエー
タにはスプリングによる力、冷却水の圧力による力、或
いは、冷却水が各弁体に衝突して発生する力等に打ち勝
つ駆動トルクが要求される。ここで、流量制御弁の入口
圧力(ラジエータ流入口圧力)は第1の弁体に作用し、
バイパス流入口圧力は第2の弁体に作用し、一つのバル
ブとしてはそれらの圧力差が作用することになる。この
ため、この圧力差が大きいと、その分だけバルブに推力
が作用し、アクチュエータには大きな駆動トルクが要求
されることとなる。そして、通常は、バイパス流路径が
ラジエータ流路径より小さいことから、バイパス流量が
ラジエータ流量に比べて大きいときは、バイパス流路が
負圧となり圧力特性に対する影響が大きくなる。このた
め、バイパス流量特性によっては、バイパス流入口圧力
の低下が大きくなり、上述した圧力差が大きくなる。そ
の結果、電磁アクチュエータには大きな駆動トルクが要
求されることになり、その推力に打ち勝って開弁する必
要性からアクチュエータが大型化して流量制御弁のエン
ジン搭載性が悪化したり、流量制御弁がコスト高になっ
たりするという問題があった。
制御弁では、ロータリバルブの外周においてラジエータ
流量とバイパス流量とを計量する必要がある。又、現在
多くの冷却装置では、エンジンブロック内部にバイパス
回路を設けて冷却水を流通させる「内部バイパスタイ
プ」が採用されている。このため、特許文献2に記載さ
れた流量制御弁を内部バイパスタイプにそのまま採用す
ることはできない。採用する場合には、エンジンブロッ
クの形状を変更するか、エンジンブロックの外部にバイ
パス配管を別途設ける必要がある。このため、冷却装置
の製造コストが高騰する。
であって、その第1の目的は、ラジエータ流圧力とバイ
パス流圧力との圧力差により上記バルブに作用する推力
を抑え、アクチュエータに要求される駆動トルクを相対
的に小さくしてアクチュエータの小型化を図ることを可
能とした流量制御弁を提供することにある。この発明の
第2の目的は、第1の目的に加え、エンジンに対して簡
易かつ安価に装着することを可能とした流量制御弁を提
供することにある。
るために、請求項1に記載の発明は、冷却水を循環させ
てエンジンを冷却する水冷式の冷却装置に使用されるも
のであり、エンジンから流れ出てラジエータを介してウ
ォータポンプへ戻るラジエータ流量を制御するための第
1の弁体及び第1の弁座と、エンジンから流れ出てラジ
エータを介さずにウォータポンプへ戻るバイパス流量を
制御する第2の弁体及び第2の弁座と、第1及び第2の
弁体を一つのバルブとして一体的に変位させるアクチュ
エータとを備え、アクチュエータを制御してバルブを変
位させることにより、ラジエータ流量とバイパス流量を
調節して冷却水温度を目標温度に制御するようにした流
量制御弁において、ラジエータ流量及びバイパス流量が
バルブの変位量との関係で領域的に定義され、ラジエー
タ流量がほぼ零となる領域では、バイパス流量がラジエ
ータ流量に比べて僅かに多く流れ、それ以外の領域で
は、バイパス流量がラジエータ流量に比べて同じか少な
く流れる流量特性となるよう第1の弁体及び第1の弁座
の構成要素、並びに、第2の弁体及び第2の弁座の構成
要素がそれぞれ設定されることを趣旨とする。ここで、
「第1の弁体及び第1の弁座の構成要素」とは、第1の
弁体及び第1の弁座の形状、大きさ又はそれらの組み合
わせ等に係るものを意味する。又、「第2の弁体及び第
2の弁座の構成要素」とは、第2の弁体及び第2の弁座
の形状、大きさ又はそれらの組み合わせ等に係るものを
意味する。
がほぼ零となる領域では、バイパス流量がラジエータ流
量に比べて僅かに多く流れる流量特性が設定されること
から、エンジンから流れ出る冷却水をラジエータで放熱
させる循環が起きない場合でも、エンジンから流れ出る
冷却水がラジエータを介さずにウォータポンプへ戻り再
びエンジンへ送られる経路で僅かに循環する。従って、
エンジンの温度状態が冷却水に反映される。一方、ラジ
エータ流量がほぼ零となる領域以外の領域では、冷却水
の圧力特性への影響が相対的に大きいバイパス流量がラ
ジエータ流量に比べて同じか少なく流れる流量特性に設
定される。従って、第1の弁体に作用するラジエータ流
量の圧力と、第2の弁体に作用するバイパス流量の圧力
との圧力差が小さくなり、第1及び第2の弁体からなる
一つのバルブに作用する冷却水の圧力が小さくなる。
2に記載の発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却
する水冷式の冷却装置に使用されるものであり、エンジ
ンから流れ出てラジエータを介してウォータポンプへ戻
るラジエータ流量を制御するための第1の弁体及び第1
の弁座と、エンジンから流れ出てラジエータを介さずに
ウォータポンプへ戻るバイパス流量を制御する第2の弁
体及び第2の弁座と、第1及び第2の弁体を一つのバル
ブとして一体的に変位させるアクチュエータとを備え、
アクチュエータを制御してバルブを変位させることによ
り、ラジエータ流量とバイパス流量を調節して冷却水温
度を目標温度に制御するようにした流量制御弁におい
て、ラジエータ流量及びバイパス流量がバルブの変位量
との関係で領域的に定義され、ラジエータ流量が、バル
ブの変位量増加に対して増加傾向を示し、バイパス流量
が、バルブの変位量増加に対して増加と減少を示し、ラ
ジエータ流量がほぼ零となる領域では、バイパス流量が
ラジエータ流量に比べて僅かに多く流れ、それ以外の領
域では、バイパス流量がラジエータ流量に比べて同じか
少なく流れる流量特性となるよう第1の弁体及び第1の
弁座の構成要素、並びに、第2の弁体及び第2の弁座の
構成要素がそれぞれ設定されることを趣旨とする。
の発明の構成に加え、ラジエータ流量が、バルブの変位
量増加に対して増加傾向を示し、バイパス流量が、バル
ブの変位量増加に対して増加と減少を示すように設定さ
れる。従って、請求項1に記載の発明の作用に加え、ラ
ジエータ流量が最大流量となるときバイパス流量が減少
することから、その減少分だけラジエータ流量として循
環する冷却水が増えることになる。
3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明におい
て、エンジンは、エンジンブロックを含み、エンジンブ
ロックには、サーモスタットを組み付けるためのサーモ
スタットハウジングと、サーモスタットハウジングから
ウォータポンプへ冷却水を流すためのポンプ通路と、ラ
ジエータを介さずにウォータポンプへ戻る冷却水をサー
モスタットハウジングへ流すためのバイパス通路とを含
み、流量制御弁は、サーモスタットハウジングに組み付
けられる継手ボディを含み、継手ボディは、ポンプ通路
に連通可能なポンプポートと、バイパス通路に連通可能
なバイパスポートとを含むことを趣旨とする。
クは、サーモスタットハウジング、ポンプ通路及びバイ
パス通路を含む。このような構成を含むエンジンブロッ
クは、その内部に設けられるバイパス通路に冷却水を流
通させる「内部バイパスタイプ」であり、現在多くのエ
ンジンで採用されている。従って、上記発明の構成によ
れば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、現状
の「内部バイパスタイプ」のエンジンブロックには、そ
のサーモスタットハウジングを利用して継手ボディを組
み付けることにより、流量制御弁をエンジンブロックに
装着することが可能となる。この装着状態で、エンジン
ブロックのバイパス通路に対して継手ボディのバイパス
ポートを連通させることにより、流量制御弁を通るバイ
パス流量が確保される。又、エンジンブロックのポンプ
通路に対して継手ボディのポンプポートを連通させるこ
とにより、流量制御弁で調節されるラジエータ流量及び
バイパス流量がポンプ通路を通じてウォータポンプへ戻
される。
明の流量制御弁を具体化した第1の実施の形態を図面を
参照して詳細に説明する。
面図を示す。図2は、同じく流量制御弁1の平面図を示
す。図3は、図2のA−A線に沿った断面図を示す。図
4は、図3のB−B線に沿った断面図を示す。図5は、
図3のC−C線に沿った断面図を示す(矢印は水の流れ
を示す。)。
却装置に組み込まれて、冷却水の流量を制御するために
使用されるものである。図6は、その冷却装置の概略構
成図を示す。図6において、エンジン2には、ウォータ
ジャケット等を含む冷却水通路3が設けられる。流量制
御弁1の出口側は、ポンプ通路4を介してウォータポン
プ(W/P)5に接続される。ウォータポンプ5は冷却
水通路3の入口側に接続される。冷却水通路3の出口側
は、ラジエータ通路6及びバイパス通路7に接続され
る。ラジエータ通路6は、ラジエータ8を介して流量制
御弁1に接続される。バイパス通路7は、ラジエータ8
を介さずに流量制御弁1に直接接続される。
ンジン2の運転に連動してウォータポンプ5が作動する
ことにより、同ポンプ5から冷却水が吐出され、その冷
却水が冷却水通路3へ流れる。冷却水通路3の出口側か
ら流れ出る冷却水の一部は、ラジエータ通路6及びラジ
エータ8を経由して流量制御弁1に流れる。冷却水通路
3の出口側から流れ出る冷却水の一部は、バイパス通路
7を経由して流量制御弁1に流れる。そして、ラジエー
タ通路6から流量制御弁1に流れるラジエータ流量と、
バイパス通路7から流量制御弁1に流れるバイパス流量
とが流量制御弁1で制御され、ポンプ通路4を通じてウ
ォータポンプ5へ送られて再び冷却水通路3へと吐出さ
れる。この冷却水の循環によりエンジン2が適温に冷却
される。
量が制御されることにより、エンジン2の冷却水通路3
を流れる冷却水の温度が制御される。即ち、流量制御弁
1の制御によりラジエータ流量が多くなれば、冷却水通
路3を流れる冷却水のうち、ラジエータ8で放熱される
冷却水の割合が多くなり、エンジン2のための冷却水の
温度が低くなる。流量制御弁1の制御によりラジエータ
流量が少なくなれば、冷却水通路3を流れる冷却水のう
ち、ラジエータ8で放熱される冷却水の割合が少なくな
り、エンジン2のための冷却水の温度が高くなる。
ジン2を制御するための電子制御装置(ECU)11に
接続される。流量制御弁1は、エンジン2の運転状態に
応じてエンジン2の冷却度合いを制御するために、この
ECU11により制御される。流量制御弁1の開閉制御
を実行するため、ECU11には、各種センサからエン
ジン回転速度、吸気圧、エンジン出口水温度及びラジエ
ータ出口水温度等の信号が取り込まれる。エンジン出口
水温度は、冷却水通路3の出口に設けられた第1の水温
センサ12により検出される冷却水温度である。ラジエ
ータ出口水温度は、ラジエータ8の出口に設けられた第
2の水温センサ13により検出される冷却水温度であ
る。ECU11は、これらの信号に基づき、エンジン2
の運転状態に応じて流量制御弁1の開度を制御すること
になる。
ジン2のブロック(エンジンブロック)2aに形成され
たサーモスタットハウジング(以下、単位「ハウジン
グ」と言う。)21に組み付けられる。このハウジング
21には、ウォータポンプ5に通じるポンプ通路4と、
バイパス通路7とが連通する。このハウジング21は、
通常は、周知のサーモスタットが設けられるものである
が、ここでは、流量制御弁1を装着するために使用され
る。
ック2aは、サーモスタットを組み付けるためのハウジ
ング21と、そのハウジング21からウォータポンプ5
へ冷却水を流すためのポンプ通路4と、ラジエータ8を
介さずにウォータポンプ5へ戻る冷却水をハウジング2
1へ流すためのバイパス通路7とを含む。このハウジン
グ21を利用して流量制御弁1が装着される。
第1のボディ22と、本発明の継手ボディとしての第2
のボディ23と、本発明のアクチュエータとしてのステ
ップモータ24との三つの部分で構成される。第2のボ
ディ23の外径はハウジング21の内径よりも相対的に
小さく設定される。第2のボディ23の高さはハウジン
グ21の深さと同じに設定される。このような寸法設定
により、第2のボディ23がハウジング21に受け入れ
られ、組み付けられる。この組み付け状態で、第1のボ
ディ22と第2のボディ23は、ともにネジ25により
エンジンブロック2aに固定される。第1のボディ22
とエンジンブロック2aとの間には、シールリング26
が設けられる。ステップモータ24は、ネジ27により
第1のボディ22に固定される。第1のボディ22に
は、ラジエータ通路6に接続される継手管28が突設さ
れる。ステップモータ24と第1のボディ22との間に
は、開弁ステップ調整用のシム29が挟み込まれる。ス
テップモータ24には、配線用のコネクタ30が設けら
れる。
の冷却水通路3から流れ出てラジエータ通路6及びラジ
エータ8等を介してウォータポンプ5へ戻るラジエータ
流量と、同じく冷却水通路3から流れ出てラジエータ8
を介さずにウォータポンプ5へ戻るバイパス流量とを制
御するためのものである。そのために、流量制御弁1
は、ラジエータ流量を制御するための第1の弁体31及
び第1の弁座35と、バイパス流量を制御するための第
2の弁体32及び第2の弁座36とを備え、第1及び第
2の弁体31,32を一つのバルブ20としてステップ
モータ24により一体的に駆動するように構成される。
なし、その下部には、バイパス通路7に通じるバイパス
ポート33が設けられ、上部には、ポンプ通路4に通じ
るポンプポート34が設けられる。第2のボディ23に
は、ポンプポート34の上側及び下側に対応して第1の
弁体31に対応する第1の弁座35と、第2の弁体に3
2に対応する第2の弁座36がそれぞれ設けられる。バ
イパスポート33は、第2の弁座36の弁孔36aを介
してポンプポート34に連通可能である。第2のボディ
23の下端には、バイパス通路7と、ハウジング21と
の間をシールするシールリング37が設けられる。第1
のボディ22は、隔壁38により上下の部屋39,40
に区画される。下側の部屋40は、継手管28の内部の
ラジエータポート41に通じる。ラジエータポート41
は、第1の弁座35の弁孔35aを介してポンプポート
34に連通可能である。
ボス部43との間にバックスプリング46が設けられ
る。このバックスプリング46は、第2の弁体32を第
1の弁体31と共に所定の付勢力で押圧することによ
り、第1の弁体31を開弁方向へ付勢するためのもので
ある。この実施の形態で、バックスプリング46の付勢
力は、ステップモータ24の発生出力(推力)を小さく
することにより最小限の大きさに設定される。
23との間は、Oリング47によりシールされる。第1
のボディ22には、隔壁38と弁軸42との間をシール
するシール部材48が設けられる。
22の下側の部屋40を流れる冷却水が、ステップモー
タ24に通じる上側の部屋39に浸入しないようになっ
ている。この実施の形態の流量制御弁1では、図3に示
すように、一般にラジエータ通路6及びラジエータポー
ト41よりもバイパス通路7及びバイパスポート33の
方が内径が小さいことから、バイパス流量がラジエータ
流量に比べて大きいとバイパス通路7及びバイパスポー
ト33の方が内径が小さいことから、圧力低下はバイパ
ス通路7及びバイパスポート33の方が大きくなる。そ
のため、弁体31,32にかかる圧力に差が生じ、閉じ
方向の力が作用することから圧力特性への影響が大きく
なる。即ち、この流量制御弁1のバルブ20に作用する
冷却水による圧力は、ラジエータ流量が変化したときよ
りもバイパス流量が変化したときの方が影響が大きい。
この実施の形態では、バイパスポート33の内径φD1
の方がボス部43の外径φD2より大きく設定されてい
る。
5の構成要素、並びに、第2の弁体32及び第2の弁座
36の構成要素について詳しく説明する。図7〜9は、
第1及び第2の弁体31,32等とその動作を拡大して
示す。
の弁体31,32は、一本の弁軸42上に固定されて一
体的なバルブ20を構成する。この弁軸42は、隔壁3
8と第2のボディ23のボス部43に対し、軸受44,
45を介してスラスト方向(図3における上下方向)へ
移動可能に支持される。
2上に組み付けられる。この第1の弁体31は、その上
部に位置するフランジ状の計量部31aと、その下部に
位置する略筒状の最大流量規制部31bとにより構成さ
れる。この第1の弁体31の計量部31aが、第1の弁
座35の弁孔35aに整合する。より詳細には、計量部
31aは、円筒部31cと、それより大径な拡径部31
dとを含む。第1の弁座35の弁孔35aは、第1の弁
体31の円筒部31cに整合する円周部35bと、第1
の弁体31の拡径部31dに整合するテーパ部35cと
を含む。そして、第1の弁体31が弁軸42と一体的に
上下に移動することにより、同弁体31と第1の弁座3
5との隙間により定義されるラジエータ側開度が変わ
る。図3,9には、ラジエータ側開度が全開となる状態
を示す。この状態から、第1の弁体31が下方へ移動す
ることにより、ラジエータ側開度が全開から全閉へ向か
って小さくなる。
体32は、第1の弁体31の計量部31aとほぼ同径な
略筒状をなし、その上下に位置する上計量部32a及び
下計量部32bと、中間に位置する最大流量規制部32
cと、上計量部32aと最大流量規制部32cとの間の
テーパ部32dとにより構成される。これら第2の弁体
32の上下の計量部32a,32bが、第2の弁座36
の弁孔36aに整合する。第2の弁座36の弁孔36a
は、第2の弁体32の上下の計量部32a,32bに整
合する円周部36bと、その下側のテーパ部36cとを
含む。そして、第2の弁体32が第1の弁体31及び弁
軸42と一体的に上下に移動することにより、同弁体3
2の上下の計量部32a,32bと第2の弁座36との
隙間により定義されるバイパス側開度が変わる。図3,
9には、第2の弁体32の下計量部32bが円周部36
bに整合して第2の弁座36が閉じられた状態を示す。
この状態から、第2の弁体32が下方へ移動することに
より、下計量部32bが円周部36bから徐々に離れ、
最大流量規制部32cが円周部36bを通過して上計量
部32aが同円周部36bに徐々に近付く。従って、バ
イパス側開度は、全閉状態から全開状態へ向かって大き
くなり、再び全閉状態へ戻ることになる。
明する。ステップモータ24は、2つのステータ51
a,51bと、その内周に配置されたロータ52とを備
える。ステータ51a,51bは、それぞれ上下から互
い違いに形成された三角歯状のコア53と、そのコア5
3の内周に配置されたボビン54に巻かれた巻き方向の
異なる2つのコイル55,55とを含む。2つのコイル
55,55のうち、いずれに通電するかによってコア5
3の励磁磁極の方向が変えられる。2つのステータ51
a,51bは、そのコア53の位置をずらして重ねて固
定される。
構成され、マグネットの外周は予めN極とS極に交互に
着磁される。図3に示すように、ロータ52の中心に
は、中心軸56がロータ52と一体回転可能に設けられ
る。この中心軸56の下部外周には、雄ネジ56aが形
成される。この中心軸56の下部には、ガイド57が装
着される。ガイド57には、中心軸56の雄ネジ56a
に噛み合う雌ネジ57aが形成される。このような構成
により、ロータ52の回転が中心軸56を介してガイド
57のスラスト方向の移動に変換されるようになってい
る。ガイド57は、ジョイント58を介して弁軸42に
連結される。ガイド57とジョイント58との間には、
リリーフスプリング59が設けられる。
うな第1の弁体31及び第1の弁座35の構成要素、並
びに、第2の弁体32及び第2の弁座36の構成要素か
ら得られる流量特性等について説明する。図10
(a),(b)には、流量制御弁1の流量特性と圧力特
性をグラフに示す。図10(b)には、横軸にステップ
モータ24のモータステップ数を、縦軸に冷却水の流
量、即ち、ラジエータ流量及びバイパス流量をそれぞれ
示す。図10(a)には、横軸にステップモータ24の
モータステップ数を、縦軸にラジエータポート41にか
かるラジエータ流量の圧力(ラジエータ流圧力)と、バ
イパスポート33にかかるバイパス流量の圧力(バイパ
ス流圧力)をそれぞれ示す。ここで、横軸のモータステ
ップ数は、バルブ20の開度(バルブ開度)に相当する
ものであり、モータステップ数で「0」がバルブ開度で
「全閉」に相当し、モータステップ数で「約230」が
バルブ開度で「全開」に相当する。即ち、この実施の形
態で、図10(b)に示すように、ラジエータ流量及び
バイパス流量が、バルブ20の変位量であるバルブ開度
との関係で領域的表現として定義される。
変位量増加(バルブ開度増加)に対して増加傾向を示
す。この特性は、第1の弁体31が、図7に示す全閉状
態から、図8に示す半開状態を経由して図9に示す全開
状態に達するまでの間のラジエータ側開度により決定さ
れるものである。
増加(バルブ開度増加)に対して増加と減少を示す。こ
の特性は、第2の弁体32が、図7に示す全閉状態か
ら、図8に示す半開状態を経由して図9に示す全閉状態
に達するまでの間のバイパス側開度により決定されるも
のである。
域、即ち、図10(b)における「暖機領域」では、バ
イパス流量がラジエータ流量に比べて僅かに多く流れ、
それ以外の領域では、バイパス流量がラジエータ流量に
比べて同じか少なく流れる流量特性となるように設定さ
れる。特に、図10(b)におけるモータステップ数で
30から80までの「低流量領域」では、バイパス流量
がラジエータ流量に比べて少なく流れる流量特性を示
し、ラジエータ流量がほぼ直線的に急増すると共にバイ
パス流量が殆ど増えないという流量特性に設定される。
体31が、図7に示す全閉状態から、僅かに開方向へ移
動する間の特性であり、第1の弁体31の円筒部31c
と、第1の弁座35の円周部35bとが互いに接する間
で得られる。この領域では、円筒部31cが円周部35
bに接して摺動する間はラジエータ流量が零に保たれ
る。一方、この間は、第2の弁体32の上計量部32a
が第2の弁座36の円周部36bに接するが、この接触
状態において上計量部32aと円周部36bとの間に
は、予め微細間隙が設けられることから、その微細間隙
の分だけ微量なバイパス流量が確保される。この微量な
バイパス流量の分だけバイパス流量がラジエータ流量に
比べて僅かに多く流れるようになっている。
量の流量特性は、第1の弁体31の円筒部31cが第1
の弁座35の円周部35bから離れ始めるときから図8
に示す半開状態に達するまでの間で、円筒部31cが第
1の弁座35のテーパ部35cを通過する間に得られ
る。この領域では、円筒部31cがテーパ部35cを通
過して離れるに連れ、ラジエータ流量がほぼ直線的に増
えるようになっている。一方、この間のほぼ全域で、第
2の弁体32の上計量部32aが第2の弁座36の円周
部36bに近接していることから、上計量部32aと円
周部36bとの間で微細間隙が保たれてバイパス流量は
殆ど増加しない。
域」よりも大きい領域では、全開状態までの間で、ラジ
エータ流量は、バルブ開度の増加に対して二次曲線的に
増えて「最大流量領域」に達する。このラジエータ流量
の流量特性は、第1の弁体31の計量部31aが、図8
に示す半開状態から図9に示す全開状態に達するまでの
間で、計量部31aが第1の弁座35を離れ、第2の弁
体32が第1の弁座35に近付くことにより得られる。
一方、バイパス流量は、バルブ開度増加に対して緩やか
に増加して緩やかに減少する。このバイパス流量の流量
特性は、第2の弁体32が、図8に示す状態から図9に
示す状態に達するまでの間で、上計量部32aが第2の
弁座36を離れ、その反対に下計量部32bが第2の弁
体32に近付くことにより得られる。尚、第2の弁体3
2が図9に示す状態になるときにバイパス流量が零とな
らないのは、第2の弁体32の下計量部32bと第2の
弁座36の円周部36bとの間に若干の隙間が設けら
れ、この隙間の分だけバイパス流量が生じることによ
る。
によれば、図6に示すエンジンの冷却装置において、E
CU11がエンジン2の運転状態に応じたバルブ開度を
決定してステップモータ24を制御することにより、そ
のバルブ開度に応じた流量特性が流量制御弁1により得
られる。
る場合、ECU11が、流量特性における「暖機領域」
を選択的に使用するために流量制御弁1のステップモー
タ24を所要のモータステップ数で制御する。この場
合、ラジエータ流量はほぼ零になることから、エンジン
2の冷却水通路3を流れる冷却水がラジエータ8を通過
して放熱されることはないが、バイパス流量は微小量確
保されることになる。つまり、ラジエータ流量がほぼ零
となる「暖機領域」では、バイパス流量がラジエータ流
量に比べて僅かに多く流れることから、エンジン2から
流れ出る冷却水をラジエータ8で放熱させる循環が起き
なくても、エンジン2から流れ出る冷却水をバイパス流
量の微小流量分だけウォータポンプ5へ戻して再びエン
ジン2へ循環させることができる。従って、微小流量分
だけ冷却水が冷却水通路3を流れてエンジン2の温度状
態が冷却水に反映され、エンジン2の温度状態を反映し
たエンジン出口水温度が第1の水温センサ12で検出さ
れることになる。
すると、冷却水通路3を冷却水が流れなくなり、第1の
水温センサ12では、エンジン2の温度状態を反映した
エンジン出口水温度が検出されず、冷却水通路3の出口
付近に滞留した冷却水の温度がエンジン出口水温度とし
ては不適切に検出されるだけである。本実施の形態で
は、この不具合を回避して、暖機が必要な冷間時に、エ
ンジン2を効率良く暖機することができ、併せて、エン
ジン2の温度状態を流量制御弁1の制御に適正に反映さ
せることができる。
めに、ECU11が、流量特性における「暖機領域」と
「最大流量領域」との間の領域を選択的に使用するため
に流量制御弁1のステップモータ24を所要のモータス
テップ数で制御したとする。この場合、エンジン2の冷
却水通路3を流れる冷却水がラジエータ通路6とバイパ
ス通路7の両方に流れ、第1の水温センサ12では、エ
ンジン2の温度状態を反映したエンジン出口水温度が適
正に検出され、第2の水温センサ13では、ラジエータ
8での放熱状態を反映したラジエータ出口水温度が適正
に検出される。そして、エンジン2の冷却に必要なラジ
エータ流量を確保するために、エンジン出口水温度及び
ラジエータ出口水温度の検出結果に基づいて流量制御弁
1を適正に制御することができるようになる。尚、この
「暖機領域」と「最大流量領域」との間の領域では、モ
ータステップ数、即ちバルブ開度に対してほぼ二次曲線
的に変化するラジエータ流量が得られることから、冷却
水温度を目標温度へ良好にフィードバック制御すること
ができる。
U11が、流量特性における「最大流量領域」を選択的
に使用するために流量制御弁1のステップモータ24を
所要のモータステップ数で制御したとする。この場合、
ラジエータ流量は最大流量となり、エンジン2の冷却水
通路3を流れてラジエータ8を通過する冷却水の循環量
が最大となり、冷却水がラジエータ8で最大効率をもっ
て冷却されることになる。このため、冷却水の温度上昇
を最大限に抑えてエンジン2を最大限に冷却することが
できる。
では、ラジエータ流量に比べてバイパス流量の方が圧力
特性への影響が相対的に大きい。ここで、図10(b)
に示すように、ラジエータ流量がほぼ零となる「暖機領
域」以外の領域では、冷却水の圧力特性への影響が大き
いバイパス流量がラジエータ流量に比べて同じか少なく
流れる流量特性となっている。このことから、第1の弁
体31に作用するラジエータ流量の圧力(ラジエータ流
圧力)と、第2の弁体32に作用するバイパス流量の圧
力(バイパス流圧力)との圧力差は、図10(a)に示
すように、バルブ開度の全範囲にわたって小さくなり、
両弁体31,32からなる一体的なバルブ20に作用す
る冷却水の圧力による推力が相対的に小さくなる。この
ため、バルブ20から弁軸42、ジョイント58及びガ
イド57を介してステップモータ24に作用する圧力に
よる推力が小さくなり、この小さくなった推力の分だけ
ステップモータ24に要求される駆動トルクを減らすこ
とができる。この結果、減少出力分だけステップモータ
24を小型化することができ、流量制御弁1の小型化を
図ることができ、そのエンジン搭載性を向上させること
ができる。
によれば、図10(b)に示すように、ラジエータ流量
が、バルブ20の変位量(バルブ開度)の増加に対して
最大流量へ向かっての増加傾向を示し、バイパス流量
が、バルブ20の変位量(バルブ開度)の増加に対して
一旦増加して減少する傾向を示すようになっている。従
って、ラジエータ流量が最大流量となる「最大流量領
域」では、バイパス流量が減少して、その減少分だけラ
ジエータ流量として循環する冷却水が増えることにな
る。このため、エンジン2を最大限に冷却すべき高負荷
運転時には、最大流量の冷却水をラジエータ8で放熱さ
せて冷却することができ、エンジン2の冷却効果を高め
ることができる。
エンジンブロック2aは、ハウジング21、ポンプ通路
4及びバイパス通路7を含む。このような構成を含むエ
ンジンブロック2aは、その内部に設けられるバイパス
通路7に冷却水を流通させる「内部バイパスタイプ」の
一つであり、現在多くのエンジンで採用されている。
よれば、図1,3〜5に示すように、現状の「内部バイ
パスタイプ」のエンジンブロック2aにおいて、既に設
けられているハウジング21を利用して第2のボディ2
3を組み付けることにより、流量制御弁1をエンジンブ
ロック2aに装着することができる。この装着状態で、
エンジンブロック2aのバイパス通路7に対して第2の
ボディ23のバイパスポート33を連通させる。これに
より、流量制御弁1を通るバイパス流量が確保される。
又、エンジンブロック2aのポンプ通路4に対して第2
のボディ23のポンプポート34を連通させる。これに
より、流量制御弁1で調節されるラジエータ流量及びバ
イパス流量がポンプ通路4を通じてウォータポンプ5へ
戻されるようになる。このようにエンジンブロック2a
のハウジング21をそのまま利用して流量制御弁1を装
着できるので、流量制御弁1を装着するために、エンジ
ンブロック2aの形状を変更したり、エンジンブロック
2aの外部にバイパス配管等を別途設けたりする必要が
ない。この結果、流量制御弁1をエンジン2に対して簡
易かつ安価に装着することができる。これにより、冷却
装置の製造コストの高騰を抑えることができる。
制御弁を具体化した第2の実施の形態を図面を参照して
詳細に説明する。尚、この実施の形態において、第1の
実施の形態と同じ構成要素については同一の符号を付し
て説明を省略する。以下には、第1の実施の形態と異な
る点を説明する。
の断面図を示し、図3に準ずる。この実施の形態の流量
制御弁61は、第1の弁体71及び第1の弁座72の構
成の点で第1の実施の形態の流量制御弁1と構成が異な
る。
にフランジ状の計量部71aを含む。第1の弁体71
は、第1の実施の形態で第1の弁体31に設けられた最
大流量規制部31bを持たない。この実施の形態では、
第1の弁体71の直下の弁軸42の部分が、最大流量規
制部31bと同等に機能する。第1の弁体71の計量部
71aは、第1の弁座72の弁孔72aに整合する。よ
り詳細には、計量部71aは、円筒部71bと、それよ
り大径な拡径部71cとを含む。第1の弁座72の弁孔
72aは、第1の弁体71の円筒部71bに整合する円
周部72bと、第1の弁体71の拡径部71cに整合す
るシール部72cとを含む。シール部72cは、第1の
弁座72の基材にゴムを焼き付けることで設けられる。
第1の弁体71が弁軸42と一体的に上下に移動するこ
とにより、同弁体71と第1の弁座72との隙間により
定義されるラジエータ側開度が変わる。図11は、ラジ
エータ側開度が全開となる状態を示す。ラジエータ側開
度が全閉のときには、第1の弁体71の円筒部71bが
第1の弁座72の円周部72bに整合し、第1の弁体7
1の拡径部71cが第1の弁座72のシール部72cに
密着する。
によれば、第1の実施の形態の流量制御弁1と同様の作
用・効果を得ることができる。但し、第1の弁体71が
最大流量規制部を持たない分だけ、ラジエータ流量の最
大流量を、第1の実施の形態のそれより増大させること
ができる。又、第1の弁体71に拡径部71cが設けら
れ、それに密着するシール部72cが第1の弁座72に
設けられる点で、ラジエータ側開度が全閉になるとき冷
却水のシール性を向上させることができる。
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範
囲で以下のように実施することもできる。
1,61の流量特性につき、ラジエータ流量が、バルブ
20の変位量増加に対して増加傾向を示し、バイパス流
量が、バルブ20の変位量増加に対して増加と減少を示
すように設定したが、ラジエータ流量とバイパス流量の
増減関係はこれに限られるものではなく、必要に応じて
適宜変更してもよい。
ータとしてステップモータ24を用いたが、ステップモ
ータ以外のアクチュエータ、例えば、DCモータやリニ
アソレノイドをアクチュエータとして用いることもでき
る。
ラジエータ流量がほぼ零となる領域では、バイパス流量
がラジエータ流量に比べて僅かに多く流れ、それ以外の
領域では、バイパス流量がラジエータ流量に比べて同じ
か少なく流れる流量特性となるよう第1の弁体及び第1
の弁座の構成要素、並びに、第2の弁体及び第2の弁座
の構成要素がそれぞれ設定される。このため、ラジエー
タ流圧力とバイパス流圧力との圧力差によりバルブに作
用する圧力による力を抑えることができ、アクチュエー
タに要求される駆動トルクを相対的に小さくしてアクチ
ュエータの小型化を図ることができ、エンジン搭載性を
向上させることができる。併せて、エンジンに暖機が必
要なときには、エンジンを効率良く暖機することができ
ると共に、エンジンの温度状態を流量制御弁の制御に適
正に反映させることができる。
ジエータ流量が、バルブの変位量増加に対して増加傾向
を示し、バイパス流量が、バルブの変位量増加に対して
増加と減少を示し、ラジエータ流量がほぼ零となる領域
では、バイパス流量がラジエータ流量に比べて僅かに多
く流れ、それ以外の領域では、バイパス流量がラジエー
タ流量に比べて同じか少なく流れる流量特性となるよう
第1の弁体及び第1の弁座の構成要素、並びに、第2の
弁体及び第2の弁座の構成要素がそれぞれ設定される。
このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、エンジ
ンを最大限に冷却すべきときには、多めの冷却水をラジ
エータで放熱させて冷却することができ、エンジンの冷
却効果を高めることができる。
状の「内部バイパスタイプ」のエンジンブロックにおい
て、サーモスタットハウジングを利用して継手ボディを
組み付けることにより、流量制御弁をエンジンブロック
に装着することが可能となる。この装着状態で、流量制
御弁を通るバイパス流量が確保され、流量制御弁で調節
されるラジエータ流量及びバイパス流量がポンプ通路を
通じてウォータポンプへ戻される。このため、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、エンジンに対して流
量制御弁を簡易かつ安価に装着することができる。
面図である。
拡大断面図である。
拡大断面図である。
拡大断面図である。
圧力特性を示すグラフである。
制御弁の断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 冷却水を循環させてエンジンを冷却する
水冷式の冷却装置に使用されるものであり、 前記エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータ
ポンプへ戻るラジエータ流量を制御するための第1の弁
体及び第1の弁座と、 前記エンジンから流れ出て前記ラジエータを介さずに前
記ウォータポンプへ戻るバイパス流量を制御する第2の
弁体及び第2の弁座と、 前記第1及び第2の弁体を一つのバルブとして一体的に
変位させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエー
タを制御して前記バルブを変位させることにより、前記
ラジエータ流量と前記バイパス流量を調節して冷却水温
度を目標温度に制御するようにした流量制御弁におい
て、 前記ラジエータ流量及び前記バイパス流量が前記バルブ
の変位量との関係で領域的に定義され、前記ラジエータ
流量がほぼ零となる領域では、前記バイパス流量が前記
ラジエータ流量に比べて僅かに多く流れ、それ以外の領
域では、前記バイパス流量が前記ラジエータ流量に比べ
て同じか少なく流れる流量特性となるよう前記第1の弁
体及び前記第1の弁座の構成要素、並びに、前記第2の
弁体及び前記第2の弁座の構成要素がそれぞれ設定され
ることを特徴とする流量制御弁。 - 【請求項2】 冷却水を循環させてエンジンを冷却する
水冷式の冷却装置に使用されるものであり、 前記エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータ
ポンプへ戻るラジエータ流量を制御するための第1の弁
体及び第1の弁座と、 前記エンジンから流れ出て前記ラジエータを介さずに前
記ウォータポンプへ戻るバイパス流量を制御する第2の
弁体及び第2の弁座と、 前記第1及び第2の弁体を一つのバルブとして一体的に
変位させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエー
タを制御して前記バルブを変位させることにより、前記
ラジエータ流量と前記バイパス流量を調節して冷却水温
度を目標温度に制御するようにした流量制御弁におい
て、 前記ラジエータ流量及び前記バイパス流量が前記バルブ
の変位量との関係で領域的に定義され、前記ラジエータ
流量が、前記バルブの変位量増加に対して増加傾向を示
し、前記バイパス流量が、前記バルブの変位量増加に対
して増加と減少を示し、前記ラジエータ流量がほぼ零と
なる領域では、前記バイパス流量が前記ラジエータ流量
に比べて僅かに多く流れ、それ以外の領域では、前記バ
イパス流量が前記ラジエータ流量に比べて同じか少なく
流れる流量特性となるよう前記第1の弁体及び前記第1
の弁座の構成要素、並びに、前記第2の弁体及び前記第
2の弁座の構成要素がそれぞれ設定されることを特徴と
する流量制御弁。 - 【請求項3】 前記エンジンは、エンジンブロックを含
み、前記エンジンブロックは、サーモスタットを組み付
けるためのサーモスタットハウジングと、前記サーモス
タットハウジングから前記ウォータポンプへ冷却水を流
すためのポンプ通路と、前記ラジエータを介さずに前記
ウォータポンプへ戻る冷却水を前記サーモスタットハウ
ジングへ流すためのバイパス通路とを含み、 前記流量制御弁は、前記サーモスタットハウジングに組
み付けられる継手ボディを含み、前記継手ボディは、前
記ポンプ通路に連通可能なポンプポートと、前記バイパ
ス通路に連通可能なバイパスポートとを含むことを特徴
とする請求項1又は2に記載の流量制御弁。
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