JP2005144953A - 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 - Google Patents
可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005144953A JP2005144953A JP2003388034A JP2003388034A JP2005144953A JP 2005144953 A JP2005144953 A JP 2005144953A JP 2003388034 A JP2003388034 A JP 2003388034A JP 2003388034 A JP2003388034 A JP 2003388034A JP 2005144953 A JP2005144953 A JP 2005144953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- light
- heat conversion
- reversible
- recording medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
Abstract
【解決手段】支持基板1の面方向に、互いに発色色相の異なる可逆性感熱発色組成物を含む、複数記録層11〜13が、支持基板1側から順次、分離・独立して形成されてなり、記録層11〜13には、それぞれ異なる波長域の近赤外光を吸収して発熱する、光−熱変換組成物が含有されてなり、少なくとも第2層以降の記録層に含有されている光−熱変換組成物には、少なくとも一重項酸素失活剤と、所定の波長域の近赤外光を吸収して発熱する光−熱変換材料とが含有されているものとした可逆性多色記録媒体を提供する。
【選択図】 図1
Description
これらは、ロイコ染料タイプ、すなわち樹脂母材中に電子供与性呈色性化合物であるロイコ染料と、顕・減色剤とが分散された記録層を有する記録媒体、及びこれを用いた記録方法に関するものである。
これらにおいて、顕・減色剤としては、ロイコ染料を発色させる酸性基と、発色したロイコ染料を消色させる塩基性基を有する両性化合物、または長鎖アルキルをもつフェノール化合物等が用いられている。この記録媒体及び記録方法は、ロイコ染料自体の発色を利用するため、低分子分散タイプに比較してコントラスト、視認性が良好であり、近年広く実用化されつつある。
例えば、多色に塗り分けられた層や粒子を、低分子分散タイプの記録層で可視化あるいは隠蔽することで、多色表示を行う記録媒体、及びこれを用いた記録方法が開示されている(特許文献6〜8参照。)。しかしこのような構成の記録媒体においては、記録層が下層の色を完全に隠蔽することはできず、母材の色が透けてしまい、高いコントラストが得られなかった。
しかし、サーマルヘッド等の記録熱源による温度コントロールが困難な上、良好なコントラストが得られず、色のかぶりを避けられないという問題を有している。さらには、三色以上の多色化をサーマルヘッド等による加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いのみでコントロールするのは非常に困難である。
しかしながら、適用する赤外線吸収剤の光吸収特性や、記録に用いるレーザー光の波長との関係、さらには記録層の積層順と照射するレーザー光との関係については何ら検討されておらず、未だ所望の色のみを鮮明に発色させ、色がぶりの問題を完全に解決するに至っておらず、記録感度については、更なる向上が求められていた。
また、色の三原色以外の中間色については色再現性をさらに向上させることが求められており、鮮明なフルカラー表示を可能とした多色記録媒体についての要望が高まってきている。
さらには、特許文献20に開示されている記録媒体においては、光−熱変換層(レーザー光の吸収層)が、バインダーを含有せずに有機溶剤に溶解した光吸収材料を被着させることにより形成することを好適なものとしているため、極めて広い波長領域においてレーザー光の吸収を有するようになってしまい、表示精度が劣化するという欠点を有している。また、かかる方法において成膜されたレーザー光の吸収層は、可視域においても光吸収を有しているため、消去状態において記録層の透明性が劣化し、記録精度が悪化を招来するという問題も有している。
また、本発明においては、繰り返し使用しても、記録画質の劣化が極めて少ない、優れた使用耐久性を有する可逆性多色感熱記録媒体を得ることを目的とする。
可逆性多色記録媒体10は、支持基板1上に、n層(この例においては、三層)の記録層、すなわち第1の記録層11、第2の記録層12、及び第3の記録層13が、それぞれ断熱層14、15を介して積層されており、最上層に保護層18が形成された構成を有している。
なお、第1〜第3の記録層11〜13は、図2に示すように、一の層中に可逆性感熱発色性組成物21と光−熱変換組成物22とが混合された状態で含有されていてもよく、図3〜図5に示すように、可逆性感熱発色組成物21と光−熱変換組成物22とが、互いに分離された状態となされていてもよい。
これは、可逆性感熱発色組成物21と光−熱変換組成物22とを、それぞれ互いに溶解しない樹脂バインダー中に含有させて混合する方法や、可逆性感熱発色組成物21、光−熱変換組成物22のいずれかを、例えばマイクロカプセル23中に封入して層中に含有させる方法により、形成することができる。
また、図4、図5においては、光−熱変換組成物22を含有する層と、可逆性感熱発色性組成物21を含有する層とが分離・独立に積層形成されている構成を表している。
ロイコ染料としては、既存の感圧紙、感熱紙用染料等を適用することができる。
一方、顕・減色剤としては、長鎖アルキル基を有する有機酸(特開平5−124360号公報、特開平7−108761号公報、特開平7−188294号公報、特開2001−105733号公報、特開2001−113829号公報等に記載)等を適用することができる。
シアニン色素は、可視域の吸収が少なく、近赤外域に鋭い吸収を持っている。構造により吸収極大波長が変化するので、記録に用いるレーザー波長に適したものを選択することができる。
但し、記録光としてレーザー光を適用するため波長範囲は750nm〜1500nmとし、後述するように、色かぶりを防止し記録感度を向上させるため、上記各記録層に含有されている光−熱変換組成物の吸収ピーク波長は、支持基板1側に形成されている層が最も長波長であり、積層順に表層に向かうに従って短波長となるものとする。すなわち、1500nm>λmax1>λmax2>λmax3>750nmであるものとする。
なお、図4及び図5に示すように、可逆性感熱発色組成物21と光−熱変換組成物22とを含有する層を、それぞれ分離独立した状態で積層形成する場合には、光−熱変換組成物22を所定の樹脂バインダー等に均一に溶解させた状態とすることが望ましい。
これは、樹脂バインダーを用いずに光−熱変換組成物22、すなわち赤外線吸収色素を結晶状態や薄膜状態として層を構成させると、色素の凝集や二量化により、近赤外域における吸収スペクトルがつぶれてしまい、好ましい光吸収特性を得ることができないためである。
曲線31は、樹脂バインダー中にシアニン色素を溶解させて層を形成した場合の吸収特性を示し、曲線32は、シアニン色素を有機溶剤中に溶解させて塗布しその後有機溶媒を蒸発させ薄膜状態として層を形成した場合の吸収特性を示す。
これらを比較すると、曲線31に示すように、樹脂バインダー中に色素を溶解させた場合には、極めて急峻な光吸収特性が得られたが、曲線32に示すように、シアニン色素を薄層状態とした場合には、広い波長領域において高い吸収を有しているため、色かぶりを生じて鮮明な記録を行うことができず、また可視領域にも吸収を有しているため、消去状態においても充分な透明性が得られないという不都合が生じる。
但し、支持基板1に最も近い第1の記録層11においては、これよりも上層の記録層を透過する波長の光に吸収を有していればよいため、必ずしも吸収帯の狭い上記有機色素を用いなくてもよい。
この一重項酸素失活剤は、色素の分解等を防止する安定化剤の一種である。
レーザー光を吸収したシアニン色素等の光−熱変換材料が励起され、その励起エネルギーの一部が近くの酸素に与えられる。エネルギーを受けた酸素は一重項酸素となり、光−熱変換材料を分解する。一重項酸素失活剤は、光−熱変換材料と酸素を隔離したり、一重項酸素の励起エネルギーを吸収したりして、光−熱変換材料(色素)が一重項酸素に攻撃されるのを回避する効果がある。
但し、式(12)〜(39)において、Mは、Cu、Ni、Co、Fe、Pt、Pdから適宜選択するものとし、(40)〜(43)において、Mは、Cu、Ni、Co、Fe、Pt、Pd、Crから適宜選択する。
また、式中、Meはメチル基、Buはブチル基を表す。
先ず、図2に示したような構成の場合には、上記可逆性感熱発色性組成物、光−熱変換組成物、及び各種添加剤を、所定の樹脂中に溶解あるいは分散させて塗料を作製し、これを所定の面上に塗布することによって記録層を形成することができる。
第1〜第3の記録層11〜13は、膜厚1〜15μm程度に形成することが望ましく、さらには1.5〜8μm程度が好ましい。これらの膜厚が薄すぎると充分な発色濃度が得られず、逆に厚過ぎると記録層の熱容量が大きくなることによって記録感度すなわち発色性や、消色性が劣化するためである。
このとき、互いの層を構成する樹脂として互いに相溶性を有さないものを選定して用いるか、最初に塗布した層を熱あるいは光により硬化させた後に上層を形成することによって層間の混合を防ぐようにすることが望ましい。
さらに、媒体曲げや圧力などに対する機械的強度が低下するおそれもある。また、同公報に記載されているように、記録層間にスペーサーを介して空気断熱層を形成した場合は、スペーサーがある位置と無い部分とでは、極端に記録の感度が異なるようになるため、情報を記録する際にムラや抜けなどの欠陥ができてしまうという不都合が生じる。
保護層18の膜厚が薄すぎると充分な保護効果が得られず、厚すぎると伝熱しにくくなるという不都合が生じるためである。
このようにして可逆性多色記録媒体10の任意の部分を、所望の色相に発色させることができる。このとき、発振波長帯が異なるレーザー光源を、光−熱変換材料を含む記録層の数と同数使用することにより、すべての色相の記録が可能となる。
但し、表示画像の明瞭性を向上させるためには、ブラックに発色する記録層を付加させることが望ましい。すなわち、記録層の数は2〜4層が好適である。
記録層を三層とした場合の好ましい実施形態としては、イエロー、シアン、マゼンダの三原色によるフルカラー記録可能構成としたものが挙げられる。
また、照射レーザー光と、サーマルヘッドとを別途使い分けることにより、場合に応じて下層三層によるフルカラー画像と、サーマルプリンターによる黒色記録等を使い分けることもできる。
記録光として可視域の光を採用した場合は、可視域に吸収をもつ光−熱変換組成物を用いることとなる。その結果、可逆性感熱発色組成物が、消色状態とした場合においても媒体自体が着色しているため視認性が著しく低下する。
例えば、特開2001−1645号公報の実施例に示されているように、可視域である655nmに吸収を持つ色素を光−熱変換組成物に使用した場合、消去状態の記録媒体は赤領域の光を吸収し、その結果、地肌の色が青や緑、水色になってしまい視認性が著しく低下する。
これに対し、本発明のように記録光として近赤外域の光を適用すると、可視域にほとんど吸収を持たない光−熱変換組成物を適用することが可能となるので極めて優れた視認性が得られるようになる。またこの場合、記録に用いる光源として、低コスト、小サイズ、高速変調、高出力などの面で優れている半導体レーザーを使用することができるという利点も有している。
工業的に特に多く生産されている高出力半導体レーザーとしては、発振波長が780〜810nm、830nm、850〜870nm、910〜920nm、930〜940nm、980nm、1010〜1060nm、1470nm付近のものがある。従って、記録に用いるレーザー光をこれらの波長の中から選択することが好ましい。
しかし、実際には記録層中に含有されている光−熱変換組成物は、可視域においてわずかながら吸収を持っている。
本発明の可逆性多色記録媒体において、最も効果が発揮されると思われるフルカラー画像記録を行うためには、消去状態における記録媒体の明るさ、すなわち地肌の反射率がきわめて重要な要素となる。
上述したことに鑑みて、本発明においては、光−熱変換組成物に、近赤外吸収色素及び一重項酸素失活剤を含有させたことにより、繰り返し記録を行った場合においても、記録媒体全体の消色濃度を低く保ち、優れた視認性、各発色のコントラストを確保することができることが確かめられた。
図8(a)、(b)に、光−熱変換組成物の吸収特性の模式的概略図を示す。なお、図8(a)は、三層構造の可逆性多色記録媒体の記録層のみを示した概略構成図であるものとし、図8(b)は、各記録層の吸収特性に対応しているものとする。
図8(a)、(b)に示すように、各記録層11〜13に対応する光−熱変換組成物の光吸収帯が、適用するレーザー光L1、L2、L3の波長間隔よりも充分狭い場合は、各波長のレーザー光によって、それぞれの記録層11〜13を独立に発色させ、記録を行うことが可能となり、色かぶりが生じない。
同様に、図9(a)の第1の記録層11を記録する場合も、上層でレーザー光が吸収されてしまい、効率よく記録することがでず、さらには色かぶりが起こる。
従って、少なくとも第1の記録層11を除く、他の記録層に対応する光−熱変換組成物の吸収帯は、記録に用いるレーザー光の波長間隔に対して狭くなるように選定することが必要である。
図から明らかなように、実際上、可視域の吸収が極めて小さく、近赤外域に吸収を持つ色素については、図8(b)のような記録層ごとに完全に吸収波長が分かれた状態とすることができる極めて吸収帯が狭い色素は未だ見いだされていない。そのため、色かぶりがなく、高感度な記録を行うためには、近赤外吸収色素の使用に関しての工夫が必要であると言える。
第2の記録層12に記録を行う際には、波長λ2のレーザー光L2を照射することになるが、波長λ2のレーザー光は第3の記録層13によってほとんど吸収されないので、効率の良い記録が可能である。また、波長λ2のレーザー光を第2の記録層12でほとんど吸収されるように設定しておけば、第1の記録層11にまで到達することがなく、色かぶりが生じるおそれがない。
同様に、第3の記録層13に記録を行うために、波長λ3のレーザー光を照射するときには、波長λ3のレーザー光が第3の記録層13でほとんど吸収されるように設定しておけば、第2、第1の記録層まで到達することがないので、色かぶりが生じるおそれがない。
この理由について以下に説明する。
一方、所定の記録層の記録波長における吸光度を、1.5以上にもなるように高めると、かかる記録層において吸収をもつ光の波長幅が広くなりすぎてしまい、それよりも下層の記録層を記録するための光をも多く吸収してしまい、照射光のロスを生じる。
また、記録用の近赤外域の光に対する吸光度を1.5以上に高めても記録層で吸収される光量は、それ以上顕著に増加しなくなるため、コスト面から考えても、これを1.5未満とすることが望ましい。
さらに、上記のように記録層における吸光度を大きくすると、可視域における光吸収も顕著になってくることから視認性の低下を招来する。
但し、最も支持基板1の近傍に形成されている第1の記録層11においては、それよりも下層(支持基板側)の記録層が存在しないため、記録光のロスの観点から吸光度の上限を規定する必要はない。よって、第1の記録層の記録に用いるレーザー光の波長λ1における、吸光度は0.6より大きいことが望ましい。
先ず、下記表1、及び表2に示す各々の材料を混合し、ペイントコンディショナーで、0.3μm以下となるまで粉砕し、塗料1〜15を作製した。
塗料16〜28は各材料を混合することによって作製した。
なお、Etはエチル基、Meはメチル基を表し、nはノルマル(直鎖状)を表す。
なお、Meはメチル基を表す。
なお、nはノルマル(直鎖状)を表す。Meはメチル基、Buはブチル基を表す。
各層は、塗料をワイヤーバーによって塗布し、乾燥させることにより作製した。
ただし、保護層には紫外線硬化樹脂を用いた。
塗料13と粒子16を重量比50:1で混合して新たに塗料29とした。
同様に、塗料13と粒子17から塗料30を作製した。
塗料13と粒子18から塗料31を作製した。
塗料13と粒子19から塗料32を作製した。
塗料14と粒子20から塗料33を作製した
塗料14と粒子21から塗料34を作製した。
塗料14と粒子22から塗料35を作製した。
塗料14と粒子23から塗料36を作製した。
塗料15と粒子24から塗料37を作製した。
塗料15と粒子25から塗料38を作製した。
塗料15と粒子26から塗料39を作製した。
塗料15と粒子27から塗料40を作製した。
〔光学特性の評価方法〕
先ず、可逆性多色記録媒体全体の地肌の反射濃度(O.D.)を、マクベス濃度計によって測定した。
続いて、可逆性多色記録媒体を構成する各記録層に対し、記録に用いるレーザー光の波長における記録層単独の吸光度を測定し、また分光光度計で吸収曲線を測定した。その結果、すべての記録層の、記録に用いるレーザー光の波長における記録層単独の吸光度は、1.0〜1.1程度であった。
なお、吸収曲線は媒体作製と同じ方法で一つの記録層のみを吸光度測定用透明PETフィルム上に形成し、これを用いて評価することとした。
〔レーザー記録評価方法〕
発振中心波長が、800nm、860nm、940nmの半導体レーザー光を、スポット形状30μm×200μm、出力400mWの条件で、照射しながら走査させた。
走査の条件は、スポット形状200μmの軸の方向に、速度5.4m/s、走査間隔15μmで走査して記録されたベタ画像のCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)、それぞれの反射濃度の変化をマクベス濃度計により評価した。
次に、120℃のホットスタンプを1秒押し当て画像を消去した。
上記の記録と消去の作業を100回繰り返し、100回目の記録を行ったときのベタ画像と、100回目に消去を行ったときのCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)、それぞれの反射濃度の変化をマクベス濃度計により評価した。
図14、15にはそれぞれ、実施例1と比較例1の可逆性多色記録媒体を構成する各記録層の消色時の吸収特性を示した。
また、実施例1〜12、比較例1〜4の光学特性の評価の結果と、レーザー記録評価の結果を、下記表5に示した。
また、レーザー光で記録を行った後、120℃のホットスタンプを1秒間接触させることにより、すべての画像を消去することができ、消去後の透明性についても良好な状態であることが確認された。そして、その後レーザー光を照射すると、さらに繰り返して記録を行うことができ、繰り返し記録後の色調が極めて明瞭であった。
さらに、100回記録、消去を繰り返した後においても、良好なイエロー、マゼンタ、シアンの発色が得られ、色かぶりも生じなかった。
また、120℃のホットスタンプを1秒間接触させたときの消え残り反射濃度が非常に小さく、ほぼすべての画像を消去することができた。
このように実施例1〜12においては、光−熱変換組成物中に一重項酸素失活剤を含有させたため、光−熱変換材料(色素)が一重項酸素によって攻撃されるのが回避され、繰り返し記録及び消去特性についての評価が極めて良好であった。
しかし、100回記録、消去を繰り返した後においては、比較例1〜4は、一重項酸素失活剤を含有させなかったため、レーザー光の吸収により光−熱変換材料の分解が起こり、イエロー、マゼンタ、シアンの発色が非常に薄くなってしまった。
また、120℃のホットスタンプを1秒間接触させたときの消え残りがあり、すべての画像を消去することができなかった。
Claims (11)
- 支持基板の面方向に、互いに発色色相の異なる可逆性感熱発色組成物を含む、第1〜第nの記録層が、支持基板側から順次、分離・独立して形成されてなり、
上記第1〜第nの記録層には、それぞれ異なる波長域の近赤外光を吸収して発熱する、光−熱変換組成物が含有されてなる可逆性多色記録媒体であって、
少なくとも第2〜第nの記録層の前記光−熱変換組成物には、少なくとも一重項酸素失活剤と、所定の波長域の近赤外光を吸収して発熱する光−熱変換材料とが含有されていることを特徴とする可逆性多色記録媒体。 - 前記一重項酸素失活剤が、共役ポリエン、遷移金属錯体、ヒンダードアミン、アミン類、アミニウム塩、及びイミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。
- 少なくとも、第2〜第nの記録層に含有されている前記光−熱変換組成物が、シアニン系色素を含有していることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。
- 前記第1〜第nの記録層の近赤外域における吸収ピーク波長を、それぞれ、λmax1、λmax2、・・・、λmaxnとしたとき、
1500nm>λmax1>λmax2>・・・>λmaxn>750nm
の関係を有していることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。 - 前記可逆性感熱発色組成物が、電子供与性を有する呈色性化合物と、電子受容性を有する顕・減色剤とを含有し、
前記呈色性化合物と、前記顕・減色剤との間の可逆的反応により、前記記録層を発色、あるいは消色の二状態間に、可逆的に変化するようになされていることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。 - 前記光−熱変換組成物と、前記可逆性感熱発色組成物とが、混合された状態で、一の記録層中に含有されていることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。
- 前記光−熱変換組成物と、前記可逆性感熱発色組成物とが、互いに分離された状態で一の記録層中に含有されていることを特徴とする請求項1に記載の可逆性多色記録媒体。
- 前記光−熱変換組成物が、樹脂バインダーにより分離されていることを特徴とする請求項7に記載の可逆性多色記録媒体。
- 支持基板の面方向に、互いに発色色相の異なる可逆性感熱発色組成物を含む、第1〜第nの記録層が、支持基板側から順次、分離・独立して形成されてなり、
前記第1〜第nの記録層には、それぞれ異なる波長域の近赤外光を吸収して発熱する、光−熱変換組成物が含有されてなる可逆性多色記録媒体であって、
少なくとも第2〜第nの記録層の光−熱変換組成物は、少なくとも一重項酸素失活剤と、所定の波長域の近赤外光を吸収して発熱する光−熱変換材料とを含有するものである可逆性多色記録媒体を用いて、
発振中心波長(λ1、λ2、・・・λn)が、それぞれ750nm〜1500nmの範囲にある、任意に選択された複数のレーザー光を照射することによって、記録または消去を行うことを特徴とする可逆性多色記録媒体の記録方法。 - 前記複数のレーザー光源が、半導体レーザーであることを特徴とする、請求項9に記載の可逆性多色記録媒体の記録方法。
- 前記発振中心波長が異なる複数のレーザー光の総数が、
前記互いに異なる波長域の光を吸収して発熱する光−熱変換組成物を含有する記録層の積層数と同じであることを特徴とする請求項9に記載の可逆性多色記録媒体の記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003388034A JP4345451B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003388034A JP4345451B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005144953A true JP2005144953A (ja) | 2005-06-09 |
JP4345451B2 JP4345451B2 (ja) | 2009-10-14 |
Family
ID=34695234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003388034A Expired - Fee Related JP4345451B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4345451B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018235451A1 (ja) * | 2017-06-20 | 2018-12-27 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体 |
WO2019124491A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体および外装部材 |
-
2003
- 2003-11-18 JP JP2003388034A patent/JP4345451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018235451A1 (ja) * | 2017-06-20 | 2018-12-27 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体 |
JPWO2018235451A1 (ja) * | 2017-06-20 | 2020-04-16 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体 |
US10910010B2 (en) | 2017-06-20 | 2021-02-02 | Sony Corporation | Reversible recording medium |
US11367463B2 (en) | 2017-06-20 | 2022-06-21 | Sony Corporation | Reversible recording medium |
JP7107310B2 (ja) | 2017-06-20 | 2022-07-27 | ソニーグループ株式会社 | 可逆性記録媒体 |
WO2019124491A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体および外装部材 |
JPWO2019124491A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2020-12-17 | ソニー株式会社 | 可逆性記録媒体および外装部材 |
JP7276145B2 (ja) | 2017-12-20 | 2023-05-18 | ソニーグループ株式会社 | 可逆性記録媒体および外装部材 |
US11667142B2 (en) | 2017-12-20 | 2023-06-06 | Sony Corporation | Reversible recording medium and exterior member |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4345451B2 (ja) | 2009-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005066936A (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP3581047B2 (ja) | 熱可逆性多色記録媒体 | |
EP1391315A2 (en) | Reversible multicolor recording medium, and recording method using the same | |
US7560415B2 (en) | Reversible multicolor recording medium and recording method using it | |
JP4321174B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4345451B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4264542B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP2006088645A (ja) | 可逆性感熱記録媒体 | |
JP4525109B2 (ja) | 可逆性記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4345474B2 (ja) | 可逆性記録媒体を用いた記録方法 | |
JP2004074583A (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4586353B2 (ja) | 記録方法 | |
JP4466226B2 (ja) | 可逆性感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4345520B2 (ja) | 可逆性記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP2004188826A (ja) | 可逆性記録層を有する光学記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4407184B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4407186B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP2005199494A (ja) | 感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP4470468B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びその製造方法 | |
JP2005131909A (ja) | 記録媒体、及び発色性組成物 | |
JP4470469B2 (ja) | 可逆性多色記録媒体、及びその製造方法 | |
JP2004203026A (ja) | 可逆性多色記録層を有するシート材、カード、及びこれらを用いた記録方法 | |
JP2005145002A (ja) | 感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP2004249542A (ja) | 可逆性多色記録層を有する光学記録媒体、及びこれを用いた記録方法 | |
JP2004155011A (ja) | 可逆性多色記録媒体を用いた記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060707 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090310 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090623 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090706 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |