JP4189210B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを利用して光ディスクなどの記録媒体にデータを記録し、または、記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク装置に関する。特に、記録媒体のデータ面に対する光ビームの入射角度を制御する機構を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置において、光ディスクなどの記録媒体へ照射される光ビームの光軸に対して、データ面が垂直からずれる角度をチルト角と呼び、チルト角がゼロでない場合をチルトが発生するという。光ディスクなどの記録媒体の記録密度が高まるにつれて、チルト角を制御することが重要な問題になってきている。チルトが発生すると、記録あるいは再生信号のジッタの劣化が顕著となるため、光ディスク装置の性能を確保することが困難となるからである。
【0003】
図1(a)および(b)は、チルトが発生していない場合およびチルトが発生した場合におけるディスクのデータ面に投影される光ビームの断面を示している。また、図2(a)および(b)は、チルト量に対する再生信号のジッタおよびエラー率を示す特性図である。図1および図2から分かるように、チルトによってコマ収差が発生し、その結果、再生信号におけるジッタの悪化およびエラー率の上昇を引き起こす。
【0004】
チルトにより発生する収差が許容値を越えると、最適な状態での記録または再生が行えなくなり、データの信頼性が低下するという問題が生じる。また、このチルト角に対する収差の許容幅は、光ディスクの記録密度が増大するにつれて狭くなり、装置の記録再生性能を確保することが困難となる。
【0005】
高密度光ディスクへの記録再生性能を確保するために、光学系および駆動系のメカニカルな位置合わせ調整だけでなく、専用センサを設けてチルト角を検出し、光ヘッドあるいは対物レンズを適切に傾斜させるといったチルト制御を導入することで、チルト角を補正し、最適な記録および再生を実現するような光ディスク装置が特許文献1に開示されている。
【0006】
図3はこの従来の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。以下に、図3に示す光ディスク装置のフォーカス制御およびチルト制御を説明する。
【0007】
半導体レーザ等の光源1から発生する光ビームは、ビームスプリッタ3を通り、光ビームを収束する収束手段である対物レンズ4により記録媒体である光ディスク2のデータ面(信号記録面)上に収束照射される。光ディスク2のデータ面で回折反射された光ビームの戻り光は、ビームスプリッタ3で反射され、戻り光を受光する受光手段であるディテクタ5で受光および検出される。対物レンズ4は、移動手段であるフォーカスアクチュエータ6によりデータ面に対して垂直方向(以下この方向をフォーカス方向と称す)に移動し、光ディスク2のデータ面上における光ビームの収束状態を変化させることができる。
【0008】
ディテクタ5から出力された戻り光による検出信号は、光ディスク2のデータ面上における光ビームの収束状態に対応するフォーカスエラー信号(FE信号)を生成するフォーカスエラー検出手段であるFE信号生成部7に入力され、FE信号を生成する。FE信号は、位相補償部8に入力され、たとえばDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によるデジタルフィルタで構成された位相補償、低域補償回路を通過後、フォーカス駆動信号として出力される。フォーカス駆動信号は、フォーカス駆動部9において増幅され、増幅された信号がフォーカスアクチュエータ6を駆動することにより、光ディスクのデータ面上における光ビームの収束状態を常に所定の収束状態になるように制御するフォーカス制御が実現される。
【0009】
次に、図3の従来の光ディスク装置におけるチルト制御を説明する。光ディスク2に照射された光ビームの光軸とデータ面との傾きを検出するチルトセンサ10は、光ディスク2のデータ面に向けて光を出射する発光ダイオード等の光源42と、データ面からの反射光を受光し、検出信号を出力するディテクタ43から構成されている。
【0010】
光ディスク2に照射される光ビームの光軸を傾動する光軸傾動手段であるチルトアクチュエータ11は、光ヘッド12を傾動させることによって光ディスク2と光ディスク2に照射された光ビームの光軸との傾きを変化させることができる。チルト信号生成部13は、チルトセンサ10からの検出信号を用いて、光ディスク2のデータ面と光軸との傾きに対応するチルト信号を生成する。チルト制御部14はチルト信号を受け取ってチルトアクチュエータ駆動信号をチルトアクチュエータ11へ出力する。これにより、光ディスク2の信号記録面に光ビームが常に直交して照射されるよう、光ヘッド12を制御するチルト制御を実現していた。
【0011】
【特許文献1】
特開平2−122432号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のチルト制御においては、以下に示す課題があった。
【0013】
チルトセンサを用いたチルト検出では、チルトセンサによる検出位置と光ディスクのデータ面に照射された光ビームの位置とを一致させることが空間的な配置上困難である。なぜなら、光ビームのデータ面上の照射位置の垂直下方には光ヘッド(特に対物レンズ4)が常に存在するからである。このため、チルトセンサは、光ビーム位置から多少距離を置いた位置における光ディスクの傾きを検出することとなる。その結果、光ディスク2のデータ面が曲面形状になっている場合、チルトセンサは、光ビーム位置におけるチルト角を正確に検出できず、正確なチルト制御をおこなうことができないという問題が生じる。
【0014】
また、チルトセンサの個々の特性ばらつきと、チルトセンサと光ヘッド12や光ディスクを回転させる駆動機構との間に生じる組み立て時の配置誤差等によって、チルトセンサで検出したチルト角と実際のチルト角との間にずれ(ゼロ点オフセット)が発生する。このゼロ点オフセットを所定値以下にするために、装置の組立工程において光ディスク装置ごとに精密な調整が必要となる。その結果、光ディスク装置の生産コストが上昇するという問題が生じる。
【0015】
さらに、装置の組立工程においてゼロ点オフセットが調整されていても、チルトセンサの経時変化や温度特性によって誤差が発生し得る。このような組み立て後の誤差によって、チルトセンサでは正確なチルト制御ができないという問題も生じる。
【0016】
近年市販される情報機器は、外形が小さいということが強く求められることが多い。しかし、上述の従来の光ディスク装置では、チルトセンサの取り付けスペースを確保するため、光ヘッドを小型化することが難しくなる。このため、光ディスク装置を小型化することが困難になる。また、チルトセンサ自体が光ディスク装置のコストを上昇させる要因にもなる。
【0017】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、適切なチルト制御によってデータの記録・再生を正確におこなうことのできる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、前記光ビームを収束するための収束手段と、 前記データ面と前記収束手段により収束される光ビームの焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出手段と、前記収束手段を前記データ面と垂直な方向に移動させるフォーカス方向移動手段と、前記データ面上に前記光ビームが所定の状態で収束するよう、前記フォーカスエラー検出手段の出力に基づいて前記フォーカス方向移動手段を駆動するフォーカス制御手段と、前記光源を前記情報記録媒体の半径方向に移動させるトラッキング方向移動手段と、前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得られる前記フォーカス制御手段の出力の平均値を前記半径方向の異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点おける平均値に基づいて、前記データ面の傾きを求めるチルト計算手段とを備える。
【0019】
ある好ましい実施形態において、前記回転手段は、前記光源が前記情報記録媒体の内周側に位置するときに比べて外周側に位置するときのほうが回転速度が小さくなるよう前記情報記録媒体を回転させ、前記倍数の値を前記光源が前記情報記録媒体の内周側に位置するときに比べて外周側に位置するときに小さくする。
【0020】
本発明の対物レンズの傾き制御装置は、対物レンズの一端をその焦点方向へ移動させる第1のフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する第1の駆動手段と、対物レンズの他端をその焦点方向へ移動させる第2のフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段の駆動値を検出し、それらの差を出力する駆動レベル差検出手段と、前記駆動値の差が所定の値となるように前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段とを備える。
【0021】
ある好ましい実施形態において、前記制御手段は、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を停止させた状態における前記駆動値の差を基準レベルとして、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する。
【0022】
ある好ましい実施形態において、前記制御手段は、前記第1のフォーカス方向移動手段および前記第2のフォーカス方向移動手段をそれぞれ前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段から電気的に切り離すとともに、前記第1のフォーカス方向移動手段および前記第2のフォーカス方向移動手段へ出力する駆動値をそれぞれゼロにしたときの前記駆動値の差を基準レベルとして、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する。
【0023】
ある好ましい実施形態において、対物レンズの傾き制御装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベルを更新する。
【0024】
また、本発明の光ディスク装置は、光ビームを収束するための対物レンズと、前記対物レンズの一端をその焦点方向へ移動させる第1のフォーカス方向移動手段と、前記対物レンズの他端をその焦点方向へ移動させる第2のフォーカス方向移動手段と、上記いずれかに記載の対物レンズの傾き制御装置とを備える。
【0025】
ある好ましい実施形態において、前記光ディスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、前記データ面と前記収束手段により収束される光ビームの焦点とのずれを検知するフォーカスエラー検出手段と、前記光源を前記情報記録媒体の半径方向に移動させるトラッキング方向移動手段と、前記フォーカス制御手段の出力を前記半径方向の異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点の出力に基づいて、前記データ面の傾きを求めるチルト計算手段とをさらに備え、前記チルト計算手段の計算結果に基づいて、前記所定の値を決定する。
【0026】
本発明のフォーカス駆動装置は、対物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0027】
また、本発明のフォーカス駆動装置は、対物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0028】
また、本発明のフォーカス駆動装置は、対物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動レベル検出手段を前記フォーカス方向移動手段から電気的に切り離すとともに、前記フォーカス方向移動手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0029】
ある好ましい実施形態において、フォーカス駆動置は、前記基準レベルを所定の時間間隔で更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベルを更新する。
【0030】
また、本発明の光ディスク装置は、光ビームを収束するための対物レンズと、前記対物レンズをその焦点方向へ移動させるフォーカス方向移動手段と、前記対物レンズによって収束された光ビームの焦点と所定の位置とのずれを示すフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー検出手段と、上記いずれかに記載のフォーカス駆動装置と、前記フォーカスエラー信号と前記駆動レベル検出手段の出力とが所定の関係になるように前記駆動手段を制御する制御要素手段とを備える。
【0031】
ある好ましい実施形態において、前記フォーカス駆動装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照射する光源とをさらに備える。
【0032】
本発明のトラッキング駆動装置は、対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0033】
また本発明のトラッキング駆動装置は、対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0034】
また、本発明のトラッキング駆動装置は、対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッキング方向移動手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動レベル検出手段を前記トラッキング方向移動手段から電気的に切り離すとともに、前記トラッキング方向移動手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0035】
ある好ましい実施形態において、トラッキング駆動装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベルを更新する。
【0036】
また本発明の光ディスク装置は、光ビームを収束するための対物レンズと、対物レンズを情報記録媒体の半径方向へ移動させるトラッキング方向移動手段と、前記対物レンズによって収束された光ビームと所定の位置とのずれを示すトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー検出手段と、上記いずれかに記載のトラッキング駆動装置と、前記トラッキングエラー信号と前記駆動レベル検出手段の出力とが所定の関係になるように前記駆動手段を制御する制御要素手段とを備える。
【0037】
ある好ましい実施形態において、前記光ディスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照射する光源とをさらに備える。
【0038】
本発明の対物レンズの傾き制御装置、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動値をゼロに設定した状態における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとし、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0039】
また、本発明の対物レンズの傾き制御装置は、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動手段の動作を所定期間停止した際における前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0040】
また、本発明の対物レンズの傾き制御装置は、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段を駆動するための駆動値を出力する駆動手段と、前記駆動値を検出する駆動レベル検出手段とを備え、前記駆動レベル検出手段を対物レンズ傾き手段から電気的に切り離すとともに、前記トラッキング方向移動手段へ出力する駆動値をゼロにしたときの前記駆動レベル検出手段の出力を基準レベルとして前記基準レベルに基づいて前記駆動手段の出力の直流レベルを補正する。
【0041】
ある好ましい実施形態において、対物レンズの傾き制御装置は前記基準レベルを所定の時間間隔で更新する。あるいは、温度センサをさらに備え、前記温度センサの出力が所定の値以上に変化した場合、前記基準レベルを更新する。
【0042】
また、本発明の光ディスク装置は、光ビームを収束するための対物レンズと、対物レンズの傾きを変える対物レンズ傾き手段と、上記いずれかに記載の対物レンズの傾き制御装置と、前記駆動レベル検出手段の出力が所定の値となるように前記駆動手段を制御する制御要素手段とを備える。
【0043】
ある好ましい実施形態において、前記光ディスク装置は、情報記録媒体を回転させる回転手段と、情報記録媒体のデータ面に向けて前記光ビームを照射する光源とをさらに備える。
【0044】
また、本発明の光ディスク装置は、情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、前記光ビームを収束する収束手段と、前記収束手段と前記データ面との距離が変化するように前記収束手段を移動させる移動手段と、前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光する受光手段と、前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生するフォーカスエラー検出手段と、前記フォーカスエラー検出手段からの信号に基づいて前記移動手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定の収束状態になるよう制御するフォーカス制御手段と、前記収束手段を傾ける傾き手段と、前記駆動信号に基づいて前記データ面の形状を算出するために用いる少なくとも1つの計算式を決定し、前記決定した計算式を用いて前記データ面のチルト量を求めるチルト計算手段と、前記チルト量に応じて、傾き手段を駆動し、前記データ面に対し光ビームが実質的に垂直に照射されるよう制御するチルト制御手段とを備える。
【0045】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記計算式を決定した以降に得られた前記駆動信号に基づき、前記決定した計算式を更新する。
【0046】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記情報記録媒体を前記光ディスク装置に装填した後、前記情報記録媒体に対して記録または再生を行う前に、前記計算式を決定するために行う駆動信号の初期検出と、前記情報記録媒体に対して記録または再生中、前記計算式の更新のために行う駆動信号の補完検出とを実行する。
【0047】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記データ面の異なる半径位置において設定された複数の検出点において、前記光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォーカス制御手段の駆動信号に基づいて前記計算式を決定する。
【0048】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記情報記録媒体に対して記録または再生中、前記光ビームが前記複数の検出点のいずれかに到達あるいは通過するたびに、駆動信号の検出および前記計算式の更新を行う。
【0049】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記初期検出の前に、前記情報記録媒体の半径方向の複数の位置において前記駆動信号を検出し、検出結果から前記データ面の反り形状を判断し、前記判断した結果に基づいて、前記初期検出および前記補完検出において駆動信号を検出する検出点の位置を決定する。
【0050】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記データ面の反り形状形が、第1の形状であると判断した場合、前記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の配置が、前記データ面の中周部に比べ、内周部および外周部において密となるように設定し、前記データ面の反り形状形が、第2の形状であると判断した場合、前記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の位置が内周部、中周部および外周部において等間隔となるように設定する。
【0051】
ある好ましい実施形態において、光ディスク装置は、前記データ面にデータを記録する際生じる書き込みエラー、あるいは前記データ面に記録されたデータを再生する際に生じる読み込みエラーを検出するエラー検出手段をさらに備え、前記補完検出における前記計算式の更新に用いる前記駆動信号の検出を、前記エラー検出手段の信号に基づいて行う。
【0052】
ある好ましい実施形態において、前記エラー検出手段は、前記情報記録媒体から再生したデータの符号誤りを検出し、訂正する符号誤り訂正手段をさらに備え、前記補完検出を前記符号誤り訂正手段の符号誤り数が所定値を超えるごとに、実行する。
【0053】
ある好ましい実施形態において、前記エラー検出手段は、前記データ面の位置情報に相当するアドレス情報の再生エラーを検出するアドレスエラー検出手段を備え、前記補完検出を前記再生エラーが所定数を超えるごとに実行する。
【0054】
ある好ましい実施形態において、光ディスク装置は、前記情報記録媒体から再生したデータと、前記情報記録媒体に記録するデータをそれぞれ一時的に格納するバッファ手段を備え、前記補完検出を、前記バッファ手段に格納されたデータの量に基づいて実行する。
【0055】
ある好ましい実施形態において、前記補完検出における前記駆動信号の検出の時間間隔は、前記情報記録媒体からデータを再生する場合と前記情報記録媒体へデータを記録する場合とで異なっている。
【0056】
ある好ましい実施形態において、光ディスク装置は、温度センサーをさらに備え、前記補完検出を前記温度センサーの出力が所定値以上変化した場合に実行する。
【0057】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段の計算式は、前記データ面のチルトを近似するための反り関数を含み、前記補完検出において、前記計算式を更新する際、前記反り関数の次数を設定する。
【0058】
ある好ましい実施形態において、光ディスク装置は、前記情報記録媒体を所定の回転数で回転させる回転手段をさらに備え、フォーカス制御手段が出力する前記駆動信号は、前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間の平均の値である。
【0059】
ある好ましい実施形態において、光ディスく装置は、前記情報記録媒体を所定の回転数で回転させる回転手段と、前記情報記録媒体に対して記録または再生を行う場合に前記回転手段を線速度一定になるよう制御し、前記初期検出時には、前記回転手段を角速度一定になるよう制御する回転制御手段とをさらに備える。
【0060】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記複数の検出点のひとつにおいて前記駆動信号の検出を2回以上行う場合、これまでに取得した駆動信号の値の平均値を用いて、前記計算式の更新を行う。
【0061】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記複数の検出点のひとつにおいて前記駆動信号の検出を2回以上行う場合、これまでに検出取得した駆動信号の値に対して、所定の範囲外であれば、その駆動信号の検出結果を不正確と判断し、前記計算式の更新を中止する。
【0062】
ある好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの計算式は、データ面の反りを近似する反り関数と、半径方向の任意の位置における傾きを示すチルト近似関数とを含む。
【0063】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段の計算式は折れ線関数を含む。
【0064】
ある好ましい実施形態において、前記チルト計算手段は、前記情報記録媒体に対して記録または再生中、前記光ビームが前記複数の検出点のいずれかに到達あるいは通過するたびに、駆動信号の検出を行い、検出結果に基づいて前記折れ線関数を決定する際に用いたすべての駆動信号の値を補正し、補正した駆動信号の値に基づいて折れ線関数を更新する。
【0065】
ある好ましい実施形態において、前記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の配置が前記データ面の中周部に比べ、内周部および外周部において密となるように設定されている。
【0066】
ある好ましい実施形態において、前記情報記録媒体のデータ面が第1および第2の記録層を有している場合、チルト計算手段は、前記第1および第2の記録層の形状を算出するために用いる少なくとも1つの計算式をそれぞれ決定し、前記決定した計算式を用いて前記第1および第2の記録層および前記収束手段のチルト量を求める。
【0067】
ある好ましい実施形態において、前記移動手段は、前記データ面に対して前記収束手段を略垂直方向に駆動する一対のフォーカスアクチュエータであり、前記傾き手段は、前記データ面に対して傾くように前記収束手段を駆動する前記一対のフォーカスアクチュエータである。
【0068】
ある好ましい実施形態において、前記移動手段は、前記データ面に対して前記収束手段を略垂直方向に駆動する一対のフォーカスアクチュエータであり、前記傾き手段は、前記データ面に対して傾くように前記収束手段を駆動するチルトアクチュエータである。
【0069】
本発明の光ディスク装置の制御方法は、情報記録媒体のデータ面に照射した光ビームが所定の収束常態を保つように、前記光ビームを収束させるための収束手段を前記データ面と垂直な方向に駆動するステップと、前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間に得られる前記収束手段を駆動する駆動信号の平均値を求めるステップと、前記平均値を前記情報記録媒体の半径方向における異なる2点においてそれぞれ求め、前記異なる2点おける平均値に基づいて、前記データ面の傾きを求めるステップと、前記データ面の傾きに基づいて、前記収束手段の傾きを変化させるステップとを包含する。
【0070】
本発明の対物レンズの傾き制御方法は、対物レンズの両端をその焦点方向に駆動するステップと、前記両端を駆動するための駆動信号の差を検出するステップと、前記駆動信号の差が所定の値となるように前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御するステップとを包含する。
【0071】
また、本発明の対物レンズの駆動方法は、対物レンズを所定の方向に駆動するための駆動信号を出力するステップと、前記駆動信号を検出するステップと、前記駆動信号をゼロに設定した状態において、前記検出ステップで検出した値を基準レベルとし、前記基準レベルに基づいて前記駆動信号の直流レベルを補正するステップとを包含する。
【0072】
また、本発明の対物レンズの駆動方法は、対物レンズを所定の方向に駆動するための駆動信号を出力するステップと、前記駆動信号を検出するステップと、前記駆動信号の出力を所定期間停止した際における前記検出ステップで検出した値を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて駆動信号の直流レベルを補正するステップとを包含する。
【0073】
また、本発明の対物レンズの駆動方法は、対物レンズを所定の方向に移動させるための移動手段を駆動する駆動信号を出力するステップと、前記駆動信号を検出するステップと、前記駆動信号を出力する手段と前記移動手段とを電気的に切り離すとともに、前記駆動信号をゼロにしたときの前記検出ステップで検出した値を基準レベルとして、前記基準レベルに基づいて駆動信号の直流レベルを補正するステップと包含する。
【0074】
ある好ましい実施形態において、前記所定の方向はフォーカス方向である。
【0075】
ある好ましい実施形態において、前記所定の方向はトラキング方向である。
【0076】
ある好ましい実施形態において、前記所定の方向はチルト方向である。
【0077】
また、本発明の光ディスク装置の制御方法は、情報記録媒体のデータ面に照射した光ビームの収束状態を変化させるために、前記光ビームを収束させるための収束手段を前記データ面と垂直な方向に駆動するステップと、前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光するステップと、前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生するステップと、前記収束状態に応じた信号に基づいて、前記収束手段を移動させる手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定の収束状態になるよう制御するステップと、前記駆動信号に基づいて前記データ面の形状を算出するために用いる少なくとも1つの計算式を決定し、前記決定した計算式を用いて前記データ面および前記収束手段のチルト量を求めるステップと、前記チルト量に応じて、前記収束手段の傾きを変化させる手段を駆動し、前記データ面に対し光ビームが実質的に垂直に照射されるよう制御するステップとを、包含する。
【0078】
また、本発明の光ディスク装置の制御方法は、前記情報記録媒体のデータ面を照射する光ビームが所定の収束状態になるようフォーカス制御を行っている状態で、前記情報記録媒体の半径方向における異なる複数の位置において前記光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォーカス駆動信号を取得するステップ(A)と、前記取得した複数のフォーカス駆動信号の値に基づいて、前記データ記録面の形状を算出するために用いる少なくとも1つの計算式を決定するステップ(B)と、前記決定した計算式を用いて、前記データ記録面のチルト量を求め、求めたチルト量に基づいて対物レンズの傾きを変化させるステップ(C)と、を包含する。
【0079】
ある好ましい実施形態において、ステップ(B)を実行後、フォーカス制御を行っている状態で、前記情報記録媒体の半径方向における少なくとも1つ以上の所定の位置において前記光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォーカス駆動信号を取得するステップ(D)と、ステップ(D)およびステップ(A)で取得したフォーカス駆動信号の値に基づいて、前記計算式を更新するステップ(E)と、更新した計算式に基づいて、前記データ記録面のチルト量を求め、求めたチルト量に基づいて対物レンズの傾きを変化させるステップ(F)と、をさらに包含する。
【0080】
ある好ましい実施形態において、前記光ビームが前記情報記録媒体の半径方向における少なくとも1つ以上の所定の位置のいずれかに到達あるいは通過するたびに、前記ステップ(D)〜(F)を実行する。
【0081】
ある好ましい実施形態において、前記データ面にデータを記録する際生じる書き込みエラー、あるいは前記データ面に記録されたデータを再生する際に生じる読み込みエラーを検出し、検出結果に基づいて、前記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0082】
ある好ましい実施形態において、前記情報記録媒体から再生したデータと、前記情報記録媒体に記録するデータをそれぞれ一時的に格納するデータの量に基づいて、前記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0083】
ある好ましい実施形態において、前記光ディスク装置内の温度を検出し、温度の変化が所定の値以上である場合に前記ステップ(D)〜(F)実行する。
【0084】
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(A)および(D)においてフォーカス駆動信号を取得する位置は、前記情報記録媒体の中周部よりも外周部において密に配置されている。
【0085】
ある好ましい実施形態において、前記計算式は折れ線関数を含む。
【0086】
ある好ましい実施形態において、前記ステップ(D)において、前記少なくとも1つ以上の所定の位置のいずれかにおいて前記フォーカス駆動信号を取得し、ステップ(D)で取得した前記フォーカス駆動信号に基づいて、ステップ(A)で取得した前記フォーカス駆動信号をすべて補正し、補正したフォーカス駆動信号にもとづいて前記ステップ(E)を実行する。
【0087】
ある好ましい実施形態において、前記フォーカス駆動信号の取得を前記情報記録媒体が1回転する期間の整数倍の期間行い、その平均値をフォーカス駆動信号の値として用いる。
【0088】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記いずれかに記載の方法において規定した各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録している。
【0089】
【発明の実施の形態】
光ディスクのデータ面に対する光ビームの軸の傾きは、光ディスクの半径方向および光ディスクの周方向に分けることができる。このうち周方向のチルトによる影響は、一般に信号処理によって除去するように再生信号処理回路は構成される。本発明では、光ディスクの半径方向のチルトを取り扱う。以下、本願明細書において、光ディスクの半径方向のチルト(ラジアル方向のチルト)を単にチルトあるいはチルト角と呼ぶ。
【0090】
まず本発明の実施形態において共通に利用する技術であるフォーカス駆動信号を用いたチルト角の検出を説明する。図4(a)は、チルトが発生した場合の対物レンズ4と光ディスク2のデータ面との相対位置を示した模式図であり、図4(b)は、光ヘッドの位置とその位置におけるフォーカス駆動信号値との関係を示した模式図である。図3を参照して説明したように、光ディスク装置では、光ディスク2のデータ面上において光ビームが常に所定の収束状態になるようフォーカスアクチュエータを駆動させることにより、フォーカス制御を行っている。したがって、フォーカス制御が行われている間、光ディスク2のデータ面と対物レンズ4との距離は半径位置に関わらず一定(L)となる。光ディスク2が傾いている場合、それに対応して対物レンズ4の位置は変化するため、半径位置d1およびd2における対物レンズ4の位置の差はZrとなる。
【0091】
このZrは光ディスク2の半径位置d1およびd2におけるデータ面の高さの差Zdに等しくなる。ディスクの水平面に対する傾きθdと、半径位置d1およびd2における対物レンズ4の位置を結ぶ線と水平面とがなす角θrは等しいため、Zrと半径位置d1およびd2の差Rとから光ディスク2のデータ面の傾きを次式(1)により求めることができる。
【0092】
θd=θr=tan-1(Zr/R) (1)
【0093】
また、フォーカスアクチュエータを制御するための駆動入力であるフォーカス駆動信号値と対物レンズ4の変位との関係はあらかじめ分かっているため、対物レンズ4のフォーカス方向の位置はフォーカス駆動信号値から求めることができる。ここで、フォーカス駆動信号値と対物レンズ4のフォーカス方向の変位量との関係をPf、半径位置d1およびd2におけるフォーカス駆動信号値の差がVsとすると、式(1)より、θdは次式(2)で表される。
【0094】
θd=tan-1(Pf×Vs/R) (2)
【0095】
たとえばCDあるいはDVDといった光ディスク2において生じる傾きは1度程度であるため、θdを次式(3)のように近似しても誤差はほとんどない。
【0096】
θd≒Pf×Vs/R (3)
【0097】
以上のように、半径位置に対するフォーカス駆動信号値の変化は、半径方向に対するデータ面の反り量の変化と概ね等価となる。このため、この関係を利用し、所定の半径位置ごとのフォーカス駆動信号値を検出することで、ラジアルチルト角を検出することができる。
【0098】
以下の実施形態において、このフォーカス駆動信号値(信号)からラジアルチルトを計算し、その計算結果を用いてチルト制御を行う光ディスク装置および制御方法を説明する。特に、第1から第4の実施形態は、主として光ビームの制御方法に関し、第5から第7の実施形態は、主として光ディスクのデータ面のチルト検出および検出したチルト角に基づくチルト補正の方法に関する。
【0099】
(第1の実施形態)
図5は本発明による光ディスク装置の第1の実施形態を示すブロック図である。光ディスク装置801において、光ディスク100は、回転手段に対応するモータ101に取り付けられ、所定の回転数で回転する。モータ101は、回転制御手段に対応するモータ制御部102によって制御されている。モータ101の回転数は、マイクロコンピュータ130(以下では、マイコン130と記す。)によって設定される。回転検出部131は、モータ101が1回転する毎にパルスを出力する。以下では、この信号を1回転信号(PG)と記す。1回転信号はマイコン130へ送られる。
【0100】
光ディスク100は、所定の厚さの基板を有しており、基板の一面であるデータ面に光ビームが照射される。データ面には、凹凸で形成されたスパイラル状のトラックが形成されている。光ヘッド114には、対物レンズ103、光ビームを出射する光源となるレーザ109、カップリングレンズ108、ビームスプリッタ110、1/4波長板107、全反射鏡105、検出レンズ111、円筒レンズ112、ディテクタ113、アクチュエータ104が取り付けられている。
【0101】
移送モータ118は、トラッキング方向移動手段として機能し、光ヘッド114を光ディスク100の半径方向(図では左右の方向)に移動する。移送モータ118は、マイコン130によって制御される。
【0102】
レーザ109より発生した光ビーム106は、カップリングレンズ108で平行光にされた後、ビームスプリッタ110、1/4波長板107を通過し、全反射鏡105で反射され、対物レンズ103により光ディスク100のデータ面上に集束して照射される。
【0103】
光ディスク100のデータ面により反射された反射光は、対物レンズ103を通過して全反射鏡105で反射され、1/4波長板107、ビームスプリッタ110、検出レンズ111および円筒レンズ112を通過して、複数に分割された(本実施形態では4個)受光部からなるディテクタ113に入射する。対物レンズ103はアクチュエータ104の可動部(以下、レンズホルダーと記す)に取り付けられている。アクチュエータ104は第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136、第1のフォーカス用永久磁石(図示せず)および第2のフォーカス用永久磁石(図示せず)を含む。アクチュエータ104および第1のフォーカス用コイル135ならびにアクチュエータ104および第2のフォーカス用コイル136はそれぞれ第1のフォーカス方向制御手段および第2のフォーカス方向制御手段として機能する。第1のフォーカス方向制御手段および第2のフォーカス方向制御手段は、フォーカス方向移動手段として機能する。
【0104】
第1フォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136は、アクチュエータ104の固定部に取り付けられている。また、第1フォーカス用の永久磁石および第2のフォーカス用の永久磁石は、それぞれレンズホルダーに取り付けられている。
【0105】
第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136は、対物レンズ103を挟んで光ディスク100の半径方向に配置されている。なお、図5では、正しく図示するのが困難であるため、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136は対物レンズ103に対して、片側に位置して示している。
【0106】
アクチュエータ104の第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に第1の駆動手段である第1フォーカス駆動部125および第2の駆動手段である第2フォーカス駆動部126を用いて等しい電圧を加えると、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に同じ大きさの電流が流れ、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136は等しい磁束を発生する。発生したそれぞれの磁束は第1のフォーカス用永久磁石および第2のフォーカス用永久磁石の磁束に等しい影響を与える。よって、対物レンズ103は光ディスク100のデータ面と垂直な方向(図では上下方向)に移動する。以下では、この方向をフォーカス方向と呼ぶ。
【0107】
アクチュエータ104の第1フォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部126を用いて異なる電圧を加えると、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流に差が生じ、第1のフォーカス用コイル135が発生する磁束と第2のフォーカス用コイル136が発生する磁束と対応するフォーカス用永久磁石の磁束に与える影響が異なるようになる。このため、光ディスクの半径方向において、対物レンズ103の内側と外側のフォーカス方向の変位量が異なる。その結果、対物レンズ103は光ディスク100の半径方向に傾く。光ビーム106の光軸に対して対物レンズ103の光軸が光ディスク100の半径方向に傾くと、半径方向にコマ収差が発生する。なお、光ディスク100が光ビーム106の光軸に対して半径方向に傾くと半径方向にコマ収差が発生する。
【0108】
このように、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流に差を与えて対物レンズ103を半径方向に傾けることによって光ディスク100が半径方向に傾くことによって生じるコマ収差を相殺させることができる。すなわち、光ディスク100が傾いていても、それに応じて対物レンズ103を傾けることによってコマ収差を低減し、良好なデータの再生特性および記録特性を確保することができる。
【0109】
ディテクタ113は、4個の受光部より形成されている。ディテクタ113上に入射した光ディスクからの反射光は、フォーカスエラー信号生成部115(以下、FE信号生成部115と記す。)へ送られる。FE信号生成部115は、フォーカスエラー検出手段として、光ビーム106の焦点と光ディスク100のデータ面とのずれを示すフォーカスエラー信号(以下、FE信号と記す。)を生成する。
【0110】
図5に示した光学系は一般に非点収差法と呼ばれるFE信号の検出方式を構成している。FE信号は、位相補償部116へ送られる。位相補償部116は、フォーカス制御系を安定にするための位相を進めるフィルタである。位相補償部116の出力であるフォーカス駆動信号は、マイコン130へ送られる。また、加算部124の一方の+端子およびを減算部123の+端子を介してそれぞれ第2フォーカス駆動部126と第1フォーカス駆動部125とへ送られる。
【0111】
加算部124は、それぞれの+端子に入力される信号を加算した値を出力する。減算部123は、+端子に入力される信号から−端子に入力される信号を減算した値を出力する。
【0112】
非点収差法によるフィードバックループにより、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136にそれぞれ同じ電流が流れるように第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部126は電圧を出力する。
【0113】
なお、駆動電流検出部127、駆動電流検出部128は第1のフォーカス用コイル135、第2のフォーカス用コイル136に流れる駆動電流量をそれぞれ検出する。位相補償部116、第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部126は、フォーカス制御手段として機能し、光ビーム106の焦点と光ディスク100のデータ面とのずれを示すFE信号に応じた電流が第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に等しく流れるので、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位置するように対物レンズ103は制御される。
【0114】
駆動電流検出部127および駆動電流検出部128は、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に流れる駆動電流を検出し、減算部120の+端子、一方の−端子(図で「−1」と示されている端子)へ送る。減算部120の他方の−端子(図で「−2」と示されている端子)は、マイコン130に接続されている。減算部120は、+端子の入力信号から2つの−端子の入力信号を減算した値を出力する。したがって、マイコン130から入力がなされる−端子の入力信号がゼロの場合、減算部120の出力は第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に流れる駆動電流の差を示す。この信号を以下では駆動電流差信号と記す。なお、マイコン130が減算部120の−端子に設定する信号については後述する。駆動電流差信号は、減算部122の−端子へ送られる。駆動電流検出部127、駆動電流検出部128および減算部120は対物レンズの傾きを制御するための駆動レベル差を検出する手段として機能する。
【0115】
マイコン130は、光ディスク100の異なる半径方向の2点における位相補償部116の出力の差とその2点の間隔から、光ディスク100の半径方向の傾きであるチルト角を検出する。光ヘッド114の半径方向への移動は移送モータ118によって行う。
【0116】
対物レンズ103の傾き量(チルト角)は、マイコン130によって減算部122の+端子に設定される。
【0117】
減算部122の出力は、位相補償部121を介して減算部123の−端子および加算部124の一方の+端子へ送られる。位相補償部121の出力が、減算部123の−端子および加算部124の+端子へ送られることによって第1のフォーカス用コイル135と第2のフォーカス用コイル136の駆動電流に差が生じる。
【0118】
したがって、駆動電流差信号のレベルが、マイコン130によって減算部122の+端子に設定されたレベルと等しくなるように制御される。これにより、対物レンズ103は、マイコン130によって減算部122の+端子に設定されたレベルに応じたチルトになる。すなわち、対物レンズ103は、光ディスク100の傾きに応じて制御される。位相補償部121は、駆動電流差信号の制御系を安定にするための位相補償フィルタである。このように、位相補償部121、減算部122、減算部123、加算部124、およびマイコン130は、対物レンズの傾きを制御する制御手段として機能する。
【0119】
なお、駆動電流検出部127は、第1フォーカス駆動部125を第1のフォーカス用コイル135から電気的に切り離すことができる構成となっている。また、同様に駆動電流検出部128は、第2フォーカス駆動部126を第2のフォーカス用コイル136から電気的に切り離すことができる構成となっている。駆動電流検出部127、128の端子cをハイレベルにすることで、この電気的に切り離した状態を設定できる。
【0120】
この切り離した状態での減算部120の出力は、駆動電流検出部127、128および減算部120の回路オフセットを示す。なお、マイコン130が減算部120の−端子へ入力する信号は、ゼロレベルに設定されている。詳細は後述する。
【0121】
マイコン130は、駆動電流検出部127、駆動電流検出部128の端子cをハイレベルにした状態で減算部120の出力を取り込み、取り込んだ値がゼロになるように減算部120の−端子へ入力する信号のレベルを調整する。したがって、駆動電流差信号のオフセットが除去される。
【0122】
次に、各ブロックの動作を詳細に説明する。図6は光ディスク装置801のアクチュエータ104を上から見た平面図である。フォーカス用コイルa202とフォーカス用コイルb203は直列に接続されており第1のフォーカス用コイル135を構成する。フォーカス用コイルc204とフォーカス用コイルd205は直列に接続されており第2のフォーカス用コイル136を構成する。対物レンズ103を挟んでディスクの半径方向(図では上下方向)に第1のフォーカス用コイル135と第2のフォーカス用コイル136は配置されている。
【0123】
対物レンズ103を保持するレンズホルダー200は、ワイヤ180によって光ヘッド114の固定部(不図示)につながれている。また、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136も光ヘッド114の固定部に取り付けられている。第1のフォーカス用永久磁石201および第2のフォーカス用永久磁石206は、レンズホルダー200に取り付けられている。
【0124】
第1のフォーカス用コイル135の駆動電流を第2のフォーカス用コイル136の駆動電流と逆の方向に流すと、第1のフォーカス用コイル135に生じる磁束と第2のフォーカス用コイル136によって発生する磁束の方向が逆になる。したがって、第1のフォーカス用永久磁石201の磁束が受ける影響と第2のフォーカス用永久磁石206の磁束が受ける影響の方向が逆になる。レンズホルダー200が光ディスク100のデータ面に近づくように、第1のフォーカス用コイル135に駆動電流を流し、光ディスク100のデータ面から遠ざかるように、第2のフォーカス用コイル136に駆動電流を流すと、レンズホルダー200の内周側(第1のフォーカス用コイル135が配置された側)が光ディスク100のデータ面に近づき、レンズホルダー200の外周側は光ディスク100のデータ面から離れる。すなわち、対物レンズ103の光軸が外周側に傾く。
【0125】
また、レンズホルダー200が光ディスク100のデータ面から遠ざかるように、第1のフォーカス用コイル135に駆動電流を流し、光ディスク100のデータ面に近づくように、第2のフォーカス用コイル136に駆動電流を流すと、レンズホルダー200の内周側(第1のフォーカス用コイル135が配置された側)が光ディスク100のデータ面から遠ざかり、レンズホルダー200の外周側は光ディスク100のデータ面に近づく。すなわち、対物レンズ103の光軸が内周側に傾く。
【0126】
第1のフォーカス用コイル135の駆動電流および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流の方向を同じにすると、第1のフォーカス用コイル135に生じる磁束および第2のフォーカス用コイル136によって発生する磁束の方向が同じになる。したがって、第1の永久磁石201の磁束が受ける影響と第2の永久磁石206の磁束が受ける影響の方向も同じになり、レンズホルダー200は、傾くことなくフォーカス方向に動く。即ち、第1のフォーカス用コイル135と第2のフォーカス用コイル136をそれぞれ同位相で駆動すると、対物レンズ103は、フォーカス方向に移動し、逆相で駆動すると傾く。
【0127】
ここで、対物レンズ103の傾きに対する減算部120の出力である第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流の差の関係をPtとする。対物レンズ103をθrだけ傾ける場合には、減算部122の+端子に式(4)で示すYの値を設定する。
【0128】
Y=θr×Pt (4)
【0129】
これによって、減算部122の+端子と−端子のレベルが等しくなる。したがって、対物レンズ103の傾きがUrになる。次に、駆動電流検出部127および128の動作を説明する。
【0130】
図7は、駆動電流検出部127の構成を示すブロック図である。端子250は減算部120の一方の−端子に、端子251は第1フォーカス駆動部125に、端子252は第1のフォーカス用コイル135に、端子253はマイコン130にそれぞれ接続される。つまり、端子250は図5に示す駆動電流検出部127の端子dに相当する。同様に、端子251は端子bに、端子252は端子aに、端子253は端子cにそれぞれ対応する。
【0131】
スイッチ256、257、258は、たとえばそれぞれの端子cへハイレベルの信号が入力された場合に閉じる構成になっている。反転部259は、入力レベルを反転して出力するディジタル回路である。
【0132】
第1フォーカス駆動部125によって第1のフォーカス用コイル135に電流が流れるとき、抵抗255にも同じ大きさの電流が流れる。電圧降下によって抵抗255の両端に電圧差が生じる。抵抗255の端子aはスイッチ257の端子aに、抵抗255の端子bはスイッチ258の端子aにそれぞれ接続されている。スイッチ256の端子aは減算部254の−端子に、スイッチ256の端子bは減算部254の+端子にそれぞれ接続されている。減算部254は、+端子の入力レベルから−端子の入力レベルを減算した値を端子250に出力する。
【0133】
通常、端子253はマイコン130によってローレベルに設定されている。したがって、スイッチ256は開いて、スイッチ257、258は閉じている。よって、減算部254の+端子に抵抗255の端子aの信号が、減算部254の−端子に抵抗255の端子bの信号がそれぞれ送られる。減算部254の出力は、抵抗255の電圧降下のレベルを示す。すなわち、第1のフォーカス用コイル135に流れる電流値を示す。
【0134】
駆動電流検出部128の構成も駆動電流検出部127の構成と同様である。よって、駆動電流検出部128の出力は第2のフォーカス用コイル136に流れる電流値を示す。
【0135】
したがって、マイコン130により駆動電流検出部の端子253(または駆動電流検出部127、128の端子c)がローレベルである時、減算部120の出力は、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に流れる電流値の差を示す。
【0136】
次にマイコン130によって駆動電流検出部の端子253(または駆動電流検出部127、128の端子c)がハイレベルに設定された場合の動作を説明する。端子253がハイレベルになるとスイッチ256の端子cがハイレベルになりスイッチ256は閉じる。また、スイッチ257、258の端子cがローレベルになりスイッチ257、258は開く。したがって、減算部254の+端子と−端子とが接続される。すなわち、減算部254の入力差はゼロになる。この時、減算部254の出力は、第1のフォーカス用コイル135へ流れる駆動電流がゼロである場合における減算部254の出力信号のオフセットを示す。
【0137】
駆動電流検出部128の動作も駆動電流検出部127と同様である。よって、駆動電流検出部128の出力は駆動電流検出部128の出力信号のオフセットを示す。
【0138】
したがって、マイコン130により駆動電流検出部127、128の端子253(または駆動電流検出部127、128の端子c)がハイレベルである時、減算部120の出力は、駆動電流演出部128の出力信号のオフセットから駆動電流検出部127の出力信号のオフセットを減算した信号になる。
【0139】
この駆動電流差信号の検出系のオフセットを示す信号は、マイコン130へ送られる。マイコン130は、このオフセット値を減算部120の−端子に設定する。したがって、駆動電流検出部127および駆動電流検出部128の出力信号がオフセットされていても、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136の駆動電流の差は減算部122の+端子に設定された電圧値に応じた差になるように正確に制御される。
【0140】
この駆動電流差信号の検出系のオフセットの測定は、マイコン130の有するタイマーによって所定の間隔で行うように構成すれば、オフセットが種々の要因により時間的に変化したとしてもこれに対応した制御を行うことが可能となる。また、一般に回路のオフセットは、回路の温度によって変化する。このため、光ディスク装置801内の温度をモニターし、その温度に基づいて、駆動電流差信号の検出系のオフセットの測定を行ってもよい。具体的には、図5に示すように、温度センサ185と温度センサ185の出力をA/D変換してマイコン130へ入力するA/D変換回路186とを光ディスク装置801に設け、その出力が所定値以上に変化したタイミング(つまり所定の温度分変化したタイミング)で、駆動電流差信号の検出系のオフセットを測定する。このような構成によれば、オフセットが回路の温度変化によって時間的に変化したとしても、これに対応した制御を行うことが可能となる。
【0141】
また、駆動電流検出部127のオフセットを、スイッチ257、258が開き、スイッチ256が閉じた状態で行っていたが、第1フォーカス駆動部125の動作を停止させた状態で行ってもよい。第1フォーカス駆動部125の動作が停止すると第1のフォーカス用コイル135に流れる電流がゼロになるからである。この場合には駆動電流検出部128および第2フォーカス駆動部126も同様に設定する。
【0142】
次に、ディスク100の半径方向の傾きであるチルト角を検出するマイコン130の動作を説明する。図4を参照して説明したように、光ディスク100の傾きθdは、位相補償部116の出力の変化に対する対物レンズ103のフォーカス方向の変位量の関係をPfとし、半径位置d1とd2とにおける位相補償部116の出力レベルの差がVsとし、半径位置d1とd2との距離をRとした場合、式(3)で表せる。
【0143】
θd=Pf×Vs/R (3)
【0144】
したがって、式(3)および式(4)から、減算部122の+端子に式(5)の電圧Ysを設定すると対物レンズ103の傾きθoは、式(6)に示すようにθdとなる。
【0145】
Ys=Pf×Vs×Pt/R (5)
【0146】
Figure 0004189210
【0147】
図8を用いて位相補償部116から出力されるフォーカス駆動信号より対物レンズ103の位置を求める動作を説明する。図8において、波形(a)は位相補償部116の出力を示し、波形(b)は回転検出部131から出力される一回転信号を示している。一般に光ディスク100には面振れがあるので、それに応じて対物レンズ103はフォーカス方向に変位する。したがって、波形(a)に示すようにディスクが一回転する期間に位相補償部116の出力は変動する。変動の周波数は、光ディスク100の回転周波数以上であり、かつ、1回転信号に同期するので、光ディスク100が1回転する時間Tで位相補償部116の出力を平均することでディスクの面ぶれなどの変動成分を正確に除去できる。すなわち、正確にDC成分のみを検出できる。また、光ディスク100が1回転する時間で測定が完了するので測定時間を短くできる。
【0148】
マイコン130は、一回転信号に基づいて時間Tの期間に渡って位相補償部116の出力であるフォーカス駆動信号を積分し、時間Tで除算することでDC成分であるVを検出する。
【0149】
上述したように第1フォーカス駆動部125、および第2のフォーカス駆動部126の増幅率は予め分かっているので第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136に流れる電流値を算出することができる。また、駆動電流の変化に対する対物レンズ103の変位量の関係も予め分かっているのでVを測定することで対物レンズ103の平均的な高さが分かる。
【0150】
マイコン130は、光ヘッド114を半径方向に移動させて2点での対物レンズ103の高さの差を求め、2点の半径方向の距離に基づいて光ディスク100の傾きを求める。そして、検出した光ディスク100の傾きに応じて減算部122の+端子のレベルを設定することで対物レンズ103を傾ける。
【0151】
実際の装置では、アクチュエータごとに上述したPfの値がばらつく。その場合の動作について説明する。実際の装置では標準のアクチュエータのPfが記憶されており、この値でディスクの傾きの算出を行う。ここで、実際のアクチュエータの値が、Pfに比べ低いPfdであるとする。また、半径位置d1およびd2における対物レンズ103の位置の差をZsとし位相補償部116の出力の差をVsdとする。なお、実際のディスクの傾きはθrとする。Vsdは、式(3)の関係を用いて式(7)で示される。
【0152】
Vsd=Zs/Pfd (7)
【0153】
よって検出されるディスクの傾きθsdは式(3)より式(8)で示される。
【0154】
Figure 0004189210
【0155】
よって、式(4)および式(8)より式(9)のYsdが減算部122の+端子に設定される。
【0156】
Ysd=Pf×Zs×Pt/(R×Pfd) (9)
【0157】
ここで、対物レンズ103の傾きの変化に対する減算部120の出力である駆動電流の差の変化量の関係Ptもアクチュエータによってばらつく。ところで、アクチュエータ104において、フォーカス方向の駆動系と傾きの駆動系とは同一構成要素によって実現されている。駆動電流に対するフォーカス方向の変位の感度が低くなれば、比例して傾きの感度は低下する。対物レンズ103の傾きの変化に対する減算部120の出力である駆動電流の差の変化量の関係をPtと定義し、位相補償部116の出力の変化に対する対物レンズ103のフォーカス方向の変位量の関係をPfと定義しているので、Pfが減少すれば、Ptは反比例して増大する。想定しているアクチュエータの対物レンズ103の傾きの変化に対する減算部120の出力である駆動電流の差の変化量の関係をPtdとすると、Ptdは式(10)となる。
【0158】
Ptd=Pf×Pt/Pfd (10)
【0159】
対物レンズ103の実際の傾きθodは、式(4)、式(9)および式(10)から、以下の式(11)となる。
【0160】
Figure 0004189210
【0161】
式(11)に示すように、アクチュエータごとにPfとPtとが異なっていても、光ディスク100の傾きはθrになる。すなわち、光ディスク100の傾きに応じて、対物レンズ103の傾きが正確に制御される。
【0162】
このように、本実施形態によれば、光ディスク100の半径方向の異なる2点において、フォーカス制御によるフォーカス駆動信号を取得し、光ディスク100が1回転する期間にわたって取得した信号をそれぞれ平均する。平均されたフォーカス駆動信号値は、光ディスクの面振れの影響が除去されている。2つの均されたフォーカス駆動信号値の差は、2点における対物レンズ103の高さの差に対応するため、2点の半径方向の距離に基づいて、光ディスク100の傾きが求められる。求めた傾きに基づいて、アクチュエータ104を駆動することにより、対物レンズを光ディスク100のチルトに一致させることができ、光ビームを光ディスク100に対して垂直に照射することができる。これにより、データの記録・再生を正確におこなうことのできる光ディスク装置を実現できる。
【0163】
また、対物レンズの傾きを検出するための新たな素子を必要としない。このため、新たな素子を用いることにより、コストが上昇し、組み立て時の調整が増え、経時誤差の要因が増えるといった問題が生じない。さらに、光ヘッドを小型にすることができる。
【0164】
特に本実施形態の場合、光ディスク100の傾きを求めるために使用するフォーカスアクチュエータが、対物レンズを傾けるアクチュエータとして用いられる。このため、フォーカスアクチュエータが周囲の温度による影響を受けても、対物レンズを傾けるアクチュエータとして同じ影響を受けるため、その影響がキャンセルされる。また、フォーカスアクチュエータを構成する第1のフォーカス用コイル135と第2のフォーカス用コイル136との間にフォーカスアクチュエータとしての駆動感度差が生じていても、対物レンズを傾けるアクチュエータとして駆動する際、その駆動感度差がキャンセルされる。
【0165】
また、第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部136に流れる駆動電流を駆動電流検出部127および駆動電流検出部128によってそれぞれ検出し、それらの差である駆動電流差信号を減算部120によって求める。この駆動電流差信号が、光ディスク100の傾きに応じて対物レンズ103が傾くようにマイコンが設定した信号のレベルと一致するよう、第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部136を制御するため、第1フォーカス駆動部125および第2フォーカス駆動部136にオフセットがあっても対物レンズの傾きを正確に調整できる。
【0166】
また、マイコン130が、駆動電流検出部127および駆動電流検出部128の端子cをハイレベルに設定することにより、第1のフォーカス用コイル135および第1フォーカス駆動部125ならびに第2のフォーカス用コイル136および第2フォーカス駆動部126を、減算部120から電気的に切り離すことができる。この時、駆動電流検出部127および駆動電流検出部128から減算部120へ入力される信号は、第1のフォーカス用コイル135および第2のフォーカス用コイル136へ流れる駆動電流がゼロである場合における駆動電流検出部127および駆動電流検出部128の出力信号のオフセットを示す。
【0167】
したがって、この時の減算部120の出力を基準として制御を行うよう、マイコン130がこの出力値を減算部120のマイナス端子に入力することにより、駆動電流検出部127および駆動電流検出部128のオフセットがキャンセルされる。
【0168】
なお、本実施形態では、マイコン130において、光ディスク100が一回転する期間における位相補償部116のフォーカス駆動信号の平均値を求めていたが、位相補償部116の出力の平均を求める期間は、光ディスク100が1回転する期間の2以上の整数倍であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0169】
また、一般にCLVと呼ばれる線速度を一定にして光ディスク100を回転させ、データの記録・再生を行う場合、内周に比べ外周での光ディスクの回転数が小さくなる。そこで、位相補償部116の出力の平均値を求めるための測定時間が内周と外周とで所定の一定時間に制限される場合は、内周での測定時間を光ディスクがn回転する時間とし、外周での測定時間を光ディスクがm回転する時間とし、mがn以下(いずれも0以上の整数)となるよう、mおよびnを決定してもよい。このようにすることによって、制限された測定時間でより精度の高い検出を行うことが可能となる。
【0170】
(第2の実施形態)
図9は本発明による光ディスク装置の第2の実施形態を示すブロック図である。図9に示す光ディスク装置802において、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
【0171】
光ディスク装置802において、対物レンズ103はアクチュエータ309の可動部に取り付けられている。アクチュエータ309はフォーカス用コイル352、トラッキング用コイル351、チルト用コイル350および4個の永久磁石(図示せず)を含む。フォーカス用コイル352、トラッキング用コイル351、チルト用コイル350がそれぞれフォーカス方向移動手段、トラッキング方向移動手段、対物レンズ傾き手段に対応する。
【0172】
フォーカス用コイル352にフォーカス駆動部302を用いて電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生する。フォーカス用コイル352によって発生した磁束は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103はフォーカス方向に移動する。同様に、トラッキング用コイル351にトラッキング駆動部306を用いて電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生する。トラッキング用コイル351によって発生した磁束は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103は光ディスク100の半径方向、即ち光ディスク100上のトラックを横切るように(図上では左右に)移動する。また、チルト用コイル350にチルト駆動部308を用いて電圧を加えると対物レンズ103は、光ディスク100の半径方向(図では左右方向)に傾く。つまり、フォーカス駆動部302、トラッキング駆動部306、チルト駆動部308はそれぞれ駆動手段として機能する。
【0173】
FE信号生成部115の出力であるFE信号は、位相補償部116、減算部301、スイッチ380を介してフォーカス駆動部302へ送られる。フォーカス駆動部302は、入力信号に応じた電流を駆動レベル検出手段である駆動電流検出部310を介してフォーカス用コイル352に流す。駆動電流検出部310は、フォーカス用コイル352に流れる電流を検出する。このとき、スイッチ380の端子aと端子dとは接続された状態にある。このような構成により、対物レンズ103は、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位置するように制御される。つまり、位相補償部116およびフォーカス駆動部302はフォーカス制御手段として機能する。また、位相補償部116は、フォーカス制御要素手段として機能する。
【0174】
マイコン313は、スイッチ380の端子bと端子dとを時間Tsの期間接続してその状態での駆動電流検出部310の出力を取り込む。スイッチ380の端子bは、ゼロレベルに設定されているので、フォーカス駆動部302にはゼロレベルの信号が入力される。したがって、この状態での駆動電流検出部310の出力は、フォーカス駆動部302の出力のオフセットを示す。なお、駆動電流検出部310の出力のオフセットはゼロであるとする。以下では、この信号をオフセット信号と記す。マイコン313は、取り込んだオフセット信号を減算部301の−端子へ送る。これにより、フォーカス駆動部302のオフセットの影響が除去でき、位相補償部116の出力に応じた電流が正確にフォーカス用コイル352に流れる。すなわち、外乱であるオフセットが除去されるので、フォーカス制御の制御精度が高くなる。
【0175】
上述した駆動電流検出部310およびフォーカス駆動部302のオフセットの測定は、フォーカス制御の動作が停止している状態に行う。時間Tsをたとえば数10μs以下にすれば、フォーカス制御を動作させた状態で行うことも可能である。
【0176】
マイコン313は、第1の実施形態と同様、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディスク100の半径方向の傾きを検出する。マイコン313は、検出したディスクの傾きに応じた電流をチルト用コイル350に流すことによって対物レンズ103を傾ける。このために必要となる電流値をマイコン313は減算部307の+端子に設定する。スイッチ382、駆動レベル検出手段である駆動電流検出部314、およびチルト駆動部308の構成および動作は、スイッチ380、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動部302と同じである。したがって、チルト駆動部308のオフセットの影響が除去でき、マイコン313が減算部307の+端子に設定したレベルに応じた電流が正確にチルト用コイル351に流れる。即ち、対物レンズ103の傾きの調整精度が高くなる。
【0177】
図9に示した光学系は一般にプッシュプル法と呼ばれるトラッキングエラー信号の検出方式を構成している。以下、トラッキングエラー信号をTE信号と記す。トラッキングエラー検出手段であるTE信号生成部303は、光ビーム106と光ディスク100のトラックとのずれをプッシュプル法により検出し出力する。TE信号は、位相補償部304および減算部305、およびスイッチ381を介してトラッキング駆動部306へ送られる。トラッキング駆動部306によってトラッキング用コイル351に電流が流れる。したがって、光ビーム106の焦点が、光ディスク100のトラック上にあるように制御される。位相補償部304は制御要素手段として機能し、位相補償部304およびトラッキング駆動部306がトラッキング制御手段を構成する。
【0178】
マイコン313は、トラッキング駆動部306および駆動レベル検出手段である駆動電流検出部311のオフセットを減算部305の−端子に設定する。なお、スイッチ381、駆動電流検出部311、およびトラッキング駆動部306の構成と動作とは、スイッチ380、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動部302と同じである。したがって、トラッキング駆動部306のオフセットの影響が除去でき、位相補償部304の出力に応じた電流が正確にトラッキング用コイル351に流れる。即ち、トラッキング制御の制御精度が高くなる。
【0179】
以下、アクチュエータ309について詳細に説明する。図10は本実施形態の光ディスク装置におけるアクチュエータ309の構成を説明するための図であり、具体的にはアクチュエータ309を上からみた図である。対物レンズ103を保持するレンズホルダー401は、ワイヤ404によって光ヘッド400の固定部(不図示)に接続されている。また、永久磁石402、403は、レンズホルダー401に取り付けられている。アクチュエータ309は4個のフォーカス用コイル405a、405b、405c、405d、4個のトラッキング用コイル406a、406b、406c、406d、4個のチルト用コイル407a、407b、407c、407dを備えている。各コイルは、鉄心に巻かれており、光ヘッド400の固定部に取り付けられている。また、鉄心とそれぞれの鉄心と対になった永久磁石によって磁束のループが形成される。
【0180】
フォーカス用コイル405a、405b、405c、405dは、直列に接続されており、フォーカス用コイル352を構成する。フォーカス用コイル352にフォーカス駆動部302を用いて電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生する。フォーカス用コイル352によって発生した磁束は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103は光ディスク100のフォーカス方向に移動する。
【0181】
同様に、トラッキング用コイル406a、406b、406c、406dは、直列に接続されており、トラッキング用コイル351を構成する。トラッキング用コイル351にトラッキング駆動部306を用いて電圧を加えるとコイルに電流が流れ、磁束が発生する。トラッキング用コイル351によって発生した磁束は永久磁石の磁束に作用し、対物レンズ103は光ディスク100の半径方向、即ち光ディスク100上のトラックを横切るように移動する。
【0182】
チルト用コイル407a、407b、407c、407dは、直列に接続されており、チルト用コイル350を構成する。チルト用コイル350にチルト駆動部308を用いて電圧を加えるとコイル407a、407bによって発生する磁束とコイル407c、407dによって発生する磁束の方向は逆になるようにコイルは接続されている。したがって、対物レンズ103は、ディスク100の半径方向に傾く。
【0183】
上述したフォーカス駆動部302、トラッキング駆動部306、チルト駆動部308、および駆動電流検出部310、311、314のオフセットの測定は、マイコン313の有するタイマーによって所定の間隔で行う。また、一般に回路のオフセットは、回路の温度によって変化するので第1の実施形態で説明したように、温度センサを設け、その出力が所定値以上に変化した時、回路オフセットの測定の動作を行ってもよい。
【0184】
このように、本実施形態によれば、スイッチ380によって、所定の期間、フォーカス駆動部302の入力をゼロに設定することにより、駆動電流検出部310は、駆動電流検出部310のオフセット信号を出力する。このオフセット信号を基準値として位相補償部116からフォーカス駆動部302へ入力される信号の直流レベルを減算部301において補正する。つまり、オフセットを除去する。このため、フォーカス駆動部302にオフセットが生じていてもフォーカス制御の精度を高めることができる。また、トラッキング制御およびチルト制御においても、それぞれの駆動部におけるオフセットが同様にして除去され、それぞれの制御精度を高めることができる。
【0185】
(第3の実施形態)
図11は本発明による光ディスク装置の第3の実施形態を示すブロック図である。図11に示す光ディスク装置803において、第2の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
【0186】
光ディスク装置803において、FE信号生成部115の出力であるFE信号は、位相補償部116および減算部500を介してフォーカス駆動部302へ送られる。フォーカス駆動部302は、入力信号に応じた電流を駆動電流検出部310を介してフォーカス用コイル352に流す。駆動電流検出部310は、フォーカス用コイル352に流れる電流を検出する。駆動電流検出部310の出力は、マイコン506および減算部500の一方の−端子(図で「−1」と示されている端子)へ送られる。このときスイッチ501の端子aと端子dとは接続された状態である。また、マイコン506によって減算部500の他方の−端子(図で「−2」と示されている端子)にはゼロレベルが設定されている。
【0187】
フォーカス駆動部302には、位相補償部116の出力と駆動電流検出部310の出力の差が入力される。したがって、減算部500の出力が所定の関係(本実施形態ではゼロ)になるようにフォーカス用コイル352の電流が制御される。すなわち、位相補償部116の出力に応じた電流がフォーカス用コイル352に流れる。よって、対物レンズ103は、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位置するように制御される。
【0188】
次にマイコン506が、減算部500の−端子(図で「−2」と示されている方の端子)に設定する信号について説明する。マイコン506はスイッチ501の端子aと端子dとを時間Tpの期間開いてその状態での駆動電流検出部310の出力を取り込む。この状態での駆動電流検出部310の出力は、駆動電流検出部310の出力のオフセットを示す。マイコン506は、取り込んだ駆動電流検出部310の出力のオフセットレベルを減算部500の−端子へ送る。したがって、駆動電流検出部310のオフセットの影響が除去でき、位相補償部116の出力に応じた電流が正確にフォーカス用コイル352に流れる。すなわち、外乱であるオフセットが除去されるのでフォーカス制御の制御精度が高くなる。
【0189】
なお、上述した駆動電流検出部310のオフセットの測定は、フォーカス制御の動作が停止している状態で行う。時間Tpをたとえば数10μs以下にすれば、フォーカス制御を動作させた状態で行うことも可能である。
【0190】
マイコン506は、第2の実施形態と同様、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディスク100の半径方向の傾きを検出する。検出したディスクの傾きに応じた電流をチルト用コイル350に流すことによって、対物レンズ103を傾ける。電流値は減算部504の+端子に設定される。減算部504、スイッチ505、駆動電流検出部314、およびチルト駆動部308の構成や動作は、減算部500、スイッチ501、駆動電流検出部310、およびフォーカス駆動部302と同じである。したがって、駆動電流検出部314のオフセットの影響が除去できる。よって、マイコン506が減算部504の+端子に設定したレベルに応じた電流が正確にチルト用コイル351に流れる。すなわち、対物レンズ103の傾きの調整精度が高くなる。
【0191】
TE信号は、位相補償部304および減算部502を介してトラッキング駆動部306へ送られる。トラッキング駆動部306は、入力信号に応じた電流を駆動電流検出部311を介してトラッキング用コイル351に流す。したがって、光ビーム106の焦点が、ディスク100のトラック上にあるように制御される。
【0192】
マイコン506は、駆動電流検出部311のオフセットを減算部502の−端子(図で「−2」と示されている端子)に設定する。減算部502、スイッチ503、駆動電流検出部306、および電駆動電流検出部311の構成や動作は、減算部500、スイッチ501、フォーカス駆動部302および駆動電流検出部310と同じである。したがって、トラッキング駆動部306のオフセットの影響が除去でき、位相補償部304の出力に応じた電流が正確にトラッキング用コイル351に流れる。すなわち、トラッキング制御の制御精度が高くなる。
【0193】
このように本実施形態によれば、スイッチ501を所定の期間開くことによって、フォーカス駆動部302の動作を停止させる。この間、駆動電流検出部310が出力する信号はオフセットを示す。したがって、このオフセットを基準として、位相補償部116の出力を減算部500で補正することにより、位相補償部116の出力から駆動電流検出部310のオフセットが除去される。その結果、フォーカス制御の精度を高めることができる。また、トラッキング制御およびチルト制御においても、それぞれの駆動電流検出部におけるオフセットが同様にして除去され、それぞれの制御精度を高めることができる。
【0194】
(第4の実施形態)
図12は本発明による光ディスク装置の第4の実施形態を示すブロック図である。図12に示す光ディスク装置804において、第2の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
【0195】
光ディスク装置804において、FE信号生成部115の出力であるFE信号は、位相補償部116、減算部500を介してフォーカス駆動部302へ送られる。フォーカス駆動部302は、入力信号に応じた電流を駆動電流検出部600を介してフォーカス用コイル352に流す。駆動レベル検出手段である駆動電流検出部600は、フォーカス用コイル352に流れる電流を検出する。第1の実施形態で用いた駆動電流検出部127と構成および動作は同じである。駆動電流検出部600の出力は、マイコン603および減算部500の一方の−端子(図で「−1」と示されている端子)へ送られる。マイコン603によって減算部500の他方の−端子(図で「−2」と示されている端子)にはゼロレベルが設定されている。
【0196】
フォーカス駆動部302には、位相補償部116の出力と駆動電流検出部600の出力の差が入力される。したがって、減算部500の出力がゼロになるようにフォーカス用コイル352の電流が制御される。すなわち、位相補償部116の出力に応じた電流がフォーカス用コイル352に流れる。よって、対物レンズ103は、光ビーム106の焦点が常に光ディスク100のデータ面に位置するる。
【0197】
次にマイコン603が、減算部500の他方の−端子に設定する信号について説明する。マイコン603は駆動電流検出部600の端子cを時間Tqの期間ハイレベルにする。マイコン603はこの状態での駆動電流検出部600の端子dの出力を取り込む。この状態での駆動電流検出部600の出力は、第1の実施形態で説明したように、駆動電流検出部600の出力信号のオフセットを示す。
【0198】
マイコン603は、取り込んだ駆動電流検出部600の出力のオフセットレベルを減算部500の−端子へ送る。したがって、駆動電流検出部600のオフセットの影響が除去でき、位相補償部116の出力に応じた電流が正確にフォーカス用コイル352に流れる。すなわち、外乱であるオフセットが除去されるのでフォーカス制御の制御精度が高くなる。
【0199】
上述した駆動電流検出部600のオフセットの測定は、フォーカス制御の動作が停止している状態で行う。なお、時間Tqを数10μs以下にすれば、フォーカス制御を動作させた状態で行うことも可能である。
【0200】
第2の実施形態と同様、マイコン603は、光ディスク100の異なる半径方向の2点での位相補償部116の出力の差とその2点の間隔より光ディスク100の半径方向の傾きを検出する。
【0201】
マイコン603は、検出したディスク傾きに応じた電流をチルト用コイル350に流すことによって対物レンズ103を傾ける。電流値は減算部504の+端子に設定される。減算部504、駆動レベル検出手段である駆動電流検出部602、およびチルト駆動部308の構成や動作は、減算部500、駆動電流検出部600、およびフォーカス駆動部302と同じである。したがって、駆動電流検出部602のオフセットの影響が除去でき、マイコン603が減算部504の+端子に設定したレベルに応じた電流が正確にチルト用コイル351に流れる。すなわち、対物レンズ103の傾きの調整精度が高くなる。
【0202】
TE信号は、位相補償部304および減算部502を介してトラッキング駆動部306へ送られる。トラッキング駆動部306によってトラッキング用コイル351に電流が流れる。したがって、光ビーム106の焦点が、ディスク100のトラック上にあるように制御される。
【0203】
減算部502、トラッキング駆動部306、および駆動レベル検出手段である駆動電流検出部601の構成や動作は、減算部500、フォーカス駆動部302、および駆動電流検出部600と同じである。したがって、駆動電流検出部601のオフセットの影響が除去でき、位相補償部304の出力に応じた電流が正確にトラッキング用コイル351に流れる。すなわち、トラッキング制御の制御精度が高くなる。
【0204】
このように、本実施形態によればマイコン603が、駆動電流検出部600の端子cをハイレベルに設定することにより、フォーカス駆動部302ならびに第2のフォーカス用コイル352を、減算部500から電気的に切り離すことができる。この時、駆動電流検出部600から減算部500へ入力される信号は、フォーカス用コイル352へ流れる駆動電流がゼロである場合における駆動電流検出部600の出力信号のオフセットを示す。
【0205】
したがって、この時の減算部500の出力を基準として制御を行うよう、マイコン603がこの出力値を減算部500のマイナス端子に入力することにより、駆動電流検出部600のオフセットがキャンセルされ、フォーカス制御の精度を高めることができる。また、トラッキング制御およびチルト制御においても、それぞれの駆動電流検出部におけるオフセットが同様にして除去され、それぞれの制御精度を高めることができる。
【0206】
(第5の実施形態)
図13は本発明による光ディスク装置の第5の実施形態を示すブロック図である。図13に示す光ディスク装置805において、光ディスク2は、回転手段に対応するモータ27に取り付けられ、所定の回転数で回転する。モータ27の回転数はマイコン21によって設定され、たとえばモータ27の線速度が一定となるように回転制御手段に対応するモータ制御部25により制御されている。回転検出部26は、モータ27が1回転するごとに1回転信号を出力する。
【0207】
フォーカスアクチュエータ15a、15bは、対物レンズ4を挟んで光ディスク2の半径方向に取りつけられている。フォーカスアクチュエータ15a、15bのそれぞれは、たとえば図6に示すように、対物レンズ4を保持するレンズホルダに設けられたフォーカス用永久磁石とフォーカス用コイルを含む。
【0208】
第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bに同一のフォーカス駆動信号を入力すると、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bはフォーカス方向に移動するよう対物レンズ4を駆動する。フォーカスアクチュエータ15a、15bは、第1のフォーカス方向移動手段および第2のフォーカス移動手段に対応し、これらは合わせてフォーカス方向移動手段を構成する。
【0209】
また、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bに位相または信号のレベルの異なるフォーカス駆動信号を入力すると、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bを駆動する電流の向きまたは大きさが異なるため、対物レンズ4の内側と外側のフォーカス方向の変位量が異なる。これによって対物レンズ4を光ディスク2の半径方向(またはラジアル方向)に傾けることができる。つまりフォーカスアクチュエータ15a、15bは、収束手段である対物レンズを傾ける傾き手段を構成する。
【0210】
従来の技術で述べたように、光ディスク2が光ビームの光軸に対して半径方向に傾くと、半径方向にコマ収差が発生する。逆に光ビームの光軸に対して対物レンズ4の光軸が光ディスク2の半径方向に傾けても、半径方向にコマ収差が発生するので、第1フォーカス駆動部16a、第2フォーカス駆動部16bに位相の異なるフォーカス駆動信号を入力して、対物レンズ4を半径方向に傾けることで、光ディスク2が半径方向に傾くことによって発生するコマ収差を相殺することができる。このように対物レンズ4を傾けることによりコマ収差を低減し、良好な記録および再生を実現できる。
【0211】
移送モータ18は、光ヘッド送り軸17に取りつけられており、この移送モータ18を駆動させて光ヘッド送り軸17を回転させることで、光ヘッド12を光ディスク2の半径方向に移動させるトラッキング方向移動手段として機能する。移送モータ18には、移送モータ18の回転に同期してパルス信号を生成するエンコーダ19が取り付けられており、回転に同期したパルス信号が出力される。エンコーダ19からの出力はマイコン21に入力され、パルスをカウントすることによりモータの回転角を検出できる。移送モータ18の回転角は光ヘッド12の移動量に対応するため、エンコーダ19の出力により光ヘッド12の半径位置(具体的には光ビームが照射されている光ディスク2の半径位置)が検出できる。
【0212】
位相補償部8からのフォーカス駆動信号は、チルト量を求めるチルト計算手段であるマイコン21および減算部23の一方の+端子および加算部24の+端子に入力される。マイコン21は入力されたフォーカス駆動信号と半径位置を数値データとして記憶するフォーカスメモリ22を持ち、現在の半径位置がフォーカス駆動信号を検出するように設定された所定の半径位置かどうかを判別し、設定された所定の半径位置であれば、半径位置とフォーカス駆動信号の直流成分との関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に随時記憶する。マイコン21によって、フォーカス駆動信号の直流成分を検出し、検出値を用いてディスクの反り形状近似した反り関数を決定し、反り関数から得られるチルト近似関数を求める手順および反り関数およびチルト近似関数を更新する手順は以下において詳細に説明する。
【0213】
マイコン21は、求めたチルト近似関数によって現在の半径位置におけるチルト近似値を算出し、チルト近似値からチルト駆動信号を生成し出力する。チルト駆動信号は、減算部23の−端子および加算部24の一方の+端子に入力される。減算部23は+端子に入力される信号から−端子に入力される信号を減算して第2フォーカス駆動部16bへ出力する。加算部24は2つの+端子に入力される信号を加算した値を第1フォーカス駆動部16aへ出力する。
【0214】
以上により、光ディスク信号面上において光ビームが常に所定の収束状態になるように制御されるフォーカス制御と、チルトによるコマ収差を低減するように対物レンズの傾きを制御するチルト制御が実現する。このように位相補償部8、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bがフォーカス制御手段として機能し、マイコン21、減算部23、加算部24、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16がチルト制御として機能する。
【0215】
第1の実施形態で説明したように、位相補償部8から出力されるフォーカス駆動信号の直流成分をチルト制御に用いる。図8(a)は位相補償部8から出力されるフォーカス駆動信号の波形を示しており、図8(b)は、回転検出部26から出力される1回転信号の波形を示している。それぞれの図において、縦軸および横軸は、信号出力および時間を示している。図8(a)に示すように、回転しているディスクには面振れが生じているため、フォーカス制御作動中は面振れに追従して対物レンズ4がフォーカス方向に変位する。このため、ディスクが1回転する間にフォーカス駆動信号が面振れに同期して変動する。面振れ以外のフォーカス駆動信号の変動要因として、回転ディスクの表面に生じた傷や溝も考えられる。しかし、これらの影響によるフォーカス駆動信号の変動は回転周波数以上である。したがって、ディスクの1回転周期Tでフォーカス駆動信号を平均することによって変動成分を除去または平均化でき、チルト計算に必要なフォーカス駆動信号の直流成分のみを検出することができる。また、検出結果をチルト検出に用いることで正確な光ディスク2の半径方向のチルトを検出することができる。平均化されたフォーカス駆動信号をフォーカス駆動信号値と呼ぶ。
【0216】
次に、フォーカス駆動信号値からチルトを求める方法及び構成を詳細に説明する。CD、DVDに代表される一般的な光ディスク2の反り形状は、図4で表したような単純な直線形状ではなく、図14に示すように、たとえば、内周付近に比べて外周付近における反りが大きく、最外周付近では反りが小さくなっている。このように、反りは半径方向に一様に発生しているわけではない。また、反りの形状は、光ディスク2ごとに異なる。本実施形態では、ディスクに発生した反り形状をフォーカス駆動信号値から求める関数で近似する。このため、対物レンズ4のチルト補正の精度を上げるには、光ディスク2の反り形状を決定するための関数の近似精度が高い方がより望ましい。
【0217】
図14に示すように、ディスクの反り形状を1次関数で近似する場合、反り形状と一次関数の直線とが一致する領域はごく僅かである。これに対して、たとえば、ディスクの反り形状を3次関数で近似する場合、反りの形状と3次関数の曲線とはおおよそ一致する。このように次数が高い関数で反り形状を近似することが好ましい。
【0218】
図15は、実線で示すディスクの反り形状を1次関数で近似する例を示している。図15に示すように、近似点の間隔が相対的に広い3点でディスクの反り形状を近似した場合、直線L1で示す近似関数が得られ、近似点の間隔が相対的に狭い5点でディスクの反り形状を近似した場合、直線L2で示す近似関数が得られる。図15から、近似点の間隔が狭い方が近似の精度がよいことが分かる。
【0219】
以上のことから、近似関数の次数を高くし、近似計算に用いる点数を多くすることによって、近似点の間隔を狭くすれば、近似精度を向上させることができることがわかる。
【0220】
しかしながら、近似点を多くすると、ディスクの反り形状を推定するために必要な時間が長くなってしまう。また、近似関数の次数を高くすれば、近似関数を決定するために必要な近似点の数も多くなるため、同様に、ディスクの反り形状を推定するために必要な時間が長くなってしまう。その結果、光ディスク装置の起動時間が長くなるという問題が生じる。
【0221】
本実施形態では、これらの問題を同時に解決するために、光ディスクに対して記録または再生を行う前に実行する初期検出および光ディスクを記録または再生中に実行する補完検出の2つの段階に分けてディスクの反り形状(チルト)の検出を行う。たとえば、初期検出では、内周のリードインの読み取りやコントロール情報の追記などに使用する領域の反り形状のみを検出する。これにより、検出点数を減らして起動時の検出時間を短縮する。その後、記録または再生中の補完検出では、全周にわたって近似精度を向上させるために追加の検出を行う。これにより起動時の検出時間の短縮し、かつディスク反り形状を精度よく近似することが可能となる。
【0222】
なお、初期検出は、光ディスクを光ディスク装置805に装填した後、光ディスクに対して記録動作または再生動作のいずれかが開始されるまでに実行される。一般的には、初期検出は、光ディスクの装填動作に基づいて行われ、操作者が記録あるいは再生操作を行ったかどうかにかかわらず、光ディスクが光ディスク装置805に装填された後自動的に実行される。しかし、操作者の記録あるいは再生操作に基づいて、光ディスクに対して記録動作または再生動作を行う直前に実行されてもよい。一度初期検出が行なわれた光ディスクが光ディスク装置805内において保持されている場合には、次に記録あるいは再生が行われる前には、初期検出を省略してもよい。
【0223】
また、補完検出は、光ディスクを記録または再生中に行われる。この「記録または再生中」とは必ずしも連続して記録あるいは再生動作を行っている最中を意味するものではなく、光ディスクに対して記録、再生動作が開始されたときから典型的には光ディスクの回転が停止するまでの光ディスク装置805が一連の記録あるいは再生動作を行っている間を意味する。したがって、たとえば、補完検出は、光ヘッドがシーク動作を行っている時や、一時停止状態にあるときに実行されてもよい。
【0224】
以下、マイコン21が、この検出したフォーカス駆動信号からチルト近似関数を求める具体的な方法とその構成ついて詳細に説明する。マイコン21では、フォーカスメモリ22に記憶されたデータにより、検出点の半径位置xとその位置におけるフォーカス制御部8の出力であるフォーカス駆動信号値yとの関係を、所定の反り関数y=f(x)に近似する。反り関数を2次とすると、f(x)は次式(12)で表される。
【0225】
f(x)=ax2+bx+c (12)
【0226】
係数a、b、およびcの決定には、種々の近似方法を用いることができる。たとえば、最小二乗法を適用して係数a、b、cを決定してもよい。ある半径位置xiでフォーカス駆動信号値がyiだったとすると、xiにおける反り関数f(x)の値と実際の値yiとのずれviは次式(13)で表される。
【0227】
vi=f(xi)−yi=axi2+bxi+c−yi (13)
【0228】
検出点全てについてのviの二乗の総和が最小になるようにa、b、cの値を定めると、式(12)で表される曲線は検出点のほぼ平均の位置を通る。このようにして、検出点の半径位置xとその位置におけるフォーカス駆動信号値yとの関係を近似する所定の反り関数y=f(x)を算出できる。
【0229】
チルトは反りに対応する傾きであることから、反り関数を微分することでチルト近似関数z=g(x)を求めることができる。チルト近似関数はz=g(x)はa、b、cを用いると次式(14)で表される。
【0230】
z=g(x)=df(x)/dx=2ax+b (14)
【0231】
したがって、マイコン21では、フォーカスメモリ22からのデータ出力を用いて式(13)で表されるviの二乗総和が最小になるようにa、b、cの値を決定し、チルト近似関数z=g(x)を求め、チルト近似関数を利用して現在の半径位置におけるチルトを、チルト近似値として算出する。その後、チルト近似値を元にチルト駆動信号を生成し、出力する。
【0232】
次に初期検出および起動後の補完検出の手順を説明する。初期検出および補完検出のために、マイコン21において用いられる近似関数の次数と、近似計算をするために必要なフォーカス駆動信号を検出する半径位置(検出点)を予め設定しておく。また、初期検出のための検出点と補完検出のための検出点とをそれぞれ設定しておく。
【0233】
図16は、ディスクの半径方向におけるフォーカス駆動信号値を検出する検出点の位置を示す一例である。図16に示すように、初期検出では、光ディスクの最内周上の点A、最外周上の点C、および前記2点の中間に位置する点Bにおいてフォーカス駆動信号値を取得する。また補完検出では、初期検出の点A、B、Cに加えて、これらの中間に位置する点D、Eにおいてフォーカス駆動信号値を取得する。設定された検出点の位置情報に関するデータは、マイコン21のROM(不図示)あるいはマイコン21に接続されたEEPROM28に格納される。
【0234】
本実施形態では、分かりやすく説明するために反り関数の次数を2次とし、さらに初期検出および補完検出で用いる検出点の間隔を先に述べたように等間隔として説明するが、本発明はこの近似関数の次数あるいは、関数の種類に限るものではない。またディスクの一般的な反り形状の特性を考慮して、複雑な反り形状である内周や外周では検出点の間隔を狭くし、単純な反り形状である中周では広くしてもよい。このようにすることによって、検出点の数に対し効率よく近似精度を上げることができ、様々な反り、垂れ形状のディスクに対して対応することができる。ここで内周、中周および外周とは、光ディスクの半径方向をおおよそ3等分したときの内側領域、中央領域および外側領域をいう。
【0235】
また、初期検出において、まず、光ディスク全体の反り形状を把握するために、所定の間隔で半径方向のフォーカス駆動信号値を検出してもよい。そして、検出結果に基づいて、ディスクの反り形状を決定し、その反り形状に最適な検出点を設定してもよい。たとえば、ディスクの反り形状として、中周部よりも内周部および外周部において反りが大きくなっている第1の形状と、ほぼ等しい極率で全体にディスクが反っている第2の形状とをあらかじめ設定しておく。第1の形状であると判断するときには、中周部に比べて内周部および外周部が密となるようフォーカス駆動信号値の検出点を複数設定する。また、第2の形状であると判断するときには、中周部、内周部および外周部においておおよそ等間隔となるようフォーカス駆動信号値の検出点を複数設定する。次に、設定された検出点において、初期検出および補完検出を行う。このようにすることによって、検出点の数に対し効率よく近似精度を上げることができ、様々な反り、垂れ形状のディスクに対して対応することができる。
【0236】
以下、まず装置起動時の初期検出におけるマイコン21の処理を説明する。図17は初期検出の動作を説明するフローチャートである。フォーカス制御が動作している状態において、マイコン21により移送モータ18を制御して、光ヘッド12を半径方向の検出点Aへ移動させる(S1)。光ヘッド12が検出点Aに到達し、対物レンズ4の振れを収めるための整定時間が経過した後、マイコン21がディスクの1回転周期でフォーカス駆動信号を平均することにより、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。その検出結果と半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に数値データとして記憶する(S3)。
【0237】
次に光ヘッド12を検出点Bに移動させ(S4)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出する(S5)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメモリ22に記憶をする(S6)。さらに光ヘッド12を検出点Cに移動させ(S7)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出をする(S8)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメモリ22に初期検出データとして記憶をする(S9)。全ての検出点ABCでの検出が完了したら、初期検出の処理が終了する。以上の手順によりマイコン21は、初期検出データを用いて、2次の反り関数(式(12))を計算する。そして、チルト近似関数(式(13))を求める。
【0238】
装置動作中は、得られたチルト近似関数を用い、光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を逐次求める。そして、チルト近似値から、チルト駆動信号を生成し、減算部23および加算部24へ出力する。第1フォーカス駆動部および第2のフォーカス駆動部はチルト駆動信号に基づく駆動電流をアクチュエータ15aおよび15bへ出力する。これにより、対物レンズ4が光ディスク2のチルトに応じて傾き、コマ収差が低減または解消する。
【0239】
なお先に述べたように、初期検出では所定の半径位置に光ヘッド12を移動させて検出を行う。この時、モータの回転制御が線速度一定(CLV)方式であると、所定の半径位置ごとにモータの回転数が変化する。このため、フォーカス駆動信号の検出は、モータの回転数が所定の値に安定するまでに必要な整定時間を経た後に行う必要があり、検出時間が増加する。このような場合には、モータの回転制御を角加速度一定(CAV)方式で制御し、同じ回転数を保持したまま上記初期検出を行うように実行すれば、検出時間の増加を避け、装置の起動時間を短縮することが可能である。また、一般に、起動時には光ヘッドが内周側に位置していることが多い。このため、起動時に設定される内周の回転数で角加速度一定の制御をし、その回転数を保持したまま、上記初期検出を実行すれば、光ディスク装置のシステムで必要な内周のコントロールデータの再生や、INDEXやDMA等の情報の記録の信頼性を高めることができる。また、以下において説明する補完検出の処理によってディスク全周にわたってチルト精度が確保されるので、装置全体のシステムバランスを向上させることができる。
【0240】
次に補完検出について説明する。補完検出は、装置動作中に行われる検出である。図18は補完検出の動作を示すフローチャートである。装置動作中、フォーカス制御が動作している状態において、エンコーダ19からの信号をもとに現在の光ヘッド12の半径位置が所定の検出点A〜Eで示す半径位置であるかどうかをマイコン21が判断する(S1)。現在の半径位置が検出点A〜Eのいずれかの半径位置であれば、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。さらに、現在の検出点と同一半径位置において過去に検出が行われ、その数値データがフォーカスメモリ22に記憶されているかどうか判断する(S3)。その結果、同一半径位置において過去に検出が行われていれば、そのデータを破棄し(S4)、現在の検出結果と半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶し、データの更新を行う(S5)。
【0241】
一方、同一半径位置において過去に検出が行われていなければ、S4を実行せず現在の検出結果と半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S5)。以上の処理は、光ヘッド12が所定の検出点A〜Eの半径位置に移動するごとに実行され、マイコン21は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出データを用いて2次の反り関数およびチルト近似関数を再計算、更新する(S6)。さらにマイコン21は更新されたチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S7)。出力されたチルト駆動信号により対物レンズ4がディスクに応じて最適に傾き、良好な再生および記録を実現できる。
【0242】
以上のようにして、補完検出がなされるたびに、反り関数およびチルト近似関数が更新され、更新された関数に基づいてチルト制御が行われる。したがって初期検出後、初めて補完検出が実行されるまでは、初期検出によって決定したチルト近似関数によりチルト駆動値を計算し、チルト制御を行う。その後は補完検出が実行されるごとにチルト近似関数を更新し、更新したチルト近似関数に基づいてチルト駆動値を計算し、新たな計算値によってチルト制御を行う。更新されたチルト近似関数の近似精度は、近似計算に用いる近似点の個数が増加しているため、それ以前のチルト近似関数に比べて同等かそれ以上となる。
【0243】
上述した初期検出および補完検出の手順は、マイコン21により、光ディスク装置805の各構成要素を順次制御することによって実行される。その手順をマイコン21に実行させるためのプラグラムが、EEPROM28や図示しないROM、RAM、ハードディスク、磁気記録媒体などのコンピータ読み取りが可能な記録媒体に保存されている。
【0244】
なお本実施形態において、同一半径位置においてフォーカス駆動信号の検出を行った場合、前回記憶した結果と現在の検出結果との平均値を求め、フォーカスメモリ22に記憶させるようにしてもよい。このようにすることによって、ディスクの一回転周期で平均してフォーカス駆動信号から除去できなかった検出誤差等の影響を低減することができる。
【0245】
また、検出されたフォーカス駆動信号値を用いて、更新された反り関数の相関係数と、更新以前の相関係数を比較し、前者の値より後者の値が小さい場合、更新された反り関数の近似精度は悪化していると判断してもよい。この場合には、検出されたフォーカス駆動信号値は異常データとして扱い、フォーカスメモリ22に記憶させないようする。これによって、フォーカス飛びや振動衝撃による不正確な検出結果が計算に与える影響を低減もしくは除去できるため、フォーカス駆動信号の検出値に対する信頼性の向上が期待できる。あるいは、更新された反り関数の相関係数と、更新以前の相関係数を比較し、前者の値より後者の値が小さい場合、相関係数が更新以前の相関係数以上となるよう、反り関数の次数を変更し変更した次数の反り関数の係数を求める。そして、以降のチルト制御には更新した次数の反り関数を用いてもよい。これにより、反り関数の近似精度が高くなり、より、正確にチルト制御を行うことができる。
【0246】
以上説明したように、本実施形態によれば、チルト検出を初期検出、補完検出の2段階に分けることにより、起動時における検出時間の短縮および近似精度の向上の両立が可能となる。
【0247】
また、起動後に補完検出として随時ディスクの反り形状を検出するため、光ディスク2の温度特性等によって、初期検出後、経時的に光ディスク2の反りの形状が変化する場合であっても、適切に光ディスク2のチルトを検出、補正することが可能である。
【0248】
本実施形態では、光ディスク2の反り形状を1つの関数を用いて近似していた。しかし、光ディスク2を半径方向において複数の領域に分割し、分割した領域ごとに異なる関数で近似してもよい。また、光ディスク2の反り形状を折れ線で近似してもよい。以下、本実施形態の変形例として、光ディスク2の反り形状を折れ線からなる反り関数で近似する光ディスク装置を説明する。
【0249】
変形例による光ディスク装置は、図13のブロック図で示される構造を備える。図19は、光ディスク2の反り形状を示している。変形例による光ディスク装置では、図19に示すように、検出点A〜Gにおいて、フォーカス駆動信号値を検出する。検出点A〜Gは、中周部に比べて、内周部および外周部において、検出点の密度が大きくなるよう、不均等な間隔を隔てて配置されている。上述したように、光ディスク2に生じる反りは、一般に、内周側および外周側において大きくなるため、内周側および外周側の領域において、検出点の密度を大きくすることによって、少ない検出点で制度よく、光ディスク2全体の反り形状を近似することができる。CDやDVDなどの5インチ光ディスクの場合、たとえば、ディスクの中心から、23mm、26mm、31mm、45mm、50mm、55mm、58mmの位置に検出点A〜Gを配置する。これらの検出点の位置情報はあらかじめ光ディスク装置内に記憶されている。なお、見やすさのため、図19は、検出点間の相対的な距離がこれらの値に対して正確には示されていない。
【0250】
起動時の初期検出では、図18に示すように、フォーカス制御が動作している状態において、マイコン21により移送モータ18を制御して、光ヘッド12を半径方向の検出点Aへ移動させる(S1)。光ヘッド12が検出点Aに到達し、対物レンズ4の振れを収めるための整定時間が経過した後、マイコン21がディスクの1回転周期でフォーカス駆動信号を平均することにより、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。その検出結果と半径位置との関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に数値データとして記憶する(S3)。
【0251】
次に光ヘッド12を検出点Bに移動させ(S4)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出する(S5)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメモリ22に記憶をする(S6)。さらに光ヘッド12を検出点Cに移動させ(S7)、フォーカス駆動信号の直流成分の検出をする(S8)。検出結果と半径位置との関係をフォーカスメモリ22に初期検出データとして記憶をする(S9)。図18には示していないが、同様の手順により、光ヘッド12を検出点D、E、F、Gへ移動させ、それぞれの検出点における、フォーカス駆動信号の直流成分の検出をする。全ての検出点A〜Gでの検出が完了したら、初期検出の処理が終了する。
【0252】
次に、マイコン21は、各検出点におけるフォーカス駆動信号値と半径位置とのデータから隣接する検出点におけるフォーカス駆動信号値を直線で結び、図20に示す折れ線からなる反り関数を求める。そして求めた反り関数を微分することにより、チルト近似関数を求める。
【0253】
装置動作中は、得られたチルト近似関数を用い、光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を逐次求める。そして、チルト近似値から、チルト駆動信号を生成し、減算部23および加算部24へ出力する。第1フォーカス駆動部および第2のフォーカス駆動部はチルト駆動信号に基づく駆動電流をアクチュエータ15aおよび15bへ出力する。これにより、対物レンズ4が光ディスク2のチルトに応じて傾き、コマ収差が低減または解消する。
【0254】
図21は、チルト近似関数を用いて、検出点A〜Gの各中点(ディスクの中心から、24.5mm、28.5mm、38mm、47.5mm、52.5mm、56.5mmの位置)におけるチルト(反り関数の傾き)を示している。図21に示すように、ディスクの中心から38mmより外周側ではチルトの値がマイナスになっており、図19に示す光ディスク2の反り形状を正しく示している。
【0255】
次に、起動後の補完検出の手順を説明する。反り関数として折れ線を用いる場合、補完検出において、検出点の1つにおけるフォーカス駆動信号値を更新しても、折れ線からなる反り関数全体を1つの更新されたフォーカス駆動信号値で更新することはできない。このため、本変形例では、補完検出時には、反り関数を更新するために別な関数を用いる。
【0256】
光ディスク装置の起動後、光ディスク2の反りの形状が変化する大きな要因のひとつは、周囲の環境の温度及び湿度の変化である。実験結果によれば、光ディスク2の半径方向の位置をrとし、時間Δt後における、位置rでの反り形状の変化Δyは、下記式(15)で近似できる。
【0257】
Δy=a×(r−R0) (15)
【0258】
ここで、aは比例定数であり、R0は反り形状が変化しない半径位置である。たとえば、R0はクランパの外周位置である。反り形状は、フォーカス駆動信号値で表現できるので、Δt後における、位置rでのフォーカス駆動信号値の変化Δfは、Aを比例定数として、下記式(16)で表すことができる。
【0259】
Δf=A×(r−R0) (16)
【0260】
したがって、検出点A〜Gのいずれかにおける初期検出時のフォーカス駆動信号値と補完検出のフォーカス駆動信号値が分かれば、Δfが既知となるため、Δfと検出点の半径方向の位置rとを式(16)に代入することによって、比例定数Aを求めることができる。
【0261】
次に、求めた比例定数Aを用いて、式(16)から他の検出点A〜Gにおけるフォーカス駆動信号値Δfを算出し、初期検出時のフォーカス駆動信号値から、さらに補完検出時における他の検出点A〜Gにおけるフォーカス駆動信号値を計算する。測定した検出点におけるフォーカス駆動信号値および算出した他の検出点A〜Gにおけるフォーカス駆動信号値を用いて反り関数を更新し、さらにチルト近似関数を更新する。そして、更新したチルト近似関数から光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を求め、さらにチルト駆動信号を生成する。
【0262】
これらの手順を図22を参照して整理する。装置動作中、フォーカス制御が動作している状態において、エンコーダ19からの信号をもとに現在の光ヘッド12の半径位置が所定の検出点A〜Gで示す半径位置であるかどうかをマイコン21が判断する(S1)。現在の半径位置が検出点A〜Eのいずれかの半径位置であれば、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。
【0263】
次に、その検出点における初期検出時のフォーカス駆動信号値とステップS2で検出したフォーカス駆動信号値との差をΔfとし、その検出点の位置をrとして、式(16)に代入して比例定数Aを求め、式(16)を決定する(S3)。式(16)を用いて、他の検出点におけるΔfを求める(S4)。求めたΔfを初期検出時のフォーカス駆動信号値に加えて、ステップS2で検出した点以外の各検出点におけるフォーカス駆動信号値を更新する(S5)。
【0264】
ステップS2で検出したフォーカス駆動信号値およびステップS5で求めたフォーカス駆動信号値を用いて、反り関数およびチルト近似関数を更新する(S6)。さらに、光ヘッド12の位置に応じて、チルト近似値を逐次求め、その値から、チルト駆動信号を生成する(S7)。
【0265】
なお、図22に示した手順では、装置の動作中、光ヘッドが所定の検出点A〜Gで示す半径位置に達したときに補完検出を行っていた。しかし、以下の実施形態で説明するように、光ヘッドが記録または再生に用いられている場合であっても、光ヘッドを移動させて補完検出を行うことができる時間がある場合には、記録再生を行っているトラックに最も近い検出点A〜Gにジャンプして、補完検出をおこなっておもよい。装置起動直後は、特にディスクが大きな温度変化を受けやすく、ディスクの反り形状が変化する可能性がある。この場合には、装置の動作状態にかかわらず、装置の起動後、所定時間ごと(たとえば2から3分ごと)に補完検出をおこなってもよい。
【0266】
このように本実施形態によれば、ディスクに対して記録または再生を行う前および記録・再生中の2つの段階に分けてディスクのチルト量を検出することが可能となる。記録または再生を行う前の初期検出では、検出点数を減らすことにより、検出時間を短縮することができ、記録・再生中の補完検出では、追加の検出を行うことで、ディスクの反り形状を近似する関数の近似精度を向上させることができる。これにより光ディスクなどの記録媒体の反り形状を精度よく近似して適切なチルト制御が実現できると同時に、起動時の検出時間の短縮も実現できる。また、補完検出によって反り関数およびチルト近似関数を更新することができるので、記録または再生中、光ディスクのチルトが変化しても対物レンズのチルト制御を適切に行うことができる。
【0267】
(第6の実施形態)
図23は本発明による光ディスク装置の第6の実施形態を示すブロック図である。図23に示す光ディスク装置806において、第5の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
【0268】
光ディスク装置806において、受光領域が複数に分割されたディテクタ5より出力された各検出信号は、加算増幅部29において、で加算および増幅され、再生信号(RF信号)となり、イコライザ(EQ)30に入力される。
【0269】
イコライザ30は、再生信号をその信号帯域で波形等化し、処理された信号をデータスライサ(DSL)31へ出力する。データスライサ31は、波形等化された再生信号を予め記憶していた所定のレベルと比較し、その結果に基づき2値化することで2値化データ信号を生成し、2値化データ信号をPLL回路(PLL)32へ出力する。PLL回路32は、2値化データ信号に合致するクロック信号の周波数制御及び位相制御を行い、2値化データ信号とクロック信号とを同期させる。この同期したクロック信号からデータウィンドウを生成して、そのウィンドウ内のデータを抽出弁別し、同期データ信号として復調部33およびIDリード部34へ出力する。復調部33は、同期データ信号を復調し、復調データを符号誤り訂正手段であるエラー訂正回路(ECC)35に出力する。エラー訂正回路35は、復調データのエラー訂正を行い、訂正されたデータ信号(DATA)を出力する。
【0270】
またエラー検出手段であるマイコン21は、エラー訂正回路35をモニタしており、訂正前後のデータを比較することでエラー数をカウントし、エラー数からエラーレートを計算する。IDリード部34は、同期データ信号中のセクタIDからセクタアドレス信号を検出し、現在の走査位置に相当するアドレス情報をホストに出力する。また、IDリード部34は、セクタアドレス信号の検出ができなかった場合、以前検出できたセクタアドレスとPLL回路32のクロックとを利用して、検出できなかったセクタアドレス情報を補完して出力する。このように補完されたセクタアドレスを、擬似アドレスと呼ぶ。マイコン21はIDリード部34をモニタしており、擬似アドレスが算出される回数をアドレスエラー検出手段である擬似アドレスカウンタ36に出力する。
【0271】
本実施形態では、第5の実施形態と同様、起動時の初期検出と装置動作中の補完検出の2つの段階に分けてチルト検出を行う。特に本実施形態は、補完検出の方法及びそれを実現する構成に特徴がある。初期検出については、第5の実施形態と共通の方法および構成で実現できる。
【0272】
本実施形態における補完検出は装置動作中に行われる。図24はそ手順を示す示すフローチャートである。マイコン21はエラー訂正回路35をモニタし、エラーレートが所定値を超えているかどうか判断する(S1)。所定値については、たとえばDVD装置の場合は、バイトエラーとして1×10-3から5×10-3程度に設定するのが適当である。これはDVD装置において、1回のエラー訂正で訂正が可能なバイトエラーの上限が5×10-3程度であることに起因する。しかし、他の所定値を設定してもよい。
【0273】
エラーレートがこの予め設定された所定値を超えていれば、フォーカス駆動信号の直流成分の検出を行い(S2)、さらにその検出結果と半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S3)。補完検出は、エラーレートが所定値を超えていることが確認されるたびに実行され、マイコン21は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出データを用いて反り関数およびチルト近時関数を再計算し、更新する(S4)。さらにマイコン21は更新されたチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出力されたチルト駆動信号により、光ディスク2の表面の形状に応じて対物レンズ4が最適に傾き、良好な再生を実現できる。
【0274】
本実施形態によれば、エラーレートの増加に合わせて随時補完検出を行う。このため、再生時における反り関数の精度の悪化を適切かつリアルタイムに検出し、反り関数およびチルト近似関数の更新ができる。その結果、補完検出による反り関数の更新を、随時チルト制御に反映させることができる。
【0275】
なお、本実施形態における補完検出の実行のタイミングの判断は、上記したようなエラーレートだけでなく、擬似アドレスカウンタ36を用いても実現できる。図25は擬似アドレスカウンタ36を用いた補完検出の手順を示すフローチャートである。この図を用いて擬似アドレスカウンタ36を用いた補完検出を説明する。
【0276】
マイコン21は、により検出した擬似アドレスカウンタ36のカウント値が予め設定された所定のカウント値を超えたかどうかを判断し(S1)、所定のカウント値を超えた場合にはフォーカス駆動信号の直流成分の検出を行う(S2)。そして、検出結果および半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S3)。補完検出は、擬似アドレスカウンタ36のカウント値が所定のカウント値を超えていることが確認されるたびに実行される。マイコン21は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出データを用いて、反り関数およびチルト近似関数を再計算し、更新する(S4)。さらにマイコン21はチルト近似関数を用いて、常に現在の光ビームの半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出力されたチルト駆動信号応じて対物レンズ4が傾き、良好な再生および記録を実現できる。
【0277】
以上のようにして、擬似アドレスカウントの増加に合わせて随時補完検出を行うことで、反り関数の精度の悪化を適切かつリアルタイム検出し、反り関数およびチルト近似関数の更新ができる。補完検出による反り関数の更新は、随時チルト制御に反映される。
【0278】
なお、上記補完検出は、光ディスク装置動作中にエラーレートや擬似アドレスカウントによりその実行を判断していた。しかし、光ディスク2の反りは温度によって変化するので、温度センサ185と温度センサ185の出力をA/D変換してマイコン130へ入力するA/D変換回路186とを光ディスク装置806に設け、温度センサの出力が予め設定された所定値以上変化したかどうかをマイコン21で判断し、補完検出による反り関数の更新を行ってもよい。図26は温度センサを用いた補完検出の手順を示すフローチャートであり、この図を用いて温度センサを用いた補完検出を説明する。
【0279】
マイコン21は温度センサ185により検出された温度の変化量が、予め設定された所定値を超えたかどうかを判断し(S1)、所定値を超えた場合にはフォーカス駆動信号の直流成分の検出を行い(S2)、その検出結果と半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S3)。補完検出は、温度センサにより検出された温度の変化量が所定の値を超えていることが確認されるたびに実行される。マイコン21は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出データを用いて反り関数およびチルト近似関数を再計算し、更新する(S4)。さらにマイコン21は更新されたチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S5)。出力されたチルト駆動信号により対物レンズ4が傾き、良好な再生および記録を実現できる。
【0280】
このように、温度センサを用い、温度変化に合わせて補完検出を行うことで、起動後に光ディスク2の温度特性によって発生する光ディスク2のチルト変化を適切に検出し、反り関数の更新ができる。また、補完検出による反り関数およびチルト近似関数の更新は、随時チルト制御に反映される。
【0281】
本実施形態によれば、エラーレートや補完されたアドレス、即ちアドレスエラーが発生した時に、適宜反り関数およびチルト近似関数を更新し、チルト駆動値の再計算がなされる。このため、部分的な反りやチルトに相当するような外乱(たとえば傷等によるチルトアクチュエータのアブノーマルな傾き)が発生した場合にも、その部分のデータの読み取りや書き込みが可能となる。
【0282】
特に動画データの再生、記録においては、この反り関数の更新処理に時間がかかると、データが途切れ、ブロックノイズ等が観測されるという問題が生じやすい。しかし、本実施形態を用いれば、1回の補完検出で検出する点は1つであるため、動画データの再生または記録におけるデータの途切れが生じることがない。
【0283】
このように本実施形態によれば、記録あるいは再生時のデータに含まれるエラーの割合に応じて、反り関数の更新を行うので、随時、適切なチルト制御が可能となり、良好な状態で記録あるいは再生をおこなうことができる。したがって、データの書き込みあるいは読み取りの信頼性を向上させることができる。
【0284】
(第7の実施形態)
図27は本発明による光ディスク装置の第7の実施形態を示すブロック図である。図27に示す光ディスク装置807において、第6の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
【0285】
光ディスク装置807が再生動作を行っているとき、エラー訂正回路35から出力されるエラー訂正後の再生データ信号(DATA)は、再生データを一時的に格納するバッファ手段であるリードバッファメモリ37に入力され蓄えられる。リードバッファメモリ37に蓄えられた再生データは、ホストコンピュータ38からの要求に応じ、マイコン21によってホストコンピュータ38に出力される。このような処理によって、光ディスク装置807は光ディスクに記録された信号を再生することができる。また、マイコン21はリードバッファメモリ37をモニタしており、リードバッファメモリ37に蓄えられたデータ量を検出することができる。
【0286】
一方、光ディスク装置807が記録動作を行っているとき、ホストコンピュータ38から出力された記録データは、記録データを一時的に格納するバッファ手段であるライトバッファメモリ39に蓄えられる。ライトバッファメモリ39に蓄えられた記録データは、マイコン21によって変調部40に入力され、所定の変調方式により変調される。変調されたデータは、光ヘッド12に搭載された光源1を発光させるLD駆動部(レーザダイオード駆動部)41に出力される。光源1はLD駆動部41からの駆動信号に応じた光ビームを発光し、発光した光ビームが光ディスク2の記録面に照射されることによって光ディスク2の記録面に信号が記録される。また、マイコン21はライトバッファメモリ39をモニタしており、ライトバッファメモリ39に蓄えられたデータ量を検出することができる。
【0287】
次に、本実施形態の特徴であるデータの読み出しおよび書き込みと補完検出を行うタイミングとを説明する。光ディスク2とバッファメモリ間におけるデータ入出力の速度をVin、バッファメモリとホストコンピュータ38間におけるデータ入出力の速度をVoutとする。リトライ処理の実行時間を少しでも確保して性能を確保するため、通常、Vin>Voutとなるようデータ入出力速度は設定される。光ディスク装置807もこの関係を満たすものとする。
【0288】
図28は、光ディスク装置807の再生動作中におけるリードバッファメモリ37内のデータ量の時間変化を示している。光ヘッド12が光ディスク2からデータの読み出しをしている間(時間t0〜t1)、光ディスク2から読み出されたデータがリードバッファメモリ37に送られる。この時、リードバッファメモリ37内のデータ量はVin−Voutの速度で増加する。光ヘッド12によるデータの読み出しが中断している間(時間t1〜t2)は、リードバッファメモリ37内のデータ量はVoutの速度で減少する。
【0289】
光ディスク装置807の再生動作においては、リードバッファメモリ37からホストコンピュータ38に出力される再生データが途切れなければよく、再生データが途切れるのはリードバッファメモリ37内のデータ量が0以下になる状態である(時間t3)。したがって、リードバッファメモリ37内のデータ量が、常にある所定の量M1を下回らないように読み出し動作の開始タイミングを制御すればよい。所定の量M1については、たとえばDVDにおいては、誤り訂正符合を組み合わせて作られる1つの積符号である1ECC(Error Correction Code)ブロックの容量に設定するのが適当である。しかし、容量M1は1ECCブロックの容量以外の値であってもよい。
【0290】
光ディスク装置807の再生動作中のある時間t4におけるリードバッファメモリ37内のデータ量をMr(>M1)とすると、
T1=(Mr−M1)/Vout (17)
で計算される時間T1の間、光ヘッド12はデータの読み出しを中断して、別な処理を実行できる。以下ではこの時間T1を余裕時間T1と呼ぶ。
【0291】
言い換えれば、時間t4において光ヘッド12がデータの読み出し動作を中断しても、その後リードバッファメモリ37内のデータ量がM1になる時間t5において光ヘッド12がデータの読み出し動作を再開すれば、ホストコンピュータ38に出力される再生データは途切れることはない。
【0292】
また図29は、光ディスク装置807の記録動作中におけるライトバッファメモリ39内のデータ量の時間変化を示している。光ディスク装置807の記録動作中は、ホストコンピュータ38からデータがライトバッファメモリ39にVoutの速度で送られている。そのため光ヘッド12が光ディスクにデータの書き込みをしていない間(時間t6〜t7)、ライトバッファメモリ39内のデータ量はVoutの速度で増加する。
【0293】
一方、光ヘッド12がデータの書き込みをしている間(時間t7〜t8)は、ライトバッファメモリ39内のデータ量はVin−Voutの速度で減少する。光ディスク装置807の記録動作においては、ホストコンピュータ38から出力された全ての記録データが光ディスク2に書き込まれる必要がある。このためには、ライトバッファメモリ39内のデータ量がバッファメモリサイズに達し、ライトバッファメモリ39にホストコンピュータ38から出力された記録データを受ける空き容量がないという状態(t9)を避ければよい。したがって、ライトバッファメモリ39に蓄えられているデータ量がある所定の量M2を上回らないようにすればよい。所定の量M2は、ライトバッファメモリ39のサイズMWの半分程度が適当である。
【0294】
これは、装置の記録動作中にリトライ処理等が生じて光ヘッド12の書き込み動作が中断され、再びデータがライトバッファメモリ39に蓄えられる可能性があることを考慮した量である。なお、この所定の量M2はライトバッファメモリ39のサイズMWの半分程度以外の値であっても良い。
【0295】
装置の記録動作中のある時間t8におけるライトバッファメモリ39内のデータ量をMw(<M2)とすると、
T2=(M2−Mw)/Vout (18)
で計算される時間T2の間、光ヘッド12は書き込み動作を中断して、別な処理を実行することができる。以下ではこの時間T2を余裕時間T2と呼ぶ。
【0296】
言い換えれば、時間t8において、光ヘッド12が書き込み動作を中断しても、その後ライトバッファメモリ内のデータ量がM2になる時間t10において、光ヘッド12が書き込み動作を再開すれば、ホストコンピュータ38から出力される記録データは全て光ディスク2に記録される。
【0297】
以上のように光ディスク装置の再生動作中のリードバッファメモリ37内のデータ量Mrおよび光ディスク装置の記録動作中のライトバッファメモリ39内のデータ量Mwに着目することで、光ヘッド12が読み出し動作および書き込み動作を中断しておくことのできる余裕時間T1、T2を計算でき、この時間でチルト検出を実行することが可能である。
【0298】
本実施形態では、第5および第6の実施形態と同様、起動時の初期検出および装置動作中の補完検出の2つの段階に分けてチルト検出を行う。初期検出は第5および第6の実施形態と同様にして実行され、補完検出は、上記余裕時間T1、T2において実行される。図30は光ディスク装置807の補完検出の動作の手順を示すフローチャートである。
【0299】
まず、光ディスク装置807が再生動作を行っている場合を考える。マイコン21は現在のリードバッファメモリ37内のデータ量Mrが所定の容量M1を超えているか判断する(S1)。所定の容量M1を越えている場合には現在のデータ量Mrから式(17)で計算される余裕時間T1を算出する(S2)。マイコン21は、余裕時間T1以内にヘッド12が現在位置から移動し、その位置においてフォーカス駆動信号の直流成分の検出をし、再び光ヘッド12が現在位置に戻ってくることができるような検出点があるかどうかを判断する(S3)。実行可能な検出点がある場合、光ヘッド12は読み出し動作を中断し(S4)、処理が実行可能と判断された上記検出点に移動する(S5)。移動した検出点においてマイコン21はフォーカス駆動信号の直流成分の検出を行い(S6)、その検出結果と半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S7)。その後、光ヘッド12は元の半径位置に移動し(S8)、読み出し動作を再開する(S9)。
【0300】
一方、光ディスク装置807が記録動作を行っている場合、マイコン21が現在のライトバッファメモリ39内のデータ量Mwが所定の容量M2を下回っているかをまず判断する(S1)。現在のデータ量Mwから式(18)で計算される余裕時間T2を算出する(S2)。マイコン21は、余裕時間T2以内にヘッド12が現在位置から移動し、その位置においてフォーカス駆動信号の直流成分の検出をし、再び光ヘッド12が現在位置に戻ってくることができるような検出点があるかどうかを判断する(S3)。実行可能な検出点がある場合、光ヘッド12は書き込み動作を中断し(S4)、処理が実行可能と判断された上記検出点に移動する(S5)。移動した検出点においてマイコン21はフォーカス駆動信号の直流成分の検出を行い(S6)、その検出結果と半径位置の関係を数値データとしてフォーカスメモリ22に記憶する(S7)。その後、光ヘッド12は元の半径位置に移動し(S8)、書き込み動作を再開する(S9)。
【0301】
このような装置の再生時および記録時の補完検出は、光ヘッド12が現在位置から所定の検出点まで移動してフォーカス駆動信号の直流値を検出できるだけの時間的余裕があるかを、リードバッファメモリ37、ライトバッファメモリ39に蓄えられたデータ容量から判断し、実行される。
【0302】
さらに、マイコン21は、補完検出により記憶された数値データと、初期検出データを用いて反り関数およびチルト近似関数を再計算し、更新する(S10)。マイコン21は更新されたチルト近似関数を用いて、常に現在の半径位置におけるチルト駆動信号を生成し、出力する(S11)。出力されたチルト駆動信号により対物レンズ4が傾き、良好な再生または記録を実現できる。このようにして、補完検出による反り関数およびチルト近似関数の更新は、随時チルト制御に反映される。
【0303】
次に、光ディスク装置807が記録よりも再生を高倍速で動作させことができる場合の対物レンズのチルト制御について説明する。このような場合、リードバッファメモリ37、ライトバッファメモリ39を利用して再生と記録で反り関数およびチルト近似関数の更新の時間間隔を変えることにより、適切な反り関数およびチルト近似関数の更新、ならびに、再生および記録における適切な近似精度の確保が可能となる。高倍速とは、記録時または再生時におけるデータの転送速度を高めるために、規格で定められた回転速度よりも速くディスクを回転させることをいう。
【0304】
図31は、ディスクの反りが直線状であるとした場合のディスクの反り形状を示している。この場合、ディスク反りが直線状であると仮定したため、ディスクの内周のIと外周の検出点Oとの間のいずれの位置においてもチルトは一定となる。したがって、起動時の初期検出で内周部の検出点I,Jにおけるフォーカス駆動信号値の直流成分を検出し、計算することで、反り関数およびチルト近似関数を計算できる。しかし、実際のディスクの反りは一般に外周部に行くほど大きくなるので、反り関数は実際の反り形状と異なる。
【0305】
図32は、反り関数とあるディスク反り形状を示している。この図から、内周の検出点I、J近傍では近似誤差は小さいが、中周の検出点M近傍では検出点I、J近傍よりも近似誤差は大きく、最外周の検出点O近傍ではさらに近似誤差が大きくなっていることが分かる。つまり、直線を反り関数として用いる場合、外周に行くほど近似誤差が大きくなる。
【0306】
したがって、光ディスク2を高倍速で連続再生または連続記録する場合、光ヘッドがディスクの外周方向へ移動する速度も速くなるため、回転速度が高いほど、補完検出の間隔を短くして反り関数およびチルト近似関数を頻繁に更新する必要がある。
【0307】
図33は、光ディスク装置の再生動作中におけるリードバッファメモリ37内のデータ量の時間変化を示している。装置の再生動作中に、リードバッファメモリ37内のデータ量がリードバッファメモリサイズMRに達した時間t12において光ヘッド12が読み出し動作を中断すると、リードバッファメモリ37内のデータ量はVoutの速度で減少する。その後、リードバッファメモリ37内のデータ量がM1になる時間t13において光ヘッド12が読み出し動作を再開すれば、ホストコンピュータ38に出力される再生データは途切れることはない。
【0308】
したがって、この時間t12〜t13の間に補完検出を行い、反り関数を更新することができる。その後、光ヘッド12の読み出し動作が再開されると、リードバッファメモリ37にVin−Voutの速度でデータが蓄えられる。リードバッファメモリ37内のデータ量に余裕ができると、再び光ヘッド12が読み出し動作を中断することが可能となり、再び反り関数およびチルト近似関数の更新が実行できる。したがって、装置の再生動作中における反り関数を更新する時間間隔は、リードバッファメモリ37にデータが蓄えられる速度Vin−Voutに依存することが分かる。
【0309】
一方、図34は、装置の記録動作中におけるライトバッファメモリ39内のデータ量の時間変化を示している。光ディスク装置の記録動作中は、ライトバッファメモリ39内のデータ量が0になった時間t14において光ヘッド12が書き込み動作を中断すると、ライトバッファメモリ39内のデータ量はVoutの速度で増加する。その後ライトバッファメモリ39内のデータ量がM2に達する時間t15において、光ヘッド12が書き込み動作を再開すれば、ホストコンピュータ38から出力される記録データを全て光ディスク2に記録できる。
【0310】
したがって、この時間t14からt15の間に補完検出を行い、反り関数の更新することができる。その後、光ヘッド12の書き込み動作が再開されるとライトバッファメモリ39内のデータ量はVin−Voutの速度で減少する。ライトバッファメモリの容量に余裕ができると、再び光ヘッド12が書き込み動作を中断することが可能となり、再び反り関数を更新することができる。したがって、記録時における反り関数を更新する時間間隔は、ライトバッファメモリ39内のデータが減少する速度Vin−Voutに依存することが分かる。
【0311】
図35は記録よりも再生が高倍速である光ディスク装置における、リードバッファメモリ37およびライトバッファメモリ39内のデータ量の時間変化を示している。再生時のVinをVin1、記録時のVinをVin2とすれば、記録よりも再生が高倍速であるので、Vin1>Vin2の関係が成り立つ。この関係から、装置の再生動作中にリードバッファメモリ37内のデータ量が増加する速度Vin1−Voutは、装置の記録中にライトバッファメモリ39内のデータ量が減少する速度Vin2−Voutより大きくなる。
【0312】
ここで、光ヘッド12が読み出し動作を中断するタイミングは、リードバッファメモリ37内のデータ量がリードバッファメモリサイズMRに達するタイミングとし、光ヘッド12が書き込み動作を中断するタイミングは、ライトバッファメモリ39内のデータ量が0となる時間とする。また、光ヘッド12の読み出し動作中にリードバッファメモリ37に蓄えられるデータの最大量と、光ヘッド12の書き込み動作中断中にライトバッファメモリ39に蓄えられるデータの最大量は等しく、
MR−M1=M2 (19)
の関係が成り立つ。この場合、図21より、高倍速再生時における反り関数を更新する時間間隔は、記録時における反り関数を更新する時間間隔に比べて短いことが分かる。
【0313】
つまり、高倍速再生時における反り関数を更新する時間的間隔は記録時に比べて短くでき、これは再生と記録とで適切な近似精度を保つという観点からの必要性を満たすことになる。
【0314】
このように、本実施形態によれば、リードバッファメモリ37、ライトバッファメモリ39にデータが蓄えられることを利用して、光ヘッド12が読み出しまたは書き込み動作を中断できるタイミングを判断して随時補完検出を行うことができる。したがって、光ディスク装置の再生動作中はホストコンピュータ38に出力される再生データの流れを中断せずに、また、記録動作中は、ホストコンピュータ38から出力される記録データの流れを中断せずに、反り関数およびチルト近似関数の更新を行い、適切なチルト制御を行うことができる。
【0315】
また、特に記録よりも再生を高倍速で動作させるCD−R/RWに代表とされる光ディスク装置においては、再生と記録とで適切な反り関数の近似精度の確保が可能となる。
【0316】
このように常に良好な状態で再生および記録ができるので、本実施形態は、連続性を要するコンピュータのコードデータや音楽情報をコード化したデータの再生や記録に対して適している。
【0317】
なお、上記第1から第7の実施形態では、光ディスクは1つの記録層を備えた光ディスクを用いて本発明を説明した。しかし本発明は2層以上の記録層を有する光ディスクを扱うこともできる。光ディスクが第1および第2のデータ記録層を有する二層ディスクである場合には、それぞれの記録層のチルトを検出し、検出結果に基づいて、対物レンズを傾けることができる。また、第5から第7の実施形態では、上記初期検出動作および補完検出動作をそれぞれのデータ記録層に対して行い、反り関数およびチルト近似関数をそれぞれ決定すればよい。しかし、初期検出時における検出点の数が多いと、2つのデータ記録層に対して、同じように初期検出を行うことによって、初期検出に要する時間が長くなってしまう。初期検出要する時間が長くなることが問題となる場合には、たとえば、第1のデータ記録層に対して検出点A〜Gを用いて上述したように初期検出を行い、第2のデータ記録層に対して、検出点E〜Gのみを用いて初期検出を行う。そして、第2のデータ記録層に対する検出点A〜Dにおけるフォーカス駆動信号値は、第1のデータ記録層に対する検出点A〜Dにおけるフォーカス駆動信号値を用いる。データ記録層が二層になっていても、光ディスク2の内周側では、反り形状の差異が小さく、2つのデータ記録層のチルト角は実質的に等しいからである。このような検出方法を用いることによって、検出時間を短縮しても、検出精度を実質的に維持することができる。
【0318】
なお、上記第5から第7の実施形態では、第1フォーカス駆動部16aおよび第2フォーカス駆動部16bから出力される駆動電流を計測する回路を設けていないが、第1の実施形態の構成を採用して、駆動電流を検出してもよい。つまり、第5から第7の実施形態は第1の実施形態と好適に組み合わせることができる。また、対物レンズの傾き向ける手段として、チルト用コイルを採用してもよい。この場合には、チルト近似関数から求めるチルト近似値に基づいて、チルト用コイルを駆動する駆動電流を決定し、対物レンズをディスクの反り形状に応じて傾ける。つまり、第5から第7の実施形態は第1から第4の実施形態とも好適に組み合わせることができる。
【0319】
また、上記第1から第7の実施形態で説明した光ディスク装置の制御方法や対物レンズの駆動方法などは、その手順をマイコンに実行させるためのプラグラムが、EEPROMやROM、RAM、ハードディスク、磁気記録媒体などのコンピータ読み取りが可能な記録媒体に保存されている。
【0320】
【発明の効果】
本発明によれば、光ディスクのデータ面に反りなどによるチルトが生じていても、対物レンズを光ディスクのチルトに応じて傾けることができる。このため、適切なチルト制御によってデータの記録・再生を正確におこなうことのできる光ディスク装置が実現する。
【0321】
また、対物レンズを駆動する駆動部や制御部のオフセットによる影響を低減し、精度の高い制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はディスクにチルトが発生していない場合において、ディスクのデータ面に投影される光ビームの断面を示し、(b)は、チルトが発生している場合において、ディスクのデータ面に投影される光ビームの断面を示している。
【図2】(a)および(b)は、ディスクにチルトが発生している場合において、ディスクのチルト量と再生信号のジッタ及びエラー率との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図3】従来の技術による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、チルトが発生した場合の対物レンズ4と光ディスク2のデータ面との相対位置を示した模式図であり、(b)は、光ヘッドの位置とその位置におけるフォーカス駆動信号値との関係を示した模式図である。
【図5】本発明の光ディスク装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に示す光ディスク装置のアクチュエータを示す平面図である。
【図7】図5に示す光ディスク装置の駆動電流検出部のブロック図である。
【図8】フォーカス駆動信号および1回転信号の波形を示している。
【図9】本発明の光ディスク装置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に示す光ディスク装置のアクチュエータを示す平面図である。
【図11】本発明の光ディスク装置の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図12】本発明の光ディスク装置の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図13】本発明の光ディスク装置の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図14】光ディスクの形状を示す模式図である。
【図15】光ディスクの形状とその近似関数を示す模式図である。
【図16】初期検出および補完検出における検出点の位置を示す図である。
【図17】初期検出の手順を示すフローチャートである。
【図18】補完検出の手順を示すフローチャートである。
【図19】第1の実施形態の変形例における検出点の位置を示す図である。
【図20】反り関数を示す図である。
【図21】図19の関数から得られるチルト近似値を示す図である。
【図22】補完検出の手順を示すフローチャートである。
【図23】本発明の光ディスク装置の第6の実施形態を示すブロック図である。
【図24】補完検出の手順を示すフローチャートである。
【図25】補完検出の他の手順を示すフローチャートである。
【図26】補完検出の他の手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明の光ディスク装置の第7の実施形態を示すブロック図である。
【図28】再生動作中のリードバッファメモリ内のデータ量の時間変化を示した図である。
【図29】記録動作中のライトバッファメモリ内のデータ量の時間変化を示した図である。
【図30】補完検出の手順を示すフローチャートである。
【図31】ディスクの反り形状を示す模式図である。
【図32】反り関数と実際のディスク反り形状との関係を示す模式図である。
【図33】再生動作中のリードバッファメモリ内のデータ量の時間変化を示した図である。
【図34】記録動作中のライトバッファメモリ内のデータ量の時間変化を示した図である。
【図35】再生時と記録時の反り関数更新の時間間隔の差を示した図である。
【符号の説明】
1、42 光源
2、100 光ディスク
3、110 ビームスプリッタ
4、103 対物レンズ
5、43、113 ディテクタ
6、106 フォーカスアクチュエータ
7、115 フォーカスエラー信号生成部(FE信号生成部)
8、9 フォーカス制御部
10 チルトセンサ
11 チルトアクチュエータ
12、114 光ヘッド
13 チルト信号生成部
14 チルト制御部
15a,15b フォーカスアクチュエータ
16a、125 第1フォーカス駆動部
16b、126 第2フォーカス駆動部
17 光ヘッド送り軸
18、118 移送モータ
19 エンコーダ
20 モータ駆動部
21、130 マイクロコンピュータ(マイコン)
22 フォーカスメモリ
23、120、122、123 減算部
24、124 加算部
25、102 モータ制御部
26、131 回転検出部
27、101 モータ
28 EEPROM
29 加算増幅部
30 イコライザ(EQ)
31 データスライサ(DSL)
32 PLL部(PLL)
33 復調部
34 IDリード部
35 エラー訂正部(ECC)
36 擬似アドレスカウンタ
37 リードバッファメモリ
38 ホストコンピュータ
39 ライトバッファメモリ
40 変調部
41 レーザダイオード駆動部(LD駆動部)
105 全反射鏡
106 光ビーム
107 1/4波長板
108 カップリングレンズ
109 レーザ
111 検出レンズ
112 円筒レンズ
116、121 位相補償部
127,128 駆動電流検出部
135 第1のフォーカス用コイル
136 第2のフォーカス用コイル

Claims (3)

  1. 情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、
    前記光ビームを収束する収束手段と、
    前記収束手段と前記データ面との距離が変化するように前記収束手段を移動させる移動手段と、
    前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光する受光手段と、
    前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生するフォーカスエラー検出手段と、
    前記フォーカスエラー検出手段からの信号に基づいて前記移動手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定の収束状態になるよう制御するフォーカス制御手段と、
    前記収束手段を傾ける傾き手段と、
    前記駆動信号に基づいて前記データ面の反りを近似する反り関数を決定し、前記決定した関数を用いて前記データ面のチルト量を求めるチルト計算手段と、
    前記チルト量に応じて、傾き手段を駆動し、前記データ面に対し光ビームが実質的に垂直に照射されるよう制御するチルト制御手段と、
    を備え、
    前記チルト計算手段は、前記関数を決定した以降に得られた前記駆動信号に基づき、前記決定した関数を更新し、
    前記チルト計算手段は、前記情報記録媒体を前記光ディスク装置に装填した後、前記情報記録媒体に対して記録または再生を行う前に、前記関数を決定するために行う駆動信号の初期検出と、前記情報記録媒体に対して記録または再生中、前記関数の更新のために行う駆動信号の補完検出とを実行し、
    前記チルト計算手段は、前記データ面の異なる半径位置において設定された複数の検出点において、前記光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォーカス制御手段の駆動信号に基づいて前記関数を決定し、
    前記チルト計算手段は、前記初期検出の前に、前記情報記録媒体の半径方向の複数の位置において前記駆動信号を検出し、検出結果から前記データ面の反り形状を判断し、前記判断した結果に基づいて、前記初期検出および前記補完検出において駆動信号を検出する検出点の位置を決定する光ディスク装置。
  2. 前記チルト計算手段は、前記データ面の反り形状が、第1の形状であると判断した場合、前記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の配置が、前記データ面の中周部に比べ、内周部および外周部において密となるように設定し、前記データ面の反り形状が、第2の形状であると判断した場合、前記初期検出および前記補完検出における複数の検出点の位置が内周部、中周部および外周部において等間隔となるように設定する請求項2に記載の光ディスク装置。
  3. 情報記録媒体のデータ面に向けて光ビームを照射する光源と、
    前記光ビームを収束する収束手段と、
    前記収束手段と前記データ面との距離が変化するように前記収束手段を移動させる移動手段と、
    前記データ面から反射された光ビームの戻り光を受光する受光手段と、
    前記受光手段からの信号に基づき、前記情報記録媒体のデータ面上の光ビームの収束状態に応じた信号を発生するフォーカスエラー検出手段と、
    前記フォーカスエラー検出手段からの信号に基づいて前記移動手段に駆動信号を出力して、前記光ビームが所定の収束状態になるよう制御するフォーカス制御手段と、
    前記収束手段を傾ける傾き手段と、
    前記駆動信号に基づいて前記データ面の反りを近似する反り関数を決定し、前記決定した関数を用いて前記データ面のチルト量を求めるチルト計算手段と、
    前記チルト量に応じて、傾き手段を駆動し、前記データ面に対し光ビームが実質的に垂直に照射されるよう制御するチルト制御手段と、
    を備え、
    前記チルト計算手段は、前記関数を決定した以降に得られた前記駆動信号に基づき、前記決定した関数を更新し、
    前記チルト計算手段は、前記情報記録媒体を前記光ディスク装置に装填した後、前記情報記録媒体に対して記録または再生を行う前に、前記関数を決定するために行う駆動信号の初期検出と、前記情報記録媒体に対して記録または再生中、前記関数の更新のために行う駆動信号の補完検出とを実行し、
    前記チルト計算手段は、前記データ面の異なる半径位置において設定された複数の検出点において、前記光ビームが前記データ面を照射する際に得られるフォーカス制御手段の駆動信号に基づいて前記関数を決定し、
    前記情報記録媒体のデータ面が第1および第2の記録層を有している場合、チルト計算手段は、前記第1および第2の記録層の反りを近似する反り関数をそれぞれ決定し、前記決定した関数を用いて前記第1および第2の記録層および前記収束手段のチルト量を求める光ディスク装置。
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