JP2003283218A - 非放射性誘電体線路およびミリ波送受信器 - Google Patents

非放射性誘電体線路およびミリ波送受信器

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JP2003283218A
JP2003283218A JP2002078199A JP2002078199A JP2003283218A JP 2003283218 A JP2003283218 A JP 2003283218A JP 2002078199 A JP2002078199 A JP 2002078199A JP 2002078199 A JP2002078199 A JP 2002078199A JP 2003283218 A JP2003283218 A JP 2003283218A
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millimeter wave
wave signal
dielectric
parallel plate
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Tsuyoshi Yamamoto
堅 山元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化の激しい環境や振動や機械的衝撃が
加わり易い環境などの過酷な環境で使用しても、誘電体
線路の平行平板導体に対する接着の信頼性が高く、また
誘電体線路の接着強度のばらつきが小さいものとし、さ
らに高周波信号の伝送特性が良好なものとすること。 【解決手段】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔
で配置された平行平板導体1,3間に高周波信号が伝送
される誘電体線路2を介装して成る非放射性誘電体線路
において、誘電体線路2は平行平板導体1,3の内面に
接着されており、誘電体線路2の表面の算術平均粗さR
aが0.02μm≦Ra≦20μmである。また、誘電
体線路2の長さをL、誘電体線路2の平行平板導体1,
3の内面に対向する面における最大高低差をAとしたと
き、A/Lが1/50以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばミリ波等の
高周波帯域で用いられる非放射性誘電体線路であって、
ミリ波集積回路,ミリ波レーダーモジュール等のミリ波
送受信器等に好適に使用される非放射性誘電体線路に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の非放射性誘電体線路(Non Radiat
ive Dielectric wave guideで、以下NRDガイドとい
う)S1の構成を図1に示す。図1のNRDガイドS1
は、使用周波数において空気中を伝搬する電磁波(高周
波信号)の波長λに対して、間隔dがλ/2以下である
一対の平行平板導体1,3の間に誘電体線路2を介装す
ることにより、その誘電体線路2に沿って電磁波が伝搬
でき、放射波は平行平板導体1,3の遮断効果によって
抑制されるという動作原理に基づいている。なお、図1
において、上側の平行平板導体1は内部を透視するよう
に一部を切り欠いて描いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
NRDガイドS1には以下に示すような問題があった。
従来、誘電体線路2は平行平板導体1,3の内面(対向
している側の主面)に接着剤等により固定されるが、接
着剤の誘電体線路2に対する接着力は、誘電体線路2の
表面にある程度の凹凸があり、その凹凸に接着剤が入り
込むこと(アンカー効果)によって強固になる。しか
し、誘電体線路2の表面が鏡面状態の場合または凹凸が
大きすぎる場合には、アンカー効果が小さくなり、接着
強度が低下していた。さらに、誘電体線路2の表面の凹
凸が大きい場合、平行平板導体1,3の誘電体線路2に
対向する面の電流経路が長くなるため表面抵抗が大きく
なり、その結果高周波信号の伝送損失が大きくなるとい
う問題があった。
【0004】また、誘電体線路2は平行平板導体1,3
の内面(対向している側の主面)に接着剤等により固定
されるが、誘電体線路2の平面度が大きすぎる(平坦性
が悪い)場合は、接着剤が均一な厚さにならず接着強度
が低下したり、平行平板導体1,3との間に隙間が生じ
伝送損失が大きくなるという問題があった。
【0005】さらに、誘電体線路2はセラミックや樹脂
から成っており、従ってセラミック材料をプレス成形や
切削加工等して誘電体線路2を作製する際に、研削油や
固定用のワックスの多くは油脂であり、油脂が誘電体線
路2に若干残存していることが多い。油脂は接着剤の硬
化の妨げとなったり、被接着物との接着力を低下させる
代表的な物質である。従って、誘電体線路2表面に残存
している油脂の量を制御しない限り、安定して強固な接
着力を得ることは困難である。
【0006】また、上記NRDガイドS1は車載用ミリ
波レーダー等に組み込まれて使用されるため、高温環
境、低温環境、温度サイクルにおける温度差が大きい環
境、温度サイクルの変化サイクルが激しい(1サイクル
が短い)環境、また振動の大きい環境などで使用される
ことが多い。そのような過酷な環境では、誘電体線路2
に対して非常に強固な接着強度が求められるが、その接
着力は誘電体線路2の表面状態に大きく左右され、上記
の環境下において接着の信頼性に欠けるという問題があ
った。
【0007】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、高温環境、低温環境、激
しい温度サイクル下の環境、高湿度環境、振動や機械的
衝撃が加わり易い環境などで使用しても、誘電体線路の
平行平板導体に対する接着の信頼性が高く、また誘電体
線路の接着強度のばらつきが小さいものとすること、さ
らに高周波信号の伝送特性が良好なものとすることであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の非放射性誘電体
線路は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置
された平行平板導体間に前記高周波信号が伝送される誘
電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、
前記誘電体線路は前記平行平板導体の内面に接着されて
おり、前記誘電体線路の表面の算術平均粗さRaが0.
02μm≦Ra≦20μmであることを特徴とする。
【0009】本発明の非放射性誘電体線路は、上記の構
成により、誘電体線路と接着剤との間で充分なアンカー
効果が効果的に発揮され、安定した高強度の接着力を有
するものとなる。その結果、接着層の剥離や誘電体線路
の脱落のない良好な接着状態を長期にわたり保持でき、
また、高温環境、低温環境、激しい温度サイクル下の環
境、高湿度環境、振動や機械的衝撃が加わり易い環境な
どの車載環境等の過酷な環境で使用しても、誘電体線路
の平行平板導体に対する接着の信頼性が高く、誘電体線
路の接着強度のばらつきが小さいものとなる。さらに、
伝搬モードであるLSMモードの電磁波の一部がLSE
モードに変換されて伝送損失が生じるのを防いで、高周
波信号の伝送特性を良好なものすることができる。
【0010】また本発明の非放射性誘電体線路は、高周
波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平
板導体間に前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介
装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線
路は前記平行平板導体の内面に接着されており、前記誘
電体線路の長さをL、前記誘電体線路の前記平行平板導
体の内面に対向する面の最大高低差をAとしたとき、A
/Lが1/50以下であることを特徴とする。
【0011】本発明の非放射性誘電体線路は、上記の構
成により、接着層の厚みが均一になることで強固な接着
力が得られ、安定した高強度の接着力を有するものとな
る。その結果、接着層の剥離や誘電体線路の脱落のない
良好な接着状態を長期にわたり保持でき、また、高温環
境、低温環境、激しい温度サイクル下の環境、高湿度環
境、振動や機械的衝撃が加わり易い環境などの車載環境
等の過酷な環境で使用しても、誘電体線路の平行平板導
体に対する接着の信頼性が高く、誘電体線路の接着強度
のばらつきが小さいものとなる。さらに、伝搬モードで
あるLSMモードの電磁波の一部がLSEモードに変換
されて伝送損失が生じるのを防いで、高周波信号の伝送
特性を良好なものすることができる。
【0012】本発明の非放射性誘電体線路において、好
ましくは、前記誘電体線路の表面から深さ1μmまでの
部位に存在するNa,S,CoまたはBaの含有量がそ
れぞれ10原子%以下であることを特徴とする。
【0013】本発明の非放射性誘電体線路は、上記の構
成により、誘電体線路を作製する際の切削油やワックス
に多く含まれるNa,S,Co,Baが誘電体線路の表
面に残存している量を所定値以下とすることにより、接
着剤の硬化の阻害や接着強度の低下を防ぐことができ
る。
【0014】本発明のミリ波送受信器は、ミリ波信号の
波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間
に、高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記
高周波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝
搬させる第1の誘電体線路と、バイアス電圧印加方向が
前記ミリ波信号の電界方向に合致するように配置され、
前記バイアス電圧を周期的に制御することによって前記
ミリ波信号を周波数変調した送信用のミリ波信号として
出力する可変容量ダイオードと、前記第1の誘電体線路
に、一端側が電磁結合するように近接配置されるかまた
は一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー
側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、前記平行平板導体
に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で
配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされ
た第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有
し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を
フェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接
する他の接続部より出力させるサーキュレータであっ
て、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に
前記第1の接続部が接合されるサーキュレータと、該サ
ーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記ミリ
波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを
有する第3の誘電体線路と、前記送受信アンテナで受信
され前記第3の誘電体線路を伝搬して前記サーキュレー
タの前記第3の接続部より出力した受信波をミキサー側
へ伝搬させる第4の誘電体線路と、前記第2の誘電体線
路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを近接させて
電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の
一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させる
ミキサー部と、を設けたミリ波送受信器において、前記
第1〜第4の誘電体線路のうち少なくとも一つが本発明
の非放射性誘電体線路を構成することを特徴とする。
【0015】本発明のミリ波送受信器は、本発明の非放
射性誘電体線路をミリ波伝送線路として用いていること
から、振動、機械的衝撃、熱変化、湿度などの環境変化
の大きい装置、例えば自動車のエンジンルーム等に組み
込んで、車載用のミリ波送受信器として高い信頼性でも
って利用可能となる。また、LSMモードの伝送損失が
小さくノイズが低減するため、ミリ波レーダー等に適用
した場合に探知距離を増大し得るものとなる。
【0016】また、本発明のミリ波送受信器は、また、
ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行
平板導体間に、高周波ダイオード発振器が一端部に付設
され、前記高周波ダイオード発振器から出力されたミリ
波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、バイアス電圧
印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合致するように
配置され、前記バイアス電圧を周期的に制御することに
よって前記ミリ波信号を周波数変調した送信用のミリ波
信号として出力する可変容量ダイオードと、前記第1の
誘電体線路に、一端側が電磁結合するように近接配置さ
れるかまたは一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部
をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、前記平
行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周縁部に
所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出
力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の
接続部を有し、一つの前記接続部から入力された前記ミ
リ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは反時計
回りに隣接する他の接続部より出力させるサーキュレー
タであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の
出力端に前記第1の接続部が接続されるサーキュレータ
と、該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、
前記ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アン
テナを有する第3の誘電体線路と、先端部に受信アンテ
ナ、他端部にミキサーが各々設けられた第4の誘電体線
路と、前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続さ
れ、前記送信アンテナで受信混入したミリ波信号を伝搬
させるとともに先端部に設けられた無反射終端部で前記
ミリ波信号を減衰させる第5の誘電体線路と、前記第2
の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを
近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミ
リ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を
発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受信器にお
いて、前記第1〜第5の誘電体線路のうち少なくとも一
つが上記本発明の誘電体線路からなることを特徴とす
る。
【0017】本発明のミリ波送受信器は、本発明の非放
射性誘電体線路をミリ波送受信器のミリ波伝送線路とし
て用いていることから、振動や機械的衝撃、熱変化、湿
度などの環境変化の大きい装置、例えば自動車のエンジ
ンルーム等に組み込んで、車載用のミリ波送受信器とし
て高い信頼性でもって利用可能となる。また、LSMモ
ードの伝送損失が小さく、さらに送信用のミリ波信号が
サーキュレータを介してミキサーへ混入することがない
ため、受信信号のノイズが低減して、ミリ波レーダー等
に適用した場合にさらに探知距離を増大し得るものとな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のNRDガイドについて以
下に詳細に説明する。本発明のNRDガイドの基本的な
全体構成は図1のものと同様であり、以下図1に基づい
て説明する。同図において、1,3は高周波信号の波長
λの2分の1以下の間隔dで配置した下側,上側の平行
平板導体、2は平行平板導体1,3間に介装され挟持さ
れた誘電体線路である。平行平板導体1,3は、高い電
気伝導度および加工性等の点で、Cu,Al,Fe,A
g,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮
等からなり、鍛造法、鋳造法、ダイカスト法、研削法等
で加工された金属板、またはセラミックス、樹脂等から
成る絶縁板の表面に上記金属や合金から成る導体層を形
成したものでもよい。なお、上記波長λは使用周波数に
おける高周波信号の空気中での波長に相当する。
【0019】本発明のNRDガイドは、高周波信号の波
長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体1,3
間に高周波信号が伝送される誘電体線路2を介装して成
るものにおいて、誘電体線路2は平行平板導体1,3の
内面に接着されており、誘電体線路2の表面の算術平均
粗さRaが0.02μm≦Ra≦20μmである。
【0020】平行平板導体1,3内面の表面の算術平均
粗さRaは、日本工業規格であるJISB0601−1
994に規定されているものである。即ち、Raは、粗
さ曲線からその平均線の方向に基準長さLだけを抜き取
り、この抜き取り部分の平均線の方向にx軸を、縦倍率
の方向にy軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表した
ときに、Ra=(1/L)∫0 L|f(x)|dx(∫:
積分記号、0,L:積分範囲)によって求められる値を
マイクロメートル(μm)で表したものである。
【0021】Raが0.02μm未満では、誘電体線路
2を平行平板導体1,3に接着した際にアンカー効果が
小さくなるため、接着力を長期にわたり強固に保持する
ことが困難であり耐久性に劣る。また、Raを20μm
以下としたのは、高周波信号により誘電体線路2に生じ
る電流は表皮効果のため誘電体線路2表面に集中する
が、Raが20μmよりも大きくなると、誘電体線路2
表面の電流経路が長くなって表面抵抗が大きくなり、高
周波信号の導体損失が増大して伝送損失が大きくなるか
らである。好ましくは0.1μm≦Ra≦5μmがよ
い。
【0022】また、誘電体線路2は、少なくとも平行平
板導体1,3の内面の一方に接着されていればよく、両
方に接着されていてもよい。接着層の厚みは5〜100
μmがよく、5μm未満では、接着強度の極端な低下が
発生しやすい。100μmを超えると、高周波信号の伝
送損失が増大し、また接着強度の低下が発生しやすい。
より好ましくは5〜60μmが良い。
【0023】また、誘電体線路2を接着する接着剤とし
ては、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系、フェノ
ール系、ウレタン系、アクリル系等のもの、またはそれ
らを混合した樹脂系接着剤、さらにはセラミック粒子や
ガラス粒子を樹脂系接着剤に混合した接着剤が利用でき
るが、いずれの接着剤であっても固定することが可能で
ある。
【0024】また本発明のNRDガイドは、図2に示す
ように、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置
した平行平板導体1,3間に高周波信号が伝送される誘
電体線路2を介装して成るものにおいて、誘電体線路2
は平行平板導体1、3の内面に接着されており、平行平
板導体1,3の長さをL、誘電体線路2の平行平板導体
1,3の内面に対向する面の最大高低差をAとしたと
き、A/Lが1/50以下である。なお、図2の4は接
着層である。
【0025】A/Lが1/50を超えると、接着後に平
行平板導体1,3と誘電体線路2の間に隙間が生じ、伝
送損失が大きくなる。また、接着剤の厚みが均一になら
ずに接着力が低下する。好ましくは1/200以下がよ
い。
【0026】本発明のNRDガイドにおいて、好ましく
は、誘電体線路2の表面から深さ1μmまでの部位に存
在するNa,S,CoまたはBaの含有量がそれぞれ1
0原子%以下である。これらの元素は、誘電体線路2を
研削法等により作製する際に、誘電体線路2を治具等に
固定するためのワックスや切削油に含まれる油脂に多く
含まれており、誘電体線路2表面を研磨等することによ
り油脂を除去して上記元素の量を所定値以下とすること
ができる。そして、接着剤の硬化の阻害や接着強度の低
下を防ぐことができる。上記元素は誘電体線路2の表面
に存在しないことがよいが、各元素をそれぞれ10原子
%以下とすることにより、接着剤の接着強度は大きくは
低下せず、安易に剥がれ落ちることのないような接着強
度を保持できる。好ましくは、1.0原子%以下がよ
い。
【0027】また、誘電体線路2の表面から深さ1μm
までの部位に、5原子%を超える量のNa,S,Co,
Baが存在する場合であっても、表面を研磨するだけで
簡単かつ迅速に完全に除去できる。従って、誘電体線路
2表面に簡便な研磨加工を施すだけで、その表面粗さと
清浄状態を接着に対して最適な状態にすることができ、
接着層の剥離や誘電体線路2の脱離のない高い信頼性の
接着状態を実現し、その接着状態を長期にわたり保持で
きる。
【0028】Na,S,Co,Baの各元素の含有量の
測定は、例えばX線光電子分光分析法などによって行な
うことができる。例えばX線光電子分光分析法で測定す
る場合、X線源をモノクロAlKα線(プローブ直径2
00μm,35W,15kV)とし、平行平板導体1,
3の測定領域を約200μmφ(直径)の円形として測
定を行う。そして、Na,S,Co,Baの含有量は、
検出される全ての元素の合計を100原子%としたとき
の各元素の割合を原子%で表したものである。
【0029】また、誘電体線路2は、端面同士を対向さ
せて配置した複数の誘電体線路部分から構成されていて
もよい。その場合、誘電体線路部分の端面間の間隔は、
誘電体線路部分の端面間で高周波信号が電磁結合する長
さであればよく、誘電体線路2全体で高周波信号を伝搬
させる一連のものとなるようになっていればよい。
【0030】この誘電体線路2は、Mg,Al,Siの
複合酸化物を主成分とするセラミックス、例えばコーデ
ィエライト(2MgO・2Al23・5SiO2)セラ
ミックスから成るとともに、測定周波数60GHzでの
Q値が1000以上であることが好ましい。この場合、
従来のアルミナ(Al23)セラミックス等よりも低比
誘電率のセラミックスからなる誘電体線路2となること
から、LSMモードの電磁波のLSEモードへの変換を
少なくでき、高周波信号の損失が抑えられる。
【0031】また好ましくは、複合酸化物のモル比組成
式がxMgO・yAl23・zSiO2(但し、x=1
0〜40モル%,y=10〜40モル%,z=20〜8
0モル%,x+y+z=100モル%を満足する)で表
されることにより、さらに伝送損失が少なく、かつ安価
で高い形状精度の誘電体線路2を用いたNRDガイドを
作製できる。
【0032】次に、本発明のNRDガイドを用いたミリ
波送受信器について、以下に説明する。図3,図4は本
発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダーを示すも
のであり、図3は送信アンテナと受信アンテナが一体化
されたものの平面図、図4は送信アンテナと受信アンテ
ナが独立したものの平面図である。
【0033】図3において、51は本発明の一方の平行
平板導体(他方は省略する)、52は第1の誘電体線路
53の一端に設けられた、高周波ダイオード発振器を有
する電圧制御型のミリ波信号発振部(電圧制御発振部)
であり、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向
に合致するように、第1の誘電体線路53の高周波ダイ
オード近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス
電圧を周期的に制御して、三角波,正弦波等とすること
により、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力
する。
【0034】53は、高周波ダイオード発振器が一端部
に付設され、高周波ダイオード発振器から出力されたミ
リ波信号が変調された送信用のミリ波信号を伝搬させる
第1の誘電体線路、54は、第1,第3,第4の誘電体
線路53,55,57にそれぞれ結合される第1,第
2,第3の接続部54a,54b,54cを有する、フ
ェライト円板等から成るサーキュレータである。55
は、サーキュレータ54の第2の接続部54bに接続さ
れ、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信ア
ンテナ56を有する第3の誘電体線路、56は、第3の
誘電体線路55の先端をテーパー状等とすることにより
構成された送受信アンテナである。
【0035】なお、送受信アンテナ56は、平行平板導
体51に形成された貫通孔を通して高周波信号を入出力
させ、平行平板導体51の外面に貫通孔に接続された金
属導波管を介して設置されたホーンアンテナ等であって
もよい。
【0036】また57は、送受信アンテナ56で受信さ
れ第3の誘電体線路55を伝搬してサーキュレータ54
の第3の接続部54cより出力した受信波をミキサー5
9側へ伝搬させる第4の誘電体線路、58は、第1の誘
電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置さ
れて、ミリ波信号の一部をミキサー59側へ伝搬させる
第2の誘電体線路、58aは、第2の誘電体線路58の
ミキサー59と反対側の一端部に設けられた無反射終端
部(ターミネータ)である。また、図中M1は、第2の
誘電体線路58の中途と第4の誘電体線路57の中途と
を近接させて電磁結合させることにより、ミリ波信号の
一部と受信波を混合させて中間周波信号を発生させるミ
キサー部である。
【0037】本発明のサーキュレータ54は、平行平板
導体51,51間に平行に配設された一対のフェライト
円板の周縁部に所定間隔、例えばフェライト円板の中心
点に関して角度で120°間隔で配置され、かつそれぞ
れミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部54a,
第2の接続部54bおよび第3の接続部54cを有し、
一つの接続部から入力されたミリ波信号をフェライト円
板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の接
続部より出力させるものである。また、平行平板導体5
1の外側主面のフェライト円板に相当する部位には、フ
ェライト円板を伝搬する電磁波の波面を回転させるため
の磁石が、磁力線がフェライト円板に対し略垂直方向
(略上下方向)に通過するように設けられる。なお、本
発明のフェライト板は円板状のもの限らず、多角形状等
のものでもよい。
【0038】また、本発明のミリ波送受信器における実
施の形態の他の例として、送信アンテナと受信アンテナ
を独立させた図4のタイプがある。同図において、61
は一方の平行平板導体(他方は省略する)、62は第1
の誘電体線路63の一端に設けられた、高周波ダイオー
ド発振器を有する電圧制御型のミリ波信号発振部であ
り、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向に合
致するように第1の誘電体線路63の高周波ダイオード
近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス電圧を
周期的に制御して、三角波,正弦波等とすることによ
り、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力す
る。
【0039】63は、高周波ダイオード発振器が一端部
に付設され、高周波ダイオード発振器から出力されたミ
リ波信号が変調された送信用のミリ波信号を伝搬させる
第1の誘電体線路、64は、第1,第3,第5の誘電体
線路63,65,67にそれぞれ接続される第1,第
2,第3の接続部(図3と同様であり図示せず)を有す
る、フェライト円板等から成るサーキュレータである。
65は、サーキュレータ64の第2の接続部に接続さ
れ、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アン
テナ66を有する第3の誘電体線路、66は、第3の誘
電体線路65の先端をテーパー状等とすることにより構
成された送信アンテナ、67は、サーキュレータ64の
第3の接続部に接続され、送信用のミリ波信号を減衰さ
せる無反射終端部67aが先端に設けられた第5の誘電
体線路である。
【0040】また68は、第1の誘電体線路63に一端
側が電磁結合するように近接配置されて、ミリ波信号の
一部をミキサー71側へ伝搬させる第2の誘電体線路、
68aは、第2の誘電体線路68のミキサー71と反対
側の一端部に設けられた無反射終端部、69は、受信ア
ンテナ70で受信された受信波をミキサー71側へ伝搬
させる第4の誘電体線路である。また、図中M2は、第
2の誘電体線路68の中途と第4の誘電体線路69の中
途とを近接させて電磁結合させることにより、ミリ波信
号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生さ
せるミキサー部である。
【0041】なお、送信アンテナ66および受信アンテ
ナ70は、平行平板導体61に形成された貫通孔を通し
て高周波信号を入力または出力させ、平行平板導体61
の外面に貫通孔に接続された金属導波管を介して設置さ
れたホーンアンテナ等であってもよい。
【0042】本発明では、図3において、第1の誘電体
線路53に第2の誘電体線路58の一端側を近接配置す
るかまたは一端部を接合するが、接合する場合、接合部
において、第1の誘電体線路53を直線状、第2の誘電
体線路58を円弧状となし、その円弧状部の曲率半径r
を高周波信号の波長λ以上とするのがよい。これによ
り、高周波信号を損失を小さくして均等の出力で分岐さ
せ得る。また、接合部において、第2の誘電体線路58
を直線状、第1の誘電体線路53を円弧状となし、その
円弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以上として
もよく、この場合も上記と同様の効果が得られる。
【0043】また、ミキサー59部において、第2の誘
電体線路58と第4の誘電体線路57とを接合すること
もでき、この場合、上記と同様に、これらの誘電体線路
58,57のいずれか一方の接合部を円弧状となし、そ
の円弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以上とす
るのがよい。また、第2の誘電体線路58と第4の誘電
体線路57とを電磁結合するように近接配置する場合、
その近接部において、第2の誘電体線路58と第4の誘
電体線路57との近接部の少なくとも一方を円弧状とす
ることにより、近接配置の構成とすることができる。
【0044】また好ましくは、上記の接合部の曲率半径
rは3λ以下が良く、3λを超えると接合構造が大きく
なり小型化のメリットが得られない。接合部の曲率半径
rを波長λより小さく設定すると、円弧状の接合部を有
する誘電体線路への分岐強度は小さくなる。
【0045】このような第1の誘電体線路53と第2の
誘電体線路58との接合構造、および第2の誘電体線路
58と第4の誘電体線路57との接合構造、並びに第2
の誘電体線路58と第4の誘電体線路57との近接配置
の構成については、図4の場合も上記と同様である。
【0046】そして、これらの各種部品は、使用周波数
でのミリ波信号の空気中での波長λの2分の1以下の間
隔で配置した平行平板導体間に設けられる。
【0047】図3のものにおいて、第1の誘電体線路5
3の中途にスイッチを設け、それをオン−オフすること
でパルス変調制御することもできる。例えば、図6に示
すような、配線基板88の一主面にチョーク型バイアス
供給線路90を形成し、その中途に半田実装されたビー
ムリードタイプのPINダイオードやショットキーバリ
アダイオードを設けたスイッチである。なお、図6にお
いてEは誘電体線路77内を伝搬する高周波信号の電界
方向を示す。
【0048】この配線基板88を、第1の誘電体線路5
3の第2の誘電体線路58との信号分岐部とサーキュレ
ータ54との間に、PINダイオードやショットキーバ
リアダイオードのパルス変調用ダイオードのバイアス電
圧印加方向がLSMモードの高周波信号の電界方向に合
致するように配置し、第1の誘電体線路53に介在させ
るものである。また、第1の誘電体線路53にもう一つ
のサーキュレータを介在させ、その第1,第3の接続部
に第1の誘電体線路53を接続し、第2の接続部に他の
誘電体線路を接続し、その誘電体線路の先端部の端面
に、図6のような構成のショットキーバリアダイオード
を設けたスイッチを設置してもよい。
【0049】図4のものにおいて、サーキュレータ64
をなくし、第1の誘電体線路63の先端部に送信アンテ
ナ66を接続した構成とすることもできる。この場合、
小型化されたものとなるが、受信波の一部が電圧制御発
振部(ミリ波信号発振部)62に混入しノイズ等の原因
となり易いため、図4のタイプが好ましい。
【0050】また図4のタイプにおいて、第2の誘電体
線路68は、第3の誘電体線路65に一端側が電磁結合
するように近接配置されるか第3の誘電体線路65に一
端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー71側へ
伝搬させるように配置されていてもよい。この構成にお
いても、図4のものと同様の機能、作用効果を有する。
【0051】図4のものにおいて、第1の誘電体線路6
3の中途に、図6に示したものと同様に構成したスイッ
チを設け、それをオン−オフすることでパルス変調制御
することもできる。例えば、図6のような、配線基板8
8の一主面にチョーク型バイアス供給線路90を形成
し、その中途に半田実装されたビームリードタイプのP
INダイオードやショットキーバリアダイオードを設け
たスイッチである。この配線基板88を、第1の誘電体
線路63の第2の誘電体線路68との信号分岐部とサー
キュレータ64との間に、PINダイオードやショット
キーバリアダイオードのバイアス電圧印加方向がLSM
モードの高周波信号の電界方向に合致するように配置
し、第1の誘電体線路63に介在させるものである。
【0052】また、第1の誘電体線路63にもう一つの
サーキュレータを介在させ、その第1,第3の接続部に
第1の誘電体線路63を接続し、第2の接続部に他の誘
電体線路を接続し、その誘電体線路の先端部の端面に、
図6のような構成のショットキーバリアダイオードを設
けたスイッチを設置してもよい。
【0053】また、図3,図4のミリ波送受信器はFM
CW(Frequency Modulation Cotinuous Waves)方
式であり、FMCW方式の動作原理は以下のようなもの
である。電圧制御発振部の変調信号入力用のMODIN
端子に、電圧振幅の時間変化が三角波等となる入力信号
を入力し、その出力信号を周波数変調し、電圧制御発振
部の出力周波数偏移を三角波等になるように偏移させ
る。そして、送受信アンテナ56,送信アンテナ66よ
り出力信号(送信波)を放射した場合、送受信用アンテ
ナ56,送信アンテナ66の前方にターゲットが存在す
ると、電波の伝搬速度の往復分の時間差をともなって、
反射波(受信波)が戻ってくる。この時、ミキサー5
9,71の出力側のIFOUT端子には、送信波と受信
波の周波数差が出力される。
【0054】このIFOUT端子の出力周波数等の周波
数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c
{Fif:IF(Intermediate Frequency)出力周波数,
R:距離,fm:変調周波数,Δf:周波数偏移幅,
c:光速}という関係式から距離を求めることができ
る。このミリ波送受信器は、自動車のミリ波レーダ等に
適用した場合、自動車の周囲の障害物および他の自動車
に対しミリ波を照射し、反射波を元のミリ波と合成して
中間周波信号を得、この中間周波信号を分析することに
より障害物および他の自動車までの距離、それらの移動
速度等が測定できる。
【0055】本発明の高周波ダイオード発振器を用いた
電圧制御発振部52,62について以下に説明する。図
5,図6は本発明のNRDガイド型の高周波ダイオード
発振器を示し、これらの図において、82はガンダイオ
ード83を側面に設置するための略直方体状の金属ブロ
ック等の金属部材、83はマイクロ波,ミリ波を発振す
る高周波ダイオードの1種であるガンダイオードであ
る。84は金属部材82の一側面に設置され、ガンダイ
オード83にバイアス電圧を供給するとともに高周波信
号の漏れを防ぐローパスフィルタとして機能するチョー
ク型バイアス供給線路84aを形成した配線基板、85
はチョーク型バイアス供給線路84aとガンダイオード
83の上部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導
体、87はガンダイオード83の近傍に配置され高周波
信号を受信し外部へ伝搬させる誘電体線路(図3,図4
の第1の誘電体線路53,63に相当する)である。
【0056】また図5において、チョーク型バイアス供
給線路84aは、幅の広い線路および幅の狭い線路の長
さがそれぞれ略λ/4であり、また帯状導体85の長さ
は略{(3/4)+m}λ(mは0以上の整数)である
のがよい。この場合、帯状導体85で高周波信号を共振
させることができ、金属ストリップ86aを主面に設け
た金属ストリップ共振器86を省くことができる。帯状
導体85の長さは略3λ/4〜略{(3/4)+3}λ
がより好ましく、略{(3/4)+3}λを超えると帯
状導体85が長くなり、撓み、捩じれ等が生じ易くな
り、個々の高周波ダイオード発振器間で発振周波数等の
特性のばらつきが大きくなるとともに、種々の共振モー
ドが発生して、所望の発振周波数と異なる周波数の信号
が発生するという問題が生じる。より好ましくは、略3
λ/4,略{(3/4)+1}λである。
【0057】また、略{(3/4)+m}λとしたの
は、{(3/4)+m}λから多少ずれていても共振は
可能だからである。例えば、帯状導体5を{(3/4)
+m}λよりも10〜20%程度長く形成しても良く、
その場合、帯状導体85の接するチョーク型バイアス供
給線路84aの1パターン目の長さλ/4のうち一部が
共振に寄与すると考えられるからである。従って、帯状
導体5の長さは{(3/4)+m}λ±20%程度の範
囲内で変化させることができる。
【0058】これらチョーク型バイアス供給線路84a
および帯状導体85の材料は、Cu,Al,Au,A
g,W,Ti,Ni,Cr,Pd,Pt等から成り、特
にCu,Agが、電気伝導度が良好であり、損失が小さ
く、発振出力が大きくなるといった点で好ましい。
【0059】また、帯状導体85は金属部材82の表面
から所定間隔をあけて金属部材82と電磁結合してお
り、チョーク型バイアス供給線路84aとガンダイオー
ド83間に架け渡されている。即ち、帯状導体85の一
端はチョーク型バイアス供給線路84aの一端に半田付
け等により接続され、帯状導体85の他端はガンダイオ
ード83の上部導体に半田付け等により接続されてお
り、帯状導体85の接続部を除く中途部分は宙に浮いた
状態となっている。
【0060】そして、金属部材82は、ガンダイオード
83の電気的な接地(アース)を兼ねているため金属導
体であれば良く、その材料は金属(合金を含む)導体で
あれば特に限定するものではなく、真鍮(黄銅:Cu−
Zn合金),Al,Cu,SUS(ステンレススチー
ル),Ag,Au,Pt等から成る。また金属部材82
は、全体が金属から成る金属ブロック、セラミックスや
プラスチック等の絶縁基体の表面全体または部分的に金
属メッキしたもの、絶縁基体の表面全体または部分的に
導電性樹脂材料等をコートしたものであっても良い。
【0061】また、誘電体線路87は、その材料は上記
の通りコーディエライト(2MgO・2Al23・5S
iO2)セラミックス(比誘電率4〜5)等が好まし
く、これらは高周波帯域において低損失である。ガンダ
イオード83と誘電体線路87との間隔は1.0mm程
度以下が好ましく、1.0mmを超えると損失を小さく
して電磁的結合が可能な最大離間幅を超える。
【0062】また、本発明の高周波ダイオードとして
は、インパット(impatt:impact ionisation avalanch
e transit time)・ダイオード,トラパット(trapat
t:trapped plasma avalanche triggered transit)・
ダイオード,ガンダイオード等のマイクロ波ダイオード
およびミリ波ダイオードが好適に使用される。
【0063】かくして、本発明のミリ波送受信器は、伝
送線路として使用される誘電体線路は、平行平板導体と
の接着性が良好であり、急激な熱サイクルや、振動、機
械的衝撃に対し高い耐久性を有しているため、熱帯地
方、寒冷地方、高温多湿地方、または熱輻射の強い都会
のアスファルト上などでの屋外で使用されても、何ら問
題のない耐久性を有している。従って、本発明のNRD
ガイドおよびミリ波送受信器は、厳しい環境下で使用さ
れても十分な耐久性を有しており、例えば車載用として
好適なものである。
【0064】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。
【0065】(実施例1)図1のNRDガイドS1を以
下のように構成した。誘電体線路2の材料として、M
g,Al,Siの複合酸化物を主成分としたコーディエ
ライト(2MgO・2Al23・5SiO2)セラミッ
クスを使用した。一対の平行平板導体1,3として、ア
ルミニウムを切削加工して作製した縦60mm×横60
mm×厚さ10mmの金属板を1.8mmの間隔dで配
置し、平行平板導体1,3の間に誘電体線路2を介装し
た。この誘電体線路2は、高さ1.8mm、幅0.8m
m、長さ10mmの誘電体線路部分を、端面同士が対向
するように配置して伝送方向に4本並べて、擬似的に1
本となるように構成したものとした。平行平板導体1,
3と誘電体線路2とは一液型のエポキシ樹脂接着剤で接
着した。平行平板導体1,3は、表面の酸化層の厚さが
2μm、表面の算術平均粗さが2μmであるものを使用
した。誘電体線路2の表面の算術平均粗さRaはサンド
ペーパーやダイヤモンドペーストにより表面を研磨する
ことで変化させた。また、Raは触針式の表面粗さ測定
器で測定した。
【0066】そして、誘電体線路2の接着強度をオート
グラフによりせん断応力を加えることにより測定した。
また、接着後の誘電体線路2の接着強度の信頼性を確認
するために、温度サイクル試験に投入した。温度サイク
ルの条件は、温度幅が−40〜120℃、1サイクルが
60分、サイクル数が1000とした。伝送損失は、7
6.5GHzの高周波信号を誘電体線路2に伝搬させ、
誘電体線路2から出力された高周波信号をネットワーク
アナライザーで評価した。
【0067】接着強度は、車載条件における最大主応力
からシミュレーションにより計算した結果100MPa
(メガパスカル)以上であれば誘電体線路2がはずれる
ことはないということから、基準を100MPa以上と
した。また伝送損失は、シミュレーションにより損失が
1.00dB/cmを超えると損失が大きくて製品とし
ての使用が困難になるため、基準を1.00dB/cm
以下とした。
【0068】誘電体線路2の表面の算術平均粗さRaを
変化させ、初期接着強度、温度サイクル後の接着強度、
高周波信号の伝送損失を測定した結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】サンプルAは、Raが0.01μm未満の
鏡面状態であり、初期接着強度が55MPaと低強度で
あり、温度サイクル試験後の接着強度が12MPaであ
った。サンプルBは、Raが0.01μmであり、初期
接着強度が70MPaと低強度であり、温度サイクル試
験後は誘電体線路2がはずれていた。サンプルJは、R
aが23μmであり、初期接着強度が118MPaと高
強度であり、温度サイクル試験後の接着強度が101M
Paであったが、伝送損失が1.97dB/cmと大き
かった。
【0071】上記の通り、サンプルA,B,Jの誘電体
線路2は、接着強度、伝送損失のいずれかが基準値から
はずれており、製品としての使用は困難であった。
【0072】サンプルCは、Raが0.02μmであ
り、初期接着強度が109MPaと高強度であり、温度
サイクル試験後の接着強度が102MPaで、伝送損失
が0.50dB/cmであった。サンプルDは、Raが
0.05μmであり、初期接着強度が122MPaと高
強度であり、温度サイクル試験後の接着強度は110M
Paで、伝送損失は0.52dB/cmであった。サン
プルIは、Raが20μmであり、初期接着強度が12
5MPaと高強度であり、温度サイクル試験後の接着強
度が100MPaで、伝送損失が0.92B/cmであ
った。
【0073】サンプルC,D,Iは、接着強度および伝
送損失ともに基準値を上回っており良好な特性を有する
製品となった。サンプルE,F,G,Hも良好な結果と
なった。
【0074】従って、本発明の範囲内であるサンプルC
〜Iは、初期接着強度と温度サイクル試験後の接着強度
のいずれも高強度で基準の100MPa以上であり、ま
た伝送損失も基準の1.00dB/cm未満であり、製
品として良好な性能を有していた。 (実施例2)図1のNRDガイドS1を以下のように構
成した。誘電体線路2の材料として、Mg,Al,Si
の複合酸化物を主成分としたコーディエライト(2Mg
O・2Al23・5SiO2)セラミックスを使用し
た。一対の平行平板導体1,3として、アルミニウムを
切削加工して作製した縦60mm×横60mm×厚さ1
0mmの金属板を1.8mmの間隔dで配置し、平行平
板導体1,3の間に誘電体線路2を介装した。この誘電
体線路2は、高さ1.8mm、幅0.8mm、長さを1
0mmの誘電体線路部分を、端面同士が対向するように
配置して伝送方向に並べて、擬似的に1本となるように
構成したものとした。平行平板導体1,3と誘電体線路
2とは一液型のエポキシ樹脂接着剤で接着した。平行平
板導体1,3は、表面の酸化層の厚さが2μm、表面の
算術平均粗さが2μmであるものを使用した。誘電体線
路2の最初の高さ1.8mmを、サンドペーパーで表面
をこすったり表面を研磨することで変化させ、A/Lを
変化させた。A/Lは、Aを3次元測定機により測定し
て求めた。
【0075】そして、誘電体線路2の接着強度をオート
グラフによりせん断応力を加えることにより測定した。
また、接着後の誘電体線路2の接着強度の信頼性を確認
するために、温度サイクル試験に投入した。温度サイク
ルの条件は、温度幅が−40〜120℃、1サイクルが
60分、サイクル数が1000とした。伝送損失は、7
6.5GHzの高周波信号を誘電体線路2に伝搬させ、
誘電体線路2から出力された高周波信号をネットワーク
アナライザーで評価した。
【0076】接着強度は、車載条件における最大主応力
からシミュレーションにより計算した結果100MPa
(メガパスカル)以上であれば誘電体線路2がはずれる
ことはないということから、基準を100MPa以上と
した。また伝送損失は、シミュレーションにより損失が
1.00dB/cmを超えると損失が大きくて製品とし
ての使用が困難になるため、基準を1.00dB/cm
以下とした。
【0077】A/Lが1/200のとき、初期強度は1
40MPaで信頼性試験後の強度は122MPaであっ
た。また伝送損失は0.88dB/cmであった。A/
Lが1/50のとき、初期強度は112MPaで信頼性
試験後の強度は103MPaであった。また伝送損失は
0.96dB/cmであった。A/Lが1/200,1
/50の場合、接着強度および伝送損失ともに基準値を
上回っており良好な特性を有する製品となった。
【0078】A/Lが1/40のとき、初期強度は87
MPaで信頼性試験後の強度は60MPaであった。ま
た伝送損失は1.33dB/cmであった。基準値から
外れており製品としての使用は困難であった。
【0079】(実施例3)実施例1と同様に図1のNR
DガイドS1を構成した。本実施例3では、誘電体線路
2を研削加工して作製したが、洗浄工程を変更すること
で研削油や固定ワックスの残存量を変化させた。誘電体
線路2の洗浄工程としては、アセトン,メタノール,酢
酸ブチルを洗浄液として超音波洗浄を3槽に分けて行っ
た。その後、イソプロパノールを洗浄液として2槽から
5槽で仕上げ洗浄(超音波洗浄や揺動洗浄)を行った。
研削油やワックスに含まれている元素の中でNa,S,
Co,Baの含有量の変化を確認することで研削油やワ
ックスの残存量の割合を判断した。また、誘電体線路2
は算術平均粗さが2μmのものを使用した。
【0080】平行平板導体1,3と誘電体線路2とは一
液型のエポキシ樹脂接着剤で接着した。誘電体線路2の
表面から深さ1μmまでの部位におけるNa,S,C
o,Baの含有量をX線光電子分光分析法で測定した。
各元素の含有量の測定は、X線源をモノクロAlKα線
(プローブ直径200μm,35W,15kV)とし、
平行平板導体1,3の測定領域を約200μmφ(直
径)の円形として行った。ここで、サンプルとして実施
例1で良好な特性が得られたサンプルEと同様のもの
(Raが0.1μm)を使用した。研削油、ワックスが
付着した誘電体線路2を、上記洗浄工程の各工程で抜き
取りNa,S,Co,Baのそれぞれの含有量を測定し
た。そして、Na,S,Co,Baの含有量の異なるサ
ンプルを、実施例1と同様にオートグラフにより接着強
度によって評価した。
【0081】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約12原子%であったものは、接着強度が24MPaで
あり、温度サイクル(温度幅:−40〜120℃、1サ
イクル:60分、サイクル数:1000)試験後は、誘
電体線路2が平行平板導体1,3から外れていた。
【0082】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約9原子%であったものは、接着強度が110MPaで
あり、温度サイクル(温度幅:−40〜120℃、1サ
イクル:60分、サイクル数:1000)試験後は、接
着強度が102MPaであり、実施例1のサンプルCと
ほぼ同等の強度であった。
【0083】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約1.2原子%であったものは、誘電体線路2の初期接
着強度が193MPaであり、温度サイクル(温度幅:
−40〜120℃、1サイクル:60分、サイクル数:
1000)試験後の接着強度が163MPaであり、充
分な接着強度であった。これは実施例1のサンプルF,
Gよりも初期強度がさらに高いものであった。 (実施例4)実施例2,3と同様に図1のNRDガイド
S1を構成した。誘電体線路2のA/Lが1/200の
ものを使用した。
【0084】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約13原子%であったものは、接着強度が15MPaで
あり、温度サイクル(温度幅:−40〜120℃、1サ
イクル:60分、サイクル数:1000)試験後は、誘
電体線路2が平行平板導体1,3から外れていた。
【0085】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約8原子%であったものは、接着強度が109MPaで
あり、温度サイクル(温度幅:−40〜120℃、1サ
イクル:60分、サイクル数:1000)試験後は、接
着強度が104MPaであり、接着強度が基準値を上回
っており良好な特性を有する製品となった。
【0086】Na,S,Co,Baの含有量がそれぞれ
約1.2原子%であったものは、誘電体線路2の初期接
着強度が188MPaであり、温度サイクル(温度幅:
−40〜120℃、1サイクル:60分、サイクル数:
1000)試験後の接着強度が177MPaであり、充
分な接着強度であった。これは実施例2のサンプルより
も初期強度がさらに高いものであった。
【0087】なお、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の変更を行うことは何等差し支えない。
【0088】
【発明の効果】本発明の非放射性誘電体線路は、高周波
信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板
導体間に高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して
成るものにおいて、誘電体線路は平行平板導体の内面に
接着されており、誘電体線路の表面の算術平均粗さRa
が0.02μm≦Ra≦20μmであることにより、接
着剤のアンカー効果が効果的に働き、安定した高強度の
接着力を有するものとなる。その結果、接着層の剥離や
誘電体線路の脱落のない良好な接着状態を長期にわたり
保持でき、また、高温環境、低温環境、激しい温度サイ
クル下の環境、高湿度環境、振動や機械的衝撃が加わり
易い環境などの車載環境等の過酷な環境で使用しても、
誘電体線路の平行平板導体に対する接着の信頼性が高
く、誘電体線路の接着強度のばらつきが小さいNRDガ
イドとなる。さらに、伝搬モードであるLSMモードの
電磁波の一部がLSEモードに変換されて伝送損失が生
じるのを防いで、高周波信号の伝送特性を良好にするこ
とができる。
【0089】本発明の非放射性誘電体線路は、高周波信
号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導
体間に高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成
るものにおいて、誘電体線路は平行平板導体の内面に接
着されており、誘電体線路の長さをL、誘電体線路の平
行平板導体の内面に対向する面における最大高低差をA
としたとき、A/Lが1/50以下であることにより、
接着剤の厚みが均一になり安定した高強度の接着力を有
するものとなる。その結果、接着層の剥離や誘電体線路
の脱落のない良好な接着状態を長期にわたり保持でき、
また、高温環境、低温環境、激しい温度サイクル下の環
境、高湿度環境、振動や機械的衝撃が加わり易い環境な
どの車載環境等の過酷な環境で使用しても、誘電体線路
の平行平板導体に対する接着の信頼性が高く、誘電体線
路の接着強度のばらつきが小さいNRDガイドとなる。
さらに、伝搬モードであるLSMモードの電磁波の一部
がLSEモードに変換されて伝送損失が生じるのを防い
で、高周波信号の伝送特性を良好にすることができる。
【0090】本発明において、好ましくは、誘電体線路
の平行平板導体の内面に対向する面から深さ1μmまで
の部位に存在するNa,S,CoまたはBaの含有量が
それぞれ10原子%以下であることにより、平行平板導
体を作製する際の切削油やペーストに多く含まれるN
a,S,Co,Baが平行平板導体の内面に残存してい
る量を所定値以下とすることにより、接着剤の硬化の阻
害や接着強度の低下を防ぐことができる。
【0091】本発明のミリ波送受信器は、送受信アンテ
ナを備えたタイプおよび送信アンテナと受信アンテナと
が独立したタイプにおいて、誘電体線路のうち少なくと
も一つが上記本発明の非放射性誘電体線路を構成するこ
とにより、振動や機械的衝撃、熱変化、湿度などの環境
変化の大きい装置、例えば自動車のエンジンルーム等に
組み込んで、車載用のミリ波送受信器として高い信頼性
でもって利用可能となる。また、LSMモードの伝送損
失が小さく、受信信号のノイズが低減して、ミリ波レー
ダー等に適用した場合に探知距離を増大し得るものとな
る。さらに、送信アンテナと受信アンテナとが独立した
タイプでは、送信用のミリ波信号がサーキュレータを介
してミキサーへ混入することがなく、その結果受信信号
のノイズが低減しさらに探知距離が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非放射性誘電体線路について実施の形
態の例を示し、内部を透視したものの斜視図である。
【図2】本発明の非放射性誘電体線路について実施の形
態の例を示し、AとLを示した断面図である。
【図3】本発明のミリ波送受信器について実施の形態の
例を示す平面図である。
【図4】本発明のミリ波送受信器について実施の形態の
他の例を示す平面図である。
【図5】本発明のミリ波送受信器用のミリ波信号発振部
の斜視図である。
【図6】図5のミリ波信号発振部に組み込まれる可変容
量ダイオードを設けた配線基板の斜視図である。
【符号の説明】
1:下側の平行平板導体 2:誘電体線路 3:上側の平行平板導体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔
    で配置された平行平板導体間に前記高周波信号が伝送さ
    れる誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路にお
    いて、前記誘電体線路は前記平行平板導体の内面に接着
    されており、前記誘電体線路の表面の算術平均粗さRa
    が0.02μm≦Ra≦20μmであることを特徴とす
    る非放射性誘電体線路。
  2. 【請求項2】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔
    で配置された平行平板導体間に前記高周波信号が伝送さ
    れる誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路にお
    いて、前記誘電体線路は前記平行平板導体の内面に接着
    されており、前記誘電体線路の長さをL、前記誘電体線
    路の前記平行平板導体の内面に対向する面における最大
    高低差をAとしたとき、A/Lが1/50以下であるこ
    とを特徴とする非放射性誘電体線路。
  3. 【請求項3】 前記誘電体線路の表面から深さ1μmま
    での部位に存在するNa,S,CoまたはBaの含有量
    がそれぞれ10原子%以下であることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の非放射性誘電体線路。
  4. 【請求項4】 ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔
    で配置した平行平板導体間に、 高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記高周
    波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝搬さ
    せる第1の誘電体線路と、 バイアス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合
    致するように配置され、前記バイアス電圧を周期的に制
    御することによって前記ミリ波信号を周波数変調した送
    信用のミリ波信号として出力する可変容量ダイオード
    と、 前記第1の誘電体線路に、一端側が電磁結合するように
    近接配置されるかまたは一端が接合されて、前記ミリ波
    信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路
    と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および
    第3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された
    前記ミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは
    反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサーキ
    ュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波
    信号の出力端に前記第1の接続部が接合されるサーキュ
    レータと、 該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記
    ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテ
    ナを有する第3の誘電体線路と、 前記送受信アンテナで受信され前記第3の誘電体線路を
    伝搬して前記サーキュレータの前記第3の接続部より出
    力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第4の誘電体線
    路と、 前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
    成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
    波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受
    信器において、 前記第1〜第4の誘電体線路のうち少なくとも一つが請
    求項1〜3のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を構
    成することを特徴とするミリ波送受信器。
  5. 【請求項5】 ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔
    で配置した平行平板導体間に、 高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記高周
    波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝搬さ
    せる第1の誘電体線路と、 バイアス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合
    致するように配置され、前記バイアス電圧を周期的に制
    御することによって前記ミリ波信号を周波数変調した送
    信用のミリ波信号として出力する可変容量ダイオード
    と、 前記第1の誘電体線路に、一端側が電磁結合するように
    近接配置されるかまたは一端が接合されて、前記ミリ波
    信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路
    と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および
    第3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された
    前記ミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは
    反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサーキ
    ュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波
    信号の出力端に前記第1の接続部が接続されるサーキュ
    レータと、 該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記
    ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナ
    を有する第3の誘電体線路と、 先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けら
    れた第4の誘電体線路と、 前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前
    記送信アンテナで受信混入したミリ波信号を伝搬させる
    とともに先端部に設けられた無反射終端部で前記ミリ波
    信号を減衰させる第5の誘電体線路と、 前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
    成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
    波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受
    信器において、 前記第1〜第5の誘電体線路のうち少なくとも一つが請
    求項1〜3のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を構
    成することを特徴とするミリ波送受信器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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