JP4345474B2 - 可逆性記録媒体を用いた記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー光を照射することにより所望の画像、又はデータを可逆的に記録・消去可能な可逆性多色記録媒体を用いた記録方法に関わる。
近年、地球環境的な見地から、リライタブル記録技術の必要性が強く認識されており、一方において、コンピューターのネットワーク技術、通信技術、OA機器、記録メディア、記憶メディア等の進歩を背景としてオフィスや家庭でのペーパーレス化が進んでいる。
このような現状のもと、印刷物に替わる表示媒体の一例として、熱により可逆的に情報の記録や消去が可能な記録媒体、いわゆる可逆性感熱記録媒体が、各種プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカード、ICカード等の普及に伴い、残額やその他の記録情報等の可視化、可読化の用途において実用化されており、さらには複写機及びプリンター用途においても実用化されつつある。
上記のような可逆性感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法に関しては、従来においても各種提案がなされている。
例えば、ロイコ染料タイプ、すなわち樹脂母材中に電子供与性呈色性化合物であるロイコ染料と、顕・減色剤とが分散された記録層を有する記録媒体、及びこれを用いた記録方法についての提案がなされており、これはロイコ染料自体の発色を利用するため、低分子分散タイプに比較してコントラスト、視認性が良好であるという利点を有している。
上記のような発色原理を応用し、ロイコ染料を用いた複数の記録層を分離、独立した状態で積層形成した構成の可逆性感熱多色記録媒体を用いて、レーザー光を照射し、光−熱変換により任意の記録層のみを加熱せしめ、発色させる技術に関する開示がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法によれば、光−熱変換材料を含有している層の波長選択性の効果により、任意の記録層のみを発色させることができるとされている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術によっては、記録層中に含有されている光−熱変換材料の特定波長のレーザー光に対する吸光度と、隣接する記録層に含有する光−熱変換材料の吸光度との関係については何ら検討しておらず、所望の色のみを明瞭に発色させることについては未だ充分であるとは言えず、実用的には、発色性の不明瞭さや、色かぶりが問題となることが明らかである。
また、支持基板の面方向に複数のリライタブル層が断熱層を介して積層形成されてなり、これら複数のリライタブル層が、それぞれ温度変化に応じて透明・着色の二状態に可逆的に変化するようになされ、かつ全体として多色表示が行われるようになされている、いわゆる記録層積層型の可逆性多色記録媒体についての開示もなされている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記特許文献2に開示されている可逆性多色記録媒体は、色毎にリライタブル層(記録層)を形成しているものであるから、全体としてフルカラー表示を行うためには、少なくとも三層のリライタブル層を積層形成しなくてはならず、しかも色かぶり防止のためにリライタブル層間に断熱層を介在させる必要があるとしており、製造工程が極めて複雑になり、結果としてコストの低減化が困難となるという課題を有している。
特開2001−1645号公報 特開2003−266941号公報
そこで、本発明においては、上述したような従来技術の問題に鑑みて、発色性が良好でコントラストに優れ、色かぶりが無く、かつ実用上問題のない画像安定性を持ち、任意の色調を繰り返して発色・消去可能な可逆性多色記録媒体を用いた記録方法を低コストで提供することとした。
発明の記録方法は、支持基板の面方向に、発色色相の異なる可逆性感熱発色性組成物を含有する複数の記録部が配列されてなる記録層が形成されており、前記複数の記録部には、発色色相ごとに、それぞれ異なる波長域の赤外線を吸収して発熱するシアニン系赤外吸収色素が含有されている可逆性多色記録媒体を用い、前記複数の記録部の中から選ばれたいずれの1の記録部も、当該1の記録部に含有されているシアニン系赤外吸収色素を発熱させるために800nm、915nmまたは1080nmの波長のレーザー光を用いて記録し、当該1の記録部の発色以外の色に発色する他の記録部に照射したときの光−熱変換材料の吸光度が前記所定の記録部に含有されているシアニン系赤外吸収色素を発熱させるパターン吸光度の40%以下であるものとする。
本発明によれば、所望の記録部のみにレーザー光を吸収させることができるため、明瞭な発色性が得られ、色かぶりのない鮮明な画像形成が可能となった。
また、本発明によれば、所望の記録部において、レーザー光が適切に吸収されるようにしたため、繰り返して情報の記録、及び消去を行った場合においても、初期と同等の鮮明な発色性を維持することが可能となった
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明は、以下に示す例に限定されるものではない。
図1に本発明の可逆性多色記録媒体の一例の概略断面図を示す。
可逆性多色記録媒体10は、支持基板1上に、記録層2、及び保護層3が形成されてなり、記録層2は、第1の記録部4、第2の記録部5、第3の記録部6が、規則的なパターンをもって配列された構成を有している。
支持基板1は、耐熱性に優れ、かつ平面方向の寸法安定性の高い材料であれば、従来公知の材料をいずれも適用できる。
例えばポリエステル、硬質塩化ビニル等の高分子材料の他、ガラス材料、ステンレス等の金属材料、あるいは紙等の材料から適宜選択できる。
但し、オーバーヘッドプロジェクター等の透過用途以外では、支持基板1は最終的に得られる可逆性多色記録媒体10に記録を行った際の視認性の向上を図るため、白色、あるいは金属色のような、可視光に対する反射率の高い材料によって形成することが好ましい。
記録層2、すなわちこれを構成する第1〜第3の記録部4〜6は、熱により発色状態と消色状態とを制御可能な材料により構成されているものとし、それぞれ下記において詳述する電子供与性を有する呈色性化合物、所定の電子受容性を有する顕・減色剤、及び異なる波長の赤外線を吸収して発熱する光−熱変換材料が含有されているものとする。
第1〜第3の記録部4〜6に、それぞれイエロー、シアン、マゼンタに発色可能な呈色性化合物を含有させ、さらに記録部4〜6毎に吸収波長選択性を有する光−熱変換材料を含有させることにより、全体としてフルカラーの画像が形成可能となる。
呈色性化合物としては、例えばロイコ染料が挙げられ、既存の感熱紙用染料等を適用することができる。
顕・減色剤としては、従来公知の長鎖アルキル基を有する有機酸(特開平5−124360号公報、特開平7−108761号公報、特開平7−188294号公報、特開2001−105733号公報、特開2001−113829号公報に記載)等を適用することができる。
光−熱変換材料としては、第1〜第3の記録部4〜6の発色色調毎に、それぞれ異なる波長域の赤外線(λ1、λ2、λ3)を吸収して発熱する材料を適用する。
すなわち、上記λ1、λ2、λ3のうちから選択した波長のレーザー光を照射して、所定の記録部を加熱せしめ、呈色性化合物、例えばロイコ染料と、顕・減色剤との間に反応を起こさせることにより、発色させることができる。
具体的に光−熱変換材料としては、例えば、可視波長域にほとんど吸収がない赤外線吸収色素として一般的に用いられる、フタロシアニン系染料やシアニン系染料、金属錯体染料、ジインモニウム系染料、アミニウム系染料、イミニウム系染料等を適用できる。
さらに、任意の光−熱変換材料のみを発熱させ、所望の記録部のみを発色させるためには、光−熱変換材料の吸収帯が狭く、記録部毎に互いに吸収帯が重なり合わない材料の組み合わせを選択することが好ましい。
上述したことから、光−熱変換材料は、吸収スペクトルが急峻なシアニン系色素、またはフタロシアニン系色素を適用することが望ましく、これにより色がぶりを効果的に防止することができる。
すなわち、例えば第1の記録部4が波長λ1の赤外線を、第2の記録部5が波長λ2の赤外線を、第3の記録部6が波長λ3の赤外線をそれぞれ吸収して発熱する材料を含有するものとしたとき、波長λ1、波長λ2、波長λ3とが、互いに重なりあわないように、吸収帯を選定する。
次に、具体的に、記録層2を構成する第1の記録部4がイエロー(Y)、第2の記録部5がシアン(C)、第3の記録部6がマゼンタ(M)に発色するものとし、これらの記録部4〜6がストライプ状の規則的パターンに形成されているものとした可逆性多色記録媒体のレーザー光吸収特性について説明する。
第1〜第3の記録部4〜6中の光−熱変換材料として、シアニン色素を適用したときの各記録部毎の吸収スペクトルを図2に示す。
図2中、曲線21は第1の記録部4、曲線22は第2の記録部5、曲線23は第3の記録部6の、それぞれに含有されているシアニン色素の吸収スペクトルを示す。
図2に示すように、シアニン色素の吸収スペクトルは、吸収ピークの長波長側が非常にシャープであるが、短波長側は比較的なだらかな曲線となっている。
ここで、記録層2に照射するレーザー光として、三種類の波長(λ1、λ2、λ3)の赤外線を用いるものとする。但し、λ1<λ2<λ3である。
本発明の可逆性多色記録媒体10においては、波長λ1の赤外線を照射し、第1の記録部4を発色させるときのパターン吸光度を100%であると仮定したとき、これに対し、第2の記録部5及び第3の記録部6のパターン吸光度は40%以下であるものとする。
上記のように特定することにより、波長λ1の赤外線を照射したとき、第2の記録部5、及び第3の記録部6においても吸収されるが、これらに含有されている可逆性感熱発色性組成物を発色させるために必要な温度には到達せず、第1の記録部4のみを発色させることができる。
同様に、λ1よりも長い波長λ2の赤外線を照射したときの、第2の記録層5におけるパターン吸光度を100%であると仮定すると、これに対し、第1の記録部4及び第3の記録部6におけるパターン吸光度は40%以下であるものとする。
このように特定することにより、波長λ2の赤外線を照射した場合、第1の記録部4、及び第3の記録部6においても吸収されるが、これらの記録部4、6に含有されている可逆性感熱発色性組成物を発色させるために必要な温度には到達せず、第2の記録部5のみを発色させることができる。
同様に、λ1、λ2よりも長い波長λ3の赤外線を照射したとき、第3の記録部6で吸収されて第3の記録部6のみを発色させることができる。
上述したことから明らかなように、照射する複数の波長のレーザー光の波長が極めて近いと、図2の吸収スペクトルから明らかなように、裾野部分の吸収特性が影響してしまい、選択した色相以外の記録部も発色してしまう。
また、発色目的外の記録部におけるレーザー光吸光度が、発色目的の記録部におけるパターン吸光度に対して40%を超えていると、この目的外の記録部をも発色させてしまい、色かぶりが生じることが確認された。なお、照射するレーザーの光量を少なくすれば、上記色かぶりを低減化できるが、全体の発色性が低下することから、実用上望ましくない。
このため、本発明においては、いずれの1の記録部も、当該1の記録部の光−熱変換材料を発熱させるために選択した波長のレーザー光で、当該1の記録部以外の発色を有する他の記録部に照射したときの光−熱変換材料の吸光度が、当該1の記録部に含有されている光−熱変換材料を発熱させるパターン吸光度の40%以下となるように、Y、C、Mの各記録部4〜6の光−熱変換材料を選択・調整し、かつ照射レーザー光の波長を選択することとした。
記録層2を形成するための樹脂母材としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン等が挙げられる。これらの樹脂に必要に応じて紫外線吸収剤等の各種添加剤を併用してもよい。
記録層2は、第1〜第3の記録部4〜6毎に、呈色性化合物、顕・減色剤、増感剤等の各種添加剤、及び光−熱変換材料を、溶媒を用いて樹脂母材中に溶解させて塗料を調整し、所望の位置に、特定のパターン、例えばストライプ状、ドット状、格子状等のパターンに塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
記録層2は、膜厚1〜20μm程度に形成することが望ましく、更には1.5〜15μm程度が望ましい。
記録層の膜厚が1μm未満であると充分な発色濃度が得られず、20μmを超えると熱容量が大きくなりすぎ、発色性や消色性が劣化するためである。
第1〜第3の記録部4〜6をストライプパターンに形成するとき、ストライプ幅は、第1〜第3の記録部4〜6の計三本を一単位とした場合、人間の目のカラー解像度以下の3〜4単位/mmの幅であればよく、8〜12単位/mm以上程度の幅とする。但し、最終的に目的とする可逆性多色記録媒体の用途や記録システムに応じて適宜変更する。
保護層3は、従来公知の紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは従来公知の透光性のポリマーを用いて形成することができる。
例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリエステル等が挙げられ、塗料状の材料を塗布することにより形成してもよく、フィルム状の材料を貼り合わせることにより形成してもよい。また、必要に応じて紫外線吸収剤等の各種添加剤を併用してもよい。
保護層3の膜厚は0.1〜50μmが好ましく、さらには0.5〜30μm程度とすることが望ましい。保護層3の膜厚が薄すぎると充分な保護効果が得られず、膜厚が厚すぎると、後述する記録方法において記録媒体全体を均一加熱する際に熱伝導性が劣化するためである。
次に、図1の可逆性多色記録媒体10を用いて多色記録を行う方法について説明する。
先ず、記録層2全体が消色する程度の温度、例えば120℃程度の温度で全面加熱し、記録層2を予め消色状態にしておく。すなわちこの状態においては、支持基板1の色、あるいはその上層に形成した任意の修飾層の表面の色が露出している状態となっている。
次に、記録層2の任意の部分に、波長及び出力を選択した赤外線を半導体レーザー等により照射する。
例えば第1の記録部4を発色させる場合には、波長λ1の赤外線を第1の記録部4が発色温度に達する程度のエネルギーで照射し、光−熱変換材料を発熱させて、呈色化合物と顕・減色剤との間の発色反応を起こさせ、照射部分を発色させる。
同様に第2の記録部5、及び第3の記録部6についても、それぞれ波長λ2、λ3の赤外線を発色温度に達する程度のエネルギーで照射し、それぞれの光−熱変換材料を発熱させることにより、照射部分を発色させる。
なお、照射する赤外線の波長λ1、λ2、λ3は、必ずしも第1〜第3の記録部4〜6における吸収ピーク波長である必要はなく、所定の記録部に含有されている光−熱変換材料を発熱させるために選択した波長のレーザー光で、当該所定の記録部以外の発色を有する他の記録部に照射したときの光−熱変換材料の吸光度が、前記所定の記録部に含有されている光−熱変換材料を発熱させるパターン吸光度の40%以下であるものとなるように、選択されたものとする。
上述した操作を行うことにより、任意の発色を行うことができ、フルカラー画像形成や種々の情報の記録が可能となる。
また、上記記録を行った後、さらにそれぞれ波長λ1、λ2、λ3の赤外線を、記録層が消色温度に達する程度のエネルギーで照射し、光−熱変換材料を発熱させて、呈色化合物と顕・減色剤との間の消色反応を起こさせることにより、一部あるいは全部の記録を消去することができる。
更に、上述のようにして着色化され、あるいは一部が消色化された可逆性多色記録媒体10の全体を、記録層が消色する程度の温度、例えば120℃で一様に加熱することによって、記録情報や画像を消去することができる。そして、上述した操作を繰り返すことによって再度記録を行うことが可能である。
次に、本発明の可逆性多色記録媒体について具体的なサンプルを作製し、特性の評価を行った。なお本発明の可逆性多色記録媒体10は、後述する具体例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示すような面方向に規則的なストライプ状のパターンで第1〜第3の記録部4〜6が形成された可逆性多色記録媒体を作製した。
なお、第1〜第3の記録部4〜6を構成する塗料は、予め、これらを発色させるためのレーザー光に対する吸光度が、それぞれ1になるように調整した。
支持基板1として、厚さ4μmの高透明ポリエチレンテレフタレートを用意した。
次に、支持基板1上に、下記調整方法による組成の塗料を150μmピッチで、第1の記録部(イエロー:Y)、第2の記録部(シアン:C)、第3の記録部(マゼンタ:M)の三種類を一単位としてスクリーン印刷によってストライプ状に繰り返し形成し、その後、100℃にて30分間加熱処理を施し、最終的に膜厚4μmの記録層2を形成した。
なお、この記録層2の表面は、顕・減色剤の分散体を含むために粗面になっており、微細な凹凸による入射光の散乱が生じてしまうため、最表面に保護層3を塗布形成し、凹凸による散乱を抑制した。
〔第1の記録部、イエロー(Y)の組成と塗料調整方法〕
下記組成物をビーズミルにて攪拌処理し、塗料化した。
ロイコ染料(フルオラン化合物:λmax=490nm):2重量部
顕・減色剤(下記物質):4重量部
(HO−C64−NH−C(=O)−NH−(CH2)17−CH3
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:10重量部
(VYHHダウ・ケミカル日本株式会社製 塩化ビニル:86%/酢酸ビニル:14%、
平均分子量(Mn)=27000)
シアニン系赤外吸収色素:0.1重量部
(日本化薬製CY−10 記録層中での吸収波長ピーク797nm)
メチエチルケトン:100重量部
〔第2の記録部、シアン(C)の組成と塗料調整方法〕
下記組成物をビーズミルにて攪拌処理し、塗料化した。
ロイコ染料(山田化学製H−3035):2重量部
顕・減色剤(下記物質):4重量部
(HO−C64−NH−C(=O)−NH−(CH2)17−CH3
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:10重量部
(VYHHダウ・ケミカル日本株式会社製 塩化ビニル:86%/酢酸ビニル:14%、
平均分子量(Mn)=27000)
シアニン系赤外吸収色素:0.1重量部
(H.W.SANDS製、記録層中での吸収波長ピーク935nm)
メチエチルケトン:100重量部
〔第3の記録部、マゼンタ(M)の組成と塗料調整方法〕
下記組成物をビーズミルにて攪拌処理し、塗料化した。
ロイコ染料(保土ヶ谷化学製Red DCF):2重量部
顕・減色剤(下記物質):4重量部
(HO−C64−NH−C(=O)−NH−(CH2)17−CH3
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:10重量部
(VYHHダウ・ケミカル日本株式会社製 塩化ビニル:86%/酢酸ビニル:14%
平均分子量(Mn)=27000)
シアニン系赤外吸収色素:0.3重量部
(株式会社トスコ製 記録層中での吸収波長ピーク1120nm)
メチエチルケトン:80重量部
シクロヘキサノン:20重量部
保護層3は、従来公知の紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは、透光性のポリマーを用いて形成し、最終的に目的とするサンプル可逆性感熱記録媒体を作製した。
〔実施例2、3、比較例1、2〕
光−熱変換材料(赤外線吸収色素)の配合量を変え、その他の製造条件は実施例1と同様とし、第1〜第3の記録部4〜6の、照射レーザー光に対する吸光度を制御して、下記表1に示す吸光度となるような可逆性感熱記録媒体を作製した。
上述のようにして作製したサンプル可逆性多色記録媒体の任意の位置に、波長800nm出力400mW、波長916nm出力400mW、波長1080nm出力400mWで、スポット面積5800μm2の半導体レーザー光を、それぞれ単独または同時に、3m/secの速度でスキャンさせながら照射して線記録を行った。これを40μm毎に繰り返し、ベタ画像を記録した。
(記録画像の評価)
記録したベタ画像について、グレタグマクベス社製の反射型分光光度計を用いて各色調の反射濃度(発色濃度)を測定し、各記録部における目視による色調を評価し、記録目的外の記録部(隣接する記録部)における発色の有無を評価した。
(繰り返し特性評価)
次に、上述のようにして作製した実施例1〜3、比較例1、2の可逆性多色記録媒体サンプルの任意の位置に、上記記録方法と同様の方法によりベタ画像記録を行い、その後、120℃のセラミックバーを用いて消去した。この記録と消去の操作を各サンプルの同じ位置において10回繰り返して行い、その後再度画像形成を行い、この反射濃度(発色濃度)を測定した。
上述した記録画像の評価、及び繰り返し特性の評価の結果を、下記表1に示す。
Figure 0004345474
実施例1においては、第1の記録部4の光−熱変換材料の吸収ピークに対応して選定した波長800nmのレーザー光を照射したとき、第2の記録部5、第3の記録部6における吸光度は、いずれも第1の記録部4の吸光度に対して40%以下であるので、第1の記録部4のみ発色させることができ、明瞭なイエローの発色が確認された。
同様に、第2の記録部5の光−熱変換材料の吸収ピークに対応して選定した波長915nmのレーザー光を照射したときには、第2の記録部5のみ発色させることができ、明瞭なシアンの発色が確認された。
同様に、第3の記録部6の光−熱変換材料の吸収ピークに対応して選定した波長1120nmのレーザー光を照射したときには、第3の記録部6のみ発色させることができ、明瞭なマゼンタの発色が確認された。
上記実施例1と同様に、隣接する記録部におけるレーザー光のパターン吸光度が、発色目的の記録部における吸光度の40%以下である実施例2、3においても、それぞれ明瞭な発色性が確認され、また色かぶりも確認されなかった。
一方、比較例1においては、波長800nmのレーザー光に対する第2の記録部5の吸光度が、発色目的である第1の記録部4における吸光度の40%を超えているため、第2の記録部5においても発色が起こってしまい、色かぶりが生じ、イエローグリーンの色調が見られた。
これは、第2の記録部5に含まれている光−熱変換材料の吸収ピークの低波長側にも、なだらかな吸収があり、波長800nmのレーザー光にも反応してしまうためである。
また、比較例2においては、波長915nmのレーザー光に対する第3の記録部6の吸光度が、発色目的である第2の記録部5における吸光度の40%を超えているため、第3の記録部6においても発色が起こってしまい、色かぶりが生じ、ブルーの色調が見られた。
これは、第3の記録部6に含まれている光−熱変換材料の吸収ピーク1120nmの低波長側にもなだらかな吸収があるため、波長915nmのレーザー光にも反応してしまうためである。
上述したことから、所定の記録部を発色させるレーザー光の波長における当該所定の記録部における吸光度に対し、隣接する他の記録部の吸光度を40%以下とすることにより、色かぶりを確実に回避できることが明らかになった。
上記実施例1〜3においては、記録と消去とを10回繰り返して行った後に記録を行ったときにも、初期と同等の発色濃度が得られ、また色かぶりも生じなかった。このことから、本発明の可逆性多色記録媒体においては、所望の記録部のみを適切に発消色させることを可能としたため、各記録部の劣化が回避され、長期に亘って優れた耐久性が維持されることが確認された。
本発明の可逆性多色記録媒体の一例の概略断面図を示す。 シアニン色素の吸収スペクトルを示す。
符号の説明
1……支持基板、2……記録層、3……保護層、4……第1の記録部、5……第2の記録部、6……第3の記録部、10……可逆性多色記録媒体

Claims (1)

  1. 支持基板の面方向に、発色色相の異なる可逆性感熱発色性組成物を含有する複数の記録部が配列されてなる記録層が形成されており、前記複数の記録部には、発色色相ごとに、それぞれ異なる波長域の赤外線を吸収して発熱するシアニン系赤外吸収色素が含有されている可逆性多色記録媒体を用い、
    前記複数の記録部の中から選ばれたいずれの1の記録部も、当該1の記録部に含有されているシアニン系赤外吸収色素を発熱させるために800nm、915nmまたは1080nmの波長のレーザー光を用いて記録し
    当該1の記録部の発色以外の色に発色する他の記録部に照射したときのシアニン系赤外吸収色素の吸光度が当該1の記録部に含有されているシアニン系赤外吸収色素を発熱させるパターン吸光度の40%以下である可逆性多色記録媒体の記録方法。
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