JP3999150B2 - 断熱パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は断熱パネル、例えば、ユニットバスやシャワールーム等の天井パネルや壁パネル等のように、発泡成形体で作られた断熱材とその表面に接着一体化した表面材の2層構造をなす断熱パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡成形体製の断熱材とその表面に接着一体化した表面材との2層構造をなす断熱パネルは知られている。このような断熱材は、ユニットバスのような住宅機材とともに、一般的な建築材料である床パネル、天井パネル、壁パネル等の用途にも用いられる。さらに、航空、船舶、自動車等の断熱材を兼ねた内装材としても用いられる。断熱材としての合成樹脂発泡体には製造技術や製造コストの兼ね合いから、10〜100mm程度の厚みのスチレン系樹脂発泡成形体が用いられることが多い。また、表面材としては、耐水性や耐候性の観点から、塩化ビニル板、ポリエステル板、メラミン板などの合成樹脂板、それらに繊維材を補強材として混入した繊維強化合成樹脂板で、その厚みが1mm〜3mm程度のものが主に用いられている。
【0003】
一般的に使用されているスチレン系樹脂発泡成形体は、ブタンやペンタン等の有機化合物を発泡剤として含む発泡性スチレン系樹脂粒子を蒸気等により加熱して得た予備発泡粒子を型内発泡成形用型のキャビティ内に充填し、蒸気等で加熱して該予備発泡粒子を型内発泡成形することによって製造される。このような発泡成形体は、発泡剤にブタンやペンタン等を用いているため、経時的に寸法収縮することが避けられない。そのために、例えばスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材と表面材との2層構造の断熱パネルの場合、経日による2つの材料の収縮率の違いから比較的大きな反りが発生する。このような断熱パネルを例えばユニットバスやシャワー室の壁面材として用いた場合、断熱パネルは高温環境(本発明者らの実験では、断熱パネルの表面温度は40℃〜45℃程度、最大48℃程度まで上昇する)と常温環境(10℃程度)とに反復してさらされることから反りの発生は一層加速される。
【0004】
図4は、ユニットバスの壁面材の組み付け構造の一例を示している。10は壁面材としての断熱パネルであり、発泡成形体からなる断熱材11と表面材12との2層構造をなしている。断熱パネル10は鋼材13である取り付け材により背面側が支持されると共に、隣接する断熱パネル10、10の間の目地部にはシリンコ製のシーリング材14のような目地材が埋め込まれ、水密性を確保している。
【0005】
このような断熱パネル10は、発泡成形体からなる断熱材11の収縮により反り率が大きくなると、見栄えが悪いばかりでなく、反りによる引っ張りが断熱パネル間の目地部に作用することから、経時により目地部に挿入されているシリンコ製のシーリング材14にひび割れが入ったり、剥離が生じる。結果として、断熱パネル10、10の繋ぎ目から水蒸気や水が外部に流出し、周辺の鋼材13がさびる、あるいはカビが発生するなどの問題を生じる。パネル同士の接続金具15に破損が生じることも起こり得る。反りを抑えるために、表面材12として厚みの厚いまた剛性の高いものを用いることが考えられるが、コスト的に、また、スペース的に、現実的な解決策とはならない。
【0006】
断熱パネルは上記のようなユニットバスなどの壁面材ばかりでなく、一般的な建物の床パネル、天井パネル、壁パネルとしても用いられる。このような用途では、反り改善が求められるばかりでなく、住宅の高気密化に一因して問題化している室内空気汚染の対策として、揮発性有機化合物の発散量を低減化することも求められる。
【0007】
一方、ブタンやペンタン等の有機化合物に替えて、発泡剤に炭酸ガスを用いた発泡性スチレン系樹脂粒子が提案されている(特許文献1:特開平4−351646号公報参照)。これを加熱して得た予備発泡粒子を型内発泡させた成形品は、発泡剤に炭酸ガスを用いていることから残留ガス量は少なく、高温環境下にあっても、また経日的にも、寸法収縮率を0.8%程度に抑えることができる。しかし、本発明者らの実験では、前記したユニットバスなどの壁面パネルのように高温環境と常温環境とに反復してさらされる環境下におかれる断熱パネルでは、断熱材であるスチレン系樹脂発泡成形体の寸法収縮率が0.8%程度でもまだ不十分であり、スチレン系樹脂発泡成形体の収縮に起因して断熱パネルには無視できない大きさの反りが生じるのを観察した。また、建材としての断熱パネルには自己消火性が求められる。断熱材として発泡樹脂成形体を用いることから、やや難燃性に欠けるものとなりやすい。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、断熱材としてスチレン系樹脂発泡成形体を用い、その片面に表面材を積層一体化してなる断熱パネルにおいて、スチレン系樹脂発泡成形体として寸法収縮率の小さいものを用い、結果として高温環境と常温環境とに反復してさらされる環境下においても、断熱パネルの反り率をきわめて小さくし、壁パネル化して取り付けた後も、上記した課題を解決して長日数にわたり安定して維持することのできる断熱パネルを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、断熱材である発泡成形体に含まれる揮発性有機化合物の含有量を合計で1000ppm以下となるようし、それにより、環境にも優しい断熱パネルを提供することを目的とする。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、断熱材である発泡成形体に高い自己消化性を持たせることにより、建材としてきわめて安全性の高い断熱パネルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による断熱パネルは、スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得たスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材と表面材を接着剤を介して積層一体化した断熱パネルであって、前記断熱材はJISK6903で規定された呼び厚さ1.0mmの垂直面用メラミン板に接着一体化した状態で10℃−50℃のヒートサイクルを300回繰り返したときに生じる反り率がパネルの最大対角線長さに対して0.3%以下である断熱材であることを特徴とする。
【0012】
本発明において、反り率を測定時を「10℃−50℃のヒートサイクルを300回繰り返したとき」としたのは、断熱パネルの使用環境としてユニットバスやシャワー室の壁材としての使用は過酷な使用環境といえること、前記したようにユニットバスやシャワー室の壁材あるいは天井材は室温環境(10℃)と高温環境(50℃)の間のヒートサイクルにさらされること、および、経験上300回のヒートサイクルの繰り返しで実使用で生じうる最大の反り率にほぼ到達しうること、による。また、反り率を測定するときの表面材に相当する部材を「JISK6903で規定された呼び厚さ1.0mmの垂直面用メラミン板」としたのは、この種の断熱パネルの表面材として上記厚さのメラミン板が最も普通に用いられていることによる。そして、上記の条件での反り率が0.3%以下の条件を満足する断熱パネルは、高温環境と常温環境とに反復してさらされる環境下においても、当初の取り付け状態を長日数にわたり維持することができ、例えば、ユニットバスの壁面パネルとして使用する場合でも、目地部に挿入されているシーリング材にひび割れが入ったり、剥離が生じるようなことはなく、周辺の鋼材がさびる、あるいはカビが発生するなどの問題も効果的に回避することができる。
【0013】
なお、本発明において「反り率」は、サンプル中央部となる部分からの定盤表面からの距離(h)をサンプルの最大対角線の長さ(L)で除した値として定義される。
【0014】
本発明の断熱パネルにおいて反り率の大小は基本的に断熱材を構成するスチレン系樹脂発泡成形体の寸法収縮率の大小に依存する。上記の反り率条件を満足する寸法収縮率を持つスチレン系樹脂発泡成形体は、以下のようにして製造されるスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡することにより得ることができる。すなわち、最初に、スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子とし、次工程で蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2Gの投入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸気の投入圧力より0.05〜1.0kg/cm2G低く維持しながら予備発泡させて得られるスチレン系樹脂予備発泡粒子である。
【0015】
上記の発泡性スチレン系樹脂粒子(以下、「発泡性粒子」という)を構成するスチレン系樹脂粒子(以下、「樹脂粒子」という)としては、一般に知られているスチレン系樹脂の粒状物を使用することができる。具体的には、このような樹脂粒子としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン(2官能性単量体)などのスチレン系単量体の単独重合粒子又はこれら単量体を2種以上組み合わせた共重合体粒子、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、アルキレングリコールジメタクリレート(2官能性単量体)などのスチレン系単量体以外の単量体との共重合体粒子などが挙げられる。更に、これらスチレン系樹脂粒子中のスチレン成分が50重量%を超える範囲内でスチレン系樹脂以外の樹脂と押し出しブレンドして得られた樹脂粒子であってもよい。スチレン系樹脂以外の樹脂としては、ポリフェニルエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム成分などが挙げられる。特にスチレン系樹脂粒子としてはポリスチレン樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の粒径は、適宜選択でき、例えば、0.2〜5mmの粒径のものを使用することができる。
【0016】
前記したように、最近問題となっている室内空気汚染は揮発性有機化合物が係わっているとされているため、その含有量をできるだけ小さくすることが望まれている。この観点から、樹脂粒子は、残留スチレン系単量体の量ができるだけ少ないことが好ましく、樹脂粒子中に含まれるスチレン系単量体の量は0〜500ppmであることが好ましい。このような樹脂粒子を用いることにより、発泡成形体に含まれる揮発性有機化合物の量を1000ppm以下とすることが可能となる。
【0017】
樹脂粒子中の残留スチレン系単量体を低減するには、例えば懸濁重合においては、スチレン系単量体に対して0.05重量%以上の高温開始型の重合触媒を用い、最終の重合温度を115℃以上とするのが好ましい。高温開始型の重合触媒としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2、2−t−ブチルパーオキシブタンなどの半減期10時間を得るための温度が100〜115℃のものが特に好ましい。ただし、これらを必要以上に用いるとt−ブタノールなど分解副生成物を含有することになるため、重合触媒の種類によって異なるが、使用量の上限は、0.5重量%であることが好ましい。
【0018】
樹脂粒子の分子量は、GPC法による重量平均分子量で20万〜40万であるのが好ましい。20万を下回ると、発泡成形体の強度が低下する場合があり、40万を上回ると、十分な発泡性を得ることが難しいので好ましくない。
【0019】
上記の樹脂粒子に発泡剤としての炭酸ガスを含浸させて発泡性粒子を得る。発泡剤としての炭酸ガスは、炭酸ガス100%でもよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の発泡剤を加えてもよい。他の発泡剤としては、空気、窒素などの無機発泡剤、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、フッ化炭化水素などの有機発泡剤を混合することもできる。フッ化炭化水素としては、オゾン破壊係数がゼロであるジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどを使用することが好ましい。ここで、有機発泡剤は、発泡剤の全体量の20重量%を超えない範囲で使用することが好ましい。発泡性粒子中の炭酸ガスの含有割合は、1〜15重量%が好ましい。
【0020】
樹脂粒子中に炭酸ガスを含浸させるには、例えば、耐圧密閉容器に樹脂粒子を入れた後、炭酸ガスを圧入して、樹脂粒子を加圧された炭酸ガスと接触させることによって行うことができる。含浸温度は、樹脂粒子どうしが互いに合着して団塊化しない温度まで高くしてもよいが、通常0〜40℃である。樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させるときの圧力は、10kg/cm2G以上であることが好ましく、より好ましくは15〜40kg/cm2Gである。含浸時間は、樹脂粒子が前記の炭酸ガス含有量となるように適宜調整することができ、1〜20時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。
【0021】
樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させるに際し、樹脂粒子の表面には各種の表面処理剤を塗布しておくことが好ましい。そのような表面処理剤としては、例えば加熱発泡時の予備発泡粒子の結合を防止する結合防止剤、成形時の融着促進剤、帯電防止剤、展着剤などが挙げられる。
【0022】
結合防止剤としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコンなどが挙げられる。
【0023】
融着促進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
【0024】
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリドなどが挙げられる。展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイルなどが挙げられる。
【0025】
また、他の添加剤として、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの気泡調整剤を予め含有させておいてもよい。
【0026】
上記した樹脂粒子には、難燃剤を含有していることが好ましい。それにより、断熱材である発泡成形体は難燃性となり、断熱パネルは建材としてきわめて高い安全性を持つことができる。好ましくは、スチレン系樹脂発泡成形体製の断熱材がJISA9511の燃焼試験A法に合格する自己消火性を有することが望まれる。
【0027】
本発明者らは、そのような自己消火性を満足する樹脂発泡成形体を得るために樹脂粒子に含有すべき種々の難燃剤と難燃助剤の組合せを検討した結果、下記種類の難燃剤と難燃助剤とを特定の比率で含む複合難燃剤が、発泡性スチレン系樹脂粒子用の難燃剤として特に優れた自己消火性を発揮できることを見いだした。すなわち、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(以下、TDICとも称する。融点115℃、分解温度285℃)からなる難燃剤90〜40重量%と、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ビスクミルと呼ばれることから、以下BCとも称する。融点113℃、分解温度205℃)又は3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン(融点142℃、分解温度230℃)からなる難燃助剤10〜60重量%から構成される複合難燃剤である。そして、前記複合難燃剤がスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、1〜7重量部含ませたスチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させる方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られたスチレン系樹脂予備発泡粒子を従来知られた方法により発泡成形することにより、上記した自己消火性を満足する樹脂発泡成形体が得られ、結果として、安全性の高い断熱パネルを得ることができる。
【0028】
上記難燃剤と難燃助剤は、融点が比較的近いため、それらを混合した複合難燃剤は、融点がほぼ一つのピークを形成する(この温度を融点ピーク温度と称する)。また、複合難燃剤の融点ピーク温度は、融点降下により、難燃剤及び難燃助剤単独の融点より低いことを発明者等は見い出している。
【0029】
難燃剤と難燃助剤は、90〜40重量%と10〜60重量%の割合で使用される。難燃助剤の割合が10重量%未満の場合、自己消火性の発現には複合難燃剤を多量に使用する必要が生じ、その結果リサイクル性が阻害される。また、融点ピーク温度があまり低下せず、含浸温度又は混練温度を高くしなければならない。一方、60重量%を超える場合、難燃剤の割合が減るため、自己消火性が劣ることとなる。
【0030】
複合難燃剤の含有割合は、スチレン系樹脂100重量部に対して、1〜7重量部である。1重量部未満では、十分な自己消火性が得られない。一方、7重量部を超える場合、自己消火性効果は飽和し、経済的でない。より好ましい含有割合は、1〜5重量部である。また、上記した複合難燃剤を使用した断熱材は、これをリサイクルすることが可能で、リサイクル後の分子量低下を抑えることができる。
【0031】
以下のようにして得られた複合難燃剤を含有したスチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子とする。そして、次工程で、蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備発泡機内に、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm2Gの投入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸気の投入圧力より0.05〜1.0kg/cm2G低く維持しながら予備発泡させてスチレン系樹脂予備発泡粒子を得る。この方法において、炭酸ガスを含浸させる工程に次いで、直ちに予備発泡を行うことが好ましい。
【0032】
この方法、すなわち本発明によるスチレン系樹脂予備発泡粒子を製造するのに使用できる予備発泡機の一例を、図1により説明する。図中、100は予備発泡機、102は撹拌モーター、103は撹拌翼、104は邪魔棒、105は発泡槽上面検出器、106は発泡性粒子輸送器、107は発泡性粒子計量槽、108は発泡性粒子投入器、109は蒸気吹込制御弁、110は蒸気チャンバー、111は凝縮水排出弁、112は排気制御弁、113は予備発泡粒子排出口、114は予備発泡粒子一時受器、115は空気輸送設備、116は内圧検出・制御装置、117は蒸気吹込孔、118は蒸気投入圧力計、119は減圧弁、120は蒸気元圧力計を意味する。
【0033】
詳細には、一定量の蒸気が常に予備発泡機100内に供給されるように排気制御弁112等で予備発泡機100内の圧力(内圧検出・制御装置116で圧力検出)が常に供給圧力を下回るように制御を行う。例えば、蒸気の投入圧力を1.2kg/cm2G(蒸気投入圧力計118で検出)、予備発泡機内の圧力を0.8kg/cm2Gに設定した場合、予備発泡機100内の圧力を内圧検出・制御装置116にて検出し、制御信号が排気制御弁112へ送られ、排気ラインから0.4kg/cm2G圧分の圧力を抜きながら圧力の制御を行う。このように、予備発泡機100内圧力と排気制御弁112とをリンクさせて制御することにより、予備発泡機100内圧力の調整することができる。
【0034】
投入圧力と予備発泡機内圧力との差が、0.05kg/cm2G未満であると低密度の予備発泡粒子が得られ難いばかりか、発泡樹脂成形体の外観、内部融着が悪く、非常に商品価値の低いものになってしまう。また、1.0kg/cm2Gを超えると予備発泡時の結合が増加するばかりか、表面光沢度が低く、発泡体表面の凹凸も大きくなり好ましくない。より好ましい圧力差は、0.1〜0.5kg/cm2Gである。
【0035】
予備発泡粒子の粒径は、0.3〜10mm程度が好ましく、また、予備発泡粒子の嵩密度は、0.010〜0.1/cm3程度が好ましい。そして、予備発泡機内の発泡性樹脂粒子は、通常110〜160℃程度に加熱されることが好ましく、より好ましい加熱温度は110〜130℃である。加熱温度が110℃を下回ると、嵩密度0.1g/cm3以下の予備発泡粒子は得られ難いので好ましくない。また、加熱温度が160℃を上回ると予備発泡粒子同士が合着する傾向が強くなるので好ましくない。
【0036】
上記の予備発泡粒子を発泡成形することで得られるスチレン系樹脂発泡成形体(すなわち、本発明における断熱パネルでの断熱材)は、実施例3に示すように、高温環境と室温環境とのヒートサイクルを反復した後も、その前後での寸法収縮率はきわめて小さく、0.5%以下にすることができる。それにより、断熱パネルの反り率をパネルの最大対角線長さに対して0.3%以下とすることができる。揮発性有機化合物の含有量も1000ppm以下のものとすることができる。
【0037】
発泡成形法としては、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、予備発泡粒子を成形用型内に充填し、蒸気により加熱する。蒸気との接触によって予備発泡粒子が加熱されると、予備発泡粒子は膨張するが、成形用型によって発泡できる空間が限定されているので、互いに密着すると共に融着一体化して所望の発泡成形体を得ることができる。発泡成形体の密度は、0.010〜0.1g/cm3程度が好ましく、特に、0.012〜0.05g/cm3程度が好ましい。
【0038】
上記のようにした製造されたスチレン系樹脂発泡成形体製の断熱材を表面材に接着一体化するのに使用する接着剤としては、エマルジョンタイプの接着剤(溶剤系、無溶剤系)、ホットメルトタイプの接着剤等、各種タイプのものを使用でき、例えば、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、エラストマー系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、等を原料とした樹脂接着剤が使用できる。その中でも、特に、無溶剤系のエマルジョンタイプの接着剤が好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されることはない。なお、以下に示す実施例及び比較例において、反り率、揮発性有機化合物の含有量、及び自己消火性の評価は以下のようにして行った。
【0040】
<反り率>
発泡成形用型から取り出したスチレン系樹脂発泡成形体10の片面に接着剤を用いてJISK6903で規定された呼び厚さ1.0mmの垂直面用メラミン板20を接着一体化し、プレス機にて1t/m2の荷重により12時間加圧養生して断熱パネル30とする。このサンプルを23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室(JISK7100の標準温湿度状態)に24時間放置して試験サンプルとする。試験サンプルを、10℃で2時間、50℃で2時間を1サイクルとて、300サイクルを繰り返す。最も長い対角線III−III線に沿って試験サンプルを切断し、図3に示すように、それを定盤40の上に置き、サンプル中央部となる部分の定盤表面からの距離hを測定する。反り率Kは次式で求める。なお、測定結果は5個のサンプルの最大値とした。
反り率K(%)=(h/L)×100 (ただし、Lは対角線の長さ)
【0041】
<揮発性有機化合物の含有量>
試験サンプルである発泡成形体について、以下に示す三種類の測定法によって得られた値を合計して求めた。
【0042】
a.(炭素数5以下の炭化水素の測定)
試験サンプルを150℃の熱分解炉に入れ、揮発した炭化水素をガスクロマトグラフィーにて測定した。
ガスクロマトグラフィー(GC):島津製作所社製 GC−14B
熱分解炉:島津製作所社製 PYR−1A
カラム:ポラパックQ 80/100(3mmφ×1.5m)
カラム温度:100℃
検出器(FID)温度:120℃
【0043】
b.(炭素数6以上の炭化水素であって、ガスクロマトグラムに現われるスチレンのピークまでの炭化水素の測定)
試験サンプルをジメチルホルムアミドに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)を加えてGCにより測定した。ただし、特定できないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量した。
GC:島津製作所社製 GC−14A
カラム:PEG−20M PT25% 60/80(2.5m)
カラム温度:105℃
検出器(FID)温度:220℃
【0044】
c.(ガスクロマトグラムに現われるスチレンの次のピークから炭素数16(n−ヘキサデカン)までの炭化水素の測定)
試験サンプルをクロロホルムに溶解し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)にて測定した。ただし、試験サンプルを溶解しない溶剤のみの空試験を行い、空試験の検出物質量を差し引いた。更に、特定できないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量した。
GCMS:島津製作所社製 QP5000
カラム:J&W Scientific社製 DB−1(1μm×60m 0.25mmφ)
測定条件:カラム温度(60℃で1分保持した後、10℃/分で300℃まで昇温)
スプリット比:10
キャリヤガス:He(1ml/min)
インターフェイス温度:260℃
【0045】
<自己消化性>
発泡成形用型から取り出したスチレン系樹脂発泡成形体10から得た試験サンプルについて、JISA9511の燃焼試験A法に準じて測定を行った。なお、このJIS規格では自己消火時間が3.0秒以内である必要がある。
【0046】
[実施例1]
100リットルの反応器に、純水40kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ5.0g、ピロリン酸マグネシウム65gを入れ水性媒体とした。次にベンゾイルパーオキサイド(純度75%)140g、t−ブチルパーオキシベンゾエート30g及びポリエチレンワックス(分子量1000)22gを溶解したスチレン44kgを撹拌しながら加えて懸濁させ、90℃に昇温して重合を開始した。比重法で測定した重合転化率が99.9%まで進行した時点で、反応器を125℃に昇温して3.0時間保持した後、常温まで冷却して、スチレン樹脂粒子[A]を取り出した。ここで得られたスチレン樹脂粒子中の残留スチレンをガスクロマトグラフで測定したところ、357ppmであり、また、GPC法で測定した重量平均分子量は271000であった。
【0047】
スチレン樹脂粒子[A]のうち、粒径0.7〜1.0mmのもの15kgを、内容量が30リットルの回転式耐圧容器に入れた後、展着剤としてポリエチレングリコール300を7.5g、グリセリンモノステアリン酸エステルを7.5g、結合防止剤として炭酸カルシウム30gを添加して容器を回転させ、樹脂粒子の表面に付着させた。次いで回転を停止してから容器内に炭酸ガスを圧入して、25℃、30kg/cm2Gに6時間保って樹脂粒子内に炭酸ガスを含浸させ、発泡性スチレン樹脂粒子を得た。
【0048】
こうして得られた発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧容器から取り出し、次工程で攪拌機付き発泡機内に投入した後、投入圧力が1.2kg/cm2Gの蒸気を発泡機缶内に導入した。この時の発泡機内の圧力は0.8kg/cm2Gになるように、排気制御弁の開度を電気信号でコントロールしながら、排気ラインを使って余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡機内圧力との差は0.4kg/cm2G)。このように、蒸気を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡させてスチレン樹脂予備発泡粒子とした。
【0049】
予備発泡してから6時間後、長さ1550mm×幅740mm×厚さ20mmの型窩をもった成形用金型内に予備発泡粒子を充填し、この金型内に蒸気を吹き込んで、再び膨張させて発泡成形体(断熱材)を得た。密度は0.020g/cm3であった。得られた発泡成形体を50℃の恒温室で7日間乾燥させた後、揮発性有機化合物の含有量を上記評価法に従い測定した。その結果を表1に示す。
【0050】
一方、同時に得られたスチレン系樹脂発泡成形体上にロールコーターを用いて無溶剤タイプのウレタン系接着剤(コニシ株式会社製KU−55/ロールコーター用)を150g/m2で均一に塗布し、JISK6903で規定された垂直面用メラミン板(縦1800mm×横750mm×呼び厚さ1.0mm)の中心部に発泡成形体を置いた後、プレス機にて1t/m2の荷重により12時間加圧養生して断熱パネルとした。その後、得られた断熱パネルを10℃で2時間、さらに、50℃で2時間を1サイクルとして、300サイクルを繰り返した。その後の断熱パネルの反り率を上記評価法により評価した。その結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2]
実施例1で作成したスチレン樹脂粒子[A]のうち、粒子径0.7〜1.0mmのもの2kgと、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gと、ピロリン酸マグネシウム6gと、水2リットル、及びトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(難燃剤)30.0g(1.5重量%)と、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(難燃助剤)6.0g(0.3重量%)を混合した複合難燃剤を配合して、内容積5リットルの密閉容器内で攪拌しながら120℃まで昇温し3時間保持した後、25℃まで冷却し、密閉容器から樹脂粒子を取り出した後、樹脂粒子の洗浄及び脱水乾燥を行うことで、自己消火型ポリスチレン樹脂粒子を得た。
【0052】
この自己消火型ポリスチレン樹脂粒子1kgに対し、発泡時結合防止剤として炭酸カルシウム微粉末1.5kgと、帯電防止剤としてテアリン酸モノグリセライト0.5gを樹脂粒子表面に均一に付着させた後、耐圧容器に入れ密閉し、次いで炭酸ガスを30kg/cm2Gまで圧入し20℃の雰囲気下に6時間保持し、樹脂粒子内に炭酸ガスを含浸させ、発泡性スチレン樹脂粒子を得た。
【0053】
こうして得られた発泡性スチレン樹脂粒子を耐圧容器から取り出し、直ちに予熱された発泡機内に投入した後、投入圧力が1.3kg/cm2Gの蒸気を発泡機内に導入した。この時の発泡機内の圧力は0.8kg/cm2Gになるように、排気制御弁の開度を電気信号でコントロールしながら、排気ラインを使って余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡機内圧力との差は0.5kg/cm2G)。このように、蒸気を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡させてスチレン樹脂予備発泡粒子とした。
【0054】
得られた予備発泡粒子を実施例1と同様に、長さ1550mm×幅740mm×厚さ20mmの型窩をもった成形用金型内に充填し、この金型内に蒸吹き込んで再び膨張させ、密度0.020g/cm3のスチレン系樹脂発泡成形体(断熱材)を得て、揮発性有機化合物の含有量を測定した。また、実施例1と同様に、得られた発泡成形体の片面に呼び厚さ1.0mmのメラミン板を接着一体化して断熱パネルとし、同様にして反り率と自己消火時間を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0055】
[比較例1]
内容積5リットルの攪拌機付き耐圧容器に、実施例1で得られたスチレン樹脂粒子[A]のうち、粒径0.7〜1.0mmのもの2.0kg、イオン交換水2.2リットル、第三りん酸カルシウム6.0g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2gを入れて攪拌を開始した。次に90℃に昇温した後、ブタン140gを圧入して5時間保持した。次いで、30℃まで冷却し、発泡性スチレン樹脂粒子を得た。取り出した粒子を乾燥後、15℃の恒温室で5日間熟成させた。そして、予備発泡時の結合防止剤としてジンクステアレート、融着促進剤としてヒドロキシステアリン酸トリグリセライドを粒子表面に被膜処理した後、攪拌機付き発泡機内に投入した後、投入圧力が0.5kg/cm2Gの蒸気を発泡機内に導入した。この時の発泡機内の圧力は0.1kg/cm2Gになるように、排気制御弁の開度を電気信号でコントロールしながら、排気ラインを使って余分な圧力を外部に逃がした(投入圧力と発泡機内圧力との差は0.4kg/cm2G)。このように、蒸気を発泡機内に連続して導入しながら予備発泡させてブタン含有のスチレン樹脂予備発泡粒子とした。
【0056】
得られた予備発泡粒子を実施例1と同様に、長さ1550mm×幅740mm×厚さ20mmの型窩をもった成形用金型内に充填し、この金型内に蒸気を吹き込んで再び膨張させ、密度0.020g/cm3のスチレン系樹脂発泡成形体(断熱材)を得て、揮発性有機化合物の含有量を測定した。また、実施例1と同様に、得られた発泡成形体の片面に呼び厚さ1.0mmのメラミン板を接着一体化して断熱パネルとし、同様にして反り率を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003999150
【0058】
[実施例3]
実施例1、2及び比較例1で使用した発泡樹脂成形体(断熱材)のみについて、同様なヒートサイクル繰り返し、その後の発泡樹脂成形体の寸法収縮率Pを次式により測定した。その結果を表2に示す。
寸法変化率P(%)=(a2−a1)×100/a1
(ただし、a1は、型内成形後に23℃、相対湿度50%で24時間放置された試験サンプルの長さ方向の寸法、a2は該試験サンプルを実施例1と同じヒートサイクルにさらした後の試験サンプルの長さ方向の寸法である)。
【0059】
【表2】
Figure 0003999150
【0060】
表1に示すように、実施例1及び2のものは、比較例1のものと比較して残留揮発性有機化合物量がきわめて少なく、また、反り率も0.3%以下と小さい。これは、実施例のものは、スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形品において、スチレン系樹脂予備発泡粒子として、炭酸ガスを有する発泡性スチレン系樹脂粒子を投入圧力と発泡機内圧力との差を調整(0.05〜1.0kg/cm2G)で予備発泡粒子としたものを用いて発泡成形したスチレン系樹脂発泡成形体を基材として用いた結果である。そのことは、表2に示す型内発泡成形品の寸法収縮率からも裏付けられる。
【0061】
それに対して比較例1のものは、ブタンを発泡剤として用いていることから、揮発性有機化合物量が多く、また、ブタンの投入圧力と発泡機内圧力との差が0.4kg/cm2Gでありながら、反り率が大きくなっている。
【0062】
さらに、実施例2のものは、本発明の固有の複合難燃剤を含浸させていることから、自己消化性に優れており、1.0秒で消火している。このことは、JISA9511の燃焼試験A法での自己消火時間が3.0秒以内である要件を大幅にクリアーしており、建材として火災に対して高い安全性を備えていることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
本発明による断熱パネルは、高温環境と低温環境との間の多数回のヒートサイクルを繰り返しても、発生する反り率はきわめて小さい。そのために、ユニットバスやシャワー室の断熱材を兼ねた断熱パネルとして用いても、反りに起因して断熱パネル同士の目地部に配置するシーリ材に亀裂が生じるような事態を回避することができる。また。揮発性有機化合物の含有量もきわめて少なく、一般建材としても環境にも優しい断熱パネルが得られる。さらに、住宅用途では建築基準法などで求められている自己消化性を満足することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用できるチレン系樹脂予備発泡粒子を製造するのに用いられる予備発泡機の概略説明図である。
【図2】本発明による断熱パネルの一例を示す図。
【図3】反り率を測定する態様を説明する図。
【図4】ユニットバスでの壁面材の取り付け態様の一例を示す図。
【符号の説明】
10 断熱パネル
20 発泡成形体(断熱材)
30 表面材
102 撹拌モーター
103 撹拌翼
104 邪魔棒
105 発泡槽上面検出器
106 発泡性粒子輸送器
107 発泡性粒子計量槽
108 発泡性粒子投入器
109 蒸気吹込制御弁
110 蒸気チャンバー
111 凝縮水排出弁
112 排気制御弁
113 予備発泡粒子排出口
114 予備発泡粒子一時受器
115 空気輸送設備
116 内圧検出・制御装置
117 蒸気吹込孔
118 蒸気投入圧力計
119 減圧弁
120 蒸気元圧力計

Claims (3)

  1. スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得たスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材と表面材とを接着剤を介して積層一体化した断熱パネルであって、
    前記断熱材はJISK6903で規定された呼び厚さ1.0mmの垂直面用メラミン板に接着一体化した状態で10℃−50℃のヒートサイクルを300回繰り返したときに生じる反り率がパネルの最大対角線に対して0.3%以下であり、
    前記断熱材の成形に用いたスチレン系樹脂予備発泡粒子が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートからなる難燃剤90〜40重量%と、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン又は3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサンからなる難燃助剤10〜60重量%から構成される複合難燃剤を、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、1〜7重量部含ませたスチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させる方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られたスチレン系樹脂予備発泡粒子であることを特徴とする断熱パネル。
  2. スチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得たスチレン系樹脂発泡成形体からなる断熱材と表面材とを接着剤を介して積層一体化した断熱パネルであって、
    前記断熱材はJISK6903で規定された呼び厚さ1.0mmの垂直面用メラミン板に接着一体化した状態で10℃−50℃のヒートサイクルを300回繰り返したときに生じる反り率がパネルの最大対角線に対して0.3%以下であり、
    前記断熱材の成形に用いたスチレン系樹脂予備発泡粒子が、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートからなる難燃剤90〜40重量%と、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン又は3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサンからなる難燃助剤10〜60重量%から構成される複合難燃剤を、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、1〜7重量部含ませたスチレン系樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子とし、次工程で蒸気投入ラインと排気ラインを備えた予備発泡機内に前記発泡性スチレン系樹脂粒子を投入し、蒸気投入ラインから蒸気を0.5〜5.0kg/cm Gの投入圧力で供給すると共に、排気ラインから蒸気を含む雰囲気ガスを排気し、かつその間、発泡機内圧力を蒸気の投入圧力より0.05〜1.0kg/cm G低く維持しながら予備発泡させて得たスチレン系樹脂予備発泡粒子であることを特徴とする断熱パネル。
  3. スチレン系樹脂発泡成形体製の断熱材がJISA9511の燃焼試験A法で測定した消火時間が3秒以内である自己消火性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱パネル。
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