JP2003277537A - 透明耐湿ガスバリアフィルム - Google Patents

透明耐湿ガスバリアフィルム

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JP2003277537A JP2002087691A JP2002087691A JP2003277537A JP 2003277537 A JP2003277537 A JP 2003277537A JP 2002087691 A JP2002087691 A JP 2002087691A JP 2002087691 A JP2002087691 A JP 2002087691A JP 2003277537 A JP2003277537 A JP 2003277537A
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孝治 蔵岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度下でもガスバリア性を維持できる透明
ガスバリアフィルムの提供。 【解決手段】 アルコキシシラン化合物と、それに対し
て5〜30重量%の親水性樹脂組成物とを主成分として
なるシリカゾル液を透明樹脂フィルムに塗布成膜してな
る透明ガスバリアフィルム。高湿度下でもガスバリア性
が低下せず、食品包装等に適する透明ガスバリアフィル
ムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品、電
子部品等の包装用フィルムに関するもので、特に、高湿
度下でも優れたガスバリア性を保持する透明耐湿ガスバ
リア性包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性フィルムとしては、透明樹
脂フィルムの片面または両面に、ポリビニリデンクロラ
イド又はポリ塩化ビニルの樹脂コーティングしたものが
汎用的に使用されているが、これらの樹脂は焼却時にダ
イオキシン発生原因となることが指摘されており、環境
負荷の大きい素材になるため、家庭用から業務用まで幅
広く使用される汎用包装フィルムとしては使用し辛くな
っている。
【0003】これに代わって、ポリビニルアルコール
(PVA)やエチレンビニルアルコール(EVOH)等
のガスバリア性樹脂を透明樹脂フィルムにコーティング
したフィルムが使われているが、これらPVAやEVO
H樹脂は親水性であるため、その塗膜の耐湿性が低く、
高湿度下ではガスバリア性が低下するという問題があっ
た。
【0004】よりガスバリア性の高いフィルムとして、
透明樹脂フィルムにシリカやアルミナ等のセラミック薄
膜を蒸着したフィルムが電子部品の包装等に用いられて
いるが、このフィルムは、製造のために高価な真空装置
を必要とし、フィルムロール毎に長時間の真空引きを要
するバッチ生産であるため生産性が低く、コストの高い
ものになってしまい、汎用の包装フィルムには適さなか
った。
【0005】セラミック薄膜を塗布法で安価に成膜する
方法であるゾルゲル法を用いて、透明樹脂フィルム上
に、シリカ膜やシリカと上記のPVAやEVOH等のガ
スバリア性樹脂をハイブリッドした膜を形成したガスバ
リアフィルムも報告されている(特開平4−34584
1、特開平8−99390等)。
【0006】しかし、シリカ膜単体の場合、シリカ膜自
体が硬質であるために、基材フィルムの柔軟性に追随で
きずに亀裂を生じたり、ゾルゲル法によるシリカ膜が本
来多孔性であるため、その微細な空隙によって十分なガ
スバリア性が得にくいという問題があった。
【0007】また、シリカとPVAやEVOH等のガスバリア
性樹脂のハイブリッド膜を形成する方法において、ガス
バリア性樹脂単体は、シリカゾル液の溶媒であるアルコ
ールに溶解しにくいため、水溶液の形でシリカゾル液に
混合される。その結果、シリカゾル液中の水の量がかな
り多くなってゾルゲル反応が急激に進行してゲル化しや
すくなり、均質なハイブリッド膜を得にくく透明性が損
なわれやすいという問題があった。
【0008】また、これとは別に、ゾル−ゲル法による
シリカハイブリッド膜として、シリカ原料となる4官能
アルコキシシラン化合物に、適当な3官能アルコキシシ
ラン化合物を混合することで、ガスバリア性が得られる
報告(Journal of the Ceramic Society of Japan, 107
[3], 293-296 (1999))等があるが、高湿度条件下のガ
スバリア性については言及されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゾル−ゲル
法によるシリカハイブリッド膜を透明樹脂フィルムに成
膜した透明ガスバリアフィルムであって、柔軟なフィル
ム基材に被覆して、膜に亀裂を生じることなく、高湿度
条件下でもガスバリア性を維持できる透明耐湿ガスバリ
アフィルムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の項1〜
4の透明耐湿ガスバリアフィルムに関する。 項1. 基材の透明樹脂フィルムの上に、アルコキシシ
ラン化合物と、このアルコキシシラン化合物に対して5
〜30重量%の親水性樹脂組成物を主成分としてなるシ
リカゾル液を塗布成膜してなることを特徴とする透明耐
湿ガスバリアフィルム。 項2. 親水性樹脂組成物が、アルコキシシラン化合物
に対して5〜30重量%のポリビニルピロリドンである
ことを特徴とする項1に記載の透明耐湿ガスバリアフィ
ルム。 項3. 親水性樹脂組成物が、アルコキシシラン化合物
に対して10〜30重量%のポリエチレングリコールで
あることを特徴とする項1に記載の透明耐湿ガスバリア
フィルム。 項4. アルコキシシラン化合物が、3官能アルコキシ
シラン化合物と4官能アルコキシシラン化合物の混合物
であることを特徴とする項1〜3のいずれか1つに記載
の透明耐湿ガスバリアフィルム。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のアルコキシシラン化合物
とは、一般式Si(OR14(R1は炭素数1〜5のア
ルキル基)で表される4官能のもの、具体的にはテトラ
エトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン等や、一般式R2Si(OR13(R2はフェ
ニル基などのアリール基、炭素数1〜5のアルキル基、
およびビニル基などの有機基、R3は炭素数1〜5のア
ルキル基)で表される3官能のオルガノトリアルコキシ
シランであり、具体的にはフェニルトリエトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、イソプロピル
トリメトキシシラン等である。好ましくは、テトラエト
キシシラン及びフェニルトリエトキシシランとの組み合
わせである。
【0012】4官能アルコキシシラン化合物に3官能ア
ルコキシシラン化合物を混合することによって、膜中に
有機成分が残り、膜の柔軟性が増加するとともに、ゾル
ゲル反応による膜の収縮を緩和して膜の亀裂を起こりに
くくすることができる。3官能アルコキシシラン化合物
を添加する場合には、4官能と3官能の比率が重量比で
8:2程度であることが好ましい。逆に、3官能アルコ
キシシラン化合物の量が多過ぎると、成膜時に乾燥し難
くなり、膜にべたつきが残りやすくなるという問題もあ
る。
【0013】本発明の親水性樹脂組成物は、アルコキシ
シラン化合物が加水分解して生じるシラノール基と水素
結合する官能基を有する樹脂組成物であって、その反応
によって、シラノール基同士の重縮合による体積収縮を
抑制して、膜の亀裂を防ぐ働きをする。シラノール基と
水素結合する官能基は、水酸基、カルボニル基、アミド
基、ウレア基、ウレタン基、イミド基等があり、適する
樹脂組成物は、具体的には、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、ポリN,N
−ジメチルアクリルアミド、ポリアルキレングリコール
メタクリレート、ポリアルキレングリコールアクリレー
ト等がある。好ましくは、ポリエチレングリコール、ポ
リビニルピロリドンである。
【0014】また、ポリエチレングリコールの末端をア
クリル酸でエステル化したポリエチレングリコールメタ
クリレートやポリエチレングリコールアクリレート等も
使用でき、その場合は、光重合開始剤の併用により、紫
外線架橋することで膜の耐湿性を向上させることができ
る。
【0015】親水性樹脂組成物の添加量は、アルコキシ
シラン化合物に対して5〜30重量%の範囲が好まし
く、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。親
水性樹脂組成物の添加量が5重量%より少ないと、成膜
後に亀裂が発生しやすくなり、逆に添加量が30重量%
より多いと塗膜が厚くなりすぎてフィルムにしわを生じ
やすくなる。
【0016】親水性樹脂組成物の分子量は、それぞれ適
当な範囲があり、ポリビニルピロリドンであれば630
000〜40000、ポリエチレングリコールであれば
1000〜100の範囲が好ましい。親水性樹脂組成物
の分子量が大きいと、ゾル液への混合時に溶解しにくく
分離しやすくなり、逆に分子量が小さいと添加の効果が
小さくなる。
【0017】本発明のシリカゾル液には、上記のアルコ
キシシラン化合物の他に、アルコール溶媒、及び、加水
分解反応をさせるための水と酸触媒が必要である。
【0018】アルコール溶媒としては、エタノール、メ
タノール、イソプロピルアルコール等がある。アルコー
ル溶媒の量は、上記のアルコキシシラン化合物1モルに
対して5〜50モルであり、溶媒量が多いと膜が薄くな
りガスバリア機能が低下し、逆に、溶媒量が少ないと膜
厚が厚くなり膜に亀裂が入りやすくなる。
【0019】酸触媒用の酸としては、塩酸、硝酸、硫
酸、酢酸等が使用できる。酸の量は、上記のアルコキシ
シラン化合物1モルに対して0.005〜0.1モル程
度であり、これより量が多いと、加水分解反応速度が速
くなり、膜の表面性が悪くなり、逆に量が少ないと反応
速度が遅くなり成膜時間が長くなる。
【0020】また、水の量は、上記のアルコキシシラン
化合物1モルに対して1〜10モル程度であり、これよ
り量が多いと膜が多孔質化して緻密性が失われ、逆に量
が少ないと、反応速度が遅くなったり、未反応物が残り
やすくなったりする。ここで、3官能アルコキシシラン
化合物と4官能アルコキシシラン化合物の両方を用いた
場合は、その総量1モルに対して上記のことがあてはま
る。
【0021】本発明に使用する基材の透明樹脂フィルム
は、100℃程度の耐熱性を有する透明樹脂の押出成形
やキャスト成形よるフィルムであれば何でも良く、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリス
ルホン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ナ
イロン等があり、使用目的やコストに応じて使い分けら
れる。透明樹脂フィルムの厚さは、5〜100μm、好
ましくは10〜30μmである。透明樹脂フィルムの透
過率は80〜93%、好ましくは91%程度であり、こ
れに本発明のバリアコートをすることで、透過率は83
〜95%、好ましくは92%程度に向上する。これは、
バリアコートでフィルムの表面平滑性が良くなり、表面
での光拡散が低減されるためである。
【0022】本発明の塗布成膜方法は、ディッピング、
スプレー、スピンコート、ロールコート、グラビアコー
ト等の一般的な塗布方法が利用できる。膜厚は、0.2〜1
0μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜3μmで
ある。
【0023】塗布後には、数分〜1晩程度室温に放置
し、その後、50〜150℃、好ましくは80〜120
℃、更に好ましくは100℃程度の温度で数10分〜数
時間以上乾燥して成膜する。基材フィルムの耐熱性の範
囲内で、乾燥温度を高くすれば、より短時間で乾燥する
ことができる。
【0024】本発明のシリカハイブリッド膜による高い
ガスバリア性の発現は、以下のような理由によると考え
られる。ゾル−ゲル法によるシリカ膜は本来多孔質な空
隙の多い膜であるが、ゾル液中の酸(アルコキシシラン
化合物1モルに対して0.005〜0.015モル)と
水分量(アルコキシシラン化合物1モルに対して1〜6
モル)の制御により、シリカの反応を3次元でなく1、
2次元的に進行させることで緻密な成膜が可能であり、
さらに上記の適当な親水性樹脂組成物をシラノール基に
水素結合させてシラノール基の反応点を少なくすること
によっても、シリカ反応をより平面的に制御することが
できるため、より緻密な膜が形成されると考えられる。
このような微多孔膜では、微細な空孔中に水蒸気が浸入
すると、膜が親水性であるため水分子が空孔中に滞留し
て窒素や酸素等のガス分子の通過を阻止することが、多
孔質ガラスで報告されており、この膜の場合もそのよう
な作用によって高湿度下での高いガスバリア性が発現す
ると考えられる。
【0025】
【実施例】以下に、比較例と共に、実施例によって、更
に詳述する。
【0026】(実施例1)テトラエトキシシラン、エタ
ノール、蒸留水、硝酸をモル比1:20:2:0.01
の割合で混合し、3時間撹拌して、シリカゾル液を得
た。これに、テトラエトキシシランの重量に対して、そ
れぞれ5、10、20、30重量%のポリビニルピロリドン
(分子量360000)を添加混合し、2時間撹拌して、それ
ぞれのガスバリアコーティング用ヒドロゾル液を得た。
【0027】ナイロン/EVOH/ナイロンの層構成である
ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタックス、厚み1
5μm)上に、上記の塗布液をスピンコート(回転数1
000rpm、時間20秒)し、室温に一晩放置した
後、100℃のオーブン中で8時間乾燥させた。
【0028】作成したフィルムのガスバリア性につい
て、モコン社製OX-TRAN200Hを使用し、JIS―K7126の方
法で酸素透過率を評価した。測定は20℃80%RHの条
件で行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 コーティングのないナイロン多層フィルムの酸素透過率
は、常温常湿度下では2cc/m2/day以下であるが、20
℃80%RHの高湿度下では28.3cc/m2/dayに増加し
てガスバリア性が低下してしまうが、上記のガスバリア
コーティングにより、高湿度下のガスバリア性は大幅に
向上した。
【0030】(実施例2)実施例1と同様にしてシリカ
ゾル液を作製した。これに、テトラエトキシシランの重
量に対して、それぞれ10、20、30重量%のポリビニルピ
ロリドン(分子量630000)を、実施例1と同様に混合撹
拌して、それぞれのガスバリアコーティング用ヒドロゾ
ル液を得た。
【0031】ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm)上に、上記の塗布液をスピンコー
ト(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に一
晩放置した後、100℃のオーブン中で8時間乾燥させ
た。
【0032】作成したフィルムのガスバリア性を実施例
1と同様に測定した。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 実施例1と同様に、高湿度下のガスバリア性は大幅に向
上した。
【0034】(実施例3)テトラエトキシシラン、エタ
ノール、蒸留水、塩酸をモル比1:5:2:0.01の
割合で混合し、3時間撹拌して、シリカゾル液を得た。
これとに、テトラエトキシシランの重量に対して、30
重量%のポリエチレングリコール(分子量600)を混合
し、2時間撹拌して、ガスバリアコーティング用ヒドロ
ゾル液を得た。
【0035】ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm、)上に、上記の塗布液をスピンコ
ート(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に
一晩放置した後、100℃のオーブン中で1晩乾燥させ
た。
【0036】作成したフィルムのガスバリア性を実施例
1と同様に測定した。
【0037】膜厚は2.5μm、酸素ガス透過率は、
8.7cc/m2/dayであり、高湿度下でのガスバリア性は
向上した。
【0038】(実施例4)テトラエトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、エタノール、蒸留水、塩酸
(酸触媒)をモル比で各々0.8:0.2:5:4:
0.01の割合で混合し、3時間撹拌して、ヒドロゾル
液を得た。これに、テトラエトキシシランとフェニルト
リエトキシシランの合計重量に対して、分子量600の
ポリエチレングリコール30重量%を混合し、2時間撹
拌して、ガスバリアコーティング用ヒドロゾル液を調整
した。
【0039】ナイロン多層フィルム(厚み15μm、グ
ンゼ製ヘプタックス)上に、上記のコーティング液をス
ピンコート(回転数1000rpm、時間20秒)塗布
し、室温で1晩放置した後、100℃のオーブン中で1
晩乾燥させた。
【0040】作成したフィルムのガスバリア性を実施例
1と同様に測定した。
【0041】膜厚は2.2μm、酸素ガス透過率は、
2.6cc/m2/dayであり、高湿度下でのガスバリア性は
大幅に向上した。
【0042】(比較例1)実施例3と同様にして、添加
するポリエチレングリコール(分子量600)の比率を5
0重量%にして、ガスバリアコーティング用ヒドロゾル
液を得た。
【0043】ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm、)上に、上記の塗布液をスピンコ
ート(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に
一晩放置した後、100℃のオーブン中で1晩乾燥させ
た。
【0044】作成したフィルムのガスバリア性を実施例
1と同様に測定した。
【0045】膜厚は2.7μm、酸素ガス透過率は、1
5.6cc/m2/dayであり、高湿度下でのガスバリア性は
発現してはいるが、実施例3に比べると低いものになっ
た。
【0046】(比較例2)添加するポリビニルピロリド
ン(分子量360000)の割合が40重量%である以外は実
施例1と同様にして、ガスバリアコーティング用ヒドロ
ゾル液を作製した。
【0047】ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm、)上に、上記の塗布液をスピンコ
ート(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に
一晩放置した後、100℃のオーブン中で1晩乾燥させ
た。
【0048】膜の厚みが厚いために、乾燥後、膜の収縮
によってフィルム全面にわたってしわが発生し、包装フ
ィルムとしては使用できない状態になった。
【0049】(比較例3)実施例1と同様にして、添加
するポリビニルピロリドン(分子量360000)の割合を1
重量%にして、ガスバリアコーティング用ヒドロゾル液
を作製した。ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm、)上に、上記の塗布液をスピンコ
ート(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に
一晩放置した後、100℃のオーブン中で1晩乾燥させ
た。作成したフィルムのガスバリア性を実施例1と同様
に測定した。
【0050】膜厚は1.1μm、酸素ガス透過率は、1
8.7cc/m2/dayであり、高湿度下でのガスバリア性
は、実施例1に比べて低いものになった。
【0051】(比較例4)実施例3と同様にして、添加
するポリエチレングリコール(分子量600)の比率を5
重量%にして、ガスバリアコーティング用ヒドロゾル液
を得た。
【0052】ナイロン多層フィルム(グンゼ製ヘプタッ
クス、厚み15μm、)上に、上記の塗布液をスピンコ
ート(回転数1000rpm、時間20秒)し、室温に
一晩放置した後、100℃のオーブン中で1晩乾燥させ
た。
【0053】得られた膜には拡大鏡で亀裂が観察され、
ガスバリア性は得られなかった。
【0054】
【発明の効果】透明樹脂フィルム上にゾルゲル法により
特定の親水性樹脂組成物を混合したシリカ膜をコーティ
ングすることで、高湿度下でもガスバリア性が低下せ
ず、食品包装等に適する透明ガスバリアフィルムを得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 201/00 201/00 // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 蔵岡 孝治 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所関西センター内 (72)発明者 矢澤 哲夫 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所関西センター内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA35 AA36 AA38 AA40 AB12 AB32 AB67 BA05 CA07 4F100 AA20B AH06B AK01B AK11 AK48 AK69 AT00A BA02 EH46B GB15 JB05B JD02 JD04 JM01B JN01A 4J038 CK032 DF012 DL021 DL031 GA03 GA06 GA08 GA09 KA06 MA14 NA08 PB04 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の透明樹脂フィルムの上に、アルコ
    キシシラン化合物と、このアルコキシシラン化合物に対
    して5〜30重量%の親水性樹脂組成物を主成分として
    なるシリカゾル液を塗布成膜してなることを特徴とする
    透明耐湿ガスバリアフィルム。
  2. 【請求項2】 親水性樹脂組成物が、アルコキシシラン
    化合物に対して5〜30重量%のポリビニルピロリドン
    であることを特徴とする請求項1に記載の透明耐湿ガス
    バリアフィルム。
  3. 【請求項3】 親水性樹脂組成物が、アルコキシシラン
    化合物に対して10〜30重量%のポリエチレングリコ
    ールであることを特徴とする請求項1に記載の透明耐湿
    ガスバリアフィルム。
  4. 【請求項4】 アルコキシシラン化合物が、3官能アル
    コキシシラン化合物と4官能アルコキシシラン化合物の
    混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1つに記載の透明耐湿ガスバリアフィルム。
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