JP2003269439A - ヒンジ並びに電動ヒンジ及び携帯機器 - Google Patents

ヒンジ並びに電動ヒンジ及び携帯機器

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JP2003269439A JP2002073947A JP2002073947A JP2003269439A JP 2003269439 A JP2003269439 A JP 2003269439A JP 2002073947 A JP2002073947 A JP 2002073947A JP 2002073947 A JP2002073947 A JP 2002073947A JP 2003269439 A JP2003269439 A JP 2003269439A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを有する電動ヒンジを用いて送話部に
受話部を回転可能に連結した携帯電話機において、送話
部をモータによって回転させている途中に強制的に停止
させてもモータに過大な負荷が作用するのを防止する。 【解決手段】 送話部の収容筒部2bには、モータ5を
回転不能に嵌合させる。ヒンジ本体20の一端部を収容
筒部2bに回転可能に嵌合させると共に、他端部を受話
部の収容筒部3bに回動不能に嵌合させる。これによ
り、受話部を送話部に対して回転軸線Lを中心として回
転可能に連結する。モータ5の出力軸5aには、回転部
材50を回転不能に連結する。この回転部材50とヒン
ジ本体20との間には、両者の回転を伝達する回転伝達
機構100を設ける。回転伝達機構100が伝達するこ
とができる最大回転トルクを所定の大きさ以下に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話機等に
用いるのに好適なヒンジ、このヒンジにモータを設けた
電動ヒンジ、及びこの電動ヒンジが用いられた携帯機器
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の携帯電話機には、受話部を送話部
に対して電動ヒンジで回転させるようにした電動開閉式
携帯電話機がある。この電動開閉式携帯電話機は、送話
部に回転可能に連結され、かつ受話部に回転不能に連結
されたヒンジ本体を有しており、このヒンジ本体をモー
タによって回転させることにより、受話部を送話部に対
して回転させるようになっている(実用新案登録第30
79820号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電動開閉式
携帯電話機においては、ヒンジ軸とモータとが歯車を介
して連結されているため、回転中の受話部が外力によっ
て停止させられると、モータに過大な負荷が掛かってし
まい、モータが故障するおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、第1の発明は、回転伝達機構を介して互いに回転
可能に連結されたヒンジ本体及び回転部材を備え、上記
回転伝達機構が伝達することができる最大トルクが所定
の大きさ以下に設定されていることを特徴としている。
この場合、上記ヒンジ本体と上記回転部材との間には、
上記ヒンジ本体が所定の第1回転位置に位置していると
きには、上記ヒンジ本体を上記ヒンジ本体と上記回転部
材との回転軸線を中心とする周方向のうちの一方向(以
下、閉方向という。)へ回転付勢し、上記ヒンジ本体が
所定の第2回転位置に位置しているときには、上記ヒン
ジ本体を上記回転軸線を中心とする周方向のうちの他方
向(以下、開方向という。)へ回転付勢する回転付勢機
構が設けられており、上記最大トルクが上記回転付勢機
構による回転付勢力と同等以下に設定されていることが
望ましい。上記ヒンジ本体と上記回転部材とが上記回転
軸線上に並んで配置され、上記回転伝達機構が、上記ヒ
ンジ本体の上記回転部材側の端部に、回転不能に、かつ
上記回転部材に対して接近離間するよう上記回転軸線方
向へ移動可能に連結された可動部材と、この可動部材を
上記回転部材側へ付勢する付勢手段とを有し、上記回転
部材と上記可動部材との対向面の一方には、上記付勢手
段の付勢力によって他方に押し付けられる凸部が設けら
れ、他方には、上記回転部材が上記ヒンジ本体に対して
所定の第3回転位置まで上記開方向へ回転したときに上
記凸部に突き当たることによって上記回転部材の開方向
への回転を上記ヒンジ本体に伝達する第1傾斜面と、上
記回転部材が上記ヒンジ本体に対して所定の第4回転位
置まで閉方向へ回転したときに上記凸部に突き当たるこ
とによって上記回転部材の閉方向への回転を上記ヒンジ
本体に伝達する第2傾斜面とが設けられていることが望
ましい。上記回転付勢機構が、上記可動部材及び上記付
勢手段を上記回転伝達機構と共有し、上記回転部材と上
記可動部材との対向面のうちの他方には、上記第1回転
位置において上記一方に設けられた上記凸部に突き当た
ることにより、上記付勢手段の付勢力を上記ヒンジ本体
を上記閉方向へ回転付勢する回転付勢力に変換する第3
傾斜面と、上記第2回転位置において上記一方に設けら
れた上記凸部に突き当たることにより、上記付勢手段の
付勢力を上記ヒンジ本体を上記開方向へ回転付勢する回
転付勢力に変換する第4傾斜面とが設けられていること
が望ましい。上記回転部材と上記可動部材との対向面の
他方には、凹部が形成され、この凹部を区画する面のう
ちの上記回転軸線を中心とする周方向の一側部が上記第
1、第4傾斜面として共用され、上記凹部を区画する面
のうちの上記回転軸線を中心とする周方向の他側部が上
記第2、第3傾斜面として共用されていることが望まし
い。上記回転部材を間にして上記可動部材と逆側に配置
された固定部材と、軸線を上記回転軸線と一致させて配
置され、上記固定部材に回転可能に、上記回転部材に回
転不能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能に、上記可
動部材に回転可能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能
に、上記ヒンジ本体に回転可能に順次挿通されたヒンジ
軸とをさらに備え、上記ヒンジ本体及び上記固定部材
が、上記ヒンジ軸に所定の停止位置から互いに離間する
方向へ移動不能に連結され、上記付勢手段が、上記ヒン
ジ本体と上記可動部材との間に配置されることにより、
上記ヒンジ本体を上記固定部材から離間する方向へ付勢
するとともに、上記固定部材を上記可動部材及び上記回
転部材を介して上記ヒンジ本体から離間する方向へ付勢
して、上記ヒンジ本体及び上記固定部材を上記停止位置
に位置させることが望ましい。上記回転部材と上記固定
部材との間には、上記回転部材が上記原点位置と上記最
大回転位置とのいずれかに位置しているときには、上記
回転部材を上記回転軸線方向における所定の第1軸方向
位置に位置させ、上記ヒンジ本体が原点位置と上記最大
回転位置から離間してそれらの中間に位置しているとき
には、上記回転部材が上記第1軸方向位置から上記固定
部材側へ所定の第1移動距離だけ移動するのを許容する
位置調節機構が設けられ、上記ヒンジ軸には、上記可動
部材が上記回転部材の上記回転軸線方向への移動に追随
して上記第1移動距離より小さい所定の第2移動距離だ
け移動したときに上記可動部材を係止する係止部が設け
られ、上記第1〜第4傾斜面が凸曲面によって形成され
ていることが望ましい。上記位置調節機構が、上記回転
部材と上記固定部材との対向面の一方に形成された突起
と、他方に形成され、上記回転軸線を中心として周方向
に延びる長溝とを有し、上記長溝は、上記回転部材が原
点位置と上記最大回転位置とから離れてそれらの中間に
位置しているときに、上記突起が上記長溝入り込むよう
に配置形成されていることが望ましい。
【0005】第2の発明は、請求項1〜9のいずれかに
記載のヒンジにおいて、上記回転部材を回転駆動するモ
ータをさらに備えたことを特徴としている。第3の発明
は、請求項6〜9のいずれかに記載のヒンジにおいて、
上記回転部材を上記ヒンジ軸を介して回転駆動するモー
タをさらに備えたことを特徴としている。
【0006】第3の発明は、上記モータが上記回転軸線
上に上記ヒンジ軸の上記固定部材側の端面と対向して配
置され、上記ヒンジ軸の上記固定部材側の端面に軸線を
上記回転軸線と一致させた駆動孔が設けられ、この駆動
孔に上記モータによって回転駆動される駆動軸が回転不
能に、かつ着脱可能に嵌合されていることを特徴とする
請求項11に記載の電動ヒンジ。
【0007】第4の発明は、互いに隣接する端部に軸線
を一致させた収容筒部がそれぞれ設けられた本体部及び
回転部を備え、請求項12に記載の電動ヒンジのヒンジ
本体の一端部が上記本体部の収容筒部に回転可能に嵌合
され、上記ヒンジ本体の他端部が上記回転部に回転不能
に嵌合され、上記モータが上記本体部の収容筒部に回転
不能に収容されていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図1〜図23を参照して説明する。図1〜図20
は、この発明に係る携帯電話機(携帯機器)の一実施の
形態を示すものである。この実施の形態の携帯電話機1
は、図1〜図3に示すように、各種のボタン及びマイク
ロフォン(いずれも図示せず)が設けられた送話部(本
体部)2と、液晶表示部及びスピーカー(いずれも図示
せず)が設けられた受話部(回転部)3とを有してい
る。送話部2と受話部3とは、回転軸線Lを中心として
互いに回転可能に連結されている。ただし、以降におい
ては、説明の便宜上、受話部3が送話部2に対して回転
するものとする。受話部3は、その前面3aが受話部2
の前面2aに突き当たった図1に示す閉位置(第1回転
位置)と、閉位置から周方向へ所定角度だけ離れた図2
に示す開位置(第2回転位置)との間を回転可能になっ
ている。この実施の形態の場合、閉位置と開位置との間
の角度は160°に設定されている。
【0009】送話部2の受話部3側端部には、軸線を回
転軸線Lと一致させた収容筒部2bが形成されている。
収容筒部2bは、送話部2の左右方向における中央部に
配置されている。受話部3の送話部2側の端部には、軸
線を回転軸線Lと一致させた収容筒部3bが二つ形成さ
れている。収容筒部3b,3bは、受話部3の左右方向
(回転軸線L方向)の両端部にそれぞれ配置されてお
り、互いに対向する内側の端面が収容筒部2bの両端面
とそれぞれほぼ接触している。そして、図3において左
側に配置された収容筒部3b及び収容筒部2bの内部に
は、この発明に係る電動ヒンジ4が収容されており、こ
の電動ヒンジ4によって収容筒部2b,3bが回転軸線
Lを中心として回転可能に連結され、ひいては受話部3
が送話部2に回転軸線Lを中心として回転可能に連結さ
れている。右側の収容筒部3bと収容筒部2bとは、周
知のヒンジ(図示せず)によって回転可能に連結されて
いるが、それらもこの発明に係る電動ヒンジ4によって
回転可能に連結してもよい。
【0010】電動ヒンジ4は、減速歯車機構(図示せ
ず)を内蔵したモータ5と、収容筒部2b,3bを回転
軸線Lを中心として回転可能に連結するヒンジ10とを
備えている。モータ5は、収容筒部2bの内部に回転不
能に収容されている。したがって、モータ5の出力軸5
aを回転させると、受話部3がヒンジ10を介して回転
させられる。モータ5の出力軸5aは、携帯電話機1が
初期状態にあるとき(このとき、受話部3は閉位置に位
置している。)の回転位置を原点位置とすると、原点位
置とそこから開位置側へ向かって180°離れた位置
(以下、最大回転位置という。)との間を回転可能であ
り、図1及び図2に示す押釦81を1回押圧操作する
と、原点位置から最大回転位置まで、あるいは最大回転
位置から原点位置まで回転するようになっている。つま
り、出力軸5aが原点位置に位置しているときに押ボタ
ン81を押圧操作すると、出力軸5aが原点位置から最
大回転位置まで回転して停止し、出力軸5aが最大回転
位置に位置しているときに押ボタン81を押圧操作する
と、出力軸5aが最大回転位置から原点位置まで回転し
て停止する。このとき、受話部3は、強制的に停止させ
られない限り、閉位置から開位置まであるいは開位置か
ら閉位置まで回転する。なお、出力軸5aの回転位置を
回転センサ(図示せず)によって検出することにより、
モータ5の停止が自動的に行われるようになっている。
【0011】ヒンジ10は、モータ5の回転を収容筒部
3bに伝達して受話部3を回転させることができるのみ
ならず、モータ5が停止しているときには、手動でも受
話部3を回転させることができるように構成されてい
る。受話部3を手動で回転させる場合には、受話部3を
回転させるための回転トルクがモータ5の出力軸5aま
では伝達される。しかし、出力軸5aとモータ5の回転
子(図示せず)との間には、回転子の回転を出力軸5a
に伝達するが、出力軸5aの回転を回転子に伝達するこ
とのないウォーム歯車機構等の不可逆回転伝達機構が介
装されている。したがって、受話部3を手動で回転させ
たときに、モータ5の電気回路側に過大な負荷が作用す
ることがない。
【0012】図4〜図7に示すように、ヒンジ10は、
ヒンジ本体20、ヒンジ軸30、固定部材40、回転部
材50、可動部材60及びコイルばね(付勢手段)70
を主な構成要素としている。
【0013】ヒンジ本体20は、図4〜図7及び図8に
示すように、円筒状をなしており、その一端部(図4及
び図5における左端部:以下、左右は図4及び図5にお
ける左右を意味するものとする。)外周が収容筒部3b
の内周に回転不能に嵌合され、右端部外周が収容筒部2
bの内周に回転可能に嵌合されている。これにより、収
容筒部2b,3bが回転可能に連結され、ひいては受話
部3が送話部2に回転軸線Lを中心として回転可能に連
結されている。しかも、ヒンジ本体20は、受話部3と
一体に回転する。ヒンジ本体20の左端部には、底部2
1が形成されている。ヒンジ本体20の右端部には、そ
の右端面から左方へ向かって延びる一対のガイド溝2
2,22が形成されている。ガイド溝22は、ヒンジ本
体20の周方向に180°離れて配置されている。
【0014】ヒンジ軸30は、図4〜図7及び図9に示
すように、右端部から左端部に向かって順次形成された
頭部31、大径部32、小径部33及び加締め部34を
有している。頭部31、大径部32、小径部33及び加
締め部34は、いずれも断面円形状をなしており、互い
の軸線を一致させて形成されている。しかも、頭部3
1、大径部32、小径部33及び加締め部34は、その
順に小径になっている。ヒンジ軸30は、その軸線を回
転軸線Lと一致させて配置されており、モータ5と対向
する右端面には、断面非円形の駆動孔35が形成されて
いる。この駆動孔35にモータ5の出力軸5aが回転不
能に嵌合されている。したがって、ヒンジ軸30は、モ
ータ5に追随して回転し、出力軸5aが原点位置に位置
しているときには原点位置に位置し、出力軸5aが最大
回転位置に位置しているときには最大回転位置に位置す
る。
【0015】ヒンジ軸30は、ヒンジ本体20内にその
右端開口部から挿入されている。そして、頭部31がヒ
ンジ本体20の右端面にそこから若干離れた状態で対向
する一方、加締め部34が底部21に形成された貫通孔
21aを貫通している。貫通孔21aから突出した加締
め部34には、停止板82が嵌合されている。この停止
板82は、加締め部34を加締めることにより、小径部
33の左端面に突き当たった状態で加締め部34に固定
されている。停止板82に底部21が突き当たることに
より、ヒンジ本体20のヒンジ軸30に対する左方への
移動が阻止されている。
【0016】図4〜図7及び図10に示すように、固定
部材40は、円板状をなしており、その中央部には貫通
孔41が形成されている。この貫通孔41には、ヒンジ
軸3の大径部32が回転可能にかつ摺動可能に貫通して
いる。ただし、固定部材40は、頭部31に突き当たる
ことにより、右方への移動が阻止されている。固定部材
40の外周は、収容筒部2bの内周に回転不能に嵌合さ
れている。しかも、固定部材40は、収容筒部2bに回
転軸線L方向へ移動不能に固定されている。これによ
り、ヒンジ10全体が回転軸線L方向へ移動不能になっ
ている。ヒンジ10の回転軸線L方向における固定は、
固定部材40以外の部材、例えばヒンジ本体20を収容
筒部3bに固定することによって行ってもよい。
【0017】図4〜図7及び図11に示すように、回転
部材50は、円板状をなしており、その中央部には、長
円状の貫通孔51が形成されている。この貫通孔51に
は、ヒンジ軸30の大径部32の左端部に形成された駆
動部32aが回転不能に、かつ回転軸線L方向へ移動可
能に嵌合されている。したがって、回転部材50は、モ
ータ5によりヒンジ軸30と一体に回転させられ、出力
軸5aが原点位置に位置しているときには回転部材50
も原点位置に位置し、出力軸5aが最大回転位置に位置
しているときには回転部材50も最大回転位置に位置す
る。しかも、回転部材50は、ヒンジ軸30に対して回
転軸線L方向へ移動可能である。
【0018】図4〜図7及び図12に示すように、可動
部材60は、円板部61を有している。この円板部61
は、ヒンジ本体20の右端部内周に回転軸線L方向へ摺
動可能に嵌合されている。円板部61の中央部には、貫
通孔61aが形成されている。この貫通孔61aには、
ヒンジ軸30の小径部33が回転可能にかつ摺動可能に
嵌合している。円板部61の外周には、一対のガイド部
62,62が形成されている。一対のガイド部62,6
2は、周方向へ180°離れて配置されており、ヒンジ
本体20のガイド溝22に摺動可能に挿入されている。
これにより、可動部材60がヒンジ本体20に対し回転
軸線L方向へ移動可能に、かつ回転不能に連結されてい
る。したがって、可動部材60は、ヒンジ本体20と共
に受話部3と一体に回転する。そこで、以下において
は、受話部3が閉位置に位置しているときの可動部材6
0の位置も閉位置と称し、受話部が開位置に位置してい
るときの可動部材60の位置も開位置と称する。可動部
材60とヒンジ本体20の底部21との間には、上記コ
イルばね70が設けられている。このコイルばね70に
より、ヒンジ本体20が停止板82に押し当てられる一
方、可動部材60が回転部材50に、回転部材50が固
定部材40に、固定部材40がヒンジ軸30の頭部31
に順次押し当てられている。これにより、ヒンジ10全
体がユニット化されている。
【0019】上記ヒンジ本体20と回転部材50との間
には、回転付勢機構90が設けられている。回転付勢機
構90は、可動部材60及びコイルばね70を有してお
り、受話部3が閉位置又はその近傍に回転したとき、換
言すれば可動部材60が閉位置又はその近傍に回転した
ときには、コイルばね70の付勢力により可動部材60
を開位置側から閉位置側へ回転付勢し、受話部3(可動
部材60)が開位置又はその近傍に回転したときには、
コイルばね70の付勢力により可動部材60を閉位置側
から開位置側へ回転付勢する。回転付勢機構90は、次
のように構成されている。
【0020】すなわち、図4、図5、図7及び図11に
示すように、回転部材50の可動部材60との対向面5
2は、回転軸線Lと直交する平坦面には、一対の凹部5
3A,53Bが形成されている。一対の凹部53A,5
3Bは、同一形状、同一寸法を有しており、回転軸線L
を中心として点対称に配置されている。図11(F)に
示すように、凹部53A,53Bは、いずれも底面54
と、凹部53A,53Bの周方向に沿って環状に延びる
側面55とによって区画されている。底面54は、回転
軸線Lと直交する平面として形成されている。側面55
は、1/4円弧状の凸曲面によって構成されている。側
面55の一端は対向面52に接し、他端は底面54とほ
ぼ直交している。
【0021】図4、図5、図7及び図12に示すよう
に、可動部材60の回転部材50との対向面63には、
金属製の一対の球体64A,64Bが設けられている。
球体64A,64Bは、それぞれの一部(凸部)を対向
面63から突出した状態で可動部材60に埋設固定され
ている。球体64A,64Bは、点対称に、かつ回転軸
線Lを中心として凹部53A,53Bと同一円周上に配
置されている。球体64A,64Bに代えて、球体64
A,64Bの対向面63から突出した部分と同一形状を
有する凸部を可動部材60に一体に設けてもよい。ま
た、凸部を球形の一部によって構成することなく、他の
形状にしてもよい。
【0022】球体64A,64Bは、図13及び図20
に示すように、回転部材50が原点位置に位置し、かつ
可動部材60が閉位置に位置しているときには、凹部5
3A,53Bの各側面55,55のうち、閉位置側から
開位置側へ向かう方向(図13の矢印X方向;以下、開
方向という。)の前方側の箇所に突き当たっている。側
面55の当該箇所は、開方向へ向かうにしたがって可動
部材60側へ向かうように傾斜する傾斜面(第3傾斜
面)55aになっている。したがって、球体64A,6
4Bが各傾斜面55a,55aにそれぞれ突き当たる
と、コイルばね70の可動部材60を回転部材50に押
し付ける付勢力が、可動部材60を開位置側から閉位置
側へ向かう方向(図13の矢印Y方向;以下、閉方向と
いう。)に付勢する回転付勢力に変換される。この閉方
向への回転付勢力により、受話部3の前面3aが送話部
2の前面2aに押し付けられ、受話部3が閉位置に維持
される。勿論、閉方向への回転付勢力より大きいトルク
を可動部材60に開方向へ作用させることにより、可動
部材60を開方向へ回転させることができる。可動部材
60が開方向へ回転すると、球体64A,64Bが傾斜
面55a,55a上を開方向へ摺動し、凹部53A,5
4Aから抜け出る。そして、対向面52上を開位置に向
かって摺動する(図14参照)。
【0023】一方、回転部材50が原点位置に位置し、
かつ可動部材60が開位置に位置しているときには、図
15及び図20に示すように、球体64A,64Bが凹
部53A,53Bの各側面55,55のうち、閉方向前
方側の箇所に突き当たっている。当該箇所においては、
側面55が閉方向へ向かうにしたがって可動部材60側
へ向かうように傾斜する傾斜面(第4傾斜面)55bに
なっている。したがって、球体64A,64Bが各傾斜
面55b,55bにそれぞれ突き当たると、コイルばね
70の可動部材60を回転部材50に押し付ける付勢力
が、可動部材60を開方向に付勢する回転付勢力に変換
される。この開方向への回転付勢力により、受話部3が
開位置に維持される。勿論、開方向への回転付勢力より
大きいトルクを可動部材60に閉方向へ作用させること
により、可動部材60を閉方向へ回転させることができ
る。可動部材60が閉方向へ回転すると、球体64A,
64Bが傾斜面55b,55b上を閉方向へ摺動し、凹
部53A,54Aから抜け出る。そして、対向面52上
を閉位置に向かって摺動する。
【0024】また、このヒンジ10には、回転伝達機構
100が設けられている。回転伝達機構100は、モー
タ5によって回転させられる回転部材50の回転をヒン
ジ本体20に可動部材60を介して伝達するものであ
り、可動部材60及びコイルばね70を有し、上記傾斜
面55a,55b及び上記球体64A,64Bを回転付
勢機構90と共用している。
【0025】いま、図13に示すように、回転部材50
が原点位置に位置し、可動部材60が閉位置に位置して
いるものとする。このときには、上記のように、球体6
4A,64Bが傾斜面(第3傾斜面)55a,55aに
突き当たり、回転部材50が開方向(矢印X方向)へ付
勢される一方、可動部材60が閉方向(矢印Y方向)へ
付勢されている。したがって、回転部材50及び可動部
材60は回転することなく、停止している。この状態に
おいて、回転部材50がモータ5によって開方向へ回転
させられると、回転当初は、回転部材50だけが開方向
へ回転し、可動部材60は停止状態を維持する。したが
って、傾斜面55a,55aが球体64A,64Bから
開方向へ離間する。その後、回転部材50が原点位置か
らほぼ20°回転すると、図16に示すように、凹部5
3A,53Bの各傾斜面55b,55bが球体64A,
64Bにそれぞれ突き当たる。このときの回転部材50
の位置が第3回転位置である。凹部53A,53Bの各
傾斜面55b,55bが球体64A,64Bにそれぞれ
突き当たった後は、可動部材60が回転部材50と一緒
に開方向へ回転し、受話部3が開方向へ回転し始める。
したがって、このヒンジ10においては、傾斜面55b
が第1傾斜面として兼用されている。
【0026】回転部材50が原点位置から180°回転
して最大回転位置に位置すると、図17に示すように、
可動部材60は閉位置から160°回転して開位置に位
置する。この状態においては、凹部53A,53Bが回
転軸線Lを中心として点対称に配置され、かつ球体64
A,64Bが回転軸線Lを中心として点対称に配置され
ているので、凹部53A,53Bの位置が180°異な
る点を除き、図13に示す状態、つまり可動部材60が
回転部材50に対して160°回転した状態と同一にな
る。したがって、可動部材60は、コイルばね70、傾
斜面55b,55b及び球体64A,64Bの作用によ
り、開方向へ回転付勢され、開位置に維持される。
【0027】回転部材50が最大回転位置に位置し、か
つ可動部材が開位置に位置している状態において、回転
部材50がモータ5により閉方向へ回転させられると、
回転当初は、回転部材50だけが閉方向へ回転し、可動
部材60は停止状態を維持する。したがって、傾斜面5
5b,55bが球体64A,64Bから閉方向へ離間す
る。その後、回転部材50が最大回転位置から原点位置
側へ向かってほぼ20°回転すると、凹部53A,53
Bの各傾斜面55a,55aが球体64A,64Bにそ
れぞれ突き当たる。このときの回転部材50の位置が第
4回転位置である。凹部53A,53Bの各傾斜面55
a,55aが球体64A,64Bにそれぞれ突き当たっ
た後は、可動部材60が回転部材50と一緒に閉方向へ
回転し、受話部3が閉方向へ回転し始める。したがっ
て、このヒンジ10においては、傾斜面55aが第2傾
斜面として兼用されている。回転部材50が最大回転位
置から180°回転すると、回転部材50が原点位置に
戻るとともに、可動部材60が開位置から160°回転
して閉位置に位置し、全体が図13に示す状態に戻る。
【0028】固定部材40と回転部材50との間には、
位置調節機構110が設けられている。位置調節機構1
10は、回転部材50の回転位置に応じて回転部材50
と可動部材60との間隔を調節するものであり、次のよ
うに構成されている。
【0029】すなわち、図7及び図10に示すように、
固定部材40の回転部材50との対向面42は、回転軸
線Lと直交する平面になっており、当該対向面42には
一対の長溝43A,43Bが形成されている。長溝43
A,43Bは、点対称に配置形成されており、貫通孔4
1に沿って周方向に延びている。長溝43A,43Bの
端部どうしは、固定部材40の周方向に互いに離れてお
り、対向面42の一対の長溝43A,43B間に位置す
る箇所がランド部44A,44Bになっている。
【0030】図7及び図11に示すように、回転部材5
0の固定部材40との対向面56は、回転軸線Lと直交
する平面になっており、当該対向面56には一対の突起
57A,57Bが形成されている。一対の突起57A,
57Bは、回転軸線Lを中心として点対称に、かつ長溝
43A,43Bと同一円周上に配置されている。一対の
突起57A,57Bの高さは、長溝43A,43Bの深
さと同一か、若干低く設定されている。突起57A,5
7Bの高さは、長溝43A,43Bの深さより若干高く
してもよい。
【0031】一対の突起57A,57Bは、図13〜図
15に示すように、回転部材50が原点位置に位置して
いるときには、ランド44A,44Bにそれぞれ突き当
たっている。したがって、このときには、回転部材50
が固定部材40に対して突起57A,57Bの高さの分
だけ離れている。このときの回転部材50の位置が第1
軸方向位置である。回転部材50が原点位置から開位置
側へ向かって回転すると、突起57A,57Bが長溝4
3A,43Bに次第に入り込む。そして、回転部材50
が所定の角度だけ回転すると、このヒンジ10ではほぼ
20°回転すると、突起57A,57B全体が長溝43
A,43B内に入り込む。この結果、可動部材60を介
して回転部材50に作用するコイルばね70の付勢力に
より、回転部材50が固定部材40側へ移動させられ、
その対向面56が固定部材40の対向面42に接触す
る。このときの回転部材50の移動距離が第1移動距離
である。なお、突起57A,57Bの高さが長溝43
A,43Bの深さより高いときには、回転部材50は長
溝43A,43Bの深さの分だけ固定部材40側へ移動
するだけであり、対向面56,42どうしが接触するこ
とがなく、それらの間には突起57A,57Bの高さと
長溝43A,43Bの深さとの差の分の隙間が形成され
る。
【0032】回転部材50が最大回転位置に位置してい
るときには、図17に示すように、一対の突起57A,
57Bがランド44B、44Aにそれぞれ突き当たって
いる。したがって、このときには、回転部材50が固定
部材40に対して突起57A,57Bの高さの分だけ離
れ、第1軸方向位置に位置している。回転部材50が最
大回転位置から閉位置側へ向かって回転すると、突起5
7A,57Bが長溝43A,43Bに次第に入り込む。
そして、回転部材50が所定の角度だけ回転すると、こ
のヒンジ10ではほぼ20°回転すると、突起57A,
57B全体が長溝43A,43B内に入り込む。この結
果、回転部材50が固定部材40側へ第1移動距離だけ
移動させられ、その対向面56が固定部材40の対向面
42に接触する。勿論、突起57A,57Bの高さが長
溝43A,43Bの深さより高いときには、回転部材5
0は長溝43A,43Bの深さの分だけ固定部材40側
へ移動するだけである。
【0033】回転部材50には、コイルばね70の付勢
力により可動部材60が突き当たっている。したがっ
て、回転部材50が固定部材40側へ向かって移動する
と、可動部材60も固定部材40側へ回転部材50と同
一距離だけ移動するはずである。しかし、このヒンジ1
0においては、可動部材60が小径部33に嵌合してい
るので、可動部材60は大径部32の端面(係止部)3
2aに突き当たるとそれ以上は回転部材50と共に固定
部材40側へ移動することができなくなる。その結果、
図21に示すように、突起57A,57Bがランド部4
4A,44Bに突き当たっているときから突起57A,
57B全体が長溝43A,43Bに入り込んだときまで
に回転部材50が固定部材40側へ移動する距離(第1
移動距離)をAとし、可動部材60が固定部材40側へ
移動する距離(第2移動距離)をBとすると、 A>B になっている。したがって、突起57A,57Bは、傾
斜面55a,55bに対し、長溝43A,43Bに入り
込んだときには突起57A,57Bがランド部44A,
44Bに突き当たっているときよりも回転部材50の対
向面56側において接触する。しかも、傾斜面55a,
55bが凸曲面になっているから、突起57A,57B
がランド部44A,44Bに突き当たっているときの球
体57A,57Bと傾斜面55a,55bとの接触角度
をθ1とし、突起57A,57Bがランド部44A,4
4Bに突き当たっているときの球体57A,57Bと傾
斜面55a,55bとの接触角度をθ2とすると、θ1
>θ2になる。
【0034】上記構成の携帯電話機1は、上記のよう
に、受話部3を手動又はモータ5によって回転させるこ
とができるが、まず、手動で回転させる場合について説
明する。いま、図13に示すように、モータ5の出力軸
5a、ヒンジ軸30及び回転部材50が原点位置に位置
し、受話部3、ヒンジ本体20及び可動部材60が閉位
置に位置しているものとする。つまり、携帯電話機1が
初期状態にあるものとする。このときには、上記のよう
に、受話部3が回転付勢機構90の付勢力によって閉位
置に維持されている(以下、回転付勢機構90が受話部
3を閉位置に維持しているときの回転付勢力を維持付勢
力という。)。したがって、受話部3を手動で閉位置か
ら開位置側へ回転させる場合において、その回転当初に
は受話部3を維持付勢力に抗して開位置側へ回転させる
ことになる。なお、維持付勢力は、回転部材50に作用
するが、上記のように、回転部材50にヒンジ軸30を
介して回転不能に連結された出力軸5aはモータ5を起
動しない限り停止状態を維持する。したがって、受話部
3を手動で回転させる場合には、回転部材50が停止状
態を維持する。
【0035】受話部3を回転付勢機構90の付勢力に抗
して10°程度回転させるまでの間は、球体64A,6
4Bが凹部53A,53Bの傾斜面55a,55a上を
対向面52側に向かって登り上がる。この結果、コイル
ばね70が圧縮されてその付勢力が増大するが、傾斜面
55a,55aが凸曲面によって構成され、その傾斜角
度が底面54側から対向面53側へ向かって減少してい
るので、回転付勢機構90の付勢力は、受話部3が閉位
置から開方向へ回転するのにしたがって漸次小さくな
る。
【0036】球体64A,64Bは、凹部53A,53
Bから抜け出ると、図14に示すように、回転部材50
の対向面52上を摺動する。この状態では、コイルばね
70の付勢力が回転付勢機構90によって回転付勢力に
変換されることがない。したがって、受話部3(可動部
材60)に回転付勢力が作用することはない。しかし、
球体64A,64Bがコイルばね70の付勢力により回
転部材50の対向面52に押圧接触した状態で摺動する
ので、球体64A,64Bと対向面52との間に摩擦抵
抗が生じる。この摩擦抵抗に抗して受話部3を閉方向へ
回転させることになる。
【0037】受話部3が開位置近傍の位置に達すると、
例えば開位置の10°程度手前の位置に達すると、球体
64A,64Bが凹部53B,53Aに入り込み、各凹
部54B,53Aの傾斜面55b,55bにそれぞれ接
触する。その結果、回転付勢機構90により、コイルば
ね70の付勢力が回転付勢力に変換される。この回転付
勢力により、受話部3が開位置まで回転させられるとと
もに、開位置に維持される(図15参照)。この開位置
における回転付勢機構90による回転付勢力は、維持付
勢力と同一である。そこで、開位置における回転付勢機
構90による回転付勢力も維持付勢力と称する。
【0038】受話部3を手動により開位置から閉位置ま
で回転させる場合には、上記と逆に、受話部3を開位置
から閉位置側へ10°程度回転させるまでは回転付勢機
構90の付勢力に抗して回転させる。球体64A,64
Bが凹部53B,53Aから抜け出た後は、受話部3を
球体64A,64Bと当接面52との間に作用する摩擦
抵抗に抗して回転させる。受話部3が閉位置の10°程
度手前まで回転すると、球体64A,64Bが凹部53
A,53Bに入り込み、傾斜面55a,55aに突き当
たる。その結果、コイルばね70の付勢力が回転付勢機
構90によって回転付勢力に変換される。この回転付勢
力によって受話部3が閉位置まで回転させられ、さらに
維持付勢力によって受話部3が閉位置に維持される。
【0039】次に、モータ5によって受話部3を回転さ
せる場合について説明するに、いま図13に示すよう
に、モータ5の出力軸5a、ヒンジ軸30及び回転部材
50が原点位置に位置し、受話部3、ヒンジ本体20及
び可動部材60が閉位置に位置しているものとする。こ
の状態において、押釦81を押圧操作すると、モータ5
の出力軸5aが開方向へ回転し、それに伴ってヒンジ軸
30及び回転部材50が開方向へ回転する。回転部材5
0が開方向へ回転すると、凹部53A,53Bの傾斜面
55a,55aが球体64A,64Bから開方向へ離間
移動する。回転部材50が原点位置からほぼ20°回転
すると、図16に示すように、凹部53A,53Bの傾
斜面55b,55bが球体64A,64Bとそれぞれ接
触する。このとき、回転部材50の突起57A,57B
が固定部材40の長溝43A,43Bに入り込んでいる
ので、傾斜面55b,55bは、回転部材50が原点位
置に位置しているときに傾斜面55a,55aが球体6
4A,64Bに接触する箇所より対向面52側において
球体64A,64Bと接触する。つまり、傾斜面55
a,55aは、図21に示す距離Bの分だけに対向面5
2側(図21において上側)において球体64A,64
Bと接触する。
【0040】傾斜面55b,55bが球体64A,64
Bに接触すると、回転部材50の開方向への回転が可動
部材60及びヒンジ本体20を介して受話部3に伝達さ
れる。その結果、受話部3が開位置側へ回転し始める。
その後、回転部材50(出力軸5a)が原点位置から最
大回転位置の10°〜20°程度手前まで回転すると、
回転部材50の突起57A,57Bが長溝43A,43
Bの傾斜面45A,45B(図10(E)及び図21参
照)に乗り上がる。すると、コイルばね70の付勢力が
突起57A,57Bと傾斜面45A,45Bとによって
回転付勢力(以下、抵抗付勢力という。)に変換され
る。この抵抗付勢力によって回転部材50が閉方向へ回
転付勢される。したがって、モータ5は、抵抗付勢力に
抗して回転部材50を開方向へ回転させることになる。
しかるに、傾斜面45A,45Bの傾斜角度αは、受話
部3が閉位置又は開位置に位置しているときの球体64
A,64Bと傾斜面55a,55a(55b,55b)
との接触角θ1より小さく設定されている。したがっ
て、抵抗付勢力は、維持付勢力より小さい。よって、突
起57A,57Bが傾斜面45A,45Bに乗り上がっ
た後もモータ5は回転部材50を容易に開方向へ回転さ
せることができる。
【0041】回転部材50が原点位置から180°回転
して最大回転位置に達すると、受話部3が開位置に回転
する。このとき、傾斜面55b、55bは球体64A,
64Bに接触した状態を維持するが、単に接触状態を維
持するだけではない。すなわち、回転部材50が最大回
転位置に回転すると、突起57A,57Bが長溝43
A,43Bから抜け出て、ランド部44B,44Aにそ
れぞれ乗り上がり、回転部材50及び可動部材60をコ
イルばね70の付勢力に抗して図21の上方へ移動させ
る。これに伴って、傾斜面55b、55bと球体64
A,64Bとの接触箇所が底面54側へ移動する。この
結果、図17に示すように、ヒンジ10は、球体64
A,64Bが凹部53A,53Bにそれぞれ入り込んで
いる点を除き、受話部3を手動で開位置に回転させたと
きの状態(図15に示す状態)と同一の状態になる。し
たがって、受話部3には、維持付勢力が作用することに
なり、その反作用としてモータ5にも維持付勢力が作用
する。この維持付勢力は、モータ5が原点位置から最大
回転位置まで回転する間に受ける最大の負荷である。モ
ータ5は、最大回転位置に回転すると、自動的に停止す
る。
【0042】モータ5によって開位置に回転させられた
受話部3を閉位置に戻す場合には、押釦81を再度押圧
操作する。すると、モータ5の出力軸5aが閉方向へ向
かって回転し、それに伴って回転部材50が閉方向へ回
転する。回転部材50が閉方向へほぼ20°回転する
と、凹部53A,53Bの傾斜面55a,55aが球体
64A,64Bに接触する。このとき、回転部材50の
突起57A,57Bが固定部材40の長溝43A,43
Bに入り込んでいるので、傾斜面55a,55aは、回
転部材50が原点位置(最大回転位置)に位置している
ときに傾斜面55a,55a(55b,55b)が球体
64A,64Bに接触する箇所より対向面52側におい
て球体64A,64Bと接触する。
【0043】傾斜面55a,55aが球体64A,64
Bに接触すると、回転部材50の閉方向への回転が可動
部材60及びヒンジ本体20を介して受話部3に伝達さ
れる。その結果、受話部3が閉位置側へ回転し始める。
回転部材50が最大回転位置から原点位置まで180°
回転すると、モータ5が停止する一方、受話部3が閉位
置に達する。また、突起57A,57Bが長溝43A,
43Bから抜け出て、ランド部44A,44Bにそれぞ
れ乗り上がる。この結果、ヒンジ10のみならず携帯電
話機1が元の状態に戻る。したがって、受話部3は、回
転付勢機構90の維持付勢力によって閉位置に維持され
る。よって、モータ5には、原点位置に回転したときに
維持付勢力が作用する。この維持付勢力は、モータ5が
最大回転位置から原点位置まで回転する間にモータ5に
作用する最大の負荷である。
【0044】次に、受話部3をモータ5で回転させてい
る途中に受話部3が何等かの理由によって強制的に停止
させられた場合について説明する。いま、モータ5を原
点位置から最大回転位置側へ向かって、つまり閉方向へ
向かって回転させ、モータ5が90°回転したときに受
話部3が強制的に停止させられたものとする。するとモ
ータ5は、受話部3の停止に拘わらず、最大回転位置側
へ向かって回転し続ける。したがって、回転部材50が
可動部材60に対して開方向へ回転する。この結果、球
体64A,64Bが回動部材50に対して相対的に閉方
向へ移動して凹部53A,53Bから抜け出る。このと
き、突起57A,57Bが長溝43A,43Bにそれぞ
れ入り込んでいるから、球体64A,64Bの傾斜面5
5b,55bに対する接触箇所が、突起57A,57B
がランド44A,44B(44B,44A)にそれぞれ
乗り上がっているときにおける球体64A,64Bの傾
斜面55a,55a(55b,55b)に対する接触箇
所より対向面52側に位置している。しかも、傾斜面5
5a,55bが凸曲面によって形成されているから、図
21に示すように、球体64A,64Bの傾斜面55
a,55a(55b,55b)に対する接触箇所が対向
面52側であるときとそれより底面54側であるときと
における球体64A,64Bと傾斜面55a,55a
(55b,55b)との接触角をそれぞれθ1,θ2と
すると、 θ1>θ2 である。したがって、突起57A,57Bが長溝43
A,43Bに入り込んでいるときには、回転部材50が
コイルばね70により球体64A,64B及び傾斜面5
5a,55a(55b,55b)を介して受ける回転付
勢力が弱く、球体64A,64Bは、小さな力で凹部5
3A,53Bから容易に抜け出ることができる。よっ
て、モータ5に過大な負荷が作用することがない。
【0045】受話部3は、継続して停止状態を維持され
る場合と、モータ5が最大回転位置まで回転する間に停
止状態が解除される場合とがある。前者の場合、モータ
5は、最大回転位置まで回転して停止する。一方、後者
の場合、例えば図19に示すように、受話部3が停止し
てからモータ5が開方向へ30°程度回転した後、受話
部3の強制的停止が解除された場合には、球体64A,
64Bと対向面52との間に作用する摩擦抵抗により、
停止解除と同時に受話部3がモータ5の回転に追随して
開方向へ回転させられる。モータ5が最大回転位置まで
回転して停止すると、受話部3も停止する。いずれの場
合においても、図20に示すように、モータ5が最大回
転位置まで回転したときには、受話部3(可動部材6
0)が開位置に達していない。したがって、受話部3と
回転部材50との回転位相がずれてしまう。
【0046】受話部3と回転部材50との回転位相を元
の状態(受話部3が開位置に位置し、かつ回転部材50
が最大回転位置に位置する状態、又は受話部3が閉位置
に位置し、かつ回転部材50が原点位置に位置する状
態)にする方法には、手動による方法とモータ5による
方法とがある。手動による方法は、受話部3を手動で閉
位置まで回転させるものである。モータ5による方法
は、押釦81を押圧操作し、出力軸5aを最大回転位置
から原点位置まで閉後方へ回転させるものである。モー
タ5を閉方向へ回転させると、回転部材50の対向面5
2と球体64A,64Bとの間の摩擦抵抗により、モー
タ5の閉方向へ回転と同時に受話部3が閉方向へ回転す
る。その後、まず受話部3が閉位置に達して停止する。
そして、回転部材50が原点位置まで回転すると、モー
タ5が停止する。受話部3が閉位置に停止してから回転
部材50が原点位置まで回転する間に、回転部材50の
凹部53A,53Aの各傾斜面55a,55aが球体6
4A,64Bに突き当たる。したがって、回転部材50
が原点位置まで回転して停止すると、ヒンジ10が初期
状態になり、受話部3と回転部材50との回転位相が元
の状態になる。
【0047】受話部3がモータ5により開位置から閉位
置側へ回転させられている途中に強制的に停止させられ
ることもあるが、この場合も上記と同様である。つま
り、受話部3が継続して停止されるか、僅かの時間だけ
停止されるかに拘わらず、モータ5は原点位置まで回転
して停止する。その後、受話部3とモータ5(回転部材
5)と位相は、受話部3を閉位置まで手動で回転させる
か、モータ5を原点位置から最大回転位置まで回転させ
ることによって元の状態に戻すことができる。
【0048】上記のように、この電動ヒンジ4において
は、モータ5に作用する最大負荷が回転付勢機構90に
よる維持付勢力である。換言すれば、回転部材50がモ
ータ5によって回転させられているとき、回転部材50
から可動部材60を介してヒンジ本体20に伝達される
最大トルクは、回転付勢機構90の維持付勢力と同等若
しくはそれ以下である。したがって、回転中の受話部3
が強制的に停止させられたとしても、維持付勢力以上の
負荷がモータ5に作用することがない。よって、モータ
5に過大な負荷が作用して故障するのを未然に防止する
ことができる。
【0049】図22は、この発明に係る回転部材の変形
例を示すものである。この回転部材50′においては、
上記の実施の形態における回転部材50の平坦な底面5
4に代えて、凸曲面55に滑らかに接する凹曲面56が
形成されている。また、図23に示す回転部材50″に
おいては、凸曲面からなる側面55と対向面52との間
に一定の傾斜角度θを有する傾斜面57を形成したもの
であり、この傾斜面57に球体64A,64Bが突き当
たるようになっている。傾斜面57の傾斜角度θは、上
記角度θ1とほぼ同一に設定されている。
【0050】なお、この発明は、上記の実施の形態に限
定されるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上
記の実施の形態においては、ヒンジ本体20を収容筒部
2bに回転可能に嵌合し、収容筒部3bに回転不能に嵌
合し、さらにモータ5及び固定部材40を収容筒部2b
に回転不能に嵌合しているが、ヒンジ本体20を収容筒
部2bに回転不能に嵌合し、収容筒部3bに回転可能に
嵌合し、モータ5及び固定部材40を収容筒部3bに回
転不能に嵌合してもよい。また、上記の実施の形態にお
いては、回転部材50に凹部53A,53Bを形成し、
可動部材60に球体64A,64Bを設けているが、回
転部材50に球体を設け、可動部材60に凹部を形成し
てもよい。さらに、上記の実施の形態においては、回転
部材50に突起57A,57Bを設け、固定部材40に
長溝43A,43Bを形成しているが、回転部材50に
長溝を形成し、固定部材40に突起を設けてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、モータで回転中の受話部等の回転部を強制的に停止
させたとしても、モータに過大な負荷が作用するのを防
止することができ、したがってモータが早期に故障する
のを未然に防止することができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る携帯機器の一実施の形態たる携
帯電話機を閉状態で示す側面図である。
【図2】同携帯電話機を開状態で示す側面図である。
【図3】同携帯電話機を開状態で示す平面図である。
【図4】図3のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図5】図4のX−X線に沿う断面図である。
【図6】同携帯電話機に用いられているヒンジを示す図
であって、図6(A)はその正面図、図6(B)はその
左側面図、図6(C)はその右側面図、図6(D)はそ
の平面図である。
【図7】同ヒンジの分解斜視図である。
【図8】同ヒンジのヒンジ本体を示す図であって、図8
(A)はその正面図、図8(B)はその左側面図、図8
(C)はその右側面図、図8(D)はその平面図、図8
(E)は図8(A)のE−E線に沿う断面図である。
【図9】同ヒンジのヒンジ軸を示す図であって、図9
(A)はその一部切欠き正面図、図9(B)はその平面
図、図9(C)はその左側面図、図9(D)はその右側
面図である。
【図10】同ヒンジの固定部材を示す図であって、図1
0(A)はその正面図、図10(B)はその左側面図、
図10(C)はその右側面図、図10(D)は図10
(B)のD−D線に沿う断面図、図10(E)は図10
(B)のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図11】同ヒンジの回転部材を示す図であって、図1
1(A)はその正面図、図11(B)はその平面図、図
11(C)はその左側面図、図11(D)はその右側面
図、図11(E)は図11(C)のE−E線に沿う断面
図、図11(F)は図11(E)のF円部の拡大図であ
る。
【図12】同ヒンジの可動部材を示す図であって、図1
2(A)はその正面図、図12(B)はその左側面図、
図12(C)はその右側面図、図12(D)はその平面
図、図12(E)は図12(A)のE−E線に沿う断面
図である。
【図13】同ヒンジの回転部材が原点位置に位置し、か
つ可動部材が閉位置に位置しているときのヒンジ全体の
断面、並びに可動部材、回動部材及び固定部材の関係を
示す図である。
【図14】同ヒンジの回転部材が原点位置に位置し、か
つ可動部材が閉位置から開方向へ90°回転したときの
ヒンジ全体の断面、並びに可動部材、回動部材及び固定
部材の関係を示す図である。
【図15】同ヒンジ部材の回転部材が原点位置に位置
し、かつ可動部材が開位置に位置しているときのヒンジ
全体の断面、並びに可動部材、回動部材及び固定部材の
関係を示す図である。
【図16】同ヒンジ部材の回転部材がモータによって原
点位置から最大回転位置側へほぼ20°回転させられ、
かつ可動部材が閉位置に位置しているときのヒンジ全体
の断面、並びに可動部材、回動部材及び固定部材の関係
を示す図である。
【図17】同ヒンジ部材の回転部材がモータによって最
大回転位置に回転させられ、かつ可動部材が開位置に回
転させられたときのヒンジ全体の断面、並びに可動部
材、回動部材及び固定部材の関係を示す図である。
【図18】同ヒンジ部材の回転部材がモータによって原
点位置から最大回転位置側へほぼ110°回転させら
れ、かつ可動部材が閉位置から開位置側へほぼ90°回
転させられたときのヒンジ全体の断面、並びに可動部
材、回動部材及び固定部材の関係を示す図である。
【図19】同ヒンジ部材の回転部材がモータによって原
点位置から最大回転位置側へほぼ140°回転させら
れ、かつ可動部材が閉位置から開位置側へほぼ90°回
転させられたときのヒンジ全体の断面、並びに可動部
材、回動部材及び固定部材の関係を示す図である。
【図20】同ヒンジ部材の回転部材がモータによって最
大回転位置に回転させられ、かつ可動部材が閉位置から
開位置側へほぼ150°回転させられたときのヒンジ全
体の断面、並びに可動部材、回動部材及び固定部材の関
係を示す図である。
【図21】同ヒンジの回転部材がモータによって原点位
置から最大回転位置まで回転させられ、かつ可動部材が
閉位置から開位置まで回転させられたときの凹部と球体
との関係、及び突起と長溝との関係を示す図である。
【図22】この発明に係る回転部材の他の実施の形態の
要部を示す図11(F)と同様の断面図である。
【図23】この発明に係る回転部材のさらに他の実施の
形態の要部を示す図11(F)と同様の断面図である。
【符号の説明】
L 回転軸線 1 携帯電話機(携帯機器) 2 送話部(本体部) 2b 収容筒部 3 受話部(回転部) 3b 収容筒部 4 電動ヒンジ 5 モータ 5a 出力軸 10 ヒンジ 20 ヒンジ本体 30 ヒンジ軸 32a 端面(係止部) 35 駆動孔 40 固定部材 42 対向面 43A 長溝 43B 長溝 50 回転部材 52 (可動部材との)対向面 53A 凹部 53B 凹部 55a 傾斜面(第2傾斜面、第3傾斜面) 55b 傾斜面(第1傾斜面、第4傾斜面) 56 (固定部材との)対向面 60 可動部材 64A 球体(凸部) 64B 球体(凸部) 70 コイルばね(付勢手段) 90 回転付勢機構 100 回転伝達機構 110 位置調節機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J105 AA02 AA03 AA12 AB11 AB23 AB24 AB42 AC07 DA23 5K023 AA07 BB11 DD08 KK01 LL06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転伝達機構を介して互いに回転可能に
    連結されたヒンジ本体及び回転部材を備え、上記回転伝
    達機構が伝達することができる最大トルクが所定の大き
    さ以下に設定されていることを特徴とするヒンジ。
  2. 【請求項2】 上記ヒンジ本体と上記回転部材との間に
    は、上記ヒンジ本体が所定の第1回転位置に位置してい
    るときには、上記ヒンジ本体を上記ヒンジ本体と上記回
    転部材との回転軸線を中心とする周方向のうちの一方向
    (以下、閉方向という。)へ回転付勢し、上記ヒンジ本
    体が所定の第2回転位置に位置しているときには、上記
    ヒンジ本体を上記回転軸線を中心とする周方向のうちの
    他方向(以下、開方向という。)へ回転付勢する回転付
    勢機構が設けられており、上記最大トルクが上記回転付
    勢機構による回転付勢力と同等以下に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のヒンジ。
  3. 【請求項3】 上記ヒンジ本体と上記回転部材とが上記
    回転軸線上に並んで配置され、 上記回転伝達機構が、上記ヒンジ本体の上記回転部材側
    の端部に、回転不能に、かつ上記回転部材に対して接近
    離間するよう上記回転軸線方向へ移動可能に連結された
    可動部材と、この可動部材を上記回転部材側へ付勢する
    付勢手段とを有し、上記回転部材と上記可動部材との対
    向面の一方には、上記付勢手段の付勢力によって他方に
    押し付けられる凸部が設けられ、他方には、上記回転部
    材が上記ヒンジ本体に対して所定の第3回転位置まで上
    記開方向へ回転したときに上記凸部に突き当たることに
    よって上記回転部材の開方向への回転を上記ヒンジ本体
    に伝達する第1傾斜面と、上記回転部材が上記ヒンジ本
    体に対して所定の第4回転位置まで閉方向へ回転したと
    きに上記凸部に突き当たることによって上記回転部材の
    閉方向への回転を上記ヒンジ本体に伝達する第2傾斜面
    とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    ヒンジ。
  4. 【請求項4】 上記ヒンジ本体と上記回転部材とが上記
    回転軸線上に並んで配置され、 上記回転伝達機構が、上記ヒンジ本体の上記回転部材側
    の端部に、回転不能に、かつ上記回転部材に対して接近
    離間するよう上記回転軸線方向へ移動可能に連結された
    可動部材と、この可動部材を上記回転部材側へ付勢する
    付勢手段とを有し、上記回転部材と上記可動部材との対
    向面の一方には、上記付勢手段の付勢力によって他方に
    押し付けられる凸部が設けられ、他方には、上記回転部
    材が上記ヒンジ本体に対して所定の原点位置から開方向
    へ所定の第3回転位置まで上記開方向へ回転したときに
    上記凸部に突き当たることによって上記回転部材の開方
    向への回転を上記ヒンジ本体に伝達する第1傾斜面と、
    上記回転部材が上記ヒンジ本体に対して所定の最大回転
    位置から閉方向へ所定の第4回転位置まで回転したとき
    に上記凸部に突き当たることによって上記回転部材の閉
    方向への回転を上記ヒンジ本体に伝達する第2傾斜面と
    が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のヒ
    ンジ。
  5. 【請求項5】 上記回転付勢機構が、上記可動部材及び
    上記付勢手段を上記回転伝達機構と共有しており、 上記回転部材と上記可動部材との対向面のうちの他方に
    は、上記第1回転位置において上記一方に設けられた上
    記凸部に突き当たることにより、上記付勢手段の付勢力
    を上記ヒンジ本体を上記閉方向へ回転付勢する回転付勢
    力に変換する第3傾斜面と、上記第2回転位置において
    上記一方に設けられた上記凸部に突き当たることによ
    り、上記付勢手段の付勢力を上記ヒンジ本体を上記開方
    向へ回転付勢する回転付勢力に変換する第4傾斜面とが
    設けられていることを特徴とする請求項4に記載のヒン
    ジ。
  6. 【請求項6】 上記回転部材と上記可動部材との対向面
    の他方には、凹部が形成され、この凹部を区画する面の
    うちの上記回転軸線を中心とする周方向の一側部が上記
    第1、第4傾斜面として共用され、上記凹部を区画する
    面のうちの上記回転軸線を中心とする周方向の他側部が
    上記第2、第3傾斜面として共用されていることを特徴
    とする請求項5に記載のヒンジ。
  7. 【請求項7】 上記回転部材を間にして上記可動部材と
    逆側に配置された固定部材と、軸線を上記回転軸線と一
    致させて配置され、上記固定部材に回転可能に、上記回
    転部材に回転不能に、かつ上記回転軸線方向へ移動可能
    に、上記可動部材に回転可能に、かつ上記回転軸線方向
    へ移動可能に、上記ヒンジ本体に回転可能に順次挿通さ
    れたヒンジ軸とをさらに備え、上記ヒンジ本体及び上記
    固定部材が、上記ヒンジ軸に所定の停止位置から互いに
    離間する方向へ移動不能に連結され、上記付勢手段が、
    上記ヒンジ本体と上記可動部材との間に配置されること
    により、上記ヒンジ本体を上記固定部材から離間する方
    向へ付勢するとともに、上記固定部材を上記可動部材及
    び上記回転部材を介して上記ヒンジ本体から離間する方
    向へ付勢して、上記ヒンジ本体及び上記固定部材を上記
    停止位置に位置させることを特徴とする請求項5又は6
    に記載のヒンジ。
  8. 【請求項8】 上記回転部材と上記固定部材との間に
    は、上記回転部材が上記原点位置と上記最大回転位置と
    のいずれかに位置しているときには、上記回転部材を上
    記回転軸線方向における所定の第1軸方向位置に位置さ
    せ、上記ヒンジ本体が原点位置と上記最大回転位置から
    離間してそれらの中間に位置しているときには、上記回
    転部材が上記第1軸方向位置から上記固定部材側へ所定
    の第1移動距離だけ移動するのを許容する位置調節機構
    が設けられ、上記ヒンジ軸には、上記可動部材が上記回
    転部材の上記回転軸線方向への移動に追随して上記第1
    移動距離より小さい所定の第2移動距離だけ移動したと
    きに上記可動部材を係止する係止部が設けられ、上記第
    1〜第4傾斜面が凸曲面によって形成されていることを
    特徴とする請求項7に記載のヒンジ。
  9. 【請求項9】上記位置調節機構が、上記回転部材と上記
    固定部材との対向面の一方に形成された突起と、他方に
    形成され、上記回転軸線を中心として周方向に延びる長
    溝とを有し、上記長溝は、上記回転部材が原点位置と上
    記最大回転位置とから離れてそれらの中間に位置してい
    るときに、上記突起が上記長溝入り込むように配置形成
    されていることを特徴とする請求項8に記載のヒンジ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のヒン
    ジにおいて、上記回転部材を回転駆動するモータをさら
    に備えたことを特徴とする電動ヒンジ。
  11. 【請求項11】 請求項6〜9のいずれかに記載のヒン
    ジにおいて、上記回転部材を上記ヒンジ軸を介して回転
    駆動するモータをさらに備えたことを特徴とする電動ヒ
    ンジ。
  12. 【請求項12】 上記モータが上記回転軸線上に上記ヒ
    ンジ軸の上記固定部材側の端面と対向して配置され、上
    記ヒンジ軸の上記固定部材側の端面に軸線を上記回転軸
    線と一致させた駆動孔が設けられ、この駆動孔に上記モ
    ータによって回転駆動される駆動軸が回転不能に、かつ
    着脱可能に嵌合されていることを特徴とする請求項11
    に記載の電動ヒンジ。
  13. 【請求項13】 互いに隣接する端部に軸線を一致させ
    た収容筒部がそれぞれ設けられた本体部及び回転部を備
    え、請求項12に記載の電動ヒンジのヒンジ本体の一端
    部が上記本体部の収容筒部に回転可能に嵌合され、上記
    ヒンジ本体の他端部が上記回転部に回転不能に嵌合さ
    れ、上記モータが上記本体部の収容筒部に回転不能に収
    容されていることを特徴とする携帯機器。
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