JP2003276616A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置

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JP2003276616A
JP2003276616A JP2002083293A JP2002083293A JP2003276616A JP 2003276616 A JP2003276616 A JP 2003276616A JP 2002083293 A JP2002083293 A JP 2002083293A JP 2002083293 A JP2002083293 A JP 2002083293A JP 2003276616 A JP2003276616 A JP 2003276616A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステアリング装置の既存の部材を使用し、別途
部材を設けることなく、低価格に、ステアリング軸など
の装置に生じる衝撃力を効率良く吸収することにある。 【解決手段】先端にステアリングホイールを有するステ
アリング軸と、該ステアリング軸を内部に嵌挿させて保
持するハウジング筒とを備え、かつ該ハウジング筒内
で、上記ステアリング軸を連結部材を介して軸方向にス
ライドさせる電動モータを備えたステアリング装置であ
って、上記連結部材は、上記ステアリング軸を軸方向に
スライドさせる連結ロッドからなり、該連結ロッドは、
外筒と、該外筒内をスライド自在に嵌挿する軸とからな
り、該外筒および上記軸を貫通するように、1又は2以
上のピンを圧入し、該ピンを、衝突時などに生じる衝撃
力でコラプスさせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端にステアリン
グホイールを取り付けたステアリング軸を軸方向にスラ
イド自在に収容するハウジング筒であって、該ハウジン
グ筒およびステアリング軸を連結する連結部材を駆動モ
ータによって軸方向にスライドさせる位置調節器を備
え、衝撃力などのエネルギを吸収する装置を付加的に設
けたステアリング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のステアリング装置で
は、ハウジング筒の固定ブラケットに吸収装置を組み込
んだカプセルを取り付け、該カプセル部の吸収装置で、
衝突時などに離脱して生じた衝撃力を回避して吸収する
ようになっている。
【0003】また、ハウジング筒などに固定ブラケット
を設け、該固定ブラケットに、コーティングプレートを
取り付け、該コーティングプレートが離脱したり、固定
ブラケットが変形することによって、衝突時などに生じ
る衝撃力を部材の変形や破壊によって吸収するようにな
っている。
【0004】ところが、上記従来の装置では、衝突時な
どの衝撃力を緩和するために、別途、固定ブラケットや
コーティングプレートなどを設けなければならず、ま
た、カプセルやコーティングプレートなどを用いた離脱
機構で衝撃力を吸収する場合、衝撃力の作用点が荷重方
向からずれてしまい、衝撃力を使って変形や破壊を円滑
に行うことができないという問題があった。
【0005】そのため、この種のステアリング装置とし
て、例えばドイツ特許DE19812179C1号公報
に開示される。図7は、ステアリング装置の全体構成を
示し、円筒状のハウジング筒101内に、ステアリング
軸102が軸方向(同図左右方向)にスライド自在に同
軸上で嵌挿されている。
【0006】また、上記ハウジング筒101の外周に、
ステアリング軸102の位置決め用の調整装置103が
取り付けられ、該調整装置103によって、ステアリン
グ軸102を軸方向にスライドさせるようになってい
る。
【0007】また、上記調整装置103には、棒状の連
結ロッド104が軸方向に伸びていて、該連結ロッド1
04は、図8に示すように、一端に螺子部105が形成
されるとともに、他端に受口106に係合する螺子部1
07が形成されている。これにより、連結ロッド104
は、螺子部107でナット結合によって固定され、ハウ
ジング筒101の軸方向でかつ軸平行に連結ロッド10
4が延びていて、調整装置103によって、連結ロッド
104を介してステアリング軸102を軸方向にスライ
ドさせるようになっている。
【0008】そして、上記ハウジング筒101の外周に
は、塑性変形素材で形成された保持部材108が設けら
れ、該保持部材108は、上記連結ロッド104の中間
位置に形成された変形部109が変形した時に保持する
ようになっている。これによって、例えばステアリング
軸102に、衝突時のような大きな衝撃力が作用する
と、上記変形部109が変形することによって、保持部
材108を変形させ、衝撃力を吸収させるようになって
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置では、エネルギ吸収効果を奏するためのみの部材、例
えば保持部材108などの様々な別途部材を設けなけれ
ばならず、高コストになるという問題があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、ステアリング装
置の既存の部材を使用し、別途部材を設けることなく、
低価格に、連結ロッド(テレスコロッド)を用いてステ
アリング軸などに生じる衝撃力で円滑にコラプスさせる
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、先端にステア
リングホイールを有するステアリング軸と、該ステアリ
ング軸を内部に嵌挿させて保持するハウジング筒とを備
え、かつ該ハウジング筒内で、上記ステアリング軸を連
結部材を介して軸方向にスライドさせる電動モータを備
えたステアリング装置に関して、本発明の上記目的は、
連結部材として、ステアリング軸を軸方向にスライドさ
せる連結ロッドから構成し、該連結ロッドとして、外筒
と、該外筒をスライド自在に嵌挿する軸とから構成し、
該外筒および軸を貫通するように、1又は2以上のピン
を圧入し、該ピンを、衝突時などに生じる衝撃力で破断
しコラプスさせるようにしたことにより、効果的に達成
される。
【0012】また、上記目的は、上記ピンを、樹脂製若
しくは金属製で形成することにより、一層効果的に達成
される。
【0013】さらに、上記目的は、上記連結ロッドに、
ベローズ形状を介在させ、該ベローズ形状によって、衝
突時などに生じる衝撃力を吸収することにより、より一
層効果的に達成される。
【0014】さらに、上記目的は、先端にステアリング
ホイールを有するステアリング軸と、該ステアリング軸
を内部に嵌挿させて保持するハウジング筒とを備え、か
つ該ハウジング筒内で、上記ステアリング軸を連結部材
を介して軸方向にスライドさせる電動モータを備えたス
テアリング装置であって、上記連結部材は、上記ステア
リング軸を軸方向にスライドさせる連結ロッドからな
り、該連結ロッドは、外筒と、該外筒内をスライド自在
に嵌挿する軸で構成し、該軸に上記外筒をカシメて固定
することにより、カシメ部分で、衝突時などに生じる衝
撃力で上記軸を上記外筒に対してスライド可能にしたこ
とにより、効果的に達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態を説明する。
【0016】図1は、本発明に係るステアリング装置の
全体構成を示し、同図において、1は円筒状のハウジン
グ筒であり、該ハウジング筒1内には、ハウジング内筒
2が同図左右方向にスライド自在に収納されている。
【0017】また、上記ハウジング内筒2には、ステア
リング軸3が先端側に延びていて、該ステアリング軸3
の先端には、ステアリングホイール4が取り付けられて
いる。
【0018】また、上記ハウジング筒1には、電動モー
タ駆動部5が取り付けられるとともに、上記ハウジング
内筒2には、略円板状の取付プレート6が装着されてい
る。また、電動モータ5と取付プレート6の間には、棒
状の連結ロッド7が配され、該連結ロッド7の両端に
は、それぞれ、角ネジや三角ネジ(メートルネジ)など
からなる送り用ネジ8と、普通メートルネジなどからな
る固定用ネジ9が形成され、該連結ロッド7を介して、
電動モータ5と取付プレート6を連結するようになって
いる。なお、連結ロッド7の取付プレート6への固定
は、カシメなど、ネジ以外の固定方法でもよい。
【0019】また、図2は、図1を拡大して詳示したも
のであって、連結ロッド7は、外筒10と、該外筒10
内に内軸11がスライド自在に嵌挿されている。この外
筒10および内軸11の対応する端部同士に、それぞれ
樹脂製若しくは金属製のピン12が貫通されている。こ
れにより、外筒10又は内軸11に軸方向の荷重が作用
すると、衝撃力によってピン12を破壊して、衝撃力を
吸収するようになっている。
【0020】また、図3(a)は、図2の変形例を示す
図であり、先端側に内軸を配し、基端側に外筒を配した
のに対して、先端側に外筒を配し、基端側に内軸を配し
た構成になっている。すなわち、上記連結ロッド7は、
先端側に配された外筒13と、該外筒13に内軸14が
スライド自在に嵌挿されている。この外筒13および内
軸14の互いに対応する端部同士には、それぞれ上記ピ
ン12と同じピン15が挿通されている。これにより、
内軸14に軸方向の荷重が作用すると、衝撃力によって
ピン15を破壊して変形させて、衝撃力を吸収するよう
になっている。また、図3(b)は、上記取付プレート
6との取付構造の変形例を示し、外筒13の端部に雌螺
子部16を形成したものである。
【0021】また、図4は、図2の変形例を示す図であ
り、図2と同一の部材は、同一の符号を付して説明を省
略する。図4では、外筒10と、該外筒10内にスライ
ド自在に嵌挿された内軸11とで、外筒10および内軸
11の互いに対応する端部同士に、それぞれ2つのピン
16,16を挿通したものを示す。これにより、内軸1
1に軸方向の衝撃力が作用すると、上記一対のピン1
6,16が破壊され、衝撃力を吸収するようになってい
る。
【0022】なお、図4では、ピン16は、一対設けた
ものを示すが、3つ以上のピンを設けてもよく、耐荷重
性が大きくなって、大きな衝撃力に対応することができ
るとともに、外筒10および内軸11の連結性が向上
し、衝撃力などに対するガタつきを少なくすることがで
きる。
【0023】また、図5は、図2の変形例を示す図であ
り、外筒10と、該外筒10内にスライド自在に嵌挿さ
れた内軸11とからなり、外筒10に内軸11が嵌挿さ
れた部分で、加圧部材/機構Aにより外部から圧力を加
えてカシメることにより、外筒10の所定位置で内軸1
1を固定するようになっている。この場合、内軸11に
軸方向の衝撃力が作用すると、カシメ部分がスライドし
て、衝撃力を吸収するようになっている。
【0024】さらに、図6は、連結ロッド7の一部に、
蛇腹状のベローズ17を介在させたものであり、該ベロ
ーズ17の塑性変形により、連結ロッド7の軸方向に作
用する衝撃力を吸収するようになっている。
【0025】したがって、上記実施例では、ステアリン
グ軸3の軸方向移動、すなわちテレスコ作動用の部材
に、衝突時などに生じる衝撃力を吸収させる機能を持た
せた。この連結ロッド7は、一般的な電動テレスコステ
アリング装置に、通常備えられる必須の部材であって、
新たな部材を設ける必要性がなく、部品の省略化を図る
ことができる。また、連結ロッド7は、ステアリング軸
3の軸方向でかつ軸平行に配されるので、ステアリング
軸3に作用する衝撃力を効率良く受けることができる。
【0026】その際、ステアリング軸3を軸方向にスラ
イドさせるのに必要な軸力は、通常、10.2N(10
0kgf)以下であるのに対して、衝撃力を吸収するの
に必要な破壊力(コラプス力)若しくは変形力は、2
0.4〜30.6N(200〜300kgf)以上であ
るので、ピンの耐衝撃荷重を20.4N(200kg
f)以上に設定すれば、テレスコ運動、すなわちステア
リング軸3のスライド移動に対して十分な強度があっ
て、問題は生じない。例えば、ステアリング軸3の軸方
向移動によるピンに加わる荷重は、10.2N(100
kgf)以下であるので、ピンの耐衝撃荷重を20.4
N(200kgf)以上に設定すれば、ピンが破壊した
り変形することがない。一方、衝突時のように、ピンに
対して20.4N(200kgf)以上の大きな衝撃荷
重が加わると、ピンが破断し、ピンに作用する衝撃力、
すなわち衝撃エネルギを吸収することができる。よっ
て、ステアリング軸3は、通常のハンドル操作によって
生じる荷重では破壊されることがなく、衝突時に、ステ
アリング軸3に大きな荷重が作用すると、ピンが破壊さ
れて変形するため、衝撃力を緩和することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るステアリン
グ装置によると、先端にステアリングホイールを有す
る、又は取り付けることのできるステアリング軸と、該
ステアリング軸を内部に嵌挿させて保持するハウジング
筒とを備え、かつ該ハウジング内をその内部にスライド
自在に保持する外筒に、上記ステアリング軸を連結部材
を介して軸方向にスライドさせる電動モータを備えたス
テアリング装置であって、上記連結部材は、上記ステア
リング軸を軸方向にスライドさせる連結ロッドからな
り、該連結ロッドは、外筒と、該外筒内をスライド自在
に嵌挿する軸とからなり、該外筒および軸を貫通して、
1又は2以上のピンを圧入し、該ピンによって衝突時な
どに生じる衝撃力を吸収するようになっている。これに
より、ピンの強度設計を適切に行えば、ステアリングホ
イール4の位置調整の際のステアリング軸3の移動、す
なわち通常のテレスコ運動に対して、ピンが破壊したり
変形することがなく、問題が生じない。また、衝突時の
ように、ステアリング軸3に大きな衝撃力が作用した場
合には、ピンが破壊したり変形することによって、衝撃
力、すなわち衝撃エネルギを確実に吸収することができ
る。
【0028】しかも、連結ロッドは、この種の電動テレ
スコには必須の部材であり、連結ロッド自体を吸収部材
としているので、部材の省略化が図れる。また、連結ロ
ッドは、ステアリング軸に近接して軸に対して平行に配
され、吸収部材を容易に設計することができる。
【0029】また、上記連結ロッドの外筒と、該外筒内
をスライドする軸をカシメて固定することによって、カ
シメ部分で軸のスライド作用を利用することによって
も、上記同様の作用,効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の全体の概略構
成を示す図である。
【図2】ステアリング装置に使用される連結ロッドにピ
ンを介設した状態を示す一部を切欠いた断面図である。
【図3】図3(a)は、上記図2の変形例を示した一部
を切欠いた断面図である。図3(b)は、取付ブラケッ
トへの結合部分の応用例の部分図である。
【図4】図2に対応する図であり、ピンを2つ配した状
態を示す断面図である。
【図5】連結ロッドの上部軸と下部軸の端部同士を外部
から加圧することによってカシメて連結した状態を示す
図である。
【図6】連結ロッドにベローズを介在させた状態を示
す、一部を切欠いた断面図である。
【図7】従来のステアリング装置の外観を示す側面図で
ある。
【図8】図7に示す従来のステアリング装置の衝撃力を
吸収する部材を示す図である。
【符号の説明】
1 ハウジング筒 2 ハウジング内筒 3 ステアリング軸 4 ステアリングホイール 5 電動モータ駆動部 6 取付プレート 7 連結ロッド 10 外筒 11 内軸 12 ピン 15 ピン 17 ベローズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端にステアリングホイールを有するステ
    アリング軸と、該ステアリング軸を内部に嵌挿させて保
    持するハウジング筒とを備え、かつ該ハウジング筒内
    で、上記ステアリング軸を連結部材を介して軸方向にス
    ライドさせる電動モータを備えたステアリング装置であ
    って、上記連結部材は、上記ステアリング軸を軸方向に
    スライドさせる連結ロッドからなり、該連結ロッドは、
    外筒と、該外筒内をスライド自在に嵌挿する軸とからな
    り、該外筒および上記軸を貫通するように、1又は2以
    上のピンを圧入し、該ピンを、衝突時などに生じる衝撃
    力で破断しコラプスさせるようにしたことを特徴とする
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】上記ピンは、樹脂製若しくは金属製で形成
    されることを特徴とする請求項1記載のステアリング装
    置。
  3. 【請求項3】上記連結ロッドに、ベローズ形状を介在さ
    せ、該ベローズ形状によって、衝撃時などに生じる衝撃
    力を吸収するようにした請求項1記載のステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】先端にステアリングホイールを有するステ
    アリング軸と、該ステアリング軸を内部に嵌挿させて保
    持するハウジング筒とを備え、かつ該ハウジング筒内
    で、上記ステアリング軸を連結部材を介して軸方向にス
    ライドさせる電動モータを備えたステアリング装置であ
    って、上記連結部材は、上記ステアリング軸を軸方向に
    スライドさせる連結ロッドからなり、該連結ロッドは、
    外筒と、該外筒内をスライド自在に嵌挿する軸で構成
    し、該軸に上記外筒をカシメて固定することにより、カ
    シメ部分で、衝突時などに生じる衝撃力で上記軸を上記
    外筒に対してスライド可能にしたことを特徴とするステ
    アリング装置。
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