JP2003281761A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JP2003281761A
JP2003281761A JP2002364029A JP2002364029A JP2003281761A JP 2003281761 A JP2003281761 A JP 2003281761A JP 2002364029 A JP2002364029 A JP 2002364029A JP 2002364029 A JP2002364029 A JP 2002364029A JP 2003281761 A JP2003281761 A JP 2003281761A
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真一 山田
Katsuya Watanabe
克也 渡邊
Masayoshi Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切なチルト制御によってデータの記録・再
生を正確におこなうことのできる光ディスク装置を提供
する。 【解決手段】 情報記録媒体を回転させる回転手段10
1と、情報記録媒体のテ゛ータ面に向けて光ビームを照射す
る光源109と、前記光ヒ゛ームを収束するための収束手段
と、前記テ゛ータ面と前記収束手段により収束される光ヒ゛ームの
焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出手段11
5と、前記収束手段を前記テ゛ータ面と垂直な方向に移動さ
せるフォーカス方向移動手段104と、前記データ面上
に前記光ヒ゛ームが所定の状態で収束するよう、前記フォーカスエラ
ー検出手段の出力に基づいて前記フォーカス方向移動手段を駆
動するフォーカス制御手段と、前記光源を前記情報記録媒体
の半径方向に移動させるトラッキング方向移動手段と、
前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得
られる前記フォーカス制御手段の出力の平均値を前記半径方
向の異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点
おける平均値に基づいて、前記テ゛ータ面の傾きを求めるチルト
計算手段とを備える光ディスク装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームを利用し
て光ディスクなどの記録媒体にデータを記録し、また
は、記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク
装置に関する。特に、記録媒体のデータ面に対する光ビ
ームの入射角度を制御する機構を備えた光ディスク装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置において、光ディスクな
どの記録媒体へ照射される光ビームの光軸に対して、デ
ータ面が垂直からずれる角度をチルト角と呼び、チルト
角がゼロでない場合をチルトが発生するという。光ディ
スクなどの記録媒体の記録密度が高まるにつれて、チル
ト角を制御することが重要な問題になってきている。チ
ルトが発生すると、記録あるいは再生信号のジッタの劣
化が顕著となるため、光ディスク装置の性能を確保する
ことが困難となるからである。
【0003】図1(a)および(b)は、チルトが発生
していない場合およびチルトが発生した場合におけるデ
ィスクのデータ面に投影される光ビームの断面を示して
いる。また、図2(a)および(b)は、チルト量に対
する再生信号のジッタおよびエラー率を示す特性図であ
る。図1および図2から分かるように、チルトによって
コマ収差が発生し、その結果、再生信号におけるジッタ
の悪化およびエラー率の上昇を引き起こす。
【0004】チルトにより発生する収差が許容値を越え
ると、最適な状態での記録または再生が行えなくなり、
データの信頼性が低下するという問題が生じる。また、
このチルト角に対する収差の許容幅は、光ディスクの記
録密度が増大するにつれて狭くなり、装置の記録再生性
能を確保することが困難となる。
【0005】高密度光ディスクへの記録再生性能を確保
するために、光学系および駆動系のメカニカルな位置合
わせ調整だけでなく、専用センサを設けてチルト角を検
出し、光ヘッドあるいは対物レンズを適切に傾斜させる
といったチルト制御を導入することで、チルト角を補正
し、最適な記録および再生を実現するような光ディスク
装置が特許文献1に開示されている。
【0006】図3はこの従来の光ディスク装置の構成を
示すブロック図である。以下に、図3に示す光ディスク
装置のフォーカス制御およびチルト制御を説明する。
【0007】半導体レーザ等の光源1から発生する光ビ
ームは、ビームスプリッタ3を通り、光ビームを収束す
る収束手段である対物レンズ4により記録媒体である光
ディスク2のデータ面(信号記録面)上に収束照射され
る。光ディスク2のデータ面で回折反射された光ビーム
の戻り光は、ビームスプリッタ3で反射され、戻り光を
受光する受光手段であるディテクタ5で受光および検出
される。対物レンズ4は、移動手段であるフォーカスア
クチュエータ6によりデータ面に対して垂直方向(以下
この方向をフォーカス方向と称す)に移動し、光ディス
ク2のデータ面上における光ビームの収束状態を変化さ
せることができる。
【0008】ディテクタ5から出力された戻り光による
検出信号は、光ディスク2のデータ面上における光ビー
ムの収束状態に対応するフォーカスエラー信号(FE信
号)を生成するフォーカスエラー検出手段であるFE信
号生成部7に入力され、FE信号を生成する。FE信号
は、位相補償部8に入力され、たとえばDSP(デジタ
ルシグナルプロセッサ)によるデジタルフィルタで構成
された位相補償、低域補償回路を通過後、フォーカス駆
動信号として出力される。フォーカス駆動信号は、フォ
ーカス駆動部9において増幅され、増幅された信号がフ
ォーカスアクチュエータ6を駆動することにより、光デ
ィスクのデータ面上における光ビームの収束状態を常に
所定の収束状態になるように制御するフォーカス制御が
実現される。
【0009】次に、図3の従来の光ディスク装置におけ
るチルト制御を説明する。光ディスク2に照射された光
ビームの光軸とデータ面との傾きを検出するチルトセン
サ10は、光ディスク2のデータ面に向けて光を出射す
る発光ダイオード等の光源42と、データ面からの反射
光を受光し、検出信号を出力するディテクタ43から構
成されている。
【0010】光ディスク2に照射される光ビームの光軸
を傾動する光軸傾動手段であるチルトアクチュエータ1
1は、光ヘッド12を傾動させることによって光ディス
ク2と光ディスク2に照射された光ビームの光軸との傾
きを変化させることができる。チルト信号生成部13
は、チルトセンサ10からの検出信号を用いて、光ディ
スク2のデータ面と光軸との傾きに対応するチルト信号
を生成する。チルト制御部14はチルト信号を受け取っ
てチルトアクチュエータ駆動信号をチルトアクチュエー
タ11へ出力する。これにより、光ディスク2の信号記
録面に光ビームが常に直交して照射されるよう、光ヘッ
ド12を制御するチルト制御を実現していた。
【0011】
【特許文献1】特開平2−122432号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のチルト制御にお
いては、以下に示す課題があった。
【0013】チルトセンサを用いたチルト検出では、チ
ルトセンサによる検出位置と光ディスクのデータ面に照
射された光ビームの位置とを一致させることが空間的な
配置上困難である。なぜなら、光ビームのデータ面上の
照射位置の垂直下方には光ヘッド(特に対物レンズ4)
が常に存在するからである。このため、チルトセンサ
は、光ビーム位置から多少距離を置いた位置における光
ディスクの傾きを検出することとなる。その結果、光デ
ィスク2のデータ面が曲面形状になっている場合、チル
トセンサは、光ビーム位置におけるチルト角を正確に検
出できず、正確なチルト制御をおこなうことができない
という問題が生じる。
【0014】また、チルトセンサの個々の特性ばらつき
と、チルトセンサと光ヘッド12や光ディスクを回転さ
せる駆動機構との間に生じる組み立て時の配置誤差等に
よって、チルトセンサで検出したチルト角と実際のチル
ト角との間にずれ(ゼロ点オフセット)が発生する。こ
のゼロ点オフセットを所定値以下にするために、装置の
組立工程において光ディスク装置ごとに精密な調整が必
要となる。その結果、光ディスク装置の生産コストが上
昇するという問題が生じる。
【0015】さらに、装置の組立工程においてゼロ点オ
フセットが調整されていても、チルトセンサの経時変化
や温度特性によって誤差が発生し得る。このような組み
立て後の誤差によって、チルトセンサでは正確なチルト
制御ができないという問題も生じる。
【0016】近年市販される情報機器は、外形が小さい
ということが強く求められることが多い。しかし、上述
の従来の光ディスク装置では、チルトセンサの取り付け
スペースを確保するため、光ヘッドを小型化することが
難しくなる。このため、光ディスク装置を小型化するこ
とが困難になる。また、チルトセンサ自体が光ディスク
装置のコストを上昇させる要因にもなる。
【0017】本発明は上記課題の少なくとも1つを解決
し、適切なチルト制御によってデータの記録・再生を正
確におこなうことのできる光ディスク装置を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスク装置
は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒
体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、前記
光ビームを収束するための収束手段と、 前記データ面
と前記収束手段により収束される光ビームの焦点とのず
れを検知するフォーカスエラー検出手段と、前記収束手
段を前記データ面と垂直な方向に移動させるフォーカス
方向移動手段と、前記データ面上に前記光ビームが所定
の状態で収束するよう、前記フォーカスエラー検出手段
の出力に基づいて前記フォーカス方向移動手段を駆動す
るフォーカス制御手段と、前記光源を前記情報記録媒体
の半径方向に移動させるトラッキング方向移動手段と、
前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得
られる前記フォーカス制御手段の出力の平均値を前記半
径方向の異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる
2点おける平均値に基づいて、前記データ面の傾きを求
めるチルト計算手段とを備える。
【0019】ある好ましい実施形態において、前記回転
手段は、前記光源が前記情報記録媒体の内周側に位置す
るときに比べて外周側に位置するときのほうが回転速度
が小さくなるよう前記情報記録媒体を回転させ、前記倍
数の値を前記光源が前記情報記録媒体の内周側に位置す
るときに比べて外周側に位置するときに小さくする。
【0020】本発明の対物レンズの傾き制御装置は、対
物レンズの一端をその焦点方向へ移動させる第1のフォ
ーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する
第1の駆動手段と、対物レンズの他端をその焦点方向へ
移動させる第2のフォーカス方向移動手段を駆動するた
めの駆動値を出力する第2の駆動手段と、前記第1の駆
動手段および前記第2の駆動手段の駆動値を検出し、そ
れらの差を出力する駆動レベル差検出手段と、前記駆動
値の差が所定の値となるように前記第1の駆動手段およ
び前記第2の駆動手段を制御する制御手段とを備える。
【0021】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段
を停止させた状態における前記駆動値の差を基準レベル
として、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段
を制御する。
【0022】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1のフォーカス方向移動手段および前記
第2のフォーカス方向移動手段をそれぞれ前記第1の駆
動手段および前記第2の駆動手段から電気的に切り離す
とともに、前記第1のフォーカス方向移動手段および前
記第2のフォーカス方向移動手段へ出力する駆動値をそ
れぞれゼロにしたときの前記駆動値の差を基準レベルと
して、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を
制御する。
【0023】ある好ましい実施形態において、対物レン
ズの傾き制御装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で
更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温
度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基
準レベルを更新する。
【0024】また、本発明の光ディスク装置は、光ビー
ムを収束するための対物レンズと、前記対物レンズの一
端をその焦点方向へ移動させる第1のフォーカス方向移
動手段と、前記対物レンズの他端をその焦点方向へ移動
させる第2のフォーカス方向移動手段と、上記いずれか
に記載の対物レンズの傾き制御装置とを備える。
【0025】ある好ましい実施形態において、前記光デ
ィスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、
情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光
源と、前記データ面と前記収束手段により収束される光
ビームの焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出
手段と、前記光源を前記情報記録媒体の半径方向に移動
させるトラッキング方向移動手段と、前記フォーカス制
御手段の出力を前記半径方向の異なる2点においてそれ
ぞれ求め、前記異なる2点の出力に基づいて、前記デー
タ面の傾きを求めるチルト計算手段とをさらに備え、前
記チルト計算手段の計算結果に基づいて、前記所定の値
を決定する。
【0026】本発明のフォーカス駆動装置は、対物レン
ズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段
を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆
動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動
値をゼロに設定した状態における前記駆動レベル検出手
段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに基づいて
前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0027】また、本発明のフォーカス駆動装置は、対
物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移
動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、
前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前
記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記駆
動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基準
レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補
正する。
【0028】また、本発明のフォーカス駆動装置は、対
物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移
動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、
前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前
記駆動レベル検出手段を前記フォーカス方向移動手段か
ら電気的に切り離すとともに、前記フォーカス方向移動
手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レベ
ル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベルに
基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0029】ある好ましい実施形態において、フォーカ
ス駆動置は、前記基準レベルを所定の時間間隔で更新す
る。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度セン
サの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベ
ルを更新する。
【0030】また、本発明の光ディスク装置は、光ビー
ムを収束するための対物レンズと、前記対物レンズをそ
の焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段と、前
記対物レンズによって収束された光ビームの焦点と所定
の位置とのずれを示すフォーカスエラー信号を生成する
フォーカスエラー検出手段と、上記いずれかに記載のフ
ォーカス駆動装置と、前記フォーカスエラー信号と前記
駆動レベル検出手段の出力とが所定の関係になるように
前記駆動手段を制御する制御要素手段とを備える。
【0031】ある好ましい実施形態において、前記フォ
ーカス駆動装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段
と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照
射する光源とをさらに備える。
【0032】本発明のトラッキング駆動装置は、対物レ
ンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッキン
グ方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動
手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを
備え、前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆
動レベル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レ
ベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正
する。
【0033】また本発明のトラッキング駆動装置は、対
物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッ
キング方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する
駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段
とを備え、前記駆動手段の動作を所定期間停止した際に
おける前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとし
て、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直
流レベルを補正する。
【0034】また、本発明のトラッキング駆動装置は、
対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラ
ッキング方向移動手段を駆動するための駆動値を出力す
る駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手
段とを備え、前記駆動レベル検出手段を前記トラッキン
グ方向移動手段から電気的に切り離すとともに、前記ト
ラッキング方向移動手段へ出力する駆動値をゼロにした
ときの前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとし
て前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流
レベルを補正する。
【0035】ある好ましい実施形態において、トラッキ
ング駆動装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で更新
する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度セ
ンサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レ
ベルを更新する。
【0036】また本発明の光ディスク装置は、光ビーム
を収束するための対物レンズと、対物レンズを情報記録
媒体の半径方向へ移動させるトラッキング方向移動手段
と、前記対物レンズによって収束された光ビームと所定
の位置とのずれを示すトラッキングエラー信号を生成す
るトラッキングエラー検出手段と、上記いずれかに記載
のトラッキング駆動装置と、前記トラッキングエラー信
号と前記駆動レベル検出手段の出力とが所定の関係にな
るように前記駆動手段を制御する制御要素手段とを備え
る。
【0037】ある好ましい実施形態において、前記光デ
ィスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、
情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照射す
る光源とをさらに備える。
【0038】本発明の対物レンズの傾き制御装置、対物
レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆動するた
めの駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出す
る駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動値をゼロに設
定した状態における前記駆動レベル検出手段の出力を基
準レベルとし、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段
の出力の直流レベルを補正する。
【0039】また、本発明の対物レンズの傾き制御装置
は、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆
動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値
を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動手段
の動作を所定期間停止した際における前記駆動レベル検
出手段の出力を基準レベルとして、前記基準レベルに基
づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0040】また、本発明の対物レンズの傾き制御装置
は、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆
動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値
を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動レベ
ル検出手段を対物レンズ傾き手段から電気的に切り離す
とともに、前記トラッキング方向移動手段へ出力する駆
動値をゼロにしたときの前記駆動レベル検出手段の出力
を基準レベルとして前記基準レベルに基づいて前記駆動
手段の出力の直流レベルを補正する。
【0041】ある好ましい実施形態において、対物レン
ズの傾き制御装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で
更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温
度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基
準レベルを更新する。
【0042】また、本発明の光ディスク装置は、光ビー
ムを収束するための対物レンズと、対物レンズの傾きを
変える対物レンズ傾き手段と、上記いずれかに記載の対
物レンズの傾き制御装置と、前記駆動レベル検出手段の
出力が所定の値となるように前記駆動手段を制御する制
御要素手段とを備える。
【0043】ある好ましい実施形態において、前記光デ
ィスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、
情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照射す
る光源とをさらに備える。
【0044】また、本発明の光ディスク装置は、情報記
録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、
前記光ビームを収束する収束手段と、前記収束手段と前
記データ面との距離が変化するように前記収束手段を移
動させる移動手段と、前記データ面から反射された光ビ
ームの戻り光を受光する受光手段と、前記受光手段から
の信号に基づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビ
ームの収束状態に応じた信号を発生するフォーカスエラ
ー検出手段と、前記フォーカスエラー検出手段からの信
号に基づいて前記移動手段に駆動信号を出力して、前記
光ビームが所定の収束状態になるよう制御するフォーカ
ス制御手段と、前記収束手段を傾ける傾き手段と、前記
駆動信号に基づいて前記データ面の形状を算出するため
に用いる少なくとも1つの計算式を決定し、前記決定し
た計算式を用いて前記データ面のチルト量を求めるチル
ト計算手段と、前記チルト量に応じて、傾き手段を駆動
し、前記データ面に対し光ビームが実質的に垂直に照射
されるよう制御するチルト制御手段とを備える。
【0045】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記計算式を決定した以降に得られた前
記駆動信号に基づき、前記決定した計算式を更新する。
【0046】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記情報記録媒体を前記光ディスク装置
に装填した後、前記情報記録媒体に対して記録または再
生を行う前に、前記計算式を決定するために行う駆動信
号の初期検出と、前記情報記録媒体に対して記録または
再生中、前記計算式の更新のために行う駆動信号の補完
検出とを実行する。
【0047】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記データ面の異なる半径位置において
設定された複数の検出点において、前記光ビームが前記
データ面を照射する際に得られるフォーカス制御手段の
駆動信号に基づいて前記計算式を決定する。
【0048】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記情報記録媒体に対して記録または再
生中、前記光ビームが前記複数の検出点のいずれかに到
達あるいは通過するたびに、駆動信号の検出および前記
計算式の更新を行う。
【0049】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記初期検出の前に、前記情報記録媒体
の半径方向の複数の位置において前記駆動信号を検出
し、検出結果から前記データ面の反り形状を判断し、前
記判断した結果に基づいて、前記初期検出および前記補
完検出において駆動信号を検出する検出点の位置を決定
する。
【0050】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記データ面の反り形状形が、第1の形
状であると判断した場合、前記初期検出および前記補完
検出における複数の検出点の配置が、前記データ面の中
周部に比べ、内周部および外周部において密となるよう
に設定し、前記データ面の反り形状形が、第2の形状で
あると判断した場合、前記初期検出および前記補完検出
における複数の検出点の位置が内周部、中周部および外
周部において等間隔となるように設定する。
【0051】ある好ましい実施形態において、光ディス
ク装置は、前記データ面にデータを記録する際生じる書
き込みエラー、あるいは前記データ面に記録されたデー
タを再生する際に生じる読み込みエラーを検出するエラ
ー検出手段をさらに備え、前記補完検出における前記計
算式の更新に用いる前記駆動信号の検出を、前記エラー
検出手段の信号に基づいて行う。
【0052】ある好ましい実施形態において、前記エラ
ー検出手段は、前記情報記録媒体から再生したデータの
符号誤りを検出し、訂正する符号誤り訂正手段をさらに
備え、前記補完検出を前記符号誤り訂正手段の符号誤り
数が所定値を超えるごとに、実行する。
【0053】ある好ましい実施形態において、前記エラ
ー検出手段は、前記データ面の位置情報に相当するアド
レス情報の再生エラーを検出するアドレスエラー検出手
段を備え、前記補完検出を前記再生エラーが所定数を超
えるごとに実行する。
【0054】ある好ましい実施形態において、光ディス
ク装置は、前記情報記録媒体から再生したデータと、前
記情報記録媒体に記録するデータをそれぞれ一時的に格
納するバッファ手段を備え、前記補完検出を、前記バッ
ファ手段に格納されたデータの量に基づいて実行する。
【0055】ある好ましい実施形態において、前記補完
検出における前記駆動信号の検出の時間間隔は、前記情
報記録媒体からデータを再生する場合と前記情報記録媒
体へデータを記録する場合とで異なっている。
【0056】ある好ましい実施形態において、光ディス
ク装置は、温度センサーをさらに備え、前記補完検出を
前記温度センサーの出力が所定値以上変化した場合に実
行する。
【0057】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段の計算式は、前記データ面のチルトを近似す
るための反り関数を含み、前記補完検出において、前記
計算式を更新する際、前記反り関数の次数を設定する。
【0058】ある好ましい実施形態において、光ディス
ク装置は、前記情報記録媒体を所定の回転数で回転させ
る回転手段をさらに備え、フォーカス制御手段が出力す
る前記駆動信号は、前記情報記録媒体が1回転する期間
の整数倍の期間の平均の値である。
【0059】ある好ましい実施形態において、光ディス
く装置は、前記情報記録媒体を所定の回転数で回転させ
る回転手段と、前記情報記録媒体に対して記録または再
生を行う場合に前記回転手段を線速度一定になるよう制
御し、前記初期検出時には、前記回転手段を角速度一定
になるよう制御する回転制御手段とをさらに備える。
【0060】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記複数の検出点のひとつにおいて前記
駆動信号の検出を2回以上行う場合、これまでに取得し
た駆動信号の値の平均値を用いて、前記計算式の更新を
行う。
【0061】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記複数の検出点のひとつにおいて前記
駆動信号の検出を2回以上行う場合、これまでに検出取
得した駆動信号の値に対して、所定の範囲外であれば、
その駆動信号の検出結果を不正確と判断し、前記計算式
の更新を中止する。
【0062】ある好ましい実施形態において、前記少な
くとも1つの計算式は、データ面の反りを近似する反り
関数と、半径方向の任意の位置における傾きを示すチル
ト近似関数とを含む。
【0063】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段の計算式は折れ線関数を含む。
【0064】ある好ましい実施形態において、前記チル
ト計算手段は、前記情報記録媒体に対して記録または再
生中、前記光ビームが前記複数の検出点のいずれかに到
達あるいは通過するたびに、駆動信号の検出を行い、検
出結果に基づいて前記折れ線関数を決定する際に用いた
すべての駆動信号の値を補正し、補正した駆動信号の値
に基づいて折れ線関数を更新する。
【0065】ある好ましい実施形態において、前記初期
検出および前記補完検出における複数の検出点の配置が
前記データ面の中周部に比べ、内周部および外周部にお
いて密となるように設定されている。
【0066】ある好ましい実施形態において、前記情報
記録媒体のデータ面が第1および第2の記録層を有して
いる場合、チルト計算手段は、前記第1および第2の記
録層の形状を算出するために用いる少なくとも1つの計
算式をそれぞれ決定し、前記決定した計算式を用いて前
記第1および第2の記録層および前記収束手段のチルト
量を求める。
【0067】ある好ましい実施形態において、前記移動
手段は、前記データ面に対して前記収束手段を略垂直方
向に駆動する一対のフォーカスアクチュエータであり、
前記傾き手段は、前記データ面に対して傾くように前記
収束手段を駆動する前記一対のフォーカスアクチュエー
タである。
【0068】ある好ましい実施形態において、前記移動
手段は、前記データ面に対して前記収束手段を略垂直方
向に駆動する一対のフォーカスアクチュエータであり、
前記傾き手段は、前記データ面に対して傾くように前記
収束手段を駆動するチルトアクチュエータである。
【0069】本発明の光ディスク装置の制御方法は、情
報記録媒体のデータ面に照射した光ビームが所定の収束
常態を保つように、前記光ビームを収束させるための収
束手段を前記データ面と垂直な方向に駆動するステップ
と、前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間
に得られる前記収束手段を駆動する駆動信号の平均値を
求めるステップと、前記平均値を前記情報記録媒体の半
径方向における異なる2点においてそれぞれ求め、前記
異なる2点おける平均値に基づいて、前記データ面の傾
きを求めるステップと、前記データ面の傾きに基づい
て、前記収束手段の傾きを変化させるステップとを包含
する。
【0070】本発明の対物レンズの傾き制御方法は、対
物レンズの両端をその焦点方向に駆動するステップと、
前記両端を駆動するための駆動信号の差を検出するステ
ップと、前記駆動信号の差が所定の値となるように前記
第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御するス
テップとを包含する。
【0071】また、本発明の対物レンズの駆動方法は、
対物レンズを所定の方向に駆動するための駆動信号を出
力するステップと、前記駆動信号を検出するステップ
と、前記駆動信号をゼロに設定した状態において、前記
検出ステップで検出した値を基準レベルとし、前記基準
レベルに基づいて前記駆動信号の直流レベルを補正する
ステップとを包含する。
【0072】また、本発明の対物レンズの駆動方法は、
対物レンズを所定の方向に駆動するための駆動信号を出
力するステップと、前記駆動信号を検出するステップ
と、前記駆動信号の出力を所定期間停止した際における
前記検出ステップで検出した値を基準レベルとして、前
記基準レベルに基づいて駆動信号の直流レベルを補正す
るステップとを包含する。
【0073】また、本発明の対物レンズの駆動方法は、
対物レンズを所定の方向に移動させるための移動手段を
駆動する駆動信号を出力するステップと、前記駆動信号
を検出するステップと、前記駆動信号を出力する手段と
前記移動手段とを電気的に切り離すとともに、前記駆動
信号をゼロにしたときの前記検出ステップで検出した値
を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて駆動信
号の直流レベルを補正するステップと包含する。
【0074】ある好ましい実施形態において、前記所定
の方向はフォーカス方向である。
【0075】ある好ましい実施形態において、前記所定
の方向はトラキング方向である。
【0076】ある好ましい実施形態において、前記所定
の方向はチルト方向である。
【0077】また、本発明の光ディスク装置の制御方法
は、情報記録媒体のデータ面に照射した光ビームの収束
状態を変化させるために、前記光ビームを収束させるた
めの収束手段を前記データ面と垂直な方向に駆動するス
テップと、前記データ面から反射された光ビームの戻り
光を受光するステップと、前記受光手段からの信号に基
づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビームの収束
状態に応じた信号を発生するステップと、前記収束状態
に応じた信号に基づいて、前記収束手段を移動させる手
段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定の収束状
態になるよう制御するステップと、前記駆動信号に基づ
いて前記データ面の形状を算出するために用いる少なく
とも1つの計算式を決定し、前記決定した計算式を用い
て前記データ面および前記収束手段のチルト量を求める
ステップと、前記チルト量に応じて、前記収束手段の傾
きを変化させる手段を駆動し、前記データ面に対し光ビ
ームが実質的に垂直に照射されるよう制御するステップ
とを、包含する。
【0078】また、本発明の光ディスク装置の制御方法
は、前記情報記録媒体のデータ面を照射する光ビームが
所定の収束状態になるようフォーカス制御を行っている
状態で、前記情報記録媒体の半径方向における異なる複
数の位置において前記光ビームが前記データ面を照射す
る際に得られるフォーカス駆動信号を取得するステップ
(A)と、前記取得した複数のフォーカス駆動信号の値
に基づいて、前記データ記録面の形状を算出するために
用いる少なくとも1つの計算式を決定するステップ
(B)と、前記決定した計算式を用いて、前記データ記
録面のチルト量を求め、求めたチルト量に基づいて対物
レンズの傾きを変化させるステップ(C)と、を包含す
る。
【0079】ある好ましい実施形態において、ステップ
(B)を実行後、フォーカス制御を行っている状態で、
前記情報記録媒体の半径方向における少なくとも1つ以
上の所定の位置において前記光ビームが前記データ面を
照射する際に得られるフォーカス駆動信号を取得するス
テップ(D)と、ステップ(D)およびステップ(A)
で取得したフォーカス駆動信号の値に基づいて、前記計
算式を更新するステップ(E)と、更新した計算式に基
づいて、前記データ記録面のチルト量を求め、求めたチ
ルト量に基づいて対物レンズの傾きを変化させるステッ
プ(F)と、をさらに包含する。
【0080】ある好ましい実施形態において、前記光ビ
ームが前記情報記録媒体の半径方向における少なくとも
1つ以上の所定の位置のいずれかに到達あるいは通過す
るたびに、前記ステップ(D)〜(F)を実行する。
【0081】ある好ましい実施形態において、前記デー
タ面にデータを記録する際生じる書き込みエラー、ある
いは前記データ面に記録されたデータを再生する際に生
じる読み込みエラーを検出し、検出結果に基づいて、前
記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0082】ある好ましい実施形態において、前記情報
記録媒体から再生したデータと、前記情報記録媒体に記
録するデータをそれぞれ一時的に格納するデータの量に
基づいて、前記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0083】ある好ましい実施形態において、前記光デ
ィスク装置内の温度を検出し、温度の変化が所定の値以
上である場合に前記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0084】ある好ましい実施形態において、前記ステ
ップ(A)および(D)においてフォーカス駆動信号を
取得する位置は、前記情報記録媒体の中周部よりも外周
部において密に配置されている。
【0085】ある好ましい実施形態において、前記計算
式は折れ線関数を含む。
【0086】ある好ましい実施形態において、前記ステ
ップ(D)において、前記少なくとも1つ以上の所定の
位置のいずれかにおいて前記フォーカス駆動信号を取得
し、ステップ(D)で取得した前記フォーカス駆動信号
に基づいて、ステップ(A)で取得した前記フォーカス
駆動信号をすべて補正し、補正したフォーカス駆動信号
にもとづいて前記ステップ(E)を実行する。
【0087】ある好ましい実施形態において、前記フォ
ーカス駆動信号の取得を前記情報記録媒体が1回転する
期間の整数倍の期間行い、その平均値をフォーカス駆動
信号の値として用いる。
【0088】本発明のコンピュータ読み取り可能な記録
媒体は、上記いずれかに記載の方法において規定した各
ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム
を記録している。
【0089】
【発明の実施の形態】光ディスクのデータ面に対する光
ビームの軸の傾きは、光ディスクの半径方向および光デ
ィスクの周方向に分けることができる。このうち周方向
のチルトによる影響は、一般に信号処理によって除去す
るように再生信号処理回路は構成される。本発明では、
光ディスクの半径方向のチルトを取り扱う。以下、本願
明細書において、光ディスクの半径方向のチルト(ラジ
アル方向のチルト)を単にチルトあるいはチルト角と呼
ぶ。
【0090】まず本発明の実施形態において共通に利用
する技術であるフォーカス駆動信号を用いたチルト角の
検出を説明する。図4(a)は、チルトが発生した場合
の対物レンズ4と光ディスク2のデータ面との相対位置
を示した模式図であり、図4(b)は、光ヘッドの位置
とその位置におけるフォーカス駆動信号値との関係を示
した模式図である。図3を参照して説明したように、光
ディスク装置では、光ディスク2のデータ面上において
光ビームが常に所定の収束状態になるようフォーカスア
クチュエータを駆動させることにより、フォーカス制御
を行っている。したがって、フォーカス制御が行われて
いる間、光ディスク2のデータ面と対物レンズ4との距
離は半径位置に関わらず一定(L)となる。光ディスク
2が傾いている場合、それに対応して対物レンズ4の位
置は変化するため、半径位置d1およびd2における対
物レンズ4の位置の差はZrとなる。
【0091】このZrは光ディスク2の半径位置d1お
よびd2におけるデータ面の高さの差Zdに等しくな
る。ディスクの水平面に対する傾きθdと、半径位置d
1およびd2における対物レンズ4の位置を結ぶ線と水
平面とがなす角θrは等しいため、Zrと半径位置d1
およびd2の差Rとから光ディスク2のデータ面の傾き
を次式(1)により求めることができる。
【0092】 θd=θr=tan-1(Zr/R) (1)
【0093】また、フォーカスアクチュエータを制御す
るための駆動入力であるフォーカス駆動信号値と対物レ
ンズ4の変位との関係はあらかじめ分かっているため、
対物レンズ4のフォーカス方向の位置はフォーカス駆動
信号値から求めることができる。ここで、フォーカス駆
動信号値と対物レンズ4のフォーカス方向の変位量との
関係をPf、半径位置d1およびd2におけるフォーカ
ス駆動信号値の差がVsとすると、式(1)より、θd
は次式(2)で表される。
【0094】 θd=tan-1(Pf×Vs/R) (2)
【0095】たとえばCDあるいはDVDといった光デ
ィスク2において生じる傾きは1度程度であるため、θ
dを次式(3)のように近似しても誤差はほとんどな
い。
【0096】 θd≒Pf×Vs/R (3)
【0097】以上のように、半径位置に対するフォーカ
ス駆動信号値の変化は、半径方向に対するデータ面の反
り量の変化と概ね等価となる。このため、この関係を利
用し、所定の半径位置ごとのフォーカス駆動信号値を検
出することで、ラジアルチルト角を検出することができ
る。
【0098】以下の実施形態において、このフォーカス
駆動信号値(信号)からラジアルチルトを計算し、その
計算結果を用いてチルト制御を行う光ディスク装置およ
び制御方法を説明する。特に、第1から第4の実施形態
は、主として光ビームの制御方法に関し、第5から第7
の実施形態は、主として光ディスクのデータ面のチルト
検出および検出したチルト角に基づくチルト補正の方法
に関する。
【0099】(第1の実施形態)図5は本発明による光
ディスク装置の第1の実施形態を示すブロック図であ
る。光ディスク装置801において、光ディスク100
は、回転手段に対応するモータ101に取り付けられ、
所定の回転数で回転する。モータ101は、回転制御手
段に対応するモータ制御部102によって制御されてい
る。モータ101の回転数は、マイクロコンピュータ1
30(以下では、マイコン130と記す。)によって設
定される。回転検出部131は、モータ101が1回転
する毎にパルスを出力する。以下では、この信号を1回
転信号(PG)と記す。1回転信号はマイコン130へ
送られる。
【0100】光ディスク100は、所定の厚さの基板を
有しており、基板の一面であるデータ面に光ビームが照
射される。データ面には、凹凸で形成されたスパイラル
状のトラックが形成されている。光ヘッド114には、
対物レンズ103、光ビームを出射する光源となるレー
ザ109、カップリングレンズ108、ビームスプリッ
タ110、1/4波長板107、全反射鏡105、検出
レンズ111、円筒レンズ112、ディテクタ113、
アクチュエータ104が取り付けられている。
【0101】移送モータ118は、トラッキング方向移
動手段として機能し、光ヘッド114を光ディスク10
0の半径方向(図では左右の方向)に移動する。移送モ
ータ118は、マイコン130によって制御される。
【0102】レーザ109より発生した光ビーム106
は、カップリングレンズ108で平行光にされた後、ビ
ームスプリッタ110、1/4波長板107を通過し、
全反射鏡105で反射され、対物レンズ103により光
ディスク100のデータ面上に集束して照射される。
【0103】光ディスク100のデータ面により反射さ
れた反射光は、対物レンズ103を通過して全反射鏡1
05で反射され、1/4波長板107、ビームスプリッ
タ110、検出レンズ111および円筒レンズ112を
通過して、複数に分割された(本実施形態では4個)受
光部からなるディテクタ113に入射する。対物レンズ
103はアクチュエータ104の可動部(以下、レンズ
ホルダーと記す)に取り付けられている。アクチュエー
タ104は第1のフォーカス用コイル135および第2
のフォーカス用コイル136、第1のフォーカス用永久
磁石(図示せず)および第2のフォーカス用永久磁石
(図示せず)を含む。アクチュエータ104および第1
のフォーカス用コイル135ならびにアクチュエータ1
04および第2のフォーカス用コイル136はそれぞれ
第1のフォーカス方向制御手段および第2のフォーカス
方向制御手段として機能する。第1のフォーカス方向制
御手段および第2のフォーカス方向制御手段は、フォー
カス方向移動手段として機能する。
【0104】第1フォーカス用コイル135および第2
のフォーカス用コイル136は、アクチュエータ104
の固定部に取り付けられている。また、第1フォーカス
用の永久磁石および第2のフォーカス用の永久磁石は、
それぞれレンズホルダーに取り付けられている。
【0105】第1のフォーカス用コイル135および第
2のフォーカス用コイル136は、対物レンズ103を
挟んで光ディスク100の半径方向に配置されている。
なお、図5では、正しく図示するのが困難であるため、
第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカ
ス用コイル136は対物レンズ103に対して、片側に
位置して示している。
【0106】アクチュエータ104の第1のフォーカス
用コイル135および第2のフォーカス用コイル136
に第1の駆動手段である第1フォーカス駆動部125お
よび第2の駆動手段である第2フォーカス駆動部126
を用いて等しい電圧を加えると、第1のフォーカス用コ
イル135および第2のフォーカス用コイル136に同
じ大きさの電流が流れ、第1のフォーカス用コイル13
5および第2のフォーカス用コイル136は等しい磁束
を発生する。発生したそれぞれの磁束は第1のフォーカ
ス用永久磁石および第2のフォーカス用永久磁石の磁束
に等しい影響を与える。よって、対物レンズ103は光
ディスク100のデータ面と垂直な方向(図では上下方
向)に移動する。以下では、この方向をフォーカス方向
と呼ぶ。
【0107】アクチュエータ104の第1フォーカス用
コイル135および第2のフォーカス用コイル136に
第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動
部126を用いて異なる電圧を加えると、第1のフォー
カス用コイル135および第2のフォーカス用コイル1
36の駆動電流に差が生じ、第1のフォーカス用コイル
135が発生する磁束と第2のフォーカス用コイル13
6が発生する磁束と対応するフォーカス用永久磁石の磁
束に与える影響が異なるようになる。このため、光ディ
スクの半径方向において、対物レンズ103の内側と外
側のフォーカス方向の変位量が異なる。その結果、対物
レンズ103は光ディスク100の半径方向に傾く。光
ビーム106の光軸に対して対物レンズ103の光軸が
光ディスク100の半径方向に傾くと、半径方向にコマ
収差が発生する。なお、光ディスク100が光ビーム1
06の光軸に対して半径方向に傾くと半径方向にコマ収
差が発生する。
【0108】このように、第1のフォーカス用コイル1
35および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流
に差を与えて対物レンズ103を半径方向に傾けること
によって光ディスク100が半径方向に傾くことによっ
て生じるコマ収差を相殺させることができる。すなわ
ち、光ディスク100が傾いていても、それに応じて対
物レンズ103を傾けることによってコマ収差を低減
し、良好なデータの再生特性および記録特性を確保する
ことができる。
【0109】ディテクタ113は、4個の受光部より形
成されている。ディテクタ113上に入射した光ディス
クからの反射光は、フォーカスエラー信号生成部115
(以下、FE信号生成部115と記す。)へ送られる。
FE信号生成部115は、フォーカスエラー検出手段と
して、光ビーム106の焦点と光ディスク100のデー
タ面とのずれを示すフォーカスエラー信号(以下、FE
信号と記す。)を生成する。
【0110】図5に示した光学系は一般に非点収差法と
呼ばれるFE信号の検出方式を構成している。FE信号
は、位相補償部116へ送られる。位相補償部116
は、フォーカス制御系を安定にするための位相を進める
フィルタである。位相補償部116の出力であるフォー
カス駆動信号は、マイコン130へ送られる。また、加
算部124の一方の+端子およびを減算部123の+端
子を介してそれぞれ第2フォーカス駆動部126と第1
フォーカス駆動部125とへ送られる。
【0111】加算部124は、それぞれの+端子に入力
される信号を加算した値を出力する。減算部123は、
+端子に入力される信号から−端子に入力される信号を
減算した値を出力する。
【0112】非点収差法によるフィードバックループに
より、第1のフォーカス用コイル135および第2のフ
ォーカス用コイル136にそれぞれ同じ電流が流れるよ
うに第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス
駆動部126は電圧を出力する。
【0113】なお、駆動電流検出部127、駆動電流検
出部128は第1のフォーカス用コイル135、第2の
フォーカス用コイル136に流れる駆動電流量をそれぞ
れ検出する。位相補償部116、第1フォーカス駆動部
125および第2フォーカス駆動部126は、フォーカ
ス制御手段として機能し、光ビーム106の焦点と光デ
ィスク100のデータ面とのずれを示すFE信号に応じ
た電流が第1のフォーカス用コイル135および第2の
フォーカス用コイル136に等しく流れるので、光ビー
ム106の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位
置するように対物レンズ103は制御される。
【0114】駆動電流検出部127および駆動電流検出
部128は、第1のフォーカス用コイル135および第
2のフォーカス用コイル136に流れる駆動電流を検出
し、減算部120の+端子、一方の−端子(図で「−
1」と示されている端子)へ送る。減算部120の他方
の−端子(図で「−2」と示されている端子)は、マイ
コン130に接続されている。減算部120は、+端子
の入力信号から2つの−端子の入力信号を減算した値を
出力する。したがって、マイコン130から入力がなさ
れる−端子の入力信号がゼロの場合、減算部120の出
力は第1のフォーカス用コイル135および第2のフォ
ーカス用コイル136に流れる駆動電流の差を示す。こ
の信号を以下では駆動電流差信号と記す。なお、マイコ
ン130が減算部120の−端子に設定する信号につい
ては後述する。駆動電流差信号は、減算部122の−端
子へ送られる。駆動電流検出部127、駆動電流検出部
128および減算部120は対物レンズの傾きを制御す
るための駆動レベル差を検出する手段として機能する。
【0115】マイコン130は、光ディスク100の異
なる半径方向の2点における位相補償部116の出力の
差とその2点の間隔から、光ディスク100の半径方向
の傾きであるチルト角を検出する。光ヘッド114の半
径方向への移動は移送モータ118によって行う。
【0116】対物レンズ103の傾き量(チルト角)
は、マイコン130によって減算部122の+端子に設
定される。
【0117】減算部122の出力は、位相補償部121
を介して減算部123の−端子および加算部124の一
方の+端子へ送られる。位相補償部121の出力が、減
算部123の−端子および加算部124の+端子へ送ら
れることによって第1のフォーカス用コイル135と第
2のフォーカス用コイル136の駆動電流に差が生じ
る。
【0118】したがって、駆動電流差信号のレベルが、
マイコン130によって減算部122の+端子に設定さ
れたレベルと等しくなるように制御される。これによ
り、対物レンズ103は、マイコン130によって減算
部122の+端子に設定されたレベルに応じたチルトに
なる。すなわち、対物レンズ103は、光ディスク10
0の傾きに応じて制御される。位相補償部121は、駆
動電流差信号の制御系を安定にするための位相補償フィ
ルタである。このように、位相補償部121、減算部1
22、減算部123、加算部124、およびマイコン1
30は、対物レンズの傾きを制御する制御手段として機
能する。
【0119】なお、駆動電流検出部127は、第1フォ
ーカス駆動部125を第1のフォーカス用コイル135
から電気的に切り離すことができる構成となっている。
また、同様に駆動電流検出部128は、第2フォーカス
駆動部126を第2のフォーカス用コイル136から電
気的に切り離すことができる構成となっている。駆動電
流検出部127、128の端子cをハイレベルにするこ
とで、この電気的に切り離した状態を設定できる。
【0120】この切り離した状態での減算部120の出
力は、駆動電流検出部127、128および減算部12
0の回路オフセットを示す。なお、マイコン130が減
算部120の−端子へ入力する信号は、ゼロレベルに設
定されている。詳細は後述する。
【0121】マイコン130は、駆動電流検出部12
7、駆動電流検出部128の端子cをハイレベルにした
状態で減算部120の出力を取り込み、取り込んだ値が
ゼロになるように減算部120の−端子へ入力する信号
のレベルを調整する。したがって、駆動電流差信号のオ
フセットが除去される。
【0122】次に、各ブロックの動作を詳細に説明す
る。図6は光ディスク装置801のアクチュエータ10
4を上から見た平面図である。フォーカス用コイルa2
02とフォーカス用コイルb203は直列に接続されて
おり第1のフォーカス用コイル135を構成する。フォ
ーカス用コイルc204とフォーカス用コイルd205
は直列に接続されており第2のフォーカス用コイル13
6を構成する。対物レンズ103を挟んでディスクの半
径方向(図では上下方向)に第1のフォーカス用コイル
135と第2のフォーカス用コイル136は配置されて
いる。
【0123】対物レンズ103を保持するレンズホルダ
ー200は、ワイヤ180によって光ヘッド114の固
定部(不図示)につながれている。また、第1のフォー
カス用コイル135および第2のフォーカス用コイル1
36も光ヘッド114の固定部に取り付けられている。
第1のフォーカス用永久磁石201および第2のフォー
カス用永久磁石206は、レンズホルダー200に取り
付けられている。
【0124】第1のフォーカス用コイル135の駆動電
流を第2のフォーカス用コイル136の駆動電流と逆の
方向に流すと、第1のフォーカス用コイル135に生じ
る磁束と第2のフォーカス用コイル136によって発生
する磁束の方向が逆になる。したがって、第1のフォー
カス用永久磁石201の磁束が受ける影響と第2のフォ
ーカス用永久磁石206の磁束が受ける影響の方向が逆
になる。レンズホルダー200が光ディスク100のデ
ータ面に近づくように、第1のフォーカス用コイル13
5に駆動電流を流し、光ディスク100のデータ面から
遠ざかるように、第2のフォーカス用コイル136に駆
動電流を流すと、レンズホルダー200の内周側(第1
のフォーカス用コイル135が配置された側)が光ディ
スク100のデータ面に近づき、レンズホルダー200
の外周側は光ディスク100のデータ面から離れる。す
なわち、対物レンズ103の光軸が外周側に傾く。
【0125】また、レンズホルダー200が光ディスク
100のデータ面から遠ざかるように、第1のフォーカ
ス用コイル135に駆動電流を流し、光ディスク100
のデータ面に近づくように、第2のフォーカス用コイル
136に駆動電流を流すと、レンズホルダー200の内
周側(第1のフォーカス用コイル135が配置された
側)が光ディスク100のデータ面から遠ざかり、レン
ズホルダー200の外周側は光ディスク100のデータ
面に近づく。すなわち、対物レンズ103の光軸が内周
側に傾く。
【0126】第1のフォーカス用コイル135の駆動電
流および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流の
方向を同じにすると、第1のフォーカス用コイル135
に生じる磁束および第2のフォーカス用コイル136に
よって発生する磁束の方向が同じになる。したがって、
第1の永久磁石201の磁束が受ける影響と第2の永久
磁石206の磁束が受ける影響の方向も同じになり、レ
ンズホルダー200は、傾くことなくフォーカス方向に
動く。即ち、第1のフォーカス用コイル135と第2の
フォーカス用コイル136をそれぞれ同位相で駆動する
と、対物レンズ103は、フォーカス方向に移動し、逆
相で駆動すると傾く。
【0127】ここで、対物レンズ103の傾きに対する
減算部120の出力である第1のフォーカス用コイル1
35および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流
の差の関係をPtとする。対物レンズ103をθrだけ
傾ける場合には、減算部122の+端子に式(4)で示
すYの値を設定する。
【0128】Y=θr×Pt (4)
【0129】これによって、減算部122の+端子と−
端子のレベルが等しくなる。したがって、対物レンズ1
03の傾きがUrになる。次に、駆動電流検出部127
および128の動作を説明する。
【0130】図7は、駆動電流検出部127の構成を示
すブロック図である。端子250は減算部120の一方
の−端子に、端子251は第1フォーカス駆動部125
に、端子252は第1のフォーカス用コイル135に、
端子253はマイコン130にそれぞれ接続される。つ
まり、端子250は図5に示す駆動電流検出部127の
端子dに相当する。同様に、端子251は端子bに、端
子252は端子aに、端子253は端子cにそれぞれ対
応する。
【0131】スイッチ256、257、258は、たと
えばそれぞれの端子cへハイレベルの信号が入力された
場合に閉じる構成になっている。反転部259は、入力
レベルを反転して出力するディジタル回路である。
【0132】第1フォーカス駆動部125によって第1
のフォーカス用コイル135に電流が流れるとき、抵抗
255にも同じ大きさの電流が流れる。電圧降下によっ
て抵抗255の両端に電圧差が生じる。抵抗255の端
子aはスイッチ257の端子aに、抵抗255の端子b
はスイッチ258の端子aにそれぞれ接続されている。
スイッチ256の端子aは減算部254の−端子に、ス
イッチ256の端子bは減算部254の+端子にそれぞ
れ接続されている。減算部254は、+端子の入力レベ
ルから−端子の入力レベルを減算した値を端子250に
出力する。
【0133】通常、端子253はマイコン130によっ
てローレベルに設定されている。したがって、スイッチ
256は開いて、スイッチ257、258は閉じてい
る。よって、減算部254の+端子に抵抗255の端子
aの信号が、減算部254の−端子に抵抗255の端子
bの信号がそれぞれ送られる。減算部254の出力は、
抵抗255の電圧降下のレベルを示す。すなわち、第1
のフォーカス用コイル135に流れる電流値を示す。
【0134】駆動電流検出部128の構成も駆動電流検
出部127の構成と同様である。よって、駆動電流検出
部128の出力は第2のフォーカス用コイル136に流
れる電流値を示す。
【0135】したがって、マイコン130により駆動電
流検出部の端子253(または駆動電流検出部127、
128の端子c)がローレベルである時、減算部120
の出力は、第1のフォーカス用コイル135および第2
のフォーカス用コイル136に流れる電流値の差を示
す。
【0136】次にマイコン130によって駆動電流検出
部の端子253(または駆動電流検出部127、128
の端子c)がハイレベルに設定された場合の動作を説明
する。端子253がハイレベルになるとスイッチ256
の端子cがハイレベルになりスイッチ256は閉じる。
また、スイッチ257、258の端子cがローレベルに
なりスイッチ257、258は開く。したがって、減算
部254の+端子と−端子とが接続される。すなわち、
減算部254の入力差はゼロになる。この時、減算部2
54の出力は、第1のフォーカス用コイル135へ流れ
る駆動電流がゼロである場合における減算部254の出
力信号のオフセットを示す。
【0137】駆動電流検出部128の動作も駆動電流検
出部127と同様である。よって、駆動電流検出部12
8の出力は駆動電流検出部128の出力信号のオフセッ
トを示す。
【0138】したがって、マイコン130により駆動電
流検出部127、128の端子253(または駆動電流
検出部127、128の端子c)がハイレベルである
時、減算部120の出力は、駆動電流演出部128の出
力信号のオフセットから駆動電流検出部127の出力信
号のオフセットを減算した信号になる。
【0139】この駆動電流差信号の検出系のオフセット
を示す信号は、マイコン130へ送られる。マイコン1
30は、このオフセット値を減算部120の−端子に設
定する。したがって、駆動電流検出部127および駆動
電流検出部128の出力信号がオフセットされていて
も、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォ
ーカス用コイル136の駆動電流の差は減算部122の
+端子に設定された電圧値に応じた差になるように正確
に制御される。
【0140】この駆動電流差信号の検出系のオフセット
の測定は、マイコン130の有するタイマーによって所
定の間隔で行うように構成すれば、オフセットが種々の
要因により時間的に変化したとしてもこれに対応した制
御を行うことが可能となる。また、一般に回路のオフセ
ットは、回路の温度によって変化する。このため、光デ
ィスク装置801内の温度をモニターし、その温度に基
づいて、駆動電流差信号の検出系のオフセットの測定を
行ってもよい。具体的には、図5に示すように、温度セ
ンサ185と温度センサ185の出力をA/D変換して
マイコン130へ入力するA/D変換回路186とを光
ディスク装置801に設け、その出力が所定値以上に変
化したタイミング(つまり所定の温度分変化したタイミ
ング)で、駆動電流差信号の検出系のオフセットを測定
する。このような構成によれば、オフセットが回路の温
度変化によって時間的に変化したとしても、これに対応
した制御を行うことが可能となる。
【0141】また、駆動電流検出部127のオフセット
を、スイッチ257、258が開き、スイッチ256が
閉じた状態で行っていたが、第1フォーカス駆動部12
5の動作を停止させた状態で行ってもよい。第1フォー
カス駆動部125の動作が停止すると第1のフォーカス
用コイル135に流れる電流がゼロになるからである。
この場合には駆動電流検出部128および第2フォーカ
ス駆動部126も同様に設定する。
【0142】次に、ディスク100の半径方向の傾きで
あるチルト角を検出するマイコン130の動作を説明す
る。図4を参照して説明したように、光ディスク100
の傾きθdは、位相補償部116の出力の変化に対する
対物レンズ103のフォーカス方向の変位量の関係をP
fとし、半径位置d1とd2とにおける位相補償部11
6の出力レベルの差がVsとし、半径位置d1とd2と
の距離をRとした場合、式(3)で表せる。
【0143】 θd=Pf×Vs/R (3)
【0144】したがって、式(3)および式(4)か
ら、減算部122の+端子に式(5)の電圧Ysを設定
すると対物レンズ103の傾きθoは、式(6)に示す
ようにθdとなる。
【0145】 Ys=Pf×Vs×Pt/R (5)
【0146】 θo=Ys/Pt =Pf×Vs×Pt/(R×Pt) =θd (6)
【0147】図8を用いて位相補償部116から出力さ
れるフォーカス駆動信号より対物レンズ103の位置を
求める動作を説明する。図8において、波形(a)は位
相補償部116の出力を示し、波形(b)は回転検出部
131から出力される一回転信号を示している。一般に
光ディスク100には面振れがあるので、それに応じて
対物レンズ103はフォーカス方向に変位する。したが
って、波形(a)に示すようにディスクが一回転する期
間に位相補償部116の出力は変動する。変動の周波数
は、光ディスク100の回転周波数以上であり、かつ、
1回転信号に同期するので、光ディスク100が1回転
する時間Tで位相補償部116の出力を平均することで
ディスクの面ぶれなどの変動成分を正確に除去できる。
すなわち、正確にDC成分のみを検出できる。また、光
ディスク100が1回転する時間で測定が完了するので
測定時間を短くできる。
【0148】マイコン130は、一回転信号に基づいて
時間Tの期間に渡って位相補償部116の出力であるフ
ォーカス駆動信号を積分し、時間Tで除算することでD
C成分であるVを検出する。
【0149】上述したように第1フォーカス駆動部12
5、および第2のフォーカス駆動部126の増幅率は予
め分かっているので第1のフォーカス用コイル135お
よび第2のフォーカス用コイル136に流れる電流値を
算出することができる。また、駆動電流の変化に対する
対物レンズ103の変位量の関係も予め分かっているの
でVを測定することで対物レンズ103の平均的な高さ
が分かる。
【0150】マイコン130は、光ヘッド114を半径
方向に移動させて2点での対物レンズ103の高さの差
を求め、2点の半径方向の距離に基づいて光ディスク1
00の傾きを求める。そして、検出した光ディスク10
0の傾きに応じて減算部122の+端子のレベルを設定
することで対物レンズ103を傾ける。
【0151】実際の装置では、アクチュエータごとに上
述したPfの値がばらつく。その場合の動作について説
明する。実際の装置では標準のアクチュエータのPfが
記憶されており、この値でディスクの傾きの算出を行
う。ここで、実際のアクチュエータの値が、Pfに比べ
低いPfdであるとする。また、半径位置d1およびd
2における対物レンズ103の位置の差をZsとし位相
補償部116の出力の差をVsdとする。なお、実際の
ディスクの傾きはθrとする。Vsdは、式(3)の関
係を用いて式(7)で示される。
【0152】 Vsd=Zs/Pfd (7)
【0153】よって検出されるディスクの傾きθsdは
式(3)より式(8)で示される。
【0154】 θsd=Pf×Vsd/R =Pf×Zs/(R×Pfd) (8)
【0155】よって、式(4)および式(8)より式
(9)のYsdが減算部122の+端子に設定される。
【0156】 Ysd=Pf×Zs×Pt/(R×Pfd) (9)
【0157】ここで、対物レンズ103の傾きの変化に
対する減算部120の出力である駆動電流の差の変化量
の関係Ptもアクチュエータによってばらつく。ところ
で、アクチュエータ104において、フォーカス方向の
駆動系と傾きの駆動系とは同一構成要素によって実現さ
れている。駆動電流に対するフォーカス方向の変位の感
度が低くなれば、比例して傾きの感度は低下する。対物
レンズ103の傾きの変化に対する減算部120の出力
である駆動電流の差の変化量の関係をPtと定義し、位
相補償部116の出力の変化に対する対物レンズ103
のフォーカス方向の変位量の関係をPfと定義している
ので、Pfが減少すれば、Ptは反比例して増大する。
想定しているアクチュエータの対物レンズ103の傾き
の変化に対する減算部120の出力である駆動電流の差
の変化量の関係をPtdとすると、Ptdは式(10)
となる。
【0158】 Ptd=Pf×Pt/Pfd (10)
【0159】対物レンズ103の実際の傾きθodは、
式(4)、式(9)および式(10)から、以下の式
(11)となる。
【0160】 θod=Ysd/Ptd =Pf×Zs×Pt/(R×Pfd×Ptd) =Pf×Zs×Pt×Pfd/(R×Pfd×Pf×Pt) =Zs/R =Ur (11)
【0161】式(11)に示すように、アクチュエータ
ごとにPfとPtとが異なっていても、光ディスク10
0の傾きはθrになる。すなわち、光ディスク100の
傾きに応じて、対物レンズ103の傾きが正確に制御さ
れる。
【0162】このように、本実施形態によれば、光ディ
スク100の半径方向の異なる2点において、フォーカ
ス制御によるフォーカス駆動信号を取得し、光ディスク
100が1回転する期間にわたって取得した信号をそれ
ぞれ平均する。平均されたフォーカス駆動信号値は、光
ディスクの面振れの影響が除去されている。2つの均さ
れたフォーカス駆動信号値の差は、2点における対物レ
ンズ103の高さの差に対応するため、2点の半径方向
の距離に基づいて、光ディスク100の傾きが求められ
る。求めた傾きに基づいて、アクチュエータ104を駆
動することにより、対物レンズを光ディスク100のチ
ルトに一致させることができ、光ビームを光ディスク1
00に対して垂直に照射することができる。これによ
り、データの記録・再生を正確におこなうことのできる
光ディスク装置を実現できる。
【0163】また、対物レンズの傾きを検出するための
新たな素子を必要としない。このため、新たな素子を用
いることにより、コストが上昇し、組み立て時の調整が
増え、経時誤差の要因が増えるといった問題が生じな
い。さらに、光ヘッドを小型にすることができる。
【0164】特に本実施形態の場合、光ディスク100
の傾きを求めるために使用するフォーカスアクチュエー
タが、対物レンズを傾けるアクチュエータとして用いら
れる。このため、フォーカスアクチュエータが周囲の温
度による影響を受けても、対物レンズを傾けるアクチュ
エータとして同じ影響を受けるため、その影響がキャン
セルされる。また、フォーカスアクチュエータを構成す
る第1のフォーカス用コイル135と第2のフォーカス
用コイル136との間にフォーカスアクチュエータとし
ての駆動感度差が生じていても、対物レンズを傾けるア
クチュエータとして駆動する際、その駆動感度差がキャ
ンセルされる。
【0165】また、第1フォーカス駆動部125および
第2フォーカス駆動部136に流れる駆動電流を駆動電
流検出部127および駆動電流検出部128によってそ
れぞれ検出し、それらの差である駆動電流差信号を減算
部120によって求める。この駆動電流差信号が、光デ
ィスク100の傾きに応じて対物レンズ103が傾くよ
うにマイコンが設定した信号のレベルと一致するよう、
第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動
部136を制御するため、第1フォーカス駆動部125
および第2フォーカス駆動部136にオフセットがあっ
ても対物レンズの傾きを正確に調整できる。
【0166】また、マイコン130が、駆動電流検出部
127および駆動電流検出部128の端子cをハイレベ
ルに設定することにより、第1のフォーカス用コイル1
35および第1フォーカス駆動部125ならびに第2の
フォーカス用コイル136および第2フォーカス駆動部
126を、減算部120から電気的に切り離すことがで
きる。この時、駆動電流検出部127および駆動電流検
出部128から減算部120へ入力される信号は、第1
のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用
コイル136へ流れる駆動電流がゼロである場合におけ
る駆動電流検出部127および駆動電流検出部128の
出力信号のオフセットを示す。
【0167】したがって、この時の減算部120の出力
を基準として制御を行うよう、マイコン130がこの出
力値を減算部120のマイナス端子に入力することによ
り、駆動電流検出部127および駆動電流検出部128
のオフセットがキャンセルされる。
【0168】なお、本実施形態では、マイコン130に
おいて、光ディスク100が一回転する期間における位
相補償部116のフォーカス駆動信号の平均値を求めて
いたが、位相補償部116の出力の平均を求める期間
は、光ディスク100が1回転する期間の2以上の整数
倍であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0169】また、一般にCLVと呼ばれる線速度を一
定にして光ディスク100を回転させ、データの記録・
再生を行う場合、内周に比べ外周での光ディスクの回転
数が小さくなる。そこで、位相補償部116の出力の平
均値を求めるための測定時間が内周と外周とで所定の一
定時間に制限される場合は、内周での測定時間を光ディ
スクがn回転する時間とし、外周での測定時間を光ディ
スクがm回転する時間とし、mがn以下(いずれも0以
上の整数)となるよう、mおよびnを決定してもよい。
このようにすることによって、制限された測定時間でよ
り精度の高い検出を行うことが可能となる。
【0170】(第2の実施形態)図9は本発明による光
ディスク装置の第2の実施形態を示すブロック図であ
る。図9に示す光ディスク装置802において、第1の
実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してい
る。
【0171】光ディスク装置802において、対物レン
ズ103はアクチュエータ309の可動部に取り付けら
れている。アクチュエータ309はフォーカス用コイル
352、トラッキング用コイル351、チルト用コイル
350および4個の永久磁石(図示せず)を含む。フォ
ーカス用コイル352、トラッキング用コイル351、
チルト用コイル350がそれぞれフォーカス方向移動手
段、トラッキング方向移動手段、対物レンズ傾き手段に
対応する。
【0172】フォーカス用コイル352にフォーカス駆
動部302を用いて電圧を加えるとコイルに電流が流
れ、磁束が発生する。フォーカス用コイル352によっ
て発生した磁束は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ
103はフォーカス方向に移動する。同様に、トラッキ
ング用コイル351にトラッキング駆動部306を用い
て電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生す
る。トラッキング用コイル351によって発生した磁束
は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103は光ディ
スク100の半径方向、即ち光ディスク100上のトラ
ックを横切るように(図上では左右に)移動する。ま
た、チルト用コイル350にチルト駆動部308を用い
て電圧を加えると対物レンズ103は、光ディスク10
0の半径方向(図では左右方向)に傾く。つまり、フォ
ーカス駆動部302、トラッキング駆動部306、チル
ト駆動部308はそれぞれ駆動手段として機能する。
【0173】FE信号生成部115の出力であるFE信
号は、位相補償部116、減算部301、スイッチ38
0を介してフォーカス駆動部302へ送られる。フォー
カス駆動部302は、入力信号に応じた電流を駆動レベ
ル検出手段である駆動電流検出部310を介してフォー
カス用コイル352に流す。駆動電流検出部310は、
フォーカス用コイル352に流れる電流を検出する。こ
のとき、スイッチ380の端子aと端子dとは接続され
た状態にある。このような構成により、対物レンズ10
3は、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100の
データ面に位置するように制御される。つまり、位相補
償部116およびフォーカス駆動部302はフォーカス
制御手段として機能する。また、位相補償部116は、
フォーカス制御要素手段として機能する。
【0174】マイコン313は、スイッチ380の端子
bと端子dとを時間Tsの期間接続してその状態での駆
動電流検出部310の出力を取り込む。スイッチ380
の端子bは、ゼロレベルに設定されているので、フォー
カス駆動部302にはゼロレベルの信号が入力される。
したがって、この状態での駆動電流検出部310の出力
は、フォーカス駆動部302の出力のオフセットを示
す。なお、駆動電流検出部310の出力のオフセットは
ゼロであるとする。以下では、この信号をオフセット信
号と記す。マイコン313は、取り込んだオフセット信
号を減算部301の−端子へ送る。これにより、フォー
カス駆動部302のオフセットの影響が除去でき、位相
補償部116の出力に応じた電流が正確にフォーカス用
コイル352に流れる。すなわち、外乱であるオフセッ
トが除去されるので、フォーカス制御の制御精度が高く
なる。
【0175】上述した駆動電流検出部310およびフォ
ーカス駆動部302のオフセットの測定は、フォーカス
制御の動作が停止している状態に行う。時間Tsをたと
えば数10μs以下にすれば、フォーカス制御を動作さ
せた状態で行うことも可能である。
【0176】マイコン313は、第1の実施形態と同
様、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相
補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディス
ク100の半径方向の傾きを検出する。マイコン313
は、検出したディスクの傾きに応じた電流をチルト用コ
イル350に流すことによって対物レンズ103を傾け
る。このために必要となる電流値をマイコン313は減
算部307の+端子に設定する。スイッチ382、駆動
レベル検出手段である駆動電流検出部314、およびチ
ルト駆動部308の構成および動作は、スイッチ38
0、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動部3
02と同じである。したがって、チルト駆動部308の
オフセットの影響が除去でき、マイコン313が減算部
307の+端子に設定したレベルに応じた電流が正確に
チルト用コイル351に流れる。即ち、対物レンズ10
3の傾きの調整精度が高くなる。
【0177】図9に示した光学系は一般にプッシュプル
法と呼ばれるトラッキングエラー信号の検出方式を構成
している。以下、トラッキングエラー信号をTE信号と
記す。トラッキングエラー検出手段であるTE信号生成
部303は、光ビーム106と光ディスク100のトラ
ックとのずれをプッシュプル法により検出し出力する。
TE信号は、位相補償部304および減算部305、お
よびスイッチ381を介してトラッキング駆動部306
へ送られる。トラッキング駆動部306によってトラッ
キング用コイル351に電流が流れる。したがって、光
ビーム106の焦点が、光ディスク100のトラック上
にあるように制御される。位相補償部304は制御要素
手段として機能し、位相補償部304およびトラッキン
グ駆動部306がトラッキング制御手段を構成する。
【0178】マイコン313は、トラッキング駆動部3
06および駆動レベル検出手段である駆動電流検出部3
11のオフセットを減算部305の−端子に設定する。
なお、スイッチ381、駆動電流検出部311、および
トラッキング駆動部306の構成と動作とは、スイッチ
380、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動
部302と同じである。したがって、トラッキング駆動
部306のオフセットの影響が除去でき、位相補償部3
04の出力に応じた電流が正確にトラッキング用コイル
351に流れる。即ち、トラッキング制御の制御精度が
高くなる。
【0179】以下、アクチュエータ309について詳細
に説明する。図10は本実施形態の光ディスク装置にお
けるアクチュエータ309の構成を説明するための図で
あり、具体的にはアクチュエータ309を上からみた図
である。対物レンズ103を保持するレンズホルダー4
01は、ワイヤ404によって光ヘッド400の固定部
(不図示)に接続されている。また、永久磁石402、
403は、レンズホルダー401に取り付けられてい
る。アクチュエータ309は4個のフォーカス用コイル
405a、405b、405c、405d、4個のトラ
ッキング用コイル406a、406b、406c、40
6d、4個のチルト用コイル407a、407b、40
7c、407dを備えている。各コイルは、鉄心に巻か
れており、光ヘッド400の固定部に取り付けられてい
る。また、鉄心とそれぞれの鉄心と対になった永久磁石
によって磁束のループが形成される。
【0180】フォーカス用コイル405a、405b、
405c、405dは、直列に接続されており、フォー
カス用コイル352を構成する。フォーカス用コイル3
52にフォーカス駆動部302を用いて電圧を加えると
コイルに電流が流れ、磁束が発生する。フォーカス用コ
イル352によって発生した磁束は永久磁石の磁束に作
用し、対物レンズ103は光ディスク100のフォーカ
ス方向に移動する。
【0181】同様に、トラッキング用コイル406a、
406b、406c、406dは、直列に接続されてお
り、トラッキング用コイル351を構成する。トラッキ
ング用コイル351にトラッキング駆動部306を用い
て電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生す
る。トラッキング用コイル351によって発生した磁束
は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103は光ディ
スク100の半径方向、即ち光ディスク100上のトラ
ックを横切るように移動する。
【0182】チルト用コイル407a、407b、40
7c、407dは、直列に接続されており、チルト用コ
イル350を構成する。チルト用コイル350にチルト
駆動部308を用いて電圧を加えるとコイル407a、
407bによって発生する磁束とコイル407c、40
7dによって発生する磁束の方向は逆になるようにコイ
ルは接続されている。したがって、対物レンズ103
は、ディスク100の半径方向に傾く。
【0183】上述したフォーカス駆動部302、トラッ
キング駆動部306、チルト駆動部308、および駆動
電流検出部310、311、314のオフセットの測定
は、マイコン313の有するタイマーによって所定の間
隔で行う。また、一般に回路のオフセットは、回路の温
度によって変化するので第1の実施形態で説明したよう
に、温度センサを設け、その出力が所定値以上に変化し
た時、回路オフセットの測定の動作を行ってもよい。
【0184】このように、本実施形態によれば、スイッ
チ380によって、所定の期間、フォーカス駆動部30
2の入力をゼロに設定することにより、駆動電流検出部
310は、駆動電流検出部310のオフセット信号を出
力する。このオフセット信号を基準値として位相補償部
116からフォーカス駆動部302へ入力される信号の
直流レベルを減算部301において補正する。つまり、
オフセットを除去する。このため、フォーカス駆動部3
02にオフセットが生じていてもフォーカス制御の精度
を高めることができる。また、トラッキング制御および
チルト制御においても、それぞれの駆動部におけるオフ
セットが同様にして除去され、それぞれの制御精度を高
めることができる。
【0185】(第3の実施形態)図11は本発明による
光ディスク装置の第3の実施形態を示すブロック図であ
る。図11に示す光ディスク装置803において、第2
の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してい
る。
【0186】光ディスク装置803において、FE信号
生成部115の出力であるFE信号は、位相補償部11
6および減算部500を介してフォーカス駆動部302
へ送られる。フォーカス駆動部302は、入力信号に応
じた電流を駆動電流検出部310を介してフォーカス用
コイル352に流す。駆動電流検出部310は、フォー
カス用コイル352に流れる電流を検出する。駆動電流
検出部310の出力は、マイコン506および減算部5
00の一方の−端子(図で「−1」と示されている端
子)へ送られる。このときスイッチ501の端子aと端
子dとは接続された状態である。また、マイコン506
によって減算部500の他方の−端子(図で「−2」と
示されている端子)にはゼロレベルが設定されている。
【0187】フォーカス駆動部302には、位相補償部
116の出力と駆動電流検出部310の出力の差が入力
される。したがって、減算部500の出力が所定の関係
(本実施形態ではゼロ)になるようにフォーカス用コイ
ル352の電流が制御される。すなわち、位相補償部1
16の出力に応じた電流がフォーカス用コイル352に
流れる。よって、対物レンズ103は、光ビーム106
の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位置するよ
うに制御される。
【0188】次にマイコン506が、減算部500の−
端子(図で「−2」と示されている方の端子)に設定す
る信号について説明する。マイコン506はスイッチ5
01の端子aと端子dとを時間Tpの期間開いてその状
態での駆動電流検出部310の出力を取り込む。この状
態での駆動電流検出部310の出力は、駆動電流検出部
310の出力のオフセットを示す。マイコン506は、
取り込んだ駆動電流検出部310の出力のオフセットレ
ベルを減算部500の−端子へ送る。したがって、駆動
電流検出部310のオフセットの影響が除去でき、位相
補償部116の出力に応じた電流が正確にフォーカス用
コイル352に流れる。すなわち、外乱であるオフセッ
トが除去されるのでフォーカス制御の制御精度が高くな
る。
【0189】なお、上述した駆動電流検出部310のオ
フセットの測定は、フォーカス制御の動作が停止してい
る状態で行う。時間Tpをたとえば数10μs以下にす
れば、フォーカス制御を動作させた状態で行うことも可
能である。
【0190】マイコン506は、第2の実施形態と同
様、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相
補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディス
ク100の半径方向の傾きを検出する。検出したディス
クの傾きに応じた電流をチルト用コイル350に流すこ
とによって、対物レンズ103を傾ける。電流値は減算
部504の+端子に設定される。減算部504、スイッ
チ505、駆動電流検出部314、およびチルト駆動部
308の構成や動作は、減算部500、スイッチ50
1、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動部3
02と同じである。したがって、駆動電流検出部314
のオフセットの影響が除去できる。よって、マイコン5
06が減算部504の+端子に設定したレベルに応じた
電流が正確にチルト用コイル351に流れる。すなわ
ち、対物レンズ103の傾きの調整精度が高くなる。
【0191】TE信号は、位相補償部304および減算
部502を介してトラッキング駆動部306へ送られ
る。トラッキング駆動部306は、入力信号に応じた電
流を駆動電流検出部311を介してトラッキング用コイ
ル351に流す。したがって、光ビーム106の焦点
が、ディスク100のトラック上にあるように制御され
る。
【0192】マイコン506は、駆動電流検出部311
のオフセットを減算部502の−端子(図で「−2」と
示されている端子)に設定する。減算部502、スイッ
チ503、駆動電流検出部306、および電駆動電流検
出部311の構成や動作は、減算部500、スイッチ5
01、フォーカス駆動部302および駆動電流検出部3
10と同じである。したがって、トラッキング駆動部3
06のオフセットの影響が除去でき、位相補償部304
の出力に応じた電流が正確にトラッキング用コイル35
1に流れる。すなわち、トラッキング制御の制御精度が
高くなる。
【0193】このように本実施形態によれば、スイッチ
501を所定の期間開くことによって、フォーカス駆動
部302の動作を停止させる。この間、駆動電流検出部
310が出力する信号はオフセットを示す。したがっ
て、このオフセットを基準として、位相補償部116の
出力を減算部500で補正することにより、位相補償部
116の出力から駆動電流検出部310のオフセットが
除去される。その結果、フォーカス制御の精度を高める
ことができる。また、トラッキング制御およびチルト制
御においても、それぞれの駆動電流検出部におけるオフ
セットが同様にして除去され、それぞれの制御精度を高
めることができる。
【0194】(第4の実施形態)図12は本発明による
光ディスク装置の第4の実施形態を示すブロック図であ
る。図12に示す光ディスク装置804において、第2
の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してい
る。
【0195】光ディスク装置804において、FE信号
生成部115の出力であるFE信号は、位相補償部11
6、減算部500を介してフォーカス駆動部302へ送
られる。フォーカス駆動部302は、入力信号に応じた
電流を駆動電流検出部600を介してフォーカス用コイ
ル352に流す。駆動レベル検出手段である駆動電流検
出部600は、フォーカス用コイル352に流れる電流
を検出する。第1の実施形態で用いた駆動電流検出部1
27と構成および動作は同じである。駆動電流検出部6
00の出力は、マイコン603および減算部500の一
方の−端子(図で「−1」と示されている端子)へ送ら
れる。マイコン603によって減算部500の他方の−
端子(図で「−2」と示されている端子)にはゼロレベ
ルが設定されている。
【0196】フォーカス駆動部302には、位相補償部
116の出力と駆動電流検出部600の出力の差が入力
される。したがって、減算部500の出力がゼロになる
ようにフォーカス用コイル352の電流が制御される。
すなわち、位相補償部116の出力に応じた電流がフォ
ーカス用コイル352に流れる。よって、対物レンズ1
03は、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100
のデータ面に位置するる。
【0197】次にマイコン603が、減算部500の他
方の−端子に設定する信号について説明する。マイコン
603は駆動電流検出部600の端子cを時間Tqの期
間ハイレベルにする。マイコン603はこの状態での駆
動電流検出部600の端子dの出力を取り込む。この状
態での駆動電流検出部600の出力は、第1の実施形態
で説明したように、駆動電流検出部600の出力信号の
オフセットを示す。
【0198】マイコン603は、取り込んだ駆動電流検
出部600の出力のオフセットレベルを減算部500の
−端子へ送る。したがって、駆動電流検出部600のオ
フセットの影響が除去でき、位相補償部116の出力に
応じた電流が正確にフォーカス用コイル352に流れ
る。すなわち、外乱であるオフセットが除去されるので
フォーカス制御の制御精度が高くなる。
【0199】上述した駆動電流検出部600のオフセッ
トの測定は、フォーカス制御の動作が停止している状態
で行う。なお、時間Tqを数10μs以下にすれば、フ
ォーカス制御を動作させた状態で行うことも可能であ
る。
【0200】第2の実施形態と同様、マイコン603
は、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相
補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディス
ク100の半径方向の傾きを検出する。
【0201】マイコン603は、検出したディスク傾き
に応じた電流をチルト用コイル350に流すことによっ
て対物レンズ103を傾ける。電流値は減算部504の
+端子に設定される。減算部504、駆動レベル検出手
段である駆動電流検出部602、およびチルト駆動部3
08の構成や動作は、減算部500、駆動電流検出部6
00、およびフォーカス駆動部302と同じである。し
たがって、駆動電流検出部602のオフセットの影響が
除去でき、マイコン603が減算部504の+端子に設
定したレベルに応じた電流が正確にチルト用コイル35
1に流れる。すなわち、対物レンズ103の傾きの調整
精度が高くなる。
【0202】TE信号は、位相補償部304および減算
部502を介してトラッキング駆動部306へ送られ
る。トラッキング駆動部306によってトラッキング用
コイル351に電流が流れる。したがって、光ビーム1
06の焦点が、ディスク100のトラック上にあるよう
に制御される。
【0203】減算部502、トラッキング駆動部30
6、および駆動レベル検出手段である駆動電流検出部6
01の構成や動作は、減算部500、フォーカス駆動部
302、および駆動電流検出部600と同じである。し
たがって、駆動電流検出部601のオフセットの影響が
除去でき、位相補償部304の出力に応じた電流が正確
にトラッキング用コイル351に流れる。すなわち、ト
ラッキング制御の制御精度が高くなる。
【0204】このように、本実施形態によればマイコン
603が、駆動電流検出部600の端子cをハイレベル
に設定することにより、フォーカス駆動部302ならび
に第2のフォーカス用コイル352を、減算部500か
ら電気的に切り離すことができる。この時、駆動電流検
出部600から減算部500へ入力される信号は、フォ
ーカス用コイル352へ流れる駆動電流がゼロである場
合における駆動電流検出部600の出力信号のオフセッ
トを示す。
【0205】したがって、この時の減算部500の出力
を基準として制御を行うよう、マイコン603がこの出
力値を減算部500のマイナス端子に入力することによ
り、駆動電流検出部600のオフセットがキャンセルさ
れ、フォーカス制御の精度を高めることができる。ま
た、トラッキング制御およびチルト制御においても、そ
れぞれの駆動電流検出部におけるオフセットが同様にし
て除去され、それぞれの制御精度を高めることができ
る。
【0206】(第5の実施形態)図13は本発明による
光ディスク装置の第5の実施形態を示すブロック図であ
る。図13に示す光ディスク装置805において、光デ
ィスク2は、回転手段に対応するモータ27に取り付け
られ、所定の回転数で回転する。モータ27の回転数は
マイコン21によって設定され、たとえばモータ27の
線速度が一定となるように回転制御手段に対応するモー
タ制御部25により制御されている。回転検出部26
は、モータ27が1回転するごとに1回転信号を出力す
る。
【0207】フォーカスアクチュエータ15a、15b
は、対物レンズ4を挟んで光ディスク2の半径方向に取
りつけられている。フォーカスアクチュエータ15a、
15bのそれぞれは、たとえば図6に示すように、対物
レンズ4を保持するレンズホルダに設けられたフォーカ
ス用永久磁石とフォーカス用コイルを含む。
【0208】第1フォーカス駆動部16aおよび第2フ
ォーカス駆動部16bに同一のフォーカス駆動信号を入
力すると、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォ
ーカス駆動部16bはフォーカス方向に移動するよう対
物レンズ4を駆動する。フォーカスアクチュエータ15
a、15bは、第1のフォーカス方向移動手段および第
2のフォーカス移動手段に対応し、これらは合わせてフ
ォーカス方向移動手段を構成する。
【0209】また、第1フォーカス駆動部16aおよび
第2フォーカス駆動部16bに位相または信号のレベル
の異なるフォーカス駆動信号を入力すると、第1フォー
カス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bを
駆動する電流の向きまたは大きさが異なるため、対物レ
ンズ4の内側と外側のフォーカス方向の変位量が異な
る。これによって対物レンズ4を光ディスク2の半径方
向(またはラジアル方向)に傾けることができる。つま
りフォーカスアクチュエータ15a、15bは、収束手
段である対物レンズを傾ける傾き手段を構成する。
【0210】従来の技術で述べたように、光ディスク2
が光ビームの光軸に対して半径方向に傾くと、半径方向
にコマ収差が発生する。逆に光ビームの光軸に対して対
物レンズ4の光軸が光ディスク2の半径方向に傾けて
も、半径方向にコマ収差が発生するので、第1フォーカ
ス駆動部16a、第2フォーカス駆動部16bに位相の
異なるフォーカス駆動信号を入力して、対物レンズ4を
半径方向に傾けることで、光ディスク2が半径方向に傾
くことによって発生するコマ収差を相殺することができ
る。このように対物レンズ4を傾けることによりコマ収
差を低減し、良好な記録および再生を実現できる。
【0211】移送モータ18は、光ヘッド送り軸17に
取りつけられており、この移送モータ18を駆動させて
光ヘッド送り軸17を回転させることで、光ヘッド12
を光ディスク2の半径方向に移動させるトラッキング方
向移動手段として機能する。移送モータ18には、移送
モータ18の回転に同期してパルス信号を生成するエン
コーダ19が取り付けられており、回転に同期したパル
ス信号が出力される。エンコーダ19からの出力はマイ
コン21に入力され、パルスをカウントすることにより
モータの回転角を検出できる。移送モータ18の回転角
は光ヘッド12の移動量に対応するため、エンコーダ1
9の出力により光ヘッド12の半径位置(具体的には光
ビームが照射されている光ディスク2の半径位置)が検
出できる。
【0212】位相補償部8からのフォーカス駆動信号
は、チルト量を求めるチルト計算手段であるマイコン2
1および減算部23の一方の+端子および加算部24の
+端子に入力される。マイコン21は入力されたフォー
カス駆動信号と半径位置を数値データとして記憶するフ
ォーカスメモリ22を持ち、現在の半径位置がフォーカ
ス駆動信号を検出するように設定された所定の半径位置
かどうかを判別し、設定された所定の半径位置であれ
ば、半径位置とフォーカス駆動信号の直流成分との関係
を数値データとしてフォーカスメモリ22に随時記憶す
る。マイコン21によって、フォーカス駆動信号の直流
成分を検出し、検出値を用いてディスクの反り形状近似
した反り関数を決定し、反り関数から得られるチルト近
似関数を求める手順および反り関数およびチルト近似関
数を更新する手順は以下において詳細に説明する。
【0213】マイコン21は、求めたチルト近似関数に
よって現在の半径位置におけるチルト近似値を算出し、
チルト近似値からチルト駆動信号を生成し出力する。チ
ルト駆動信号は、減算部23の−端子および加算部24
の一方の+端子に入力される。減算部23は+端子に入
力される信号から−端子に入力される信号を減算して第
2フォーカス駆動部16bへ出力する。加算部24は2
つの+端子に入力される信号を加算した値を第1フォー
カス駆動部16aへ出力する。
【0214】以上により、光ディスク信号面上において
光ビームが常に所定の収束状態になるように制御される
フォーカス制御と、チルトによるコマ収差を低減するよ
うに対物レンズの傾きを制御するチルト制御が実現す
る。このように位相補償部8、第1フォーカス駆動部1
6aおよび第2フォーカス駆動部16bがフォーカス制
御手段として機能し、マイコン21、減算部23、加算
部24、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォー
カス駆動部16がチルト制御として機能する。
【0215】第1の実施形態で説明したように、位相補
償部8から出力されるフォーカス駆動信号の直流成分を
チルト制御に用いる。図8(a)は位相補償部8から出
力されるフォーカス駆動信号の波形を示しており、図8
(b)は、回転検出部26から出力される1回転信号の
波形を示している。それぞれの図において、縦軸および
横軸は、信号出力および時間を示している。図8(a)
に示すように、回転しているディスクには面振れが生じ
ているため、フォーカス制御作動中は面振れに追従して
対物レンズ4がフォーカス方向に変位する。このため、
ディスクが1回転する間にフォーカス駆動信号が面振れ
に同期して変動する。面振れ以外のフォーカス駆動信号
の変動要因として、回転ディスクの表面に生じた傷や溝
も考えられる。しかし、これらの影響によるフォーカス
駆動信号の変動は回転周波数以上である。したがって、
ディスクの1回転周期Tでフォーカス駆動信号を平均す
ることによって変動成分を除去または平均化でき、チル
ト計算に必要なフォーカス駆動信号の直流成分のみを検
出することができる。また、検出結果をチルト検出に用
いることで正確な光ディスク2の半径方向のチルトを検
出することができる。平均化されたフォーカス駆動信号
をフォーカス駆動信号値と呼ぶ。
【0216】次に、フォーカス駆動信号値からチルトを
求める方法及び構成を詳細に説明する。CD、DVDに
代表される一般的な光ディスク2の反り形状は、図4で
表したような単純な直線形状ではなく、図14に示すよ
うに、たとえば、内周付近に比べて外周付近における反
りが大きく、最外周付近では反りが小さくなっている。
このように、反りは半径方向に一様に発生しているわけ
ではない。また、反りの形状は、光ディスク2ごとに異
なる。本実施形態では、ディスクに発生した反り形状を
フォーカス駆動信号値から求める関数で近似する。この
ため、対物レンズ4のチルト補正の精度を上げるには、
光ディスク2の反り形状を決定するための関数の近似精
度が高い方がより望ましい。
【0217】図14に示すように、ディスクの反り形状
を1次関数で近似する場合、反り形状と一次関数の直線
とが一致する領域はごく僅かである。これに対して、た
とえば、ディスクの反り形状を3次関数で近似する場
合、反りの形状と3次関数の曲線とはおおよそ一致す
る。このように次数が高い関数で反り形状を近似するこ
とが好ましい。
【0218】図15は、実線で示すディスクの反り形状
を1次関数で近似する例を示している。図15に示すよ
うに、近似点の間隔が相対的に広い3点でディスクの反
り形状を近似した場合、直線L1で示す近似関数が得ら
れ、近似点の間隔が相対的に狭い5点でディスクの反り
形状を近似した場合、直線L2で示す近似関数が得られ
る。図15から、近似点の間隔が狭い方が近似の精度が
よいことが分かる。
【0219】以上のことから、近似関数の次数を高く
し、近似計算に用いる点数を多くすることによって、近
似点の間隔を狭くすれば、近似精度を向上させることが
できることがわかる。
【0220】しかしながら、近似点を多くすると、ディ
スクの反り形状を推定するために必要な時間が長くなっ
てしまう。また、近似関数の次数を高くすれば、近似関
数を決定するために必要な近似点の数も多くなるため、
同様に、ディスクの反り形状を推定するために必要な時
間が長くなってしまう。その結果、光ディスク装置の起
動時間が長くなるという問題が生じる。
【0221】本実施形態では、これらの問題を同時に解
決するために、光ディスクに対して記録または再生を行
う前に実行する初期検出および光ディスクを記録または
再生中に実行する補完検出の2つの段階に分けてディス
クの反り形状(チルト)の検出を行う。たとえば、初期
検出では、内周のリードインの読み取りやコントロール
情報の追記などに使用する領域の反り形状のみを検出す
る。これにより、検出点数を減らして起動時の検出時間
を短縮する。その後、記録または再生中の補完検出で
は、全周にわたって近似精度を向上させるために追加の
検出を行う。これにより起動時の検出時間の短縮し、か
つディスク反り形状を精度よく近似することが可能とな
る。
【0222】なお、初期検出は、光ディスクを光ディス
ク装置805に装填した後、光ディスクに対して記録動
作または再生動作のいずれかが開始されるまでに実行さ
れる。一般的には、初期検出は、光ディスクの装填動作
に基づいて行われ、操作者が記録あるいは再生操作を行
ったかどうかにかかわらず、光ディスクが光ディスク装
置805に装填された後自動的に実行される。しかし、
操作者の記録あるいは再生操作に基づいて、光ディスク
に対して記録動作または再生動作を行う直前に実行され
てもよい。一度初期検出が行なわれた光ディスクが光デ
ィスク装置805内において保持されている場合には、
次に記録あるいは再生が行われる前には、初期検出を省
略してもよい。
【0223】また、補完検出は、光ディスクを記録また
は再生中に行われる。この「記録または再生中」とは必
ずしも連続して記録あるいは再生動作を行っている最中
を意味するものではなく、光ディスクに対して記録、再
生動作が開始されたときから典型的には光ディスクの回
転が停止するまでの光ディスク装置805が一連の記録
あるいは再生動作を行っている間を意味する。したがっ
て、たとえば、補完検出は、光ヘッドがシーク動作を行
っている時や、一時停止状態にあるときに実行されても
よい。
【0224】以下、マイコン21が、この検出したフォ
ーカス駆動信号からチルト近似関数を求める具体的な方
法とその構成ついて詳細に説明する。マイコン21で
は、フォーカスメモリ22に記憶されたデータにより、
検出点の半径位置xとその位置におけるフォーカス制御
部8の出力であるフォーカス駆動信号値yとの関係を、
所定の反り関数y=f(x)に近似する。反り関数を2
次とすると、f(x)は次式(12)で表される。
【0225】 f(x)=ax2+bx+c (12)
【0226】係数a、b、およびcの決定には、種々の
近似方法を用いることができる。たとえば、最小二乗法
を適用して係数a、b、cを決定してもよい。ある半径
位置xiでフォーカス駆動信号値がyiだったとする
と、xiにおける反り関数f(x)の値と実際の値yi
とのずれviは次式(13)で表される。
【0227】 vi=f(xi)−yi=axi2+bxi+c−yi (13)
【0228】検出点全てについてのviの二乗の総和が
最小になるようにa、b、cの値を定めると、式(1
2)で表される曲線は検出点のほぼ平均の位置を通る。
このようにして、検出点の半径位置xとその位置におけ
るフォーカス駆動信号値yとの関係を近似する所定の反
り関数y=f(x)を算出できる。
【0229】チルトは反りに対応する傾きであることか
ら、反り関数を微分することでチルト近似関数z=g
(x)を求めることができる。チルト近似関数はz=g
(x)はa、b、cを用いると次式(14)で表され
る。
【0230】 z=g(x)=df(x)/dx=2ax+b (14)
【0231】したがって、マイコン21では、フォーカ
スメモリ22からのデータ出力を用いて式(13)で表
されるviの二乗総和が最小になるようにa、b、cの
値を決定し、チルト近似関数z=g(x)を求め、チル
ト近似関数を利用して現在の半径位置におけるチルト
を、チルト近似値として算出する。その後、チルト近似
値を元にチルト駆動信号を生成し、出力する。
【0232】次に初期検出および起動後の補完検出の手
順を説明する。初期検出および補完検出のために、マイ
コン21において用いられる近似関数の次数と、近似計
算をするために必要なフォーカス駆動信号を検出する半
径位置(検出点)を予め設定しておく。また、初期検出
のための検出点と補完検出のための検出点とをそれぞれ
設定しておく。
【0233】図16は、ディスクの半径方向におけるフ
ォーカス駆動信号値を検出する検出点の位置を示す一例
である。図16に示すように、初期検出では、光ディス
クの最内周上の点A、最外周上の点C、および前記2点
の中間に位置する点Bにおいてフォーカス駆動信号値を
取得する。また補完検出では、初期検出の点A、B、C
に加えて、これらの中間に位置する点D、Eにおいてフ
ォーカス駆動信号値を取得する。設定された検出点の位
置情報に関するデータは、マイコン21のROM(不図
示)あるいはマイコン21に接続されたEEPROM2
8に格納される。
【0234】本実施形態では、分かりやすく説明するた
めに反り関数の次数を2次とし、さらに初期検出および
補完検出で用いる検出点の間隔を先に述べたように等間
隔として説明するが、本発明はこの近似関数の次数ある
いは、関数の種類に限るものではない。またディスクの
一般的な反り形状の特性を考慮して、複雑な反り形状で
ある内周や外周では検出点の間隔を狭くし、単純な反り
形状である中周では広くしてもよい。このようにするこ
とによって、検出点の数に対し効率よく近似精度を上げ
ることができ、様々な反り、垂れ形状のディスクに対し
て対応することができる。ここで内周、中周および外周
とは、光ディスクの半径方向をおおよそ3等分したとき
の内側領域、中央領域および外側領域をいう。
【0235】また、初期検出において、まず、光ディス
ク全体の反り形状を把握するために、所定の間隔で半径
方向のフォーカス駆動信号値を検出してもよい。そし
て、検出結果に基づいて、ディスクの反り形状を決定
し、その反り形状に最適な検出点を設定してもよい。た
とえば、ディスクの反り形状として、中周部よりも内周
部および外周部において反りが大きくなっている第1の
形状と、ほぼ等しい極率で全体にディスクが反っている
第2の形状とをあらかじめ設定しておく。第1の形状で
あると判断するときには、中周部に比べて内周部および
外周部が密となるようフォーカス駆動信号値の検出点を
複数設定する。また、第2の形状であると判断するとき
には、中周部、内周部および外周部においておおよそ等
間隔となるようフォーカス駆動信号値の検出点を複数設
定する。次に、設定された検出点において、初期検出お
よび補完検出を行う。このようにすることによって、検
出点の数に対し効率よく近似精度を上げることができ、
様々な反り、垂れ形状のディスクに対して対応すること
ができる。
【0236】以下、まず装置起動時の初期検出における
マイコン21の処理を説明する。図17は初期検出の動
作を説明するフローチャートである。フォーカス制御が
動作している状態において、マイコン21により移送モ
ータ18を制御して、光ヘッド12を半径方向の検出点
Aへ移動させる(S1)。光ヘッド12が検出点Aに到
達し、対物レンズ4の振れを収めるための整定時間が経
過した後、マイコン21がディスクの1回転周期でフォ
ーカス駆動信号を平均することにより、フォーカス駆動
信号の直流成分の検出を行う(S2)。その検出結果と
半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ
22に数値データとして記憶する(S3)。
【0237】次に光ヘッド12を検出点Bに移動させ
(S4)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出する
(S5)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメ
モリ22に記憶をする(S6)。さらに光ヘッド12を
検出点Cに移動させ(S7)、フォーカス駆動信号の直
流成分の検出をする(S8)。検出結果と半径位置との
関係をフォーカスメモリ22に初期検出データとして記
憶をする(S9)。全ての検出点ABCでの検出が完了
したら、初期検出の処理が終了する。以上の手順により
マイコン21は、初期検出データを用いて、2次の反り
関数(式(12))を計算する。そして、チルト近似関
数(式(13))を求める。
【0238】装置動作中は、得られたチルト近似関数を
用い、光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を逐
次求める。そして、チルト近似値から、チルト駆動信号
を生成し、減算部23および加算部24へ出力する。第
1フォーカス駆動部および第2のフォーカス駆動部はチ
ルト駆動信号に基づく駆動電流をアクチュエータ15a
および15bへ出力する。これにより、対物レンズ4が
光ディスク2のチルトに応じて傾き、コマ収差が低減ま
たは解消する。
【0239】なお先に述べたように、初期検出では所定
の半径位置に光ヘッド12を移動させて検出を行う。こ
の時、モータの回転制御が線速度一定(CLV)方式で
あると、所定の半径位置ごとにモータの回転数が変化す
る。このため、フォーカス駆動信号の検出は、モータの
回転数が所定の値に安定するまでに必要な整定時間を経
た後に行う必要があり、検出時間が増加する。このよう
な場合には、モータの回転制御を角加速度一定(CA
V)方式で制御し、同じ回転数を保持したまま上記初期
検出を行うように実行すれば、検出時間の増加を避け、
装置の起動時間を短縮することが可能である。また、一
般に、起動時には光ヘッドが内周側に位置していること
が多い。このため、起動時に設定される内周の回転数で
角加速度一定の制御をし、その回転数を保持したまま、
上記初期検出を実行すれば、光ディスク装置のシステム
で必要な内周のコントロールデータの再生や、INDE
XやDMA等の情報の記録の信頼性を高めることができ
る。また、以下において説明する補完検出の処理によっ
てディスク全周にわたってチルト精度が確保されるの
で、装置全体のシステムバランスを向上させることがで
きる。
【0240】次に補完検出について説明する。補完検出
は、装置動作中に行われる検出である。図18は補完検
出の動作を示すフローチャートである。装置動作中、フ
ォーカス制御が動作している状態において、エンコーダ
19からの信号をもとに現在の光ヘッド12の半径位置
が所定の検出点A〜Eで示す半径位置であるかどうかを
マイコン21が判断する(S1)。現在の半径位置が検
出点A〜Eのいずれかの半径位置であれば、フォーカス
駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。さらに、現
在の検出点と同一半径位置において過去に検出が行わ
れ、その数値データがフォーカスメモリ22に記憶され
ているかどうか判断する(S3)。その結果、同一半径
位置において過去に検出が行われていれば、そのデータ
を破棄し(S4)、現在の検出結果と半径位置との関係
を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶し、デ
ータの更新を行う(S5)。
【0241】一方、同一半径位置において過去に検出が
行われていなければ、S4を実行せず現在の検出結果と
半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ
22に記憶する(S5)。以上の処理は、光ヘッド12
が所定の検出点A〜Eの半径位置に移動するごとに実行
され、マイコン21は、補完検出により記憶された数値
データと、初期検出データを用いて2次の反り関数およ
びチルト近似関数を再計算、更新する(S6)。さらに
マイコン21は更新されたチルト近似関数を用いて、常
に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出
力する(S7)。出力されたチルト駆動信号により対物
レンズ4がディスクに応じて最適に傾き、良好な再生お
よび記録を実現できる。
【0242】以上のようにして、補完検出がなされるた
びに、反り関数およびチルト近似関数が更新され、更新
された関数に基づいてチルト制御が行われる。したがっ
て初期検出後、初めて補完検出が実行されるまでは、初
期検出によって決定したチルト近似関数によりチルト駆
動値を計算し、チルト制御を行う。その後は補完検出が
実行されるごとにチルト近似関数を更新し、更新したチ
ルト近似関数に基づいてチルト駆動値を計算し、新たな
計算値によってチルト制御を行う。更新されたチルト近
似関数の近似精度は、近似計算に用いる近似点の個数が
増加しているため、それ以前のチルト近似関数に比べて
同等かそれ以上となる。
【0243】上述した初期検出および補完検出の手順
は、マイコン21により、光ディスク装置805の各構
成要素を順次制御することによって実行される。その手
順をマイコン21に実行させるためのプラグラムが、E
EPROM28や図示しないROM、RAM、ハードデ
ィスク、磁気記録媒体などのコンピータ読み取りが可能
な記録媒体に保存されている。
【0244】なお本実施形態において、同一半径位置に
おいてフォーカス駆動信号の検出を行った場合、前回記
憶した結果と現在の検出結果との平均値を求め、フォー
カスメモリ22に記憶させるようにしてもよい。このよ
うにすることによって、ディスクの一回転周期で平均し
てフォーカス駆動信号から除去できなかった検出誤差等
の影響を低減することができる。
【0245】また、検出されたフォーカス駆動信号値を
用いて、更新された反り関数の相関係数と、更新以前の
相関係数を比較し、前者の値より後者の値が小さい場
合、更新された反り関数の近似精度は悪化していると判
断してもよい。この場合には、検出されたフォーカス駆
動信号値は異常データとして扱い、フォーカスメモリ2
2に記憶させないようする。これによって、フォーカス
飛びや振動衝撃による不正確な検出結果が計算に与える
影響を低減もしくは除去できるため、フォーカス駆動信
号の検出値に対する信頼性の向上が期待できる。あるい
は、更新された反り関数の相関係数と、更新以前の相関
係数を比較し、前者の値より後者の値が小さい場合、相
関係数が更新以前の相関係数以上となるよう、反り関数
の次数を変更し変更した次数の反り関数の係数を求め
る。そして、以降のチルト制御には更新した次数の反り
関数を用いてもよい。これにより、反り関数の近似精度
が高くなり、より、正確にチルト制御を行うことができ
る。
【0246】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、チルト検出を初期検出、補完検出の2段階に分ける
ことにより、起動時における検出時間の短縮および近似
精度の向上の両立が可能となる。
【0247】また、起動後に補完検出として随時ディス
クの反り形状を検出するため、光ディスク2の温度特性
等によって、初期検出後、経時的に光ディスク2の反り
の形状が変化する場合であっても、適切に光ディスク2
のチルトを検出、補正することが可能である。
【0248】本実施形態では、光ディスク2の反り形状
を1つの関数を用いて近似していた。しかし、光ディス
ク2を半径方向において複数の領域に分割し、分割した
領域ごとに異なる関数で近似してもよい。また、光ディ
スク2の反り形状を折れ線で近似してもよい。以下、本
実施形態の変形例として、光ディスク2の反り形状を折
れ線からなる反り関数で近似する光ディスク装置を説明
する。
【0249】変形例による光ディスク装置は、図13の
ブロック図で示される構造を備える。図19は、光ディ
スク2の反り形状を示している。変形例による光ディス
ク装置では、図19に示すように、検出点A〜Gにおい
て、フォーカス駆動信号値を検出する。検出点A〜G
は、中周部に比べて、内周部および外周部において、検
出点の密度が大きくなるよう、不均等な間隔を隔てて配
置されている。上述したように、光ディスク2に生じる
反りは、一般に、内周側および外周側において大きくな
るため、内周側および外周側の領域において、検出点の
密度を大きくすることによって、少ない検出点で制度よ
く、光ディスク2全体の反り形状を近似することができ
る。CDやDVDなどの5インチ光ディスクの場合、た
とえば、ディスクの中心から、23mm、26mm、3
1mm、45mm、50mm、55mm、58mmの位
置に検出点A〜Gを配置する。これらの検出点の位置情
報はあらかじめ光ディスク装置内に記憶されている。な
お、見やすさのため、図19は、検出点間の相対的な距
離がこれらの値に対して正確には示されていない。
【0250】起動時の初期検出では、図18に示すよう
に、フォーカス制御が動作している状態において、マイ
コン21により移送モータ18を制御して、光ヘッド1
2を半径方向の検出点Aへ移動させる(S1)。光ヘッ
ド12が検出点Aに到達し、対物レンズ4の振れを収め
るための整定時間が経過した後、マイコン21がディス
クの1回転周期でフォーカス駆動信号を平均することに
より、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S
2)。その検出結果と半径位置との関係を数値データと
してフォーカスメモリ22に数値データとして記憶する
(S3)。
【0251】次に光ヘッド12を検出点Bに移動させ
(S4)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出する
(S5)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメ
モリ22に記憶をする(S6)。さらに光ヘッド12を
検出点Cに移動させ(S7)、フォーカス駆動信号の直
流成分の検出をする(S8)。検出結果と半径位置との
関係をフォーカスメモリ22に初期検出データとして記
憶をする(S9)。図18には示していないが、同様の
手順により、光ヘッド12を検出点D、E、F、Gへ移
動させ、それぞれの検出点における、フォーカス駆動信
号の直流成分の検出をする。全ての検出点A〜Gでの検
出が完了したら、初期検出の処理が終了する。
【0252】次に、マイコン21は、各検出点における
フォーカス駆動信号値と半径位置とのデータから隣接す
る検出点におけるフォーカス駆動信号値を直線で結び、
図20に示す折れ線からなる反り関数を求める。そして
求めた反り関数を微分することにより、チルト近似関数
を求める。
【0253】装置動作中は、得られたチルト近似関数を
用い、光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を逐
次求める。そして、チルト近似値から、チルト駆動信号
を生成し、減算部23および加算部24へ出力する。第
1フォーカス駆動部および第2のフォーカス駆動部はチ
ルト駆動信号に基づく駆動電流をアクチュエータ15a
および15bへ出力する。これにより、対物レンズ4が
光ディスク2のチルトに応じて傾き、コマ収差が低減ま
たは解消する。
【0254】図21は、チルト近似関数を用いて、検出
点A〜Gの各中点(ディスクの中心から、24.5m
m、28.5mm、38mm、47.5mm、52.5
mm、56.5mmの位置)におけるチルト(反り関数
の傾き)を示している。図21に示すように、ディスク
の中心から38mmより外周側ではチルトの値がマイナ
スになっており、図19に示す光ディスク2の反り形状
を正しく示している。
【0255】次に、起動後の補完検出の手順を説明す
る。反り関数として折れ線を用いる場合、補完検出にお
いて、検出点の1つにおけるフォーカス駆動信号値を更
新しても、折れ線からなる反り関数全体を1つの更新さ
れたフォーカス駆動信号値で更新することはできない。
このため、本変形例では、補完検出時には、反り関数を
更新するために別な関数を用いる。
【0256】光ディスク装置の起動後、光ディスク2の
反りの形状が変化する大きな要因のひとつは、周囲の環
境の温度及び湿度の変化である。実験結果によれば、光
ディスク2の半径方向の位置をrとし、時間Δt後にお
ける、位置rでの反り形状の変化Δyは、下記式(1
5)で近似できる。
【0257】 Δy=a×(r−R0) (15)
【0258】ここで、aは比例定数であり、R0は反り
形状が変化しない半径位置である。たとえば、R0はク
ランパの外周位置である。反り形状は、フォーカス駆動
信号値で表現できるので、Δt後における、位置rでの
フォーカス駆動信号値の変化Δfは、Aを比例定数とし
て、下記式(16)で表すことができる。
【0259】 Δf=A×(r−R0) (16)
【0260】したがって、検出点A〜Gのいずれかにお
ける初期検出時のフォーカス駆動信号値と補完検出のフ
ォーカス駆動信号値が分かれば、Δfが既知となるた
め、Δfと検出点の半径方向の位置rとを式(16)に
代入することによって、比例定数Aを求めることができ
る。
【0261】次に、求めた比例定数Aを用いて、式(1
6)から他の検出点A〜Gにおけるフォーカス駆動信号
値Δfを算出し、初期検出時のフォーカス駆動信号値か
ら、さらに補完検出時における他の検出点A〜Gにおけ
るフォーカス駆動信号値を計算する。測定した検出点に
おけるフォーカス駆動信号値および算出した他の検出点
A〜Gにおけるフォーカス駆動信号値を用いて反り関数
を更新し、さらにチルト近似関数を更新する。そして、
更新したチルト近似関数から光ヘッド12の位置に応じ
て、チルト近似値を求め、さらにチルト駆動信号を生成
する。
【0262】これらの手順を図22を参照して整理す
る。装置動作中、フォーカス制御が動作している状態に
おいて、エンコーダ19からの信号をもとに現在の光ヘ
ッド12の半径位置が所定の検出点A〜Gで示す半径位
置であるかどうかをマイコン21が判断する(S1)。
現在の半径位置が検出点A〜Eのいずれかの半径位置で
あれば、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う
(S2)。
【0263】次に、その検出点における初期検出時のフ
ォーカス駆動信号値とステップS2で検出したフォーカ
ス駆動信号値との差をΔfとし、その検出点の位置をr
として、式(16)に代入して比例定数Aを求め、式
(16)を決定する(S3)。式(16)を用いて、他
の検出点におけるΔfを求める(S4)。求めたΔfを
初期検出時のフォーカス駆動信号値に加えて、ステップ
S2で検出した点以外の各検出点におけるフォーカス駆
動信号値を更新する(S5)。
【0264】ステップS2で検出したフォーカス駆動信
号値およびステップS5で求めたフォーカス駆動信号値
を用いて、反り関数およびチルト近似関数を更新する
(S6)。さらに、光ヘッド12の位置に応じて、チル
ト近似値を逐次求め、その値から、チルト駆動信号を生
成する(S7)。
【0265】なお、図22に示した手順では、装置の動
作中、光ヘッドが所定の検出点A〜Gで示す半径位置に
達したときに補完検出を行っていた。しかし、以下の実
施形態で説明するように、光ヘッドが記録または再生に
用いられている場合であっても、光ヘッドを移動させて
補完検出を行うことができる時間がある場合には、記録
再生を行っているトラックに最も近い検出点A〜Gにジ
ャンプして、補完検出をおこなっておもよい。装置起動
直後は、特にディスクが大きな温度変化を受けやすく、
ディスクの反り形状が変化する可能性がある。この場合
には、装置の動作状態にかかわらず、装置の起動後、所
定時間ごと(たとえば2から3分ごと)に補完検出をお
こなってもよい。
【0266】このように本実施形態によれば、ディスク
に対して記録または再生を行う前および記録・再生中の
2つの段階に分けてディスクのチルト量を検出すること
が可能となる。記録または再生を行う前の初期検出で
は、検出点数を減らすことにより、検出時間を短縮する
ことができ、記録・再生中の補完検出では、追加の検出
を行うことで、ディスクの反り形状を近似する関数の近
似精度を向上させることができる。これにより光ディス
クなどの記録媒体の反り形状を精度よく近似して適切な
チルト制御が実現できると同時に、起動時の検出時間の
短縮も実現できる。また、補完検出によって反り関数お
よびチルト近似関数を更新することができるので、記録
または再生中、光ディスクのチルトが変化しても対物レ
ンズのチルト制御を適切に行うことができる。
【0267】(第6の実施形態)図23は本発明による
光ディスク装置の第6の実施形態を示すブロック図であ
る。図23に示す光ディスク装置806において、第5
の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してい
る。
【0268】光ディスク装置806において、受光領域
が複数に分割されたディテクタ5より出力された各検出
信号は、加算増幅部29において、で加算および増幅さ
れ、再生信号(RF信号)となり、イコライザ(EQ)
30に入力される。
【0269】イコライザ30は、再生信号をその信号帯
域で波形等化し、処理された信号をデータスライサ(D
SL)31へ出力する。データスライサ31は、波形等
化された再生信号を予め記憶していた所定のレベルと比
較し、その結果に基づき2値化することで2値化データ
信号を生成し、2値化データ信号をPLL回路(PL
L)32へ出力する。PLL回路32は、2値化データ
信号に合致するクロック信号の周波数制御及び位相制御
を行い、2値化データ信号とクロック信号とを同期させ
る。この同期したクロック信号からデータウィンドウを
生成して、そのウィンドウ内のデータを抽出弁別し、同
期データ信号として復調部33およびIDリード部34
へ出力する。復調部33は、同期データ信号を復調し、
復調データを符号誤り訂正手段であるエラー訂正回路
(ECC)35に出力する。エラー訂正回路35は、復
調データのエラー訂正を行い、訂正されたデータ信号
(DATA)を出力する。
【0270】またエラー検出手段であるマイコン21
は、エラー訂正回路35をモニタしており、訂正前後の
データを比較することでエラー数をカウントし、エラー
数からエラーレートを計算する。IDリード部34は、
同期データ信号中のセクタIDからセクタアドレス信号
を検出し、現在の走査位置に相当するアドレス情報をホ
ストに出力する。また、IDリード部34は、セクタア
ドレス信号の検出ができなかった場合、以前検出できた
セクタアドレスとPLL回路32のクロックとを利用し
て、検出できなかったセクタアドレス情報を補完して出
力する。このように補完されたセクタアドレスを、擬似
アドレスと呼ぶ。マイコン21はIDリード部34をモ
ニタしており、擬似アドレスが算出される回数をアドレ
スエラー検出手段である擬似アドレスカウンタ36に出
力する。
【0271】本実施形態では、第5の実施形態と同様、
起動時の初期検出と装置動作中の補完検出の2つの段階
に分けてチルト検出を行う。特に本実施形態は、補完検
出の方法及びそれを実現する構成に特徴がある。初期検
出については、第5の実施形態と共通の方法および構成
で実現できる。
【0272】本実施形態における補完検出は装置動作中
に行われる。図24はそ手順を示す示すフローチャート
である。マイコン21はエラー訂正回路35をモニタ
し、エラーレートが所定値を超えているかどうか判断す
る(S1)。所定値については、たとえばDVD装置の
場合は、バイトエラーとして1×10-3から5×10-3
程度に設定するのが適当である。これはDVD装置にお
いて、1回のエラー訂正で訂正が可能なバイトエラーの
上限が5×10-3程度であることに起因する。しかし、
他の所定値を設定してもよい。
【0273】エラーレートがこの予め設定された所定値
を超えていれば、フォーカス駆動信号の直流成分の検出
を行い(S2)、さらにその検出結果と半径位置の関係
を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する
(S3)。補完検出は、エラーレートが所定値を超えて
いることが確認されるたびに実行され、マイコン21
は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出
データを用いて反り関数およびチルト近時関数を再計算
し、更新する(S4)。さらにマイコン21は更新され
たチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置におけ
るチルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出力さ
れたチルト駆動信号により、光ディスク2の表面の形状
に応じて対物レンズ4が最適に傾き、良好な再生を実現
できる。
【0274】本実施形態によれば、エラーレートの増加
に合わせて随時補完検出を行う。このため、再生時にお
ける反り関数の精度の悪化を適切かつリアルタイムに検
出し、反り関数およびチルト近似関数の更新ができる。
その結果、補完検出による反り関数の更新を、随時チル
ト制御に反映させることができる。
【0275】なお、本実施形態における補完検出の実行
のタイミングの判断は、上記したようなエラーレートだ
けでなく、擬似アドレスカウンタ36を用いても実現で
きる。図25は擬似アドレスカウンタ36を用いた補完
検出の手順を示すフローチャートである。この図を用い
て擬似アドレスカウンタ36を用いた補完検出を説明す
る。
【0276】マイコン21は、により検出した擬似アド
レスカウンタ36のカウント値が予め設定された所定の
カウント値を超えたかどうかを判断し(S1)、所定の
カウント値を超えた場合にはフォーカス駆動信号の直流
成分の検出を行う(S2)。そして、検出結果および半
径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22
に記憶する(S3)。補完検出は、擬似アドレスカウン
タ36のカウント値が所定のカウント値を超えているこ
とが確認されるたびに実行される。マイコン21は、補
完検出により記憶された数値データと、初期検出データ
を用いて、反り関数およびチルト近似関数を再計算し、
更新する(S4)。さらにマイコン21はチルト近似関
数を用いて、常に現在の光ビームの半径位置におけるチ
ルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出力された
チルト駆動信号応じて対物レンズ4が傾き、良好な再生
および記録を実現できる。
【0277】以上のようにして、擬似アドレスカウント
の増加に合わせて随時補完検出を行うことで、反り関数
の精度の悪化を適切かつリアルタイム検出し、反り関数
およびチルト近似関数の更新ができる。補完検出による
反り関数の更新は、随時チルト制御に反映される。
【0278】なお、上記補完検出は、光ディスク装置動
作中にエラーレートや擬似アドレスカウントによりその
実行を判断していた。しかし、光ディスク2の反りは温
度によって変化するので、温度センサ185と温度セン
サ185の出力をA/D変換してマイコン130へ入力
するA/D変換回路186とを光ディスク装置806に
設け、温度センサの出力が予め設定された所定値以上変
化したかどうかをマイコン21で判断し、補完検出によ
る反り関数の更新を行ってもよい。図26は温度センサ
を用いた補完検出の手順を示すフローチャートであり、
この図を用いて温度センサを用いた補完検出を説明す
る。
【0279】マイコン21は温度センサ185により検
出された温度の変化量が、予め設定された所定値を超え
たかどうかを判断し(S1)、所定値を超えた場合には
フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行い(S2)、
その検出結果と半径位置の関係を数値データとしてフォ
ーカスメモリ22に記憶する(S3)。補完検出は、温
度センサにより検出された温度の変化量が所定の値を超
えていることが確認されるたびに実行される。マイコン
21は、補完検出により記憶された数値データと、初期
検出データを用いて反り関数およびチルト近似関数を再
計算し、更新する(S4)。さらにマイコン21は更新
されたチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置に
おけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出
力されたチルト駆動信号により対物レンズ4が傾き、良
好な再生および記録を実現できる。
【0280】このように、温度センサを用い、温度変化
に合わせて補完検出を行うことで、起動後に光ディスク
2の温度特性によって発生する光ディスク2のチルト変
化を適切に検出し、反り関数の更新ができる。また、補
完検出による反り関数およびチルト近似関数の更新は、
随時チルト制御に反映される。
【0281】本実施形態によれば、エラーレートや補完
されたアドレス、即ちアドレスエラーが発生した時に、
適宜反り関数およびチルト近似関数を更新し、チルト駆
動値の再計算がなされる。このため、部分的な反りやチ
ルトに相当するような外乱(たとえば傷等によるチルト
アクチュエータのアブノーマルな傾き)が発生した場合
にも、その部分のデータの読み取りや書き込みが可能と
なる。
【0282】特に動画データの再生、記録においては、
この反り関数の更新処理に時間がかかると、データが途
切れ、ブロックノイズ等が観測されるという問題が生じ
やすい。しかし、本実施形態を用いれば、1回の補完検
出で検出する点は1つであるため、動画データの再生ま
たは記録におけるデータの途切れが生じることがない。
【0283】このように本実施形態によれば、記録ある
いは再生時のデータに含まれるエラーの割合に応じて、
反り関数の更新を行うので、随時、適切なチルト制御が
可能となり、良好な状態で記録あるいは再生をおこなう
ことができる。したがって、データの書き込みあるいは
読み取りの信頼性を向上させることができる。
【0284】(第7の実施形態)図27は本発明による
光ディスク装置の第7の実施形態を示すブロック図であ
る。図27に示す光ディスク装置807において、第6
の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してい
る。
【0285】光ディスク装置807が再生動作を行って
いるとき、エラー訂正回路35から出力されるエラー訂
正後の再生データ信号(DATA)は、再生データを一
時的に格納するバッファ手段であるリードバッファメモ
リ37に入力され蓄えられる。リードバッファメモリ3
7に蓄えられた再生データは、ホストコンピュータ38
からの要求に応じ、マイコン21によってホストコンピ
ュータ38に出力される。このような処理によって、光
ディスク装置807は光ディスクに記録された信号を再
生することができる。また、マイコン21はリードバッ
ファメモリ37をモニタしており、リードバッファメモ
リ37に蓄えられたデータ量を検出することができる。
【0286】一方、光ディスク装置807が記録動作を
行っているとき、ホストコンピュータ38から出力され
た記録データは、記録データを一時的に格納するバッフ
ァ手段であるライトバッファメモリ39に蓄えられる。
ライトバッファメモリ39に蓄えられた記録データは、
マイコン21によって変調部40に入力され、所定の変
調方式により変調される。変調されたデータは、光ヘッ
ド12に搭載された光源1を発光させるLD駆動部(レ
ーザダイオード駆動部)41に出力される。光源1はL
D駆動部41からの駆動信号に応じた光ビームを発光
し、発光した光ビームが光ディスク2の記録面に照射さ
れることによって光ディスク2の記録面に信号が記録さ
れる。また、マイコン21はライトバッファメモリ39
をモニタしており、ライトバッファメモリ39に蓄えら
れたデータ量を検出することができる。
【0287】次に、本実施形態の特徴であるデータの読
み出しおよび書き込みと補完検出を行うタイミングとを
説明する。光ディスク2とバッファメモリ間におけるデ
ータ入出力の速度をVin、バッファメモリとホストコ
ンピュータ38間におけるデータ入出力の速度をVou
tとする。リトライ処理の実行時間を少しでも確保して
性能を確保するため、通常、Vin>Voutとなるよ
うデータ入出力速度は設定される。光ディスク装置80
7もこの関係を満たすものとする。
【0288】図28は、光ディスク装置807の再生動
作中におけるリードバッファメモリ37内のデータ量の
時間変化を示している。光ヘッド12が光ディスク2か
らデータの読み出しをしている間(時間t0〜t1)、
光ディスク2から読み出されたデータがリードバッファ
メモリ37に送られる。この時、リードバッファメモリ
37内のデータ量はVin−Voutの速度で増加す
る。光ヘッド12によるデータの読み出しが中断してい
る間(時間t1〜t2)は、リードバッファメモリ37
内のデータ量はVoutの速度で減少する。
【0289】光ディスク装置807の再生動作において
は、リードバッファメモリ37からホストコンピュータ
38に出力される再生データが途切れなければよく、再
生データが途切れるのはリードバッファメモリ37内の
データ量が0以下になる状態である(時間t3)。した
がって、リードバッファメモリ37内のデータ量が、常
にある所定の量M1を下回らないように読み出し動作の
開始タイミングを制御すればよい。所定の量M1につい
ては、たとえばDVDにおいては、誤り訂正符合を組み
合わせて作られる1つの積符号である1ECC(Error
Correction Code)ブロックの容量に設定するのが適当
である。しかし、容量M1は1ECCブロックの容量以
外の値であってもよい。
【0290】光ディスク装置807の再生動作中のある
時間t4におけるリードバッファメモリ37内のデータ
量をMr(>M1)とすると、 T1=(Mr−M1)/Vout (17) で計算される時間T1の間、光ヘッド12はデータの読
み出しを中断して、別な処理を実行できる。以下ではこ
の時間T1を余裕時間T1と呼ぶ。
【0291】言い換えれば、時間t4において光ヘッド
12がデータの読み出し動作を中断しても、その後リー
ドバッファメモリ37内のデータ量がM1になる時間t
5において光ヘッド12がデータの読み出し動作を再開
すれば、ホストコンピュータ38に出力される再生デー
タは途切れることはない。
【0292】また図29は、光ディスク装置807の記
録動作中におけるライトバッファメモリ39内のデータ
量の時間変化を示している。光ディスク装置807の記
録動作中は、ホストコンピュータ38からデータがライ
トバッファメモリ39にVoutの速度で送られてい
る。そのため光ヘッド12が光ディスクにデータの書き
込みをしていない間(時間t6〜t7)、ライトバッフ
ァメモリ39内のデータ量はVoutの速度で増加す
る。
【0293】一方、光ヘッド12がデータの書き込みを
している間(時間t7〜t8)は、ライトバッファメモ
リ39内のデータ量はVin−Voutの速度で減少す
る。光ディスク装置807の記録動作においては、ホス
トコンピュータ38から出力された全ての記録データが
光ディスク2に書き込まれる必要がある。このために
は、ライトバッファメモリ39内のデータ量がバッファ
メモリサイズに達し、ライトバッファメモリ39にホス
トコンピュータ38から出力された記録データを受ける
空き容量がないという状態(t9)を避ければよい。し
たがって、ライトバッファメモリ39に蓄えられている
データ量がある所定の量M2を上回らないようにすれば
よい。所定の量M2は、ライトバッファメモリ39のサ
イズMWの半分程度が適当である。
【0294】これは、装置の記録動作中にリトライ処理
等が生じて光ヘッド12の書き込み動作が中断され、再
びデータがライトバッファメモリ39に蓄えられる可能
性があることを考慮した量である。なお、この所定の量
M2はライトバッファメモリ39のサイズMWの半分程
度以外の値であっても良い。
【0295】装置の記録動作中のある時間t8における
ライトバッファメモリ39内のデータ量をMw(<M
2)とすると、 T2=(M2−Mw)/Vout (18) で計算される時間T2の間、光ヘッド12は書き込み動
作を中断して、別な処理を実行することができる。以下
ではこの時間T2を余裕時間T2と呼ぶ。
【0296】言い換えれば、時間t8において、光ヘッ
ド12が書き込み動作を中断しても、その後ライトバッ
ファメモリ内のデータ量がM2になる時間t10におい
て、光ヘッド12が書き込み動作を再開すれば、ホスト
コンピュータ38から出力される記録データは全て光デ
ィスク2に記録される。
【0297】以上のように光ディスク装置の再生動作中
のリードバッファメモリ37内のデータ量Mrおよび光
ディスク装置の記録動作中のライトバッファメモリ39
内のデータ量Mwに着目することで、光ヘッド12が読
み出し動作および書き込み動作を中断しておくことので
きる余裕時間T1、T2を計算でき、この時間でチルト
検出を実行することが可能である。
【0298】本実施形態では、第5および第6の実施形
態と同様、起動時の初期検出および装置動作中の補完検
出の2つの段階に分けてチルト検出を行う。初期検出は
第5および第6の実施形態と同様にして実行され、補完
検出は、上記余裕時間T1、T2において実行される。
図30は光ディスク装置807の補完検出の動作の手順
を示すフローチャートである。
【0299】まず、光ディスク装置807が再生動作を
行っている場合を考える。マイコン21は現在のリード
バッファメモリ37内のデータ量Mrが所定の容量M1
を超えているか判断する(S1)。所定の容量M1を越
えている場合には現在のデータ量Mrから式(17)で
計算される余裕時間T1を算出する(S2)。マイコン
21は、余裕時間T1以内にヘッド12が現在位置から
移動し、その位置においてフォーカス駆動信号の直流成
分の検出をし、再び光ヘッド12が現在位置に戻ってく
ることができるような検出点があるかどうかを判断する
(S3)。実行可能な検出点がある場合、光ヘッド12
は読み出し動作を中断し(S4)、処理が実行可能と判
断された上記検出点に移動する(S5)。移動した検出
点においてマイコン21はフォーカス駆動信号の直流成
分の検出を行い(S6)、その検出結果と半径位置の関
係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する
(S7)。その後、光ヘッド12は元の半径位置に移動
し(S8)、読み出し動作を再開する(S9)。
【0300】一方、光ディスク装置807が記録動作を
行っている場合、マイコン21が現在のライトバッファ
メモリ39内のデータ量Mwが所定の容量M2を下回っ
ているかをまず判断する(S1)。現在のデータ量Mw
から式(18)で計算される余裕時間T2を算出する
(S2)。マイコン21は、余裕時間T2以内にヘッド
12が現在位置から移動し、その位置においてフォーカ
ス駆動信号の直流成分の検出をし、再び光ヘッド12が
現在位置に戻ってくることができるような検出点がある
かどうかを判断する(S3)。実行可能な検出点がある
場合、光ヘッド12は書き込み動作を中断し(S4)、
処理が実行可能と判断された上記検出点に移動する(S
5)。移動した検出点においてマイコン21はフォーカ
ス駆動信号の直流成分の検出を行い(S6)、その検出
結果と半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメ
モリ22に記憶する(S7)。その後、光ヘッド12は
元の半径位置に移動し(S8)、書き込み動作を再開す
る(S9)。
【0301】このような装置の再生時および記録時の補
完検出は、光ヘッド12が現在位置から所定の検出点ま
で移動してフォーカス駆動信号の直流値を検出できるだ
けの時間的余裕があるかを、リードバッファメモリ3
7、ライトバッファメモリ39に蓄えられたデータ容量
から判断し、実行される。
【0302】さらに、マイコン21は、補完検出により
記憶された数値データと、初期検出データを用いて反り
関数およびチルト近似関数を再計算し、更新する(S1
0)。マイコン21は更新されたチルト近似関数を用い
て、常に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成
し、出力する(S11)。出力されたチルト駆動信号に
より対物レンズ4が傾き、良好な再生または記録を実現
できる。このようにして、補完検出による反り関数およ
びチルト近似関数の更新は、随時チルト制御に反映され
る。
【0303】次に、光ディスク装置807が記録よりも
再生を高倍速で動作させことができる場合の対物レンズ
のチルト制御について説明する。このような場合、リー
ドバッファメモリ37、ライトバッファメモリ39を利
用して再生と記録で反り関数およびチルト近似関数の更
新の時間間隔を変えることにより、適切な反り関数およ
びチルト近似関数の更新、ならびに、再生および記録に
おける適切な近似精度の確保が可能となる。高倍速と
は、記録時または再生時におけるデータの転送速度を高
めるために、規格で定められた回転速度よりも速くディ
スクを回転させることをいう。
【0304】図31は、ディスクの反りが直線状である
とした場合のディスクの反り形状を示している。この場
合、ディスク反りが直線状であると仮定したため、ディ
スクの内周のIと外周の検出点Oとの間のいずれの位置
においてもチルトは一定となる。したがって、起動時の
初期検出で内周部の検出点I,Jにおけるフォーカス駆
動信号値の直流成分を検出し、計算することで、反り関
数およびチルト近似関数を計算できる。しかし、実際の
ディスクの反りは一般に外周部に行くほど大きくなるの
で、反り関数は実際の反り形状と異なる。
【0305】図32は、反り関数とあるディスク反り形
状を示している。この図から、内周の検出点I、J近傍
では近似誤差は小さいが、中周の検出点M近傍では検出
点I、J近傍よりも近似誤差は大きく、最外周の検出点
O近傍ではさらに近似誤差が大きくなっていることが分
かる。つまり、直線を反り関数として用いる場合、外周
に行くほど近似誤差が大きくなる。
【0306】したがって、光ディスク2を高倍速で連続
再生または連続記録する場合、光ヘッドがディスクの外
周方向へ移動する速度も速くなるため、回転速度が高い
ほど、補完検出の間隔を短くして反り関数およびチルト
近似関数を頻繁に更新する必要がある。
【0307】図33は、光ディスク装置の再生動作中に
おけるリードバッファメモリ37内のデータ量の時間変
化を示している。装置の再生動作中に、リードバッファ
メモリ37内のデータ量がリードバッファメモリサイズ
MRに達した時間t12において光ヘッド12が読み出
し動作を中断すると、リードバッファメモリ37内のデ
ータ量はVoutの速度で減少する。その後、リードバ
ッファメモリ37内のデータ量がM1になる時間t13
において光ヘッド12が読み出し動作を再開すれば、ホ
ストコンピュータ38に出力される再生データは途切れ
ることはない。
【0308】したがって、この時間t12〜t13の間
に補完検出を行い、反り関数を更新することができる。
その後、光ヘッド12の読み出し動作が再開されると、
リードバッファメモリ37にVin−Voutの速度で
データが蓄えられる。リードバッファメモリ37内のデ
ータ量に余裕ができると、再び光ヘッド12が読み出し
動作を中断することが可能となり、再び反り関数および
チルト近似関数の更新が実行できる。したがって、装置
の再生動作中における反り関数を更新する時間間隔は、
リードバッファメモリ37にデータが蓄えられる速度V
in−Voutに依存することが分かる。
【0309】一方、図34は、装置の記録動作中におけ
るライトバッファメモリ39内のデータ量の時間変化を
示している。光ディスク装置の記録動作中は、ライトバ
ッファメモリ39内のデータ量が0になった時間t14
において光ヘッド12が書き込み動作を中断すると、ラ
イトバッファメモリ39内のデータ量はVoutの速度
で増加する。その後ライトバッファメモリ39内のデー
タ量がM2に達する時間t15において、光ヘッド12
が書き込み動作を再開すれば、ホストコンピュータ38
から出力される記録データを全て光ディスク2に記録で
きる。
【0310】したがって、この時間t14からt15の
間に補完検出を行い、反り関数の更新することができ
る。その後、光ヘッド12の書き込み動作が再開される
とライトバッファメモリ39内のデータ量はVin−V
outの速度で減少する。ライトバッファメモリの容量
に余裕ができると、再び光ヘッド12が書き込み動作を
中断することが可能となり、再び反り関数を更新するこ
とができる。したがって、記録時における反り関数を更
新する時間間隔は、ライトバッファメモリ39内のデー
タが減少する速度Vin−Voutに依存することが分
かる。
【0311】図35は記録よりも再生が高倍速である光
ディスク装置における、リードバッファメモリ37およ
びライトバッファメモリ39内のデータ量の時間変化を
示している。再生時のVinをVin1、記録時のVi
nをVin2とすれば、記録よりも再生が高倍速である
ので、Vin1>Vin2の関係が成り立つ。この関係
から、装置の再生動作中にリードバッファメモリ37内
のデータ量が増加する速度Vin1−Voutは、装置
の記録中にライトバッファメモリ39内のデータ量が減
少する速度Vin2−Voutより大きくなる。
【0312】ここで、光ヘッド12が読み出し動作を中
断するタイミングは、リードバッファメモリ37内のデ
ータ量がリードバッファメモリサイズMRに達するタイ
ミングとし、光ヘッド12が書き込み動作を中断するタ
イミングは、ライトバッファメモリ39内のデータ量が
0となる時間とする。また、光ヘッド12の読み出し動
作中にリードバッファメモリ37に蓄えられるデータの
最大量と、光ヘッド12の書き込み動作中断中にライト
バッファメモリ39に蓄えられるデータの最大量は等し
く、 MR−M1=M2 (19) の関係が成り立つ。この場合、図21より、高倍速再生
時における反り関数を更新する時間間隔は、記録時にお
ける反り関数を更新する時間間隔に比べて短いことが分
かる。
【0313】つまり、高倍速再生時における反り関数を
更新する時間的間隔は記録時に比べて短くでき、これは
再生と記録とで適切な近似精度を保つという観点からの
必要性を満たすことになる。
【0314】このように、本実施形態によれば、リード
バッファメモリ37、ライトバッファメモリ39にデー
タが蓄えられることを利用して、光ヘッド12が読み出
しまたは書き込み動作を中断できるタイミングを判断し
て随時補完検出を行うことができる。したがって、光デ
ィスク装置の再生動作中はホストコンピュータ38に出
力される再生データの流れを中断せずに、また、記録動
作中は、ホストコンピュータ38から出力される記録デ
ータの流れを中断せずに、反り関数およびチルト近似関
数の更新を行い、適切なチルト制御を行うことができ
る。
【0315】また、特に記録よりも再生を高倍速で動作
させるCD−R/RWに代表とされる光ディスク装置に
おいては、再生と記録とで適切な反り関数の近似精度の
確保が可能となる。
【0316】このように常に良好な状態で再生および記
録ができるので、本実施形態は、連続性を要するコンピ
ュータのコードデータや音楽情報をコード化したデータ
の再生や記録に対して適している。
【0317】なお、上記第1から第7の実施形態では、
光ディスクは1つの記録層を備えた光ディスクを用いて
本発明を説明した。しかし本発明は2層以上の記録層を
有する光ディスクを扱うこともできる。光ディスクが第
1および第2のデータ記録層を有する二層ディスクであ
る場合には、それぞれの記録層のチルトを検出し、検出
結果に基づいて、対物レンズを傾けることができる。ま
た、第5から第7の実施形態では、上記初期検出動作お
よび補完検出動作をそれぞれのデータ記録層に対して行
い、反り関数およびチルト近似関数をそれぞれ決定すれ
ばよい。しかし、初期検出時における検出点の数が多い
と、2つのデータ記録層に対して、同じように初期検出
を行うことによって、初期検出に要する時間が長くなっ
てしまう。初期検出要する時間が長くなることが問題と
なる場合には、たとえば、第1のデータ記録層に対して
検出点A〜Gを用いて上述したように初期検出を行い、
第2のデータ記録層に対して、検出点E〜Gのみを用い
て初期検出を行う。そして、第2のデータ記録層に対す
る検出点A〜Dにおけるフォーカス駆動信号値は、第1
のデータ記録層に対する検出点A〜Dにおけるフォーカ
ス駆動信号値を用いる。データ記録層が二層になってい
ても、光ディスク2の内周側では、反り形状の差異が小
さく、2つのデータ記録層のチルト角は実質的に等しい
からである。このような検出方法を用いることによっ
て、検出時間を短縮しても、検出精度を実質的に維持す
ることができる。
【0318】なお、上記第5から第7の実施形態では、
第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動
部16bから出力される駆動電流を計測する回路を設け
ていないが、第1の実施形態の構成を採用して、駆動電
流を検出してもよい。つまり、第5から第7の実施形態
は第1の実施形態と好適に組み合わせることができる。
また、対物レンズの傾き向ける手段として、チルト用コ
イルを採用してもよい。この場合には、チルト近似関数
から求めるチルト近似値に基づいて、チルト用コイルを
駆動する駆動電流を決定し、対物レンズをディスクの反
り形状に応じて傾ける。つまり、第5から第7の実施形
態は第1から第4の実施形態とも好適に組み合わせるこ
とができる。
【0319】また、上記第1から第7の実施形態で説明
した光ディスク装置の制御方法や対物レンズの駆動方法
などは、その手順をマイコンに実行させるためのプラグ
ラムが、EEPROMやROM、RAM、ハードディス
ク、磁気記録媒体などのコンピータ読み取りが可能な記
録媒体に保存されている。
【0320】
【発明の効果】本発明によれば、光ディスクのデータ面
に反りなどによるチルトが生じていても、対物レンズを
光ディスクのチルトに応じて傾けることができる。この
ため、適切なチルト制御によってデータの記録・再生を
正確におこなうことのできる光ディスク装置が実現す
る。
【0321】また、対物レンズを駆動する駆動部や制御
部のオフセットによる影響を低減し、精度の高い制御を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はディスクにチルトが発生していない場
合において、ディスクのデータ面に投影される光ビーム
の断面を示し、(b)は、チルトが発生している場合に
おいて、ディスクのデータ面に投影される光ビームの断
面を示している。
【図2】(a)および(b)は、ディスクにチルトが発
生している場合において、ディスクのチルト量と再生信
号のジッタ及びエラー率との関係をそれぞれ示すグラフ
である。
【図3】従来の技術による光ディスク装置の構成を示す
ブロック図である。
【図4】(a)は、チルトが発生した場合の対物レンズ
4と光ディスク2のデータ面との相対位置を示した模式
図であり、(b)は、光ヘッドの位置とその位置におけ
るフォーカス駆動信号値との関係を示した模式図であ
る。
【図5】本発明の光ディスク装置の第1の実施形態を示
すブロック図である。
【図6】図5に示す光ディスク装置のアクチュエータを
示す平面図である。
【図7】図5に示す光ディスク装置の駆動電流検出部の
ブロック図である。
【図8】フォーカス駆動信号および1回転信号の波形を
示している。
【図9】本発明の光ディスク装置の第2の実施形態を示
すブロック図である。
【図10】図9に示す光ディスク装置のアクチュエータ
を示す平面図である。
【図11】本発明の光ディスク装置の第3の実施形態を
示すブロック図である。
【図12】本発明の光ディスク装置の第4の実施形態を
示すブロック図である。
【図13】本発明の光ディスク装置の第5の実施形態を
示すブロック図である。
【図14】光ディスクの形状を示す模式図である。
【図15】光ディスクの形状とその近似関数を示す模式
図である。
【図16】初期検出および補完検出における検出点の位
置を示す図である。
【図17】初期検出の手順を示すフローチャートであ
る。
【図18】補完検出の手順を示すフローチャートであ
る。
【図19】第1の実施形態の変形例における検出点の位
置を示す図である。
【図20】反り関数を示す図である。
【図21】図19の関数から得られるチルト近似値を示
す図である。
【図22】補完検出の手順を示すフローチャートであ
る。
【図23】本発明の光ディスク装置の第6の実施形態を
示すブロック図である。
【図24】補完検出の手順を示すフローチャートであ
る。
【図25】補完検出の他の手順を示すフローチャートで
ある。
【図26】補完検出の他の手順を示すフローチャートで
ある。
【図27】本発明の光ディスク装置の第7の実施形態を
示すブロック図である。
【図28】再生動作中のリードバッファメモリ内のデー
タ量の時間変化を示した図である。
【図29】記録動作中のライトバッファメモリ内のデー
タ量の時間変化を示した図である。
【図30】補完検出の手順を示すフローチャートであ
る。
【図31】ディスクの反り形状を示す模式図である。
【図32】反り関数と実際のディスク反り形状との関係
を示す模式図である。
【図33】再生動作中のリードバッファメモリ内のデー
タ量の時間変化を示した図である。
【図34】記録動作中のライトバッファメモリ内のデー
タ量の時間変化を示した図である。
【図35】再生時と記録時の反り関数更新の時間間隔の
差を示した図である。
【符号の説明】
1、42 光源 2、100 光ディスク 3、110 ビームスプリッタ 4、103 対物レンズ 5、43、113 ディテクタ 6、106 フォーカスアクチュエータ 7、115 フォーカスエラー信号生成部(FE信号生
成部) 8、9 フォーカス制御部 10 チルトセンサ 11 チルトアクチュエータ 12、114 光ヘッド 13 チルト信号生成部 14 チルト制御部 15a,15b フォーカスアクチュエータ 16a、125 第1フォーカス駆動部 16b、126 第2フォーカス駆動部 17 光ヘッド送り軸 18、118 移送モータ 19 エンコーダ 20 モータ駆動部 21、130 マイクロコンピュータ(マイコン) 22 フォーカスメモリ 23、120、122、123 減算部 24、124 加算部 25、102 モータ制御部 26、131 回転検出部 27、101 モータ 28 EEPROM 29 加算増幅部 30 イコライザ(EQ) 31 データスライサ(DSL) 32 PLL部(PLL) 33 復調部 34 IDリード部 35 エラー訂正部(ECC) 36 擬似アドレスカウンタ 37 リードバッファメモリ 38 ホストコンピュータ 39 ライトバッファメモリ 40 変調部 41 レーザダイオード駆動部(LD駆動部) 105 全反射鏡 106 光ビーム 107 1/4波長板 108 カップリングレンズ 109 レーザ 111 検出レンズ 112 円筒レンズ 116、121 位相補償部 127,128 駆動電流検出部 135 第1のフォーカス用コイル 136 第2のフォーカス用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤畝 健司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡邊 克也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 阿部 雅祥 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D118 AA13 BA01 CA11 CB03 CD02 CD04

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体を回転させる回転手段と、
    情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光
    源と、 前記光ビームを収束するための収束手段と、 前記データ面と前記収束手段により収束される光ビーム
    の焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出手段
    と、 前記収束手段を前記データ面と垂直な方向に移動させる
    フォーカス方向移動手段と、 前記データ面上に前記光ビームが所定の状態で収束する
    よう、前記フォーカスエラー検出手段の出力に基づいて
    前記フォーカス方向移動手段を駆動するフォーカス制御
    手段と、 前記光源を前記情報記録媒体の半径方向に移動させるト
    ラッキング方向移動手段と、 前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得
    られる前記フォーカス制御手段の出力の平均値を前記半
    径方向の異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる
    2点おける平均値に基づいて、前記データ面の傾きを求
    めるチルト計算手段と、を備える光ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記回転手段は、前記光源が前記情報記
    録媒体の内周側に位置するときに比べて外周側に位置す
    るときのほうが回転速度が小さくなるよう前記情報記録
    媒体を回転させ、 前記倍数の値を前記光源が前記情報記録媒体の内周側に
    位置するときに比べて外周側に位置するときに小さくす
    る請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 【請求項3】 対物レンズの一端をその焦点方向へ移動
    させる第1のフォーカス方向移動手段を駆動するための
    駆動値を出力する第1の駆動手段と、 対物レンズの他端をその焦点方向へ移動させる第2のフ
    ォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力す
    る第2の駆動手段と、 前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段の駆動値
    を検出し、それらの差を出力する駆動レベル差検出手段
    と、 前記駆動値の差が所定の値となるように前記第1の駆動
    手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、
    を備える対物レンズの傾き制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記第1の駆動手段お
    よび前記第2の駆動手段を停止させた状態における前記
    駆動値の差を基準レベルとして、前記第1の駆動手段お
    よび前記第2の駆動手段を制御する請求項3に記載の対
    物レンズの傾き制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記第1のフォーカス
    方向移動手段および前記第2のフォーカス方向移動手段
    をそれぞれ前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手
    段から電気的に切り離すとともに、前記第1のフォーカ
    ス方向移動手段および前記第2のフォーカス方向移動手
    段へ出力する駆動値をそれぞれゼロにしたときの前記駆
    動値の差を基準レベルとして、前記第1の駆動手段およ
    び前記第2の駆動手段を制御する請求項3に記載の対物
    レンズの傾き制御装置。
  6. 【請求項6】 前記基準レベルを所定の時間間隔で更新
    する請求項4または5に記載の対物レンズの傾き制御装
    置。
  7. 【請求項7】 温度センサをさらに備え、前記温度セン
    サの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベ
    ルを更新する請求項4または5に記載の対物レンズの傾
    き制御装置。
  8. 【請求項8】 光ビームを収束するための対物レンズ
    と、 前記対物レンズの一端をその焦点方向へ移動させる第1
    のフォーカス方向移動手段と、 前記対物レンズの他端をその焦点方向へ移動させる第2
    のフォーカス方向移動手段と、 請求項3から7のいずれかに記載の対物レンズの傾き制
    御装置と、を備える光ディスク装置。
  9. 【請求項9】 情報記録媒体を回転させる回転手段と、
    情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光
    源と、 前記データ面と前記収束手段により収束される光ビーム
    の焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出手段
    と、 前記光源を前記情報記録媒体の半径方向に移動させるト
    ラッキング方向移動手段と、 前記フォーカス制御手段の出力を前記半径方向の異なる
    2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点の出力に基
    づいて、前記データ面の傾きを求めるチルト計算手段
    と、をさらに備え、前記チルト計算手段の計算結果に基
    づいて、前記所定の値を決定する請求項8に記載の光デ
    ィスク装置。
  10. 【請求項10】 対物レンズをその焦点方向へ移動させ
    るフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出
    力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベ
    ル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに
    基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正するフ
    ォーカス駆動装置。
  11. 【請求項11】 対物レンズをその焦点方向へ移動させ
    るフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出
    力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記
    駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基
    準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを
    補正するフォーカス駆動装置。
  12. 【請求項12】 対物レンズをその焦点方向へ移動させ
    るフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出
    力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動レベル検出手段を前記フォーカス方向移動手段
    から電気的に切り離すとともに、前記フォーカス方向移
    動手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レ
    ベル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベル
    に基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する
    フォーカス駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記基準レベルを所定の時間間隔で更
    新する請求項10から12のいずれかに記載のフォーカ
    ス駆動装置。
  14. 【請求項14】 温度センサをさらに備え、前記温度セ
    ンサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レ
    ベルを更新する請求項10から12のいずれかに記載の
    フォーカス駆動装置。
  15. 【請求項15】 光ビームを収束するための対物レンズ
    と、 前記対物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス
    方向移動手段と、 前記対物レンズによって収束された光ビームの焦点と所
    定の位置とのずれを示すフォーカスエラー信号を生成す
    るフォーカスエラー検出手段と、 請求項10から14のいずれかに記載のフォーカス駆動
    装置と、 前記フォーカスエラー信号と前記駆動レベル検出手段の
    出力とが所定の関係になるように前記駆動手段を制御す
    る制御要素手段と、を備える光ディスク装置。
  16. 【請求項16】 情報記録媒体を回転させる回転手段
    と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照
    射する光源と、をさらに備える請求項15に記載の光デ
    ィスク装置。
  17. 【請求項17】 対物レンズを情報記録媒体の半径方向
    へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するため
    の駆動値を出力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベ
    ル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに
    基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正するト
    ラッキング駆動装置。
  18. 【請求項18】 対物レンズを情報記録媒体の半径方向
    へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するため
    の駆動値を出力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記
    駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基
    準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを
    補正するトラッキング駆動装置。
  19. 【請求項19】 対物レンズを情報記録媒体の半径方向
    へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するため
    の駆動値を出力する駆動手段と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動レベル検出手段を前記トラッキング方向移動手
    段から電気的に切り離すとともに、前記トラッキング方
    向移動手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆
    動レベル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レ
    ベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正
    するトラッキング駆動装置。
  20. 【請求項20】 前記基準レベルを所定の時間間隔で更
    新する請求項17から19のいずれかに記載のトラッキ
    ング駆動装置。
  21. 【請求項21】 温度センサをさらに備え、前記温度セ
    ンサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レ
    ベルを更新する請求項17から19のいずれかに記載の
    トラッキング駆動装置。
  22. 【請求項22】 光ビームを収束するための対物レンズ
    と、 対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラ
    ッキング方向移動手段と、 前記対物レンズによって収束された光ビームと所定の位
    置とのずれを示すトラッキングエラー信号を生成するト
    ラッキングエラー検出手段と、 請求項17から19のいずれかに記載のトラッキング駆
    動装置と、 前記トラッキングエラー信号と前記駆動レベル検出手段
    の出力とが所定の関係になるように前記駆動手段を制御
    する制御要素手段と、を備える光ディスク装置。
  23. 【請求項23】 情報記録媒体を回転させる回転手段
    と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照
    射する光源と、をさらに備える請求項15に記載の光デ
    ィスク装置。
  24. 【請求項24】 対物レンズの傾きを変える対物レンズ
    傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段
    と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベ
    ル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに
    基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する対
    物レンズの傾き制御装置。
  25. 【請求項25】 対物レンズの傾きを変える対物レンズ
    傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段
    と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記
    駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基
    準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを
    補正する対物レンズの傾き制御装置。
  26. 【請求項26】 対物レンズの傾きを変える対物レンズ
    傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段
    と、 前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段と、を備え、
    前記駆動レベル検出手段を対物レンズ傾き手段から電気
    的に切り離すとともに、前記トラッキング方向移動手段
    へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レベル検
    出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベルに基づ
    いて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する対物レ
    ンズの傾き制御装置。
  27. 【請求項27】 前記基準レベルを所定の時間間隔で更
    新する請求項24から26のいずれかに記載の対物レン
    ズの傾き制御装置。
  28. 【請求項28】 温度センサをさらに備え、前記温度セ
    ンサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レ
    ベルを更新する請求項24から26のいずれかに記載の
    対物レンズの傾き制御装置。
  29. 【請求項29】 光ビームを収束するための対物レンズ
    と、 対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段と、 請求項24から28のいずれかに記載の対物レンズの傾
    き制御装置と、 前記駆動レベル検出手段の出力が所定の値となるように
    前記駆動手段を制御する制御要素手段と、を備える光デ
    ィスク装置。
  30. 【請求項30】 情報記録媒体を回転させる回転手段
    と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照
    射する光源と、をさらに備える請求項29に記載の光デ
    ィスク装置。
  31. 【請求項31】 情報記録媒体のデータ面に向けて光ビ
    ームを照射する光源と、 前記光ビームを収束する収束手段と、 前記収束手段と前記データ面との距離が変化するように
    前記収束手段を移動させる移動手段と、 前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光す
    る受光手段と、 前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体の
    データ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生す
    るフォーカスエラー検出手段と、 前記フォーカスエラー検出手段からの信号に基づいて前
    記移動手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定
    の収束状態になるよう制御するフォーカス制御手段と、 前記収束手段を傾ける傾き手段と、 前記駆動信号に基づいて前記データ面の形状を算出する
    ために用いる少なくとも1つの計算式を決定し、前記決
    定した計算式を用いて前記データ面のチルト量を求める
    チルト計算手段と、 前記チルト量に応じて、傾き手段を駆動し、前記データ
    面に対し光ビームが実質的に垂直に照射されるよう制御
    するチルト制御手段と、を備える光ディスク装置。
  32. 【請求項32】 前記チルト計算手段は、前記計算式を
    決定した以降に得られた前記駆動信号に基づき、前記決
    定した計算式を更新する請求項31に記載の光ディスク
    装置。
  33. 【請求項33】 前記チルト計算手段は、前記情報記録
    媒体を前記光ディスク装置に装填した後、前記情報記録
    媒体に対して記録または再生を行う前に、前記計算式を
    決定するために行う駆動信号の初期検出と、前記情報記
    録媒体に対して記録または再生中、前記計算式の更新の
    ために行う駆動信号の補完検出とを実行する請求項32
    に記載のディスク装置。
  34. 【請求項34】 前記チルト計算手段は、前記データ面
    の異なる半径位置において設定された複数の検出点にお
    いて、前記光ビームが前記データ面を照射する際に得ら
    れるフォーカス制御手段の駆動信号に基づいて前記計算
    式を決定する請求項33に記載の光ディスク装置。
  35. 【請求項35】 前記チルト計算手段は、前記情報記録
    媒体に対して記録または再生中、前記光ビームが前記複
    数の検出点のいずれかに到達あるいは通過するたびに、
    駆動信号の検出および前記計算式の更新を行う請求項3
    4に記載の光ディスク装置。
  36. 【請求項36】 前記チルト計算手段は、前記初期検出
    の前に、前記情報記録媒体の半径方向の複数の位置にお
    いて前記駆動信号を検出し、検出結果から前記データ面
    の反り形状を判断し、前記判断した結果に基づいて、前
    記初期検出および前記補完検出において駆動信号を検出
    する検出点の位置を決定する請求項34に記載の光ディ
    スク装置。
  37. 【請求項37】 前記チルト計算手段は、前記データ面
    の反り形状形が、第1の形状であると判断した場合、前
    記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の
    配置が、前記データ面の中周部に比べ、内周部および外
    周部において密となるように設定し、前記データ面の反
    り形状形が、第2の形状であると判断した場合、前記初
    期検出および前記補完検出における複数の検出点の位置
    が内周部、中周部および外周部において等間隔となるよ
    うに設定する請求項36に記載の光ディスク装置
  38. 【請求項38】 前記データ面にデータを記録する際生
    じる書き込みエラー、あるいは前記データ面に記録され
    たデータを再生する際に生じる読み込みエラーを検出す
    るエラー検出手段をさらに備え、 前記補完検出における前記計算式の更新に用いる前記駆
    動信号の検出を、前記エラー検出手段の信号に基づいて
    行う請求項33に記載の光ディスク装置。
  39. 【請求項39】 前記エラー検出手段は、前記情報記録
    媒体から再生したデータの符号誤りを検出し、訂正する
    符号誤り訂正手段をさらに備え、 前記補完検出を前記符号誤り訂正手段の符号誤り数が所
    定値を超えるごとに、実行する請求項38に記載の光デ
    ィスク装置。
  40. 【請求項40】 前記エラー検出手段は、前記データ面
    の位置情報に相当するアドレス情報の再生エラーを検出
    するアドレスエラー検出手段を備え、 前記補完検出を前記再生エラーが所定数を超えるごとに
    実行する請求項38に記載の光ディスク装置。
  41. 【請求項41】 前記情報記録媒体から再生したデータ
    と、前記情報記録媒体に記録するデータをそれぞれ一時
    的に格納するバッファ手段を備え、 前記補完検出を、前記バッファ手段に格納されたデータ
    の量に基づいて実行する請求項33に記載の光ディスク
    装置。
  42. 【請求項42】 前記補完検出における前記駆動信号の
    検出の時間間隔は、前記情報記録媒体からデータを再生
    する場合と前記情報記録媒体へデータを記録する場合と
    で異なっている請求項41に記載の光ディスク装置。
  43. 【請求項43】 温度センサーをさらに備え、 前記補完検出を前記温度センサーの出力が所定値以上変
    化した場合に実行する請求項33に記載の光ディスク装
    置。
  44. 【請求項44】 前記チルト計算手段の計算式は、前記
    データ面のチルトを近似するための反り関数を含み、前
    記補完検出において、前記計算式を更新する際、前記反
    り関数の次数を設定する請求項35、38、41および
    43のいずれかに記載の光ディスク装置。
  45. 【請求項45】 前記情報記録媒体を所定の回転数で回
    転させる回転手段をさらに備え、 フォーカス制御手段が出力する前記駆動信号は、前記情
    報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間の平均の値
    である請求項35、38、41および43のいずれかに
    記載の光ディスク装置。
  46. 【請求項46】 前記情報記録媒体を所定の回転数で回
    転させる回転手段と、前記情報記録媒体に対して記録ま
    たは再生を行う場合に前記回転手段を線速度一定になる
    よう制御し、前記初期検出時には、前記回転手段を角速
    度一定になるよう制御する回転制御手段と、をさらに備
    える請求項35、38、41および43のいずれかに記
    載の光ディスク装置。
  47. 【請求項47】 前記チルト計算手段は、前記複数の検
    出点のひとつにおいて前記駆動信号の検出を2回以上行
    う場合、これまでに取得した駆動信号の値の平均値を用
    いて、前記計算式の更新を行う請求項35、38、41
    および43のいずれかに記載の光ディスク装置。
  48. 【請求項48】 前記チルト計算手段は、前記複数の検
    出点のひとつにおいて前記駆動信号の検出を2回以上行
    う場合、これまでに検出取得した駆動信号の値に対し
    て、所定の範囲外であれば、その駆動信号の検出結果を
    不正確と判断し、前記計算式の更新を中止する請求項3
    5、38、41および43のいずれかに記載の光ディス
    ク装置。
  49. 【請求項49】 前記少なくとも1つの計算式は、デー
    タ面の反りを近似する反り関数と、半径方向の任意の位
    置における傾きを示すチルト近似関数とを含む請求項3
    3に記載の光ディスク装置。
  50. 【請求項50】 前記チルト計算手段の計算式は折れ線
    関数を含む請求項34に記載の光ディスク装置。
  51. 【請求項51】 前記チルト計算手段は、前記情報記録
    媒体に対して記録または再生中、前記光ビームが前記複
    数の検出点のいずれかに到達あるいは通過するたびに、
    駆動信号の検出を行い、検出結果に基づいて前記折れ線
    関数を決定する際に用いたすべての駆動信号の値を補正
    し、補正した駆動信号の値に基づいて折れ線関数を更新
    する請求項50に記載の光ディスク装置。
  52. 【請求項52】 前記初期検出および前記補完検出にお
    ける複数の検出点の配置が前記データ面の中周部に比
    べ、内周部および外周部において密となるように設定さ
    れている請求項51に記載の光ディスク装置。
  53. 【請求項53】 前記情報記録媒体のデータ面が第1お
    よび第2の記録層を有している場合、チルト計算手段
    は、前記第1および第2の記録層の形状を算出するため
    に用いる少なくとも1つの計算式をそれぞれ決定し、前
    記決定した計算式を用いて前記第1および第2の記録層
    および前記収束手段のチルト量を求める求項34に記載
    の光ディスク装置。
  54. 【請求項54】 前記移動手段は、前記データ面に対し
    て前記収束手段を略垂直方向に駆動する一対のフォーカ
    スアクチュエータであり、前記傾き手段は、前記データ
    面に対して傾くように前記収束手段を駆動する前記一対
    のフォーカスアクチュエータである請求項31に記載の
    光ディスク装置。
  55. 【請求項55】 前記移動手段は、前記データ面に対し
    て前記収束手段を略垂直方向に駆動する一対のフォーカ
    スアクチュエータであり、前記傾き手段は、前記データ
    面に対して傾くように前記収束手段を駆動するチルトア
    クチュエータである請求項31に記載の光ディスク装
    置。
  56. 【請求項56】 情報記録媒体のデータ面に照射した光
    ビームが所定の収束常態を保つように、前記光ビームを
    収束させるための収束手段を前記データ面と垂直な方向
    に駆動するステップと、 前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得
    られる前記収束手段を駆動する駆動信号の平均値を求め
    るステップと、 前記平均値を前記情報記録媒体の半径方向における異な
    る2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点おける平
    均値に基づいて、前記データ面の傾きを求めるステップ
    と、 前記データ面の傾きに基づいて、前記収束手段の傾きを
    変化させるステップと、を包含する光ディスク装置の制
    御方法。
  57. 【請求項57】 対物レンズの両端をその焦点方向に駆
    動するステップと、 前記両端を駆動するための駆動信号の差を検出するステ
    ップと、 前記駆動信号の差が所定の値となるように前記第1の駆
    動手段および前記第2の駆動手段を制御するステップ
    と、を包含する対物レンズの傾き制御方法。
  58. 【請求項58】 対物レンズを所定の方向に駆動するた
    めの駆動信号を出力するステップと、 前記駆動信号を検出するステップと、 前記駆動信号をゼロに設定した状態において、前記検出
    ステップで検出した値を基準レベルとし、前記基準レベ
    ルに基づいて前記駆動信号の直流レベルを補正するステ
    ップと、を包含する対物レンズの駆動方法。
  59. 【請求項59】 対物レンズを所定の方向に駆動するた
    めの駆動信号を出力するステップと、 前記駆動信号を検出するステップと、 前記駆動信号の出力を所定期間停止した際における前記
    検出ステップで検出した値を基準レベルとして、前記基
    準レベルに基づいて駆動信号の直流レベルを補正するス
    テップと、 を包含する対物レンズの駆動方法。
  60. 【請求項60】 対物レンズを所定の方向に移動させる
    ための移動手段を駆動する駆動信号を出力するステップ
    と、 前記駆動信号を検出するステップと、 前記駆動信号を出力する手段と前記移動手段とを電気的
    に切り離すとともに、前記駆動信号をゼロにしたときの
    前記検出ステップで検出した値を基準レベルとして、前
    記基準レベルに基づいて駆動信号の直流レベルを補正す
    るステップと、包含する対物レンズの駆動方法。
  61. 【請求項61】 前記所定の方向がフォーカス方向であ
    る請求項58から60のいずれかに記載の駆動法方法。
  62. 【請求項62】 前記所定の方向がトラキング方向であ
    る請求項58から60のいずれかに記載の駆動法方法。
  63. 【請求項63】 前記所定の方向がチルト方向である請
    求項58から60のいずれかに記載の駆動法方法。
  64. 【請求項64】 情報記録媒体のデータ面に照射した光
    ビームの収束状態を変化させるために、前記光ビームを
    収束させるための収束手段を前記データ面と垂直な方向
    に駆動するステップと、 前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光す
    るステップと、 前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体の
    データ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生す
    るステップと、 前記収束状態に応じた信号に基づいて、前記収束手段を
    移動させる手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが
    所定の収束状態になるよう制御するステップと、 前記駆動信号に基づいて前記データ面の形状を算出する
    ために用いる少なくとも1つの計算式を決定し、前記決
    定した計算式を用いて前記データ面および前記収束手段
    のチルト量を求めるステップと、 前記チルト量に応じて、前記収束手段の傾きを変化させ
    る手段を駆動し、前記データ面に対し光ビームが実質的
    に垂直に照射されるよう制御するステップと、を包含す
    る光ディスク装置の制御方法。
  65. 【請求項65】 前記情報記録媒体のデータ面を照射す
    る光ビームが所定の収束状態になるようフォーカス制御
    を行っている状態で、前記情報記録媒体の半径方向にお
    ける異なる複数の位置において前記光ビームが前記デー
    タ面を照射する際に得られるフォーカス駆動信号を取得
    するステップ(A)と、 前記取得した複数のフォーカス駆動信号の値に基づい
    て、前記データ記録面の形状を算出するために用いる少
    なくとも1つの計算式を決定するステップ(B)と、 前記決定した計算式を用いて、前記データ記録面のチル
    ト量を求め、求めたチルト量に基づいて対物レンズの傾
    きを変化させるステップ(C)と、を包含する光ディス
    ク装置の制御方法。
  66. 【請求項66】 ステップ(B)を実行後、フォーカス
    制御を行っている状態で、前記情報記録媒体の半径方向
    における少なくとも1つ以上の所定の位置において前記
    光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォー
    カス駆動信号を取得するステップ(D)と、 ステップ(D)およびステップ(A)で取得したフォー
    カス駆動信号の値に基づいて、前記計算式を更新するス
    テップ(E)と、 更新した計算式に基づいて、前記データ記録面のチルト
    量を求め、求めたチルト量に基づいて対物レンズの傾き
    を変化させるステップ(F)と、をさらに包含する請求
    項65に記載の光ディスク装置の制御方法。
  67. 【請求項67】 前記光ビームが前記情報記録媒体の半
    径方向における少なくとも1つ以上の所定の位置のいず
    れかに到達あるいは通過するたびに、前記ステップ
    (D)〜(F)を実行する請求項66に記載の光ディス
    ク装置の制御方法。
  68. 【請求項68】 前記データ面にデータを記録する際生
    じる書き込みエラー、あるいは前記データ面に記録され
    たデータを再生する際に生じる読み込みエラーを検出
    し、検出結果に基づいて、前記ステップ(D)〜(F)
    実行する請求項66に記載の光ディスク装置の制御方
    法。
  69. 【請求項69】 前記情報記録媒体から再生したデータ
    と、前記情報記録媒体に記録するデータをそれぞれ一時
    的に格納するデータの量に基づいて、前記ステップ
    (D)〜(F)実行する請求項66に記載の光ディスク
    装置の制御方法。
  70. 【請求項70】 前記光ディスク装置内の温度を検出
    し、温度の変化が所定の値以上である場合に前記ステッ
    プ(D)〜(F)実行する請求項66に記載の光ディス
    ク装置の制御方法。
  71. 【請求項71】 前記ステップ(A)および(D)にお
    いてフォーカス駆動信号を取得する位置は、前記情報記
    録媒体の中周部よりも外周部において密に配置されてい
    る請求項66に記載の光ディスク装置の制御方法。
  72. 【請求項72】 前記計算式は折れ線関数を含む請求項
    66に記載の光ディスク装置の制御方法。
  73. 【請求項73】 前記ステップ(D)において、前記少
    なくとも1つ以上の所定の位置のいずれかにおいて前記
    フォーカス駆動信号を取得し、ステップ(D)で取得し
    た前記フォーカス駆動信号に基づいて、ステップ(A)
    で取得した前記フォーカス駆動信号をすべて補正し、補
    正したフォーカス駆動信号にもとづいて前記ステップ
    (E)を実行する請求項72に記載の光ディスク装置の
    制御方法。
  74. 【請求項74】 前記フォーカス駆動信号の取得を前記
    情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間行い、そ
    の平均値をフォーカス駆動信号の値として用いる請求項
    65から73のいずれかに記載の光ディスク装置の制御
    方法。
  75. 【請求項75】 請求項56から74のいずれかに記載
    の方法において規定した各ステップをコンピュータに実
    行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み
    取り可能な記録媒体。
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