JP2003266941A - 可逆性多色記録媒体とこれを用いた記録方法 - Google Patents

可逆性多色記録媒体とこれを用いた記録方法

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JP2003266941A
JP2003266941A JP2002071314A JP2002071314A JP2003266941A JP 2003266941 A JP2003266941 A JP 2003266941A JP 2002071314 A JP2002071314 A JP 2002071314A JP 2002071314 A JP2002071314 A JP 2002071314A JP 2003266941 A JP2003266941 A JP 2003266941A
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JP2002071314A
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English (en)
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Hisanori Tsuboi
寿憲 坪井
Noriyuki Kishii
典之 岸井
Takahiro Kamei
隆広 亀井
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Takeshi Kobayashi
健 小林
Hiroshi Iwamoto
岩本  浩
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返して情報の記録と消去を行うことがで
きる多色記録の記録媒体および記録方法を提供する。 【解決手段】 支持基板1上に、少なくとも一層のリラ
イタブル層11〜13が形成されてなり、リライタブル
層11〜13は、温度に応じて可視光に対して透明・着
色の二状態を可逆的に変化するようになされている可逆
性多色記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像またはデータを
記録するための可逆性多色記録媒体、およびこれを用い
た記録方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境的な見地から、リライタ
ブル記録技術の必要性が強く認識されている。コンピュ
ーターのネットワーク技術、通信技術、OA機器、記録
メディア、記憶メディア等の進歩を背景としてオフィス
や家庭でのペーパーレス化が進んでいる。
【0003】印刷物に替わる表示媒体のひとつである、
熱により可逆的に情報の記録や消去が可能な記録媒体、
いわゆる可逆性熱記録媒体は、各種プリペイドカード、
クレジットカード等の普及に伴い、残額やその他の記録
情報等の内容の可視化、可読化の用途において実用化さ
れつつある。上記のような可逆性熱記録媒体およびこれ
を用いた記録方法に関しては、例えば特開昭55−15
4198号公報に、樹脂母材中に有機低分子物質を分散
させた記録媒体および記録方法の開示がなされており、
また特開平2−188293号公報、特開平2−188
294号公報、特開平5−124350号公報には、樹
脂母材中にロイコ染料と酸性顕色剤とが分散された構成
を有する記録媒体および、当該記録媒体に対する情報の
記録方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報により開示されている従来技術においては、母材の
材料の色すなわち地肌の色と、母材中の染料によって変
色した色の2種類の色のみしか表現することができず、
多色画像の表示や各種データを色識別して記録したりす
ることは不可能であった。
【0005】これに対し、上記従来方法を応用し、かつ
多色画像の表示を行う記録方法が特開平8−90682
号公報、特開平5−62189号公報、特開2000−
198275号公報に開示されている。これらにおいて
は、基板上に、透明状態と白濁状態とに可逆的に変化す
るリライタブル層が形成された構成の記録媒体に関する
開示がなされているが、このような構成の記録媒体にお
いては、完全にリライタブル層形成面を隠蔽することは
できず、母材の色が透けてしまい、高いコントラストが
得られなかった。
【0006】そこで、本発明においては、このような従
来技術の問題に鑑みて、コントラストが高く、しかも繰
り返して情報の記録と消去を行っても画像クォリティの
低下が生じない可逆性多色記録媒体およびこれを用いた
記録方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、支持
基板の面方向に少なくとも一層のリライタブル層が形成
されてなり、リライタブル層は、温度変化に応じて、可
視光に対して透明・着色の二状態を可逆的に変化するよ
うになされていることを特徴とする可逆性多色記録媒体
を提供する。
【0008】また、本発明においては、温度変化に応じ
て透明・着色の二状態を可逆的に変化するリライタブル
層を少なくとも一層具備する可逆性多色記録媒体に対し
て情報を記録する際に、リライタブル層に対して加熱処
理を施して予め着色、あるいは透明化させておき、所望
の画像情報に応じ、上記リライタブル層のうちの選択さ
れたものに対応した波長領域の赤外線を照射して選択的
な露光を行い、リライタブル層を発熱せしめ、上記リラ
イタブル層を選択的に透明化、あるいは着色化すること
により、情報記録を行うことを特徴とする可逆性多色記
録媒体の記録方法を提供する。
【0009】本発明によれば、特定波長領域の赤外線を
選択し、積層形成されたリライタブル層のうち、任意の
層に照射することによって所望の多色画像を可逆的に形
成し、かつ、消去が可能な可逆性多色記録媒体が提供さ
れる。
【0010】また、本発明方法によれば、発色させたい
色の数に応じてリライタブル層を形成した構成の可逆性
多色記録媒体に対して、選択された波長の赤外線を照射
することによって、任意のリライタブル層を可逆的に着
色化、あるいは透明化させることができ、これによって
可逆的な多色表示を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照して説明するが、本発明の可逆
性多色記録媒体は、以下の例に限定されるものではな
い。図1に本発明の第1の例における可逆性多色記録媒
体の概略断面図を示す。この可逆性多色記録媒体10
は、支持基板1上に、第1のリライタブル層11、第2
のリライタブル層12、および第3のリライタブル層1
3が、それぞれ断熱層14,15を介して積層されてお
り、最上層に保護層16が形成された構成を有してい
る。
【0012】支持基板11は、耐熱性に優れ、かつ平面
方向の寸法安定性の高い材料であれば従来公知の材料を
適宜使用することができる。例えば、ポリエステル、硬
質塩化ビニル等の高分子材料の他、ガラス材料、ステン
レス等の金属材料、あるいは紙等の材料から適宜選択で
きる。ただしオーバーヘッドプロジェクター等の透過用
途以外では、支持基板11は、最終的に得られる可逆性
多色記録媒体10に対して情報の記録を行った際の視認
性の向上を図るため、白色、あるいは金属色を有する可
視光に対する反射率の高い材料によって形成することが
好ましい。
【0013】第1〜第3のリライタブル層11〜13
は、安定した繰り返し記録が可能な、透明状態と着色状
態とを制御し得る材料を用いて形成する。第1〜第3の
リライタブル層11〜13には、それぞれ異なる波長の
赤外線(図1中λ1、λ2、λ3)を吸収して発熱する光
熱変換材料が含有されているものとする。
【0014】これらのリライタブル層11〜13は、例
えばロイコ染料と、顕色・消色剤とを樹脂母材中に分散
させたものを塗布することによって形成する。これらの
第1〜第3のリライタブル層11〜13は、それぞれが
発色する所望の色に応じ、所定のロイコ染料を用いて形
成する。例えば第1〜第3のリライタブル層11〜13
において、三原色を発するようにすれば、この可逆性多
色記録媒体10全体としてフルカラー画像の形成が可能
になる。
【0015】ロイコ染料としては、既存の感熱紙用染料
等を適用することができる。顕色・消色剤としては、従
来これらに用いられている長鎖アルキル基を有する有機
酸(特開2001−105733号公報、特開2001
−113829号公報等に記載)を適用することができ
る。
【0016】また、第1〜第3のリライタブル層11〜
13内に含有される光熱変換材料としては、可視波長域
に吸収がない赤外線吸収色素として一般的に用いられ
る、フタロシアニン系染料やシアニン系染料、金属錯体
染料、ジインモニウム系染料等を適用できる。第1〜第
3のリライタブル層11〜13は、それぞれ異なる波長
域に吸収をもつ赤外線吸収色素を含有しているものと
し、図1の可逆性多色記録媒体においては、第1のリラ
イタブル層11が波長λ1の赤外線を、第2のリライタ
ブル層12が波長λ2の赤外線を、第3のリライタブル
層13が波長λ3の赤外線をそれぞれ吸収して発熱する
光熱変換材料を含有しているものとする。
【0017】第1〜第3のリライタブル層11〜13形
成用の樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチルセル
ロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキ
シ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレ
イン酸系重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、デンプン等が挙げられる。これら
の樹脂に必要に応じて紫外線吸収剤等の各種添加剤を併
用してもよい。
【0018】第1〜第3のリライタブル層11〜13
は、上記ロイコ染料、顕色・消色剤と各種添加剤を、溶
媒を用いて上記樹脂中に分散させて作製した塗料を、各
形成面に塗布することによって形成することができる。
第1〜第3のリライタブル層11〜13は、膜厚1〜5
0μm程度に形成することが望ましく、さらには3〜2
0μm程度が好ましい。これらの膜厚が厚過ぎると熱伝
導性が悪化することによって発色性や消色性が劣化す
る。
【0019】第1のリライタブル層11と第2のリライ
タブル層12との間、第2のリライタブル層12と第3
のリライタブル層13との間には、それぞれ透光性の断
熱層14、15を形成することが望ましい。これによっ
て隣接するリライタブル層の熱が伝導してしまうことが
回避され、いわゆる色かぶりの発生を防止することがで
きる。
【0020】この断熱層14、15は、従来公知の透光
性のポリマーを用いて形成することができる。例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチ
レン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香
族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ア
クリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプ
ン等が挙げられる。これらのポリマーには必要に応じて
紫外線吸収剤等の各種添加剤を併用してもよい。断熱層
14、15は、膜厚5〜100μm程度に形成すること
が望ましく、さらには10〜50μm程度が好ましい。
これらの膜厚が薄すぎると充分な断熱効果が得られず、
膜厚が厚すぎると、後述する記録媒体全体を均一加熱す
る際に熱伝導性が劣化する。
【0021】保護層16は、従来公知の紫外線硬化性樹
脂や熱硬化性樹脂を用いて形成することができ、膜厚は
0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜5μm程
度とすることが望ましい。膜厚が薄すぎると充分な保護
効果が得られず、厚すぎると伝熱しにくくなるという不
都合が生じる。
【0022】次に、本発明の可逆性多色記録媒体の他の
一例について、図2を参照して説明する。この例におけ
る可逆性多色記録媒体20は、光熱変換材料が含有され
た光熱変換層とリライタブル層とを隣接させて別個に設
けた構成を有するものとする。すなわち、支持基板1上
に、第1の光熱変換層21、第1のリライタブル層1
1、断熱層14、第2の光熱変換層22、第2のリライ
タブル層12、第3のリライタブル層13、第3の光熱
変換層23、および保護層16を順次形成した構成を有
するものとする。
【0023】上述した図1に示した可逆性多色記録媒体
10と同様に、第1〜第3のリライタブル層11〜13
は、例えばロイコ染料と、顕色・消色剤とを樹脂母材中
に分散させたものを塗布することによって形成し、これ
らは、それぞれが発色する所望の色に応じ、所定のロイ
コ染料を用いて形成する。例えば第1〜第3のリライタ
ブル層11〜13において、三原色を発するようにすれ
ば、この可逆性多色記録媒体10全体としてフルカラー
画像の形成が可能になる。
【0024】第1〜第3の光熱変換層21〜23は、そ
れぞれ異なる波長の赤外線(図2中λ1、λ2、λ3)を
吸収して発熱する光熱変換材料が含有されているものと
する。これらの光熱変換材料としては、上述した図1に
示した可逆性多色記録媒体10の例と同様に、可視波長
域に吸収がない赤外線吸収色素として一般的に用いられ
る、フタロシアニン系染料やシアニン系染料、金属錯体
染料、ジインモニウム系染料等を適用できる。上記染料
を分散させる樹脂母材としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重
合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系
共重合体、マレイン酸系重合体、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン等が挙
げられる。これらのポリマーには必要に応じて紫外線吸
収剤等の各種添加剤を添加してもよい。第1〜第3の光
熱変換層21〜23の膜厚は1〜50μm程度が好まし
く、さらに好ましくは、3〜20μm程度とする。これ
らの層の膜厚が薄すぎると、熱変換効率が悪くなり、膜
厚が厚すぎると後述するように記録媒体全体を均一加熱
する際の熱伝導性が劣化する。
【0025】次に、本発明の可逆性多色記録媒体の他の
一例について、図3を参照して説明する。この例におけ
る可逆性多色記録媒体30は、支持基板1上に形成され
た第1〜第3のリライタブル層11〜13が形成されて
なり、これらの層の中間に、それぞれ第1〜第3の光熱
変換層21〜23が介在されてなる構成を有しているも
のとする。すなわち、分割された第1のリライタブル層
11a、11bとの間に、第1の光熱変換層21、分割
された第2のリライタブル層12a、12bとの間に、
第2の光熱変換層22、分割された第3のリライタブル
層13a、13bとの間に、第3の光熱変換層23がそ
れぞれ形成されているものとする。
【0026】上述した例と同様に、第1〜第3のリライ
タブル層11〜13は、例えばロイコ染料と、顕色・消
色剤とを樹脂母材中に分散させたものを塗布することに
よって形成され、これらが発色する所望の色に応じて所
定のロイコ染料を用いて形成する。例えば第1〜第3の
リライタブル層11〜13において、三原色を発するよ
うにすれば、この可逆性多色記録媒体10全体としてフ
ルカラー画像の形成が可能になる。
【0027】第1〜第3の光熱変換層21〜23は、そ
れぞれ異なる波長の赤外線(図3中λ1、λ2、λ3)を
吸収して発熱する光熱変換材料が含有されているものと
する。これらの光熱変換材料としては、上述した例と同
様に、可視波長域に吸収がない赤外線吸収色素として一
般的に用いられる、フタロシアニン系染料やシアニン系
染料、金属錯体染料、ジインモニウム系染料等を適用で
きる。上記染料を分散させる樹脂母材としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、
スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、
芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
デンプン等が挙げられる。これらのポリマーには必要に
応じて紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加してもよい。
第1〜第3の光熱変換層21〜23の膜厚は1〜50μ
m程度が好ましく、さらに好ましくは、3〜20μm程
度とする。これらの層の膜厚が薄すぎると、熱変換効率
が悪くなり、膜厚が厚すぎると後述するように記録媒体
全体を均一加熱する際の熱伝導性が劣化する。
【0028】次に、図1〜図3に示した可逆性多色記録
媒体10、20、30を用いて、多色記録を行う原理に
ついて説明する。先ず、多色記録の第1の原理を説明す
る。図1〜図3に示した可逆性多色記録媒体10〜30
を、例えば200℃程度の高温で全面加熱し、第1〜第
3のリライタブル層11〜13を予め着色状態にしてお
く。次に、これら可逆性多色記録媒体10〜30の任意
の部分に、波長および出力を任意に選択した赤外線を半
導体レーザ等により照射する。例えば第1のリライタブ
ル層11の着色を消去する場合には、波長λ1の赤外線
を第1のリライタブル層11が消色温度に達する程度の
エネルギーで照射し、光熱変換材料を発熱させて、電子
供与性呈色化合物と電子供与性顕色剤との間の消色反応
を起こさせ、照射部分の色を消去して透明状態とする。
同様に、第2のリライタブル層12および第3のリライ
タブル層13についても、それぞれ波長λ2、λ3の赤外
線を消色温度に達する程度のエネルギーを照射してそれ
ぞれの光熱変換材料を発熱させて照射部分の色を消去し
て透明状態とすることができる。また、上記のようにし
て透明化させたリライタブル層において、さらに任意の
波長の赤外線を、リライタブル層11〜13が発色温度
に達する程度のエネルギーで照射し、光熱変換材料を発
熱させて、電子供与性呈色化合物と電子供与性顕色剤と
の間の発色反応を起こさせることによって、着色化させ
ることができる。上述したように逆性多色記録媒体10
〜30意の部分を発色させたり消色させたりすることが
でき、また、第1〜第3のリライタブル層11〜13の
全ての層を透明状態とすることにより、支持基板1の色
を露出させることもできる。
【0029】また、上述した操作によって情報記録や画
像形成を行う場合において、赤外線を照射する際に、当
初着色化させておいた第1〜第3のリライタブル層11
〜13の色が消色しない程度に予め均一加熱しておき、
その後に任意のリライタブル層に対して消色させるため
の赤外線照射を行うこととすることによって、より少な
い照射エネルギーによってリライタブル層11〜13の
任意の位置を透明化させることができ、必要エネルギー
の低減化が図られ、経済的に優れた効果が得られる。
【0030】更に、上述のようにして一部を透明化ある
いは着色化させた可逆性多色記録媒体10〜30の全体
を、全てのリライタブル層が着色する程度の温度に一様
に加熱することによって、記録情報や画像を消去するこ
とができ、繰り返し記録が可能である。
【0031】次に、多色記録の第2の原理を説明する。
図1〜図3に示した可逆性多色記録媒体10〜30を、
例えば140℃程度の温度で緩やかに全面加熱し、第1
〜第3のリライタブル層11〜13を全て予め透明化状
態(消色させた状態)にしておく。すなわちこの状態に
おいては、支持基板1の色が露出している状態となって
いるものとする。次に、これら可逆性多色記録媒体10
〜30の任意の部分に、波長および出力を任意に選択し
た赤外線を半導体レーザ等により照射する。例えば第1
のリライタブル層11を着色させる場合には、波長λ1
の赤外線を第1のリライタブル層11が着色する程度の
エネルギーで照射し、光熱変換材料を発熱させてリライ
タブル層11を着色状態とする。同様に、第2のリライ
タブル層12および第3のリライタブル層13について
も、それぞれ波長λ2、λ3の赤外線を、発色温度に達す
る程度のエネルギーで照射してそれぞれの光熱変換材料
を発熱させて照射部分を着色させることができる。この
ようにすることによって、可逆性多色記録媒体10〜3
0の任意の部分を着色させることができ、フルカラー画
像形成や種々の情報の記録が可能となる。
【0032】また、上述した操作によって情報記録や画
像形成を行う場合において、当初透明化しておいた第1
〜第3のリライタブル層11〜13の色が着色しない程
度の温度に予め均一加熱しておき、その後に任意のリラ
イタブル層に対して、発色させるための赤外線照射を行
うこととすることによって、より少ない照射エネルギー
によってリライタブル層11〜13の任意の位置を着色
化させることができ、必要エネルギーの低減化が図ら
れ、経済的に優れた効果が得られる。
【0033】更に、上述のようにして一部を着色化させ
た可逆性多色記録媒体10〜30の全体を、全てのリラ
イタブル層が消色する程度の温度に一様に緩やかに加熱
することによって、記録情報や画像を消去することがで
き、繰り返し記録が可能である。
【0034】本発明の可逆性多色記録媒体10〜30に
対して、上述した記録方法のうちのいずれの方法を適用
するかは、リライタブル層の特性、記録光源の性能に合
わせて適宜選択する。例えば、リライタブル層を高温で
発色してそれ以下の温度で消色する、いわゆるポジ型の
層として形成してもよく、高温で消色してそれ以下の温
度で発色する、いわゆるネガ型の層として形成してもよ
い(例えば特開平8−197853号公報)。
【0035】次に、本発明の可逆性多色記録媒体の具体
的な実施例、および比較例を挙げて説明するが本発明の
可逆性多色記録媒体は以下に示す例に限定されるもので
はない。
【0036】〔実施例1〕この例においては、支持基板
1上に第1のリライタブル層11、断熱層14、第2の
リライタブル層12、および保護層16が順次積層され
た、いわゆる2層の可逆性記録層を有する記録媒体を作
製するものとする。
【0037】支持基板1として、厚さ1mmの白色のポ
リエチレンテレフタレート基板を用意した。次に第1の
リライタブル層11として、上記支持基板1上に下記組
成物をワイヤーバーで塗布し、100℃にて5分間加熱
乾燥処理を施し、赤色に発色させることのできる層を膜
厚10μmに形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Red DCF) 4重量部
【0038】
【化1】
【0039】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0040】
【化2】
【0041】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、平均分子量(M.W.)115000 ) フタロシアニン系赤外吸収色素 0.04重量部 (山本化成製、YKR−3070、吸収波長ピーク830nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0042】上述のようにして形成した第1のリライタ
ブル層11上に、ポリメチルメタクリレート(M.W.
130000)をテトラヒドロフラン(THF)を用い
て塗布、乾燥して膜厚20μmの断熱層14を形成し
た。
【0043】上記断熱層14上に、第2のリライタブル
層12として下記組成物をワイヤーバーで塗布し、10
0℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、青色に発色させる
ことのできる層を膜厚10μmに形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Blue−63) 2重量部
【0044】
【化3】
【0045】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0046】
【化4】
【0047】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) シアニン系赤外吸収色素 0.02重量部 (日本化薬製、CY−10、吸収波長ピーク781nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0048】上記第2のリライタブル層12上に、紫外
線硬化性樹脂を用いて膜厚約3μmの保護層16を形成
し、目的とする可逆性多色記録媒体を作製した。
【0049】上述のようにして作製した可逆性多色記録
媒体を、200℃に加熱したセラミックスバーを用いて
加熱し、第1および第2のリライタブル層11、12を
それぞれ赤と青に発色させた。次に、上記可逆性多色記
録媒体の任意の位置に、波長830nm、パワー30m
Wの半導体レーザを、15cm/secの速度でスキャ
ンさせながら照射した。第1のリライタブル層11にお
いて照射レーザが吸収され、照射部分において光熱変換
がなされ、赤色が消去して透明化し、下層の第2のリラ
イタブル層12の青色が露出した。またさらに上記可逆
性多色記録媒体の任意の位置に、波長785nm、パワ
ー30mWの半導体レーザを、15cm/secの速度
でスキャンさせながら照射した。第2のリライタブル層
12において照射レーザが吸収され、照射部分において
光熱変換がなされ、青色が消去して透明化し、第1のリ
ライタブル層11の赤色が露出した。双方の層を透明化
した部分においては下層の支持基板1の白色が露出し
た。
【0050】上述の可逆性多色記録媒体を200℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が着色化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0051】〔実施例2〕上述した実施例1において作
製した可逆性多色記録媒体を、140℃に加熱したセラ
ミックスバーを用いて加熱し、第1のリライタブル層1
1および第2のリライタブル層12を、いずれも予め透
明化させた。次に、可逆性多色記録媒体の任意の位置
に、波長830nm、パワー30mWの半導体レーザ
を、5cm/secの速度でスキャンさせながら照射し
た。第1のリライタブル層11において照射レーザが吸
収され、照射部分において光熱変換がなされ赤色に発色
した。またさらに可逆性多色記録媒体の任意の位置に、
波長785nm、パワー30mWの半導体レーザを、5
cm/secの速度でスキャンさせながら照射した。第
2のリライタブル層12において照射レーザが吸収さ
れ、照射部分において光熱変換がなされ青色に発色し
た。第1および第2のリライタブル層の双方の層を発色
させた部分は紫色に発色した。
【0052】上述の可逆性多色記録媒体を140℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が透明化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0053】〔実施例3〕この例においては、支持基板
1上に第1の光熱変換層21、第1のリライタブル層1
1、第2のリライタブル層12、第2の光熱変換層22
および保護層16が順次積層された、いわゆる2層の可
逆性記録層を有する記録媒体を作製するものとする。
【0054】支持基板1として厚さ1mmの白色のポリ
エチレンテレフタレート基板を用意した。次に第1の光
熱変換層21として、上記支持基板1上に下記組成物を
ワイヤーバーで塗布し、100℃にて5分間加熱乾燥処
理を施し、膜厚5μmの層を形成した。 (組成物) 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) フタロシアニン系赤外吸収色素 6重量部 (山本化成製、YKR−3070、吸収波長ピーク830nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0055】上述のようにして形成した第1の光熱変換
層21上に、下記組成物をワイヤーバーで塗布し、10
0℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、赤色に発色させる
ことのできる第1のリライタブル層11を膜厚10μm
に形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Red DCF) 4重量部
【0056】
【化5】
【0057】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0058】
【化6】
【0059】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0060】上述のようにして形成した第1のリライタ
ブル層11上に、下記組成物をワイヤーバーで塗布し、
100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、青色に発色さ
せることのできる第2のリライタブル層12を膜厚10
μmに形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Blue−63) 2重量部
【0061】
【化7】
【0062】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0063】
【化8】
【0064】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0065】上述のようにして作製した第2のリライタ
ブル層12上に、下記組成物をワイヤーバーで塗布し、
100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、膜厚5μmの
第2の光熱変換層22を形成した。 (組成物) 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) シアニン系赤外吸収色素 0.04重量部 (日本化薬製、CY−10、吸収波長ピーク781nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0066】上述のようにして形成した第2の光熱変換
層22上に、紫外線硬化性樹脂を用いて膜厚約3μmの
保護層16を形成し、目的とする可逆性多色記録媒体を
作製した。
【0067】上述のようにして作製した可逆性多色記録
媒体を、200℃に加熱したセラミックスバーを用いて
加熱し、第1および第2のリライタブル層11、12を
それぞれ赤と青に発色させた。次に、上記可逆性多色記
録媒体の任意の位置に、波長830nm、パワー30m
Wの半導体レーザを、15cm/secの速度でスキャ
ンさせながら照射した。第1のリライタブル層11に隣
接する第1の光熱変換層21において照射レーザが吸収
され照射部分において光熱変換がなされ、第1のリライ
タブル層11に伝搬した熱によって赤色が消去して透明
化し、下層の第2のリライタブル層12の青色が露出し
た。
【0068】さらに上記可逆性多色記録媒体の任意の位
置に、波長785nm、パワー30mWの半導体レーザ
を、15cm/secの速度でスキャンさせながら照射
した。第2のリライタブル層12に隣接する第2の光熱
変換層22において照射レーザが吸収され、照射部分に
おいて光熱変換がなされ、第2のリライタブル層12に
伝搬した熱により青色が消去してかかる部分が透明化し
た。このようにすることによって青色のみを消去した部
分においては第1のリライタブル層11の赤色が露出
し、双方の層を透明化した部分においては下層の支持基
板1の白色が露出した。
【0069】上述の可逆性多色記録媒体を200℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が着色化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0070】〔実施例4〕上述した実施例3において作
製した可逆性多色記録媒体を、140℃に加熱したセラ
ミックスバーを用いて加熱し、第1のリライタブル層1
1および第2のリライタブル層12を、いずれも予め透
明化させた。次に、可逆性多色記録媒体の任意の位置
に、波長830nm、パワー30mWの半導体レーザ
を、5cm/secの速度でスキャンさせながら照射し
た。第1の光熱変換層21において照射レーザが吸収さ
れ、照射部分において光熱変換がなされ、隣接する第1
のリライタブル層11に伝搬した熱により赤色に発色し
た。またさらに可逆性多色記録媒体の任意の位置に、波
長785nm、パワー30mWの半導体レーザを、5c
m/secの速度でスキャンさせながら照射した。第2
の光熱変換層22において照射レーザが吸収され、照射
部分において光熱変換がなされ、隣接する第2のリライ
タブル層12に伝搬した熱により青色に発色した。
【0071】上述の可逆性多色記録媒体を140℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が透明化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0072】〔実施例5〕この例においては、支持基板
1上に、第1のリライタブル層11、第2のリライタブ
ル層12、および保護層16が順次積層されてなり、第
1のリライタブル層11および第2のリライタブル層1
2には、中間にそれぞれ第1の光熱変換層21および第
2の光熱変換層22が挟み込まれてなる構成を有する、
いわゆる2層の可逆性記録層を有する記録媒体を作製す
るものとする。
【0073】支持基板1として、厚さ1mmの白色のポ
リエチレンテレフタレート基板を用意した。次に第1の
リライタブル層11の分割された下層11aとして、上
記支持基板1上に下記組成物をワイヤーバーで塗布し、
100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、赤色に発色さ
せることのできる層を膜厚5μmに形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Red DCF) 4重量部
【0074】
【化9】
【0075】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0076】
【化10】
【0077】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0078】上述のようにして形成した下層側の第1の
リライタブル層11a上に、下記組成物をワイヤーバー
で塗布し、100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、膜
厚5μmの第1の光熱変換層21を形成した。 (組成物) 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) フタロシアニン系赤外吸収色素 0.08重量部 (山本化成製、YKR−3070、吸収波長ピーク830nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0079】上述のようにして形成した第1の光熱変換
層21上に、上記下層側の第1のリライタブル層11a
と同様の組成の、上層側の第1のリライタブル層11b
を膜厚5μmに形成した。
【0080】上述のようにして形成した第1のリライタ
ブル層11上に、第2のリライタブル層12の分割され
た下層12aとして、下記組成物をワイヤーバーで塗布
し、100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、青色に発
色させることのできる層を膜厚5μmに形成した。 (組成物) ロイコ染料(保土ヶ谷化学社製:Blue−63) 2重量部
【0081】
【化11】
【0082】 顕色・消色剤(下記物質) 4重量部
【0083】
【化12】
【0084】 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0085】上述のようにして作製した下層側の第2の
リライタブル層12a上に、下記組成物をワイヤーバー
で塗布し、100℃にて5分間加熱乾燥処理を施し、膜
厚5μmの第2の光熱変換層22を形成した。 (組成物) 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10重量部 (塩化ビニル90%、酢酸ビニル10%、M.W.115000) シアニン系赤外吸収色素 0.04重量部 (日本化薬製、CY−10、吸収波長ピーク781nm) テトラヒドロフラン(THF) 80重量部
【0086】上述のようにして形成した第2の光熱変換
層22上に、上記下層側の第2のリライタブル層12a
と同様の組成の、上層側の第2のリライタブル層12b
を膜厚5μmに形成した。
【0087】さらに上記第2のリライタブル層12上
に、紫外線硬化性樹脂を用いて膜厚約3μmの保護層1
6を形成し、目的とする可逆性多色記録媒体を作製し
た。
【0088】上述のようにして作製した可逆性多色記録
媒体を、200℃に加熱したセラミックスバーを用いて
加熱し、第1および第2のリライタブル層11、12を
それぞれ赤と青に発色させた。次に、上記可逆性多色記
録媒体の任意の位置に、波長830nm、パワー30m
Wの半導体レーザを、15cm/secの速度でスキャ
ンさせながら照射した。第1のリライタブル層11a,
11bの中間に形成された第1の光熱変換層21におい
て照射レーザが吸収され照射部分において光熱変換がな
され、第1のリライタブル層11a,11bに伝搬した
熱によって赤色が消去して透明化し、下層の第2のリラ
イタブル層12の青色が露出した。
【0089】また、上記可逆性多色記録媒体の任意の位
置に、波長785nm、パワー30mWの半導体レーザ
を、15cm/secの速度でスキャンさせながら照射
した。第2のリライタブル層12a,12bの中間に形
成された第2の光熱変換層22において照射レーザが吸
収され、照射部分において光熱変換がなされ、第2のリ
ライタブル層12a,12bに伝搬した熱により青色が
消去してかかる部分が透明化した。このようにすること
によって青色のみを消去した部分においては第1のリラ
イタブル層11の赤色が露出し、双方の層を透明化した
部分においては下層の支持基板1の白色が露出した。
【0090】上述の可逆性多色記録媒体を200℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が着色化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0091】〔実施例6〕上述した実施例5において作
製した可逆性多色記録媒体を、140℃に加熱したセラ
ミックスバーを用いて加熱し、第1のリライタブル層1
1a,11bおよび第2のリライタブル層12a,12
bを、いずれも予め透明化させた。次に、可逆性多色記
録媒体の任意の位置に、波長830nm、パワー30m
Wの半導体レーザを、5cm/secの速度でスキャン
させながら照射した。第1の光熱変換層21において照
射レーザが吸収され、隣接する第1のリライタブル層1
1a,11bが赤色に発色した。またさらに可逆性多色
記録媒体の任意の位置に、波長785nm、パワー30
mWの半導体レーザを、5cm/secの速度でスキャ
ンさせながら照射した。第2の光熱変換層22において
照射レーザが吸収され、隣接する第2のリライタブル層
12a,12bが青色に発色した。
【0092】上述の可逆性多色記録媒体を140℃に加
熱したセラミックスバーを用いて加熱したところ、全面
が透明化して記録情報や形成画像が消去された。なお、
上述のようにして情報の書き込み及び消去を100回繰
り返して行ったところ、記録情報および形成画像の劣化
は確認されなかった。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、波長選択した赤外線
を、任意のリライタブル層あるいは光熱変換層に照射す
ることにより、可逆的な着色状態と消色状態との変換を
行うことができ、これによって繰り返して情報の記録、
および消去を行うことができる可逆性多色記録媒体が提
供された。
【0094】また、本発明方法によれば、発色させたい
色の数に応じてリライタブル層を形成した構成の可逆性
多色記録媒体に対して、波長選択した赤外線を、任意の
リライタブル層あるいはこれに隣接する光熱変換層に照
射することによって、可逆的な着色状態と消色状態の変
換を自在に行うことができ、繰り返し情報の記録および
消去を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性多色記録媒体の一例の概略断面
図を示す。
【図2】本発明の可逆性多色記録媒体の他の一例の概略
断面図を示す。
【図3】本発明の可逆性多色記録媒体の他の一例の概略
断面図を示す。
【符号の説明】
1……支持基板、10……可逆性多色記録媒体、11…
…第1のリライタブル層、12……第2のリライタブル
層、13……第3のリライタブル層、14,15……断
熱層、16……保護層、20……可逆性多色記録媒体、
21…第1の光熱変換層、22……第2の光熱変換層、
23……第3の光熱変換層、30……可逆性多色記録媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/18 F E R 5/26 102 Q R B41J 3/20 109A 109E (72)発明者 亀井 隆広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 栗原 研一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小林 健 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩本 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA08 HA22 JC02 KA03 KA24 KA28 KA29 KA61 2C065 AF01 CA04 CA08 CA10 2H026 AA07 AA09 AA11 AA13 AA22 AA24 BB02 BB24 FF07 FF11 FF13 FF22 2H111 HA07 HA14 HA23 HA35

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板の面方向に少なくとも一層のリ
    ライタブル層が形成されてなり、 上記リライタブル層は、温度変化に応じて、可視光に対
    して透明・着色の二状態を可逆的に変化するようになさ
    れていることを特徴とする可逆性多色記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記リライタブル層に、特定波長領域の
    赤外線を吸収して発熱する光熱変換材料が含有されてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記リライタブル層に隣接して、特定波
    長領域の赤外線を吸収して発熱する光熱変換材料が含有
    されてなる光熱変換層が形成されてなることを特徴とす
    る請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記支持基板の面方向に複数のリライタ
    ブル層が積層形成されてなり、 上記複数のリライタブル層は、それぞれ温度変化に応じ
    て透明・着色の二状態を可逆的に変化するようになされ
    ており、かつ着色状態においてはそれぞれのリライタブ
    ル層が異なる色に発色するようになされ、全体として多
    色表示が行われるようにしたことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか一項に記載の可逆性多色記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記支持基板の面方向に複数のリライタ
    ブル層が積層形成されてなり、 隣り合うリライタブル層間の、少なくともいずれかに断
    熱層が介在されてなることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載の可逆性多色記録媒体。
  6. 【請求項6】 最表面に保護層が形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の可逆
    性多色記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記リライタブル層には、電子供与性を
    有する呈色性化合物と、電子受容性を有する顕色剤とが
    含有されてなり、 上記、電子供与性を有する呈色性化合物と、電子受容性
    を有する顕色剤との間の可逆的反応により、上記リライ
    タブル層を発色させ、あるいは消色させることにより透
    明・着色の二状態を可逆的に変化するようになされてい
    ることを特徴とする上記請求項1乃至6のいずれか一項
    に記載の可逆性多色記録媒体。
  8. 【請求項8】 支持基板上に少なくとも一層のリライタ
    ブル層が形成されてなり、上記リライタブル層は、温度
    に応じて、可視光に対して透明・着色の二状態を可逆的
    に変化するようになされている構成の可逆性多色記録媒
    体を用いて、加熱処理を施して予め上記リライタブル層
    全体を着色状態にしておき、 所望の画像情報に応じ、上記リライタブル層のうちの選
    択されたものに対応して選択された波長領域の赤外線を
    照射して露光を行い、 上記リライタブル層を発熱せしめ、選択的に透明化する
    ことにより、上記画像情報の記録を行うことを特徴とす
    る可逆性多色記録媒体の記録方法。
  9. 【請求項9】 支持基板上に少なくとも一層のリライタ
    ブル層が形成されてなり、上記リライタブル層は、温度
    に応じて、可視光に対して透明・着色の二状態を可逆的
    に変化するようになされている構成の可逆性多色記録媒
    体を用いて、 加熱処理を施して予め上記リライタブル層全体を透明状
    態にしておき、 所望の画像情報に応じ、上記リライタブル層のうちの選
    択されたものに対応して選択された波長領域の赤外線を
    照射して露光を行い、 上記リライタブル層を発熱せしめ、選択的に着色化させ
    ることにより、上記画像情報の記録を行うことを特徴と
    する可逆性多色記録媒体の記録方法。
  10. 【請求項10】 予め、上記リライタブル層が、色の状
    態変化を生じない程度に加熱処理を施しておき、 その後、所望の画像情報に応じ、上記予め着色化された
    リライタブル層のうちの選択されたものに対応して選択
    された波長領域の赤外線を照射して露光を行い、上記リ
    ライタブル層を発熱せしめ、選択的に透明化させること
    により、画像の記録を行うことを特徴とする請求項8に
    記載の可逆性多色記録媒体の記録方法。
  11. 【請求項11】予め、上記リライタブル層が、色の状態
    変化を生じない程度に加熱処理を施しておき、 その後、所望の画像情報に応じ、上記予め透明化された
    リライタブル層のうちの選択されたものに対応して選択
    された波長領域の赤外線を照射して露光を行い、上記リ
    ライタブル層を発熱せしめ、選択的に着色化させること
    により、画像の記録を行うことを特徴とする請求項9に
    記載の可逆性多色記録媒体の記録方法。
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