JP2003266202A - クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法 - Google Patents
クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法Info
- Publication number
- JP2003266202A JP2003266202A JP2002078181A JP2002078181A JP2003266202A JP 2003266202 A JP2003266202 A JP 2003266202A JP 2002078181 A JP2002078181 A JP 2002078181A JP 2002078181 A JP2002078181 A JP 2002078181A JP 2003266202 A JP2003266202 A JP 2003266202A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axis
- crankshaft
- control
- tool
- pin journal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Turning (AREA)
- Numerical Control (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 チャックの構造が簡易で、ワークの回転バラ
ンスの影響を受けず、精度良くクランクシャフトのピン
ジャーナル部の旋削加工ができるようにする。 【解決手段】 クランクシャフト(1)の少なくとも一端
側を支持する支持手段(21)と、メインジャーナル(3)の
C軸回りにピンジャーナル(2)をNC制御により回転駆
動するC軸回転駆動装置(20)と、C軸に対し直角方向の
X軸方向にNC制御により直線駆動される刃具駆動ユニ
ット(30a)と、該刃具駆動ユニットに設けられ、C軸に
平行なα軸回りにNC制御により揺動自在に駆動される
揺動型刃物台(32a)と、C軸回転に同期させて揺動型刃
物台(32a)の工具(31a)の刃先位置(31)をX軸とα軸との
NC制御によりクランク運動をさせ、ピンジャーナル
(2)の旋削加工を制御する制御ユニットとを備える。
ンスの影響を受けず、精度良くクランクシャフトのピン
ジャーナル部の旋削加工ができるようにする。 【解決手段】 クランクシャフト(1)の少なくとも一端
側を支持する支持手段(21)と、メインジャーナル(3)の
C軸回りにピンジャーナル(2)をNC制御により回転駆
動するC軸回転駆動装置(20)と、C軸に対し直角方向の
X軸方向にNC制御により直線駆動される刃具駆動ユニ
ット(30a)と、該刃具駆動ユニットに設けられ、C軸に
平行なα軸回りにNC制御により揺動自在に駆動される
揺動型刃物台(32a)と、C軸回転に同期させて揺動型刃
物台(32a)の工具(31a)の刃先位置(31)をX軸とα軸との
NC制御によりクランク運動をさせ、ピンジャーナル
(2)の旋削加工を制御する制御ユニットとを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
のピンジャーナル部の旋削加工を行なう旋削加工装置お
よび旋削加工方法に関する。
のピンジャーナル部の旋削加工を行なう旋削加工装置お
よび旋削加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クランクシャフトの偏芯部である
ピンジャーナルの切削加工においては、該ピンジャーナ
ルを、そのメインジャーナル軸の中心回りに回転させ、
刃具により旋削加工を行う、いわゆる旋削加工と、クラ
ンクシャフトミラーによるミーリング加工とが一般に採
用されている。
ピンジャーナルの切削加工においては、該ピンジャーナ
ルを、そのメインジャーナル軸の中心回りに回転させ、
刃具により旋削加工を行う、いわゆる旋削加工と、クラ
ンクシャフトミラーによるミーリング加工とが一般に採
用されている。
【0003】この前者の旋削加工を行う旋削機械として
は、例えば特許番号第2589971号公報に記載され
たクランクシャフトの旋削機械が知られており、本発明
の従来技術として提示した図8を参照して同公報に示さ
れた従来技術を説明する。図8は、同公報に記載された
クランクシャフト旋削機械のチャック装置の説明図(同
公報の図4)にクランクシャフトの取付け状態を追加掲
載した図である。
は、例えば特許番号第2589971号公報に記載され
たクランクシャフトの旋削機械が知られており、本発明
の従来技術として提示した図8を参照して同公報に示さ
れた従来技術を説明する。図8は、同公報に記載された
クランクシャフト旋削機械のチャック装置の説明図(同
公報の図4)にクランクシャフトの取付け状態を追加掲
載した図である。
【0004】上記旋削機械の両端部には、図8に示すよ
うな、クランクシャフト100の支持、ピンジャーナル
102の回転駆動、及びピンジャーナル102の回転角
度位相決めを行うチャック142を有している。そし
て、このチャックの主な作用を説明すると、クランクシ
ャフト100の両端のメインジャーナル部を、左右のチ
ャック142にそれぞれ設けられたチャックセンタ17
5と、3つ爪159により支持し、加工対象のピンジャ
ーナル102の軸中心Aと旋削機械の主軸103の中心
Bとを一致させて、主軸103後方の図示しない回転駆
動装置によりピンジャーナル102の軸を中心に回転さ
せ、そして一方、ピンジャーナル102の軸方向および
軸径方向に移動自在とした図示しない刃物台に設けた刃
具(図示せず)によりピンジャーナル102の旋削加工
を行う。
うな、クランクシャフト100の支持、ピンジャーナル
102の回転駆動、及びピンジャーナル102の回転角
度位相決めを行うチャック142を有している。そし
て、このチャックの主な作用を説明すると、クランクシ
ャフト100の両端のメインジャーナル部を、左右のチ
ャック142にそれぞれ設けられたチャックセンタ17
5と、3つ爪159により支持し、加工対象のピンジャ
ーナル102の軸中心Aと旋削機械の主軸103の中心
Bとを一致させて、主軸103後方の図示しない回転駆
動装置によりピンジャーナル102の軸を中心に回転さ
せ、そして一方、ピンジャーナル102の軸方向および
軸径方向に移動自在とした図示しない刃物台に設けた刃
具(図示せず)によりピンジャーナル102の旋削加工
を行う。
【0005】本図示のクランクシャフト100は4気筒
の例であるが、この場合、ピンジャーナル102aを加
工後、これと180度位相の異なるピンジャーナル10
2bを加工するために、ピンジャーナル102bの軸中
心Dを主軸103の中心Bに一致させる段取り換え(い
わゆるピンジャーナル回転角度位相割り出し)が必要で
ある。このピンジャーナル回転角度位相割り出しは、3
つ爪159によりクランクシャフト100をチャッキン
グしたまま、割り出しシリンダ147によりカップリン
グ144を解除または締結し、チャック駆動軸105後
方の図示しない回転駆動装置により、チャック駆動軸1
05、二重リンク継ぎ手141を介して、チャック14
2と共にクランクシャフト100を、クランクシャフト
100の軸中心Cを中心に180度旋回させ、回転角度
位相割り出すことにより行われる。
の例であるが、この場合、ピンジャーナル102aを加
工後、これと180度位相の異なるピンジャーナル10
2bを加工するために、ピンジャーナル102bの軸中
心Dを主軸103の中心Bに一致させる段取り換え(い
わゆるピンジャーナル回転角度位相割り出し)が必要で
ある。このピンジャーナル回転角度位相割り出しは、3
つ爪159によりクランクシャフト100をチャッキン
グしたまま、割り出しシリンダ147によりカップリン
グ144を解除または締結し、チャック駆動軸105後
方の図示しない回転駆動装置により、チャック駆動軸1
05、二重リンク継ぎ手141を介して、チャック14
2と共にクランクシャフト100を、クランクシャフト
100の軸中心Cを中心に180度旋回させ、回転角度
位相割り出すことにより行われる。
【0006】次に、クランクシャフト加工では、1/2
ストローク(ピンジャーナル102の軸中心Aとクラン
クシャフト100の軸中心Cとの間の距離)のみが異な
るクランクシャフトを同一の加工機にランダムに流す場
合が多々あり、このために1/2ストローク段取り換え
を、迅速に行うことが要求されるが、この1/2ストロ
ーク段取り換えは、ピンジャーナル102の軸中心Aと
クランクシャフト100の軸中心Cとを含む面上で、主
軸103に対し、図示しない油圧シリンダによりチャッ
ク142に固着されたスライド119を所定の1/2ス
トローク分移動させることで行う、構成となっている。
ストローク(ピンジャーナル102の軸中心Aとクラン
クシャフト100の軸中心Cとの間の距離)のみが異な
るクランクシャフトを同一の加工機にランダムに流す場
合が多々あり、このために1/2ストローク段取り換え
を、迅速に行うことが要求されるが、この1/2ストロ
ーク段取り換えは、ピンジャーナル102の軸中心Aと
クランクシャフト100の軸中心Cとを含む面上で、主
軸103に対し、図示しない油圧シリンダによりチャッ
ク142に固着されたスライド119を所定の1/2ス
トローク分移動させることで行う、構成となっている。
【0007】ところが、この1/2ストローク変換によ
り、チャック142とクランクシャフト100とは、主
軸103の中心Bから離接することになり、主軸103
の中心Bを中心とした回転アンバランス量が増減し、一
定しないこととなる。このアンバランス量を解消するた
め、本機ではバランスウエイト131を設け、これを図
示しない駆動装置により、上記スライド119の1/2
ストローク変換に対応した移動量に連動させて、上記ス
ライド119の移動の反対方向に移動させる構造として
いる。
り、チャック142とクランクシャフト100とは、主
軸103の中心Bから離接することになり、主軸103
の中心Bを中心とした回転アンバランス量が増減し、一
定しないこととなる。このアンバランス量を解消するた
め、本機ではバランスウエイト131を設け、これを図
示しない駆動装置により、上記スライド119の1/2
ストローク変換に対応した移動量に連動させて、上記ス
ライド119の移動の反対方向に移動させる構造として
いる。
【0008】また、後者の、クランクシャフトミラーに
よるミーリング加工の従来例としては、特開平8−25
103号公報、特開平11−90717号公報などに記
載の幾多の事例があり、これらは何れも、クランクシャ
フトをそのメインジャーナル軸を中心に低速回転させ、
加工部位であるクランクシャフトのピンジャーナルの軸
に直角な面内で、回転させたフライスカッタの刃先を所
定の軌跡で移動させるミーリング加工により、クランク
シャフトの偏芯部(例えばピンジャーナル)を所定の形
状に加工する方式である。
よるミーリング加工の従来例としては、特開平8−25
103号公報、特開平11−90717号公報などに記
載の幾多の事例があり、これらは何れも、クランクシャ
フトをそのメインジャーナル軸を中心に低速回転させ、
加工部位であるクランクシャフトのピンジャーナルの軸
に直角な面内で、回転させたフライスカッタの刃先を所
定の軌跡で移動させるミーリング加工により、クランク
シャフトの偏芯部(例えばピンジャーナル)を所定の形
状に加工する方式である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の、特許番号第2589971号公報に記載されたク
ランクシャフトの旋削機械の従来技術においては、以下
のような問題がある。即ち、クランクシャフト100を
そのメインジャーナルの軸心を中心とせず、メインジャ
ーナルの軸から偏芯したピンジャーナルの軸心を中心と
して回転させるため、クランクシャフト自身のアンバラ
ンス量は勿論のこと、これを支えるチャック142にも
多大のアンバランス量が発生する。このアンバランス量
は、1/2ストローク変換時に変化するが、譬えアンバ
ランス量のキャンセル機構を設けたとしても、クランク
シャフトを高速(または中速)回転させる必要上、実用
上問題がない程度までにこのアンバランス量を除去する
ことは殆ど不可能である。よって、上記のクランクシャ
フトの旋削機械によるピンジャーナル加工では、上記の
回転アンバランスの影響を受け、生産性を向上させるた
めに高速(または中速)回転させた場合、回転時の有害
なワーク変位、ワークまたは機機系の振動などが発生し
て、良好な加工精度が得られない。また、クランクシャ
フトなどの長尺軸物ワークを回転させて加工する場合、
重切削を可能とするか、または、良好な仕上げ加工精度
を得るためには、ワークをその両端で支持するのに加え
て、軸方向略中央の近傍で、かつ加工部位と同一回転中
心をもつ少なくとも1個所の軸部位を補助サポート(い
わゆるレスト)することにより、切削負荷に抗するワー
クの曲げ剛性を上げることが必要不可欠である。しか
し、本従来技術では、クランクシャフトをピンジャーナ
ルの軸を中心として回転させるため、加工部位の近傍に
は回転中心を共有する軸部が無く、補助サポート(レス
ト)できない。このため、重切削は困難であり、また良
好な仕上げ加工精度は期待できない。
者の、特許番号第2589971号公報に記載されたク
ランクシャフトの旋削機械の従来技術においては、以下
のような問題がある。即ち、クランクシャフト100を
そのメインジャーナルの軸心を中心とせず、メインジャ
ーナルの軸から偏芯したピンジャーナルの軸心を中心と
して回転させるため、クランクシャフト自身のアンバラ
ンス量は勿論のこと、これを支えるチャック142にも
多大のアンバランス量が発生する。このアンバランス量
は、1/2ストローク変換時に変化するが、譬えアンバ
ランス量のキャンセル機構を設けたとしても、クランク
シャフトを高速(または中速)回転させる必要上、実用
上問題がない程度までにこのアンバランス量を除去する
ことは殆ど不可能である。よって、上記のクランクシャ
フトの旋削機械によるピンジャーナル加工では、上記の
回転アンバランスの影響を受け、生産性を向上させるた
めに高速(または中速)回転させた場合、回転時の有害
なワーク変位、ワークまたは機機系の振動などが発生し
て、良好な加工精度が得られない。また、クランクシャ
フトなどの長尺軸物ワークを回転させて加工する場合、
重切削を可能とするか、または、良好な仕上げ加工精度
を得るためには、ワークをその両端で支持するのに加え
て、軸方向略中央の近傍で、かつ加工部位と同一回転中
心をもつ少なくとも1個所の軸部位を補助サポート(い
わゆるレスト)することにより、切削負荷に抗するワー
クの曲げ剛性を上げることが必要不可欠である。しか
し、本従来技術では、クランクシャフトをピンジャーナ
ルの軸を中心として回転させるため、加工部位の近傍に
は回転中心を共有する軸部が無く、補助サポート(レス
ト)できない。このため、重切削は困難であり、また良
好な仕上げ加工精度は期待できない。
【0010】さらに、本従来技術においては、前述のよ
うに、1/2ストローク変換、ピンジャーナル回転角度
位相割出し、アンバランス量のキャンセルなどをすべて
同一のチャック142内で行う必要から、チャック14
2の構造が非常に複雑となり、高価となる。また、チャ
ック142の構造が非常に複雑なことから、故障の要因
となり易く、又は寿命が短いなどの問題があり、加え
て、チャック142には数多くの油圧アクチュエータを
内蔵しており、これらへ給油する管路に多くの油圧回転
ジョイントを必要とし、これら油圧回転ジョイントのシ
ール部位から発生する油漏れの不具合が懸念される。
うに、1/2ストローク変換、ピンジャーナル回転角度
位相割出し、アンバランス量のキャンセルなどをすべて
同一のチャック142内で行う必要から、チャック14
2の構造が非常に複雑となり、高価となる。また、チャ
ック142の構造が非常に複雑なことから、故障の要因
となり易く、又は寿命が短いなどの問題があり、加え
て、チャック142には数多くの油圧アクチュエータを
内蔵しており、これらへ給油する管路に多くの油圧回転
ジョイントを必要とし、これら油圧回転ジョイントのシ
ール部位から発生する油漏れの不具合が懸念される。
【0011】また後者の、特開平8−25103号公
報、特開平11−90717号公報などに開示されたク
ランクシャフトミラーによるピンジャーナルのミーリン
グ加工の従来技術においては、これらは何れも、加工部
位であるピンジャーナル部の軸に直角な面内で、回転さ
せたフライスカッタの刃先を加工軸部の外側の径方向か
ら軸中心に向かって、所定の軌跡で移動させて、クラン
クシャフトのピンジャーナル部をミーリング加工する方
式である。この際、加工軸部のショルダー面(ジャーナ
ル側面)はカッタの幅方向に突出したチップの刃先で面
加工されるが、カッタ自身が回転しているので、譬えカ
ッタを軸方向に移動させたとしても、ショルダー面と軸
外径面とが交わるコーナ部において、軸方向に入り込ん
だ、いわゆるアンダーカットされた溝の加工は困難であ
る。クランクシャフトは、ピンジャーナルの幅方向の両
端に研磨逃げ、またはディープロールの前加工としてR
溝加工を行う際、軸方向に入り込んだ、アンダーカット
された溝を必要とするケースが多々あるが、上記説明の
理由から、ミーリングカッタによる加工ではこのアンダ
ーカット溝加工ができない。よって、クランクシャフト
ミラーとは別の機械による旋削工程を追加する必要が生
じている。
報、特開平11−90717号公報などに開示されたク
ランクシャフトミラーによるピンジャーナルのミーリン
グ加工の従来技術においては、これらは何れも、加工部
位であるピンジャーナル部の軸に直角な面内で、回転さ
せたフライスカッタの刃先を加工軸部の外側の径方向か
ら軸中心に向かって、所定の軌跡で移動させて、クラン
クシャフトのピンジャーナル部をミーリング加工する方
式である。この際、加工軸部のショルダー面(ジャーナ
ル側面)はカッタの幅方向に突出したチップの刃先で面
加工されるが、カッタ自身が回転しているので、譬えカ
ッタを軸方向に移動させたとしても、ショルダー面と軸
外径面とが交わるコーナ部において、軸方向に入り込ん
だ、いわゆるアンダーカットされた溝の加工は困難であ
る。クランクシャフトは、ピンジャーナルの幅方向の両
端に研磨逃げ、またはディープロールの前加工としてR
溝加工を行う際、軸方向に入り込んだ、アンダーカット
された溝を必要とするケースが多々あるが、上記説明の
理由から、ミーリングカッタによる加工ではこのアンダ
ーカット溝加工ができない。よって、クランクシャフト
ミラーとは別の機械による旋削工程を追加する必要が生
じている。
【0012】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、チャックの構造が簡易で、ワークの回転
バランスの影響を受けず、精度良くピンジャーナル部の
旋削加工が行えるクランクシャフトの旋削加工装置及び
その旋削加工方法を提供することを目的としている。
たものであり、チャックの構造が簡易で、ワークの回転
バランスの影響を受けず、精度良くピンジャーナル部の
旋削加工が行えるクランクシャフトの旋削加工装置及び
その旋削加工方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1発明は、クランクシャフトの
旋削加工装置において、クランクシャフトの少なくとも
その一端側を支持する支持手段と、前記支持手段の少な
くとも一端側からクランクシャフトをそのメインジャー
ナルの軸であるC軸回りにNC制御により回転させ、ク
ランクシャフトのピンジャーナルを回転駆動するC軸回
転駆動装置と、前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC
制御によりX軸方向に直線駆動される少なくとも1基の
刃具駆動ユニットと、前記刃具駆動ユニットに設けら
れ、前記C軸方向に略平行なα軸回りにNC制御により
揺動自在に駆動される揺動型刃物台と、前記C軸回転に
同期させて、前記揺動型刃物台上に設置した工具の刃先
位置を、前記C軸に直角方向の面上で、前記X軸と前記
α軸とのNC制御によりクランク運動をさせ、前記ピン
ジャーナルの旋削加工を制御する制御ユニットとを備え
た構成としている。
的を達成するために、第1発明は、クランクシャフトの
旋削加工装置において、クランクシャフトの少なくとも
その一端側を支持する支持手段と、前記支持手段の少な
くとも一端側からクランクシャフトをそのメインジャー
ナルの軸であるC軸回りにNC制御により回転させ、ク
ランクシャフトのピンジャーナルを回転駆動するC軸回
転駆動装置と、前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC
制御によりX軸方向に直線駆動される少なくとも1基の
刃具駆動ユニットと、前記刃具駆動ユニットに設けら
れ、前記C軸方向に略平行なα軸回りにNC制御により
揺動自在に駆動される揺動型刃物台と、前記C軸回転に
同期させて、前記揺動型刃物台上に設置した工具の刃先
位置を、前記C軸に直角方向の面上で、前記X軸と前記
α軸とのNC制御によりクランク運動をさせ、前記ピン
ジャーナルの旋削加工を制御する制御ユニットとを備え
た構成としている。
【0014】また第6発明は、クランクシャフトの旋削
加工方法において、クランクシャフトの少なくとも一端
側を支持し、少なくともその一端側からクランクシャフ
トをC軸回転駆動装置により、メインジャーナルのC軸
回りにNC制御により回転させ、揺動型刃物台上に設け
た工具の刃先位置を、クランクシャフトのピンジャーナ
ルの前記C軸回りの回転に同期させて、C軸に直角なX
軸方向のNC制御による移動と、C軸方向に略平行なα
軸回りのNC制御による揺動とで、クランク運動させな
がら、前記X軸方向又は前記α軸方向にNC制御による
切削送りをかけて、前記ピンジャーナルの旋削加工を行
なう方法としている。
加工方法において、クランクシャフトの少なくとも一端
側を支持し、少なくともその一端側からクランクシャフ
トをC軸回転駆動装置により、メインジャーナルのC軸
回りにNC制御により回転させ、揺動型刃物台上に設け
た工具の刃先位置を、クランクシャフトのピンジャーナ
ルの前記C軸回りの回転に同期させて、C軸に直角なX
軸方向のNC制御による移動と、C軸方向に略平行なα
軸回りのNC制御による揺動とで、クランク運動させな
がら、前記X軸方向又は前記α軸方向にNC制御による
切削送りをかけて、前記ピンジャーナルの旋削加工を行
なう方法としている。
【0015】この第1発明又は第6発明によると、
(1)クランクシャフトをそのメインジャーナルの軸を中
心として回転させるため、クランクシャフト自身の回転
アンバランス量が無いのは勿論のこと、これを支えるチ
ャックは簡素な構造となり、このチャックでの回転時の
アンバランス量の発生は極めて少なくできる。従って、
加工時に、従来のように回転アンバランスの影響を受
け、有害な回転時のワーク変位、ワークまたは機機系の
振動などが発生して良好な加工精度が得られない、とい
った不具合は起こらない。 (2)また、長尺軸物を回転させて加工する場合、重切削
を可能とするため、又は良好な仕上げ加工精度を得るた
めには、ワークをその両端で支持するのに加えて、軸方
向中央近傍で、少なくとも1個所の同一回転中心をもつ
軸部位を補助サポート(レスト)することにより、切削
負荷に抗するワークの曲げ剛性を上げることが極めて有
効であるが、本第1発明または第6発明では、クランク
シャフトをそのメインジャーナルの軸を中心として回転
させるため、この回転中心を共有し、ワーク長手中央近
傍に位置する何れかのメインジャーナル外径部を補助サ
ポート(レスト)できる。よって、重切削が可能とな
り、また良好な仕上げ加工精度が期待できる。 (3)本発明においては、前述の従来技術のように、1/
2ストローク変換、ピンジャーナル位相割出し、アンバ
ランス量の自動キャンセルなどをチャック内で行う必要
がなく、チャックの構造が非常に簡素化され、その製作
コストは安価ですむ。また、チャックは、クランプ機能
以外の機能は必要なく、内蔵している油圧アクチュエー
タの数も少なく、構造が非常にシンプルなことから、故
障、寿命などに問題が極めて少なく、加えて、油圧アク
チュエータへ給油する管路が少なくてすむことから、油
圧回転ジョイントは少なく、そのシール部位からの油漏
れの懸念がなくなる。 (4)さらに、C軸回転に同期させた、X軸方向のNC制
御の移動とα軸回りのNC制御の揺動移動との制御によ
り、ピンジャーナルの位相または1/2ストロークの異
なるワークに対しても、その段取り換えは、簡易かつフ
レキシブルに対応が可能となる。
心として回転させるため、クランクシャフト自身の回転
アンバランス量が無いのは勿論のこと、これを支えるチ
ャックは簡素な構造となり、このチャックでの回転時の
アンバランス量の発生は極めて少なくできる。従って、
加工時に、従来のように回転アンバランスの影響を受
け、有害な回転時のワーク変位、ワークまたは機機系の
振動などが発生して良好な加工精度が得られない、とい
った不具合は起こらない。 (2)また、長尺軸物を回転させて加工する場合、重切削
を可能とするため、又は良好な仕上げ加工精度を得るた
めには、ワークをその両端で支持するのに加えて、軸方
向中央近傍で、少なくとも1個所の同一回転中心をもつ
軸部位を補助サポート(レスト)することにより、切削
負荷に抗するワークの曲げ剛性を上げることが極めて有
効であるが、本第1発明または第6発明では、クランク
シャフトをそのメインジャーナルの軸を中心として回転
させるため、この回転中心を共有し、ワーク長手中央近
傍に位置する何れかのメインジャーナル外径部を補助サ
ポート(レスト)できる。よって、重切削が可能とな
り、また良好な仕上げ加工精度が期待できる。 (3)本発明においては、前述の従来技術のように、1/
2ストローク変換、ピンジャーナル位相割出し、アンバ
ランス量の自動キャンセルなどをチャック内で行う必要
がなく、チャックの構造が非常に簡素化され、その製作
コストは安価ですむ。また、チャックは、クランプ機能
以外の機能は必要なく、内蔵している油圧アクチュエー
タの数も少なく、構造が非常にシンプルなことから、故
障、寿命などに問題が極めて少なく、加えて、油圧アク
チュエータへ給油する管路が少なくてすむことから、油
圧回転ジョイントは少なく、そのシール部位からの油漏
れの懸念がなくなる。 (4)さらに、C軸回転に同期させた、X軸方向のNC制
御の移動とα軸回りのNC制御の揺動移動との制御によ
り、ピンジャーナルの位相または1/2ストロークの異
なるワークに対しても、その段取り換えは、簡易かつフ
レキシブルに対応が可能となる。
【0016】また第2発明は、クランクシャフトの旋削
加工装置において、クランクシャフトの少なくともその
一端側を支持する支持手段と、前記支持手段の少なくと
も一端側からクランクシャフトをそのメインジャーナル
の軸であるC軸回りにNC制御により回転させ、クラン
クシャフトのピンジャーナルを回転駆動するC軸回転駆
動装置と、前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC制御
によりX軸方向に直線移動される少なくとも1基の刃具
駆動ユニットと、前記刃具駆動ユニットに設けられ、前
記C軸方向に略直角で、かつ前記X軸方向に略直角なY
軸方向に、NC制御により直線駆動される直線移動型刃
物台と、前記C軸回転に同期させて、前記直線移動型刃
物台上に設置した工具の刃先位置を、前記C軸に直角方
向の面上で、前記X軸と前記Y軸とのNC制御によりク
ランク運動をさせ、前記ピンジャーナルの旋削加工を制
御する制御ユニットとを備えた構成としている。
加工装置において、クランクシャフトの少なくともその
一端側を支持する支持手段と、前記支持手段の少なくと
も一端側からクランクシャフトをそのメインジャーナル
の軸であるC軸回りにNC制御により回転させ、クラン
クシャフトのピンジャーナルを回転駆動するC軸回転駆
動装置と、前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC制御
によりX軸方向に直線移動される少なくとも1基の刃具
駆動ユニットと、前記刃具駆動ユニットに設けられ、前
記C軸方向に略直角で、かつ前記X軸方向に略直角なY
軸方向に、NC制御により直線駆動される直線移動型刃
物台と、前記C軸回転に同期させて、前記直線移動型刃
物台上に設置した工具の刃先位置を、前記C軸に直角方
向の面上で、前記X軸と前記Y軸とのNC制御によりク
ランク運動をさせ、前記ピンジャーナルの旋削加工を制
御する制御ユニットとを備えた構成としている。
【0017】そして第7発明は、クランクシャフトの旋
削加工方法において、クランクシャフトの少なくとも一
端側を支持し、少なくともその一端側からクランクシャ
フトをC軸回転駆動装置により、メインジャーナルのC
軸回りにNC制御により回転させ、直線移動型刃物台上
に設けた工具の刃先位置を、クランクシャフトのピンジ
ャーナルの前記C軸回りの回転に同期させて、C軸に直
角なX軸方向のNC制御による移動と、C軸方向に略直
角で、かつX軸方向に略直角なY軸のNC制御による移
動とで、クランク運動させながら、前記X軸方向又は前
記Y軸方向にNC制御による切削送りをかけて、前記ピ
ンジャーナルの旋削加工を行なう方法としている。
削加工方法において、クランクシャフトの少なくとも一
端側を支持し、少なくともその一端側からクランクシャ
フトをC軸回転駆動装置により、メインジャーナルのC
軸回りにNC制御により回転させ、直線移動型刃物台上
に設けた工具の刃先位置を、クランクシャフトのピンジ
ャーナルの前記C軸回りの回転に同期させて、C軸に直
角なX軸方向のNC制御による移動と、C軸方向に略直
角で、かつX軸方向に略直角なY軸のNC制御による移
動とで、クランク運動させながら、前記X軸方向又は前
記Y軸方向にNC制御による切削送りをかけて、前記ピ
ンジャーナルの旋削加工を行なう方法としている。
【0018】第2発明又は第7発明によると、前述し
た、第1発明又は第6発明による(1)〜(3)の効果に加え
て、C軸回転に同期させたX軸方向のNC制御の移動と
Y軸方向のNC制御の移動との制御により、ピンジャー
ナルの位相又は1/2ストロークの異なるワークに対し
ても、その段取り換えは、簡易かつフレキシブルに対応
が可能となる。
た、第1発明又は第6発明による(1)〜(3)の効果に加え
て、C軸回転に同期させたX軸方向のNC制御の移動と
Y軸方向のNC制御の移動との制御により、ピンジャー
ナルの位相又は1/2ストロークの異なるワークに対し
ても、その段取り換えは、簡易かつフレキシブルに対応
が可能となる。
【0019】また第3発明は、前記制御ユニットは、前
記C軸回転に同期させて、X軸及び/又はα軸のNC制
御値を補正し、ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差
を修正することを特徴とする、第1発明記載のクランク
シャフトの旋削加工装置としている。
記C軸回転に同期させて、X軸及び/又はα軸のNC制
御値を補正し、ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差
を修正することを特徴とする、第1発明記載のクランク
シャフトの旋削加工装置としている。
【0020】そして第8発明は、前記C軸回りの回転に
同期させて、前記X軸及び/又は前記α軸のNC制御値
を補正することにより、前記ピンジャーナル(2)の真円
度の加工誤差を修正することを特徴とする、第6発明記
載のクランクシャフトの旋削加工方法としている。
同期させて、前記X軸及び/又は前記α軸のNC制御値
を補正することにより、前記ピンジャーナル(2)の真円
度の加工誤差を修正することを特徴とする、第6発明記
載のクランクシャフトの旋削加工方法としている。
【0021】ピンジャーナル部の真円度は、クランクシ
ャフトのアンバランス、ピンジャーナルの位相違いによ
る剛性の違いなどの影響により、若干の加工誤差が生じ
るのは止むを得ないが、上記第3発明又は第8発明によ
ると、C軸回転に同期させて、X軸及び/又はα軸のN
C制御値を補正するだけで、その加工誤差をワーク毎に
容易に修正することができ、しかも加工精度を格段に向
上できる。
ャフトのアンバランス、ピンジャーナルの位相違いによ
る剛性の違いなどの影響により、若干の加工誤差が生じ
るのは止むを得ないが、上記第3発明又は第8発明によ
ると、C軸回転に同期させて、X軸及び/又はα軸のN
C制御値を補正するだけで、その加工誤差をワーク毎に
容易に修正することができ、しかも加工精度を格段に向
上できる。
【0022】また第4発明は、前記制御ユニットは、前
記C軸回転に同期させて、X軸及び/又はY軸のNC制
御値を補正し、ピンジャーナルの真円度の加工誤差を修
正することを特徴とする、第2発明記載のクランクシャ
フトの旋削加工装置としている。
記C軸回転に同期させて、X軸及び/又はY軸のNC制
御値を補正し、ピンジャーナルの真円度の加工誤差を修
正することを特徴とする、第2発明記載のクランクシャ
フトの旋削加工装置としている。
【0023】そして第9発明は、前記C軸回りの回転に
同期させて、前記X軸及び/又は前記Y軸のNC制御値
を補正することにより、前記ピンジャーナルの真円度の
加工誤差を修正することを特徴とする、第7発明記載の
クランクシャフトの旋削加工方法としている。
同期させて、前記X軸及び/又は前記Y軸のNC制御値
を補正することにより、前記ピンジャーナルの真円度の
加工誤差を修正することを特徴とする、第7発明記載の
クランクシャフトの旋削加工方法としている。
【0024】第4発明又は第9発明によると、クランク
シャフトのアンバランス、ピンジャーナルの位相違いに
よる剛性の違いなどの影響により生じるピンジャーナル
部の真円度の加工誤差を、C軸回転に同期させてX軸及
び/又はY軸のNC制御値を補正するだけで、ワーク毎
に容易に修正することができ、しかも加工精度を格段に
向上できる。
シャフトのアンバランス、ピンジャーナルの位相違いに
よる剛性の違いなどの影響により生じるピンジャーナル
部の真円度の加工誤差を、C軸回転に同期させてX軸及
び/又はY軸のNC制御値を補正するだけで、ワーク毎
に容易に修正することができ、しかも加工精度を格段に
向上できる。
【0025】そして第5発明は、前記刃具駆動ユニット
は、前記C軸に対し平行なZ軸の方向に、NC制御によ
り駆動されることを特徴とする、第1発明又は第2発明
に記載のクランクシャフトの旋削加工装置としている。
は、前記C軸に対し平行なZ軸の方向に、NC制御によ
り駆動されることを特徴とする、第1発明又は第2発明
に記載のクランクシャフトの旋削加工装置としている。
【0026】第5発明によると、刃具駆動ユニットが、
前記C軸に対し平行なZ軸の方向にNC制御により駆動
制御されるので、工具の刃先位置は,クランクシャフト
のC軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、
複数のピンジャーナルを有するクランクシャフトにおい
て、同位相は勿論のこと位相の異なるピンジャーナルに
関しても、その各々のピンジャーナルの加工が可能とな
る。また、種々のピンジャーナル位相を持つクランクシ
ャフトに対応可能となり、その加工のフレキシビリティ
が増す。さらに、Z軸を備えたことから、工具の刃先位
置は,クランクシャフトのC軸方向に任意の位置に移動
又は位置決めができると共に、X軸移動を備えているこ
とから、C軸に同期してZ軸及びX軸で円弧補間制御を
行なうことにより、ピンジャーナル幅方向の両端部に、
R溝加工、特にC軸方向に入り込んだ、即ちアンダーカ
ットされたR溝の加工が容易にできる。
前記C軸に対し平行なZ軸の方向にNC制御により駆動
制御されるので、工具の刃先位置は,クランクシャフト
のC軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、
複数のピンジャーナルを有するクランクシャフトにおい
て、同位相は勿論のこと位相の異なるピンジャーナルに
関しても、その各々のピンジャーナルの加工が可能とな
る。また、種々のピンジャーナル位相を持つクランクシ
ャフトに対応可能となり、その加工のフレキシビリティ
が増す。さらに、Z軸を備えたことから、工具の刃先位
置は,クランクシャフトのC軸方向に任意の位置に移動
又は位置決めができると共に、X軸移動を備えているこ
とから、C軸に同期してZ軸及びX軸で円弧補間制御を
行なうことにより、ピンジャーナル幅方向の両端部に、
R溝加工、特にC軸方向に入り込んだ、即ちアンダーカ
ットされたR溝の加工が容易にできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施形態を説明する。先ず、図1,図2,図6および図
7により第1実施形態を説明する。ここに、図1は本発
明の、第1実施形態に係るクランクシャフト旋削加工機
の斜視図であり、図2は第1実施形態の刃具の駆動方式
説明図であり、図6は本願発明に係るクランクシャフト
のアンダーカットR溝形状加工の説明図であり、そし
て、図7は本願発明に係るクランクシャフトR溝の任意
形状加工の説明図である。
実施形態を説明する。先ず、図1,図2,図6および図
7により第1実施形態を説明する。ここに、図1は本発
明の、第1実施形態に係るクランクシャフト旋削加工機
の斜視図であり、図2は第1実施形態の刃具の駆動方式
説明図であり、図6は本願発明に係るクランクシャフト
のアンダーカットR溝形状加工の説明図であり、そし
て、図7は本願発明に係るクランクシャフトR溝の任意
形状加工の説明図である。
【0028】図1により、本発明に係る第1実施形態の
クランクシャフト旋削加工機の概略を説明する。ベッド
60上の前面の左右両端部には、加工すべきクランクシ
ャフト1(以下、ワークと呼ぶ)の両端部を支持し、C
軸回転駆動モータ23,23により回転駆動される2基
のC軸回転駆動装置20,20が設けられており、これ
ら両C軸回転駆動装置20,20の互いに対向する面に
は、ワーク1の両端部を支持するための、チャック三つ
爪21b,21b及びチャック21a,21aを有する
支持手段21,21がそれぞれ設けられている。2基の
C軸回転駆動装置20,20は両支持手段21,21間
の間隔をワーク1の長さに合わせるため、ベッド60上
に図示の左右方向に設けたレール25に沿って移動自在
に設けられている。
クランクシャフト旋削加工機の概略を説明する。ベッド
60上の前面の左右両端部には、加工すべきクランクシ
ャフト1(以下、ワークと呼ぶ)の両端部を支持し、C
軸回転駆動モータ23,23により回転駆動される2基
のC軸回転駆動装置20,20が設けられており、これ
ら両C軸回転駆動装置20,20の互いに対向する面に
は、ワーク1の両端部を支持するための、チャック三つ
爪21b,21b及びチャック21a,21aを有する
支持手段21,21がそれぞれ設けられている。2基の
C軸回転駆動装置20,20は両支持手段21,21間
の間隔をワーク1の長さに合わせるため、ベッド60上
に図示の左右方向に設けたレール25に沿って移動自在
に設けられている。
【0029】また、両支持手段21,21の間には補助
サポータ24を設けており、この補助サポータ24に
は、前記レール25上に移動自在に、かつワーク1の中
央部近傍のメインジャーナル3の位置に位置決め自在に
設けられた補助サポータ本体24aと、この補助サポー
タ本体24aの上部に具備され、図示しない求心クラン
プにより、前記ワーク1の中央部近傍のメインジャーナ
ル3を補助サポートする補助サポータ爪24bとを備え
ている。そして、両支持手段21,21及びワーク1の
後方には、左右2基の刃具駆動ユニット30a,30a
が設置されており、これら2基の刃具駆動ユニット30
a,30aは、ワーク1の軸方向(C軸方向)のZ軸と
軸直角方向(図示の前後方向)のX軸とにそれぞれ移動
自在なZ軸スライド42,42とX軸スライド41,4
1とを有するサドル40,40上にそれぞれ載置されて
いる。また、2基の刃具駆動ユニット30a,30aの
Z軸方向に対向する面側には、それぞれ工具31a,3
1aを着脱可能に装着した揺動型刃物台32a,32a
が揺動自在に設けられている。そして、この揺動型刃物
台32a,32aは、歯車箱37,37内の(図示しな
い)減速歯車を介して、α軸揺動モータ33a,33a
により、C軸方向に平行に設けられた刃具駆動主軸3
3,33の軸心であるα軸の回りに揺動自在及び回転位
置決め自在にNC駆動される構成としている。
サポータ24を設けており、この補助サポータ24に
は、前記レール25上に移動自在に、かつワーク1の中
央部近傍のメインジャーナル3の位置に位置決め自在に
設けられた補助サポータ本体24aと、この補助サポー
タ本体24aの上部に具備され、図示しない求心クラン
プにより、前記ワーク1の中央部近傍のメインジャーナ
ル3を補助サポートする補助サポータ爪24bとを備え
ている。そして、両支持手段21,21及びワーク1の
後方には、左右2基の刃具駆動ユニット30a,30a
が設置されており、これら2基の刃具駆動ユニット30
a,30aは、ワーク1の軸方向(C軸方向)のZ軸と
軸直角方向(図示の前後方向)のX軸とにそれぞれ移動
自在なZ軸スライド42,42とX軸スライド41,4
1とを有するサドル40,40上にそれぞれ載置されて
いる。また、2基の刃具駆動ユニット30a,30aの
Z軸方向に対向する面側には、それぞれ工具31a,3
1aを着脱可能に装着した揺動型刃物台32a,32a
が揺動自在に設けられている。そして、この揺動型刃物
台32a,32aは、歯車箱37,37内の(図示しな
い)減速歯車を介して、α軸揺動モータ33a,33a
により、C軸方向に平行に設けられた刃具駆動主軸3
3,33の軸心であるα軸の回りに揺動自在及び回転位
置決め自在にNC駆動される構成としている。
【0030】以上本発明に係る第1実施形態のクランク
シャフト旋削加工機は、左右に、それぞれの揺動型刃物
台32aを具備した2頭の刃具駆動ユニット30a,3
0aを設けた構成としたが、これを左右の何れか1頭の
刃具駆動ユニットを備えた構成としてもなんら差し支え
ない。また、ワーク1の支持手段21は、ワーク1の両
端を支持する両端支持、かつ両端で駆動する両端駆動と
したが、これをワーク1の一端側支持および片側駆動と
して他端側をテールストックによるセンタ支持とする方
式も考えられる。また、短いワーク1の場合、一端側片
持支持および片側駆動のみの方式も考えられる。
シャフト旋削加工機は、左右に、それぞれの揺動型刃物
台32aを具備した2頭の刃具駆動ユニット30a,3
0aを設けた構成としたが、これを左右の何れか1頭の
刃具駆動ユニットを備えた構成としてもなんら差し支え
ない。また、ワーク1の支持手段21は、ワーク1の両
端を支持する両端支持、かつ両端で駆動する両端駆動と
したが、これをワーク1の一端側支持および片側駆動と
して他端側をテールストックによるセンタ支持とする方
式も考えられる。また、短いワーク1の場合、一端側片
持支持および片側駆動のみの方式も考えられる。
【0031】さらに本機には、上記揺動型刃物台32a
上に設置した工具31aの刃先位置を、C軸回転駆動装
置20に設けられ、かつNC制御で駆動されたC軸回転
駆動モータ23による、ワーク1のC軸回転に同期制御
し、C軸(クランクシャフト軸)に直角方向の面上で、
X軸駆動モータ41aとα軸駆動モータ33aとにより
それぞれ駆動されるX軸とα軸とのNC制御によりクラ
ンク運動させて、前記ピンジャーナル部の旋削加工を行
なうための(図示しない)制御ユニットを備えている。
上に設置した工具31aの刃先位置を、C軸回転駆動装
置20に設けられ、かつNC制御で駆動されたC軸回転
駆動モータ23による、ワーク1のC軸回転に同期制御
し、C軸(クランクシャフト軸)に直角方向の面上で、
X軸駆動モータ41aとα軸駆動モータ33aとにより
それぞれ駆動されるX軸とα軸とのNC制御によりクラ
ンク運動させて、前記ピンジャーナル部の旋削加工を行
なうための(図示しない)制御ユニットを備えている。
【0032】そして、この制御ユニットには、左右の回
転駆動モータ23,23によるワーク1の回転の際に、
ワーク1にトルク変動によるねじり変位が生じないよ
う、それぞれの回転駆動モータ23、23を同期回転さ
せるため、回転同期制御機能を備えている。
転駆動モータ23,23によるワーク1の回転の際に、
ワーク1にトルク変動によるねじり変位が生じないよ
う、それぞれの回転駆動モータ23、23を同期回転さ
せるため、回転同期制御機能を備えている。
【0033】次に、図2,図6,図7により第1実施形
態の構成によるクランクシャフト旋削加工機の作動を説
明する。 (1)先ず、ワーク1を加工前に、クランクシャフト旋削
加工機の制御ユニットに、例えばワーク1の全長、ピン
ジャーナル2の、長手方向位置(Z軸位置)、1/2ス
トローク(図2におけるE寸法)、半径(図2におけるr
寸法)、位相(図2におけるθ角度)、及び揺動型刃物
台32aの回転中心(α軸中心)から工具刃先位置31
までの距離(図2におけるR寸法)などのワーク1の諸元
値を入力設定する。また、クランクシャフト旋削加工機
の他の事前設定として、2基のC軸回転駆動装置20,
20をレール25の上を移動させることにより、左右の
支持手段21,21間の間隔をワーク1の長さに合わせ
ておく。さらに、支持手段21,21の位置設定に加え
て、これら両支持手段21,21の間に設けた補助サポ
ータ24をレール25上を移動させて、ワーク1の中央
部近傍で所定のメインジャーナル3の位置に移動し、補
助サポータ爪24bのクランプ準備をしておく。
態の構成によるクランクシャフト旋削加工機の作動を説
明する。 (1)先ず、ワーク1を加工前に、クランクシャフト旋削
加工機の制御ユニットに、例えばワーク1の全長、ピン
ジャーナル2の、長手方向位置(Z軸位置)、1/2ス
トローク(図2におけるE寸法)、半径(図2におけるr
寸法)、位相(図2におけるθ角度)、及び揺動型刃物
台32aの回転中心(α軸中心)から工具刃先位置31
までの距離(図2におけるR寸法)などのワーク1の諸元
値を入力設定する。また、クランクシャフト旋削加工機
の他の事前設定として、2基のC軸回転駆動装置20,
20をレール25の上を移動させることにより、左右の
支持手段21,21間の間隔をワーク1の長さに合わせ
ておく。さらに、支持手段21,21の位置設定に加え
て、これら両支持手段21,21の間に設けた補助サポ
ータ24をレール25上を移動させて、ワーク1の中央
部近傍で所定のメインジャーナル3の位置に移動し、補
助サポータ爪24bのクランプ準備をしておく。
【0034】(2)次に、加工対象ワーク1を、クランク
シャフト旋削加工機の両側の支持手段21,21間に搬
入し、それぞれのチャック三つ爪21b,21bで、ワ
ーク1の両端のメインジャーナル部を把持すると共に、
ピンジャーナル2のC軸の回転角度位相(θ角度)を、
C軸回転駆動装置20で所定の位相原点に位置決めす
る。そして、補助サポータ24の補助サポータ爪24b
でワーク1の中央部近傍のメインジャーナル3を把持す
ることにより補助サポートし、切削負荷に抗するワーク
の曲げ剛性を上げる。
シャフト旋削加工機の両側の支持手段21,21間に搬
入し、それぞれのチャック三つ爪21b,21bで、ワ
ーク1の両端のメインジャーナル部を把持すると共に、
ピンジャーナル2のC軸の回転角度位相(θ角度)を、
C軸回転駆動装置20で所定の位相原点に位置決めす
る。そして、補助サポータ24の補助サポータ爪24b
でワーク1の中央部近傍のメインジャーナル3を把持す
ることにより補助サポートし、切削負荷に抗するワーク
の曲げ剛性を上げる。
【0035】ピンジャーナル旋削加工における従来の技
術では、クランクシャフトをピンジャーナルの軸を中心
として回転させるため、その加工部位の近傍には回転中
心を共有する軸部が無く、補助サポート(レスト)でき
なかったが、本発明では、ワーク1をメインジャーナル
3の軸を中心として回転(C軸回転)させるため、ワー
ク1の中央部近傍のメインジャーナル3を把持して補助
サポート(レスト)できる。よって、重切削が可能とな
り、また良好な仕上げ加工精度が得られる。
術では、クランクシャフトをピンジャーナルの軸を中心
として回転させるため、その加工部位の近傍には回転中
心を共有する軸部が無く、補助サポート(レスト)でき
なかったが、本発明では、ワーク1をメインジャーナル
3の軸を中心として回転(C軸回転)させるため、ワー
ク1の中央部近傍のメインジャーナル3を把持して補助
サポート(レスト)できる。よって、重切削が可能とな
り、また良好な仕上げ加工精度が得られる。
【0036】(3)続いて、ワーク1の旋削工程に入る
が、まず、本機の作動メカニズムを図2により説明す
る。図2において、ワーク1は、C軸回転駆動モータ2
3によりそのメインジャーナル3の中心O1(C軸)回
りに回転され、加工対象であるワーク1のピンジャーナ
ル2はその中心O2がC軸から偏芯量Eだけ隔たった状
態で、C軸を中心に回転される。一方、工具31aの工
具刃先位置31(加工時のピンジャーナル2との当接位
置)は、α軸揺動モータ33aにより、工具31aを装
着した揺動型刃物台32aを、C軸方向に略平行な刃具
駆動主軸33の軸心のα軸回りに、歯車箱37内の減速
歯車を介し、NC制御により揺動されたα軸揺動と、工
具31aを載置され、かつX軸駆動モータ41aにより
NC制御で駆動されたX軸スライドのX軸移動とのNC
同時制御を行うことにより、C軸回転によるピンジャー
ナル2のクランク回転と同期してクランク運動される。
このとき、ワーク1のピンジャーナル2の1/2ストロ
ーク;E、ピンジャーナル2の半径;r、ピンジャーナ
ル2のC軸回りの回転角;θ、揺動型刃物台32aの回
転中心(α軸中心)から工具刃先位置31までの距離;
R、揺動型刃物台32aのα軸回りの回転角;α、ワー
ク1のメインジャーナル3の中心O1と揺動型刃物台3
2aの回転中心(α軸中心)との間のX軸方向距離;
X、とした場合、工具刃先位置31は α=sin−1((Esinθ)/(r+R)) (1)式 X=Ecosθ+√((r+R)2−E2sin2θ) (2)式 の関係式で表せる。
が、まず、本機の作動メカニズムを図2により説明す
る。図2において、ワーク1は、C軸回転駆動モータ2
3によりそのメインジャーナル3の中心O1(C軸)回
りに回転され、加工対象であるワーク1のピンジャーナ
ル2はその中心O2がC軸から偏芯量Eだけ隔たった状
態で、C軸を中心に回転される。一方、工具31aの工
具刃先位置31(加工時のピンジャーナル2との当接位
置)は、α軸揺動モータ33aにより、工具31aを装
着した揺動型刃物台32aを、C軸方向に略平行な刃具
駆動主軸33の軸心のα軸回りに、歯車箱37内の減速
歯車を介し、NC制御により揺動されたα軸揺動と、工
具31aを載置され、かつX軸駆動モータ41aにより
NC制御で駆動されたX軸スライドのX軸移動とのNC
同時制御を行うことにより、C軸回転によるピンジャー
ナル2のクランク回転と同期してクランク運動される。
このとき、ワーク1のピンジャーナル2の1/2ストロ
ーク;E、ピンジャーナル2の半径;r、ピンジャーナ
ル2のC軸回りの回転角;θ、揺動型刃物台32aの回
転中心(α軸中心)から工具刃先位置31までの距離;
R、揺動型刃物台32aのα軸回りの回転角;α、ワー
ク1のメインジャーナル3の中心O1と揺動型刃物台3
2aの回転中心(α軸中心)との間のX軸方向距離;
X、とした場合、工具刃先位置31は α=sin−1((Esinθ)/(r+R)) (1)式 X=Ecosθ+√((r+R)2−E2sin2θ) (2)式 の関係式で表せる。
【0037】そして、円筒加工(ピンジャーナル2の外
径加工)を、その径方向の切削送りにより旋削加工する
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたα揺動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はrをr+Δr(Δrはrの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このr+ΔrにおけるΔ
rを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔr=0即
ち、r=rとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の2
rに仕上がった時点で加工を完了させる。
径加工)を、その径方向の切削送りにより旋削加工する
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたα揺動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はrをr+Δr(Δrはrの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このr+ΔrにおけるΔ
rを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔr=0即
ち、r=rとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の2
rに仕上がった時点で加工を完了させる。
【0038】また、円筒加工を、その外径部の接線方向
の切削送りにより旋削加工する、ターンブローチ加工の
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたα揺動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はαをα+Δα(Δαはαの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このα+ΔαにおけるΔ
αを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的に、Δα=0
即ち、α=αとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の
2rに仕上がった時点で加工を完了させればよい。
の切削送りにより旋削加工する、ターンブローチ加工の
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたα揺動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はαをα+Δα(Δαはαの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このα+ΔαにおけるΔ
αを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的に、Δα=0
即ち、α=αとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の
2rに仕上がった時点で加工を完了させればよい。
【0039】以上説明したように、本発明の第1実施形
態の旋削加工機によれば、ピンジャーナル2の外径加工
は上記の関係式(1)および(2)を用いて、制御ユニッ
トにより、C軸回りの回転角θにおける、α軸回りの回
転角α、及びメインジャーナル3の中心O1と揺動型刃
物台32aの回転中心(α軸中心)との間のX軸方向距
離Xをそれぞれ演算し、この得られた演算値により、C
軸、α軸、X軸の各制御軸を制御して工具刃先位置31
を所定の軌跡にクランク運動させ、ピンジャーナル2の
外径を目的とする形状に、精度良く旋削加工できる。
態の旋削加工機によれば、ピンジャーナル2の外径加工
は上記の関係式(1)および(2)を用いて、制御ユニッ
トにより、C軸回りの回転角θにおける、α軸回りの回
転角α、及びメインジャーナル3の中心O1と揺動型刃
物台32aの回転中心(α軸中心)との間のX軸方向距
離Xをそれぞれ演算し、この得られた演算値により、C
軸、α軸、X軸の各制御軸を制御して工具刃先位置31
を所定の軌跡にクランク運動させ、ピンジャーナル2の
外径を目的とする形状に、精度良く旋削加工できる。
【0040】本発明のピンジャーナルの外径加工は、メ
インジャーナル3の軸心C軸を中心とした回転のため、
回転アンバランスが殆ど無く、その影響による、有害な
回転時のワーク変位や、ワークまたは機機系の振動など
が発生して良好な加工精度が得られない、といった不具
合は起こらないものの、切削すべきピンジャーナルの外
径部が、C軸に対し偏芯(1/2ストローク分)してお
り、かつその軸方向で両端の支持位置から離れている関
係上、そのC軸の回転位相位置によってはクランクシャ
フト自体のねじり剛性及び曲げ剛性が異なり、このため
加工精度、特にその真円度において、仕上げ加工に要求
される精度を満足できない程度の誤差が生じるのは否め
ない。そこで工具補正の必要が生じるが、本願発明にお
いては、ピンジャーナル部の真円度の加工誤差を、C軸
回転に同期制御させてX軸及び/又はα軸の数値補正で
修正を行なう、制御ユニットを備えている。従って、そ
の加工誤差を、C軸回転に同期制御させてX軸及び/又
はα軸の数値を補正するだけで、譬え形状の異なるまた
は材質の異なるワークであっても、それらのワーク毎に
容易に修正を行なうことができ、高い加工精度が確保で
きる。しかも、前もってこれら補正値をデータ化してお
けば、必要に応じて、ワーク毎に自動的に補正を行なう
ことができ、そのワークの加工ラインにおいて、ワーク
のランダム流しの際も、加工精度は保証され、その生産
性を向上できる。
インジャーナル3の軸心C軸を中心とした回転のため、
回転アンバランスが殆ど無く、その影響による、有害な
回転時のワーク変位や、ワークまたは機機系の振動など
が発生して良好な加工精度が得られない、といった不具
合は起こらないものの、切削すべきピンジャーナルの外
径部が、C軸に対し偏芯(1/2ストローク分)してお
り、かつその軸方向で両端の支持位置から離れている関
係上、そのC軸の回転位相位置によってはクランクシャ
フト自体のねじり剛性及び曲げ剛性が異なり、このため
加工精度、特にその真円度において、仕上げ加工に要求
される精度を満足できない程度の誤差が生じるのは否め
ない。そこで工具補正の必要が生じるが、本願発明にお
いては、ピンジャーナル部の真円度の加工誤差を、C軸
回転に同期制御させてX軸及び/又はα軸の数値補正で
修正を行なう、制御ユニットを備えている。従って、そ
の加工誤差を、C軸回転に同期制御させてX軸及び/又
はα軸の数値を補正するだけで、譬え形状の異なるまた
は材質の異なるワークであっても、それらのワーク毎に
容易に修正を行なうことができ、高い加工精度が確保で
きる。しかも、前もってこれら補正値をデータ化してお
けば、必要に応じて、ワーク毎に自動的に補正を行なう
ことができ、そのワークの加工ラインにおいて、ワーク
のランダム流しの際も、加工精度は保証され、その生産
性を向上できる。
【0041】なお、本願発明においては、図6および図
7に示すように、C軸に同期回転しながら、X軸および
Z軸で円弧補間を行なえば、ピンジャ−ナルの幅方向の
両端部に、R形状の溝加工等が加工できる。図6によ
り、C軸の長手方向に入り込んだ、即ちアンダーカット
されたアンダーカットR溝の加工例を説明する。ワーク
1をC軸回転させて、工具31a,31b上の工具刃先
位置31をピンジャ−ナルスラスト2b面のZ軸寸法位
置に位置決めし、次にこれをX軸移動させてピンジャ−
ナルスラスト2b面を加工し、続いてX軸およびZ軸で
円弧補間を行ってアンダーカットR溝2cを加工し、続
いてX軸を工具刃先位置31がピンジャ−ナル外径2a
のX軸寸法位置になるよう位置決めし、Z軸移動により
ピンジャ−ナル外径2aの一部を加工する。これで、図
6において左半分側を加工したことになるが、残りの右
側半分は、工具31a,31bを、上記左半分側の加工
に使用した工具31a,31bと長手方向に勝手違い
(工具刃先31の位置が右側端となる)のものと、工具
の交換をして、上記と同様の加工方法により、加工済み
個所と反対側のピンジャ−ナルスラスト2b面、アンダ
ーカットR溝2cとピンジャ−ナル外径2aを順に加工
すればよい。
7に示すように、C軸に同期回転しながら、X軸および
Z軸で円弧補間を行なえば、ピンジャ−ナルの幅方向の
両端部に、R形状の溝加工等が加工できる。図6によ
り、C軸の長手方向に入り込んだ、即ちアンダーカット
されたアンダーカットR溝の加工例を説明する。ワーク
1をC軸回転させて、工具31a,31b上の工具刃先
位置31をピンジャ−ナルスラスト2b面のZ軸寸法位
置に位置決めし、次にこれをX軸移動させてピンジャ−
ナルスラスト2b面を加工し、続いてX軸およびZ軸で
円弧補間を行ってアンダーカットR溝2cを加工し、続
いてX軸を工具刃先位置31がピンジャ−ナル外径2a
のX軸寸法位置になるよう位置決めし、Z軸移動により
ピンジャ−ナル外径2aの一部を加工する。これで、図
6において左半分側を加工したことになるが、残りの右
側半分は、工具31a,31bを、上記左半分側の加工
に使用した工具31a,31bと長手方向に勝手違い
(工具刃先31の位置が右側端となる)のものと、工具
の交換をして、上記と同様の加工方法により、加工済み
個所と反対側のピンジャ−ナルスラスト2b面、アンダ
ーカットR溝2cとピンジャ−ナル外径2aを順に加工
すればよい。
【0042】なお、本発明者に係るクランクシャフトR
溝の(アンダーカットを有しない)任意形状の加工にお
いても、図7に示したように、上記アンダーカットR溝
2cの加工と同様な加工方法で容易に加工可能である。
溝の(アンダーカットを有しない)任意形状の加工にお
いても、図7に示したように、上記アンダーカットR溝
2cの加工と同様な加工方法で容易に加工可能である。
【0043】高精度を要する旋削仕上げ加工において
は、その加工精度を維持するため、工具刃先が磨耗した
刃具を適時、スピーディに交換することが必須である
が、本願発明の揺動型刃物台32aには、複数の仕上げ
用の工具31aを複数設けており、加工時必要に応じ
て、この揺動型刃物台32aをα軸回りに回転位置決め
させ、これらの工具31aを適時、迅速に交換してい
る。即ち、この揺動型刃物台32aは工具の交換を主目
的とした所謂ターレット刃物台の役目も果たしている。
は、その加工精度を維持するため、工具刃先が磨耗した
刃具を適時、スピーディに交換することが必須である
が、本願発明の揺動型刃物台32aには、複数の仕上げ
用の工具31aを複数設けており、加工時必要に応じ
て、この揺動型刃物台32aをα軸回りに回転位置決め
させ、これらの工具31aを適時、迅速に交換してい
る。即ち、この揺動型刃物台32aは工具の交換を主目
的とした所謂ターレット刃物台の役目も果たしている。
【0044】次に、図3,図4,図5,図6及び図7に
より第2実施形態を説明する。ここに、図3は第2実施
形態に係るクランクシャフト旋削加工機の正面図であ
り、図4はその側面図で、図3のP−P矢視図であり、
図5は第2実施形態の刃具の駆動方式説明図である。ま
た、図6は本発明に係るクランクシャフトのアンダーカ
ットR溝形状加工の説明図であり、そして、図7は本願
発明に係るクランクシャフトR溝の任意形状加工の説明
図である。
より第2実施形態を説明する。ここに、図3は第2実施
形態に係るクランクシャフト旋削加工機の正面図であ
り、図4はその側面図で、図3のP−P矢視図であり、
図5は第2実施形態の刃具の駆動方式説明図である。ま
た、図6は本発明に係るクランクシャフトのアンダーカ
ットR溝形状加工の説明図であり、そして、図7は本願
発明に係るクランクシャフトR溝の任意形状加工の説明
図である。
【0045】図3により、本発明に係る第2実施形態の
クランクシャフト旋削加工機の概略を説明する。ベッド
60上の前面の左側端部には、加工すべきクランクシャ
フト1(以後、ワークと言う)の一端部を支持し、かつ
回転駆動モータ23により回転駆動されるC軸回転駆動
装置20が設けられており、このC軸回転駆動装置20
には、ワーク1の左側端部を支持するためのチャック三
つ爪21b及びチャック21aを有する支持手段21が
設置されている。そして、ワーク1の右側端部は、その
センタ穴をテールストック50のセンタ51により支持
されている。このテールストック50は、センタ51
と、このセンタ51を支え、C軸長手方向に移動自在に
設けたクイル52と、クイル52を挿通したクイルガイ
ド53と、センタ51をC軸長手方向に移動させるクイ
ル駆動手段54とを備えている。また、上記C軸回転駆
動装置20及びテールストック50は支持手段21とセ
ンタ51との間隔をワーク1の長さに合わせるため、レ
ール25上に移動自在に設けられている。そして、支持
手段21、テールストック50及びワーク1の後方には
刃具駆動ユニット30bが設置されており、この刃具駆
動ユニット30bは、ワーク1の軸方向(C軸方向)の
Z軸と軸直角方向のX軸とにそれぞれ移動自在なZ軸ス
ライド42とX軸スライド41とを有するサドル40上
に載置されている。また、刃具駆動ユニット30bのZ
軸方向の一面側には、工具31bをC軸方向に略直角
で、かつX軸方向に略直角な、Y軸方向に(直線方向
に)複数配置し、かつこれらを着脱可能に装着した直線
移動型刃物台32bが設けられている。そして、この直
線移動型刃物台32bは、Y軸スライド43に載置さ
れ、C軸方向に直角かつX軸方向に略直角な、Y軸方向
へ、Y軸駆動モータによりNC駆動される構成となって
いる。
クランクシャフト旋削加工機の概略を説明する。ベッド
60上の前面の左側端部には、加工すべきクランクシャ
フト1(以後、ワークと言う)の一端部を支持し、かつ
回転駆動モータ23により回転駆動されるC軸回転駆動
装置20が設けられており、このC軸回転駆動装置20
には、ワーク1の左側端部を支持するためのチャック三
つ爪21b及びチャック21aを有する支持手段21が
設置されている。そして、ワーク1の右側端部は、その
センタ穴をテールストック50のセンタ51により支持
されている。このテールストック50は、センタ51
と、このセンタ51を支え、C軸長手方向に移動自在に
設けたクイル52と、クイル52を挿通したクイルガイ
ド53と、センタ51をC軸長手方向に移動させるクイ
ル駆動手段54とを備えている。また、上記C軸回転駆
動装置20及びテールストック50は支持手段21とセ
ンタ51との間隔をワーク1の長さに合わせるため、レ
ール25上に移動自在に設けられている。そして、支持
手段21、テールストック50及びワーク1の後方には
刃具駆動ユニット30bが設置されており、この刃具駆
動ユニット30bは、ワーク1の軸方向(C軸方向)の
Z軸と軸直角方向のX軸とにそれぞれ移動自在なZ軸ス
ライド42とX軸スライド41とを有するサドル40上
に載置されている。また、刃具駆動ユニット30bのZ
軸方向の一面側には、工具31bをC軸方向に略直角
で、かつX軸方向に略直角な、Y軸方向に(直線方向
に)複数配置し、かつこれらを着脱可能に装着した直線
移動型刃物台32bが設けられている。そして、この直
線移動型刃物台32bは、Y軸スライド43に載置さ
れ、C軸方向に直角かつX軸方向に略直角な、Y軸方向
へ、Y軸駆動モータによりNC駆動される構成となって
いる。
【0046】さらに本機には、前述の第1実施形態の旋
削加工機と同様に、上記直線移動型刃物台32b上に設
置した工具31bの刃先位置31を、C軸回転駆動装置
20に設けられ、かつNC制御で駆動されるC軸回転駆
動モータ23によるワーク1のC軸回転に同期制御さ
せ、C軸(クランクシャフト軸)に直角方向の面上で、
X軸駆動モータ41aとY軸駆動モータ43aとにより
それぞれ駆動されるX軸とY軸とのNC制御によりクラ
ンク運動させ、前記ピンジャーナル部の旋削加工を行な
うための(図示しない)制御ユニットを備えている。
削加工機と同様に、上記直線移動型刃物台32b上に設
置した工具31bの刃先位置31を、C軸回転駆動装置
20に設けられ、かつNC制御で駆動されるC軸回転駆
動モータ23によるワーク1のC軸回転に同期制御さ
せ、C軸(クランクシャフト軸)に直角方向の面上で、
X軸駆動モータ41aとY軸駆動モータ43aとにより
それぞれ駆動されるX軸とY軸とのNC制御によりクラ
ンク運動させ、前記ピンジャーナル部の旋削加工を行な
うための(図示しない)制御ユニットを備えている。
【0047】上記本発明に係る第2実施形態のクランク
シャフト旋削加工機は、1頭の刃具駆動ユニット30b
に直線移動型刃物台32bを具備した構成としていた
が、これに換えて、それぞれの直線移動型刃物台を具備
した左右に2頭の刃具駆動ユニットを設けても何ら差し
支えない。また、ワーク1の支持手段21は、これをワ
ーク1の片端支持及び片側駆動とし、他端側をテールス
トック50によるセンタ支持としたが、これを、ワーク
の両端を支持する両端支持、かつ両端駆動とする方式も
考えられる。さらに、短いワーク1の場合、一端側片持
支持及び片側駆動のみの方式も考えられる。
シャフト旋削加工機は、1頭の刃具駆動ユニット30b
に直線移動型刃物台32bを具備した構成としていた
が、これに換えて、それぞれの直線移動型刃物台を具備
した左右に2頭の刃具駆動ユニットを設けても何ら差し
支えない。また、ワーク1の支持手段21は、これをワ
ーク1の片端支持及び片側駆動とし、他端側をテールス
トック50によるセンタ支持としたが、これを、ワーク
の両端を支持する両端支持、かつ両端駆動とする方式も
考えられる。さらに、短いワーク1の場合、一端側片持
支持及び片側駆動のみの方式も考えられる。
【0048】そして、第2実施形態の実施例において
は、補助サポータを採用しなかったが、本実施形態にお
いても、ワーク1をメインジャーナルの軸を中心として
回転(C軸回転)させているため、ワーク1の中央部近
傍のメインジャーナル3を把持して補助サポート(レス
ト)できる。よって、第1実施形態と同様に、補助サポ
ータを採用してもよい。こうすることにより、重切削が
可能となり、また、より良好な仕上げ加工精度が得られ
るのは勿論である。
は、補助サポータを採用しなかったが、本実施形態にお
いても、ワーク1をメインジャーナルの軸を中心として
回転(C軸回転)させているため、ワーク1の中央部近
傍のメインジャーナル3を把持して補助サポート(レス
ト)できる。よって、第1実施形態と同様に、補助サポ
ータを採用してもよい。こうすることにより、重切削が
可能となり、また、より良好な仕上げ加工精度が得られ
るのは勿論である。
【0049】次に、図3,図4,図5,図6および図7
により第2実施形態の構成によるクランクシャフト旋削
加工機の作動を説明する。 (1)先ず、ワーク1を加工前に、クランクシャフト旋削
加工機の制御ユニットに、ワーク1の諸元、例えば、ワ
ーク1の全長、ピンジャーナル2の、長手位置(Z軸位
置)、1/2ストローク(図2におけるE寸法)、半径
(図2におけるr寸法)、および位相(図2におけるθ
角度)などの値を入力設定する。また、クランクシャフ
ト旋削加工機の他の事前設定として、回転駆動装置20
とテールストック50とをレール25上を移動させるこ
とにより、支持手段21とセンタ51との間の間隔をワ
ーク1の長さに合わせておく。
により第2実施形態の構成によるクランクシャフト旋削
加工機の作動を説明する。 (1)先ず、ワーク1を加工前に、クランクシャフト旋削
加工機の制御ユニットに、ワーク1の諸元、例えば、ワ
ーク1の全長、ピンジャーナル2の、長手位置(Z軸位
置)、1/2ストローク(図2におけるE寸法)、半径
(図2におけるr寸法)、および位相(図2におけるθ
角度)などの値を入力設定する。また、クランクシャフ
ト旋削加工機の他の事前設定として、回転駆動装置20
とテールストック50とをレール25上を移動させるこ
とにより、支持手段21とセンタ51との間の間隔をワ
ーク1の長さに合わせておく。
【0050】(2)次に、加工対象ワーク1を、クラン
クシャフト旋削加工機の支持手段21とセンタ51の間
に搬入して、チャック三つ爪21bで、ワーク1の一端
側のメインジャーナル部を把持すると共に、ワーク1他
端側のセンタ穴をセンタ51で支持し、ピンジャーナル
2のC軸の回転角度位相(θ角度)をC軸回転駆動装置
20で所定の位相原点に位置決めする。
クシャフト旋削加工機の支持手段21とセンタ51の間
に搬入して、チャック三つ爪21bで、ワーク1の一端
側のメインジャーナル部を把持すると共に、ワーク1他
端側のセンタ穴をセンタ51で支持し、ピンジャーナル
2のC軸の回転角度位相(θ角度)をC軸回転駆動装置
20で所定の位相原点に位置決めする。
【0051】(3)続いて、ワーク1の旋削工程に入る
が、まず、本機の作動メカニズムを図5により説明す
る。図5において、ワーク1は、回転駆動モータ23に
よりそのメインジャーナル3の中心O1(C軸)回りに
回転され、加工対象であるワーク1のピンジャーナル2
はその中心O2がC軸から偏芯量Eだけ隔たった状態
で、C軸を中心に回転される。一方、工具31bの工具
刃先位置31(加工時のピンジャーナル2との当接位
置)は、Y軸駆動モータ43aにより、工具31bを装
着した直線移動型刃物台32bを、C軸方向に略直角か
つX軸方向に略直角な方向にNC制御で移動自在なY軸
移動と、工具31bを載置され、かつX軸駆動モータ4
1aによりNC制御で駆動されたX軸スライド41のX
軸移動とのNC同時制御により、C軸回転によるピンジ
ャーナルのクランク回転とNC同期制御させることによ
り、クランク運動される。このとき、ワーク1のピンジ
ャーナル2の1/2ストローク;E、ピンジャーナル2
の半径;r、ピンジャーナル2のC軸回りの回転角;
θ、工具刃先位置31のY軸方向距離;Y、工具刃先位
置31のX軸方向距離;X、とした場合、工具刃先位置
31は Y=Esinθ (3)式 X=Ecosθ+r (4)式 の関係式で表せる。
が、まず、本機の作動メカニズムを図5により説明す
る。図5において、ワーク1は、回転駆動モータ23に
よりそのメインジャーナル3の中心O1(C軸)回りに
回転され、加工対象であるワーク1のピンジャーナル2
はその中心O2がC軸から偏芯量Eだけ隔たった状態
で、C軸を中心に回転される。一方、工具31bの工具
刃先位置31(加工時のピンジャーナル2との当接位
置)は、Y軸駆動モータ43aにより、工具31bを装
着した直線移動型刃物台32bを、C軸方向に略直角か
つX軸方向に略直角な方向にNC制御で移動自在なY軸
移動と、工具31bを載置され、かつX軸駆動モータ4
1aによりNC制御で駆動されたX軸スライド41のX
軸移動とのNC同時制御により、C軸回転によるピンジ
ャーナルのクランク回転とNC同期制御させることによ
り、クランク運動される。このとき、ワーク1のピンジ
ャーナル2の1/2ストローク;E、ピンジャーナル2
の半径;r、ピンジャーナル2のC軸回りの回転角;
θ、工具刃先位置31のY軸方向距離;Y、工具刃先位
置31のX軸方向距離;X、とした場合、工具刃先位置
31は Y=Esinθ (3)式 X=Ecosθ+r (4)式 の関係式で表せる。
【0052】そして、円筒加工(ピンジャーナル2の外
径加工)を、その径方向の切削送りにより旋削加工する
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたY移動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はXをX+ΔX(ΔXはXの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このX+ΔXにおけるΔ
Xを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔX=0即
ち、X=Xとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の2
rに仕上がった時点で加工を完了させる。
径加工)を、その径方向の切削送りにより旋削加工する
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(1)式に基
づいたY移動と(2)式に基づいたX移動とでクランク
運動をさせながら、最初はXをX+ΔX(ΔXはXの微
少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の微
少分割回転角度Δθ毎に、順次このX+ΔXにおけるΔ
Xを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上げ
加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔX=0即
ち、X=Xとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の2
rに仕上がった時点で加工を完了させる。
【0053】また、円筒加工を、その外径部の接線方向
の切削送りにより旋削加工する、ターンブローチ加工の
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(3)式に基
づいたY移動と、(4)式に基づいたX移動とでクラン
ク運動をさせながら、最初はYをY+ΔY(ΔYはYの
微少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の
微少分割回転角度Δθ毎に、順次このY+ΔYにおける
ΔYを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上
げ加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔY=0
即ち、Y=Yとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の
2rに仕上がった時点で加工を完了させればよい。
の切削送りにより旋削加工する、ターンブローチ加工の
場合、C軸回りに回転させたワーク1の回転角θに対応
して、この加工時に工具刃先位置31を、(3)式に基
づいたY移動と、(4)式に基づいたX移動とでクラン
ク運動をさせながら、最初はYをY+ΔY(ΔYはYの
微少値であり、切削送り値である)とし、その後C軸の
微少分割回転角度Δθ毎に、順次このY+ΔYにおける
ΔYを除々に小さくすることにより、荒仕上げから仕上
げ加工になるような切削送りをかけ、最終的にΔY=0
即ち、Y=Yとなり、ピンジャーナル2の直径が所定の
2rに仕上がった時点で加工を完了させればよい。
【0054】以上説明したように、本発明の第2実施形
態の旋削加工機によれば、ピンジャーナル2の外径加工
は上記の関係式(3)および(4)を用いて、制御ユニッ
トにより、C軸回りの回転角θにおける、工具刃先位置
31のY軸方向距離Yと、工具刃先位置31のX軸方向
距離Xとを演算し、この得られた演算値により、C軸、
Y軸、X軸の各制御軸を制御して工具刃先位置31を所
定の軌跡にクランク運動させ、ピンジャーナル2の外径
を目的とする形状に、精度良く旋削加工できる。
態の旋削加工機によれば、ピンジャーナル2の外径加工
は上記の関係式(3)および(4)を用いて、制御ユニッ
トにより、C軸回りの回転角θにおける、工具刃先位置
31のY軸方向距離Yと、工具刃先位置31のX軸方向
距離Xとを演算し、この得られた演算値により、C軸、
Y軸、X軸の各制御軸を制御して工具刃先位置31を所
定の軌跡にクランク運動させ、ピンジャーナル2の外径
を目的とする形状に、精度良く旋削加工できる。
【0055】クランクシャフトのピンジャーナルの外径
加工は、切削すべきピンジャーナルの外径部が、C軸に
対し偏芯しており、かつその軸方向で両端の支持位置か
ら離れている関係上、そのC軸の回転位相位置によって
はクランクシャフト自体のねじり剛性及び曲げ剛性が異
なり、このため加工精度、特にその真円度において、仕
上げ加工に要求される精度を満足できない程度の誤差が
生じるのは否めない。そこで工具補正の必要が生じる
が、本願発明においては、ピンジャーナル部の真円度の
加工誤差を、C軸回転に同期制御させて、X軸及び/又
はY軸の数値補正で修正を行なう、制御手段を備えてい
る。従って、その加工誤差を、C軸回転に同期制御させ
てX軸及び/又はY軸の数値を補正するだけで、譬え形
状の異なるまたは材質の異なるワークであっても、それ
らのワーク毎に容易に修正を行なうことができ、高い加
工精度が確保できる。しかも、前もってこれら補正値を
データ化しておけば、必要に応じて、ワーク毎に自動的
に補正を行なうことができ、そのワークの加工ラインに
おいて、ワークのランダム流しの際も、加工精度は保証
され、その生産性を向上できるのは前述した第1実施形
態の旋削加工機の場合と同じである。
加工は、切削すべきピンジャーナルの外径部が、C軸に
対し偏芯しており、かつその軸方向で両端の支持位置か
ら離れている関係上、そのC軸の回転位相位置によって
はクランクシャフト自体のねじり剛性及び曲げ剛性が異
なり、このため加工精度、特にその真円度において、仕
上げ加工に要求される精度を満足できない程度の誤差が
生じるのは否めない。そこで工具補正の必要が生じる
が、本願発明においては、ピンジャーナル部の真円度の
加工誤差を、C軸回転に同期制御させて、X軸及び/又
はY軸の数値補正で修正を行なう、制御手段を備えてい
る。従って、その加工誤差を、C軸回転に同期制御させ
てX軸及び/又はY軸の数値を補正するだけで、譬え形
状の異なるまたは材質の異なるワークであっても、それ
らのワーク毎に容易に修正を行なうことができ、高い加
工精度が確保できる。しかも、前もってこれら補正値を
データ化しておけば、必要に応じて、ワーク毎に自動的
に補正を行なうことができ、そのワークの加工ラインに
おいて、ワークのランダム流しの際も、加工精度は保証
され、その生産性を向上できるのは前述した第1実施形
態の旋削加工機の場合と同じである。
【0056】なお、本願発明においては、図6および図
7に示すように、C軸に同期回転しながら、X軸および
Z軸で円弧補間を行なえば、第1の実施形態で説明した
加工と同様に、ピンジャ−ナルの幅方向の両端部に、C
軸の長手方向に入り込んだアンダーカットR溝の加工の
みならず、クランクシャフトR溝のアンダーカットを有
しない任意形状の加工においても、R形状の溝加工が加
工できる。
7に示すように、C軸に同期回転しながら、X軸および
Z軸で円弧補間を行なえば、第1の実施形態で説明した
加工と同様に、ピンジャ−ナルの幅方向の両端部に、C
軸の長手方向に入り込んだアンダーカットR溝の加工の
みならず、クランクシャフトR溝のアンダーカットを有
しない任意形状の加工においても、R形状の溝加工が加
工できる。
【0057】高精度を要する旋削仕上げ加工において
は、その加工精度を維持するため、工具刃先が磨耗した
刃具を適時、スピーディに交換することが必須である
が、本発明の直線移動型刃物台32bには、複数の仕上
げ用の工具31bを設けており、加工時には必要に応じ
て、この直線移動型刃物台32bを前記交換すべき仕上
げ用の工具31bのY軸位置で位置決めし、これらの工
具を適時、迅速に交換している。即ち、この直線移動型
刃物台32bは、前記切削のための移動のみならず、工
具の交換を主目的とした役目も果たしている。
は、その加工精度を維持するため、工具刃先が磨耗した
刃具を適時、スピーディに交換することが必須である
が、本発明の直線移動型刃物台32bには、複数の仕上
げ用の工具31bを設けており、加工時には必要に応じ
て、この直線移動型刃物台32bを前記交換すべき仕上
げ用の工具31bのY軸位置で位置決めし、これらの工
具を適時、迅速に交換している。即ち、この直線移動型
刃物台32bは、前記切削のための移動のみならず、工
具の交換を主目的とした役目も果たしている。
【0058】なお、本第2実施形態の旋削加工機におい
ては、Y軸スライド43上に設けた直線移動型刃物台3
2bは、これに工具31bをY軸方向に(直線方向に)
複数配置した直線型の刃物台としたが、これに限定され
ず、この刃物台は例えば、複数の工具をその円周上に配
置し、回転インデックス割出しにより工具交換可能とし
た、所謂ターレット刃物台としてもよい。
ては、Y軸スライド43上に設けた直線移動型刃物台3
2bは、これに工具31bをY軸方向に(直線方向に)
複数配置した直線型の刃物台としたが、これに限定され
ず、この刃物台は例えば、複数の工具をその円周上に配
置し、回転インデックス割出しにより工具交換可能とし
た、所謂ターレット刃物台としてもよい。
【0059】本発明は、上記実施形態の旋削加工機械の
構成により次の特有の効果が得られる。 (1)本願発明によると、クランクシャフトをそのメイン
ジャーナルの軸(C軸)を中心として回転させるため、
クランクシャフト自身の回転アンバランス量が無いのは
勿論のこと、これを支えるチャックは簡素な構造とな
り、このチャックにも回転時のアンバランス量の発生は
極めて少なくできる。従って、加工時に、従来のように
回転アンバランスの影響を受け、有害な回転時のワーク
変位、ワークまたは機機系の振動などが発生して良好な
加工精度が得られない、といった不具合は起こらない。
構成により次の特有の効果が得られる。 (1)本願発明によると、クランクシャフトをそのメイン
ジャーナルの軸(C軸)を中心として回転させるため、
クランクシャフト自身の回転アンバランス量が無いのは
勿論のこと、これを支えるチャックは簡素な構造とな
り、このチャックにも回転時のアンバランス量の発生は
極めて少なくできる。従って、加工時に、従来のように
回転アンバランスの影響を受け、有害な回転時のワーク
変位、ワークまたは機機系の振動などが発生して良好な
加工精度が得られない、といった不具合は起こらない。
【0060】(2)また、長尺軸物を回転させて加工する
場合、重切削を可能とするか、または良好な仕上げ加工
精度を得るためには、ワークをその両端で支持するのに
加えて、軸方向中央近傍で、少なくとも1個所の同一回
転中心をもつ軸部位を、補助サポート(レスト)するこ
とにより、切削負荷に抗するワークの曲げ剛性を上げる
ことが極めて有効であるが、本発明では、クランクシャ
フトをそのメインジャーナルの軸を中心として回転させ
るため、この回転中心を共有し、かつワーク長手中央近
傍に位置する何れかのメインジャーナル外径部を補助サ
ポートできる。よって、重切削が可能となり、また良好
な仕上げ加工精度が期待できる。
場合、重切削を可能とするか、または良好な仕上げ加工
精度を得るためには、ワークをその両端で支持するのに
加えて、軸方向中央近傍で、少なくとも1個所の同一回
転中心をもつ軸部位を、補助サポート(レスト)するこ
とにより、切削負荷に抗するワークの曲げ剛性を上げる
ことが極めて有効であるが、本発明では、クランクシャ
フトをそのメインジャーナルの軸を中心として回転させ
るため、この回転中心を共有し、かつワーク長手中央近
傍に位置する何れかのメインジャーナル外径部を補助サ
ポートできる。よって、重切削が可能となり、また良好
な仕上げ加工精度が期待できる。
【0061】(3)本発明においては、前述の従来技術の
ように、1/2ストローク変換、ピンジャーナル位相割
出し、アンバランス量の自動キャンセルなどをチャック
内で行う必要がなく、このためチャックの構造が非常に
簡素化され、その製作コストは安価ですむ。また、チャ
ックは、クランプ機能以外の機能は必要なく、内蔵して
いる油圧アクチュエータの数も少なく、構造が非常にシ
ンプルなことから、故障、寿命などに問題が極めて少な
く、加えて、油圧アクチュエータへ給油する管路が少な
くてすむことから、油圧回転ジョイントは少なく、その
シール部位からの油漏れの懸念がなくなる。
ように、1/2ストローク変換、ピンジャーナル位相割
出し、アンバランス量の自動キャンセルなどをチャック
内で行う必要がなく、このためチャックの構造が非常に
簡素化され、その製作コストは安価ですむ。また、チャ
ックは、クランプ機能以外の機能は必要なく、内蔵して
いる油圧アクチュエータの数も少なく、構造が非常にシ
ンプルなことから、故障、寿命などに問題が極めて少な
く、加えて、油圧アクチュエータへ給油する管路が少な
くてすむことから、油圧回転ジョイントは少なく、その
シール部位からの油漏れの懸念がなくなる。
【0062】(4)さらに、C軸回転に同期させた、X軸
方向のNC制御の移動とα軸回りのNC制御の揺動移
動、またはC軸回転に同期させた、X軸方向のNC制御
の移動とY軸方向のNC制御の移動との制御により、ピ
ンジャーナルの位相または1/2ストロークの異なるワ
ークに対しても、その段取り換えは、簡易かつフレキシ
ブルに対応が可能となる。
方向のNC制御の移動とα軸回りのNC制御の揺動移
動、またはC軸回転に同期させた、X軸方向のNC制御
の移動とY軸方向のNC制御の移動との制御により、ピ
ンジャーナルの位相または1/2ストロークの異なるワ
ークに対しても、その段取り換えは、簡易かつフレキシ
ブルに対応が可能となる。
【0063】(5)本発明によると、ピンジャーナル部の
真円度は、クランクシャフトのアンバランス、ピンジャ
ーナルの位相違いによる剛性の違いなどの影響により加
工誤差が生じるが、その加工誤差を、C軸回転に同期制
御させて、X軸及び/又はα軸の数値を補正する、ある
いはC軸回転に同期制御させて、X軸及び/又はY軸の
数値を補正するだけで、ワーク毎に容易に修正を行なう
ことができ、しかも加工精度は格段に向上する
真円度は、クランクシャフトのアンバランス、ピンジャ
ーナルの位相違いによる剛性の違いなどの影響により加
工誤差が生じるが、その加工誤差を、C軸回転に同期制
御させて、X軸及び/又はα軸の数値を補正する、ある
いはC軸回転に同期制御させて、X軸及び/又はY軸の
数値を補正するだけで、ワーク毎に容易に修正を行なう
ことができ、しかも加工精度は格段に向上する
【0064】(6)本発明によると、刃具駆動ユニット
は、前記C軸に対し平行な、NC制御によるZ軸を備え
たことから、工具の刃先位置は,クランクシャフトのC
軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、複数
のピンジャーナルを有するクランクシャフトにおいて、
同位相は勿論のこと位相の異なるピンジャーナルに関し
ても、その各々のピンジャーナルの加工が可能となる。
また、種々のピンジャーナル位相を持つクランクシャフ
トにも対応可能となり、その加工のフレキシビリティが
増す。
は、前記C軸に対し平行な、NC制御によるZ軸を備え
たことから、工具の刃先位置は,クランクシャフトのC
軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、複数
のピンジャーナルを有するクランクシャフトにおいて、
同位相は勿論のこと位相の異なるピンジャーナルに関し
ても、その各々のピンジャーナルの加工が可能となる。
また、種々のピンジャーナル位相を持つクランクシャフ
トにも対応可能となり、その加工のフレキシビリティが
増す。
【0065】(7)そして、本発明においては、Z軸を備
えたことから、工具の刃先位置は,クランクシャフトの
C軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、か
つX軸移動を備えていることから、C軸に同期してZ軸
とX軸とで円弧補間制御を行なうことにより、従来のク
ランクシャフトミラーでは加工できない、クランクシャ
フトの偏芯部のショルダー面(側面)と軸外径面とが交
わるコーナ部において、研磨逃げ、またはディープロー
ルの前加工として必要とされる任意な形状のR溝加工、
特に軸方向に入り込んだ(アンダーカットされた)R溝
の加工が容易に可能となる。
えたことから、工具の刃先位置は,クランクシャフトの
C軸方向に任意の位置で移動または位置決めができ、か
つX軸移動を備えていることから、C軸に同期してZ軸
とX軸とで円弧補間制御を行なうことにより、従来のク
ランクシャフトミラーでは加工できない、クランクシャ
フトの偏芯部のショルダー面(側面)と軸外径面とが交
わるコーナ部において、研磨逃げ、またはディープロー
ルの前加工として必要とされる任意な形状のR溝加工、
特に軸方向に入り込んだ(アンダーカットされた)R溝
の加工が容易に可能となる。
【図1】第1実施形態に係るクランクシャフト旋削加工
機の斜視図である。
機の斜視図である。
【図2】第1実施形態の刃具の駆動方式説明図である。
【図3】第2実施形態に係るクランクシャフト旋削加工
機の正面図である。
機の正面図である。
【図4】図3のP−P矢視図である。
【図5】第2実施形態の刃具の駆動方式説明図である。
【図6】本発明に係るアンダーカットR溝形状加工の説
明図である。
明図である。
【図7】本発明に係るクランクシャフトR溝の任意形状
加工の説明図である。
加工の説明図である。
【図8】従来技術に係るクランクシャフト旋削機械のチ
ャック装置の説明図である。
ャック装置の説明図である。
1…クランクシャフト(ワーク)、2…ピンジャーナ
ル、2a…ピンジャーナル外径、2b…ピンジャーナル
スラスト、2c…アンダーカットR溝、2d…R溝、3
…メインジャーナル、20…C軸回転駆動装置、21…
支持手段、21a…チャック、21b…チャック三つ
爪、23…C軸回転駆動モータ、24…補助サポータ、
25…レール、24a…補助サポータ本体、24b…補
助サポータ爪、30a,30b…刃具駆動ユニット、3
1…工具刃先位置、31a,31b…工具、32a…揺動
型刃物台、32b…直線移動型刃物台、33…刃具駆動
主軸、37…歯車箱、33a…α軸駆動モータ、40…
サドル、41…X軸スライド、41a…X軸駆動モー
タ、42…Z軸スライド、42a…Z軸駆動モータ、4
3…Y軸スライド、43a…Y軸駆動モータ、50…テ
ールストック、51…センタ、52…クイル、53…ク
イルガイド、54…クイル駆動手段。
ル、2a…ピンジャーナル外径、2b…ピンジャーナル
スラスト、2c…アンダーカットR溝、2d…R溝、3
…メインジャーナル、20…C軸回転駆動装置、21…
支持手段、21a…チャック、21b…チャック三つ
爪、23…C軸回転駆動モータ、24…補助サポータ、
25…レール、24a…補助サポータ本体、24b…補
助サポータ爪、30a,30b…刃具駆動ユニット、3
1…工具刃先位置、31a,31b…工具、32a…揺動
型刃物台、32b…直線移動型刃物台、33…刃具駆動
主軸、37…歯車箱、33a…α軸駆動モータ、40…
サドル、41…X軸スライド、41a…X軸駆動モー
タ、42…Z軸スライド、42a…Z軸駆動モータ、4
3…Y軸スライド、43a…Y軸駆動モータ、50…テ
ールストック、51…センタ、52…クイル、53…ク
イルガイド、54…クイル駆動手段。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 北川 洋
石川県小松市符津町ツ23 コマツ工機株式
会社粟津工場内
Fターム(参考) 3C022 CC02 CC06
3C045 AA10 CA12 EA04
5H269 AB02 BB03 CC07
Claims (9)
- 【請求項1】 クランクシャフトの旋削加工装置におい
て、 クランクシャフト(1)の少なくともその一端側を支持す
る支持手段(21)と、 前記支持手段(21)の少なくとも一端側からクランクシャ
フト(1)をそのメインジャーナル(3)の軸であるC軸回り
にNC制御により回転させ、クランクシャフト(1)のピ
ンジャーナル(2)を回転駆動するC軸回転駆動装置(20)
と、 前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC制御によりX軸
方向に直線駆動される少なくとも1基の刃具駆動ユニッ
ト(30a)と、 前記刃具駆動ユニット(30a)に設けられ、前記C軸方向
に略平行なα軸回りにNC制御により揺動自在に駆動さ
れる揺動型刃物台(32a)と、 前記C軸回転に同期させて、前記揺動型刃物台(32a)上
に設置した工具(31a)の刃先位置(31)を、前記C軸に直
角方向の面上で、前記X軸と前記α軸とのNC制御によ
りクランク運動をさせ、前記ピンジャーナル(2)の旋削
加工を制御する制御ユニットとを備えたことを特徴とす
るクランクシャフトの旋削加工装置。 - 【請求項2】 クランクシャフトの旋削加工装置におい
て、 クランクシャフト(1)の少なくともその一端側を支持す
る支持手段(21)と、 前記支持手段(21)の少なくとも一端側からクランクシャ
フト(1)をそのメインジャーナル(3)の軸であるC軸回り
にNC制御により回転させ、クランクシャフト(1)のピ
ンジャーナル(2)を回転駆動するC軸回転駆動装置(20)
と、 前記C軸に対し軸直角方向の面上でNC制御によりX軸
方向に直線移動される少なくとも1基の刃具駆動ユニッ
ト(30b)と、 前記刃具駆動ユニット(30b)に設けられ、前記C軸方向
に略直角で、かつ前記X軸方向に略直角なY軸方向に、
NC制御により直線駆動される直線移動型刃物台(32b)
と、 前記C軸回転に同期させて、前記直線移動型刃物台 (32
b)上に設置した工具(31b)の刃先位置(31)を、前記C軸
に直角方向の面上で、前記X軸と前記Y軸とのNC制御
によりクランク運動をさせ、前記ピンジャーナル(2)の
旋削加工を制御する制御ユニットとを備えたことを特徴
とするクランクシャフトの旋削加工装置。 - 【請求項3】 前記制御ユニットは、前記C軸回転に同
期させて、X軸及び/又はα軸のNC制御値を補正し、
ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差を修正すること
を特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの旋削加
工装置。 - 【請求項4】 前記制御ユニットは、前記C軸回転に同
期させて、X軸及び/又はY軸のNC制御値を補正し、
ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差を修正すること
を特徴とする請求項2記載のクランクシャフトの旋削加
工装置。 - 【請求項5】 前記刃具駆動ユニット(30a),(30b)は、
前記C軸に対し平行なZ軸の方向に、NC制御により駆
動されることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラ
ンクシャフトの旋削加工装置。 - 【請求項6】 クランクシャフトの旋削加工方法におい
て、クランクシャフト(1)の少なくとも一端側を支持
し、少なくともその一端側からクランクシャフト(1)を
C軸回転駆動装置(20)により、メインジャーナル(3)の
C軸回りにNC制御により回転させ、揺動型刃物台(32
a)上に設けた工具(31a)の刃先位置(31)を、クランクシ
ャフト(1)のピンジャーナル(2)の前記C軸回りの回転に
同期させて、C軸に直角なX軸方向のNC制御による移
動と、C軸方向に略平行なα軸回りのNC制御による揺
動とで、クランク運動させながら、前記X軸方向又は前
記α軸方向にNC制御による切削送りをかけて、前記ピ
ンジャーナル(2)の旋削加工を行なうことを特徴とする
クランクシャフトの加工方法。 - 【請求項7】 クランクシャフトの旋削加工方法におい
て、クランクシャフト(1)の少なくとも一端側を支持
し、少なくともその一端側からクランクシャフト(1)を
C軸回転駆動装置(20)により、メインジャーナル(3)の
C軸回りにNC制御により回転させ、直線移動型刃物台
(32b)上に設けた工具(31a)の刃先位置(31)を、クランク
シャフト(1)のピンジャーナル(2)の前記C軸回りの回転
に同期させて、C軸に直角なX軸方向のNC制御による
移動と、C軸方向に略直角で、かつX軸方向に略直角な
Y軸のNC制御による移動とで、クランク運動させなが
ら、前記X軸方向又は前記Y軸方向にNC制御による切
削送りをかけて、前記ピンジャーナル(2)の旋削加工を
行なうことを特徴とするクランクシャフトの加工方法。 - 【請求項8】 前記C軸回りの回転に同期させて、前記
X軸及び/又は前記α軸のNC制御値を補正することに
より、前記ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差を修
正することを特徴とする請求項6記載のクランクシャフ
トの旋削加工方法。 - 【請求項9】 前記C軸回りの回転に同期させて、前記
X軸及び/又は前記Y軸のNC制御値を補正することに
より、前記ピンジャーナル(2)の真円度の加工誤差を修
正することを特徴とする請求項7記載のクランクシャフ
トの旋削加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002078181A JP2003266202A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002078181A JP2003266202A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003266202A true JP2003266202A (ja) | 2003-09-24 |
Family
ID=29205975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002078181A Pending JP2003266202A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003266202A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010024041A1 (ja) | 2008-08-26 | 2010-03-04 | 新日本工機株式会社 | 工作機械の数値制御装置 |
CN102179530A (zh) * | 2011-03-10 | 2011-09-14 | 吉林大学 | 一种活轴掘进车削方法及装置 |
WO2013088884A1 (ja) * | 2011-12-13 | 2013-06-20 | 村田機械株式会社 | 工作機械 |
JP6139768B1 (ja) * | 2016-05-18 | 2017-05-31 | 有限会社 中製作所 | 偏心した2つの円柱が連なって形成された楕円状偏心体の製造方法 |
CN108788730A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-11-13 | 苏州勤美达精密机械有限公司 | 曲轴多工序复合加工装置及工艺方法 |
CN110202430A (zh) * | 2019-06-17 | 2019-09-06 | 浙江今跃机械科技开发有限公司 | 偏心轴的定位工装和加工机床 |
CN110561161A (zh) * | 2019-09-11 | 2019-12-13 | 中核(天津)科技发展有限公司 | 异型偏心长管零件车削专用夹具及其使用方法 |
JP7309094B1 (ja) * | 2022-02-03 | 2023-07-14 | 三菱電機株式会社 | 制御装置、及びこれを備えた工作機械 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5494185A (en) * | 1978-01-10 | 1979-07-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | Universal machine tool |
JPS5494192A (en) * | 1978-01-10 | 1979-07-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | Crank shaft grinding device |
JPH10151501A (ja) * | 1996-11-20 | 1998-06-09 | Okuma Mach Works Ltd | 旋盤用偏心・楕円軸加工アタッチメント |
-
2002
- 2002-03-20 JP JP2002078181A patent/JP2003266202A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5494185A (en) * | 1978-01-10 | 1979-07-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | Universal machine tool |
JPS5494192A (en) * | 1978-01-10 | 1979-07-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | Crank shaft grinding device |
JPH10151501A (ja) * | 1996-11-20 | 1998-06-09 | Okuma Mach Works Ltd | 旋盤用偏心・楕円軸加工アタッチメント |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010024041A1 (ja) | 2008-08-26 | 2010-03-04 | 新日本工機株式会社 | 工作機械の数値制御装置 |
JP2010055161A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Shin Nippon Koki Co Ltd | 工作機械の数値制御装置 |
US8478439B2 (en) | 2008-08-26 | 2013-07-02 | Shin Nippon Koki Co., Ltd. | Numerical control device for tool machine |
CN102179530A (zh) * | 2011-03-10 | 2011-09-14 | 吉林大学 | 一种活轴掘进车削方法及装置 |
WO2013088884A1 (ja) * | 2011-12-13 | 2013-06-20 | 村田機械株式会社 | 工作機械 |
JPWO2013088884A1 (ja) * | 2011-12-13 | 2015-04-27 | 村田機械株式会社 | 工作機械 |
JP6139768B1 (ja) * | 2016-05-18 | 2017-05-31 | 有限会社 中製作所 | 偏心した2つの円柱が連なって形成された楕円状偏心体の製造方法 |
JP2017209779A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-30 | 有限会社 中製作所 | 偏心した2つの円柱が連なって形成された楕円状偏心体の製造方法 |
CN108788730A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-11-13 | 苏州勤美达精密机械有限公司 | 曲轴多工序复合加工装置及工艺方法 |
CN110202430A (zh) * | 2019-06-17 | 2019-09-06 | 浙江今跃机械科技开发有限公司 | 偏心轴的定位工装和加工机床 |
CN110561161A (zh) * | 2019-09-11 | 2019-12-13 | 中核(天津)科技发展有限公司 | 异型偏心长管零件车削专用夹具及其使用方法 |
JP7309094B1 (ja) * | 2022-02-03 | 2023-07-14 | 三菱電機株式会社 | 制御装置、及びこれを備えた工作機械 |
WO2023148870A1 (ja) * | 2022-02-03 | 2023-08-10 | 三菱電機株式会社 | 制御装置、及びこれを備えた工作機械 |
CN118265584A (zh) * | 2022-02-03 | 2024-06-28 | 三菱电机株式会社 | 控制装置及具有其的工作机械 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5094465B2 (ja) | 工作機械及び該工作機械を用いたワークの内表面加工方法 | |
JP4024051B2 (ja) | クランクシャフトの旋削加工装置 | |
JP2009502521A (ja) | 傘歯車のソフト機械加工用万能機械と対応する方法 | |
EP3162478B1 (en) | Machine tool and machining method | |
JP2007030101A (ja) | 差動ケースの内面加工方法及び内面加工装置 | |
US6742422B1 (en) | Numerically controlled lathe and method of cutting workpiece on the numerically controlled lathe | |
CN101918175A (zh) | 用于同时研磨曲轴的多个轴承以及端面的研磨中心和方法 | |
JPWO2002092266A1 (ja) | 数値制御旋盤及びこの数値制御旋盤によるワークの加工方法 | |
JP2012525983A (ja) | 同期加工システム及び同期加工方法 | |
JP4730944B2 (ja) | 多頭研削盤及び多頭研削盤を用いた研削方法 | |
JP5577166B2 (ja) | 工作機械 | |
JP2003266202A (ja) | クランクシャフトの旋削加工装置及びその旋削加工方法 | |
KR101368761B1 (ko) | 플랜지 요크의 가공방법 | |
JP4065564B2 (ja) | 回転フライス加工のための方法と装置 | |
JP4381542B2 (ja) | クランクシャフトの複合加工装置 | |
US20130287511A1 (en) | Centering method and apparatus | |
JP4554842B2 (ja) | 軸状ワークの加工装置 | |
JP2017127949A (ja) | インペラ加工装置 | |
JPS62297001A (ja) | 自動旋盤 | |
JP2004009211A (ja) | カムシャフトまたはクランクシャフトの加工方法 | |
JP2019042899A (ja) | 加工装置及びそれを用いた加工方法 | |
JPH1015703A (ja) | 多機能旋盤 | |
JPH1190799A (ja) | クランクピン加工用工作機械およびクランクピンの加工方法 | |
JP2014121746A (ja) | 工作機械における切削加工方法 | |
JP3810640B2 (ja) | 研削盤におけるワークのクランプ方法及びその装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20041208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070515 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |