JP2003278681A - 真空排気システムおよびその運転方法 - Google Patents

真空排気システムおよびその運転方法

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JP2003278681A
JP2003278681A JP2002082465A JP2002082465A JP2003278681A JP 2003278681 A JP2003278681 A JP 2003278681A JP 2002082465 A JP2002082465 A JP 2002082465A JP 2002082465 A JP2002082465 A JP 2002082465A JP 2003278681 A JP2003278681 A JP 2003278681A
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pump
rotation speed
mechanical booster
booster pump
vacuum
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JP2002082465A
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English (en)
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Toshihiro Koda
敏浩 幸田
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Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 省電力化を図ることにより運転コストの低減
化を図ることが可能な真空排気システムおよびその運転
方法を提供する。 【解決手段】 真空排気システムにおいて、油拡散ポン
プ5、メカニカルブースタポンプ8およびロータリポン
プ9を作動させた状態でラフバルブ3を閉じるとともに
メインバルブ4を開いて本引き排気を行う際に、油拡散
ポンプ5の背圧を適正範囲内に保つことが可能であり、
かつ粗引き排気時の回転速度よりも低速となるようにイ
ンバータ11,12を介して制御装置10によりメカニ
カルブースタポンプ8およびロータリポンプ9の回転速
度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空排気システム
およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空成膜装置等に用いられる真空排気シ
ステムとして、チャンバの内部に連通するように排気路
が設けられ、この排気路に、上流側から順に、油拡散ポ
ンプ、メカニカルブースタポンプおよびロータリポンプ
が設けられた構成を有するものがある。
【0003】図8は、従来の真空排気システムの構成を
模式的に示す機能ブロック図である。図8に示すよう
に、内部の圧力が真空槽内真空計(PIC)2により検
知される真空槽(成膜室)1に、ラフバルブ(RV)3
が設けられた配管31と、メインバルブ(MV)4、油
拡散ポンプ(DP)5およびフォアラインバルブ(F
V)6がこの順で設けられた配管32とが接続してい
る。配管32のフォアラインバルブ(FV)6の下流に
は排気管内真空計(PIR)7が設けられており、この
排気管内真空計(PIR)7により、油拡散ポンプ(D
P)5の背圧が検知される。
【0004】配管31と配管32とは合流点33におい
て合流し、さらに配管34に接続されている。そして、
配管34はメカニカルブースタポンプ(MBP)8に接
続されており、さらにメカニカルブースタポンプ(MB
P)8にロータリポンプ(RP)9が配管35により接
続されている。
【0005】この真空排気システムにおいては、配管3
1,34,35、ラフバルブ(RV)3、メカニカルブ
ースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9により真空槽1内の粗排気を行うための排気路、
すなわち粗引き排気経路が形成される。また、配管3
2,34,35、メインバルブ(MV)4、油拡散ポン
プ(DP)5、フォアラインバルブ(FV)6、メカニ
カルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9により真空槽1内の本排気を行うための排気
路、すなわち本引き排気経路が形成される。
【0006】真空槽内真空計(PIC)2で検知された
真空槽1内の圧力が所定値以下になるまでは、ラフバル
ブ(RV)3を開き、配管31,34,35を通じて粗
引きポンプたるメカニカルブースタポンプ(MBP)8
およびロータリポンプ(RP)9により真空槽1内を排
気する(粗引き排気)。そして、真空槽1内の圧力が所
定値以下となったら、ラフバルブ(RV)3を閉じると
ともにメインバルブ(MV)4およびフォアラインバル
ブ(FV)6を開き、配管32,34,35を通じて本
引きポンプたる油拡散ポンプ(DP)5により真空槽1
内を排気する(本引き排気)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】粗引きポンプたるメカ
ニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポン
プ(RP)9の最大(定格)能力は、粗引き排気時の排
気性能に応じて決定されている。ところで、本引き排気
中は、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロ
ータリポンプ(RP)9は、油拡散ポンプ(DP)5の
背圧を適正範囲に保つだけの能力を発揮すればよく、よ
って、最大能力を発揮する必要がない。
【0008】しかしながら、実際には、本引き排気中も
メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリ
ポンプ(RP)9は最大(定格)回転数で回転し最大能
力で作動するため、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9の消費電力が大
きくなり、排気系統全体の消費電力の50%以上を占め
る。真空排気システムの運転コストの低減化を図る上で
は、消費電力の低減化が望まれることから、メカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9における消費電力の削減が望まれる。
【0009】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、消費電力の低減化を図ることによ
り運転コストの低減化を図ることが可能な真空排気シス
テムおよびその運転方法を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る真空排気シ
ステムおよびその運転方法は、真空槽の内部に連通し、
上流側から順に第1の開閉バルブ、メカニカルブースタ
ポンプおよびロータリポンプが設けられた第1の排気路
と、前記真空槽の内部に連通するとともに前記第1の排
気路に接続され、上流側から順に第2の開閉バルブおよ
び油拡散ポンプが設けられた第2の排気路と、前記メカ
ニカルブースタポンプまたは前記ロータリポンプの回転
速度を制御する回転速度制御装置とを有する真空排気シ
ステムおよびその運転方法であって、前記第1の開閉バ
ルブを開くとともに前記第2の開閉バルブを閉じた状態
で前記メカニカルブースタポンプおよび前記ロータリポ
ンプを起動させ、前記メカニカルブースタポンプおよび
/または前記ロータリポンプを第1の回転速度で作動さ
せた後、前記油拡散ポンプを作動させた状態で前記第1
の開閉バルブを閉じるとともに前記第2の開閉バルブを
開き、前記回転速度制御装置により、前記メカニカルブ
ースタポンプおよび/または前記ロータリポンプを前記
第1の回転速度よりも小さい第2の回転速度で作動させ
るものである(請求項1,4)。
【0011】かかる構成の真空排気システムにおいて
は、まず、メカニカルブースタポンプおよびロータリポ
ンプを用いて第1の排気路を通じて真空槽の粗引き排気
が行われ、粗引き排気により真空槽がある程度の真空状
態となった後に、油拡散ポンプを用いて第2の排気路を
通じて真空槽の本引き排気が行われる。この本引き排気
においては、メカニカルブースタポンプおよびロータリ
ポンプは主たる排気ポンプとして機能するものではない
ため、粗引き排気時のように最大能力を発揮する必要は
ない。それゆえ、本発明のように、本引き排気時におけ
るメカニカルブースタポンプおよび/またはロータリポ
ンプの回転速度を、粗引き排気時における回転速度より
も小さくすることにより、本引き排気中におけるメカニ
カルブースタポンプおよびロータリポンプの機能を果た
しつつ、メカニカルブースタポンプおよび/またはロー
タリポンプにおける消費電力の低減化を図ることが可能
となる。したがって、真空排気システムの運転コストの
低減化を図ることが可能となる。また、メカニカルブー
スタポンプおよび/またはロータリポンプの長寿命化を
図ることが可能となる。
【0012】前記油拡散ポンプの背圧を検知する真空計
を前記第2の排気路に設け、前記回転速度制御装置は、
前記真空計で検知された前記油拡散ポンプの背圧が所定
範囲より大きい場合に、前記メカニカルブースタポンプ
および/または前記ロータリポンプの回転速度を前記第
1の回転速度とし、前記背圧が前記所定範囲以下である
場合に、前記メカニカルブースタポンプおよび/または
前記ロータリポンプの回転速度を前記第2の回転速度と
してもよい(請求項2,5)。
【0013】かかる構成によれば、油拡散ポンプの背圧
の変動に応じてメカニカルブースタポンプおよび/また
はロータリポンプの回転速度を制御するため、油拡散ポ
ンプの背圧を所定の適正範囲に保つことが可能となる。
したがって、本引き排気に支障をきたすことなく、消費
電力の低減化を図ることが可能となる。
【0014】前記回転速度制御装置は、前記油拡散ポン
プの背圧が第1の設定値以下である場合に、前記メカニ
カルブースタポンプおよび/または前記ロータリポンプ
の回転速度を前記第2の回転速度とし、前記背圧が、前
記第1の設定値よりも大きい第2の設定値以上である場
合に、前記メカニカルブースタポンプおよび/または前
記ロータリポンプの回転速度を前記第1の回転速度とし
てもよい(請求項6)。
【0015】かかる構成によれば、油拡散ポンプの背圧
を適正範囲に保つために設定した第1の設定値および第
2の設定値を基準としてメカニカルブースタポンプおよ
び/またはロータリポンプの回転速度の制御を行うた
め、油拡散ポンプの背圧を適正範囲内に保つことが可能
となる。また、ここでは、2つの設定値を基準とするた
め、1つの設定値のみを基準とする場合に比べて、メカ
ニカルブースタポンプおよび/またはロータリポンプの
回転速度を頻繁に増減させて調節する必要がない。した
がって、安定して効率よく真空排気システムを運転する
ことが可能となる。
【0016】前記第1の回転速度と前記第2の回転速度
との間にさらに複数の回転速度を段階的に設定し、前記
回転速度制御装置は、前記メカニカルブースタポンプお
よび/または前記ロータリポンプの回転速度を前記第2
の回転速度から前記第1の回転速度とする際に、前記複
数の回転速度設定に合わせて段階的に前記回転速度を大
きくしてもよい(請求項7)。また、前記第1の設定値
と前記第2の設定値の間にさらに複数の設定値を段階的
に設定し、前記回転速度制御装置は、前記複数の設定値
の各々に関して前記複数の回転速度設定に応じて段階的
に前記メカニカルブースタポンプおよび/または前記ロ
ータリポンプの回転速度の増減を行ってもよい(請求項
8)。
【0017】かかる構成によれば、油拡散ポンプの背圧
に応じて段階的にメカニカルブースタポンプおよび/ま
たはロータリポンプの回転速度を大きくするため、メカ
ニカルブースタポンプおよび/またはロータリポンプの
回転速度を必要以上に高くして消費電力を浪費するのを
防止することができる。したがって、メカニカルブース
タポンプおよび/またはロータリポンプにおいて、省電
力化を効果的に図ることができる。
【0018】前記回転速度制御装置は、インバータを用
いて前記メカニカルブースタポンプおよび/または前記
ロータリポンプの回転速度を制御してもよい(請求項
3,9)。
【0019】かかる構成によれば、メカニカルブースタ
ポンプおよび/またはロータリポンプに供給される電流
の周波数をインバータにより制御することにより回転速
度を制御することが可能となる。したがって、容易にか
つ正確に回転速度の制御を行うことが可能となる。ま
た、インバータを用いることにより、供給電源の周波数
の変動の影響を受けることなく、安定した排気速度を実
現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1に係る
真空排気システムの構成を模式的に示す機能ブロック図
である。
【0021】図1に示すように、真空排気システムは、
真空槽(成膜室)1と、真空槽内真空計(PIC)2
と、油拡散ポンプ(DP)5と、排気管内真空計(PI
R)7と、メカニカルブースタポンプ(MBP)8と、
ロータリポンプ(RP)9と、制御装置10と、メカニ
カルブースタポンプ用インバータ(INV)11と、ロ
ータリポンプ用インバータ(INV)12とを主な構成
要素として含んでいる。
【0022】真空槽1には、配管31と配管32とが接
続されている。配管31には、第1の開閉バルブたるラ
フバルブ(RV)3が設けられている。また、配管32
には、上流側から順に、第2の開閉バルブたるメインバ
ルブ(MV)4、油拡散ポンプ(DP)5、およびフォ
アラインバルブ(FV)6が設けられている。配管31
と配管32とは合流点33において合流し、さらに配管
34に接続されている。そして、配管34はメカニカル
ブースタポンプ(MBP)8に接続されており、さらに
メカニカルブースタポンプ(MBP)8にロータリポン
プ(RP)9が配管35により接続している。
【0023】メカニカルブースタポンプ(MBP)8
は、ロータリポンプ(RP)9の加速用に用いるポンプ
である。ロータリポンプ(RP)9とメカニカルブース
タポンプ(MBP)8とを起動して真空槽1内の大気を
吸引することにより、真空槽1内がある程度の真空状態
となる。このように、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9は、真空槽1内
の粗排気に利用される粗引きポンプである。
【0024】一方、油拡散ポンプ(DP)5は、メカニ
カルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9によりある程度真空状態となった真空槽1内
からさらに大気を吸引し、真空槽1内をより真空度の高
い状態とするものである。このように、油拡散ポンプ
(DP)5は、真空槽1内の本排気に利用される本引き
ポンプである。
【0025】真空槽1は、その内部においてワークを加
工するためのものであり、ワークを出し入れするための
扉(図示せず)を有している。真空槽1内のワークは、
1回の加工工程終了毎に交換する。
【0026】真空槽内真空計(PIC)2は、真空槽1
内の圧力を検知するものである。また、排気管内真空計
(PIR)7は、油拡散ポンプ(DP)5の背圧、ここ
では配管32内の圧力を検知するものである。ここで検
知された油拡散ポンプ(DP)5の背圧情報は、制御装
置10に伝達される。
【0027】メカニカルブースタポンプ用インバータ
(INV)11は、制御装置10からの指令を受けて、
交流電源13から供給される電圧と周波数を制御するも
のである。それにより、メカニカルブースタポンプ(M
BP)8の回転速度が制御される。
【0028】ロータリポンプ用インバータ(INV)1
2は、制御装置10からの指令を受けて、交流電源13
から供給される電圧と周波数を制御するものである。そ
れにより、ロータリポンプ(RP)9の回転速度が制御
される。
【0029】以上のような構成を有する真空排気システ
ムにおいては、配管31,34,35、ラフバルブ(R
V)3、メカニカルブースタポンプ(MBP)8および
ロータリポンプ(RP)9により真空槽1内の粗排気を
行うための経路、すなわち粗引き排気路(第1の排気経
路)が形成される。また、配管32,34,35、メイ
ンバルブ(MV)4、油拡散ポンプ(DP)5、フォア
ラインバルブ(FV)6、メカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9により真
空槽1内の本排気を行うための経路、すなわち本引き排
気路(第2の経路)が形成される。
【0030】次に、以上のように構成された真空排気シ
ステムの運転方法を図2を参照しながら説明する。
【0031】図2は、図1の真空排気システムの制御装
置10に格納された制御プログラムの内容を示すフロー
チャートである。
【0032】真空排気システムの運転時には、まず、真
空槽1の扉を開いて真空槽1内に加工対象たるワークを
配置する。そして、図2に示すように、運転が停止した
状態、すなわち全てのポンプが停止するとともに全ての
バルブが閉じられた状態の真空排気システムの始動スイ
ッチ(図示せず)をオン操作すると、制御装置10に運
転開始指令が入力され、真空排気システムの運転がスタ
ートして以下の動作が行われる。
【0033】制御装置10は、真空排気システムが始動
すると、まず、ロータリポンプ(RP)9を起動し(ス
テップS1)、次いでメカニカルブースタポンプ(MB
P)8を起動する(ステップS2)。次にフォアライン
バルブ(FV)6を開き(ステップS3)、次いで油拡
散ポンプ(DP)5を起動し(ステップS4)、次いで
フォアラインバルブ(FV)6を閉じる(ステップS
5)。油拡散ポンプ(DP)5は起動してから実際に作
動するまでに時間がかかるため、このような早い段階で
起動しておく必要がある。また、フォアラインバルブ
(FV)6を一旦開いてから閉じるのは、油拡散ポンプ
(DP)5を作動するにあたり、油拡散ポンプ(DP)
の背圧を十分に下げるためと、次工程である粗引き中の
排気が油拡散ポンプ(DP)側に逆流するのを防ぐため
である。
【0034】このようにして起動させたロータリポンプ
(RP)9、メカニカルブースタポンプ(MBP)8お
よび油拡散ポンプ(DP)5は、後述するように、基本
的には真空排気システムの運転停止指令が入力するまで
作動し続ける。
【0035】次に、ラフバルブ(RV)3を開き(ステ
ップS6)、メカニカルブースタポンプ(MBP)8お
よびロータリポンプ(RP)9を用いて粗引き排気経路
を通して真空槽1内の粗引き排気を行う。粗引き排気に
おいて、粗引きポンプたるメカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9は、定格
(高速)回転速度で回転し最大能力を発揮する。この
時、真空槽1内の圧力は真空槽内真空計(PIC)2で
検知され、真空槽1内の圧力情報が制御装置10に伝達
される。制御装置10では、この情報をもとに真空槽1
内の圧力が規定圧力よりも小さいか否かを判定する(ス
テップS7)。規定圧力の値は任意であり、真空槽1内
の容積等によっても変わってくるが、例えば油拡散ポン
プ(DP)5の性能に合わせて設定される。
【0036】真空槽1内の圧力が規定圧力よりも大きい
場合には、真空槽1内の粗引き排気が引き続き行われる
とともに、ステップS7に戻って再度判定が行われる。
一方、真空槽1内の圧力が規定圧力よりも小さいあるい
は前記粗引き排気によって小さくなった場合には、ラフ
バルブ(RV)3を閉じる(ステップS8)。
【0037】続いて、フォアラインバルブ(FV)6を
開き(ステップS9)、次いでメインバルブ(MV)4
を開く(ステップS10)。それにより、メカニカルブ
ースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9を用いた真空槽1内の粗引き排気から、油拡散ポ
ンプ(DP)5を用いた真空槽1内の本引き排気に切り
替えが行われ、その結果、真空槽1内の真空度がさらに
高められる。
【0038】ここで、本引き排気においては、粗引きポ
ンプたるメカニカルブースタポンプ(MBP)8および
ロータリポンプ(RP)9は、本引きポンプたる油拡散
ポンプ(DP)5の背圧を適正範囲内に保つ機能を果た
せばよく、最大能力より小さな能力で十分である。した
がって、本引き排気中は、両ポンプ8,9の回転数を減
少させ、定格(最大)回転速度から低速に減少させる。
それにより、両ポンプ8,9における消費電力を抑える
ことが可能となる。このようなメカニカルブースタポン
プ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転
速度の制御の詳細については、図3および図4において
後述する。
【0039】次に、本引き排気により高真空状態となっ
た真空槽1内においてワークの加工を行い(ステップS
11)、次いで、ワークの加工が終了したか否かを判定
する(ステップS12)。加工が終了していない場合に
は、ステップS11に戻って引き続きワークの加工を行
う。一方、加工が終了した場合には、メインバルブ(M
V)4を閉じ(ステップS13)、次いで真空槽1内に
大気を導入する(ステップS14)。
【0040】次に、真空排気システムの運転停止指令が
入力されたか否かを制御装置10が判定する(ステップ
S15)。運転停止指令が入力された場合には、メイン
バルブ(MV)4およびフォアラインバルブ(FV)6
をこの順で閉めるとともに、油拡散ポンプ(DP)5、
メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリ
ポンプ(RP)9をこの順で停止してシステムの運転停
止操作を行い(ステップS15A)、運転を停止する。
例えば、週末などにおいては、このようにして運転を停
止する。
【0041】ところで、真空排気システムにおいては、
通常、ワークの加工工程終了後に真空槽1内のワークを
交換し、その後、引き続きシステムを運転して繰り返し
ワークの加工を行う。このように引き続きシステムを運
転する場合には、運転停止指令は入力されない。この場
合、大気の導入により開くことが可能となった真空槽1
の扉を作業員が開いてワークの交換を行い(ステップS
17)、それから再び扉を閉じた後、作業員が加工開始
指令操作を行う。ここで、真空槽1の扉の開閉動作は制
御装置10により検知されており、真空槽1の扉が開い
たか否かを制御装置10が判定するとともに(ステップ
S16)、扉が閉じたか否かを制御装置10が判定し
(ステップS18)、さらに加工開始指令が入力された
か否かを制御装置10が判定する(ステップS19)。
なお、真空槽1の扉が開いていない場合、真空槽1の扉
が閉じられていない場合および加工開始指令が入力され
ていない場合においては、ステップS15に戻って、再
度、運転停止指令が入力されたか否かの判定が行われ
る。
【0042】上記のようにして真空槽1の扉が閉じたこ
とが確認されて加工開始操作がなされた後、再びステッ
プS5に戻り、ステップS5〜ステップS19の動作が
繰り返し行われる。
【0043】次に、本引き排気中におけるメカニカルブ
ースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9の回転速度の制御方法について説明する。
【0044】図3および図4は、本実施の形態における
メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリ
ポンプ(RP)9の回転速度の制御方法を説明するため
の図であり、図3は、制御装置10に格納された制御プ
ログラムの内容を示すフローチャートであり、図4は、
排気管内真空計(PIR)7の検出値と、メカニカルブ
ースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9の回転速度との関係を示す図である。
【0045】図3に示すように、粗引き排気では、メカ
ニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポン
プ(RP)9は定格(高速)回転速度で回転し最大能力
を発揮する(ステップS21)。そして、前述のよう
に、メインバルブ(MV)4が開いて粗引き排気から本
引き排気に切り替わると(図2のステップS10)、制
御装置10により、メカニカルブースタ用およびロータ
リポンプ用インバータ(INV)11,12を介して以
下のようにしてメカニカルブースタポンプ(MBP)8
およびロータリポンプ(RP)9の回転速度が制御され
る。
【0046】本引き排気においては、本引きポンプたる
油拡散ポンプ(DP)5を中心に排気が行われ、粗引き
ポンプたるメカニカルブースタポンプ(MBP)8およ
びロータリポンプ(RP)9は油拡散ポンプ(DP)5
の背圧の確保に用いられる。油拡散ポンプ(DP)5
は、起動時における背圧の適正範囲が決まっており、背
圧をこの適正範囲内に保って使用する必要がある。一般
に、油拡散ポンプ(DP)5の適正背圧は、0.1〜7
0Paの範囲である。したがって、本引き排気中におい
ては、油拡散ポンプ(DP)5の背圧がこの範囲内に保
たれるようにメカニカルブースタポンプ(MBP)8お
よびロータリポンプ(RP)9の回転速度を調整して前
記背圧を制御する。このような本引き排気中における両
ポンプ8,9は、粗引き排気時のように常時定格(高
速)回転速度で回転する必要がない。
【0047】そこで、まず、油拡散ポンプ(DP)5の
背圧を適正に保つために、メカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9におい
て、所望の油拡散ポンプ(DP)5の適正背圧(以下、
これを規定背圧と呼ぶ)を確保することが可能な最低限
の回転速度(以下、これを低速と呼ぶ)をあらかじめ調
べて取得する。また、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度を制
御する上で基準とする排気管内真空計(PIR)7の値
を設定する。ここでは、まず、油拡散ポンプ(DP)5
の背圧が前記規定背圧以上となる値(以下、これを設定
値1と呼ぶ)を設定する。ところで、油拡散ポンプ(D
P)5の背圧は排気に伴って変動するため、この設定値
1のみを制御の基準とした場合には、メカニカルブース
タポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9
の回転速度を頻繁に増減させて前記背圧を制御する必要
が生じる。このように頻繁に両ポンプ8,9の回転速度
を変えること(チャタリング)は、システムを運転する
上で好ましくない。そこで、ここでは、チャタリング防
止のためのヒステリシスを持った値、すなわち油拡散ポ
ンプ(DP)5の背圧が少々変動しても前記規定背圧を
保つことができる値(以下、これを設定値2と呼ぶ)を
設定する。
【0048】本引き排気においては、排気管内真空計
(PIR)7により、油拡散ポンプ(DP)5の背圧が
検知され、この背圧情報が制御装置10に伝達される。
制御装置10では、この情報をもとに、排気管内真空計
(PIR)7の検出値、すなわち油拡散ポンプ(DP)
5の背圧が、設定値2よりも小さいか否かを判定する
(ステップS22)。前記検出値が設定値2よりも大き
い場合には、図4のグラフAに示すように、メカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9を定格(高速)回転速度で回させたままとする。
この場合、再びステップS22に戻って判定が行われ
る。一方、前記検出値が設定値2以下である場合には、
図4のグラフBに示すように、メカニカルブースタポン
プ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転
速度を減少させ、あらかじめ取得した前記低速で回転さ
せる(ステップS23)。回転速度を減少させる方法と
しては、交流電源13から供給された交流電圧と周波数
を制御装置10からの指令に応じてメカニカルブースタ
ポンプ用およびロータリポンプ用インバータ(INV)
11,12が制御し、各ポンプ8,9に印加される電圧
と周波数を低下させる。それにより、各ポンプ8,9の
回転速度を減少させることができる。
【0049】メカニカルブースタポンプ(MBP)8お
よびロータリポンプ(RP)9の低速回転時において
は、通常、油拡散ポンプ(DP)5の背圧が変動する。
そこで、油拡散ポンプ(DP)5の背圧を前記規定背圧
以下に保つために、排気管内真空計(PIR)7の検出
値が設定値1よりも小さいか否かを制御装置10が判定
する(ステップS24)。前記検出値が設定値1よりも
小さい場合には、図4のグラフCに示すように、メカニ
カルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9の回転速度を低速のままとする。この場合、
再びステップS24に戻って判定が行われる。一方、前
記検出値が設定値1以上である場合には、図4のグラフ
Dに示すように、メカニカルブースタポンプ(MBP)
8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度を増加さ
せて定格(高速)回転速度に戻し(ステップS24
A)、再びステップS22に戻って判定が行われる。回
転速度を増加させる方法としては、前記回転速度を減少
させる方法とは逆に、メカニカルブースタポンプ用およ
びロータリポンプ用インバータ(INV)11,12に
より、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロ
ータリポンプ(RP)9に印加される電圧と周波数を増
加させる。それにより、両ポンプ8,9の回転速度を増
加させることができる。
【0050】以上のようにメカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速
度を制御して本引き排気中における各ポンプ8,9を低
速で回転させることにより、メカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の消費電
力を抑制して省電力化を図ることが可能となる。それに
より、真空排気システムの運転コストの低減化を図るこ
とが可能となるとともに、各ポンプ8,9の長寿命化を
図ることが可能となる。
【0051】この場合、メカニカルブースタポンプ用お
よびロータリポンプ用インバータ(INV)11,12
を用いて油拡散ポンプ(DP)5の背圧に応じてメカニ
カルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9の回転速度を制御するので、油拡散ポンプ
(DP)5の背圧を適正範囲内に保つことが可能であ
る。したがって、メカニカルブースタポンプ(MBP)
8およびロータリポンプ(RP)9を低速回転として
も、真空排気システムの運転に支障は生じない。
【0052】また、メカニカルブースタポンプ用および
ロータリポンプ用インバータ(IVN)11,12によ
り周波数を制御するため、メカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9は、供給
電源の周波数の変動の影響を受けず、よって、排気速度
を安定させることができる。例えば、関東と関西とでは
供給電源の周波数が異なるため、同じポンプを用いた場
合でも使用する地域によってポンプの回転速度に差が生
じるが、本実施の形態のようにインバータを用いて周波
数を制御すれば、供給電源の周波数に関係なく供給する
周波数を一定とすることができる。したがって、ポンプ
の回転速度を地域に関係なく一定とすることができる。 (実施の形態2)図5および図6は、本発明の実施の形
態2に係る真空排気システムにおける本引き排気中のメ
カニカルブースタポンプ(MBP)およびロータリポン
プ(RP)の回転速度の制御方法を説明するための図で
あり、図5は、制御装置に格納された制御プログラムの
内容を示すフローチャートであり、図6は、排気管内真
空計(PIR)7の検出値と、メカニカルブースタポン
プ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転
速度との関係を示す図である。
【0053】本実施の形態におけるメカニカルブースタ
ポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の
回転速度の制御方法は、以下の点を除いて、実施の形態
1の制御方法と同様である。実施の形態1においては、
メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリ
ポンプ(RP)9の回転速度の制御の基準となる排気管
内真空計(PIR)7の検出値として設定値1および設
定値2を定めるとともに、回転速度を高速と低速の2段
階に設定し、この設定値1,2に基づいて判定を行って
低速から高速および高速から低速にに一気に回転速度を
増減させるのに対して、本実施の形態では、前記設定値
1と設定値2との間に複数の設定値n1,n2,n3・・
・を段階的設定するとともに、メカニカルブースタポン
プ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転
速度について前記高速と前記低速との間に段階的に複数
の速度設定N1,N2,N3・・・を行う。そして、排気
管内真空計(PIR)7の複数の設定値n1,n2,n3
・・・の各々と本引き排気中の油拡散ポンプ(DP)5
の背圧とを比較してそれぞれ判定を行い、判定にしたが
ってメカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロー
タリポンプ(RP)9の回転速度を複数の設定速度
1,N2,N3・・・に応じて段階的に増減させる。
【0054】すなわち、図5に示すように、メカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)が定格(高速)回転する粗引き排気(ステップS2
5)から、本引き排気に切り替えが行われると、本引き
排気中は、排気管内真空計(PIR)7により、油拡散
ポンプ(DP)5の背圧が検知され、この背圧情報が制
御装置10に伝達される。制御装置10では、この情報
をもとに、排気管内真空計(PIR)7の検出値、すな
わち油拡散ポンプ(DP)5の背圧が、設定値n1より
も小さいか否かを判定する(ステップS26)。前記背
圧が設定値n1よりも大きい場合には、図6のグラフ
A’に示すように、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度を定
格(高速)のままとする。この場合、再びステップS2
6に戻って判定が行われる。一方、前記背圧が設定値n
1以下である場合には、図6のグラフB’に示すよう
に、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロー
タリポンプ(RP)9の回転速度を1ランク下げて減少
させ回転速度N1とする(ステップS27)。
【0055】さらに、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度N1
での回転時における油拡散ポンプ(DP)5の背圧が設
定値1よりも小さいか否かを制御装置10が判定する
(ステップS28)。前記背圧が設定値1よりも小さい
場合には、さらに背圧が設定値n2よりも小さいか否か
を判定する(ステップS29)。設定値n2よりも大き
い場合には、図6のグラフC’に示すように、メカニカ
ルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9を回転速度N1で回転させるとともに、再び
ステップS28に戻って判定が行われる。また、設定値
2以下である場合には、図6のグラフD’に示すよう
に、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロー
タリポンプ(RP)9の回転速度をさらに1ランク下げ
て減少させ回転速度N2とする(ステップS30)。一
方、前記背圧が設定値1以上である場合には、図6のグ
ラフE’に示すように、メカニカルブースタポンプ(M
BP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度を
1ランク上げて定格(高速)回転とする(ステップS2
8A)。この場合、ステップS26に戻って再び判定が
行われる。
【0056】さらに、メカニカルブースタポンプ(MB
P)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速度N2
での回転時における油拡散ポンプ(DP)5の背圧が設
定値n1よりも小さいか否かを制御装置10が判定する
(ステップS31)。前記背圧が設定値n1以上である
場合には、図6のグラフF’に示すように、メカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9の回転速度を1ランク上げて回転速度N1に戻し
(ステップS31A)、再びステップS28に戻って判
定が行われる。一方、前記背圧が設定値n1よりも小さ
い場合には、さらに背圧が設定値n3よりも小さいか否
かを判定する(ステップS32)。設定値n3よりも大
きい場合には、図6のグラフG’に示すように、メカニ
カルブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ
(RP)9を回転速度N2で回転させるとともに、再び
ステップS31に戻って判定が行われる。一方、設定値
3以下である場合には、図6のグラフH’に示すよう
に、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロー
タリポンプ(RP)9の回転速度をさらに1ランク下げ
て減少させ回転速度N3とする(ステップS33)。以
下、同様にして、排気管内真空計(PIR)7の検出値
の各設定値について判定を行い、この判定に従って各設
定速度に応じて段階的に回転速度の増減を行う。
【0057】本実施の形態におけるメカニカルブースタ
ポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の
回転速度の制御方法では、両ポンプ8,9の回転速度を
段階的に増減させて制御するため、両ポンプ8,9の回
転速度と排気管内真空計(PIR)7の検出値との関係
は、図6に示すように階段状になる。このように回転速
度を多段階に設定して段階的に制御を行えば、油拡散ポ
ンプ(DP)5の背圧に応じてメカニカルブースタポン
プ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転
速度を適切な速度とすることができる。このため、必要
以上に両ポンプ8,9の回転速度を高くして消費電力を
浪費するのを防止することができるので、両ポンプ8,
9において、省電力化を効果的に図ることができる。 (実施の形態3)図7は、本発明の実施の形態3に係る
真空排気システムの本引き排気中におけるメカニカルブ
ースタポンプ(MBP)およびロータリポンプ(RP)
の回転速度の制御方法を説明するためのもので、制御装
置に格納された制御プログラムの内容を示すフローチャ
ートである。
【0058】本実施の形態におけるメカニカルブースタ
ポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の
回転速度の制御方法は、以下の点を除いて、実施の形態
1の回転速度の制御方法と同様である。実施の形態1に
おいては、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およ
びロータリポンプ(RP)9の回転速度の制御の基準と
なる排気管内真空計(PIR)7の検出値として設定値
1および設定値2を定めるとともに、回転速度を高速と
低速の2段階に設定し、この設定値1,2に基づいて判
定を行って低速から高速および高速から低速にに一気に
回転速度を増減させるのに対して、本実施の形態では、
前記高速と前記低速との間に段階的に複数の速度設定を
行い、設定値1,2に基づいて判定を行ってメカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9の回転速度を各設定速度に従って段階的に徐々に
上昇させる。
【0059】すなわち、図7に示すように、メカニカル
ブースタポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(R
P)9が定格(高速)回転する粗引き排気(ステップS
37)から本引き排気に切り替えが行われると、本引き
排気中は、排気管内真空計(PIR)7により、油拡散
ポンプ(DP)5の背圧が検知され、この背圧情報が制
御装置10に伝達される。制御装置10では、この情報
をもとに、排気管内真空計(PIR)7の検出値、すな
わち油拡散ポンプ(DP)5の背圧が、設定値2よりも
小さいか否かを判定する(ステップS38)。前記背圧
が設定値2よりも大きい場合には、メカニカルブースタ
ポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の
回転速度を定格(高速)のままとする。この場合、再び
ステップS38に戻って判定が行われる。一方、前記背
圧が設定値2以下である場合には、メカニカルブースタ
ポンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の
回転速度を減少させて前記低速とする(ステップS3
9)。
【0060】さらに、このようなメカニカルブースタポ
ンプ(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の低
速回転時における油拡散ポンプ(DP)5の背圧が設定
値1よりも小さいか否かを制御装置10が判定する(ス
テップS40)。前記背圧が設定値1よりも小さい場合
には、メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロ
ータリポンプ(RP)9の回転速度を低速のままとす
る。この場合、再びステップS40に戻って判定が行わ
れる。一方、前記背圧が設定値1以上である場合には、
メカニカルブースタポンプ(MBP)8およびロータリ
ポンプ(RP)9の回転速度を設定速度に従って前記低
速から1ランク上げて増加させる(ステップS41)。
【0061】そして、さらに前記背圧が設定値1よりも
小さいか否かを判定する(ステップS42)。前記背圧
が設定値1以上である場合には、ステップS41に戻り
回転速度をさらに1ランク上げて増加させる。一方、前
記背圧が設定値1よりも小さい場合には、さらに背圧が
設定値2よりも小さいか否かを判定する(ステップS4
3)。前記背圧が設定値2以上である場合には、そのま
ま回転速度を維持するとともに、再びステップS42に
戻って判定が行われる。一方、設定値2よりも小さい場
合には、メカニカルブースタポンプ(MBP)8および
ロータリポンプ(RP)9の回転速度を減少させて再び
前記低速とし、再度ステップS39に戻る。本実施の形
態においては、以上のような操作を繰り返し行う。
【0062】本実施の形態においては、回転速度を多段
階に設定して段階的に制御を行うため、油拡散ポンプ
(DP)5の背圧に応じてメカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の回転速
度を適切な速度とすることができる。このため、必要以
上に両ポンプ8,9の回転速度を高くして消費電力を浪
費するのを防止することができるので、両ポンプ8,9
において、省電力化を効果的に図ることができる。
【0063】なお、上記においては、回転速度を落とす
時に、各設定速度から一気に前記低速まで落としている
が、本実施の形態の変形例として、回転速度を上昇させ
る場合と同様に段階的に速度を落としてもよい。
【0064】実施の形態1から実施の形態3において
は、本引き排気中においてメカニカルブースタポンプ
(MBP)8およびロータリポンプ(RP)9の両方の
回転速度を制御する場合について説明したが、いずれか
一方のポンプの回転速度のみを制御し、残りのポンプは
従来のように定格(高速)回転速度のままとした場合に
おいても、効果が得られる。
【0065】また、実施の形態1から実施の形態3にお
いては、インバータ(INV)11,12を用いること
により、メカニカルブースタポンプ(MBP)8および
ロータリポンプ(RP)9に印加される電圧と周波数を
制御してポンプの回転速度を調整しているが、ポンプの
回転速度を制御することが可能であれば、インバータ以
外の装置を用いて回転速度の調整を行ってもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下のような効果を奏する。 (1)本引き排気中におけるメカニカルブースタポンプ
およびロータリポンプの機能を果たしつつ、メカニカル
ブースタポンプおよび/またはロータリポンプにおける
消費電力の低減化を図ることが可能となるため、真空排
気システムの運転コストの低減化を図ることが可能とな
る。また、メカニカルブースタポンプおよび/またはロ
ータリポンプの長寿命化を図ることが可能となる。 (2)油拡散ポンプの背圧を検知する真空計を前記第2
の排気路に設け、回転速度制御装置は、真空計で検知さ
れた油拡散ポンプの背圧が所定範囲より大きい場合に、
メカニカルブースタポンプおよび/またはロータリポン
プの回転速度を第1の回転速度とし、背圧が所定範囲以
下である場合に、メカニカルブースタポンプおよび/ま
たはロータリポンプの回転速度を第2の回転速度とする
と、油拡散ポンプの背圧の変動に応じてメカニカルブー
スタポンプおよび/またはロータリポンプの回転速度を
制御するため、油拡散ポンプの背圧を所定の適正範囲に
保つことが可能となる。したがって、本引き排気に支障
をきたすことなく、消費電力の低減化を図ることが可能
となる。 (3)回転速度制御装置は、油拡散ポンプの背圧が第1
の設定値以下である場合に、メカニカルブースタポンプ
および/またはロータリポンプの回転速度を第2の回転
速度とし、背圧が、第1の設定値よりも大きい第2の設
定値以上である場合に、メカニカルブースタポンプおよ
び/またはロータリポンプの回転速度を第1の回転速度
とすると、油拡散ポンプの背圧を適正範囲に保つために
設定した第1の設定値および第2の設定値を基準として
メカニカルブースタポンプおよび/またはロータリポン
プの回転速度の制御を行うため、油拡散ポンプの背圧を
適正範囲内に保つことが可能となる。また、ここでは、
2つの設定値を基準とするため、1つの設定値のみを基
準とする場合に比べて、メカニカルブースタポンプおよ
び/またはロータリポンプの回転速度を頻繁に増減させ
て調節する必要がない。したがって、安定して効率よく
真空排気システムを運転することが可能となる。 (4)第1の回転速度と第2の回転速度との間にさらに
複数の回転速度を段階的に設定し、回転速度制御装置
は、メカニカルブースタポンプおよび/またはロータリ
ポンプの回転速度を第2の回転速度から第1の回転速度
にする際に、複数の回転速度設定に合わせて段階的に回
転速度を大きくするか、または、第1の設定値と第2の
設定値の間にさらに複数の設定値を段階的に設定し、回
転速度制御装置は、複数の設定値の各々に関して複数の
回転速度設定に応じて段階的にメカニカルブースタポン
プおよび/またはロータリポンプの回転速度の増減を行
うとすると、油拡散ポンプの背圧に応じて段階的にメカ
ニカルブースタポンプおよび/またはロータリポンプの
回転速度を大きくするため、メカニカルブースタポンプ
および/またはロータリポンプの回転速度を必要以上に
高くして消費電力を浪費するのを防止することができ
る。したがって、メカニカルブースタポンプおよび/ま
たはロータリポンプにおいて、省電力化を効果的に図る
ことができる。 (5)回転速度制御装置は、インバータを用いてメカニ
カルブースタポンプおよび/またはロータリポンプの回
転速度制御を行うとすると、メカニカルブースタポンプ
および/またはロータリポンプに供給される電圧と周波
数をインバータにより制御することにより、メカニカル
ブースタポンプおよび/またはロータリポンプの回転速
度を制御することが可能となる。したがって、容易にか
つ正確に回転速度の制御を行うことが可能となる。ま
た、インバータを用いることにより、供給電源の周波数
の変動の影響を受けることなく、安定した排気速度を実
現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る真空排気システム
の構成を模式的に示す機能ブロック図である。
【図2】図1の真空排気システムの制御装置に格納され
た制御プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図3】図1の真空排気システムの制御装置に格納され
た本引き排気中におけるメカニカルブースタポンプおよ
びロータリポンプの制御プログラムの内容を示すフロー
チャートである。
【図4】図1の真空排気システムの本引き排気中におけ
る油拡散ポンプの背圧と、メカニカルブースタポンプお
よびロータリポンプの回転速度との関係を示す図であ
る。
【図5】実施の形態2に係る真空排気システムの制御装
置に格納された本引き排気中におけるメカニカルブース
タポンプおよびロータリポンプの制御プログラムの内容
を示すフローチャートである。
【図6】図5の真空排気システムの本引き排気中におけ
る油拡散ポンプの背圧と、メカニカルブースタポンプお
よびロータリポンプの回転速度との関係を示す図であ
る。
【図7】実施の形態3に係る真空排気システムの制御装
置に格納された本引き排気中におけるメカニカルブース
タポンプおよびロータリポンプの制御プログラムの内容
を示すフローチャートである。
【図8】従来の真空排気システムの構成を模式的に示す
機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 真空槽内真空計 3 ラフバルブ 4 メインバルブ 5 油拡散ポンプ 6 フォアラインバルブ 7 排気管内真空計 8 メカニカルブースタポンプ 9 ロータリポンプ 10 制御装置 11 メカニカルブースタポンプ用インバータ 12 ロータリポンプ用インバータ 13 交流電源

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽の内部に連通し、上流側から順に
    第1の開閉バルブ、メカニカルブースタポンプおよびロ
    ータリポンプが設けられた第1の排気路と、前記真空槽
    の内部に連通するとともに前記第1の排気路に接続さ
    れ、上流側から順に第2の開閉バルブおよび油拡散ポン
    プが設けられた第2の排気路と、前記メカニカルブース
    タポンプまたは前記ロータリポンプの回転速度を制御す
    る回転速度制御装置とを有する真空排気システムであっ
    て、 前記第1の開閉バルブを開くとともに前記第2の開閉バ
    ルブを閉じた状態で前記メカニカルブースタポンプおよ
    び前記ロータリポンプを起動させ、前記メカニカルブー
    スタポンプおよび/または前記ロータリポンプを第1の
    回転速度で作動させた後、前記油拡散ポンプを作動させ
    た状態で前記第1の開閉バルブを閉じるとともに前記第
    2の開閉バルブを開き、前記回転速度制御装置により、
    前記メカニカルブースタポンプおよび/または前記ロー
    タリポンプを前記第1の回転速度よりも小さい第2の回
    転速度で作動させることを特徴とする真空排気システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記油拡散ポンプの背圧を検知する真空
    計が前記第2の排気路に設けられ、 前記回転速度制御装置は、前記真空計で検知された前記
    油拡散ポンプの背圧が所定範囲より大きい場合に、前記
    メカニカルブースタポンプおよび/または前記ロータリ
    ポンプの回転速度を前記第1の回転速度とし、前記背圧
    が前記所定範囲以下である場合に、前記メカニカルブー
    スタポンプおよび/または前記ロータリポンプの回転速
    度を前記第2の回転速度とする請求項1記載の真空排気
    システム。
  3. 【請求項3】 前記回転速度制御装置は、インバータを
    用いて前記メカニカルブースタポンプおよび/または前
    記ロータリポンプの回転速度制御を行う請求項1記載の
    真空排気システム。
  4. 【請求項4】 真空槽の内部に連通し、上流側から順に
    第1の開閉バルブ、メカニカルブースタポンプおよびロ
    ータリポンプが設けられた第1の排気路と、前記真空槽
    の内部に連通するとともに前記第1の排気路に接続さ
    れ、上流側から順に第2の開閉バルブおよび油拡散ポン
    プが設けられた第2の排気路と、前記メカニカルブース
    タポンプまたは前記ロータリポンプの回転速度を制御す
    る回転速度制御装置とを有する真空排気システムの運転
    方法であって、 前記第1の開閉バルブを開くとともに前記第2の開閉バ
    ルブを閉じた状態で前記メカニカルブースタポンプおよ
    び前記ロータリポンプを起動させ、前記メカニカルブー
    スタポンプおよび/または前記ロータリポンプを第1の
    回転速度で作動させた後、前記油拡散ポンプを作動させ
    た状態で前記第1の開閉バルブを閉じるとともに前記第
    2の開閉バルブを開き、前記回転速度制御装置により、
    前記メカニカルブースタポンプおよび/または前記ロー
    タリポンプを前記第1の回転速度よりも小さい第2の回
    転速度で作動させることを特徴とする真空排気システム
    の運転方法。
  5. 【請求項5】 前記油拡散ポンプの背圧を検知する真空
    計を前記第2の排気路に設け、 前記回転速度制御装置は、前記真空計で検知された前記
    油拡散ポンプの背圧が所定範囲より大きい場合に、前記
    メカニカルブースタポンプおよび/または前記ロータリ
    ポンプの回転速度を前記第1の回転速度とし、前記背圧
    が前記所定範囲以下である場合に、前記メカニカルブー
    スタポンプおよび/または前記ロータリポンプの回転速
    度を前記第2の回転速度とする請求項4記載の真空排気
    システムの運転方法。
  6. 【請求項6】 前記回転速度制御装置は、前記油拡散ポ
    ンプの背圧が第1の設定値以下である場合に、前記メカ
    ニカルブースタポンプおよび/または前記ロータリポン
    プの回転速度を前記第2の回転速度とし、前記背圧が、
    前記第1の設定値よりも大きい第2の設定値以上である
    場合に、前記メカニカルブースタポンプおよび/または
    前記ロータリポンプの回転速度を前記第1の回転速度と
    する請求項5記載の真空排気システムの運転方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の回転速度と前記第2の回転速
    度との間にさらに複数の回転速度を段階的に設定し、 前記回転速度制御装置は、前記メカニカルブースタポン
    プおよび/または前記ロータリポンプの回転速度を前記
    第2の回転速度から前記第1の回転速度にする際に、前
    記複数の回転速度設定に合わせて段階的に前記回転速度
    を大きくする請求項6記載の真空排気システムの運転方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第1の設定値と前記第2の設定値の
    間にさらに複数の設定値を段階的に設定し、 前記回転速度制御装置は、前記複数の設定値の各々に関
    して前記複数の回転速度設定に応じて段階的に前記メカ
    ニカルブースタポンプおよび/または前記ロータリポン
    プの回転速度の増減を行う請求項7記載の真空排気シス
    テムの運転方法。
  9. 【請求項9】 前記回転速度制御装置は、インバータを
    用いて前記メカニカルブースタポンプおよび/または前
    記ロータリポンプの回転速度制御を行う請求項4記載の
    真空排気システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005264938A (ja) * 2004-03-15 2005-09-29 Varian Spa 真空ポンプシステム
JP2015009823A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 ホシザキ電機株式会社 真空包装機

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