JP2003276368A - リライタブル積層体 - Google Patents

リライタブル積層体

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JP2003276368A JP2002087801A JP2002087801A JP2003276368A JP 2003276368 A JP2003276368 A JP 2003276368A JP 2002087801 A JP2002087801 A JP 2002087801A JP 2002087801 A JP2002087801 A JP 2002087801A JP 2003276368 A JP2003276368 A JP 2003276368A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れ、さらには
サーマルヘッドの耐摩耗性にも優れたリライタブル積層
体を提供すること。 【解決手段】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂あるいは該樹脂と架橋剤を含む層を積層
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐溶剤性、耐水
性、耐油性及びサーマルヘッドの耐摩耗性に優れたリラ
イタブル積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護に関連して、表示・非表
示を繰り返し行うことができる表示材料が登場してき
た。このいわゆるリライタブル記録材料は、熱、光、電
界等のエネルギーを与えて可視化情報を記録した後、そ
の情報を保持し、再びエネルギーを与えることにより、
その情報を消去させるもので、ポイントカード等に実用
化されている。かかる記録材料としては、ロイコ染料を
使用したものが多く、ロイコ染料の発色機構と消色機構
を利用している。例えば、ロイコ染料と顕減色剤を含有
する感熱リライタブル層を基材上に設けて、その表面に
中間層及び保護層を順次設けて、リライタブルカード等
のリライタブル積層体となるのである。
【0003】かかる中間層は、保護層形成液の溶剤やモ
ノマー等の成分から感熱リライタブル層を保護するため
のもので、例えば特開平8−324164号公報には、
ポリビニルアルコールやポリビニルブチラール等の樹脂
が開示され、また、保護層としては、シリコーン系ゴム
やシリコーン樹脂等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中間層
に一般のポリビニルアルコールを用いたときには、保護
層の目止め効果が不十分であったり、耐水性や耐油性や
耐溶剤性が不十分であったりして、また、保護層にシリ
コーン系ゴムやシリコーン樹脂を用いても、耐水性や耐
油性や耐溶剤性は良好なものの、印字発色性やサーマル
ヘッドの耐摩耗性が不十分で、耐溶剤性、耐水性、耐油
性及びサーマルヘッドの耐摩耗性に優れたリライタブル
積層体が望まれるところである。
【0005】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アセト酢酸エ
ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA
化PVAと略記することがある)層を含む積層体からな
るリライタブル積層体が、上記の課題を解決できること
を見出して本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いるAA化PVAは、後述するようにポリビ
ニルアルコールにジケテンを反応させたり、ポリビニル
アルコールとアセト酢酸エステルを反応させてエステル
交換したりして、ポリビニルアルコールにアセト酢酸エ
ステル基を導入させたもので、かかるポリビニルアルコ
ールとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコ
ール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン
化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸
ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重
合体のケン化物等を用いることもできる。
【0007】かかる単量体としては、例えばエチレン、
プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセ
ン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカー
ボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル
等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニト
リル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィ
ンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル
類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウム
クロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチル
アリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリ
ルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエー
テルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシア
ルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)
アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)ア
クリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、
ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピ
レンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミ
ン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエ
チレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミ
ン等、トリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメ
チルメトキシシラン等のシラン系化合物などが挙げられ
る。
【0008】かかるAA化PVAの原料となるポリビニ
ルアルコールは、特に限定されないが、ケン化度(JI
S K6726に準拠)は70モル%以上(さらには7
5モル%以上、特には80モル%以上)が好ましく、か
かるケン化度が70モル%未満では、水溶性が乏しくて
塗工液とすることが困難となるため好ましくない。
【0009】また、該ポリビニルアルコールの4重量%
水溶液粘度(JIS K6726に準拠)は2〜200
mPa・s(さらには4〜150mPa・s、特には5
〜100mPa・s)(20℃)が好ましく、かかる4
重量%水溶液粘度が2mPa・s(20℃)未満では耐
水性や耐溶剤性が低下する傾向にあり、逆に200mP
a・s(20℃)を越えると塗工性が低下して好ましく
ない。
【0010】AA化PVAを得るには、上記の如きポリ
ビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、ポリビ
ニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させエステ
ル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重
合させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡
略で、品質の良いAA化PVAが得られる点から、ポリ
ビニルアルコール(粉末)とジケテンを反応させる方法
で製造するのが好ましい。ポリビニルアルコールとジケ
テンを反応させる方法としては、ポリビニルアルコール
とガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良い
し、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸着吸蔵せし
めた後、不活性ガス雰囲気下で液状またはガス状のジケ
テンを噴霧、反応するか、またはポリビニルアルコール
に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の
方法が用いられる。
【0011】上記の反応を実施する際の反応装置として
は、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分であ
る。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブ
レンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用い
ることができる。
【0012】かくして得られたAA化PVA中のアセト
酢酸エステル基の含有量は、0.1〜40モル%(さら
には0.3〜30モル%、特には0.5〜20モル%)
が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では、充
分な耐水性が得られず、逆に40モル%を越えると塗工
液とするときの水溶性が低下したり、得られた塗工液の
保存安定性が低下したりして好ましくない。
【0013】本発明においては、耐水性のさらなる向上
の点で、上記のAA化PVAと架橋剤を併用することも
好ましく、かかる架橋剤としては、アミン系化合物(メ
ラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、
アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロールメラ
ミン、アセトグアナミンやベンゾグアナミンとホルムア
ルデヒドとの縮合物、ジエチレントリアミン,トリエチ
レンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン,ポリエーテルジアミン等の
脂肪族アミン、メタフェニレンジアミン,ジアミノジフ
ェニルメタン等の芳香族アミン、アミンアダクト,ポリ
アミドアミン等の変性アミンなど)、アルデヒド化合物
(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,プロピオンア
ルデヒド,ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド、グリ
オキザール,グルタンジアルデヒド,マロンジアルデヒ
ド,スクシンジアルデヒド,マレインジアルデヒド,フ
タルジアルデヒド等のジアルデヒドなど)、ヒドラジン
化合物(ヒドラジン、ヒドラジンヒドラード、ヒドラジ
ンの塩酸,硫酸,硝酸,亜硝酸,リン酸,チオシアン
酸,炭酸等の無機塩類及びギ酸,シュウ酸等の有機塩
類、ヒドラジンのメチル,エチル,プロピル,ブチル,
アリル等の一置換体、1,1−ジメチル,1,1−ジエ
チル,4−n−ブチル−メタル等の非対称二置換体並び
に1,2−ジメチル,1,2−ジエチル,1,2−ジイ
ソピル等の対称二置換体など)、ホルムアミド基含有化
合物(ビニルホルムアミド,N−アリルホルムアミド,
アクリルホルムアミド等のモノマー重合物或いはこれら
のモノマーと酢酸ビニルモノマー,スチレンモノマー,
メチル(メタ)アクリレート等との共重合物など)、イ
ソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、水素
化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン
−トリレンジイソシアネートの付加物、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、メチレンビス−4−フェニル
メタントリイソシアネート、メチレンビスイソホロンジ
イソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタント
リイソシアネートやメチレンビスイソホロンジイソシア
ネートのケトオキシムブロック物など)、多価金属イオ
ン(酢酸アルミニウム、酢酸銅、塩化アルミニウム、塩
化銅、塩化鉛、塩化コバルト、塩化鉄(III)、硫酸ア
ルミニウム、硫酸鉄(III)、水酸化アルミニウム、塩
化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニウムなど)、
その他のメチロール基或いはアルコキシメチル基含有化
合物などを挙げることができる。
【0014】本発明のリライタブル積層体は、上記のA
A化PVAあるいはAA化PVAと架橋剤を含有してな
る層を有するもので、通常は該積層体の中間層あるいは
保護層として用いることが好ましく、これらについて具
体的に説明するが、この2層に限定されるものではな
い。
【0015】中間層に用いるにあたっては、上記のAA
化PVAあるいはAA化PVAと架橋剤を該層の厚みが
0.1〜20μm(さらには0.3〜10μm)となる
ように塗工すればよく、かかる厚みが0.1μm未満で
は、AA化PVAの添加効果に乏しく、逆に20μmを
越えると感熱リライタブル層の発色性が低下して好まし
くない。
【0016】また、かかる塗工にあたっては、上記のA
A化PVAあるいはAA化PVAと架橋剤の水溶液をロ
ールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター
法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法
等の公知の任意の方法で塗工することができる。
【0017】かかる架橋剤を併用するときは、AA化P
VAに対して0.5〜20重量%(さらには1〜15重
量%)とすることが好ましく、かかる量が0.5重量%
未満では併用の効果が少なく、逆に20重量%を越える
と塗工性が低下して好ましくない。
【0018】なお、中間層に上記の如きAA化PVAあ
るいはAA化PVAと架橋剤を含有させたときには、保
護層として、AA化PVA以外の樹脂を用いることが好
ましく、かかる樹脂としては、シリコーン系ゴム、シリ
コーン樹脂、ポリビニルブチラールやさらには一般のポ
リビニルアルコール系樹脂を用いることも可能である。
また、保護層にAA化PVAあるいはAA化PVAと架
橋剤を用いる場合についても、上記の中間層と同様に行
えばよい。
【0019】本発明のリライタブル積層体は、上記の如
き保護層や中間層が、基材上に設けられた感熱リライタ
ブル層の上に設けられるもので、かかる基材としては特
に限定はなく、紙、プラスチック(塩化ビニル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹
脂、ゴム類)、金属泊または金属板等を単独、あるいは
2種以上を組み合わせて使用することができ、その厚み
も0.1〜5mmの範囲から選択される。
【0020】また、感熱リライタブル層は、例えば特開
2001−113863号公報に開示されるように、
ロイコ色素系や高分子/有機低分子分散系等の素材に
より構成される。
【0021】ロイコ色素系の場合、発色/消色は、ロ
イコ色素と酸性化合物の組合せによるもので、これら化
合物を高分子バインダーと共に混合した組成物により感
熱リライタブル層を形成する。両性化合物を用いる競争
反応系と、長鎖アルキル酸性化合物を用いる相分離系が
ある。
【0022】競争反応系は、両性化合物としてフェノー
ルアミン塩を用い、発色反応がフェノール基によって、
消色反応がアミノ基によって進むことを利用するもので
ある。ここでロイコ染料としては、トリアリールメタン
系化合物(クリスタルバイオレットラクトン等)、ジフ
ェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、スピロ系
化合物、又はフルオラン系化合物等を用いる。このと
き、発色反応の速度の方が消色反応の速度よりも速いた
め、加熱して急冷すると発色状態のまま固定化され、加
熱して徐冷すると消色状態で固定化されるものである。
【0023】相分離系では、ロイコ色素と長鎖アルキル
酸性化合物との相溶状態と非相溶状態とを冷却速度の差
によって制御するもので、加熱して相溶状態のまま急冷
すると相溶したまま固定化されて発色状態となり、加熱
して相溶状態のまま徐冷すると相分離を起こして非相溶
状態となり、消色するものである。ここで、長鎖アルキ
ル酸性化合物としては、長鎖アルキル基を持つフェノー
ル化合物、又は長鎖アルキル基を持つホスホン酸化合物
が使用できる。長鎖アルキル基とは、前者の場合で炭素
数11以上が、後者の場合で炭素数14以上が好まし
い。
【0024】なお、実際の使用においては、特別の冷却
を行うよりも、通常は、サーマルヘッドで1/1000
秒のオーダーの時間で瞬間的に昇温して加熱した後、常
温で冷却することで「急冷」が実現でき、上記のような
系を発色させることができる。また、「除冷」について
は、ヒートローラー、ホットスタンプ、ヒーターバー等
の熱容量の大きい加熱手段を用いて加熱した後に冷却す
れば、与えられた熱量が多いため、「除冷」が実現し、
消色ができる。場合によっては、加熱温度、条件を選定
することにより、サーマルヘッドでの消去も可能であ
る。このようなロイコ系のリライタブル材料の場合、ロ
イコ色素の種類を適宜選択することによって、黒、青、
赤など種々の色調にカラー化することもできる。
【0025】高分子/有機低分子分散系では、透明で
成膜性を有する合成樹脂のバインダー中に、脂肪酸など
の有機低分子の物質を均一に分散させた組成物により、
感熱リライタブル層を形成する。この層に対し、サーマ
ルヘッド等により所定の熱を与えて急冷すると透明化
し、また、熱を与えた後に徐冷すると白濁状態になるも
のである。
【0026】合成樹脂のバインダーとしては、透明性が
あり、成膜性があり、かつ有機低分子の物質を均一に分
散して保持できる樹脂が好ましく、例えば、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、そ
の他のポリエステル系樹脂などが挙げられる。有機低分
子の物質としては、各種脂肪酸、およびその誘導体が使
用でき、中でも、飽和直鎖脂肪酸であって、炭素数が1
0〜30、融点が30〜160℃の範囲のものが好まし
く、1種又は2種以上を使用することができる。融点の
異なる有機低分子の物質、例えば、モノカルボン酸とジ
カルボン酸を用いると、透明化する温度範囲を広く取れ
る利点がある。上記の、の中でも、のロイコ色素
系はカラー表示ができるため、視認性の点でより優れて
いる。
【0027】かくして、基材の上に感熱リライタブル層
が形成され、その表面に中間層及び保護層が形成されて
リライタブル積層体となるのである。なお、上記の保護
層と中間層の両層に同時に、AA化PVAあるいはAA
化PVAと架橋剤を含有させることも可能である。
【0028】かくして得られた本発明のリライタブル積
層体は、上記の如きAA化PVAあるいはAA化PVA
と架橋剤を含有する層を有しているため、耐溶剤性、耐
水性、耐油性及びサーマルヘッドの耐摩耗性に優れてい
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
ことわりのない限り重量基準を示す。
【0030】実施例1 下記の要領でリライタブル積層体を作製して、その評価
を行った。まず、基材(厚さ0.3mmのポリ塩化ビニ
ル樹脂板の表面に厚さ50μmのPETフィルムを積層
したもの)表面にエイコシルホスホン酸5部、2−アニ
リノ−6−ジエチルアミノ−3−メチルフルオラン10
部、THF100部、トルエン10部及びポリビニルア
ルコール[ケン化度88モル%、4%水溶液粘度5mP
a・s(20℃)]25部からなる溶液をワイヤーバー
で塗布後、加熱乾燥して、約500μm厚みの感熱リラ
イタブル層を設けた。
【0031】ついで、その上にAA化PVA[アセト酢
酸エステル基2モル%含有、ケン化度99モル%、4%
水溶液粘度10mPa・s(20℃)]10部、グルタ
ルアルデヒド0.2部及び水100部からなる水溶液を
ワイヤーバーで塗布後、加熱乾燥して、約10μm厚み
の中間層を設け、さらに、その上に保護層として、約2
μmのシリコーン樹脂層を設けて本発明のリライタブル
積層体を製造した。
【0032】得られたリライタブル積層体について、以
下の評価を行った。 (耐溶剤性)得られたリライタブル積層体に、110
℃、0.6kg/m2の条件で2秒間加熱圧着より印字
を行って、この時の印字発色濃度(X)の測定後、印字
面に酢酸エチルを数滴滴下して、室温で1時間放置後、
酢酸エチルを拭き取って消去を行った。その後、印字と
消去を50回ずつ繰り返し、最後にもう一度印字を行っ
て、この時の印字発色濃度(Y)を測定して、最初の印
字発色濃度(X)に対する最後の印字発色濃度(Y)の
保持率(%)を算出して耐溶剤性の指標とした。なお、
印字発色濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製『RD
−100R型』、アンバーフィルター使用)にて測定し
た。
【0033】(耐水性)上記の耐溶剤性の評価におい
て、酢酸エチルに変えて水を用いた以外は同様に評価を
行った。
【0034】(耐油性)上記の耐溶剤性の評価におい
て、酢酸エチルに変えてポリブテン油を用いた以外は同
様に評価を行った。
【0035】(サーマルヘッドの耐摩耗性)得られたリ
ライタブル積層体に、110℃、0.6kg/m2の条
件で2秒間加熱圧着より印字を行い、その後80℃、
0.6kg/m2の条件で消去を行う操作を50回ずつ
行って、その時のサーマルヘッドの汚れ具合を目視観察
して以下のように評価した。 ○・・・サーマルヘッドに樹脂の付着が認められない △・・・サーマルヘッドに樹脂の付着がわずかに認めら
れる ×・・・サーマルヘッドに樹脂の付着が多く認められる
【0036】実施例2 実施例1において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基0.5モル%含有、ケン化度88モル%、4%
水溶液粘度25mPa・s(20℃)のAA化PVAを
用いた以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同
様に評価を行った。
【0037】実施例3 実施例1において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基6モル%含有、ケン化度93モル%、4%水溶
液粘度20mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0038】実施例4 実施例1において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基10モル%含有、ケン化度98モル%、4%水
溶液粘度5mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0039】実施例5 実施例1において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基3モル%含有、ケン化度99モル%、4%水溶
液粘度30mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0040】実施例6 実施例1のリライタブル積層体において、中間層とし
て、厚さ10μmのポリブチラール樹脂層を設け、保護
層としてAA化PVA[アセト酢酸エステル基2モル%
含有、ケン化度99モル%、4%水溶液粘度10mPa
・s(20℃)]10部、グリオキザール0.2部及び
水100部からなる水溶液をワイヤーバーで塗布後、加
熱乾燥して、10μm厚みの層を設けた以外は同様にリ
ライタブル積層体を製造して、同様に評価を行った。
【0041】実施例7 実施例6において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基0.5モル%含有、ケン化度88モル%、4%
水溶液粘度25mPa・s(20℃)のAA化PVAを
用いた以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同
様に評価を行った。
【0042】実施例8 実施例6において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基6モル%含有、ケン化度93モル%、4%水溶
液粘度20mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0043】実施例9 実施例6において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基10モル%含有、ケン化度98モル%、4%水
溶液粘度5mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0044】実施例10 実施例6において、AA化PVAとして、アセト酢酸エ
ステル基3モル%含有、ケン化度99モル%、4%水溶
液粘度30mPa・s(20℃)のAA化PVAを用い
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0045】実施例11 実施例1において、AA化PVAの含有量を20部とし
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0046】実施例12 実施例1において、AA化PVAの含有量を5部とした
以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に評
価を行った。
【0047】実施例13 実施例1において、グルタルアルデヒドの含有量を0.
1部とした以外は同様にリライタブル積層体を製造し
て、同様に評価を行った。
【0048】実施例14 実施例1において、グリオキザールの含有量を0.3部
とした以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同
様に評価を行った。
【0049】実施例15 実施例1において、グルタルアルデヒドを配合しなかっ
た以外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に
評価を行った。
【0050】実施例16 実施例6において、グリオキザールを配合しなかった以
外は同様にリライタブル積層体を製造して、同様に評価
を行った。
【0051】比較例1 実施例1において、中間層のAA化PVAに変えてケン
化度99モル%、4%水溶液粘度28mPa・s(20
℃)の未変性PVAを用いた以外は同様にリライタブル
積層体を製造して、同様に評価を行った。
【0052】比較例2 実施例6において、保護層のAA化PVAに変えてケン
化度99モル%、4%水溶液粘度28mPa・s(20
℃)の未変性PVAを用いた以外は同様にリライタブル
積層体を製造して、同様に評価を行った。
【0053】実施例および比較例の評価結果を表1に示
す。
【0054】 〔表1〕 耐溶剤性 耐水性 耐油性 サーマルヘット゛の耐摩耗性 実施例1 88 94 95 ○ 〃 2 87 92 95 ○ 〃 3 85 96 96 ○ 〃 4 89 90 94 ○ 〃 5 85 91 95 ○ 〃 6 88 81 91 ○ 〃 7 84 92 88 ○ 〃 8 86 96 92 ○ 〃 9 83 83 93 ○ 〃 10 86 91 90 ○ 〃 11 93 95 96 ○ 〃 12 82 88 86 ○ 〃 13 88 84 90 ○ 〃 14 91 87 92 ○ 〃 15 84 79 88 ○ 〃 16 81 78 87 ○ 比較例1 77 72 84 △ 〃 2 75 68 73 △
【0055】
【発明の効果】本発明のリライタブル積層体は、AA化
PVAあるいはAA化PVAと架橋剤を含有する層を有
しているため、耐溶剤性、耐水性、耐油性に優れ、さら
にはサーマルヘッドの耐摩耗性にも優れるという作用効
果を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA10 HB14 JC02 KA07 KA27 KA29 LA05 LA11 LA26 LB08 LB26 2H026 AA07 AA09 BB01 DD10 DD14 DD19 DD48 DD55 4J100 AD02P BA14H BA15H CA31 HA11 HA13 HA61 HC25 HC33 HE01 HE05 JA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂層を含む積層体からなることを特徴とす
    るリライタブル積層体。
  2. 【請求項2】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂層がさらに架橋剤を含んでなることを特
    徴とする請求項1記載のリライタブル積層体。
  3. 【請求項3】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂層を保護層として使用されることを特徴
    とする請求項1または2記載のリライタブル積層体。
  4. 【請求項4】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂層がアセト酢酸エステル基含有ポリビニ
    ルアルコール系樹脂以外の樹脂からなる保護層と感熱リ
    ライタブル層の間の中間層として使用されることを特徴
    とする請求項1〜3いずれか記載のリライタブル積層
    体。
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