JP2003272635A - リチウム1次電池用正極及びその製造方法、並びに該正極を備えたリチウム1次電池 - Google Patents
リチウム1次電池用正極及びその製造方法、並びに該正極を備えたリチウム1次電池Info
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Abstract
で長寿命なリチウム1次電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質と、ホスファゼン誘導体及び
/又はホスファゼン誘導体の異性体とを含むペースト状
体よりなるリチウム1次電池用の正極、及び該正極を備
えたリチウム1次電池である。また、(I) 正極活物質
と、ホスファゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘導体
の異性体とを混錬して、ペーストを製造する工程と、(I
I) 該ペーストを、正極製作冶具に塗布して乾燥し、続
いて所望の形状に成形してペースト状体の正極を製造す
る工程とからなることを特徴とするリチウム1次電池用
の正極の製造方法である。
Description
の正極及びその製造方法、並びに該正極を備えたリチウ
ム1次電池に関する。
伴い、特に小型電子機器の電源として、小型、軽量で、
かつ長寿命、高エネルギー密度の電池が求められてい
る。これに対し、二酸化マンガン又はフッ化黒鉛を正極
とし、リチウムを負極とするリチウム1次電池は、リチ
ウムの電極電位が金属中で最も低く、単位体積当りの電
気容量が大きいために、高エネルギー密度を有する電池
の一つとして知られており、多くの種類のものが活発に
研究されている。
も、修理・補修ができる場所までの相当距離を継続走行
できるランフラットタイヤが開発されている。これに伴
い、タイヤの内圧を測定し、一定以下の内圧になった場
合に、異常を伝える信号を送信する内圧警報装置を、前
記ランフラットタイヤに設けることが提案されている。
述の小型、軽量で、かつ長寿命、高エネルギー密度の二
酸化マンガン又はフッ化黒鉛を正極とし、リチウムを負
極とするリチウム1次電池が用いられている。
内圧の他にタイヤの諸情報を伝達するように内圧警報装
置の高機能化が要請され、それに伴い電力消費量が増大
するので、現存するリチウム1次電池を内圧警報装置の
電源に用いたのでは、寿命が短く、短期間で交換が必要
になるという問題が生じる。そこで、本発明は、放電容
量及びエネルギー密度の高い、高出力で長寿命なリチウ
ム1次電池を提供することを目的とする。
を解決するために鋭意検討した結果、リチウム1次電池
において、正極の正極活物質を改良することによって、
放電容量及びエネルギー密度の高い、高出力で長寿命な
リチウム1次電池が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
ファゼン誘導体の異性体とを含むペースト状体よりなる
リチウム1次電池用正極である。 <2> 前記ホスファゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘
導体の異性体の総質量が、前記正極活物質の質量に対
し、0.01から100倍の質量であることを特徴とする前記<
1>に記載のリチウム1次電池用正極である。
おいて100mPa・s(100cP)以下の粘度を有し、下記式(I)又
は下記式(II)で表わされることを特徴とする前記<1>又
は<2>に記載のリチウム1次電池用正極である。
ロゲン元素を表す。X1は、炭素、ケイ素、ゲルマニウ
ム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、
酸素、イオウ、セレン、テルル、及びポロニウムからな
る群より選ばれる元素の少なくとも1種を含む置換基を
表す。Y1、Y2及びY3は、2価の連結基、2価の元
素、又は単結合を表す。) (NPR4 2)n ・・・ (II) (式中、R4は一価の置換基又はハロゲン元素を表す。
nは、3〜15を表す。)
ン誘導体が、下記式(III)で表されることを特徴とする
前記<3>に記載のリチウム1次電池用正極である。 (NPF2)n ・・・ (III) (式中、nは3〜15を表す。)
ン誘導体が、下記式(IV)で表されることを特徴とする前
記<3>に記載のリチウム1次電池用正極である。 (NPR5 2)n ・・・ (IV) (式中、R5は一価の置換基又はフッ素を表し、全R5
のうち少なくとも1つはフッ素を含む一価の置換基又は
フッ素であり、nは3〜15を表す。但し、全てのR5が
フッ素であることはない。)
おいて固体であって、下記式(V)で表されることを特徴
とする前記<1>又は<2>に記載のリチウム1次電池用正極
である。 (NPR6 2)n ・・・ (V) (式中、R6は一価の置換基又はハロゲン元素を表す。
nは3〜15を表す。)
れ、下記式(VII)で表わされるホスファゼン誘導体の異
性体であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のリ
チウム1次電池用正極である。
一価の置換基又はハロゲン元素を表す。X2は、炭素、
ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アン
チモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル、及
びポロニウムからなる群より選ばれる元素の少なくとも
1種を含む置換基を表す。Y7及びY8は、2価の連結
基、2価の元素、又は単結合を表す。)
極を備えたリチウム1次電池である。 <9> (I) 正極活物質と、ホスファゼン誘導体及び/又
はホスファゼン誘導体の異性体とを混錬して、ペースト
を製造する工程と、 (II) 該ペーストを、正極製作冶具に塗布して乾燥し、
続いて所望の形状に成形してペースト状体の正極を製造
する工程とからなることを特徴とするリチウム1次電池
用正極の製造方法である。
る。一般に、電池を構成する材料夫々の抵抗と、電解液
と正極、電解液と負極等の各材料間の界面に発生する抵
抗との総和が、電池自体の内部抵抗に相当する。内部抵
抗が大きくなると、印加電流との積で、IRドロップと
称する電池の放電電位の低下をもたらす。この放電電位
の低下は、一定の電圧まで降下するのに要する時間(即
ち、電池の寿命)の短縮をもたらすため、結果として放
電容量及びエネルギー密度の低下につながる。
のみからなる正極を備えた現用のリチウム1次電池は、
上述したようにリチウム1次電池を用いた装置の高機能
化に伴う電力消費量の増大に対応できず、より放電容量
及びエネルギー密度が高い高出力で長寿命なリチウム1
次電池を開発する必要がある。このため、電池内部に発
生する電池自体の内部抵抗に着目し、種々検討した結
果、正極活物質と、ホスファゼン誘導体及び/又はホス
ファゼン誘導体の異性体とのペースト状体よりなる正極
が、電池自体の内部抵抗を小さくでき、その結果、放電
容量及びエネルギー密度の向上が可能となり、高出力で
長寿命なリチウム1次電池が得られることを見出した。
正極活物質の粒子間に、ホスファゼン誘導体及び/又は
ホスファゼン誘導体の異性体が閉じ込められた半固体状
混合物の成形体であり、所定の力が加えられても、ホス
ファゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘導体の異性体
が成形体表面に染み出すことはない。また、本発明の正
極は、必要に応じて、導電材及び結着剤等のリチウム1
次電池の技術分野で通常使用されている添加剤を含む。
極で起電反応に直接あずかる物質であり、特に制限な
く、公知の正極活物質から適宜選択して使用できる。例
えば、フッ化黒鉛((CFx)n)、MnO2(電気化学合
成であっても化学合成であってもよい)、V2O5、M
oO3、Ag2CrO4、CuO、CuS、FeS2、
SO2、SOCl2、TiS等が好適に挙げられ、これ
らの中でも、高容量で安全性、さらには放電電位が高く
電解液の濡れ性に優れる点で、MnO2、V2O 5、フ
ッ化黒鉛が好ましく、コストの点ではMnO2、V2O
5がより好ましい。これらの材料は、1種単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。前記正極活物質
の粒径は1〜60μmであり、好ましくは20〜40μmであ
る。粒径が1μm未満又は60μmを超えると、正極合材
(正極活物質、導電材及び結着剤からなる)成形時にパ
ッキングが悪くなるか、又は単位体積中に含まれる正極
活物質量が少なくなるため、放電容量が減少することが
あるので好ましくない。
及び/又はホスファゼン誘導体の異性体の総質量は、正
極活物質の質量に対し、0.01から100倍の質量が好まし
く、より好ましくは0.05から50倍の質量であり、特に好
ましくは0.1から30倍の質量である。ホスファゼン誘導
体及び/又はホスファゼン誘導体の異性体の総質量が、
正極活物質の質量に対し、0.01倍の質量未満であると、
ホスファゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘導体の異
性体を正極活物質と共に正極中に含有させ、電池自体の
内部抵抗を低下させる効果が十分でなく、100倍の質量
を超えると、単位体積当りの正極活物質量が減少し、ま
た、ペースト状体にならず懸濁液を生成してしまうため
好ましくない。
ないが、25℃における粘度が100mPa・s(100cP)以下であ
って、次式(I)又は次式(II)で表されるホスファゼン誘
導体が好ましい。
ゲン元素を表す。X1は、炭素、ケイ素、ゲルマニウ
ム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、
酸素、イオウ、セレン、テルル、及び、ポロニウムから
なる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む有機基
を表す。Y1、Y2及びY3は、2価の連結基、2価の
元素、又は単結合を表す。) (NPR4 2)n ・・・ (II) (式中、R4は、一価の置換基又はハロゲン元素を表
す。nは、3〜15を表す。)
誘導体の25℃における粘度は、前述のように100mPa・s(1
00cP)以下であり、20mPa・s(20cP)以下が好ましい。な
お、本発明において粘度は、粘度測定計(R型粘度計Mod
el RE500-SL、東機産業(株)製)を用い、1 rpm、2 rp
m、3 rpm、5 rpm、7 rpm、10 rpm、20 rpm、及び50 rpm
の各回転速度で120秒間づつ測定し、指示値が50〜60%
となった時の回転速度を分析条件とし、その際の粘度を
測定することによって求めた。
ては、一価の置換基又はハロゲン元素であれば特に制限
はない。一価の置換基としては、アルコキシ基、アルキ
ル基、カルボキシル基、アシル基、アリール基等が挙げ
られ、アルコキシ基が好ましい。一方、ハロゲン元素と
しては、フッ素、塩素、臭素等が好適に挙げられる。R
1〜R3は、総て同一の種類の置換基でもよく、それら
のうちのいくつかが異なる種類の置換基でもよい。
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、メ
トキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のア
ルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。これらの中
でも、R1〜R3としては、総てがメトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、メトキシエトキシ基、又はメトキ
シエトキシエトキシ基が好適であり、総てがメトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基又はi-プロポキシ基
であるのが特に好適である。
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ
る。前記アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリ
ル基等が挙げられる。前記アリール基としては、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。これら一
価の置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されて
いるのが好ましく、ハロゲン元素としては、フッ素、塩
素、臭素等が好適に挙げられる。
される2価の連結基としては、例えば、CH2基のほ
か、酸素、硫黄、セレン、窒素、ホウ素、アルミニウ
ム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウ
ム、ランタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、ス
ズ、ゲルマニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウ
ム、ヒ素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、
クロム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステ
ン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれる元
素の少なくとも1種を含む2価の連結基が挙げられ、こ
れらの中でも、CH2基、及び、酸素、硫黄、セレン、
窒素からなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含
む2価の連結基が好ましく、硫黄及び/又はセレンの元
素を含む2価の連結基が特に好ましい。また、Y1、Y
2及びY3は、酸素、硫黄、セレン等の2価の元素、又
は単結合であってもよい。Y1〜Y3は総て同一種類で
もよく、いくつかが互いに異なる種類でもよい。
環境等への配慮の観点からは、炭素、ケイ素、窒素、リ
ン、酸素、及び、イオウからなる群から選ばれる元素の
少なくとも1種を含む有機基が好ましい。これらの有機
基の内、次式(VIII)、(IX)又は(X)で表される構造を有
する有機基がより好ましい。
は、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Y10〜Y
14は、2価の連結基、2価の元素、又は単結合を表
し、Z1は2価の基又は2価の元素を表す。
R14としては、式(I)におけるR1〜R3で述べたの
と同様の一価の置換基又はハロゲン元素がいずれも好適
に挙げられる。又、これらは、同一有機基内において、
それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる
種類でもよい。式(VIII)のR10とR11とは、及び式
(X)のR13とR14とは、互いに結合して環を形成し
ていてもよい。
Y14で表される基としては、式(I)におけるY1〜Y
3で述べたのと同様の2価の連結基又は2価の元素等が
挙げられ、同様に、硫黄及び/又はセレンの元素を含む
基が特に好ましい。これらは、同一有機基内において、
それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる
種類でもよい。
ば、CH2基、CHR(Rは、アルキル基、アルコキシ
ル基、フェニル基等を表す。以下同様。)基、NR基の
ほか、酸素、硫黄、セレン、ホウ素、アルミニウム、ス
カンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ラ
ンタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲル
マニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ
素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロ
ム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、
鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれる元素の
少なくとも1種を含む2価の基等が挙げられ、これらの
中でも、CH2基、CHR基、NR基のほか、酸素、硫
黄、セレンからなる群から選ばれる元素の少なくとも1
種を含む2価の基が好ましい。特に、硫黄及び/又はセ
レンの元素を含む2価の基が好ましい。また、Z1は、
酸素、硫黄、セレン等の2価の元素であってもよい。
換基又はハロゲン元素であれば特に制限はない。一価の
置換基としては、アルコキシ基、アルキル基、カルボキ
シル基、アシル基、アリール基等が挙げられ、これらの
中でも、アルコキシ基が好ましい。一方、ハロゲン元素
としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が好適に挙げ
られる。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、
フェノキシ基等が挙げられ、これらの中でも、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基が特に好ましい。こ
れらの置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換され
ているのが好ましく、ハロゲン元素としては、フッ素、
塩素、臭素等が好適に挙げられる。
R4、R10〜R14、Y1〜Y3、Y10〜Y14、
Z1を適宜選択することにより、より好適な粘度を有す
るホスファゼン誘導体の合成が可能となる。これらホス
ファゼン誘導体は、1種単独で使用してもよく、2種以
上を併用してもよい。
も、次式(III)で表されるホスファゼン誘導体が特に好
ましい。 (NPF2)n ・・・ (III) (式中、nは3〜15を表す。)これらのホスファゼン誘
導体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。
も、次式(IV)で表されるホスファゼン誘導体が特に好ま
しい。 (NPR5 2)n ・・・ (IV) (式中、R5は一価の置換基又はフッ素を表し、全R5
のうち少なくとも1つはフッ素を含む一価の置換基又は
フッ素であり、nは3〜15を表す。但し、全てのR5が
フッ素であることはない。)
ルコキシ基のほか、アルキル基、アシル基、アリール
基、カルボキシル基等が挙げられ、特にアルコキシ基が
好適である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、ブトキシ基
等のほか、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基置換ア
ルコキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n-
プロポキシ基が特に好ましい。
いるのが好ましく、式(IV)のR5が一つもフッ素でない
場合は、少なくとも一つの一価の置換基はフッ素含む。
フッ素のホスファゼン誘導体における含有量としては、
3〜70重量%が好ましく、7〜45重量%がより好ましい。
式(IV)で表されるホスファゼン誘導体の分子構造として
は、前述のフッ素以外にも塩素、臭素等のハロゲン元素
を含んでいてもよい。
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
温)において固体であって、次式(V)で表されるホスフ
ァゼン誘導体も好ましい。 (NPR6 2)n ・・・ (V) (式中、R6は一価の置換基又はハロゲン元素を表す。
nは3〜15を表す。)
換基又はハロゲン元素であれば特に制限はなく、一価の
置換基としては、アルコキシ基、アルキル基、カルボキ
シル基、アシル基、アリール基等が挙げられる。また、
ハロゲン元素としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン元素が好適に挙げられる。これらの
中でも、特にアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基
としては、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ
基、プロポキシ基(イソプロポキシ基、n-プロポキシ
基)、フェノキシ基、トリフルオロエトキシ基等が好ま
しく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(イソプ
ロポキシ基、n-プロポキシ基)、フェノキシ基、トリフ
ルオロエトキシ基等がより好ましい。前記一価の置換基
は、前述のハロゲン元素を含むのが好ましい。
ては、例えば、前記式(V)においてR 6がメトキシ基で
あってnが3である構造、式(V)においてR6がメトキシ
基及びフェノキシ基の少なくとも何れかであってnが4
である構造、式(V)においてR6がエトキシ基であって
nが4である構造、式(V)においてR6がイソプロポキシ
基であってnが3又は4である構造、式(V)においてR6
がn-プロポキシ基であってnが4である構造、式(V)にお
いてR6がトリフルオロエトキシ基であってnが3又は4
である構造、式(V)においてR6がフェノキシ基であっ
てnが3又は4である構造が、特に好ましい。
子構造としては、前述のようにハロゲン元素を含む置換
基を有するのが好ましい。該ハロゲン元素としては、フ
ッ素、塩素、臭素等が好ましく、フッ素が特に好まし
い。
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
に制限されないが、次式(VI)で表され、次式(VII)で表
されるホスファゼン誘導体の異性体が好ましい。
一価の置換基又はハロゲン元素を表す。X2は、炭素、
ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アン
チモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル、及
びポロニウムからなる群より選ばれる元素の少なくとも
1種を含む置換基を表す。Y7及びY8は、2価の連結
基、2価の元素、又は単結合を表す。)
は、一価の置換基又はハロゲン元素であれば特に制限は
なく、一価の置換基としては、アルコキシ基、アルキル
基、カルボキシル基、アシル基、アリール基等が挙げら
れる。又、ハロゲン元素としては、例えば、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン元素が好適に挙げられる。これら
の中でも、特にフッ素及びアルコキシ基等が好ましい。
また、フッ素、アルコキシ基、及びフッ素等を含むアル
コキシ基等が好ましい。R7〜R9は、総て同一の種類
の置換基でもよく、それらのうちのいくつかが異なる種
類の置換基でもよい。
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、メト
キシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のアル
コキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。これらの中で
も、R7〜R9としては、総てがメトキシ基、エトキシ
基、メトキシエトキシ基、又はメトキシエトキシエトキ
シ基が好適であり、総てがメトキシ基又はエトキシ基で
あるのが特に好適である。アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が
挙げられる。アシル基としては、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バ
レリル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの
置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されている
のが好ましく、ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、
臭素等が好適に挙げられる。
2価の連結基としては、例えば、CH2基のほか、酸
素、硫黄、セレン、窒素、ホウ素、アルミニウム、スカ
ンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ラン
タン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマ
ニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、
ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モ
リブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コ
バルト、ニッケルからなる群から選ばれる元素の少なく
とも1種を含む2価の連結基が挙げられ、これらの中で
も、CH2基、及び、酸素、硫黄、セレン、窒素からな
る群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む2価の連
結基が好ましい。また、Y7及びY8は、酸素、硫黄、
セレン等の2価の元素、又は単結合であってもよい。硫
黄及び/又は酸素の元素を含む2価の連結基、酸素元
素、並びに硫黄元素が特に好ましく、酸素元素を含む2
価の連結基、及び酸素元素が特に好ましい。Y7及びY
8は、同一種類でもよく、互いに異なる種類でもよい。
環境等への配慮の観点からは、炭素、ケイ素、窒素、リ
ン、酸素、及び、硫黄からなる群から選ばれる元素の少
なくとも1種を含む置換基が好ましく、次式(XI)、(XI
I)又は(XIII)で表される構造を有する置換基がより好ま
しい。
R15〜R19は、一価の置換基又はハロゲン元素を表
す。Y15〜Y19は、2価の連結基、2価の元素、又
は単結合を表し、Z2は2価の基又は2価の元素を表
す。
〜R19としては、式(VI)におけるR7〜R9で述べた
のと同様の一価の置換基又はハロゲン元素がいずれも好
適に挙げられる。又、これらは、同一置換基内におい
て、それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異
なる種類でもよい。式(XI)のR15とR16とは、及び
式(XIII)のR18とR19とは、互いに結合して環を形
成していてもよい。
〜Y19で表される基としては、式(I)におけるY7〜
Y8で述べたのと同様の2価の連結基又は2価の元素等
が挙げられ、同様に、硫黄及び/又は酸素の元素を含む
2価の連結基、酸素元素、或いは硫黄元素が、特に好ま
しい。また、酸素元素を含む2価の連結基、及び酸素元
素が特に好ましい。これらは、同一置換基内において、
それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる
種類でもよい。
CH2基、CHR(Rは、アルキル基、アルコキシル
基、フェニル基等を表す。以下同様。)基、NR基のほ
か、酸素、硫黄、セレン、ホウ素、アルミニウム、スカ
ンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ラン
タン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマ
ニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、
ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モ
リブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コ
バルト、ニッケルからなる群から選ばれる元素の少なく
とも1種を含む2価の基等が挙げられ、これらの中で
も、CH2基、CHR基、NR基のほか、酸素、硫黄、
セレンからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を
含む2価の基が好ましい。また、Z2は、酸素、硫黄、
セレン等の2価の元素であってもよい。特に、硫黄及び
/又はセレン元素を含む2価の基、硫黄元素、或いはセ
レン元素が、好ましい。また、酸素元素を含む2価の
基、及び酸素元素が特に好ましい。
R9、R15〜R19、Y7〜Y8、Y15〜Y19、
Z2を適宜選択することにより、より好適な粘度を有す
るホスファゼン誘導体の異性体の合成が可能となる。こ
れらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
されるホスファゼン誘導体の異性体であり、例えば、式
(VII)で表されるホスファゼン誘導体を生成する際の真
空度及び/又は温度を調節することで製造でき、該異性
体の電解液における含有量(体積%)は、下記測定方法
により測定することができる。<<測定方法>>ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)又は高速液体ク
ロマトグラフィーによって試料のピーク面積を求め、該
ピーク面積を、予め求めておいた前記異性体のモルあた
りの面積と比較することでモル比を得、更に比重を考慮
して体積換算することで測定できる。
2としては、式(VI)のR7〜R9、Y7〜Y8及びX2
の説明で述べたのと同様のものが総て好適に挙げられ
る。
されるホスファゼン誘導体の分子構造としては、ハロゲ
ン元素を含む置換基を有するのが好ましい。該ハロゲン
元素としては、フッ素、塩素、臭素等が好ましく、フッ
素が特に好ましい。
要に応じて添加する添加剤のうち、導電材としてはアセ
チレンブラック等が挙げられ、結着剤としてはポリフッ
化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)等が挙げられる。これらの添加剤は、従来と同様の配
合割合で使用することができる。
極として公知の形状の中から適宜選択することができ
る。例えば、シート状、円柱形状、板状形状、スパイラ
ル形状等が挙げられる。
極と、負極と、非プロトン性有機溶媒及び支持塩からな
る電解液とを備え、必要に応じて、セパレーター等のリ
チウム1次電池の技術分野で通常使用される部材を備え
る。
しては、リチウム金属自体の他、リチウム合金等が挙げ
られる。リチウムと合金をつくる金属としては、Sn、P
b、Al、Au、Pt、In、Zn、Cd、Ag、Mg等が挙げられる。
これらの中でも、埋蔵量の多さ、毒性の観点からAl、Z
n、Mgが好ましい。これらの材料は、1種単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。負極の形状とし
ては、特に制限はなく、前述した正極の形状と同様の公
知の形状から適宜選択することができる。
プロトン性有機溶媒及び支持塩からなる。リチウム1次
電池の負極は、前述のようにリチウム又はリチウム合金
からなるため、水との反応性が非常に高く、従って、溶
媒には水と反応しない非プロトン性有機溶媒を用いる。
はないが、電解液の粘度を低く抑える観点から、エーテ
ル化合物やエステル化合物等が挙げられる。具体的に
は、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
フェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート(PC)、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-
バレロラクトン、メチルエチルカーボネート、エチルメ
チルカーボネート等が好適に挙げられる。これらの中で
もプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の環
状エステル化合物、ジメチルカーボネート、メチルエチ
ルカーボネート等の鎖状エステル化合物、1, 2-ジメト
キシエタン等の鎖状エーテル化合物等が好適である。特
に、環状のエステル化合物は、比誘電率が高く後述する
支持塩(リチウム塩)の溶解性に優れる点で好適であ
り、一方、鎖状のエステル化合物及びエーテル化合物
は、低粘度であるため、電解液の低粘度化の点で好適で
ある。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
源として通常用いるものであればよく、該リチウムイオ
ンのイオン源としては、特に制限はないが、例えば、Li
ClO 4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3及びLiAsF6、LiC
4F9SO3、Li(CF3SO2) 2N、Li(C2F5SO2)2N
等のリチウム塩が好適に挙げられる。これらは、1種単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
液の溶媒成分1Lに対し、0.2〜1モルが好ましく、0.5〜1
モルがより好ましい。含有量が、0.2モル未満の場合に
は、電解液の十分な導電性を確保することができず、電
池の放電特性に支障をきたすことがある一方、1モルを
超える場合には、電解液の粘度が上昇し、リチウムイオ
ンの十分な移動度が確保できないため、前述と同様に電
解液の十分な導電性が確保できず、結果として溶液抵抗
が上昇するため、パルス放電、低温特性に支障をきたす
ことがある。
部材としては、リチウム1次電池において、正負極間
に、両極の接触による電流の短絡を防止する役割で介在
させるセパレーターが挙げられる。セパレーターの材質
としては、両極の接触を確実に防止し得、かつ、電解液
を通したり含んだりできる材料、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セル
ロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレート等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム
等が好適に挙げられる。これらの中でも、厚さ20〜50μ
m程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フ
ィルム、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが特に好適で
ある。本発明では、上述のセパレーターの他にも、通常
電池に使用されている公知の各部材が好適に使用でき
る。
の形態としては、特に制限はなく、コインタイプ、ボタ
ンタイプ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の
円筒型電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。
ボタンタイプの場合は、シート状の正極及び負極を作製
し、該正極及び負極によりセパレーターを挟む等によ
り、リチウム1次電池を作製することができる。また、
スパイラル構造の場合は、例えば、シート状の正極を作
製して集電体を挟み、これに、負極(シート状)を重ね合
わせて巻き上げる等により、リチウム1次電池を作製す
ることができる。
方法は、特に限定されないが、例えば、以下に示す方法
により製造することができる。
方法では、第1の工程として、正極活物質と、ホスファ
ゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘導体の異性体とを
混合・混錬して、ペーストを製造する。なお、該ペース
トには、導電材、結着剤等のリチウム1次電池の技術分
野で通常使用される添加剤を、追加してもよい。
トを、正極製作冶具に塗布する。ここで、正極製作冶具
としては、リチウム1次電池の技術分野で通常使用する
冶具が使用でき、例えば、ドクターブレード等が挙げら
れる。次に、正極製作冶具に塗布されたペーストを乾燥
して得たものを、所望の形状に成形して正極を製造す
る。乾燥は100〜120℃で熱風乾燥するのが好ましい。ま
た、成形方法としては、従来公知の方法が使用でき、例
えば、目的とするリチウム1次電池の正極の形状に対応
した型により、正極製作冶具に塗布されたペーストを乾
燥して得たものを、打ち抜き機で打ち抜くことによって
も実施できる。
の粒子間にホスファゼン誘導体及び/又はホスファゼン
誘導体の異性体が閉じ込められており、正極活物質のみ
からなる正極に比べ、電池自体の内部抵抗が小さく、放
電容量及びエネルギー密度が高い、高出力で長寿命なリ
チウム1次電池の正極である。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
下記の方法で作製した。東ソー製電気化学合成二酸化マ
ンガン20mgと、ホスファゼン誘導体A(前記式(IV)にお
いて、nが3であり、6つのR5のうち2つがエトキシ
基、4つがフッ素である環状ホスファゼン誘導体化合
物、25℃における粘度:1.2 mPa・s(1.2 cP))0.1mLと、
アセチレンブラック12.5mgと、更にポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)1.2mgとを加え、大気下、30分間混合・混錬し
てペーストを調製した。次に、該ペーストをドクターブ
レードに塗工し、熱風乾燥(100〜120℃)して得たもの
を、φ16mm打ち抜き機で切り出すことによりリチウム1
次電池用の正極を作製した。この正極を用いて、下記の
ようにしてリチウム1次電池を作製した。
をφ16mmに打ち抜いたものを使用し、集電体にはニッケ
ル箔を使用した。また、電解液は、プロピレンカーボネ
ート(PC) 50体積%とジメトキシエタン(DME) 50体積%
との混合溶液に、LiCF3SO3を0.75mol/L(M)の濃度で溶解
させて調製した。
セパレーターを使用し、これを介して上記正負極を対座
させ、上記電解液を注入して封口し、CR2016型のリチウ
ム1次電池を作製した。
20℃において、初期の電池電圧を測定・評価した後、下
記評価方法により平均放電電位、常温放電容量、エネル
ギー密度を測定評価した。これらの結果を表1に示す。
下のように測定した。正極材に対して0.2Cの条件で放
電した時に得られる放電曲線において、曲線が平坦を持
続している時の電位を平均放電電位として測定した。
下限電圧1.5Vで、0.2C放電を行い、放電容量を測定し
た。
量から、単位重量当りの放電容量を計算し、エネルギー
密度を求めた。
測定は複素インピーダンス測定装置(東陽テクニカ製イ
ンピーダンスアナライザーSI 1260及びエレクトリカル
インターフェースSI 1287)を用い、0.1〜106Hzの周波
数範囲について各周波数(f)で抵抗成分(R)と容量
成分(C)を測定し、横軸にZ’(Ω)(=R)、縦軸に
Z”(=1/2πfC)をとり、複素インピーダンスプロ
ットを行い測定した。なお、f=1kHz時のZ’(Ω)(以
下 1kHz Z’(Ω)と記載)を電池自体の内部抵抗とし
て評価することが多いため、従来例、実施例の電池にお
ける1kHz Z’(Ω)を電池自体の内部抵抗として評価し
た。
ファゼン誘導体B(前記式(IV)において、nが3であ
り、6つのR5のうち1つがエトキシ基、5つがフッ素で
ある環状ホスファゼン誘導体化合物、25℃における粘
度:1.2 mPa・s(1.2 cP))に変更する以外は実施例1と同
様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作製した。
得られたリチウム1次電池に対して、実施例1と同様に
初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放電容量及
びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表1に示
す。
ファゼン誘導体C(前記式(IV)において、nが3であ
り、6つのR5のうち1つがメトキシ基、5つがフッ素で
ある環状ホスファゼン誘導体化合物、25℃における粘
度:1.8 mPa・s(1.8 cP))に変更する以外は実施例1と同
様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作製した。
得られたリチウム1次電池に対して、実施例1と同様に
初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放電容量及
びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表1に示
す。
ファゼン誘導体D(前記式(IV)において、nが3であ
り、6つのR5のうち1つがn-プロポキシ基、5つがフッ
素である環状ホスファゼン誘導体化合物、25℃における
粘度:1.1 mPa・s(1.1 cP))に変更する以外は実施例1と
同様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作製し
た。得られたリチウム1次電池に対して、実施例1と同
様に初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放電容
量及びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表1に
示す。
ファゼン誘導体E(前記式(IV)において、nが3であ
り、6つのR5のうち2つがOCH2CF3、4つがフッ
素である環状ホスファゼン誘導体化合物、25℃における
粘度:3.2 mPa・s(3.2 cP))に変更する以外は実施例1と
同様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作製し
た。得られたリチウム1次電池に対して、実施例1と同
様に初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放電容
量及びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表1に
示す。
ファゼン誘導体F(前記式(I)において、Y1〜Y3が
O(酸素)であり、R1〜R3がCH2CF3であり、X
1がP(O)(OCH2CF3)2である鎖状ホスファゼン
誘導体化合物、25℃における粘度:18.9mPa・s(18.9 c
P))に変更する以外は実施例1と同様にして正極を作製
し、リチウム1次電池を作製した。得られたリチウム1次
電池に対して、実施例1と同様に初期電圧、平均放電電
位、1kHz Z’(Ω)、放電容量及びエネルギー密度の測
定を行い、その結果を表1に示す。
ファゼン誘導体G(前記式(I)において、Y1〜Y3が
O(酸素)であり、R1〜R3がCH2CH3であり、X
1がP(O)(OCH2CH3)2である鎖状ホスファゼン
誘導体化合物、25℃における粘度:5.8 mPa・s(5.8 c
P))に変更する以外は実施例1と同様にして正極を作製
し、リチウム1次電池を作製した。得られたリチウム1次
電池に対して、実施例1と同様に初期電圧、平均放電電
位、1kHz Z’(Ω)、放電容量及びエネルギー密度の測
定を行い、その結果を表1に示す。
ない以外は実施例1と同様にして正極を作製し、リチウ
ム1次電池を作製した。得られたリチウム1次電池に対し
て、実施例1と同様に初期電圧、平均放電電位、1kHz
Z’(Ω)、放電容量及びエネルギー密度の測定を行い、
その結果を表1に示す。
マンガンをダイキン製フッ化黒鉛に変更する以外は実施
例1と同様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作
製した。得られたリチウム1次電池に対して、実施例1
と同様に初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放
電容量及びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表
1に示す。
Aを表1記載のホスファゼンに変更する以外は実施例8
と同様にして正極を作製し、リチウム1次電池を作製し
た。得られたリチウム1次電池に対して、実施例1と同
様に初期電圧、平均放電電位、1kHz Z’(Ω)、放電容
量及びエネルギー密度の測定を行い、その結果を表1に
示す。
ない以外は実施例8と同様にして正極を作製し、リチウ
ム1次電池を作製した。得られたリチウム1次電池に対し
て、実施例1と同様に初期電圧、平均放電電位、1kHz
Z’(Ω)、放電容量及びエネルギー密度の測定を行い、
その結果を表1に示す。
質と混合・混練して正極を作製することにより、電池自
体の内部抵抗が低下し、放電容量及びエネルギー密度が
向上することが分かる。
ゼン誘導体及び/又はホスファゼン誘導体の異性体とを
含むペースト状体よりなる正極が提供でき、この正極を
用いて、放電容量及びエネルギー密度の高い、高出力で
長寿命なリチウム1次電池を提供することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 正極活物質と、ホスファゼン誘導体及び
/又はホスファゼン誘導体の異性体とを含むペースト状
体よりなるリチウム1次電池用正極。 - 【請求項2】 前記ホスファゼン誘導体及び/又はホス
ファゼン誘導体の異性体の総質量が、前記正極活物質の
質量に対し、0.01から100倍の質量であることを特徴と
する請求項1に記載のリチウム1次電池用正極。 - 【請求項3】 前記ホスファゼン誘導体が、25℃におい
て100mPa・s(100cP)以下の粘度を有し、下記式(I)又は下
記式(II)で表わされることを特徴とする請求項1又は2
に記載のリチウム1次電池用正極。 【化1】 (式中、R1、R2、及びR3は、一価の置換基又はハ
ロゲン元素を表す。X1は、炭素、ケイ素、ゲルマニウ
ム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、
酸素、イオウ、セレン、テルル、及びポロニウムからな
る群より選ばれる元素の少なくとも1種を含む置換基を
表す。Y1、Y2及びY3は、2価の連結基、2価の元
素、又は単結合を表す。) (NPR4 2)n ・・・ (II) (式中、R4は一価の置換基又はハロゲン元素を表す。
nは、3〜15を表す。) - 【請求項4】 上記式(II)で表わされるホスファゼン誘
導体が、下記式(III)で表されることを特徴とする請求
項3に記載のリチウム1次電池用正極。 (NPF2)n ・・・ (III) (式中、nは3〜15を表す。) - 【請求項5】 上記式(II)で表わされるホスファゼン誘
導体が、下記式(IV)で表されることを特徴とする請求項
3に記載のリチウム1次電池用正極。 (NPR5 2)n ・・・ (IV) (式中、R5は一価の置換基又はフッ素を表し、全R5
のうち少なくとも1つはフッ素を含む一価の置換基又は
フッ素であり、nは3〜15を表す。但し、全てのR5が
フッ素であることはない。) - 【請求項6】 前記ホスファゼン誘導体が、25℃におい
て固体であって、下記式(V)で表されることを特徴とす
る請求項1又は2に記載のリチウム1次電池用正極。 (NPR6 2)n ・・・ (V) (式中、R6は一価の置換基又はハロゲン元素を表す。
nは3〜15を表す。) - 【請求項7】 前記異性体が、下記式(VI)で表され、下
記式(VII)で表わされるホスファゼン誘導体の異性体で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム
1次電池用正極。 【化2】 【化3】 (式(VI)及び(VII)において、R7、R8及びR9は、
一価の置換基又はハロゲン元素を表す。X2は、炭素、
ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アン
チモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル、及
びポロニウムからなる群より選ばれる元素の少なくとも
1種を含む置換基を表す。Y7及びY8は、2価の連結
基、2価の元素、又は単結合を表す。) - 【請求項8】 請求項1から7の何れかに記載の正極を
備えたリチウム1次電池。 - 【請求項9】 (I) 正極活物質と、ホスファゼン誘導
体及び/又はホスファゼン誘導体の異性体とを混錬し
て、ペーストを製造する工程と、 (II) 該ペーストを、正極製作冶具に塗布して乾燥し、
続いて所望の形状に成形してペースト状体の正極を製造
する工程とからなることを特徴とするリチウム1次電池
用正極の製造方法。
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- 2002-03-19 JP JP2002075971A patent/JP4266565B2/ja not_active Expired - Fee Related
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