JP2003277543A - 断熱性通い箱 - Google Patents

断熱性通い箱

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JP2003277543A JP2002083368A JP2002083368A JP2003277543A JP 2003277543 A JP2003277543 A JP 2003277543A JP 2002083368 A JP2002083368 A JP 2002083368A JP 2002083368 A JP2002083368 A JP 2002083368A JP 2003277543 A JP2003277543 A JP 2003277543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に塗装を施すか、又はフィルムやシート
を表皮層として積層してなる断熱性通い箱において、塗
装の剥げ落ちや表皮層の剥がれを回避して外観意匠性を
長期間にわたって維持できるようにし、通い箱の耐久性
を向上させる。 【解決手段】 スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸さ
せて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形し
て得た、70℃で600時間加熱したとき寸法変化率が
±0.4%以内であるスチレン系樹脂発泡成形体の表面
の全部又は一部に塗装を施すか又はフィルムもしくはシ
ートを表皮層として積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱性通い箱、特
に、表面の全部又は一部に塗装を施すか、もしくはフィ
ルムやシートを表皮層として積層してなる断熱性通い箱
に関する。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品の流通時等に繰り返し使用する
ことを目的に、発泡性樹脂を型内発泡成形して得た断熱
性の高い容器が通い箱として用いられている。発泡樹脂
成形体をそのままで使用することもあるが、内容物につ
いての表示を行う目的で、あるいは、購買欲をかき立て
る文字、絵、デザイン等を表面に施す目的で、さらに
は、耐久性を上げる目的で、発泡樹脂成形体表面の全部
又は一部に塗装を施すか、あるいは、同素材又は異素材
のフィルムやシートを表皮層として積層した断熱性通い
箱も使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発泡樹脂製の通い箱を
成形するのに用いられる樹脂材料は、通い箱の使用目
的、使用環境等を考慮して最適のものを選択するのが望
ましいが、実際は、製造技術や製造コストの兼ね合いか
ら、また、軽量であることから、スチレン系発泡樹脂が
用いられることが多い。一般的に知られているスチレン
系樹脂発泡成形体からなる通い箱は、ブタンやペンタン
等の有機化合物を発泡剤として含むスチレン系樹脂予備
発泡粒子を型内発泡成形して得られたものが多く、この
ような発泡樹脂成形体は、発泡剤にブタンやペンタン等
を用いているため、経時的に寸法変化(主には収縮)を
起こす。
【0004】そのために、通い箱の表面の全部又は一部
に塗装を施したり、フィルムやシートを表皮層として積
層している形態の通い箱の場合には、容器として繰り返
し使用しているうちに、塗装した面にシワが入ったり、
さらにはそのシワから塗装が剥げ落ちてしまったり、ま
た、フィルムやシートである表皮層が剥がれてしまうこ
とがある。いずれの場合にも、外観意匠性が低下し、通
い箱の耐久性において問題が生じる。
【0005】ブタンやペンタン等の有機化合物に替え
て、発泡剤に炭酸ガスを用いた発泡性スチレン系樹脂粒
子が提案されている(特開平4−351646号公報参
照)。これを加熱して得た予備発泡粒子を型内発泡して
得た成形品は、発泡剤に炭酸ガスを用いていることから
残留ガス量は少なく、長日数使用した後でも、寸法変化
率が小さく、±0.8%程度に抑えることができる。し
かし、表面に塗装を施したり表皮層を積層した断熱性通
い箱の場合、±0.8%の寸法変化率でもまだ不十分で
あり、塗装面にシワが入ったり、表皮層が剥がれてしま
うことが起こる。塗装の剥げ落ちや表皮層の剥がれを回
避して良好な外観意匠性を維持し、通い箱の耐久性を向
上させるためには、長日数使用した後でも、寸法変化率
を±0.4%以内に抑えることが必要である。さらに、
最近問題とされているシックハウス(室内空気汚染)に
係わるとされる揮発性有機化合物の含有量を低減するこ
とも求められている。
【0006】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、表面の全部又は一部に塗装を施すか、
又はフィルムやシートを表皮層として積層してなる断熱
性通い箱において、基体部である発泡樹脂成形体の寸法
変化率(収縮率)を小さいものとし、それにより、塗装
の剥げ落ちや表皮層の剥がれを回避して外観意匠性を長
期間にわたって維持することのできる断熱性通い箱を得
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手殿】本発明による断熱性通い
箱は、炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂発泡性
粒子を発泡させたスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発
泡成形して得た、70℃で600時間加熱したとき寸法
変化率が±0.4%以内であるスチレン系樹脂発泡成形
体の表面の全部又は一部に、塗装を施すか又はフィルム
もしくはシートを表皮層として積層してなることを特徴
とする。
【0008】本発明において、「70℃で600時間加
熱」としたのは、この種の通い箱は夏期において直射日
光を受けるような場所で長時間使用する場合も考えら
れ、そのような場合に、断熱性通い箱の表面は70℃程
度の高温になる場合が起こり得ること、及び、そのよう
な温度環境の持続時間に対する安全率を大きく取ったこ
とによる。この条件下で、寸法変化率が±0.4%以内
の条件を満足するスチレン系樹脂発泡成形体は、表面に
塗装を施したりフィルムやシートを表皮層として積層し
た断熱性通い箱において問題となっている上記の課題、
すなわち塗装の剥げ落ちや表皮層の剥がれを回避するこ
とができ、通い箱の耐久性を向上させることができる。
【0009】上記の範囲の寸法変化率を持つスチレン系
樹脂発泡成形体(通い箱の基体部)は、以下のようにし
て製造されるスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡す
ることにより得ることができる。すなわち、最初に、ス
チレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレ
ン系樹脂粒子とし、次工程で蒸気投入ラインと排気ライ
ンを備えた予備発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂粒
子を投入し、蒸気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0
kg/cm2Gの投入圧力で供給すると共に、排気ライ
ンから蒸気を含む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発
泡機内圧力を蒸気の投入圧力より0.05〜1.0kg
/cm2G低く維持しながら予備発泡させて得られるス
チレン系樹脂予備発泡粒子である。
【0010】上記の発泡性スチレン系樹脂粒子(以下、
「発泡性粒子」という)を構成するスチレン系樹脂粒子
(以下、「樹脂粒子」という)としては、一般に知られ
ているスチレン系樹脂の粒状物を使用することができ
る。具体的には、このような樹脂粒子としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブ
チルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン(2
官能性単量体)等のスチレン系単量体の単独重合粒子又
はこれら単量体を2種以上組み合わせた共重合体粒子、
メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレ
ート等のアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、ある
いはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフ
マレート、アルキレングリコールジメタクリレート(2
官能性単量体)等のスチレン系単量体以外の単量体との
共重合体粒子等が挙げられる。更に、これらスチレン系
樹脂粒子中のスチレン成分が50重量%を超える範囲内
でスチレン系樹脂以外の樹脂と押し出しブレンドして得
られた樹脂粒子であってもよい。スチレン系樹脂以外の
樹脂としては、ポリフェニルエーテル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ゴム成分等が挙げられる。特にスチレン
系樹脂粒子としてはポリスチレン樹脂粒子が好ましい。
樹脂粒子の粒径は、通い箱の用途に応じて適宜選択で
き、例えば、0.2〜5mmの粒径のものを使用するこ
とができる。
【0011】更に、最近特に問題となっているシックハ
ウス(室内空気汚染)は揮発性有機化合物が係わってい
る可能性があるとの指摘もあり、その含有量をできるだ
け小さくすることが望まれている。この観点から、樹脂
粒子は、残留スチレン系単量体の量ができるだけ少ない
ことが好ましく、樹脂粒子中に含まれるスチレン系単量
体の量は0〜500ppmであることが好ましい。この
ような樹脂粒子を用いることにより、発泡樹脂成形体に
含まれる揮発性有機化合物の量を1000ppm以下と
したものを得ることが可能となる。
【0012】樹脂粒子中の残留スチレン系単量体を低減
するには、例えば懸濁重合においては、スチレン系単量
体に対して0.05重量%以上の高温開始型の重合触媒
を用い、最終の重合温度を115℃以上とするのが好ま
しい。高温開始型の重合触媒としては、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2、2−t−ブチル
パーオキシブタン等の半減期10時間を得るための温度
が100〜115℃のものが特に好ましい。ただし、こ
れらを必要以上に用いるとt−ブタノール等分解副生成
物を含有することになるため、重合触媒の種類によって
異なるが、使用量の上限は、0.5重量%であることが
好ましい。樹脂粒子の分子量は、GPC法による重量平
均分子量で20万〜40万であるのが好ましい。20万
を下回ると、発泡樹脂成形体の強度が低下する場合があ
り、40万を上回ると、十分な発泡性を得ることが難し
いので好ましくない。
【0013】上記の樹脂粒子に発泡剤としての炭酸ガス
を含浸させて発泡性粒子を得る。発泡剤としての炭酸ガ
スは、炭酸ガス100%でもよいが、本発明の効果を阻
害しない範囲で、他の発泡剤を加えてもよい。他の発泡
剤としては、空気、窒素等の無機発泡剤、プロパン、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭
化水素、フッ化炭化水素等の有機発泡剤を混合すること
もできる。フッ化炭化水素としては、オゾン破壊係数が
ゼロであるジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等
を使用することが好ましい。ここで、有機発泡剤は、発
泡剤の全体量の20重量%を超えない範囲で使用するこ
とが好ましい。発泡性粒子中の炭酸ガスの含有割合は、
1〜15重量%が好ましい。
【0014】樹脂粒子中に炭酸ガスを含浸させるには、
例えば、耐圧密閉容器に樹脂粒子を入れた後、炭酸ガス
を圧入して、樹脂粒子を加圧された炭酸ガスと接触させ
ることによって行うことができる。含浸温度は、樹脂粒
子どうしが互いに合着して団塊化しない温度まで高くし
てもよいが、通常0〜40℃である。樹脂粒子に炭酸ガ
スを含浸させるときの圧力は、10kg/cm2G以上
であることが好ましく、より好ましくは15〜40kg
/cm2Gである。含浸時間は、樹脂粒子が前記の炭酸
ガス含有量となるように適宜調整することができ、1〜
20時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。
【0015】樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させるに際し、
樹脂粒子の表面には各種の表面処理剤を塗布しておくこ
とが好ましい。そのような表面処理剤としては、例えば
加熱発泡時の予備発泡粒子の結合を防止する結合防止
剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤等が挙げ
られる。結合防止剤としては、例えばタルク、炭酸カル
シウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウ
ム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カル
シウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。
【0016】融着促進剤としては、例えばステアリン
酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリ
ン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステ
ル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。帯電防止剤
としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられ
る。展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコ
ール、シリコンオイル等が挙げられる。
【0017】また、他の添加剤として、樹脂粒子中には
所望によりヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ
シクロオクタン等の難燃剤、メタクリル酸エステル系共
重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリ
エチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
気泡調整剤等を予め含有させておいてもよい。上記結合
防止剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤及び
他の添加剤は、単独もしくは2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0018】また、上記した樹脂粒子には、難燃剤を含
有していることが好ましい。難燃剤を含有した樹脂粒子
を得る方法としては、例えば、樹脂粒子と水との懸濁液
中、水中に溶解又は懸濁した難燃剤の融点以上の温度雰
囲気下で樹脂粒子中に難燃剤を含有させる方法、あるい
は押し出しブレンドにより樹脂粒子中に難燃剤を含有さ
せる方法等が挙げられる。この時に使用できる難燃剤と
しては、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシ
クロオクタン等が挙げられる。難燃剤含有量としては樹
脂粒子全体に対して0.1〜4重量%であることが好ま
しく、0.5〜3.0重量%であるのが特に好ましい。
難燃剤含有量が0.1重量%を下回ると、充分な難燃効
果を得ることが困難となるので好ましくない。また、難
燃剤含有量が4重量%を上回ると予備発泡粒子同士が合
着する傾向が強くなるので好ましくない。
【0019】予備発泡粒子は、以下のようにして製造さ
れる。上記したように、スチレン系樹脂粒子に炭酸ガス
を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子とし、次工程
で、蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備発泡機内
に、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸気投入
ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2Gの投入
圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含む雰囲
気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸気の投
入圧力より0.05〜1.0kg/cm2G低く維持し
ながら予備発泡させてスチレン系樹脂予備発泡粒子を得
る方法である。この方法において、炭酸ガスを含浸させ
る工程に次いで、直ちに予備発泡を行うことが好まし
い。
【0020】この方法、すなわち本発明によるスチレン
系樹脂予備発泡粒子を製造するのに使用できる予備発泡
機の一例を、図1により説明する。図中、100は予備
発泡機、102は撹拌モーター、103は撹拌翼、10
4は邪魔棒、105は発泡槽上面検出器、106は発泡
性粒子輸送器、107は発泡性粒子計量槽、108は発
泡性粒子投入器、109は蒸気吹込制御弁、110は蒸
気チャンバー、111は凝縮水排出弁、112は排気制
御弁、113は予備発泡粒子排出口、114は予備発泡
粒子一時受器、115は空気輸送設備、116は内圧検
出・制御装置、117は蒸気吹込孔、118は蒸気投入
圧力計、119は減圧弁、120は蒸気元圧力計を意味
する。
【0021】詳細には、一定量の蒸気が常に予備発泡機
100内に供給されるように排気制御弁112等で予備
発泡機100内の圧力(内圧検出・制御装置116で圧
力検出)が常に供給圧力を下回るように制御を行う。例
えば、蒸気の投入圧力を1.2kg/cm2G(蒸気投
入圧力計118で検出)、予備発泡機内の圧力を0.8
kg/cm2Gに設定した場合、予備発泡機1内の圧力
を内圧検出・制御装置116にて検出し、制御信号が排
気制御弁112へ送られ、排気ラインから0.4kg/
cm2G圧分の圧力を抜きながら圧力の制御を行うこと
となる。このように、予備発泡機100内圧力と排気制
御弁112とをリンクさせて制御することにより、予備
発泡機100内圧力の調整することができる。
【0022】投入圧力と予備発泡機内圧力との差が、
0.05kg/cm2G未満であると低密度の予備発泡
粒子が得られ難いばかりか、発泡樹脂成形体の外観、内
部融着が悪く、非常に商品価値の低いものになってしま
う。また、1.0kg/cm2Gを超えると予備発泡時
の結合が増加するばかりか、表面光沢度が低く、発泡体
表面の凹凸も大きくなり好ましくない。より好ましい圧
力差は、0.2〜0.7kg/cm2Gである。
【0023】予備発泡粒子の粒径は、0.3〜10mm
程度が好ましく、また、予備発泡粒子の嵩密度は、0.
015〜0.5g/cm3程度が好ましい。そして、予
備発泡機内の発泡性樹脂粒子は、通常110〜160℃
程度に加熱されることが好ましく、より好ましい加熱温
度は110〜130℃である。加熱温度が110℃を下
回ると、嵩密度0.5g/cm3以下の予備発泡粒子は
得られ難いので好ましくない。また、加熱温度が160
℃を上回ると予備発泡粒子同士が合着する傾向が強くな
るので好ましくない。
【0024】上記の予備発泡粒子を発泡成形することで
得られるスチレン系樹脂発泡成形体は、長期にわたる寸
法安定性に優れている。実施例にも記載したとおり、7
0℃で600時間加熱したときの寸法安定性(加熱前と
加熱後の寸法変化率)を±0.4%以下にすることがで
きる。また、揮発性有機化合物の含有量を1000pp
m以下のものとすることができる。
【0025】発泡成形法としては、特に限定されず、公
知の方法をいずれも使用することができる。例えば、予
備発泡粒子を成形用型内に充填し、蒸気により加熱す
る。蒸気との接触によって予備発泡粒子が加熱される
と、予備発泡粒子は膨張するが、成形用型によって発泡
できる空間が限定されているので、互いに密着すると共
に融着一体化して所望の発泡樹脂成形体を得ることがで
きる。発泡樹脂成形体の密度は、0.015〜0.5g
/cm3程度が好ましく、特に、0.02〜0.2g/
cm3程度が好ましい。
【0026】本発明の通い箱は、このようにして得た発
泡樹脂成形体の表面の全部もしくはその一部に塗装を施
すか、フィルムやシートを表皮層として接着積層するこ
とによって製造される。塗装を施す場合には、好ましく
は樹脂塗装を施す。樹脂塗装は、水性塗料を使用したも
の、溶剤塗料を使用したもの等をいずれも使用すること
ができるが、屋外に使用する機会が多い場合には、溶剤
塗料を使用したものが好ましい。溶剤塗料として、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコ
ン系樹脂等を使用することが好ましく、スチレン系の発
泡体に溶剤塗装する場合、アルコール、シクロヘキサン
等の溶剤に希釈して使用する。その際、十分に希釈でき
ない場合には、基体部であるスチレン系樹脂発泡成形体
を侵さない量のキシレン、トルエン、ベンゼン等を添加
する。塗装方法は、スプレー、エアーガン、刷毛塗り等
の方法で塗装すればよい。また、溶剤塗料を使用した塗
装を施す場合には、塗装する発泡樹脂成形体の部分に下
地処理を施すことが好ましい。
【0027】フィルムやシートを表皮材として積層する
場合に、当該表皮層を形成する材料に特に制限はなく、
従来この種の通い箱において表皮層として用いられてい
る材料を任意に用いればよい。好ましくは、樹脂材料で
あり、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、硬質塩
化ビニル等があり、特に、ポリスチレン系樹脂材料を用
いる場合には、基体部と同素材であることから、廃棄時
やリサイクル時等での処理が容易となる利点がある。
【0028】表皮層の厚さにも特に制限はなく、軽量性
のメリットを阻害しない範囲のものであればよい。好ま
しくは、0.2〜3mm程度である。樹脂材料の場合に
は、表面保護性や強度の面から、非発泡フィルムやシー
トが好適に用いられるが、低倍発泡率のシートであって
も差し支えない。接着積層方法として、フィルムやシー
トである表皮層材に予め接着剤をコーティングし加圧接
着する方法と、接着剤を使用せず、熱で表皮層材と基体
部(スチレン系樹脂発泡成形体)を接着する方法があ
る。表皮層材がポリスチレン系樹脂の場合には熱接着が
容易である。
【0029】熱接着方法は、例えば、特開平1−101
141号公報に記載されるような方法、すなわち、雄型
のキャビティ面に沿う形に予め成形した内面側表皮フィ
ルムを装着した後、型締めを行い、ポリスチレン系樹脂
予備発泡粒子の充填と該粒子の加熱発泡処理を行って、
内面側に内面側表皮フィルムやシートを熱接着積層した
中間製品を形成し、次ぎに、該中間成形品の露出する外
側面に外側表皮フィルムやシートを被着して再度型締め
を行い、キャビティ内で中間成形品と後から被着した外
面表皮フィルムやシートとを加熱接着することにより、
発泡層の全表面に表皮フィルムやシートを表皮層として
被着した表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法を採用
することもできる。予めフィルムやシートの種類に応じ
て適宜選んだ接着剤をコーティングした表皮層材を用
い、上記の方法により接着積層することも可能である。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例に基づき
詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるこ
とはない。なお、以下に示す実施例及び比較例におい
て、寸法変化率及び揮発性有機化合物の含有量の評価は
以下のようにして行った。 <寸法変化率>発泡成形用型から取り出した発泡樹脂成
形体2(実際には、図2に示す形状の蓋1Aと容器本体
1Bとからなる通い箱1の容器本体1Bの基体部として
の発泡樹脂成形品であり、高さh:240mm,長手方
向の外側長さa:400mm,短手方向の外側長さb:
330mm、側壁と底面の肉厚c:25mm)を、温度
23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室(JIS−K71
00の標準温湿度状態)に24時間放置した後、JIS
−K6767に従う試験サンプルとした。
【0031】この試験サンプルを70℃に保った熱風循
環式乾燥機の中に水平に置き、600時間加熱した後に
取り出し、再び恒温恒湿室に1時間放置した。加熱試験
前後における寸法測定はJIS−K6767に準拠して
実施し、寸法変化率Pは試験サンプルの長手方向の外側
長さaの変化率で測定した。 寸法変化率P(%)=(a2−a1)×100/a1 (ただし、a1は、型内成形後に23℃、相対湿度50
%で24時間放置された試験サンプルの外側長さaの寸
法、a2は該試験サンプルを70℃で600時間加熱し
た後の試験サンプルの外側長さaの寸法である)。
【0032】<揮発性有機化合物の含有量>試験サンプ
ルを50℃の恒温室で7日間乾燥させた後、以下に示す
三種類の測定法によって得られた値を合計して求めた。
【0033】a.(炭素数5以下の炭化水素の測定) 乾燥後の試験サンプルを150℃の熱分解炉に入れ、揮
発した炭化水素をガスクロマトグラフィーにて測定し
た。 ガスクロマトグラフィー(GC):島津製作所社製 G
C−14B 熱分解炉:島津製作所社製 PYR−1A カラム:ポラパックQ 80/100(3mmφ×1.
5m) カラム温度:100℃ 検出器(FID)温度:120℃
【0034】b.(炭素数6以上の炭化水素であって、
ガスクロマトグラムに現われるスチレンのピークまでの
炭化水素の測定) 乾燥後の試験サンプルをジメチルホルムアミドに溶解
し、内部標準液(シクロペンタノール)を加えてGCに
より測定した。ただし、特定できないピークについては
トルエンの検出量に換算して定量した。 GC:島津製作所社製 GC−14A カラム:PEG−20M PT25% 60/80
(2.5m) カラム温度:105℃ 検出器(FID)温度:220℃
【0035】c.(ガスクロマトグラムに現われるスチ
レンの次のピークから炭素数16(n−ヘキサデカン)
までの炭化水素の測定) 乾燥後の試験サンプルをクロロホルムに溶解し、ガスク
ロマトグラフ質量分析計(GCMS)にて測定した。た
だし、試験サンプルを溶解しない溶剤のみの空試験を行
い、空試験の検出物質量を差し引いた。更に、特定でき
ないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量
した。 GCMS:島津製作所社製 QP5000 カラム:J&W Scientific社製 DB−1
(1μm×60m 0.25mmφ) 測定条件:カラム温度(60℃で1分保持した後、10
℃/分で300℃まで昇温) スプリット比:10 キャリヤガス:He(1ml/min) インターフェイス温度:260℃
【0036】[実施例1]100リットルの反応器に、純
水40kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.3
g、ピロリン酸マグネシウム64gを入れ水性媒体とし
た。次にベンゾイルパーオキサイド(純度75%)17
5g、t−ブチルパーオキシベンゾエート33g及びポ
リエチレンワックス(分子量1000)22gを溶解し
たスチレン44kgを撹拌しながら加えて懸濁させ、9
0℃に昇温して重合を開始した。比重法で測定した重合
転化率が95重量%まで進行した時点で、反応器を12
4℃に昇温して2.5時間保持した後、常温まで冷却し
て、スチレン樹脂粒子を取り出した。ここで得られたス
チレン樹脂粒子中の残留スチレンをガスクロマトグラフ
で測定したところ、422ppmであり、また、GPC
法で測定した重量平均分子量は255000であった。
【0037】スチレン樹脂粒子のうち、粒径0.7〜
1.0mmのもの15kgを、内容量が30リットルの
回転式耐圧容器に入れた後、展着剤としてポリエチレン
グリコール300を7.5g、グリセリンモノステアリ
ン酸エステルを7.5g、結合防止剤として炭酸カルシ
ウム30gを添加して容器を回転させ、樹脂粒子の表面
に付着させた。次いで回転を停止してから容器内に炭酸
ガスを圧入して、25℃、30kg/cm2Gに6時間
保って樹脂粒子内に炭酸ガスを含浸させ、発泡性スチレ
ン樹脂粒子を得た。
【0038】こうして得られた発泡性スチレン樹脂粒子
を耐圧容器から取り出し、次工程で撹拌機付き発泡機内
に投入した後、投入圧力が1.2kg/cm2Gの蒸気
を発泡機缶内に導入した。この時の発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように、排気制御弁の開度
を電気信号でコントロールしながら、排気ラインを使っ
て余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡機内圧
力との差は0.4kg/cm2G)。このように、蒸気
を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡させてスチ
レン樹脂予備発泡粒子とした。この予備発泡粒子の粒径
は2.3〜4.0mmであった。
【0039】予備発泡してから6時間後、型締め後のキ
ャビティ形状が、図2で示す発泡樹脂成形体(容器本体
1B)の形状に設計された発泡成形用型内に、予備発泡
粒子を充填し蒸気で加熱して、図2に示す形状のスチレ
ン系樹脂発泡成形体(容器本体1B)を得た。密度は
0.020g/cm3であった。
【0040】得られた発泡樹脂成形体のうち、1つはそ
のまま上記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性
有機化合物の含有量を評価した。結果を表1に示す。ま
た、もう一つの発泡樹脂成形体には、水性塗料(カンペ
ハビオ社製、型番7031Aの水性スプレーガン)で成
形体の外面を塗装し、上記した評価方法により、寸法変
化率及び揮発性有機化合物の含有量を、また、外観の状
況を目視により評価した。結果を表2に示す。
【0041】[実施例2]発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧
容器から取り出して直ちに、投入圧力が1.5kg/c
2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力が
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は0.7g/cm2G)調整したこと以外
は、実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡樹脂成
形体を得た。
【0042】得られた発泡樹脂成形体のうち、1つはそ
のまま上記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性
有機化合物の含有量を評価した。結果を表1に示す。ま
た、もう一つの発泡樹脂成形体には、水性塗料(カンペ
ハビオ社製、型番7031Aの水性スプレーガン)で成
形体の外面を塗装し、上記した評価方法により、寸法変
化率及び揮発性有機化合物の含有量を、また、外観の状
況を目視により評価した。結果を表2に示す。なお、予
備発泡粒子の粒径は2.2〜4.0mmであり、発泡樹
脂成形体の密度は0.025g/cm3であった。
【0043】[実施例3]発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧
容器から取り出して直ちに、投入圧力が1.3kg/c
2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力が
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は0.5g/cm2G)調整したこと以外
は、実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡樹脂成
形体を得た。なお、予備発泡粒子の粒径は2.3〜4.
0mmであり、発泡樹脂成形体の密度は0.020g/
cm3であった。得られた発泡樹脂成形体について、上
記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性有機化合
物の含有量を評価した。結果を表1に示す。
【0044】また、発泡樹脂成形体に表皮層を接着積層
した表皮付き発泡樹脂成形体を評価するために、得られ
た成形品の露出する外側面に、予め成形したハイインパ
クトポリスチレンシートを被着して再度型締めを行い、
キャビティ内で成形品と後から被着したシートとを加熱
接着することにより、発泡層の外面に表皮シートを被着
した表皮付きの発泡樹脂成形体を得た。得られた表皮付
きの発泡樹脂成形体について、上記した評価方法によ
り、寸法変化率及び揮発性有機化合物の含有量を、ま
た、外観の状況を目視により評価した。結果を表2に示
す。
【0045】[比較例1]発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧
容器から取り出して直ちに、投入圧力が0.8kg/c
2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は0kg/cm2G)調整したこと以外
は、実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡樹脂成
形体を得た。なお、得られた予備発泡粒子の粒径は1.
8〜2.8mmであり、発泡樹脂成形体の密度は0.0
50g/cm3であった。
【0046】得られた発泡樹脂成形体のうち、1つはそ
のまま上記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性
有機化合物の含有量を評価した。結果を表1に示す。ま
た、もう一つの発泡樹脂成形体には、水性塗料(カンペ
ハビオ社製、型番7031Aの水性スプレーガン)で成
形体の外面を塗装し、上記した評価方法により、寸法変
化率及び揮発性有機化合物の含有量を、また、外観の状
況を目視により評価した。結果を表2に示す。
【0047】[比較例2]発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧
容器から取り出して直ちに、投入圧力が2.0kg/c
2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は1.2kg/cm2G)調整したこと以
外は、実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡樹脂
成形体を得た。なお、予備発泡粒子の粒径は2.2〜
3.6mmであり、発泡樹脂成形体の密度は0.025
g/cm3であった。得られた発泡樹脂成形体の寸法変
化率及び揮発性有機化合物の含有量の評価を表1に示
す。
【0048】また、得られた成形品の露出する外側面
に、予め成形したハイインパクトポリスチレンシートを
被着して再度型締めを行い、キャビティ内で成形品と後
から被着したシートとを加熱接着することにより、発泡
層の外面に表皮シートを被着した表皮付きの発泡樹脂成
形体を得た。得られた表皮付きの発泡樹脂成形体につい
て、上記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性有
機化合物の含有量を、また、外観の状況を目視により評
価した。結果を表2に示す。
【0049】[比較例3]内容積5リットルの撹拌機付き
耐圧容器に、実施例1で得られたスチレン樹脂粒子のう
ち、粒径0.7〜1.0mmのもの2.0kg、イオン
交換水2.2リットル、第三りん酸カルシウム6.0
g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2
gを入れて撹拌を開始した。次に90℃に昇温した後、
ブタン140gを圧入して5時間保持した。次いで、3
0℃まで冷却し、ブタン含有発泡性スチレン樹脂粒子を
得た。取り出した発泡性粒子を乾燥後、15℃の恒温室
で5日間熟成させた。そして、予備発泡時の結合防止剤
としてジンクステアレート、融着促進剤としてヒドロキ
システアリン酸トリグリセライドを粒子表面に被膜処理
した後、撹拌機付き発泡機内に投入した後、投入圧力が
0.5kg/cm2Gの蒸気を発泡機内に導入した。こ
の時の発泡機内の圧力は0.1kg/cm2Gになるよ
うに、排気制御弁の開度を電気信号でコントロールしな
がら、排気ラインを使って余分な圧力を外部に逃がした
(投入圧力と発泡機内圧力との差は0.4kg/cm2
G)。このように、蒸気を発泡機内に連続して導入しな
がら予備発泡させてブタン含有のスチレン樹脂予備発泡
粒子とした。この予備発泡粒子の粒径は2.3〜4.0
mmであった。予備発泡してから6時間後、実施例1で
用いたと同じ成形用型を使用して発泡成形し、密度0.
020g/cm3である実施例1と同じ形状の発泡樹脂
成形体を得た。得られた発泡樹脂成形体の寸法変化率及
び揮発性有機化合物の含有量の評価結果を表1に示す。
【0050】また、得られた成形品の露出する外側面
に、予め成形したハイインパクトポリスチレンシートを
被着して再度型締めを行い、キャビティ内で成形品と後
から被着したシートとを加熱接着することにより、発泡
層の外面に表皮シートを被着した表皮付きの発泡樹脂成
形体を得た。得られた表皮付きの発泡樹脂成形体につい
て、上記した評価方法により、寸法変化率及び揮発性有
機化合物の含有量を、また、外観の状況を目視により評
価した。結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】以上の結果から、スチレン系樹脂粒子に炭
酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子の
型内発泡成形品において、スチレン系樹脂予備発泡粒子
として、炭酸ガスを有する発泡性スチレン系樹脂粒子を
投入圧力と発泡機内圧力との差を調整して予備発泡粒子
としたものを用いて発泡成形することにより、長期にわ
たって寸法安定性が優れたスチレン系樹脂発泡成形体が
得られることがわかる。また、揮発性有機化合物の含有
量も極めて少ない。特に、70℃で600時間加熱した
ときの、その加熱前と加熱後における寸法変化率Pは、
−0.4%以下であり、スチレン系樹脂発泡成形体の表
面に施した塗装膜や接着したシートには、70℃で60
0時間加熱後であっても、外観上の変化が表れていない
ので、外観意匠性を長期間にわたって維持することがで
き、通い箱として使用するときに、その耐久性は向上す
る。
【0054】
【発明の効果】本発明による断熱性通い箱では、断熱層
に用いる発泡樹脂成形体(基体部)の寸法安定性が非常
に安定している。そのために、表面に塗装を施すか、又
はフィルムやシートを表皮層として積層した場合であっ
ても、繰り返し使用する際での塗装の剥げ落ちや表皮層
の剥がれを回避することができ、長期間にわたって美し
い外観意匠性を維持することが可能となる。それによ
り、通い箱の寿命が長くなる。また、残留揮発性有機化
合物の含有量もきわめて少量とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用できるチレン系樹脂予備発泡粒子
を製造するのに用いられる予備発泡機の概略説明図であ
る。
【図2】断熱性通い箱の一例を示す図。
【符号の説明】
1 断熱性通い箱 1A 断熱性通い箱の蓋 1B 断熱性通い箱の容器本体 1 断熱性通い箱 102 撹拌モーター 103 撹拌翼 104 邪魔棒 105 発泡槽上面検出器 106 発泡性粒子輸送器 107 発泡性粒子計量槽 108 発泡性粒子投入器 109 蒸気吹込制御弁 110 蒸気チャンバー 111 凝縮水排出弁 112 排気制御弁 113 予備発泡粒子排出口 114 予備発泡粒子一時受器 115 空気輸送設備 116 内圧検出・制御装置 117 蒸気吹込孔 118 蒸気投入圧力計 119 減圧弁 120 蒸気元圧力計 150 基板輸送容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 25/36 B65D 81/38 B 4F074 81/38 85/50 A 4F212 85/50 C08J 9/228 CET C08J 9/228 CET A47J 41/00 302 // A47J 41/00 302 C08L 25:06 C08L 25:06 B29C 67/22 Fターム(参考) 3E033 AA09 BA22 CA08 DD01 GA03 3E035 BA01 BD05 CA02 3E062 AA01 AB14 AC02 JA01 JA08 JB23 JD08 3E067 AA11 AB01 AC03 BA05A BB17A BB25A BB30A BC07A CA18 EA17 EB27 FA01 4B002 AA21 BA21 CA31 CA45 4F074 AA32 BA32 BA35 BA36 BA37 BA39 BA40 BA57 CA23 CA24 CA34 CA38 DA22 DA34 4F212 AA13 AB02 AE02 AG03 AG20 AH56 AR02 AR12 UA01 UB01 UB13 UB22 UL01 UN13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹
    脂発泡性粒子を発泡させたスチレン系樹脂予備発泡粒子
    を型内発泡成形して得た、70℃で600時間加熱した
    とき寸法変化率が±0.4%以内であるスチレン系樹脂
    発泡成形体の表面の全部又は一部に、塗装を施すか又は
    フィルムもしくはシートを表皮層として積層してなるこ
    とを特徴とする断熱性通い箱。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂発泡成形体の成形に用い
    たスチレン系樹脂予備発泡粒子が、スチレン系樹脂粒子
    に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子と
    し、次工程で蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備
    発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸
    気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2
    の投入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含
    む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸
    気の投入圧力より0.05〜1.0kg/cm2G低く
    維持しながら予備発泡させて得たスチレン系樹脂予備発
    泡粒子であることを特徴とする請求項1記載の断熱性通
    い箱。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104441384A (zh) * 2014-11-04 2015-03-25 上海飞利环球汽车零部件有限公司 发泡箱自动套袋装置
JP2016055886A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 デンカ株式会社 スチレン系二軸延伸シ−トを用いた嵌合容器
JP2016515956A (ja) * 2013-03-12 2016-06-02 クラルマン クンストシュトッフフェアアルバイトゥング ゲーエムベーハー 粒子発泡体構造部材及びその製造方法

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