JP2003268465A - 銅系焼結軸受材料の製造方法 - Google Patents

銅系焼結軸受材料の製造方法

Info

Publication number
JP2003268465A
JP2003268465A JP2002066897A JP2002066897A JP2003268465A JP 2003268465 A JP2003268465 A JP 2003268465A JP 2002066897 A JP2002066897 A JP 2002066897A JP 2002066897 A JP2002066897 A JP 2002066897A JP 2003268465 A JP2003268465 A JP 2003268465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintering
microwave
powder
heating device
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002066897A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Saito
康志 斉藤
Takayuki Shibayama
隆之 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Metal Co Ltd
Original Assignee
Daido Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Metal Co Ltd filed Critical Daido Metal Co Ltd
Priority to JP2002066897A priority Critical patent/JP2003268465A/ja
Priority to US10/357,788 priority patent/US6821477B2/en
Publication of JP2003268465A publication Critical patent/JP2003268465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/10Sintering only
    • B22F3/105Sintering only by using electric current other than for infrared radiant energy, laser radiation or plasma ; by ultrasonic bonding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/04Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C1/0425Copper-based alloys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/12Structural composition; Use of special materials or surface treatments, e.g. for rust-proofing
    • F16C33/121Use of special materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/14Special methods of manufacture; Running-in
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/10Sintering only
    • B22F3/105Sintering only by using electric current other than for infrared radiant energy, laser radiation or plasma ; by ultrasonic bonding
    • B22F2003/1053Sintering only by using electric current other than for infrared radiant energy, laser radiation or plasma ; by ultrasonic bonding by induction
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/10Sintering only
    • B22F3/105Sintering only by using electric current other than for infrared radiant energy, laser radiation or plasma ; by ultrasonic bonding
    • B22F2003/1054Sintering only by using electric current other than for infrared radiant energy, laser radiation or plasma ; by ultrasonic bonding by microwave

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅系焼結軸受材料を製造する場合に、熱効率
良く焼結する。 【解決手段】 焼結炉2の熱源として、炉内雰囲気を加
熱する電気抵抗加熱装置および/または高周波誘導加熱
装置を設けると共に、焼結するCu合金粉末12にマイ
クロ波を照射するマイクロ波発振装置10を設ける。電
気抵抗加熱装置および/または高周波誘導加熱装置によ
り鋼裏金たる鋼板11を加熱でき、マイクロ波によりC
u合金粉末を直接的に加熱できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅系焼結軸受材料
の製造方法に係り、特に焼結炉でマイクロ波発振装置に
より焼結用粉末を加熱するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関や産業機械などに使用される銅
系平軸受用材料としては、鋼裏金上にCu合金粉末を散
布し、焼結したものが一般的である。この銅系焼結軸受
材料の製造手順としては、まず帯鋼上にCu合金粉末を
散布し、これを電気抵抗加熱装置によって高温度に加熱
された焼結炉に通し、ここで還元性雰囲気の下でCu合
金粉末を加熱し、焼結する。次に、ロール圧延を行って
焼結層を緻密化し、続いて、再度、焼結炉による焼結と
ロール圧延とを行い、最後に必要に応じて熱処理を行
う、というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の製造方法におい
て、材料の温度変化を見てみると、Cu合金粉末の散布
は室温で行われるが、その後、焼結炉に入れると、約1
0〜30分で焼結温度(組成により異なるが、概ね75
0〜950℃)に達し、2分程度その温度に保持され、
焼結される。その後、焼結炉から冷却ゾーンへと入り、
ここで5〜15分程度冷却されて室温まで温度低下す
る。
【0004】このように焼結炉では、材料を短時間で焼
結温度まで加熱し、その焼結温度で一定時間だけ保持
し、焼結する。従って、焼結炉としては、室温で入って
くるCu合金粉末および帯鋼が熱吸収しても、炉内温度
が低下しないように、内容積を大きくする必要がある。
【0005】しかしながら、焼結炉の内容積を大きくす
ると、それだけ炉壁面積が増加し、外部に逃げ出る熱が
多くなる。更に、炉体を構成する耐火煉瓦の体積も増え
るので、耐火煉瓦を高温度に加熱するための熱量も多く
なる。特に、定期的に運転を休止するような製造体系で
は、製造作業を開始する度に、焼結炉全体を常温から加
熱して行かねばならず、立ち上がり時間が長い。以上の
ように、従来の焼結炉は、熱損失が多く、経済的ではな
い。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、熱的損失をできるだけ少なくする
ことができる銅系焼結軸受材料の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、無加圧状態の
Cu若しくはCu合金の粉末、またはCu若しくはCu
合金の粉末の圧粉体を焼結炉にて焼結し、銅系焼結軸受
材料を製造する方法において、前記焼結炉に設けられる
加熱手段をマイクロ波発振装置とし、このマイクロ波発
振装置により前記Cu若しくはCu合金の粉末を加熱
し、焼結するようにしたものである(請求項1)。
【0008】本発明では、鋼板上に、Cu若しくはCu
合金の粉末を散布し、その鋼板上のCu若しくはCu合
金の粉末を、焼結炉にてマイクロ波発振装置により加熱
し、焼結することができる(請求項2)。また、焼結炉
には、加熱手段として、マイクロ波発振装置の他に電気
抵抗加熱装置および/または高周波誘導加熱装置を設
け、マイクロ波発振装置と電気抵抗加熱装置および/ま
たは高周波誘導加熱装置とを併用することができる(請
求項3)。更に、焼結炉内は、還元性雰囲気または不活
性ガス雰囲気とすることができる(請求項4)。
【0009】本発明がなされた経緯は次のようなもので
ある。 (1)従来の金属に対するマイクロ波加熱の考え方 従来より、マイクロ波加熱は誘電体(電気を通さない、
或いは通し難い物質)には広く適用されている。しか
し、金属のような導電体の加熱には適用されていなかっ
た。これは、マイクロ波による誘電体の加熱のメカニズ
ムは、電界の変化(物質へのマイクロ波の侵入)によ
り、誘電体の双極子が振動し、その摩擦によって熱が発
生し、誘電体の内部から一様に加熱される、とされてい
るが、金属のような導電体では、マイクロ波は極く表面
にしか浸透しないため、加熱できないとされていた。
【0010】(2)アルミナ材ボートに充填した青銅粉
のマイクロ波加熱 以上のように金属のマイクロ波加熱はできないとされて
いたところ、本発明者は、前述したように従来の加熱炉
の熱効率が悪く、これを解消したいという問題意識か
ら、試しに青銅粉(Cu−Sn合金)をマイクロ波加熱
により焼結してみた。このときのマイクロ波加熱は、セ
ラミックスの焼結等に使用されている周波数2.45G
Hzの一般的なマイクロ波発振装置を有するマイクロ波
加熱バッチ炉(出力8KW)を使用し、アルミナ材ボー
トに試料である青銅粉を無加圧状態で行った。この結
果、当初のボートおよび青銅粉の温度は室温であった
が、マイクロ波加熱の開始に伴って急激に温度上昇し、
約10分以内に800℃に達し、青銅粉を焼結すること
ができた。この温度から更にマイクロ波による加熱を続
けたところ、試料は更に温度上昇し、やがて溶融した。
【0011】この試験に用いたバッチ炉の内容積は約1
であるが、通常の電気抵抗加熱装置を熱源とした炉
では、加熱開始当初は雰囲気や炉壁に熱を奪われるの
で、10分以内に800℃まで温度上昇させるというよ
うな急速加熱は到底できない。
【0012】(3)アルミナ材ボート単独でのマイクロ
波加熱 上記の試験の結果は、青銅粉をマイクロ波加熱できるこ
とを意味する。しかしながら、青銅粉の保持容器として
用いたアルミナ材ボートは誘電物質であり、マイクロ波
を吸収して発熱が起きる物質である。このため、青銅粉
の急速な温度上昇はアルミナ材ボートからの熱伝導によ
るものではないか、と考えられた。
【0013】そこで、アルミナ材ボートを単独(青銅粉
を充填しない)でマイクロ波加熱したところ、アルミナ
材ボートは青銅粉のような急速な温度上昇はしなかっ
た。このことから、青銅粉の急速加熱はアルミナ材ボー
トからの熱伝導によるものではないことがわかった。
【0014】以上の結果から、従来マイクロ波では加熱
できないとされていた金属である青銅粉がマイクロ波加
熱により短時間で焼結温度に達し、焼結材が得られるこ
とが分かった。
【0015】(4)鋼板に青銅粉を散布した状態でのマ
イクロ波加熱 更に、内燃機関、産業機械等の軸受として広く使用され
ている鋼裏金上にCu合金を焼結した銅合金焼結軸受材
料の製造への適用の可否を確認するために、まず、鋼板
のみを同じマイクロ波加熱バッチ炉により加熱したが、
ほとんど昇温しなかった。ところが、鋼板上に青銅粉を
散布した状態でマイクロ波加熱したところ、アルミナボ
ートに青銅粉をフリー充填した場合に比べて、昇温時間
は長く要したが、十分に焼結温度まで加熱でき、青銅粉
は焼結し、鋼板とも接合した。
【0016】(5)青銅粉をマイクロ波加熱できること
の理由 本発明者は、以上のような現象を次のように推定した。
金属の極く表面は酸化膜で覆われており、この酸化膜は
誘電体である。このため、金属表面の酸化膜にはマイク
ロ波が浸透し、微視的にはこの部分は加熱される。しか
し、この酸化膜で発生した熱は、雰囲気やこの酸化膜に
よって覆われた熱伝導性に優れる金属部に熱を奪われる
ため、巨視的には加熱が起きていないように見える。鋼
鈑のように薄く平たい形状であると、全体積に対する酸
化皮膜の体積が小さいため、加熱はできない。
【0017】これに対し、青銅粉のような微粉末では、
体積に対する表面積が板状のものに比べてはるかに大き
いため、全体積に対する酸化膜の体積は大きく、従って
発熱量も多くなって巨視的にも加熱が見られるようにな
る。
【0018】鋼板上に青銅粉を散布した状態でのマイク
ロ波加熱では、青銅粉の表面の酸化皮膜が加熱される
が、その熱が鋼板に伝わって熱を奪われ続ける状態での
加熱であるため、アルミナボート中に青銅粉を保持した
場合より昇温が遅くなったものと思われる。
【0019】(6)マイクロ波発振装置と電気抵抗加熱
装置および/または高周波誘導加熱装置との併用試験 更に、本発明者は、より短時間で青銅粉、鋼板を焼結温
度まで加熱できるようにすることを目的として、マイク
ロ波発振装置と電気抵抗加熱装置および/または高周波
誘導加熱装置とを併用して焼結試験を実施した。このマ
イクロ波発振装置と電気抵抗加熱装置および/または高
周波誘導加熱装置とを併用する焼結試験は、還元性雰囲
気と不活性ガス雰囲気とで行った。
【0020】(6−1)還元性雰囲気 マイクロ波発振装置と電気抵抗加熱装置および/または
高周波誘導加熱装置とを併用した場合、いずれの組合せ
でも還元性雰囲気であると、電気抵抗加熱装置のみで焼
結を行う場合に比べ、青銅粉の収縮率が大きい(青銅粉
の一部溶融)。電気抵抗加熱装置のみで行う場合と同一
の収縮率にするためには、電気抵抗加熱装置の出力を下
げるか、焼結速度をかなり早く(炉内での滞留時間を短
く)する必要があった。
【0021】(6−2)不活性ガス雰囲気 不活性ガス雰囲気での金属粉末の焼結は、予め圧して形
を整えた圧粉体の焼結に使用されてきているが、鋼裏金
付銅系焼結軸受材料の製造のように、鋼板上にCu合金
粉を散布するような無加圧状態方式では、焼結が困難な
ため利用されていない。これは、粉末表面に酸化膜が存
在する上、無加圧状態であるため、粉末同士の接触が少
なく金属元素の拡散が起き難いからである。この実験で
も、青銅粉の収縮率は低く、わずかに焼結する程度であ
った。
【0022】しかし、マイクロ波発振装置と電気抵抗加
熱装置および/または高周波誘導加熱装置とを併用する
と、不活性ガス雰囲気では、還元性雰囲気の場合よりも
更に短時間で焼結が起きた。
【0023】(6−3)併用の効果 マイクロ波発振装置と電気抵抗加熱装置および/または
高周波誘導加熱装置とを併用した焼結試験の結果から、
併用は、従来の電気抵抗加熱装置のみでの焼結より、早
く焼結できるか、または加熱に要する出力を下げること
ができ、経済的であることが分かった。更に、従来の電
気抵抗加熱のみでは困難であった不活性ガス雰囲気で無
加圧状態方式での青銅焼結が可能であることも分かっ
た。
【0024】(6−4)併用の効果の推定 併用の効果について、本発明者は以下のように推定し
た。つまり、マイクロ波発振装置のみでは、青銅粉がマ
イクロ波により加熱されても、その熱は低温の鋼板に奪
われてしまうため、加熱速度が低下する。しかし、電気
抵抗加熱装置との併用の場合には、電気抵抗加熱装置に
より鋼鈑が加熱されるので、青銅粉の熱が鋼鈑に奪われ
難く、更に炉内や炉壁の温度が高められているので、マ
イクロ波発振装置単独よりも早く加熱できる。
【0025】また、高周波誘導加熱装置との併用の場合
には、高周波誘導加熱装置により鋼板が急速に加熱され
るので、青銅粉の熱が鋼板に奪われず、マイクロ波発振
装置単独よりも早く加熱できる。
【0026】更に、マイクロ波発振装置と電気抵抗加熱
装置と高周波誘導加熱装置との併用の場合は、炉内や炉
壁の温度が高温で維持されている状態において、青銅粉
および鋼板の急速な加熱によって最も効果的に加熱でき
る。
【0027】次に、雰囲気については、炉内の雰囲気が
不活性ガスである場合、電気抵抗加熱装置だけでは、青
銅粉が焼結温度に達しても表面に銅酸化膜が存在するの
で、その酸化膜によって焼結が阻害される。マイクロ波
発振装置を併用すると、青銅粉表面の銅酸化膜がマイク
ロ波加熱され、付近の青銅を溶融させるほど高温度にな
って焼結が起きること、および銅酸化膜自身が溶融(銅
酸化物の融点が1200℃程度と低い。)して金属同士
の接触が起きること等が考えられる。
【0028】一方、炉内の雰囲気が還元性である場合、
青銅粉に対するマイクロ波加熱は、還元性雰囲気によっ
て表面の銅酸化膜が還元される間に起きる。このため、
不活性ガス雰囲気より焼結速度は遅くなるが、加熱開始
当初から銅酸化膜が還元されるまでの間に青銅粉がマイ
クロ波発振装置により急加熱されるため、電気抵抗加熱
装置のみの加熱の場合よりも焼結速度は速いと考えられ
る。
【0029】更に、炉壁を耐火煉瓦で構成すると、耐火
煉瓦は誘電体であるため、マイクロ波をよく吸収し、自
己発熱が起きるので、電気抵抗加熱装置からの熱伝導に
よる場合に比べ、炉内を高温に保つ場合の熱効率に優れ
る。更に、耐火煉瓦そのもの、或いは耐火煉瓦の表面部
をマイクロ波吸収特性の良い誘電物質で形成すれば、よ
り効果的である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面によ
り説明する。図1は焼結装置全体の概略を示すもので、
この焼結装置1は、焼結炉2を主体として構成されてい
る。この焼結炉2の入口側には、鋼裏金付の銅系焼結軸
受材料を製造する場合に、鋼板上にCuまたはCu合金
の粉末を散布するためのホッパ3が設けられている。ま
た、焼結炉2の入口部には高周波誘導加熱装置4がもう
けられていると共に、出口側には冷却室5が連続して形
成されている。そして、焼結される材料は、搬送装置と
してのベルトコンベア6のベルト6aに載せられて高周
波誘導加熱装置4、焼結炉2、冷却室5へと順に運び込
まれるようになっている。
【0031】焼結炉2の内面には、図2に示すように、
誘電体である耐火煉瓦7が内張りされている。この焼結
炉2内には、耐火煉瓦7によって構成される炉壁に沿う
ようにして電気抵抗発熱線8が配設されており、この電
気抵抗発熱線8によって電気抵抗加熱装置9が構成され
ている。また、焼結炉2の上部中央には、マイクロ波発
振装置10が設けられている。このマイクロ波発振装置
10は、周波数が例えば2.45GHzのマイクロ波を
高周波誘導加熱装置13および焼結炉2内に発振する。
【0032】以上のような焼結装置1により、鋼裏金付
の銅系焼結軸受材料を製造するには、鋼板11をベルト
6a上に載置して搬送し、まずホッパ3によって鋼板1
1上にCuまたはCu合金の粉末12を散布する。粉末
12を散布された鋼板11は、その後、還元性雰囲気ま
たは不活性ガス雰囲気にされた高周波誘導加熱装置4内
に搬入される。高周波誘導加熱装置4内に搬入される
と、鋼板11は誘導加熱により自己発熱し、Cu合金粉
末12はマイクロ波により加熱される。
【0033】その後、焼結炉2内に搬入されると、鋼板
11は電気抵抗発熱線8から輻射によって、或いは電気
抵抗発熱線8によって加熱された炉内ガスによって更に
加熱される。また、CuまたはCu合金の粉末は、電気
抵抗発熱線8によって上記したと同様にして加熱される
が、主としてマイクロ波により加熱され、焼結される。
その後、焼結層を装着した鋼板11は、冷却室5内に搬
入され、ここで冷却されて鋼裏金付きの銅系焼結軸受材
料として完成される。なお、銅系焼結軸受材料は、その
後、焼結層の緻密化のためにロール圧延しても良いし、
更には、焼結、ロール圧延は複数回繰り返し行うように
しても良い。
【0034】発明者は、本発明による製法と、従来の電
気抵抗加熱装置のみで加熱する従来の製法とを比較する
実験を行った。焼結対象は、幅150mm、厚さ1.5
mmの鋼板上に、10質量%のSn、残りCuのCu合
金粉末(−60メッシュ)を1mmの厚さに散布したも
のとした。
【0035】従来の電気抵抗加熱による焼結炉は、4ゾ
ーンに分かれているが、各ゾーンの大きさは同じで、幅
160mm、高さ100mm、長さ750mm、各ゾー
ンの電気抵抗発熱線の最大出力は20KWとした。本発
明の焼結炉は、基本的には従来の電気抵抗加熱による焼
結炉と同じで、周波数2.45GHz、出力10KWの
マイクロ波発振器よりなるマイクロ波発振装置が付加さ
れているところで異なる。このマイクロ波発振装置は、
入口側から第2ゾーンと第3ゾーンとの間に設けた。但
し、マイクロ波発振装置を設ける位置、周波数、出力は
これに限られない。
【0036】更に、焼結炉の入口に高周波誘導加熱装置
を設けたところも異なる。但し、高周波誘導加熱装置の
位置は入口に限らず、また、電気抵抗加熱装置を要しな
い場合もある。
【0037】本実施例の場合は、電気抵抗加熱との併用
の場合、周波数10KHz、出力60KW、併用しない
場合は周波数10KHz、出力30KWで加熱を行った
が、周波数、出力ともこれに限るものではない。また、
焼結炉内のガスは、還元性雰囲気のとき水素ガスを用
い、不活性ガス雰囲気のとき窒素ガスを用いた。本試験
に用いたCu合金粉は、従来の製法で焼結する場合に、
焼結対象粉末層が厚さで13%収縮したときを焼結完了
としていたので、本実験でも、13%収縮したときを焼
結完了として扱うようにした。本実験の結果を次の表1
および表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表2から、比較例1,2によれば、電気抵
抗加熱装置の出力を65KWにして焼結を行ったとこ
ろ、還元性雰囲気では30分の加熱で焼結が完了した。
しかし、不活性ガス雰囲気では、30分の加熱では焼結
することができなかった。
【0041】これに対し、本発明の方法によれば、実施
例1ではマイクロ波発振装置の出力を60KWにて焼結
を行ったところ、不活性ガス雰囲気であっても28.5
分で焼結を完了した。
【0042】但し、比較例1,2では、焼結炉内を恒温
状態とするための予熱時間として約3時間を要したが、
実施例1は焼結炉内温度を室温状態より行い焼結を完了
することができた。
【0043】また、実施例2,3ではマイクロ波発振装
置を10KW、電気抵抗加熱装置の出力を65KWにて
焼結を行ったところ、比較例1より短時間で焼結を完了
した。実施例4では、還元性雰囲気で行った比較例1と
同じ時間で焼結が完了するように制御するとすれば、電
気抵抗加熱装置の出力は38KWで済み、マイクロ波発
振装置の出力10KWと併せても比較例1より低出力で
焼結が完了した。
【0044】また、実施例5,6では、マイクロ波発振
装置の出力を10KW、高周波誘導加熱装置の出力を3
0KWにて焼結を行ったところ、やはり、比較例1より
短時間、低出力で焼結を完了した。
【0045】また、実施例7,8では、マイクロ波発振
装置の出力を10KW、高周波誘導加熱装置の出力を3
0KW、高周波誘導加熱装置の出力を10KWにて焼結
を行ったところ、更に短時間で焼結が完了した。
【0046】このように本発明の製造方法によれば、従
来製法より短時間且つ低出力で焼結を行うことができ
る。更に従来製法では困難であった不活性ガス雰囲気で
も焼結を行うことができる。
【0047】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものでなく、以下のような拡張或いは変
更が可能である。帯鋼上にCuまたはCu合金粉末を散
布し、その帯鋼を焼結炉に連続的に通すことによって連
続焼結できるようにしても良い。焼結後、ロール圧延を
行って焼結層の緻密化を行っても良い。焼結、ロール圧
延を複数回繰り返すようにしても良い。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果を得ることができる。請求項1および2の
発明では、CuまたはCu合金の粉末をマイクロ波によ
って直接的に加熱できるので、熱効率に優れる。
【0049】請求項3の発明では、電気抵抗加熱装置お
よび/または高周波誘導加熱装置によっても加熱できる
ので、より短時間で、或いはより小出力で焼結できる。
【0050】マイクロ波加熱とすることにより、請求項
4の発明のように、還元性雰囲気或いは不活性ガス雰囲
気のいずれでも焼結できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す焼結装置の概略構成図
【図2】焼結炉の断面図
【符号の説明】
図中、2は焼結炉、3はホッパ、4は高周波誘導加熱装
置、5は冷却室、6はベルトコンベア、6aはベルト、
7は耐火煉瓦、8は電気抵抗発熱線、9は電気抵抗加熱
装置、10はマイクロ波発振装置、11は鋼板、12は
Cu合金粉末である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA04 BA02 BD08 DA23 DA33 HA08 JA29 JA34 KA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無加圧状態のCu若しくはCu合金の粉
    末、またはCu若しくはCu合金の粉末の圧粉体を焼結
    炉にて焼結し、銅系焼結軸受材料を製造する方法におい
    て、 前記焼結炉に設けられる加熱手段をマイクロ波発振装置
    とし、このマイクロ波発振装置により前記Cu若しくは
    Cu合金の粉末を加熱し、焼結することを特徴とする前
    記銅系焼結軸受材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼板上に、Cu若しくはCu合金の粉末
    を散布し、その後、その鋼板上のCu若しくはCu合金
    の粉末を焼結炉にて焼結して裏金付きの銅系焼結軸受材
    料を製造する方法において、 前記焼結炉に設けられる加熱手段をマイクロ波発振装置
    とし、このマイクロ波発振装置により前記Cu若しくは
    Cu合金の粉末を加熱し、焼結することを特徴とする銅
    系焼結軸受材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼結炉には、加熱手段として、前記
    マイクロ波発振装置の他に電気抵抗加熱装置および/ま
    たは高周波誘導加熱装置が設けられていることを特徴と
    する請求項1または2記載の銅系焼結軸受材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記焼結炉内は、還元性雰囲気または不
    活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の銅系焼結軸受材料の製造方法。
JP2002066897A 2002-03-12 2002-03-12 銅系焼結軸受材料の製造方法 Pending JP2003268465A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066897A JP2003268465A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 銅系焼結軸受材料の製造方法
US10/357,788 US6821477B2 (en) 2002-03-12 2003-02-04 Method of producing copper-base sintered bearing material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066897A JP2003268465A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 銅系焼結軸受材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268465A true JP2003268465A (ja) 2003-09-25

Family

ID=28034919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002066897A Pending JP2003268465A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 銅系焼結軸受材料の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6821477B2 (ja)
JP (1) JP2003268465A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312784A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 General Electric Co <Ge> Mimプリフォームをマイクロ波処理する方法
JP2006312782A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 General Electric Co <Ge> 翼形部先端のマイクロ波による製造方法
JP2011042873A (ja) * 2009-07-22 2011-03-03 Hitachi Ltd 多孔質金属及びその製造方法
JP2017102449A (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 直接金属電子写真積層造形方法
KR20190106487A (ko) * 2018-03-09 2019-09-18 충남대학교산학협력단 구형 금속 입자의 제조방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080138533A1 (en) * 2006-12-12 2008-06-12 General Electric Company Microwave process for forming a coating
US8391025B2 (en) 2008-05-02 2013-03-05 Advanced Energy Industries, Inc. Preemptive protection for a power convertor
US7791912B2 (en) * 2008-05-02 2010-09-07 Advanced Energy Industries, Inc. Protection method, system and apparatus for a power converter
CN104117673B (zh) * 2014-08-14 2016-08-17 山东华业钨钼股份有限公司 中频炉烧结钨坯条的方法
CN105834424B (zh) * 2016-05-17 2018-03-06 昆明理工大学 一种微波烧结锰铁合金粉造块的方法
CN108356262A (zh) * 2018-04-12 2018-08-03 泰州润杰物流安全装备科技有限公司 一种用于锌铜合金3d激光打印的粉体材料

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6183689B1 (en) * 1997-11-25 2001-02-06 Penn State Research Foundation Process for sintering powder metal components
US6184689B1 (en) * 1999-01-21 2001-02-06 H. J. Arnett Industries Secondary service conductor tester

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312784A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 General Electric Co <Ge> Mimプリフォームをマイクロ波処理する方法
JP2006312782A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 General Electric Co <Ge> 翼形部先端のマイクロ波による製造方法
JP2011042873A (ja) * 2009-07-22 2011-03-03 Hitachi Ltd 多孔質金属及びその製造方法
JP2017102449A (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 直接金属電子写真積層造形方法
US10150255B2 (en) 2015-12-02 2018-12-11 General Electric Company Direct metal electrophotography additive manufacturing methods
KR20190106487A (ko) * 2018-03-09 2019-09-18 충남대학교산학협력단 구형 금속 입자의 제조방법
KR102339241B1 (ko) 2018-03-09 2021-12-14 충남대학교산학협력단 구형 금속 입자의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20030175143A1 (en) 2003-09-18
US6821477B2 (en) 2004-11-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003268465A (ja) 銅系焼結軸受材料の製造方法
US6512216B2 (en) Microwave processing using highly microwave absorbing powdered material layers
JP5023093B2 (ja) セラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧焼結方法
CN106629698A (zh) 一种超薄石墨片的制作方法
EP3718987B1 (en) Production method of a ceramic compact
WO2004073037A3 (en) Process and system for thermally uniform materials processing
JP2000016807A (ja) 粉末カーボンの黒鉛化焼成装置
JPH0726125B2 (ja) すべり軸受用バイメタルの製造方法
US7281568B2 (en) Method for producing a stratified composite material
SU730285A3 (ru) Способ гор чего прессовани металлических порошков
JP2008280599A (ja) 金属表面皮膜の封孔処理方法、金属表面皮膜の封孔処理装置および連続鋳造用鋳型
JPH09111309A (ja) 連続式焼結炉
JP2011169504A (ja) 粉体の固相反応焼成方法及び固相反応焼成炉
JPH0454633B2 (ja)
KINEMUCHI et al. Effects of coated carbon on Si3N4 powder for the surface reaction during pulsed electric current sintering
JP4783489B2 (ja) 銀焼結体の製造方法及び簡易炉
JP2004106034A (ja) シート状金属の加工装置および加工方法
JP2004168575A (ja) セラミックスの焼結方法
JP2013049897A (ja) 窒化アルミニウム含有複合体の製造方法、および傾斜組織窒化アルミニウム含有複合体の製造方法
JP2004315302A (ja) 導電性セラミックス焼結体の製造方法
JPH10306304A (ja) 移動型炉床炉の操業方法
JP2000048936A (ja) 炭化けい素発熱体
JP6754305B2 (ja) セラミックス成形体の製造方法及びそれに用いる製造装置
JPH02309188A (ja) 廃棄物等加熱溶融炉
JP2008037736A (ja) セラミックの焼成装置及びセラミックの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060704