JP2003268773A - ポケット付き植生袋体並びに該植生袋体を用いた緑化基盤体及び該緑化基盤体による緑化方法 - Google Patents

ポケット付き植生袋体並びに該植生袋体を用いた緑化基盤体及び該緑化基盤体による緑化方法

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Koichiro Nishikawa
公一郎 西川
Michi Nishikawa
路 西川
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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  • Finishing Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】人工構造物を緑化する際に最大の問題となるの
が、植物の生育には必須である土壌をいかに安定した状
態に保つかということである。特に急勾配の場所や風雨
さらされる場所等では土壌が流出しやすく植物の枯死の
原因をつくる。それぞれの植物の生育に必要な水分と栄
養をもたらす土壌の流失を防ぎ、活着率のよい安定した
基盤体にするためのポケット付き植生袋体と簡易な施工
方法を提供する。 【解決手段】あらかじめポケットの連なりの形状をした
仕切りを袋体の口から底にかけて一つないしは複数形成
し、仕切りによって分化した袋のそれぞれに培養土を充
填して密閉することによって基盤体を形成、仕切りの連
続したポケットに繁殖材料を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、採石跡地や道路建
設等で切り出された法面、および高速道路の中央分離帯
や下水処理場の屋上等大規模な人工構造物、また民間の
屋上・屋根等身近な人工構造物等これまで緑化が困難と
された場所、また河川、湖沼等の水辺や公園、庭、花壇
等を緑化するのに用いる緑化基盤体と該緑化基盤体を構
成するポケット付き植生袋体またそれらを使用した緑化
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートのビルや高速道路等殺風景
な人工構造物の壁面や屋上を、景観上からさらに近年で
は強く環境の面から、緑化が注目され実施されてきてい
る。また山間部での採石跡地や土地造成で形成された法
面など落石防止・土止めのためにコンクリート処理を必
要とする場所に対しても同様の理由で緑化が試みられて
いる。近年、緑化対象面に張り付けて緑化する方法が一
般的となり、いかにシンプルに簡易に安価にしかも活着
率生育率のよいものを製造するかの研究も盛んになって
いる。しかしながら、それだけ研究され、多くの提案が
なされているにもかかわらず、実際の施工において活用
されている率が極めて低いのが現状である。その原因は
多分に主役となる植物の活着率が思うほど望めず、活着
はしても永続的に生育する率はなかなか伸びないという
問題点が考えられる。使用植物に関する知識を実験や実
際の施工から学び、実質的な生きた知識とする基本的な
姿勢が必要と思われる。本発明者は特願平11−100
455、特願平11−374573および第3回緑化工
学会発表「マルチング用マットと植物苗の効率的な一体
化方法に関する研究」等において一貫して張り付けて緑
化する方法、主に多肉植物に代表される極めて乾燥に強
い植物を利用し、その性質や生育状況に合わせた提案を
してきた。活着率と初期生育、施工工事の簡素化、維持
管理手間の削減、さらに施工後強風豪雨、水流からの保
護等諸問題を現場で確かめ一つ一つ解決をしてきてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人工構造物
の緑化において、植物に水分と栄養をもたらす土壌が風
雨等により流失してしまうことが、植物の枯死や生育不
良の大きな原因となることに着目したものである。従来
行われている袋体に土壌を収容するいわゆる土嚢袋の使
用が、土壌の風飛びやズレ落ちを防ぎ植物の生育に必要
な保水が行き届くのに優良な方法の一つとされてきた
が、繁殖材料として植物苗を利用する場合は設置するの
に袋体に穴を開ける必要があり、穴からの土壌の流出は
余儀ないものとされ問題があった。穴は小さいながら時
間の経過にともない次第に流出していく土壌の量は充填
した時点とは比較にならないほど多く、また強風豪雨の
際には一気に激減してしまう難点があった。本発明は、
土嚢袋に繁殖材料を設置する緑化方法の効果をふまえつ
つ、土壌の流出してしまう繁殖材料挿入用の穴を袋体に
開けることなく挿入を可能にする方法を、またそれにと
もない穴を開ける手間もなくする方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、袋体の口から底にむかって中心に一つある
いは一定の幅をおいて複数の仕切りを設け、該仕切りを
繁殖材料を挿入する連続したポケットにする。仕切りに
よってできた2つあるいは複数の分化された袋に培養土
を収容し口を縫合かホッチキス等で止める。植物の繁殖
材料は、上面に開口しているポケットに挿入する。また
該仕切り同士の幅をせばめ、仕切りを多くして薄型の基
盤体を作成し、薄型のものが必要とされる場所に使用す
る。その際は該仕切連続したポケットすべてに繁殖材料
を挿入せず、適当な位置のポケットに挿入していく。繁
殖材料を挿入しない該仕切りの位置がはっきりしている
場合は、該仕切りのかわりにあらかじめ縫合しておく。
【0005】
【発明の作用】ポケット付き植生袋体は、該仕切りによ
って二等分あるいは複数に分化された袋に培養土を収容
して口を止めると、前記袋体は培養土を密閉する。植物
の繁殖材料は該仕切りがそのまま繁殖材料挿入用のポケ
ットになっていてそのポケットに挿入していく仕組みの
ために、土壌が流失することがない。ポケット付き植生
袋体は、仕切りで分化された袋に培養土を収容させるこ
とにより、仕切りである連続したポケットに挿入された
繁殖材料が両側の袋に圧迫される。またポケットは深み
があり、根鉢部分がすっぽり入り込む。そのため繁殖材
料が抜け落ちることなく、密着度も高まるので活着率が
良好となる。さらに、施工場所で設置する際に、緑化基
盤体を移動させる時でも繁殖材料の抜け落ちの心配なし
に作業ができる。形態が土壌の入った細長い袋であるた
め柔軟に変形し、緑化対象面が採掘跡地等凹凸の激しい
場所等でも使用可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、植物が生育するための
土壌を、基盤体となる袋から流失しない状態に保持させ
るために、袋に穴をあけずに繁殖材料を設置できるよう
に開発されたものである。本発明では土壌として、軽
石、パーライト、まさ土、腐葉土、ピートモス、バーミ
キュライト、バーク等をブレンドしたあるいは単体とし
た培養土を利用植物にあわせて使用する。
【0007】図1は、本発明の一例として連続したポケ
ットの仕切りを1つ設けたポケット付き植生袋体に培養
土をつめた緑化基盤体の一部破断した斜視図を示す。連
続したポケット3が仕切りとして中心にあり、その両側
にできた分化された袋4に培養土5が充填され入り口は
縫合あるいはホッチキス等でとじられている。連続した
ポケットの口が上部に開いている。
【0008】図2は、図1で示した緑化基盤体2の連続
したポケット3に、植物の繁殖材料を挿入した状態を示
す斜視図である。繁殖材料は利用率の高いセル成型苗6
を使用した。図3は図2の断面図であり、両側の分化さ
れた袋4に培養土5が充填されることにより、繁殖材料
のセル成型苗6が圧迫される状態を示した。植物の繁殖
材料としては、前記のセル成型苗やポット苗等根鉢部に
培土を持つ小苗、また種子や茎葉、球根等がある。本発
明で多く使用するセル成型苗は、一枚のトレーで多数栽
培できるため栽培効率がよく、根鉢部に培土を持つ小苗
の中でも培土部分が小さいため扱いやすい。活着率も良
好である。
【0009】多肉植物等のように使用植物でそれほど土
や水分を必要としないもの、また施工場所で重さに制限
のある建物の場合には、ポケット付き植生袋体の該仕切
りの間隔を小さくして分化された袋を細くし薄型の緑化
基盤体にする。その際、必要な部分以外の仕切りの連続
したポケットには繁殖材料を挿入しない。分化された袋
を細くした薄型の緑化基盤体では、前記のように連続し
たポケットに繁殖材料を挿入しない箇所もできるので、
あらかじめ挿入する予定のない箇所には連続したポケッ
トの仕切りのかわりに、該仕切りとなる部分を縫合し縫
い目を仕切りとしてもよい。細くなった分化された袋に
は、植物に必要な水分と栄養が満たされればよいので、
必要以外の分化された袋には培養土を充填する必要がな
くなり、全体の土量と重さが軽減できる。
【0010】図4は、連続したポケット3と平行に縫い
目を入れポケットなしの仕切り7を作った薄型のポケッ
ト付き植生袋体1の斜視図である。この例では、植物の
繁殖材料を挿入する連続したポケットの両サイドの分化
された袋4に培養土挿入口8から培養土を充填し、外側
の分化された袋には充填しない。図では介装用の袋sに
つめた培養土5を使用している。薄型の本発明は、1m
あたりの使用土量を減少させ、土厚のうすい基盤体と
なる。広い面積を緑化するには、連続したポケットの仕
切り とポケットなしの仕切りを複数設けた大型のポケ
ット付き植生袋体にすると作業上効果的である。図5
は、図4の薄型の緑化基盤体にセル成型苗6を設置した
断面図である。
【0011】ポケット付き植生袋体は、一枚布で作成す
る場合と2枚の布で作成する場合がある。図6は、一枚
布9で作成する場合の状態を示す中間部を省略した斜視
図である。布を二つ折りにし、該ポケットの深さとなる
幅をとり、その幅の保たれた位置に、ポケットになる部
分を一定の間隔をとって縫いとばしながら、布の折り曲
げた側を縫い合わせ連続したポケットを作成する。使用
植物に合わせてポケットの間隔を決める。縫合してでき
た縫い目10と縫い目の間の縫いとばした部分が、ポケ
ットになる。仕切りである連続したポケットを中心に布
の両端を連続したポケット3の底部に縫いつけ、2つの
並んだ筒にする。この後筒の口の一方を縫い閉じて底に
し、もう一方の筒の口から培養土を充填する。培養土は
あらかじめ介装用の袋に詰めたものを筒に介装してもよ
い。
【0012】2枚の布で作成する場合は、あらかじめ連
続したポケットを設けた布と設けていない布を用意す
る。図7は、2枚布を用いて連続したポケットの仕切り
とポケットなしの仕切りを複数設ける本発明の一例を示
す断面図である。連続したポケット3が形成された方の
布9aの端部をもう一枚のポケットなしの布9bの端部
に合わせて縫いつけ、連続したポケットのある布9aを
次の連続したポケットがくるまでトンネル状に必要な大
きさにふくらませてもう一枚のポケットなしの布9b上
に縫いつけポケットなしの仕切りをつくっていく。次の
連続したポケットがあらわれたらそのポケットの底部を
同様にもう一枚の布に縫いつけていく。大きめの薄型ポ
ケット付き植生袋体1が作成される。
【0013】緑化対象面に施工するにはいくつかの方法
があげられる。ひとつに、ポケット付き植生袋体にあら
かじめ培養土をつめこみ緑化基盤体に仕上げてから施工
現場に運ぶ方法がある。緑化基盤体を緑化対象面に設置
した後植物苗等の繁殖材料を連続したポケットに挿入す
る。運ぶ前にあらかじめ繁殖材料を挿入しておいてもよ
い。
【0014】もうひとつに、ポケット付き植生袋体のみ
を施工現場に運び、培養土は後から充填する方法があ
る。この場合は、ポンプ等の機械を使用して培養土を充
填する。機械の使用が可能な場所では、施工現場で、該
袋体を緑化対象面全体に先に設置しておき、培養土はそ
の後に機械で入れていくことができる。また、その場所
付近まで該袋体と機械を運び込み、その場で培養土の充
填作業を施しながら充填されたものを設置していく方法
もある。培養土が充填された基盤体に重量がある場合は
クレーン等を併用すると効率も良い。
【0015】培養土充填用の機械にはブロアー方式の軟
式吹付機やスクイズポンプ、圧搾空気方式等がある。機
械を使用することによって、培養土を効率よくポケット
付き植生袋体に充填できる利点と、培養土の入っていな
い該袋体はコンパクトにまとめることができ極めて軽い
ので、運搬や作業の効率をよくする利点がある。また大
型の緑化基盤体の場合は、土量もあり重いので運搬等を
考えると、該袋体のみを運んで培養土は施工現場で機械
で充填する方法が適している。さらに施工現場が急傾斜
地の場合も、軽量の該袋体を設置するほうが作業効率が
よい。あらかじめ培養土が充填された緑化基盤体を使用
するか、ポケット付き植生袋体のみを施工現場に運びそ
の場で培養土を充填するかは、施工現場の状況に合わせ
て決める。
【0016】図8は、ポンプ等の機械で培養土を充填し
やすくするために、ポケット付き植生袋体にポンプ用の
培養土挿入口8を設けた斜視図である。分化された袋4
同士につながりをもたせるためポケット付き袋体の仕切
りの一部を開放しておく。培養土挿入口8は、口を小さ
くしてポンプが入り作業がしやすくなっていればよく、
図のように挿入口を開けた下に布をあててベロ11を作
成するなどしてもよい。ベロのない状態でも十分利用で
きる。ポケット付き植生袋体が大型の場合は、培養土挿
入口を複数設ける。ポンプで充填中に培養土がこぼれに
くいこと、またベロがある場合はベロを折り曲げてその
まま固定具で固定できること等の利点がある。
【0017】図9、図10において、施工の実例を示
す。使用する緑化基盤体は、分化された袋が4つあって
いずれにも培養土が充填され中心の仕切りが連続したポ
ケット、その他は縫い目による仕切りのものを、繁殖材
料にはセル成型苗を使用する。図9は、緩傾斜のコンク
リート法面に施工する一例を断面図で示した。緑化対象
面Gであるコンクリート上全面に排水材として排水マッ
ト14を設置し、その上に緑化基盤体2を並置する。並
置された緑化基盤体の連続したポケットにセル成型苗6
を挿入する。並置された緑化基盤体を固定することと、
その保護もかねて、全体をネット15でおおい、ネット
を緑化対象面に固定具12で固定する。この例の場合は
緑化対象面に防水設備等が配されていないので固定具に
はアンカー等が適当である。例えば建築物の高さが低く
フラットに近い屋上面等、穏やかな環境にある場所では
ネットの省略も可能である。逆に急傾斜の場合、あるい
は緩傾斜やフラットに近い屋上面においても風雨等過酷
な環境である場合には、ネットだけの固定の他に、別の
形の固定具も必要である。
【0018】図10は、フラットに近い屋上面ながら高
層のため風雨や直射日光をまともに受けてしまう場所を
施工する一例を断面図で示した。全体の移動を防止する
ため、緑化対象面に固定具を据え付ける。屋上は防水シ
ステムが施されている場合が多いことを考慮し、固定具
12は穴をあけて傷つけないものを使用し接着材13で
固定する。固定具としては図に示すようなコの字型のも
のの他にL字型のもの等がある。排水がスムーズにいく
ように緑化対象面Gに排水材として排水マット14を隙
間なく設置し、その上に本発明の緑化基盤体2を並置す
る。連続したポケット3に、繁殖材料であるセル成型苗
6を挿入し、その上から全体にネット15をかぶせ、ネ
ットとその下に位置する固定具12と緑化基盤体2をビ
ス16で止める。
【0019】急傾斜の法面に施工する際、きびしい環境
が予想される場合は、コンクリート製の格子状のフレー
ムを使用するとよい。格子状のフレームは緑化土木では
地盤安定のために一般的に使われているものである。法
面全体をコンクリートで升目状にし、升目の中に本発明
を設置しアンカーで固定する。二重の固定により安定す
る。急傾斜面では排水マットは省略可能である。
【0020】緩傾斜ながら、風雨等環境がきびしい場所
の場合は、格子状のフレームがそのまま排水材となるも
のが適している。本発明者が特願2001−71267
で提供した排水帯の一つにプラスチック製の格子状フレ
ームに排水用の穴を開けたものがあり、適度な強度と排
水作用が得られ利用可能である。
【0021】また緑化対象面に設置後、ポーラスコンク
リート製のケースをかぶせると、さらに強固な基盤材と
なる。前記ケースは、底のない箱の形状をしており、上
面の任意の位置に孔が開いており、連続したポケットに
挿入された繁殖材料が生育してその孔から外にのびてこ
られるようになっている。緑化基盤体自体はケースの中
に存しながら、連続したポケットの部分は外に露出して
いるかたちになる。直射日光や風雨にさらされ厳しい環
境にある緑化対象面の場合は、このケースも併用すれ
ば、さらに強固な基盤材となり、長持ちさせることがで
きる。
【0022】本発明は柔軟であるため、例えば採石跡地
のような凹凸のある緑化対象面にもなじみやすく、堅い
基盤体を設置する時のような下地づくりの必要がない。
【0023】本発明の主眼である緑化が困難な場所であ
るコンクリート等の人工構造物や採石跡地等の緑化に
は、セダム属等多肉植物に代表される耐乾性植物が適し
ている。耐乾性植物は雨水程度の水分が適当であり自然
の状態に放置した状態が望ましいので、雨水の全くあた
らない場所以外は管理手間をほとんど必要としない。ツ
ルマンネングサ、メキシコマンネングサ等がある。植物
の組み合わせ方で、黄色や白、ピンクと花を咲かせ、緑
は一年中絶えることがない。季節ごとに変化するデザイ
ンや色彩を楽しむことができる。
【0024】耐乾性植物は、根部に少量の培土を持つセ
ル成型苗に適しているものが多い。また本発明の薄型の
基盤体は、ビルの屋上や壁面で重量制限のある場所、ま
た管理や手間がかけにくい場所等の緑化に適している。
【0025】逆に、管理や手間もかけられる場所で、植
物の種類を制限せず豊富に使用することが望まれる場合
には、仕切りを入れて分化された袋を細くすることとは
逆に、仕切りを少なくして分化された袋を大きくし、基
盤体を厚型にして使用する。厚型の基盤体は、水分や栄
養分を多く保持できるので、球根やポット苗等の使用が
可能となる。コンクリートの法面に豊富な色彩の花を咲
かせたり、また広大な花壇等に効果的に使用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、袋体に穴を開けずに繁殖材料
を設置できるため、風雨等にあっても土壌を流失するこ
となく、植物の枯死や風飛び、苗の流失を防いで植物を
守り健全育成を助けることとなった。また、繁殖材料を
挿入するポケットは、培養土の入った袋に圧迫されて密
着するため、根の活着率を良好にし、抜け落ちも防ぐ。
ポケット付き植生袋体を緑化対象面に設置してからポン
プ等で培養土を充填していく方法をとれば、運搬や作業
効率をよくする。基盤体を使用する植物の種類に応じて
厚型や薄型に自由にできるので、利用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である基盤体の一例を示す一部破断し
た斜視図である。
【図2】 本発明である基盤体の一例に繁殖材料を挿入
した状態を示す斜視図と断面図である。
【図3】 図2に示された本発明の断面図である。
【図4】 本発明である薄型のポケット付き袋体に介装
用袋に培養土をつめた ものを差し込む状態の一例を示
す斜視図である。
【図5】 図3の薄型基盤体に繁殖材料を挿入した断面
図である。
【図6】 一枚布でポケット付き植生袋体をつくる一例
を中間部を省略して示した斜視図である。
【図7】 2枚布でポケット付き植生袋体をつくる一例
を示す断面図である。
【図8】 ポンプ等を使用して培養土を充填するための
本発明の一例を示す斜視図である。
【図9】 緩傾斜のコンクリート法面に本発明を設置す
る一例を示す断面図である。
【図10】 フラットに近い屋上面に本発明を設置する
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポケット付き植生袋体 2 緑化基盤体 3 連続したポケット 4 分化された袋 5 培養土 6 セル成型苗 7 ポケットなしの仕切り 8 培養土挿入口 9 布 9a ポケットのある布 9b ポケットのない布 10 縫い目 11 ベロ 12 固定具 13 接着材 14 排水マット 15 ネット 16 ビス s 介装用袋 G 緑化対象面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養土を収容するための袋体の中に口か
    ら底に向かって、植物の繁殖材料挿入用ポケットが連続
    してある仕切りを設け、該仕切りによって分化された袋
    の集合体となる袋体において、前記袋体を仕切りながら
    連続したポケットの口は外に開かれている該仕切りの、
    前記ポケットの口が植物の繁殖材料の挿入口となること
    を特徴とするポケット付き植生袋体。
  2. 【請求項2】 布を二つ折りにし、折り曲げられた側で
    繁殖材料を挿入するポケットの深さに幅をとり、前記幅
    にそって縫合していく過程で、連続したポケットの口と
    なる部分を任意の箇所で一定間隔をおいて縫合しないこ
    とによって、布の中心に連続したポケットを形成する第
    一工程と、布の両端を前記連続したポケットを中心にし
    て両側から前記連続したポケットの底部にもってきて縫
    い着け二つの並んだ筒にする第二工程と、該筒の口の一
    方を縫い閉じて袋体の底、もう一方を培養土挿入口とす
    る第三工程を備えた形成方法をとる請求項1記載のポケ
    ット付き植生袋体。
  3. 【請求項3】 植物の繁殖材料を、該仕切りの連続した
    ポケットに挿入した請求項1または請求項2記載のポケ
    ット付き植生袋体。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    のポケット付き植生袋体の各袋に、培養土を充填するか
    もしくは培養土をつめた袋を介装した緑化基盤体。
  5. 【請求項5】 緑化対象面に排水マットを全面設置する
    第一工程と、その上に請求項1、請求項2または請求項
    3記載のポケット付き植生袋体を隙間なく並置固定する
    第二工程と、固定されたポケット付き植生袋体が持つ分
    化された袋それぞれに機械を使用して培養土を充填する
    第三工程と、請求項1または請求項2においては該仕切
    りの連続したポケットに植物の繁殖材料を挿入する第四
    工程と、全体にネットをかぶせネットを緑化対象面に固
    定する第五工程よりなる緑化方法。
  6. 【請求項6】 緑化対象面に排水マットを全面に設置す
    る第一工程と、その上に請求項4記載の緑化基盤体を隙
    間なく並置する第二工程と、前記緑化基盤体の仕切りと
    なっている連続したポケットに植物の繁殖材料を挿入す
    る第三工程と、全体にネットをかぶせ、該ネットを緑化
    対象面に固定する第四工程よりなる緑化方法。
  7. 【請求項7】 植物の繁殖材料をセル成型苗とする請求
    項1、請求項2または請求項3記載のポケット付き植生
    袋体と請求項4の緑化基盤体と請求項5または請求項6
    記載の緑化方法。
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