JP2003286532A - 蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材 - Google Patents

蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】中空状衝撃吸収部材としての強度を確保しつ
つ、蛇腹状に圧壊変形させるのに有利な蛇腹状圧潰性に
優れた中空状衝撃吸収部材を提供する。 【解決手段】中空状衝撃吸収部材は、押し出し成形して
形成されたアルミニウム−マグネシウム−シリコン系の
アルミニウム合金で形成された中空状衝撃吸収部材であ
る。そして金属組織において、結晶粒界を挟む無析出物
帯の幅が平均で300ナノメートル以下に設定されてい
る。押し出し成形して形成されたアルミニウム−亜鉛−
マグネシウム系のアルミニウム合金で形成された中空状
衝撃吸収部材であれば、金属組織において、結晶粒界を
挟む無析出物帯の幅が平均で100ナノメートル以下に
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動的荷重または静
的荷重を受けたとき蛇腹状に圧潰変形して衝撃を効果的
に吸収することができる蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝
撃吸収部材に関する。本発明は、自動車等の車両用構造
部材、例えばリンフォース、サイドシル、サイドメンバ
ー、クロスメンバー、フレーム構造部材等に適用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両においては、衝突時の衝
撃を効果的に吸収する中空状衝撃吸収部材が用いられて
いる。この中空状衝撃吸収部材には、軽衝突時において
は車体の損傷を防止すべく剛性が要請されている。また
中衝突時または重衝突時には、衝撃エネルギを吸収して
乗員を保護する必要があり、従って適度な剛性と多くの
衝撃エネルギを吸収すべく変形時の靱性とが要求されて
いる。多くの衝撃エネルギを吸収するためには、中空状
衝撃吸収部材は、これを構成する壁部が破断しつつ拡開
変形することなく、蛇腹状に圧壊変形することが好まし
い。
【0003】上記のような適度な剛性と多くの衝撃エネ
ルギを吸収するために変形時の靱性とを満たすものとし
て、特許第3077974号に開示されているように、
結晶粒内の(100)面の[100]及び[010]方
向のMg2Si析出物の大きさの平均値が20nm以上
であり、且つ、(100)面の[001]方向のMg 2
Si析出物の分布密度が100個/μm2以上であり、
更に粒界上の析出物の大きさが1000nm以下である
軸圧壊性に優れたアルミニウム合金押出部材が知られて
いる。これは、アルミニウム合金に析出しているMg2
Si析出物の適正化を図ったものである。この技術によ
れば、これの請求の範囲に『粒界上の析出物の大きさが
1000nm以下である』と記載されているように、結
晶粒界に析出物が存在する形態を対象としている。
【0004】更に特許第3073197号に開示されて
いるように、Mgが0.30〜0.70%、Mg2Si
のバランス組成よりも過剰のSi含有量が0.10〜
0.50%、Mn,Cr,Zrのいずれか1種または2
種以上の含有量が合計で0.10〜0.40%であり、
繊維状組織を有するAl−Mg−Siアルミニウム合金
部材からなり、210N/mm2以上の耐力を有し、空
冷によるプレス焼入後時効処理を行ったことを特徴とす
る自動車フレーム構造における中空状衝撃吸収部材が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中空状衝撃
吸収部材に荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材に
よる衝撃吸収を効果的に行うためには、中空状衝撃吸収
部材の壁部が外部に拡開破断することを抑えつつ、蛇腹
状に圧壊変形することが好ましい。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなてなされた
ものであり、中空状衝撃吸収部材としての強度を確保し
つつ、中空状衝撃吸収部材の壁部を蛇腹状に圧壊変形さ
せるのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部
材を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アルミニウ
ム合金で形成されている中空状衝撃吸収部材の蛇腹状に
圧壊変形させる技術について、長年にわたり開発を進め
ている。そして、本発明者は、アルミニウム合金におけ
る金属組織の結晶粒界を挟む無析出物帯(以下、PFZ
ともいう。precipitate free zone)の幅の大きさが蛇
腹状圧壊性に大きく影響を与えていることを知見した。
【0008】アルミニウム合金の金属組織における結晶
粒内には析出物や晶出物等が多数生成している。無析出
物帯は、結晶粒界を挟むように結晶粒界の両側に形成さ
れる領域であり、析出物や晶出物等が生成している頻度
が結晶粒の内部に比較して極めて少ない領域を意味す
る。実用アルミニウム合金においては、部位によって
は、本発明で定義される無析出物帯に析出物や晶出物等
が希に存在していることがある。このように無析出物帯
は、電子顕微鏡で撮影した組織写真において結晶粒界を
挟むように結晶粒界の両側に形成されている領域であ
り、無析出物帯の幅(結晶粒界を横切る方向の幅)は、
析出物や晶出物等の存在頻度が極めて少ない領域と析出
物や晶出物等が存在している領域との境界をつなぐ仮想
線により区画して判定することができる。
【0009】本発明者は、上記したように、金属組織の
結晶粒界を挟むように結晶粒界の両側に形成されている
無析出物帯の幅が蛇腹状圧壊性に大きく影響を与えてお
り、無析出物帯の幅の大きさが所定値以内であれば、押
し出し成形して形成されたアルミニウム合金系の中空状
衝撃吸収部材についてその軸長方向に沿って荷重が作用
したとき、中空状衝撃吸収部材を蛇腹状に圧壊変形させ
易いことを知見し、試験で確認した。
【0010】具体的には、マグネシウム及びシリコンを
主要元素としMg2Siの化合物を析出するアルミニウ
ム−マグネシウム−シリコン系の中空状衝撃吸収部材の
金属組織において、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅を平
均で300ナノメートル以下に設定すれば、中空状衝撃
吸収部材にその軸長方向に沿って荷重が作用したとき、
中空状衝撃吸収部材の壁部が外方に拡開破断することが
抑えられ、中空状衝撃吸収部材が蛇腹状に圧潰変形する
性質が高くなり、蛇腹状圧潰性が向上することを知見
し、試験で確認し、第1発明に係る中空状衝撃吸収部材
を開発した。
【0011】上記したマグネシウム及びシリコンを主要
元素としMg2Siの化合物を析出するアルミニウム合
金で形成された中空状衝撃吸収部材において、無析出物
帯の幅を平均で300ナノメートル以下に設定すれば、
中空状衝撃吸収部材の蛇腹状圧潰性に優れている理由と
しては、必ずしも明確ではないものの、結晶粒界を挟む
無析出物帯の塑性変形性が寄与しているものと推察され
る。
【0012】また亜鉛及びマグネシウムを主要元素とし
MgZn2の化合物を析出させるアルミニウム−亜鉛−
マグネシウム系の中空状衝撃吸収部材の金属組織におい
て、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅を平均で100ナノ
メートル以下に設定すれば、中空状衝撃吸収部材にその
軸長方向に沿って荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収
部材の壁部が外方に拡開破断することが抑えられ、中空
状衝撃吸収部材が蛇腹状に圧潰変形する性質が高くな
り、蛇腹状圧潰性が向上することを知見し、試験で確認
し、第2発明に係る中空状衝撃吸収部材を開発した。
【0013】上記した亜鉛及びマグネシウムを主要元素
としMgZn2の化合物を析出させる中空状衝撃吸収部
材において、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅を平均で1
00ナノメートル以下に設定すれば、中空状衝撃吸収部
材の蛇腹状圧潰性に優れている理由としては、必ずしも
明確ではないものの、前述同様に、結晶粒界を挟む無析
出物帯の塑性変形性が寄与しているものと推察される。
【0014】なお第1発明に係る中空状衝撃吸収部材と
第2発明に係る中空状衝撃吸収部材とで、蛇腹状圧潰性
を向上させるための無析出物帯の幅が異なるのは、組成
の相違、析出物や晶出物等の相違によるものと推察され
る。
【0015】即ち、第1発明に係る蛇腹状圧潰性に優れ
た中空状衝撃吸収部材は、押し出し成形して形成された
アルミニウム−マグネシウム−シリコン系のアルミニウ
ム合金で形成された中空状衝撃吸収部材であって、金属
組織において、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅が平均で
300ナノメートル以下に設定されていることを特徴と
するものである。
【0016】第2発明に係る蛇腹状圧潰性に優れた中空
状衝撃吸収部材は、押し出し成形して形成されたアルミ
ニウム−亜鉛−マグネシウム系のアルミニウム合金で形
成された中空状衝撃吸収部材であって、金属組織におい
て、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅が平均で100ナノ
メートル以下に設定されていることを特徴とするもので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】第1発明に係る蛇腹状圧潰性に優
れた中空状衝撃吸収部材は、押し出し成形して形成され
たアルミニウム−マグネシウム−シリコン系のアルミニ
ウム合金で形成された中空状衝撃吸収部材であって、金
属組織において、結晶粒界を挟む無析出物帯(PFZ)
の幅が平均で300ナノメートル以下に設定されてい
る。殊に、蛇腹状圧潰性を高めるためには、無析出物帯
(PFZ)の幅は、平均で280ナノメートル以下に設
定されていることが好ましい。なかでも180ナノメー
トル以下に設定されていることが好ましい。なお無析出
物帯(PFZ)の幅の最小値としては、一般的には、5
0ナノメートルとすることができる。
【0018】なおPFZについては、後述する実施例で
示すように、電子顕微鏡で拡大倍率(例えば20万倍)
で組織写真を撮影し、その拡大組織写真において、結晶
粒界を挟む無析出物帯の領域と無析出物帯でない領域と
の境界を結ぶように付した仮想線間の幅をPFZの幅と
して測定することができる。
【0019】第1発明に係る蛇腹状圧潰性に優れた中空
状衝撃吸収部材によれば、マグネシウム及びシリコンを
主要元素とする6000系アルミニウム合金を対象とす
ることができ、質量%で、マグネシウムを0.3〜1.
2%、シリコンを0.2〜1.2%含有する形態を採用
することができる。なお本明細書では特に断らない限
り、%は質量%を意味する。マグネシウムはMg2Si
の化合物を生成させ、強度を高めるのに有効であり、中
空状衝撃吸収部材としての強度を確保するためには0.
3%以上が好ましい。但し、押し出し時における変形抵
抗性を確保し、生産性を向上させるためには1.2%以
下が好ましい。従ってマグネシウムは0.3〜1.2%
とすることができる。殊に、0.3〜1.0%とするこ
とができ、なかでも0.4〜0.8%とすることができ
る。シリコンはMg2Siの化合物を析出させ、強度を
高めるのに有効であり、中空状衝撃吸収部材としての強
度を確保するためには0.2%以上が好ましい。但し、
押し出し時における変形抵抗性を確保し、生産性を向上
させるためには1.2%以下が好ましい。従ってシリコ
ンは0.2〜1.2%とすることができる。殊に、0.
2〜1.0%とすることができ、なかでも0.4〜1.
0%とすることができる。
【0020】更に第1発明に係る蛇腹状圧潰性に優れた
中空状衝撃吸収部材によれば、質量%で、銅を0.35
%以下、マンガンを0.35%以下、クロムを0.25
%以下、チタンを0.005〜0.1%、鉄を0.3%
以下含有する形態を採用することができる。銅は強度確
保のためには含有されていることが好ましいが、過剰で
あると耐食性が低下し、押し出し抵抗が増加し、押し出
し成形性が低下する傾向がある。これを考慮し、銅は
0.35%以下が好ましい。殊に0.22%以下、0.
1%以下とすることができる。鉄は 押出後の形材の結
晶粒を微細化させ、蛇腹状圧壊性を向上させるのに寄与
することができる。鉄は0.3%以下、0.2%以下含
有することができる。
【0021】チタンは鋳造時に結晶を微細化させるのに
有効であり、押し出し成形材の再結晶抑制にも有効であ
るが、過剰に含有しても添加効果が飽和する。これを考
慮し、チタンは0.005〜0.1%とすることができ
る。殊に、0.005〜0.05%、0.005〜0.
03%とすることができる。
【0022】マンガンは結晶粒を微細化し強度を向上さ
せるが、過剰に含有しても添加効果が飽和する。これを
考慮し、マンガンは0.35%以下とすることができ
る。殊に、0.30%以下、0.25%以下とすること
ができる。
【0023】クロムは結晶粒を微細化し強度を向上させ
るが、過剰に含有しても添加効果が飽和する。これを考
慮し、クロムは0.25%以下とすることができる。殊
に、0.20%以下、0.10%以下とすることができ
る。なお必要に応じてジルコニウムを添加することもで
きる。ジルコニウムは 結晶粒の微細化に有効であり、
また結晶粒を繊維状とし易い性質をもち、0.15%以
下とすることができる。
【0024】第1発明に係る中空状衝撃吸収部材を構成
するアルミニウム合金としては、中空状衝撃吸収部材と
しての機能を確保することを考慮すると、耐力が150
MPa以上、特に200MPa以上であることが好まし
い。エネルギ吸収量は2800J以上または3500J
以上とすることができる。
【0025】第2発明に係る蛇腹状圧潰性に優れた中空
状衝撃吸収部材は、押し出し成形して形成されたアルミ
ニウム−亜鉛−マグネシウム系のアルミニウム合金で形
成された中空状衝撃吸収部材であって、金属組織におい
て、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅が平均で100ナノ
メートルに設定されていることを特徴とするものであ
る。殊に、蛇腹状圧潰性を高めるためには、無析出物帯
(PFZ)の幅は、80ナノメートル以下に設定されて
いることが好ましく、なかでも50ナノメートル以下に
設定されていることが好ましい。なお無析出物帯(PF
Z)の幅の最小値としては、20ナノメートルとするこ
とができる。
【0026】第2発明に係る蛇腹状圧潰性に優れた中空
状衝撃吸収部材によれば、亜鉛を主要元素とする700
0系アルミニウム合金を対象とすることができ、質量%
で、亜鉛は4.0〜7.0%、マグネシウムは0.5〜
1.5%を含有する形態を採用することができる。亜鉛
はMgZn2の化合物を析出させ、強度を高めるのに有
効であり、中空状衝撃吸収部材としての強度を確保すめ
ためには4.0%以上が好ましい。但し、押し出し時に
おける変形抵抗性を確保し、生産性を向上させるために
は7.0%以下が好ましい。従って亜鉛は4.0〜7.
0%とすることができる。殊に5.0〜7.0%とする
ことができ、なかでも5.0〜6.5%とすることがで
きる。マグネシウムはMgZn2の化合物を析出させ、
強度を高めるのに有効であり、中空状衝撃吸収部材とし
ての強度を確保するためには0.5%以上が好ましい。
押し出し時における変形抵抗性を確保し、生産性を向上
させるためには1.5%以下が好ましい。従ってマグネ
シウムは0.5〜1.5%とすることができる。殊に、
0.5〜1.0%とすることができ、なかでも0.7〜
1.0%とすることができる。
【0027】更に、質量%で、シリコンを0.5%以
下、銅を0.35%以下、マンガンを0.35%以下、
チタンを0.01〜0.1%含有する形態を採用するこ
とができる。必要に応じてクロムを0.35%以下含有
することができる。銅は強度確保には含有されているこ
とが好ましいが、過剰であると耐食性が低下し、更に押
し出し抵抗が増加し、押し出し成形性が低下する傾向が
ある。これを考慮し銅は0.35%以下が好ましい。殊
に0.22%以下、0.1%以下とすることができる。
【0028】チタンは鋳造時に結晶を微細化させるのに
有効であり、押し出し成形材の再結晶抑制にも有効であ
るが、これを考慮しチタンは0.005〜0.1%とす
ることができる。殊に、0.005〜0.05%、0.
005〜0.03%とすることができる。
【0029】マンガンは結晶粒を微細化し強度を向上さ
せるが、過剰に含有しても添加効果が飽和する。これを
考慮し、マンガンは0.35%以下とすることができ
る。殊に、0.30%以下、0.20%以下とすること
ができる。
【0030】クロムは結晶粒を微細化し強度を向上させ
るが、過剰に含有しても添加効果が飽和する。クロムは
0.25%以下とすることができる。殊に、0.20%
以下、0.10%以下とすることができる。
【0031】第2発明に係る中空状衝撃吸収部材を構成
するアルミニウム合金としては、中空状衝撃吸収部材と
しての機能を確保することを考慮すると、強度を耐力が
150MPa以上、特に200MPa以上が好ましい。
エネルギ吸収量は4000J以上または4500J以上
ととすることができる。
【0032】本発明に係る中空状衝撃吸収部材は、中空
部をもつ部材であり、角筒形状でも良いし、円筒形状で
も良い。角筒形状は四角筒形状、五角形筒形状、六角筒
形状、八角筒形状等を適宜選択することができる。その
横断面形状としては『口形状』『田形状』『日形状』等
を例示することができる。PFZの幅を調整するために
は、合金成分、熱処理条件、殊に高温領域に加熱保持し
て合金元素を固溶させた後の冷却速度(焼入速度)、時
効処理の温度及び時間、銅含有量が総合的に寄与するも
のと推察される。
【0033】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を試験例N
o.1〜No.8に基づいて具体的に説明する。
【0034】(6000系合金について)まず、600
0系合金であるAl−Mg−Si系のアルミニウム合金
の組成となるように配合した原料を溶解炉で溶解し、溶
湯を形成した。その溶湯を鋳型に注湯し凝固させ、押し
出しサイズに適した鋳塊(サイズ:直径200mm×長
さ900mm)を形成した。その後、鋳塊を均熱炉に装
入して所定の温度(550℃)で均熱処理した。次に、
均熱処理した直後の鋳塊を押し出し成形型で押し出し成
形し、図1に示す四角筒形状をなす中空状衝撃吸収部材
(試験例No.1〜試験例No.6)を形成した。押し
出し成形した直後の高温の中空状衝撃吸収部材について
所定の条件で熱処理を行った。熱処理としては調質処理
とした。即ち、試験例No.1、試験例No.4,試験
例No.5ではT5処理とした。また試験例No.2、
試験例No.3,試験例No.6ではT6処理とした。
【0035】その後、中空状衝撃吸収部材を時効熱処理
炉に装入し、所定の時効処理温度(195〜215℃)
で所定時間(2〜5時間)加熱保持することにより、時
効処理を行った。T6処理の条件は、押し出し後に室温
の水に投入して急冷して行った。急冷時の冷却速度は、
溶体化温度(480〜550℃)から形材表面温度が1
00℃以下になるまでを2400℃/分以上とした。こ
れは、水冷能力が6000kcal/分以上ある設備で
行った。T5処理の条件は、押し出し後に空冷した。空
冷時の冷却速度は、T6同様に溶体化温度から形材表面
温度が100℃以下になるまで100℃/分以下とし
た。
【0036】そして、各試験例の試験片について耐力、
結晶組織、PFZの幅、軸圧壊割れ性、エネルギ吸収量
を調べ、総合評価を行った。耐力については、平板状の
試験片を用い、JIS−Z2241に基づいて求めた。
エネルギ吸収量については、JIS規格に準拠した圧縮
試験機で荷重−ストローク線図を描き、その線図の面積
に基づいて求めた。
【0037】PFZについては、透過型電子顕微鏡で倍
率20万倍で組織写真を5枚撮影し、更に1.5倍に引
き延ばした拡大写真において、結晶粒界を挟む無析出物
帯の領域と無析出物帯でない領域との境界を結ぶように
仮想線を付し、仮想線間の幅をPFZの幅として測定し
た。
【0038】軸圧壊試験では、図1に示す横断面で
『口』形状をもつ四角筒形状の試験片100を用い、圧
縮速度50mm/min(試験前の軸長寸法200mm
→試験後の軸長寸法80mm)で試験片100の軸長方
向に沿って静的荷重を作用させて行った。この試験片1
00の横断面サイズは縦寸法45mm×横寸法45mm
×厚み寸法2mmであり、角部の外面は半径R1mm、
角部の内面は半径R2mmで規定されている。
【0039】図2は試験例No.2に係る試験片を軸圧
壊試験した時の荷重−変位曲線を示す。図2の横軸は荷
重を試験片の軸長方向にかけたときの圧縮試験機のクロ
スヘッドのストロークを示す。図2の縦軸は荷重の大き
さを示す。図2に示すように、試験片が蛇腹状に圧壊変
形するときには、荷重値のピーク(P1〜P7)が間隔
をおいて発生する。
【0040】図3は実施例に相当する試験例No.3に
係る試験片について軸圧壊試験の前後の状態を示す。図
3に示すように、軸圧壊試験前では試験片は角筒形状を
なしており、軸圧壊試験後では試験片は良好に蛇腹形状
に圧壊変形した。このように蛇腹形状に圧壊変形した場
合には、評価は◎または○である。
【0041】図4は比較例に相当する試験例No.4に
係る試験片について軸圧壊試験の前後の状態を示す。図
4に示すように、軸圧壊試験前では試験片は角筒形状を
なしており、軸圧壊試験後では試験片の壁部が外方に拡
開破断していた。このように拡開破断した場合には評価
は×である。
【0042】図5は、実施例に相当する試験例No.2
に係る試験片の金属組織を撮影した電子顕微鏡写真を示
す。図5から理解できるように、実施例に相当する試験
例No.2では結晶粒界が認められ、結晶粒内には析出
物や晶出物が存在しており、そして結晶粒界を挟んだP
FZの幅(矢印で示す距離)は平均で266.8ナノメ
ートル(nm)であった。
【0043】図6は、比較例に相当する試験例No.5
に係る試験片の金属組織の電子顕微鏡写真を示す。図6
から理解できるように、試験例No.5では、結晶粒内
には析出物や晶出物が存在しており、結晶粒界を挟んだ
PFZの幅(矢印で示す距離)は平均で324.6ナノ
メートル(nm)と大きかった。
【0044】図7は実施例に相当する試験例No.6に
係る試験片の金属組織の電子顕微鏡写真を示す。図7か
ら理解できるように、試験例No.6では、結晶粒内に
は析出物や晶出物が存在しており、そして結晶粒界を挟
んだPFZの幅(矢印で示す距離)は平均で122.6
ナノメートル(nm)と小さかった。
【0045】表1は、各試験例に係る試験片の化学成分
(分析値)、均質化処理の温度、押し出し温度、熱処理
条件、耐力、結晶組織、PFZの幅(nm)、軸圧壊割
れ性、エネルギ吸収量を示す。分析値で0.00%は有
効数字を考慮している。軸圧壊割れ性では、◎は試験片
の壁部が外方に拡開破断することなく、蛇腹状に圧壊変
形したことを示す。○は微細クラックの発生があるもの
の、試験片の壁部が外方に拡開破断することなく、蛇腹
状に圧壊変形したことを示す。×は試験片の壁部が外方
に拡開破断したこと示す。
【0046】
【表1】
【0047】前述したように試験例No.1〜試験例N
o.6は、Al−Mg−Si系のアルミニウム合金を示
し、6000系アルミニウム合金を示す。表1に示すよ
うに、試験例No.1〜No.6によれば、耐力は21
0MPa以上得られたが、軸圧壊割れ性の評価はかなり
異なっていた。
【0048】即ち、比較例に相当する試験例No.1に
よれば、耐力は230MPaと高いものの、PFZは5
42.1ナノメートルと最も大きいため、軸圧壊割れ性
の評価は×であり、更にエネルギ吸収量は3593Jで
あり、総合評価は×であった。
【0049】実施例に相当する試験例No.2によれ
ば、耐力は231MPaであり、PFZは266.8ナ
ノメートルとかなり小さくなっているため、軸圧壊割れ
性の評価は○であり、更にエネルギ吸収量は4025J
であり、総合評価は○であった。
【0050】実施例に相当する試験例No.3によれ
ば、耐力は234MPaであり、PFZは152.1ナ
ノメートルとかなり小さくなっているため、軸圧壊割れ
性の評価は◎であり、更にエネルギ吸収量は4196J
であり、総合評価は○であった。
【0051】比較例に相当する試験例No.4によれ
ば、耐力は260MPaと最も高いものの、PFZは3
10.1ナノメートルとかなり大きいため、軸圧壊割れ
性の評価は×であり、更にエネルギ吸収量は2350J
であり、総合評価は×であった。
【0052】比較例に相当する試験例No.5によれ
ば、耐力は215MPaであり、エネルギ吸収量は44
51Jと大きいにもかかわらず、PFZが324.6ナ
ノメートルとかなり大きいため、軸圧壊割れ性の評価は
×であり、総合評価は×であった。
【0053】実施例に相当する試験例No.6によれ
ば、耐力は221MPaであり、PFZは122.6ナ
ノメートルとかなり小さいため、軸圧壊割れ性の評価は
◎であり、更にエネルギ吸収量は4468Jと大きく、
総合評価は○であった。
【0054】(7000系合金について)まず、700
0系合金であるAl−Zn−Mg系のアルミニウム合金
の組成となるように配合した原料を溶解炉で溶解し、溶
湯を形成した。その溶湯を鋳型に注湯し凝固させ、前述
同様に、押し出しサイズに適した鋳塊を形成した。その
後、鋳塊を均熱炉に装入して所定の温度(480℃)で
均熱処理を行った。次に、鋳塊を押し出し成形型で押し
出し成形し、図1に示す長い角筒形状をなす中空状衝撃
吸収部材(試験例No.7,試験例No.8)を形成し
た。
【0055】そして、押し出し成形した直後の高温の中
空状衝撃吸収部材について熱処理を行った。熱処理とし
ては調質処理(試験例No.7ではT5処理とした。試
験例No.8ではT6処理とした。)とした。
【0056】その後、中空状衝撃吸収部材を時効熱処理
炉に装入し、第1の時効処理として90℃で4時間加熱
保持し、第2の時効処理として150℃で6時間加熱保
持した。但し試験例No.7については時効処理の前
に、室温で7日間の自然時効を行った。結晶粒を微細析
出させてPFZを狭くするためである。そして、各試験
例について前述同様に、耐力、結晶組織、PFZの幅、
軸圧壊割れ性、エネルギ吸収量を調べ、総合評価を行っ
た図8,図9は、実施例に相当する試験例No.7に係
る試験片の金属組織の電子顕微鏡写真を示す。図8,図
9から理解できるように、実施例に相当する試験例N
o.7では結晶粒界が認められ、結晶粒内には析出物や
晶出物が存在しており、そして結晶粒界を挟んだPFZ
の幅(矢印で示す距離)は平均で50.5ナノメートル
(nm)と小さかった。
【0057】図10,図11は、比較例に相当する試験
例No.8に係る試験片の金属組織の電子顕微鏡写真を
示す。図10,図11から理解できるように、比較例に
相当する試験例No.8では結晶粒界が認められ、結晶
粒内には析出物や晶出物が存在しており、結晶粒界を挟
んだPFZの幅(矢印で示す距離)は平均で105.8
ナノメートル(nm)であった。
【0058】表1は、上記した試験例No7,No8に
ついて、試験例の化学成分、均質化処理の温度、押し出
し温度、熱処理条件、耐力、結晶組織、PFZの幅、軸
圧壊割れ性、エネルギ吸収量を示す。前述したように試
験例No.7,試験例No.8は、Al−Zn−Mg系
のアルミニウム合金を示し、7000系合金を示す。
【0059】表1に示すように、実施例に相当する試験
例No.7によれば、耐力は317MPaであり、PF
Zは50.5ナノメートルとかなり小さいため、軸圧壊
割れ性の評価は○であり、更にエネルギ吸収量は567
0Jであり、総合評価は○であった。比較例に相当する
試験例No.8によれば、耐力は304MPaと高いも
のの、PFZは105.8ナノメートルと大きくなって
いるため、軸圧壊割れ性の評価は×であり、更にエネル
ギ吸収量は4850Jであり、総合評価は×であった。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】表2は、PFZの幅の狭い順に試験例N
o.1〜No.6を並べたものである。更に表3は、表
2に示す結果に対してPFZの幅が狭い形態とPFZの
幅が広い形態との比較を示す。
【0063】PFZの幅が相対的に狭いグループと、P
FZの幅が相対的に広いグループとを比較する。表3に
示すように、PFZの幅が相対的に狭い試験例No.
6,No.3,No.2では、主な相違点としては、調
質処理としてT6処理(水冷)が行われており、押し出
し成形後の冷却速度(焼入速度)が速い。これに対して
PFZの幅が相対的に広い試験例No.4,No.5,
No.1では調質処理としてT5処理(空冷)が行われ
ており、押し出し成形後の冷却速度(焼入速度)が遅
い。これを考慮すると、合金元素を溶解させた溶体化処
理後の冷却速度が結晶粒界の付近において析出物の核生
成に影響を与え、PFZの幅に影響を与えるものと推察
される。即ち、PFZの幅を良好にさせるためには、急
冷が好ましいと推察される。
【0064】PFZの幅が相対的に狭い試験例No.6
と、PFZの幅が相対的に広い試験例No.3とを比較
する。この場合、主な相違点として、PFZの幅が相対
的に広いNo.3では銅が0.00%であるにもかかわ
らず、PFZの幅が相対的に狭いNo.6では銅(0.
08%)が含有されている。更に、PFZの幅が相対的
に広いNo.3では時効温度が215℃であり、PFZ
の幅が相対的に狭い試験例No.6(205℃)よりも
高い。これを考慮すると、銅含有量、時効温度が結晶粒
界の付近において析出物の核生成に影響を与え、PFZ
の幅に影響を与えるものと推察される。
【0065】PFZの幅が相対的に狭い試験例No.3
と、PFZの幅が相対的に広い試験例No.2とを比較
する。この場合、主な相違点として、PFZの幅が相対
的に広い試験例No.2では時効時間が2時間であり、
PFZの幅が相対的に狭い試験例No.3(3時間)よ
りも短い。これを考慮すると、時効時間が結晶粒界の付
近において析出物の核生成に影響を与え、PFZの幅に
影響を与えるものと推察される。
【0066】PFZの幅が相対的に狭い試験例No.4
と、PFZの幅が相対的に広い試験例No.5とを比較
する。この場合、主な相違点として、PFZの幅が相対
的に広い試験例No.5では合金成分量が少なく、殊に
銅含有量が少なく、時効温度が高い。これを考慮する
と、合金成分量、銅含有量、時効温度がPFZの幅に寄
与しているものと推察される。
【0067】PFZの幅が相対的に狭い試験例No.5
と、PFZの幅が相対的に広い試験例No.1とを比較
する。この場合、主な相違点として、PFZの幅が相対
的に広い試験例No.1では銅含有量が0.00%であ
るが、PFZの幅が相対的に狭い試験例No.5では銅
含有量が0.08%である。これを考慮すると、銅含有
量がPFZの幅に寄与しているものと推察される。
【0068】(その他)その他、本発明は上記し且つ図
面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨
を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものであ
る。
【0069】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。 (付記項1)請求項1において、結晶粒界を挟む無析出
物帯の幅が平均で200ナノメートル以下に設定されて
いることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃
吸収部材。 (付記項2)請求項1において、結晶粒界を挟む無析出
物帯の幅が平均で160ナノメートル以下に設定されて
いることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃
吸収部材。 (付記項3)請求項5において、結晶粒界を挟む無析出
物帯の幅が平均で60ナノメートル以下に設定されてい
ることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸
収部材。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、中
空状衝撃吸収部材としての強度を確保しつつ、蛇腹状に
塑性変形させるのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状
衝撃吸収部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片の横断面図である。
【図2】軸圧壊試験をしたときにおける荷重−変位曲線
わ示すグラフである。
【図3】実施例に係る試験片について、軸圧壊試験の前
後の試験片の形態を示す写真図である。
【図4】比較例に係る試験片について、軸圧壊試験の前
後の試験片の形態を示す写真図である。
【図5】試験例No.2に係る試験片について、顕微鏡
組織と共にPFZを示す顕微鏡写真図である。
【図6】試験例No.5に係る試験片について、顕微鏡
組織と共にPFZを示す顕微鏡写真図である。
【図7】試験例No.6に係る試験片について、顕微鏡
組織と共にPFZを示す顕微鏡写真図である。
【図8】試験例No.7に係る試験片について、顕微鏡
組織(倍率200k倍)と共にPFZを示す顕微鏡写真
図である。
【図9】試験例No.7に係る試験片について、顕微鏡
組織(倍率98k倍)と共にPFZを示す顕微鏡写真図
である。
【図10】試験例No.8に係る試験片について、顕微
鏡組織(倍率49k倍)と共にPFZを示す顕微鏡写真
図である。
【図11】試験例No.8に係る試験片について、顕微
鏡組織(倍率200k倍)と共にPFZを示す顕微鏡写
真図である。
【符号の説明】
図中、100は試験片を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月3日(2002.4.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 健二 富山県富山市五福3190番地 富山大学内 (72)発明者 松井 宏昭 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属株式会社内 (72)発明者 村上 哲 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押し出し成形して形成されたアルミニウム
    −マグネシウム−シリコン系のアルミニウム合金で形成
    された中空状衝撃吸収部材であって、 金属組織において、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅が平
    均で300ナノメートル以下に設定されていることを特
    徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。
  2. 【請求項2】請求項1において、質量%で、マグネシウ
    ムを0.3〜1.2%、シリコンが0.2〜1.2%含
    有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝
    撃吸収部材。
  3. 【請求項3】請求項2において、質量%で、銅を0.3
    5%以下、マンガンを0.35%以下、クロムを0.2
    5%以下、チタンを0.005〜0.1%、鉄を0.3
    %以下含有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた
    中空状衝撃吸収部材。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれか一項におい
    て、耐力が150MPa以上に設定されていることを特
    徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。
  5. 【請求項5】押し出し成形して形成されたアルミニウム
    −亜鉛−マグネシウム系のアルミニウム合金で形成され
    た中空状衝撃吸収部材であって、 金属組織において、結晶粒界を挟む無析出物帯の幅が平
    均で100ナノメートル(nm)以下に設定されている
    ことを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収
    部材。
  6. 【請求項6】請求項5において、質量%で、マグネシウ
    ムを0.5〜1.5%、亜鉛が4.0〜7.0%含有す
    ることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸
    収部材。
  7. 【請求項7】請求項6において、質量%で、シリコンを
    0.5%以下、銅を0.35%以下、マンガンを0.3
    5%以下、クロムを0.35%以下、チタンを0.01
    〜0.1%含有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優
    れた中空状衝撃吸収部材。
  8. 【請求項8】請求項5〜請求項7のいずれか一項におい
    て、耐力が150MPa以上に設定されていることを特
    徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。
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