JP2003211478A - 部品用トレー - Google Patents

部品用トレー

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JP2003211478A
JP2003211478A JP2002007650A JP2002007650A JP2003211478A JP 2003211478 A JP2003211478 A JP 2003211478A JP 2002007650 A JP2002007650 A JP 2002007650A JP 2002007650 A JP2002007650 A JP 2002007650A JP 2003211478 A JP2003211478 A JP 2003211478A
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Japan
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styrene
particles
resin particles
steam
tray
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Application number
JP2002007650A
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English (en)
Inventor
Shinji Takakura
伸治 高倉
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって寸法が非常に安定している部
品用トレーを得る。 【解決手段】 スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸さ
せて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡して部
品用トレーとしての発泡成形品を得る。該発泡成形品を
50℃で100日間加熱したとき、その加熱前と加熱後
における寸法変化率を±0.1%以内のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部品用トレー、特
に、産業用ロボットが使用される組み立てライン等にお
いて、当該ロボットが処理する部品を多数個の収容する
のに適した部品用トレー(通い箱)に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットが使用される組み立てラ
インにおいて、ロボットがピックアップする部品の位置
決めにはきわめて高い精度が要求される。部品の位置が
所定の位置より少しでもずれると、産業用ロボットはこ
の位置ずれに対応できず、所望のピックアップ操作を行
えなくなり、この結果、生産ラインの停止や組み立て不
良等が発生する。組み立てラインにおいて多数個の部品
を収容する部品用トレー(通い箱)が用いられるが、上
記のような高い位置決め精度を確保するために、部品用
トレーには高い寸法安定性が求められる。
【0003】一方、軽量であり取り扱いが容易なことか
ら、スチレン系樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形品が種
々のトレーとして用いられている。ブタンやペンタン等
の揮発性物質を発泡剤として含んだ発泡性スチレン系樹
脂粒子を、蒸気等により軟化点以上に加熱すると、独立
気泡を有する粒子状の予備発泡粒子が得られ、この予備
発泡粒子を成形型内に充填して蒸気等で加熱すると、こ
れらの予備発泡粒子が膨張し粒子間の隙間を埋めながら
互いに融着して所定の形状を有する発泡成形体、例え
ば、トレーとなる。しかし、ブタンやペンタン等を含ん
だ発泡性スチレン系樹脂粒子からなるスチレン系樹脂発
泡成形品では、長期間使用すると温度環境等の変化に応
じて寸法が変化することが知られており、高い寸法安定
性を満足することができない。
【0004】高い寸法安定性が要求される産業用ロボッ
ト用トレー等として好適なスチレン系樹脂発泡成形品と
して、特開2001−279012号には、嵩比重が
0.4〜0.05のスチレン系樹脂発泡体よりなる発泡
成形品であって、該成形品に残存している発泡剤の量が
該発泡成形品の重量に基づき3重量%以下とすること
で、その寸法変化率を改良できることが記載されてい
る。しかしながら、ここにおいて、好ましい発泡剤とし
てペンタン又はブタンが用いられているため、50℃の
オーブン中に100日間放置したときの寸法変化率は実
施例1でも−0.2%程度であって、−0.1%以下と
することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、発泡
剤としてブタンやペンタン等の揮発性物質を用いたもの
は、得られた発泡成形体中に発泡剤が多量に存在するた
め、長期間放置したときの寸法変化率が大きく、従来法
による通常の型内発泡成形品において、例えば、50℃
のオーブン中に100日間放置(室温で3年間放置と等
価)したときの、その加熱前と加熱後における寸法変化
率を±0.1%以下とすることはきわめて困難である。
【0006】一方、発泡剤に炭酸ガスを用いたスチレン
系樹脂予備発泡粒子が提案されている(特開平4−35
1646号公報参照)。この種の予備発泡粒子を通常の
方法により型内発泡させた成形品は、発泡剤に炭酸ガス
を用いていることから残留ガス量は少なく、50℃程度
の高温下に長時間放置したときの寸法変化率を±0.5
%程度に抑えることができる。しかし、本発明者らの実
験では、上記したような高い寸法安定性が要求される産
業用ロボット用トレーとしては、±0.5%程度の寸法
変化率ではまだ不十分であり、±0.1%以内のものと
することがロボット使用の組み立てラインでは求められ
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
要請に応えるべくなされたものであり、本発明による部
品用トレーは、収容部品を位置決めするための突起や凹
所を複数備える部品用トレーであって、スチレン系樹脂
粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発
泡粒子の型内発泡成形品であり、かつ、50℃で100
日間加熱したとき、その加熱前と加熱後における寸法変
化率が±0.1%以内であることを特徴とする。本発明
において、「収容部品を位置決めするための突起や凹
所」は、収容すべき物品を不動の姿勢でトレー内に支持
しておくためのものであり、収容すべき物品の形状や収
容すべき数に応じて、その形状や個数が適宜定められ
る。
【0008】本発明において、条件を「50℃で100
日間加熱」としたのは、産業用ロボットが使用されるよ
うな組み立てラインの温度環境は、通常、室温であるこ
と、そして、この種の部品用トレーの使用期間として長
いものでは3年程度であり、50℃で100日間放置し
たときの寸法変化率が室温で3年間放置したときのもの
とほぼ等価であるからである。また、上記寸法変化率を
±0.1%以内としたのは、この条件を満足する部品用
トレーは、産業用ロボットが使用される組み立てライン
において、前述した長時間にわたる産業用ロボットの正
常運転が可能となり、生産ラインの停止や組み立て不良
等が発生するのを効果的に阻止できるからである。
【0009】本発明において、部品用トレーの成形に用
いるスチレン系樹脂予備発泡粒子は、スチレン系樹脂粒
子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子と
し、次工程で蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備
発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸
気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2
の投入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含
む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸
気の投入圧力より0.05〜1.0kg/cm 2G低く
維持しながら予備発泡させて得られたスチレン系樹脂予
備発泡粒子であることが好ましい。
【0010】上記の発泡性スチレン系樹脂粒子(以内、
「発泡性粒子」という)を構成するスチレン系樹脂粒子
(以内、「樹脂粒子」という)としては、一般に知られ
ているスチレン系樹脂の粒状物を使用することができ
る。具体的には、このような樹脂粒子としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブ
チルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン(2
官能性単量体)等のスチレン系単量体の単独重合粒子又
はこれら単量体を2種以上組み合わせた共重合体粒子、
メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレ
ート等のアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、ある
いはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフ
マレート、アルキレングリコールジメタクリレート(2
官能性単量体)等のスチレン系単量体以外の単量体との
共重合体粒子等が挙げられる。更に、これらスチレン系
樹脂粒子中のスチレン成分が50重量%を超える範囲内
でスチレン系樹脂以外の樹脂と押出しブレンドして得ら
れた樹脂粒子であってもよい。スチレン系樹脂以外の樹
脂としては、ポリフェニルエーテル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ゴム成分等が挙げられる。特にスチレン系
樹脂粒子としては、ポリスチレン樹脂粒子が好ましい。
樹脂粒子の粒径は、適宜選択でき、例えば、0.2〜5
mmの粒径のものを使用することができる。
【0011】樹脂粒子は、残留スチレン系単量体の量が
できるだけ少ないことが好ましく、樹脂粒子中、0〜5
00ppmであることが特に好ましい。残留スチレン系
単量体の含有量が500ppmを越えた樹脂粒子に炭酸
ガスを含浸させて発泡ならびに成形を行うと、得られた
成形品中の残留スチレン系単量体を含む揮発性有機化合
物の含有量が多くなる恐れがある。加えて、残留スチレ
ン系単量体の含有量が多いと、発泡成形体の表面に融け
が発生して外観が著しく劣ったものが得られやすく、寸
法変化率も大きくなりやすいので好ましくない。
【0012】樹脂粒子中の残留スチレン系単量体を低減
するには、例えば懸濁重合においては、スチレン系単量
体に対して0.05重量%以上の高温開始型の重合触媒
を用い、最終の重合温度を115℃以上とするのが好ま
しい。高温開始型の重合触媒としては、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2、2−t−ブチル
パーオキシブタン等の半減期10時間を得るための温度
が100〜115℃のものが特に好ましい。ただし、こ
れらを必要以上に用いるとt−ブタノール等分解副生成
物を含有することになるため、重合触媒の種類によって
異なるが、使用量の上限は、0.5重量%であることが
好ましい。
【0013】樹脂粒子の分子量は、GPC法による重量
平均分子量で20万〜40万であるのが好ましい。20
万を下回ると、発泡成形体の強度が低下する場合があ
り、40万を上回ると、十分な発泡性を得ることが難し
いので好ましくない。上記の樹脂粒子に発泡剤としての
炭酸ガスを含浸させて発泡性粒子を得る。発泡剤として
の炭酸ガスは、炭酸ガス100%でもよいが、本発明の
効果を阻害しない範囲で、他の発泡剤を加えてもよい。
他の発泡剤としては、空気、窒素等の無機発泡剤、プロ
パン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の脂環族炭化水素、フッ化炭化水素等の有機発泡剤を混
合することもできる。フッ化炭化水素としては、オゾン
破壊係数がゼロであるジフルオロエタン、テトラフルオ
ロエタン等を使用することが好ましい。ここで、有機発
泡剤は、発泡剤の全体量の20重量%を超えない範囲で
使用することが好ましい。発泡性粒子中の炭酸ガスの含
有割合は、1〜15重量%が好ましい。
【0014】樹脂粒子中に炭酸ガスを含浸させるには、
例えば、耐圧密閉容器に樹脂粒子を入れた後、炭酸ガス
を圧入して、樹脂粒子を加圧された炭酸ガスと接触させ
ることによって行うことができる。含浸温度は、樹脂粒
子どうしが互いに合着して団塊化しない温度まで高くし
てもよいが、通常0〜40℃である。樹脂粒子に炭酸ガ
スを含浸させるときの圧力は、10kg/cm2G以上
であることが好ましく、より好ましくは15〜40kg
/cm2Gである。含浸時間は、樹脂粒子が前記の炭酸
ガス含有量となるように適宜調整することができ、1〜
20時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。
【0015】樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させるに際し、
樹脂粒子の表面には各種の表面処理剤を塗布しておくこ
とが好ましい。そのような表面処理剤としては、例えば
加熱発泡時の予備発泡粒子の結合を防止する結合防止
剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤等が挙げ
られる。
【0016】結合防止剤としては、例えばタルク、炭酸
カルシウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミ
ニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸
カルシウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。融着促
進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリ
グリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、
ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワック
ス等が挙げられる。帯電防止剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン
酸モノグリセリド等が挙げられる。展着剤としては、ポ
リブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等
が挙げられる。
【0017】また、他の添加剤として、樹脂粒子中には
所望によりヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ
シクロオクタン等の難燃剤、メタクリル酸エステル系共
重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリ
エチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
気泡調整剤等を予め含有させておいてもよい。上記結合
防止剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤及び
他の添加剤は、単独もしくは2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0018】上記のスチレン系樹脂予備発泡粒子(以
下、「予備発泡粒子」という)は、難燃剤を含有してい
ることが好ましい。難燃剤を含有した予備発泡粒子を得
る方法としては、例えば、樹脂粒子と水との懸濁液中、
水中に溶解又は懸濁した難燃剤の融点以上の温度雰囲気
下で樹脂粒子中に難燃剤を含有させる方法、あるいは押
出しブレンドにより樹脂粒子中に難燃剤を含有させる方
法等により難燃剤を含む樹脂粒子を得、これを用いて発
泡剤の含浸及び予備発泡する方法が挙げられる。この時
に使用できる難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデ
カン、テトラブロモシクロオクタン等が挙げられる。難
燃剤含有量としては樹脂粒子全体に対して0.1〜4重
量%であることが好ましく、0.5〜3.0重量%であ
るのが特に好ましい。難燃剤含有量が0.1重量%を下
回ると、充分な難燃効果を得ることが困難となるので好
ましくない。また、難燃剤含有量が4重量%を上回ると
予備発泡粒子同士が合着する傾向が強くなるので好まし
くない。予備発泡粒子の粒径は、0.3〜10mm程度
が好ましい。
【0019】上記予備発泡粒子は、以下のようにして製
造される。上記したように、スチレン系樹脂粒子に炭酸
ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子とし、次工
程で、蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備発泡機
内に、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸気投
入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2Gの投
入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含む雰
囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸気の
投入圧力より0.05〜1.0kg/cm2G低く維持
しながら予備発泡させてスチレン系樹脂予備発泡粒子を
得る方法である。この方法において、炭酸ガスを含浸さ
せる工程に次いで、直ちに予備発泡を行い、表面の炭酸
ガスを逸散させるような加圧及び/又は加熱を経ない方
が好ましい。
【0020】また、この方法は、蒸気が常に発泡機内に
供給されるように、排気制御弁等で予備発泡機内の圧力
が常に供給圧力を下回るように制御をする必要がある。
例えば蒸気の投入圧力を1.2kg/cm2G、予備発
泡機内の圧力を0.8kg/cm2Gに設定した場合、
排気ラインから0.4kg/cm2G圧分の圧力を抜き
ながら圧力の制御を行うこととなる。具体的には、発泡
機内圧力と排気制御弁とをリンクさせ、制御することに
より圧力の調整することができる。そして、この圧力の
調整により、予備発泡粒子の表面光沢度を調整すること
ができる。
【0021】投入圧力と発泡機内圧力との差が、0.0
5kg/cm2G未満であると低密度の予備発泡粒子が
得られ難いばかりか、発泡成形体の外観、内部融着が悪
く、非常に商品価値の低いものになってしまう。また、
1.0kg/cm2Gを超えると予備発泡時の結合が増
加するばかりか、表面光沢度が低く、発泡体表面の凹凸
も大きくなり好ましくない。より好ましい圧力差は、
0.1〜0.7kg/cm2Gである。
【0022】予備発泡粒子の嵩密度は、0.015〜
0.5g/cm3G程度が好ましい。そして、予備発泡
機内の発泡性樹脂粒子は、通常110〜160℃程度に
加熱されることが好ましく、より好ましい加熱温度は1
10〜130℃である。加熱温度が110℃を下回る
と、嵩密度0.5g/cm3以内の予備発泡粒子は得ら
れ難いので好ましくない。また、加熱温度が160℃を
上回ると予備発泡粒子同士が合着する傾向が強くなるの
で好ましくない。
【0023】上記のようなチレン系樹脂予備発泡粒子を
製造するのに使用できる予備発泡機の一例を図1に示
す。図中、2は撹拌モーター、3は撹拌翼、4は邪魔
棒、5は発泡槽上面検出器、6は発泡性粒子輸送器、7
は発泡性粒子計量槽、8は発泡性粒子投入器、9は蒸気
吹込制御弁、10は蒸気チャンバー、11は凝縮水排出
弁、12は排気制御弁、13は予備発泡粒子排出口、1
4は予備発泡粒子一時受器、15は空気輸送設備、16
は内圧検出・制御装置、17は蒸気吹込孔、18は蒸気
投入圧力計、19は減圧弁、20は蒸気元圧力計を意味
する。
【0024】上記の予備発泡粒子を発泡成形することで
得られるスチレン系樹脂発泡成形体(すなわち、本発明
による部品用トレー)は、長期にわたって寸法が非常に
安定している。実施例にも記載したとおり、50℃で、
100日間加熱(室温で3年間放置と等価)したときの
寸法安定性(加熱前と加熱後の寸法変化率)を±0.1
%以内にすることができる。また、揮発性有機化合物の
含有量を1000ppm以内と、極めて少なくすること
ができる。
【0025】発泡成形法としては、特に限定されず、公
知の方法をいずれも使用することができる。例えば、予
備発泡粒子を成形用金型に充填し、金型内へ蒸気を吹き
込んで予備発泡粒子を加熱する。蒸気との接触によって
予備発泡粒子が加熱されると、予備発泡粒子は膨張する
が、成形用金型によって発泡できる空間が限定されてい
るので、互いに密着すると共に融着一体化して所望の発
泡成形体を得ることができる。発泡成形体(すなわち、
部品用トレー)の密度は、0.015〜0.5g/cm
3程度が好ましい。
【0026】
【実施例】以内、本発明を実施例及び比較例に基づき更
に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定される
ことはない。なお、実施例において、寸法変化率及び揮
発性有機化合物の含有量の評価は以下のようにして行っ
た。
【0027】<寸法変化率>発泡成形用型から取り出し
た発泡成形体50(実際には、図2に示すように、長さ
a:800mm×幅b:400m×厚さc:50mmの
有底容器)を、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿
室(JIS−K7100の標準温湿度状態)に24時間
放置した後、JIS−K6767に従う試験サンプルと
した。なお、図2において、51は収容部品を位置決め
するための凹所である。
【0028】この試験サンプルを50℃に保った熱風循
環式乾燥機の中に水平に置き、100日間加熱した後に
取り出し、再び恒温恒湿室に1時間放置した。加熱試験
前後における試験サンプルの寸法測定をJIS−K67
67に準拠して実施した。寸法変化率Pは次式により試
験サンプルの長さ寸法aの変化率で測定した。
【0029】 寸法変化率P(%)=(a2−a1)×100/a1 (ただし、a1は、型内成形後に23℃、相対湿度50
%で24時間放置された試験サンプルの寸法、a2は該
試験サンプルを50℃で100日間加熱した後の試験サ
ンプルの寸法である)。
【0030】<揮発性有機化合物の含有量>発泡成形用
型から取り出した発泡成形体を50℃の恒温室で7日間
乾燥させた後、以下に示す三種類の測定法によって得ら
れた値を合計して求めた。
【0031】a.(炭素数5以下の炭化水素の測定) 発泡成形体を150℃の熱分解炉に入れ、揮発した炭化
水素をガスクロマトグラフィーにて測定した。
【0032】ガスクロマトグラフィー(GC):島津製
作所社製 GC−14B 熱分解炉:島津製作所社製 PYR−1A カラム:ポラパックQ 80/100(3mmφ×1.
5m) カラム温度:100℃ 検出器(FID)温度:120℃
【0033】b.(炭素数6以上の炭化水素であって、
ガスクロマトグラムに現われるスチレンのピークまでの
炭化水素の測定) 発泡成形体をジメチルホルムアミドに溶解し、内部標準
液(シクロペンタノール)を加えてGCにより測定し
た。ただし、特定できないピークについてはトルエンの
検出量に換算して定量した。
【0034】GC:島津製作所社製 GC−14A カラム:PEG−20M PT25% 60/80
(2.5m) カラム温度:105℃ 検出器(FID)温度:220℃
【0035】c.(ガスクロマトグラムに現われるスチ
レンの次のピークから炭素数16(n−ヘキサデカン)
までの炭化水素の測定)発泡成形体をクロロホルムに溶
解し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)にて
測定した。ただし、試験サンプルを溶解しない溶剤のみ
の空試験を行い、空試験の検出物質量を差し引いた。更
に、特定できないピークについてはトルエンの検出量に
換算して定量した。
【0036】GCMS:島津製作所社製 QP5000 カラム:J&W Scientific社製 DB−1
(1μm×60m 0.25mmφ) 測定条件:カラム温度(60℃で1分保持した後、10
℃/分で300℃まで昇温) スプリット比:10 キャリヤガス:He(1ml/min) インターフェイス温度:260℃
【0037】[実施例1]100リットルの反応器に、
純水40kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.
4g、ピロリン酸マグネシウム68gを入れ水性媒体と
した。次にベンゾイルパーオキサイド(純度75%)1
74g、t−ブチルパーオキシベンゾエート32g及び
ポリエチレンワックス(分子量1000)22gを溶解
したスチレン44kgを撹拌しながら加えて懸濁させ、
90℃に昇温して重合を開始した。比重法で測定した重
合転化率が95重量%まで進行した時点で、反応器を1
22℃に昇温して2時間保持した後、常温まで冷却し
て、スチレン樹脂粒子を取り出した。ここで得られたス
チレン樹脂粒子中の残留スチレンをガスクロマトグラフ
で測定したところ、438ppmであり、また、GPC
法で測定した重量平均分子量は250000であった。
【0038】スチレン樹脂粒子のうち、粒径0.7〜
1.0mmのもの15kgを、内容量が30リットルの
回転式耐圧容器に入れた後、展着剤としてポリエチレン
グリコール300を7.5g、グリセリンモノステアリ
ン酸エステルを7.5g、結合防止剤として炭酸カルシ
ウム30gを添加して容器を回転させ、樹脂粒子の表面
に付着させた。次いで回転を停止してから容器内に炭酸
ガスを圧入して、25℃、30kg/cm2Gに6時間
保って樹脂粒子内に炭酸ガスを含浸させ、発泡性スチレ
ン樹脂粒子を得た。
【0039】こうして得られた発泡性スチレン樹脂粒子
を耐圧容器から取り出し、次工程で攪拌機付き発泡機内
に投入した後、投入圧力が1.2kg/cm2Gの蒸気
を発泡機缶内に導入した。この時の発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように、排気制御弁の開度
を電気信号でコントロールしながら、排気ラインを使っ
て余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡機内圧
力との差は0.4kg/cm2G)。このように、蒸気
を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡させてスチ
レン樹脂予備発泡粒子とした。この予備発泡粒子の粒径
は2.3〜4.0mmであった。
【0040】予備発泡してから6時間後、型締め後のキ
ャビティ形状が、図2で示すトレーの形状に設計された
発泡成形用型内に、予備発泡粒子を充填し蒸気で加熱し
て図2に示す形状の発泡成形体(トレー)を得た。密度
は0.020g/cm3であった。得られた発泡成形体
について、上記の評価方法により寸法変化率及び揮発性
有機化合物の含有量を評価した。得られた結果を表1に
示す。
【0041】[実施例2]発泡性スチレン樹脂粒子を耐
圧容器から取り出して直ちに、投入圧力が1.5kg/
cm2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力が
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は0.7kg/cm2G)調整したこと以
外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体
を得た。得られた発泡成形体の寸法変化率及び揮発性有
機化合物の含有量の評価を表1に示す。なお、予備発泡
粒子の粒径は2.3〜4.0mmで、発泡成形体の密度
は0.025g/cm3であった。
【0042】[比較例1]発泡性スチレン樹脂粒子を耐
圧容器から取り出して直ちに、投入圧力が2.0kg/
cm2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は1.2kg/cm2G)調整したこと以
外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体
を得た。得られた発泡成形体の寸法変化率及び揮発性有
機化合物の含有量の評価を表1に示す。なお、予備発泡
粒子の粒径は2.2〜3.6mmで、発泡成形体の密度
は0.025g/cm3であった。
【0043】[比較例2]発泡性スチレン樹脂粒子を耐
圧容器から取り出して直ちに、投入圧力が0.8kg/
cm2Gの蒸気を発泡機内に導入し、発泡機内の圧力は
0.8kg/cm2Gになるように(投入圧力と発泡機
内圧力との差は0kg/cm2G)調整したこと以外は
実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得
た。得られた発泡成形体の寸法変化率及び揮発性有機化
合物の含有量の評価結果を表1に示す。なお、得られた
予備発泡粒子の粒径は1.8〜2.8mmで、発泡成形
体の密度は0.050g/cm3であった。
【0044】[比較例3]内容積5リットルの攪拌機付
き耐圧容器に、実施例1で得られたスチレン樹脂粒子の
うち、粒径0.7〜1.0mmのもの2.0kg、イオ
ン交換水2.2リットル、第三りん酸カルシウム6.0
g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2
gを入れて攪拌を開始した。次に90℃に昇温した後、
ブタン140gを圧入して5時間保持した。次いで、3
0℃まで冷却し、発泡性スチレン樹脂粒子を得た。取り
出した粒子を乾燥後、15℃の恒温室で5日間熟成させ
た。そして、予備発泡時の結合防止剤としてジンクステ
アレート、融着促進剤としてヒドロキシステアリン酸ト
リグリセライドを粒子表面に被膜処理した後、攪拌機付
き発泡機内に投入した後、投入圧力が0.5kg/cm
2Gの蒸気を発泡機内に導入した。この時の発泡機内の
圧力は0.1kg/cm2Gになるように、排気制御弁
の開度を電気信号でコントロールしながら、排気ライン
を使って余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡
機内圧力との差は0.4kg/cm2G)。このよう
に、蒸気を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡さ
せてスチレン樹脂予備発泡粒子とした。この予備発泡粒
子の粒径は2.3〜4.0mmであった。
【0045】予備発泡してから6時間後、実施例1で用
いたと同じ成形用型を使用して発泡成形し、密度0.0
20g/cm3である実施例1と同じ形状の発泡成形体
を得た。得られた発泡成形体の寸法変化率及び揮発性有
機化合物の含有量の評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】以上の結果から、スチレン系樹脂粒子に炭
酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子の
型内発泡成形品において、スチレン系樹脂予備発泡粒子
として、炭酸ガスを有する発泡性スチレン系樹脂粒子を
投入圧力と発泡機内圧力との差を調整して予備発泡粒子
としたものを用いて発泡成形することにより、長期にわ
たって寸法安定性が優れたスチレン系樹脂成形体が得ら
れることがわかる。また、揮発性有機化合物の含有量も
極めて少なくすることができる。特に、50℃で100
日間加熱(室温で3年間放置と等価)したときの、その
加熱前と加熱後における寸法変化率Pは、±0.1%以
内であり、上記発泡成形品は、高い寸法安定性が要求さ
れている、例えば産業用ロボットが使用される組み立て
ライン等で用いる部品用トレーとしてきわめて有効であ
ることが示される。
【0048】
【発明の効果】本発明による部品用トレーは長期間にわ
たって寸法が非常に安定している。そのために、この部
品用トレーを用いることにより、組み立てライン等にお
いて、長時間にわたる産業用ロボットの正常運転が可能
となり、生産ラインの停止や組み立て不良等が発生する
のを効果的に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用できるチレン系樹脂予備発泡粒子
を製造するのに用いられる予備発泡機の概略説明図であ
る。
【図2】実施例及び比較例で用いた発泡成形体(部品用
トレー)を示す図。
【符号の説明】
2 撹拌モーター 3 撹拌翼 4 邪魔棒 5 発泡槽上面検出器 6 発泡性粒子輸送器 7 発泡性粒子計量槽 8 発泡性粒子投入器 9 蒸気吹込制御弁 10 蒸気チャンバー 11 凝縮水排出弁 12 排気制御弁 13 予備発泡粒子排出口 14 予備発泡粒子一時受器 15 空気輸送設備 16 内圧検出・制御装置 17 蒸気吹込孔 18 蒸気投入圧力計 19 減圧弁 20 蒸気元圧力計 50…部品用トレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 25:00 B29C 67/22 B29L 31:00 B65D 81/16 C08L 25:04 1/00 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収容部品を位置決めするための突起や凹
    所を複数備える部品用トレーであって、スチレン系樹脂
    粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発
    泡粒子の型内発泡成形品であり、かつ、50℃で100
    日間加熱したとき、その加熱前と加熱後における寸法変
    化率が±0.1%以内であることを特徴とする部品用ト
    レー。
  2. 【請求項2】 用いるスチレン系樹脂予備発泡粒子が、
    スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチ
    レン系樹脂粒子とし、次工程で蒸気投入ラインと排気ラ
    インを備えた予備発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂
    粒子を投入し、蒸気投入ラインから蒸気を0.5〜5.
    0kg/cm2Gの投入圧力で供給すると共に、排気ラ
    インから蒸気を含む雰囲気ガスを排気し、かつその間、
    発泡機内圧力を蒸気の投入圧力より0.05〜1.0k
    g/cm2G低く維持しながら予備発泡させて得られた
    スチレン系樹脂予備発泡粒子であることを特徴とする請
    求項1記載の部品用トレー。
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