JP2003279895A - 光アイソレータ - Google Patents
光アイソレータInfo
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Abstract
だけでなく、温度信頼性にすぐれた光アイソレータを提
供すること。 【解決手段】 外部磁場による磁気飽和の後、前記外部
磁場を除去しても飽和ファラデー回転角を保持するファ
ラデー回転子を備える光アイソレータであって、前記フ
ァラデー回転子は軟磁性材で囲まれている。また、前記
軟磁性材の外形形状について、光路方向の長さをL、フ
ァラデー回転子が位置する内側空洞の、光路に垂直な断
面積をSとするとき、L/S1/2≧0.7とするとよ
い。
Description
いて使用される光アイソレータに関するものである。
の除去を目的としてファラデー回転子を用いた光アイソ
レータが使用されている。ファラデー回転子は、外部磁
場を印加した状態で、その外部磁場の方向もしくは逆方
向に偏光を入射すると、これを通過した偏光の偏波面が
回転するファラデー回転と呼ばれる特性を有する。この
ファラデー回転は単なる施光とは異なり、非相反である
ため光アイソレータに使用される。
ある。偏波面方向8,10が互いに45°ずれている2
個の偏光子7、9とそれらの間に位置する45°のファ
ラデー回転角を有するファラデー回転子11、そしてフ
ァラデー回転子に外部磁場3で示す磁場を印加するため
の図示しない磁石(通常はファラデー回転子の周囲を覆
う円筒形の永久磁石)により構成されている。また、2
は偏波面回転を受ける光の光路である。
光子等の光学素子を偏光無依存にすることで入射波が非
偏光であっても動作できるようにしたものがあるが、基
本的な原理は図2に示されたものと同様である。
場以上の大きさの磁場下でファラデー回転角が一定の値
を示すが、飽和磁場以下の大きさの磁場下においては外
部磁場にファラデー回転角がほぼ比例し、外部磁場を除
去した場合、ファラデー効果が無くなることが、かって
は常識であった。
タ等に用いた場合、外部磁場印加用の磁石が不可欠であ
るためにデバイスとして小型化や低コスト化を妨げる要
因となっていた。
印加して磁気飽和させたのち外部磁場を除去しても磁気
飽和させた際のファラデー回転を保持することを特徴と
する硬磁気特性を有するビスマス置換型希土類鉄ガーネ
ット単結晶膜(以下、硬磁性ガーネットと記す)が見い
だされ、その技術は、例えば、特開平6−222311
号公報に開示されている。
μmの光に対する外部磁場とファラデー回転との関係を
示す概念図である。図中、12は硬磁性ガーネットのフ
ァラデー回転を反転させるのに必要な磁場強度であり、
硬磁性ガーネットの保磁力に起因する物理量であるから
以下、保磁力と記す。
た光アイソレータは、外部磁場印加用の磁石が不要なた
め、小型、簡単な構造をもって低コストで容易に製造で
きる。
フェリ磁性を有していることから、図4のような磁気特
性を示す。すなわち、図4は、硬磁性ガーネットにおけ
る保磁力および飽和磁場の温度特性を示す概略図であ
る。ここで、12は保磁力の曲線、13は飽和磁化の曲
線である。
ットが、高い温度では保磁力が低下して外部磁場の影響
を受けやすくなる。従って、本発明の目的は、硬磁性ガ
ーネットをファラデー回転子とすることによって小型化
した光アイソレータを、さらに、高い温度において安定
に動作する光アイソレータとして提供することにある。
て、まわりを軟磁性材で囲まれた硬磁性ガーネットに外
部磁場が印加された場合、外部磁場による一部の磁束
は、硬磁性ガーネットの近くで減少し、軟磁性材内部を
通過するので、硬磁性ガーネットを通過する磁束の密度
は硬磁性ガーネットを軟磁性材で囲んでいない場合と比
べて減少し、軟磁性材で囲まれた硬磁性ガーネットにお
いては、見かけ上の保磁力が高くなることが予想され
る。
む軟磁性材の形状と保磁力の関係に着目したところ、光
アイソレータの構成に適した条件を見いだすに至った。
材の光路方向の長さをL、軟磁性材の内側空洞の光路に
垂直な断面積をSとすると、L/S1/2 ≧0.7であ
るとき硬磁性ガーネットをファラデー回転子とする光ア
イソレータにおいて安定したファラデー回転が得られる
ことが分かった。
厚さは、0.1mm以上であるとき、安定したファラデ
ー回転子が得られ、高い温度で安定して動作する光アイ
ソレータが得られる。
転子または偏光子の固定用ホルダーとすることができ
る。
ることができる。
とによって硬磁性ガーネットの実質的な保磁力を高め、
安定したファラデー効果を得ることができる。従って、
軟磁性材で囲まれた硬磁性ガーネットをファラデー回転
子とする光アイソレータにおいては安定な動作が可能で
ある。
は、軟磁性材料ホルダーの内部に配置された硬磁性ガー
ネットを示す斜視図であり、1は硬磁性ガーネット、2
は光路、3は外部磁場、4は軟磁性材料ホルダー、5は
ホルダーの長さL、そして6は軟磁性材料ホルダー内部
の断面積Sを示す。ただし、硬磁性ガーネット1は破線
で示されている。
過領域を確保して、硬磁性ガーネットのまわりを軟磁性
材で囲んだ状態で、硬磁性ガーネットに外部磁場を印加
した場合の磁束分布を断面図で図5に示す。ただし、図
5において軟磁性材と硬磁性ガーネットは切り口で示さ
れている。
んでいない場合、外部磁場による磁束は硬磁性ガーネッ
トを通過する。しかし、硬磁性ガーネット16のまわり
を軟磁性材14で囲んでいる場合、外部磁場3による一
部の磁束15は図5に示すように硬磁性ガーネット16
の近くで減少し軟磁性材14の内部を通過するので、硬
磁性ガーネット16を通過する磁束密度は硬磁性ガーネ
ットを軟磁性材で囲んでいない場合と比べて減少し、軟
磁性材で囲まれた硬磁性ガーネットでは見かけ上の保磁
力が高くなる。
ーネットを囲む軟磁性材の長さ5をL、軟磁性材内側の
空洞部分の断面積6をSとするとき、L/S1/2 ≧
0.7となる場合である。
を0.1mm以上とすることにより、外部磁場による磁
束を有効に軟磁性材に導くことができる。
子とする光アイソレータにおいて軟磁性材料を用いてホ
ルダーを作製することにより、ホルダーは光学素子(フ
ァラデー回転子、偏光子)の固定、保護材として有用な
だけでなく外部磁場に対して安定したファラデー回転を
得ることに寄与する。
ピタキシャル法により育成した組成がGd1.8Yb0.2B
i1.0Fe4.5Al0.1Ga0.4O12の硬磁性ガーネットを
基板除去したのち、厚さ0.5mmに鏡面研磨し、無反
射コート膜を両面に施し、1.5mm×1.5mmに切断
した。
のパーマロイ、または四角の穴持つ四角柱状の軟磁性材
であるパーマロイ((株)トーキン製TMB)で囲み、フ
ァラデー回転子を円筒または四角の穴の中央に配置し
た。
は、円筒状のパーマロイにより硬磁性ガーネットのまわ
りを囲んだ場合の光アイソレータを示す斜視図であり、
図7は、四角の穴を持つ四角柱状のパーマロイで硬磁性
ガーネットのまわりを囲んだ場合の光アイソレータを示
す斜視図である。ただし、硬磁性ガーネット16は、破
線で示され、その前後に位置する偏光子は図示されな
い。
16は硬磁性ガーネット、17aは円筒状のパーマロ
イ、18は円筒状パーマロイの内径、19は円筒状パー
マロイの厚さ、20は円筒状パーマロイの長さL、そし
て21aは円筒状パーマロイの穴の断面積Sを示す。
17bは四角の穴を持つ四角柱状のパーマロイ(簡略に
四角形状のパーマロイと呼ぶこともある)、22は四角
形状のパーマロイにおける穴の縦の長さ、23は四角形
状のパーマロイにおける穴の横の長さ、21bは四角形
状のパーマロイにおける穴の断面積S、27は四角形状
のパーマロイにおける光路に垂直な方向の厚さ、そして
28は四角形状のパーマロイの長さLを示す。
る。円筒状のパーマロイ17aは、内径2.8mmおよ
び4.5mm、厚さ0.1mmおよび0.2mm、長さL
=0.5mm〜7.5mm、また、四角の穴を持つ四角柱
状のパーマロイ17bは縦2.5mm、横2.5mm、厚
さ0.1mm、長さL=0.5mm〜7.5mmとした。
に垂直方向に磁場を印加しながら同じ方向に波長1.5
5μmの光を入射させ、印加磁場強度を変化させながら
ファラデー回転係数の変化から保磁力を測定した。
円筒状のパーマロイを用いた場合の保持力の形状依存性
を示す図であり、図9は四角の穴を持つ四角柱状のパー
マロイを用いた場合の実質的な保磁力の形状依存性を円
筒状のパーマロイを用いた場合と比較して示す図であ
る。
マロイの光路方向の長さ20または28であり、Sは、
図6または図7におけるパーマロイ内部の空洞部分
(穴)の断面積21aまたは21bである。また、比較
例として硬磁性ガーネットのまわりにパーマロイがない
場合を図8および図9において、長さL=0mm(L/
S 1/2=0)の場合として記した。
L/S1/2が増加すると硬磁性ガーネットの保磁力も増
加するが、L/S1/2≧0.7の場合、硬磁性ガーネット
の保磁力はL/S1/2 の値に関係なく、ほぼ一定とな
る。
も、保磁力の値が異なるだけで、同様の結果が得られ
た。
の断面形状を変えても、同様の結果が得られた。
マロイを用いたが、実施例1の結果から他の軟磁性材を
用いても、同様の結果が得られることは当該分野に熟知
した者であれば容易に推測できる。
ソレータを分解して示す斜視図である。
2mm、長さ2.35mmの下部ホルダー24とし、1.
5mm×1.5mm×厚さ0.5mmの硬磁性ガーネット
16と1.5mm×1.5mm×厚さ0.5mmの吸収型
ガラス偏光子(波長1.55μm用)26を用い、厚さ
0.2mmのパーマロイ製の上部ホルダー25で覆った
光アイソレータを作製した。
mmの隙間、ホルダーの両端には0.15mmの隙間を
設けた。この光アイソレータにおいて、光学面に垂直方
向に磁場を印加しながら同じ方向に波長1.55μmの
光を入射させ、印加磁場強度を変化させ、ファラデー回
転係数の変化から保磁力の温度依存性を測定した。
1は本実施例2におけるファラデー回転子の保磁力の温
度依存性を示す図であり、比較例として非磁性材料であ
るSUS304ステンレスをホルダーとして同様に作製
した場合も含めて示した。
での保磁力は、SUS304をホルダーとした時の25
℃の保磁力より大きかった。
材料ホルダーを使用することによって50℃でも安定し
たファラデー回転を有する光アイソレータを提供でき
た。
ァラデー回転子とする光アイソレータにおいて、軟磁性
材で硬磁性ガーネットを囲むことによって硬磁性ガーネ
ットの実質的な保磁力が大きくなり、高い温度でも安定
したファラデー回転が得られる。
子とする光アイソレータにおいて、軟磁性材で光アイソ
レータのホルダーを作ることにより、光アイソレータの
小型化、簡素化、低コスト化だけでなく、高い温度でも
安定して動作する光アイソレータを提供できる。
ガーネットを示す斜視図。
する外部磁場とファラデー回転との関係を示す概念図。
度依存性を示す概略図。
わりを軟磁性材で囲んだ状態で、硬磁性ガーネットに外
部磁場が印加された場合の磁束分布を示す断面図。
ガーネットのまわりを囲んだ場合の光アイソレータを示
す斜視図。
磁性材で硬磁性ガーネットのまわりを囲んだ場合の光ア
イソレータを示す斜視図。
の実質的な保磁力の形状依存性を示す図。
場合の実質的な保磁力の形状依存性を円筒状のパーマロ
イを用いた場合と比較して示す図。
視図。
の温度依存性を示す図。
回転子 12 保磁力の曲線 13 飽和磁化の曲線 14 軟磁性材 15 磁束 16 硬磁性ガーネット 17a 円筒状パーマロイ 17b 四角の穴を持つ四角柱状のパーマロイ 18 円筒状パーマロイの内径 19 円筒状パーマロイの厚さ 20 円筒状パーマロイの長さL 21a 円筒状のパーマロイの穴の断面積S 21b 四角形状のパーマロイにおける穴の断面積S 22 四角形状のパーマロイにおける穴の縦の長さ 23 四角形状のパーマロイにおける穴の横の長さ 24 下部ホルダー 25 上部ホルダー 26 吸収型ガラス偏光子 27 四角形状のパーマロイにおける光路に垂直方向
の厚さ 28 四角形状のパーマロイの長さL
Claims (5)
- 【請求項1】 外部磁場による磁気飽和の後、前記外部
磁場を除去しても飽和ファラデー回転角を保持するファ
ラデー回転子を備える光アイソレータにおいて、前記フ
ァラデー回転子は軟磁性材で囲まれていることを特徴と
する光アイソレータ。 - 【請求項2】 前記軟磁性材の外形形状について、光路
方向の長さをL、ファラデー回転子が位置する内側空洞
の光路に垂直な断面積をSとするとき、 L/S1/2
≧0.7であることを特徴とするとする請求項1記載の
光アイソレータ。 - 【請求項3】 前記軟磁性材の光路に垂直な方向の厚さ
は0.1mm以上であることを特徴とする請求項2記載
の光アイソレータ。 - 【請求項4】 前記軟磁性材は前記ファラデー回転子ま
たは偏光子の固定用ホルダーであることを特徴とする請
求項1、2または3に記載の光アイソレータ。 - 【請求項5】 前記軟磁性材はパーマロイからなること
を特徴とする請求項1、2、3または4に記載の光アイ
ソレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002082679A JP2003279895A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 光アイソレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002082679A JP2003279895A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 光アイソレータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003279895A true JP2003279895A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29230778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002082679A Pending JP2003279895A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 光アイソレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003279895A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2264842A3 (de) * | 2009-06-12 | 2013-09-04 | Schäfter + Kirchhoff GmbH | Laserdiodenstrahlquelle |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002082679A patent/JP2003279895A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2264842A3 (de) * | 2009-06-12 | 2013-09-04 | Schäfter + Kirchhoff GmbH | Laserdiodenstrahlquelle |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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