JP2006325484A - 人工土壌 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、気相、液相、固相からなる三相構造を永続的に持続することができ、且つ建物の屋上や壁面、或いは地面に利用することができる人工土壌を提供する。
【解決手段】人工土壌は、ポーラス物質としての軽石と、バークチップと、腐葉土と、保水性と保肥性を有し且つ比重が0.5以下の鉱物質土壌とからなる。この人工土壌に於いて、鉱物質土壌がバーミキュライトであることが好ましく、また、軽石とバークチップと腐葉土の容積が60%〜90%、残部がバーミキュライトであり、バーミキュライト/バークチップの容積比が0.6〜1.2で且つバーミキュライト/軽石の容積比が0.3〜1.0であることが好ましい。また混合肥料が加えられ、更に、湿潤状態に於ける比重が1.0以下で、或いは出荷する際の比重が0.38〜0.25である。

Description

本発明は、軽量で且つ気相、液相、固相からなる三相構造を永続的に持続することが可能な人工土壌に関し、特に、建物の屋上や壁面を緑化する際に、或いは地面に於ける家庭菜園等に利用して有利な人工土壌に関するものである。
人工的な土壌としては、主としてプランターや家庭菜園で利用することを目的とし、且つ栽培すべき植物を野菜,草花として、土と腐葉土、栽培すべき植物に対して効果のある混合肥料を混合したものが販売されている。この土壌は比重が大きいため、単位面積当たりの積載荷重が規定されているような部位では制限を受けることになる。
また主として建物の屋上や壁面で利用することを目的として、多孔質発泡体と、動植物系有機土壌、親水性無機質土壌改良材、若しくは天然土壌のうち少なくとも一を含む改質材と、水溶性媒体とが、発泡体樹脂からなる接着成形材により成形固化された軽量発泡土壌であり、多孔質発泡体が軽量発泡土壌全成分の略20〜60体積%、改質材が軽量発泡土壌全成分の約5〜40体積%含む軽量発泡土壌が提案されている(例えば特許文献1参照)。
上記軽量発泡土壌では接着成形材によって成形固化されているため、風雨による飛散、流出のおそれがなく、通水性、保水性及び通気性が良く、更に、1平方メートル当たり略9.5kgに軽量化することができる。
特開2002−369620号公報
植物を栽培する土壌には、気相、液相、固相の三相が適度な割合で存在することが必要であり、好ましい割合から逸脱したとき、良好な成長を期待し得ないことが知られている。
上記したプランターや家庭菜園で利用することを目的とした人工土壌では、経時的に自沈して固相の割合が増加し、これに伴って気相の割合が減少するという性質がある。このため、定期的に土壌を耕起して団粒を回復して三相構造を再生させることが必要となり、手間がかかるという問題が生じる。またこの人工土壌では、比重が大きく積載荷重が規制されるような部位、特に、建物の屋上に家庭菜園を作るような場合には採用することができないという問題もある。
また特許文献1の技術では、多孔質発泡体と改質材を接着成形材によって接着固化されており、土壌の三相構造を固定することで維持することができ、且つ建物の屋上や壁面に適用するには有利である。しかし、土壌は塊状になって固化されてしまっているので、顧客が栽培する植物を選択する自由度が小さいという問題や、この人工土壌を利用して顧客が自由に植物を栽培したり、耕したりすることができないという問題がある。
また、特許文献1には、1平方メートル当たりの重量が記載されているものの、土壌の比重は開示されず、前記重量が如何なる厚さの土壌で実現されたかが明確ではないという問題もある。
本発明の目的は、軽量で、三相構造を永続的に持続することができ、且つ建物の屋上や壁面、或いは地面に利用することができる人工土壌を提供することにある。
人工土壌は、植物の栽培に適した環境と適用すべき部位に対応した特性を持つ土壌を人工的に創り出すものである。本件発明者は、積載荷重が記載された建物の屋上や壁面に対して利用し得る程度に軽量で、且つ植物の栽培に適した三相構造を永続的に持続することができ、更に、保水性、保肥性を確保し得る人工土壌の開発を行った結果、以下の知見を得た。
植物を栽培する土壌としては、空気層からなる気相と、水分層からなる液相と、固形物からなる固相と、の三相が所定の割合で混在していることが必要である。前記各層は、植物によって適正な三相分布は異なるものの、例えば野菜等を栽培する土壌としては、概ね気相が約30容量%、液相が約30容量%、固相が約40容量%、であることが好ましく、気相が10容量%よりも低くなると殆どの植物は成長し得ない。即ち、気相の割合が減少することにより、相対的に固相の割合が増加した土壌では、植物の栽培に支障をきたすことになる。このように、気相の割合が小さくなった土壌では、該土壌を耕すことによって気相の割合を増やすことで再生をはかることができる。
従って、永続的に気相の割合を継続することができれば、土壌を耕して再生をはかる必要がなく、好ましい人工土壌を得ることができる。
植物を栽培する場合、水の供給は必須であり、土壌には適度な排水性と保水性が求められる。排水性が劣悪であると根腐れを起して枯れてしまうことになり、保水性が劣悪であると植物に水を供給し得なくなり枯れてしまうことになる。
従って、高い排水性と、高い保水性を有することができれば、好ましい人工土壌を得ることができる。即ち、人工土壌を構成する原料が有する保水能力を充分に発揮させることで高い保水性を確保し、夫々の原料によって保水された以外の水を速やかに排水し得るような人工土壌であれば好ましい。
植物の成長にとって肥料の供給は必須である。土壌に施肥したとき、この肥料が有効に植物に吸収されるには、土壌に適度の期間保持されることが好ましい。従って、高い保肥能力を有する原料を含む人工土壌であれば好ましい。
土壌に施肥される肥料は、栽培する植物に対応して速効性肥料或いは遅効性肥料が選択される。例えば、野菜や草花では速効性肥料が好ましく、樹木であれば遅効性肥料が好ましい。従って、予め施肥した人工土壌の場合、速効性肥料と遅効性肥料とを混合させておくことで、購入者が栽培しようとする多くの植物に対応することが可能となって好ましい人工土壌を得ることができる。また購入した土壌をすぐにでも使用することができる。
根菜以外の野菜や草花、高さが約1.5m程度の低木、高さが約2m程度の中木を含む植物を栽培する場合、根が充分に張ったとしても土壌の厚さは約20cmあれば良いことが判明した。従って、建物の屋上を緑化する場合、土壌を前記厚さで敷設し且つ湿潤状態のときの単位面積当たりの重量が、建物の許容積載荷重を満足することが必要となる。この結果、比重が1.0以下の人工土壌であれば、前記条件を満足することができる。
従って、本発明に係る人工土壌は、鉱物系又は無機質系のポーラス物質と、バークチップと、腐葉土と、保水性と保肥性を有し且つ比重が0.5以下の鉱物質土壌と、からなるものである。
上記人工土壌に於いて、鉱物質土壌がバーミキュライトであることが好ましく、また鉱物系又は無機質系のポーラス物質とバークチップと腐葉土の容積が60%乃至90%、残部がバーミキュライトであり、バーミキュライト/バークチップの容積比が0.6乃至1.2で且つバーミキュライト/鉱物系又は無機質系のポーラス物質の容積比が0.3乃至1.0であることが好ましい。
また上記何れかの人工土壌に於いて、混合肥料が加えられていることが好ましい。
また上記何れかの人工土壌に於いて、湿潤状態に於ける比重が1.0以下であることが好ましい。
また上記何れかの人工土壌に於いて、製品として出荷する際の比重が0.38乃至0.25であることが好ましい。
また上記何れかの人工土壌に於いて、建物の屋上を緑化又は家庭菜園のための土壌であることが好ましい。
本発明に係る第1の人工土壌では、永続的に団粒構造を保持することができ、これにより土壌に隙間を形成して保水性と排水性を実現することができる。このため、永続的に気相と液相を継続することができる。また、腐葉土や鉱物質土壌が有する保水性と保肥性によって保水と保肥を実現することができ、これに伴って三相構造を形成することで高い排水性を確保することができ、更に、鉱物系又は無機質系のポーラス物質(以下、単に「ポーラス物質」という)及び比重が0.5以下の鉱物質土壌によって軽量化をはかることができる。従って、施工する対象(例えば建物の屋上の上層や庭の自然土壌の表層等)の如何に関わらず、三相構造を永続的に維持することができ、且つ高い排水性、保水性を有し、植物の栽培に適した人工土壌層を形成することができる。
このため、土壌を再生するための耕起作業が不要となり、これらの作業に要する手間を省いて土壌の維持コストを削減することができる。更に、三相構造が永続的に維持されるため、植物の安定した生育環境を維持することができる。
また、鉱物質土壌をバーミキュライトとし、ポーラス物質とバークチップと腐葉土の容積が60%〜90%、残部がバーミキュラ、且つバーミキュライト/バークチップの容積比を0.6〜1.2、バーミキュライト/ポーラス物質の容積比を0.3〜1.0とした場合には、永続的に気相、液相、固相の割合を理想的な範囲内に継続させることができ、且つ高い排水性と保水性及び高い保肥性を実現することができる。
また上記何れかの人工土壌に予め混合肥料を加えておくことによって、該人工土壌からなる土壌層を形成したとき、改めて施肥する必要がなく、簡単に根菜を除く野菜類の栽培や、高さが2m程度の中木を栽培して屋上緑化を実現することができる。
また上記何れかの人工土壌が、湿潤状態に於ける比重が1.0以下であることによって、厚さ20cmの土壌層を施工した場合でも、建物に設定された許容積載荷重を満足することができ、屋上に施工しても建物に影響を与えることのない好ましい家庭菜園或いは屋上緑化を実現することができる。
また上記何れかの人工土壌が、製品として出荷する際の比重が0.38〜0.25であることによって、運搬効率を向上させることができ、運賃コストの削減を実現することができる。
また上記何れかの人工土壌が、建物の屋上を緑化するための土壌であることによって、都市部に於ける建物の屋上緑化をはかることで、ヒートアイランド現象の軽減に寄与することができる。
上記人工土壌では、軽量化を実現することによって、屋上の緑化をはかる場合でも土壌層の厚さを確保することができる。このため、戸建住宅程度の構造物であっても、野菜の栽培や草花の栽培、或いは高さが2m程度の樹木の栽培することが可能となり、植栽計画の自由度を向上することができる。また土壌の厚さの変化をつけることが可能となり、屋上の緑化をはかる場合に立体的な変化をもたせた庭園を設計することができる。
また高い保水性を発揮できるので、良好な植物の生育環境を実現すると共に雨水を充分に利用して環境共生型の緑化をはかることが可能となる。このため、人工土壌を強制的に灌水するための水道水の使用量を削減することが可能となり、水道代に代表されるランニングコストを削減することができる。
以下、上記人工土壌の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る人工土壌は、ポーラス物質と、比重が0.5以下の鉱物質土壌と、バークチップと、腐葉土からなり、野菜や草花類及び高さが2m程度の樹木(中木)を含む植物の栽培に適し、長期間にわたって気相、液相、固相、の三相構造を維持することが可能で、高い排水性と保水性、及び保肥性を確保すると共に、軽量化を実現したものである。
本発明に係る人工土壌は、土壌の三相構造を永続的に維持するために、人工土壌を構成する原料を、ポーラス物質、鉱物質土壌、バークチップ、腐葉土としている。ポーラス物質、鉱物質土壌は人工土壌の軽量化と保水性及び保肥性に寄与し、バークチップ、腐葉土は人工土壌の軽量化と保水性及び保肥性に寄与する。
特に、ポーラス物質、鉱物質土壌を含む鉱物質原料と植物質原料を用いることで、人工土壌が経時的に風化分解して微粒化することがなく、三相構造(分布)を維持することが可能である。また、人工土壌を構成する各原料は、夫々の粒形や大きさが異なるため、各粒の間に隙間が形成されて高い排水性を発揮することが可能である。更に、人工土壌を鉱物質原料と植物質原料のような自然素材とによって構成することで、栽培する植物に対して悪影響を与えることがない。
人工土壌を構成する原料の配合割合は特に限定するものではなく、目的に応じて、例えば建物の屋上や壁面の緑化をはかるような場合であって、特に軽量化をはかることが必要なときに、目的の比重を実現し得るような割合で配合することが好ましい。
即ち、本発明の人工土壌を庭や畑で使用する場合には、三相構造の維持、排水性や保水性の確保を実現し得れば良いこととなり、配合の割合を前記目的を達成し得るように設定すれば良く、比重を厳密に管理する必要はない。しかし、本発明の人工土壌を建物の屋上や壁面の緑化に利用する場合には、目的の建物に設定された許容積載荷重を超えることのないように比重を厳密に管理する必要がある。
人工土壌を建物の屋上に用いるに際し比重を管理する場合、個々の原料の比重を管理する必要はなく、湿潤状態に於ける人工土壌の全体としての比重を管理し得れば良い。また管理すべき比重の大きさは、植物の栽培に必要な土壌層の厚さと目的の建物に設定された許容積載荷重との関係で設定されるのであり、土壌層の厚さを一定とした場合、個々の建物毎に異なることもあり得る。このため、管理すべき比重の値も特に限定するものではなく、目的の建物の許容積載荷重に応じて適宜設定することが好ましい。
例えば、一般的住宅設計に於ける設計上の許容床荷重は、1平方メートル当たり180kgとされている。この場合、比重0.6の土壌であれば、自然の生態形が実現可能とされている最低土厚20cm、或いは根菜を除く大半の野菜が栽培可能とされる土厚20cmを充分に実現することが可能である。
即ち、建物の屋上の緑化をはかるための人工土壌としては、湿潤状態に於ける比重が1.0以下であることが好ましく、湿潤状態の比重が前記数値よりも大きくなると、建物に設定された許容積載荷重を超過する虞が生じる。
また本発明の人工土壌は使用現場で製造されるものではなく、生産現場から使用現場まで運搬される。このため、使用現場に搬入されるまでの人工土壌は可及的に軽量であることが好ましい。生産現場から出荷される人工土壌は腐葉土を含むことから完全な乾燥状態ではなく、水分含有率が30%〜40%であるのが一般的である。このため、本発明の人工土壌は、生産現場から出荷される際の比重が、0.38〜0.25の範囲であることが好ましい。
本発明に於いて、人工土壌を構成するポーラス物質としては、鉱物系又は無機質系であり、軽石や発泡ガラス或いはセラミック系発泡体等を選択的に用いることが可能である。このポーラス物質は、人工土壌の軽量化をはかると共に、長期間にわたって団粒構造を形成して三相構造の維持を実現するものである。特に、団粒構造による間隙部分の保水だけではなく、ポーラス物質の表面にある凹部にも保水することが可能である。このため、ポーラス物質は、排水性、保水性、通気性を確保することが可能である。このため、前記能力を有するポーラス物質であれば、粒の大きさや単独の比重、孔径等の条件を限定することなく利用することが可能である。
上記の如く、ポーラス物質は人畜無害であることが必須であり、有害な無機材料や金属材料は好ましくない。また長期的にみて有害となる虞のある樹脂系材料も避けることが好ましい。
また比重が0.5以下の鉱物質土壌は、人工土壌の軽量化をはかるものであり、この能力を有するものであれば用いることが可能である。このような能力を有するものとしてはゼオライトやバーミキュライトがあり、両者とも保肥性を有するものの、ゼオライトはバーミキュライトに比較して比重が大きい。このため、軽量化を確保すると共に保肥性を確保するためにはバーミキュライトを用いることが好ましい。
バーミキュライトは、高い保肥性能を有しており施された肥料を長期間にわたって保持することが可能であり、且つ高い保水性を有している。このバーミキュライトは粒体であり、土壌の三相構造を確保して植物の根のはりを良好な状態に保つことが可能である。
バークチップは、人工土壌の軽量化をはかると共に保水性を発揮させるものである。このバークチップは樹皮を砕いたものでいい、代表的には椰子がらの破砕片によって構成されている。バークチップは軽く丈夫であり、人工土壌の表層に配置されたとき、風による人工土壌の逸散(特に軽量なバーミキュライトの逸散)を防ぎ、且つ人工土壌層表面から過度の水分の蒸発を防ぐことが可能である。またバークチップは分解が遅いため、数十年の単位で分解して養分化する。
腐葉土は、高い保水性と高い保肥性を有し、自身も微生物に分解されて養分となる。
上記の如く、本発明に係る人工土壌では、ポーラス物質や鉱物質土壌としてのバーミキュライトからなる鉱物質原料、バークチップや腐葉土からなる植物質原料を利用することによって軽量化を実現しており、これらの配合割合を適宜設定することで、人工土壌の比重を最適な値に調整している。
また人工土壌は、粒形や大きさの異なる鉱物質及び植物質の原料を用いることで、永続的に三相構造を維持して高い排水性を発揮することが可能となる。特に、ポーラス物質、鉱物質土壌としてのバーミキュライトを利用することによって高い保水性を発揮することが可能となる。
また人工土壌は、腐葉土により高い保肥性を確保することが可能であるが、腐葉土のみでは肥料及び腐葉土が微生物によって分解されてしまうため、鉱物質土壌として保肥性の高いバーミキュライトを採用することで、長期間にわたる保肥性能を発揮させることが可能となる。
鉱物質土壌としてバーミキュライトを採用したとき、人工土壌を構成するポーラス物質、バークチップ、腐葉土、バーミキュライトの配合割合は、ポーラス物質とバークチップと腐葉土を加えた容量が人工土壌の60%〜90%で、残部がバーミキュライトとし、且つバークチップに対するバーミキュライトの容積比が0.6〜1.2の範囲で、更にポーラス物質に対するバーミキュライトの容積比が0.3〜1.0の範囲であることが好ましい。
上記数値は本件発明者が、永続的に三相構造を維持し得る配合、植物を栽培する上で好ましい排水性と保水性及び通気性を実現し得る配合、施肥された肥料を長期間保肥し得る配合、建物の屋上に施工したときに許容積載荷重を超えることのない比重を実現し得る配合、を求めて実験した結果得たものである。
人工土壌に於けるポーラス物質とバークチップと腐葉土を加えた容量が人工土壌の60%よりも低い場合、植物質の割合が小さくなり、三相構造の形成が不充分で好ましくなく、また90%以上よりも大きくなると、気相率が大き過ぎて排水性、通気性が大きくなり、保水性が低下し、バーミキュライトの割合が小さくなって永続的な保肥性を損なう虞がある。
またバークチップに対するバーミキュライトの容積比が0.6〜1.2の範囲を逸脱した場合で、且つポーラス物質に対するバーミキュライトの容積比が0.3〜1.3の範囲を逸脱した場合、比重が小さくなると逸散し易くなり、比重が大きくなると建物構造への影響が生じ、作業性に悪影響を及ぼす虞が生じる。
本発明の人工土壌に於いて、予め加えられる混合肥料としては、栽培される植物の成長に寄与する成分を有するものであれば良く、種類を限定するものではない。しかし、本発明の人工土壌は一般的な顧客を対象とするものであり、該人工土壌によって栽培される植物が如何なる種類(例えば野菜のように短期間で収穫する植物や樹木のように長期間にわたって成長する植物)であっても対応し得るようにすると、人工土壌に植栽する植物を選択する自由度が向上して好ましい。
市販されている混合肥料は植物が成長するのに必要な養分としての原料を混合したものであり、対象とする植物に対応させて有効期間が設定されている。例えば、野菜を対象とする場合、有効期間が約2カ月〜4カ月の速効性肥料と呼ばれる混合肥料が用いられ、果樹を含む樹木を対象とする場合、有効期間が6カ月〜1年以上の遅効性肥料と呼ばれる混合肥料が用いられる。
このため、植栽する植物の選択の自由度を向上させるためには、有効期間が約2カ月〜4カ月の速効性肥料と、有効期間が6カ月〜1年以上の遅効性肥料を配合した混合肥料を用いることが好ましい。このような混合肥料を予め人工土壌に加えておくことで、購入した顧客は、肥料を施すことなく、所望の植物を栽培することが可能となる。
次に、本発明に係る人工土壌の実施例について説明する。
本実施例の人工土壌を、ポーラス物質としての軽石、バーミキュライト、バークチップ、腐葉土、肥料、によって構成した。全容量を20リットル(L)とし、軽石を5.6L(容積比28%、重量2.77kg)、バーミキュライトを4.0L(容積比20%、重量0.88kg)、バークチップを4.0L(容積比20%、重量0.96kg)、腐葉土を6.0L(容積比30%、重量1.87kg)、混合肥料(速効性肥料を0.08kg、遅効性肥料を0.04kg)を0.4L(容量比2%、重量0.12kg)とした。この人工土壌では、容量20Lに対し重量が6.6kgであり、比重は0.33である。
尚、速効性肥料としては、窒素10−リン酸10−カリ10の配合を持ったハイコントロールオール10(100日型)(旭窒素製)を用い、遅効性肥料としては、窒素10−リン酸18−カリ15の配合を持ったハイコントロール085(180日型)(旭窒素製)を用いた。
上記人工土壌では、軽石とバークチップと腐葉土の割合は全体の78容量%であり、混合肥料を加えたときの割合が80容量%となり、残部がバーミキュライトである。またバーミキュライト/バークチップは1となり、且つバーミキュライト/軽石は0.71である。
上記の如く配合された人工土壌は、透明ポリ袋に20Lずつ梱包された状態で製造現場から中間業者を経て顧客に搬送されるようになっている。この状態に於ける比重が0.33であるため、運搬効率を高めることが可能である。
上記配合の人工土壌を分析したところ、有効水分量(PF1.5〜2.7)が9.7l/m3 、飽和透水係数が7.5×10-3m/sec、仮比重(水分含有率34.2%)が0.33g/cm3 、湿潤時比重(PF1.5)0.46g/cm3 、三相分布は、気相が54.5v/v、液相が16.0v/v、固相が29.5v/v、CECが32.8cmol(+)/kg、全窒素含量が2.0g/kg、有効態リン酸含量が67.3mg/kg、置換性カリウム含量が1.6cmol(+)/kg、置換性カルシウム含量が11.1cmol(+)/kgであった。
上記の如く、本実施例の人工土壌は、湿潤状態に於ける比重が0.46であり、建物の屋上に厚さ20cmで施工した場合でも、1平方メートル当たりの重量は92kgとなり、建物に設定された許容積載荷重が180kgであれば、この値を超えることがない。従って、屋上緑化を実現するのに極めて有効な人工土壌といえる。
本実施例に於ける三相構造は、気相が54.5%で液相が16.0%、固相が29.5%となっているが、この人工土壌を建物の屋上、或いは庭園に施工した後、灌水することによって気相の割合が低下すると共に液相、固相の割合が上昇して植物の成長に寄与し得る構造となる。
更に、本実施例の人工土壌では、予め混合肥料が加えられているため、窒素、リン酸、カリが夫々植物の成長に充分な量保持されており、しかも、混合肥料が速効性肥料と遅効性肥料とを配合したものであるため、野菜や樹木を植栽した場合でも有効に作用することが可能である。
本実施例に係る人工土壌を、住宅として建築された建物の屋上に厚さ20cmで施工し、この人工土壌に葉菜19種の種子を植栽し、発芽後、適当に間引きしながら成長を観察したところ、極めて良好に成長した。また草花、低木数種を植えて成長を観察したところ、良好な成長を示した。
上記の如くして植物を植栽した後、土壌の状態について目視による観察を行ったところ、粘土状態を呈する部分はなく、初期の団粒状を維持していた。従って、充分な三相構造を維持していると判定した。
本発明に係る人工土壌は充分な軽量化を実現しており、建物の屋上や壁面を緑化する際に用いて有効である。しかし、建物にのみ限定することなく、自然土壌に施工しても高い排水性と保水性を実現し、且つ高い保肥性を発揮するため、園芸業界や林業、農業、植木業界等の業界でも有効に利用することが可能である。

Claims (7)

  1. 鉱物系又は無機質系のポーラス物質と、バークチップと、腐葉土と、保水性と保肥性を有し且つ比重が0.5以下の鉱物質土壌と、からなることを特徴とする人工土壌。
  2. 前記鉱物質土壌がバーミキュライトであることを特徴とする請求項1に記載した人工土壌。
  3. 鉱物系又は無機質系のポーラス物質とバークチップと腐葉土の容積が60%乃至90%、残部がバーミキュライトであり、バーミキュライト/バークチップの容積比が0.6乃至1.2で且つバーミキュライト/鉱物系又は無機質系のポーラス物質の容積比が0.3乃至1.0であることを特徴とする請求項2に記載した人工土壌。
  4. 更に、混合肥料が加えられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した人工土壌。
  5. 湿潤状態に於ける比重が1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した人工土壌。
  6. 製品として出荷する際の比重が0.38乃至0.25であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した人工土壌。
  7. 建物の屋上を緑化又は家庭菜園のための土壌であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載した人工土壌。
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