JP7309094B1 - 制御装置、及びこれを備えた工作機械 - Google Patents

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Abstract

制御装置(20)は、偏心体を加工するための偏心切削制御部(27)を備える。偏心切削制御部(27)は、制御部(23)と連携して、主軸を回転させて、偏心体の中心位置がX軸上に位置するように位置決めした後、ワークの基部の中心から偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、偏心体の中心のX軸を基準とした主軸軸線周りの回転角度をθとして、主軸の回転に同期させて、X軸方向の位置X=Rcosθ、及びY軸方向の位置Y=Rsinθとする円弧軌跡を描くように、工具を相対移動させながら、Z軸方向に相対移動させる。

Description

本開示は、ワークを旋削加工するように構成された工作機械の制御装置であって、より詳しくは、主軸の中心から径方向に偏位した位置に偏心体を有するワークの、当該偏心体を加工するための制御装置、及びこれを備えた工作機械に関する。
例えば、円柱状をした基部と、該基部の端面から基部の中心軸に沿って外方に突出し、且つ中心軸から径方向に偏位した位置に設けられた偏心体と、を有するワークを加工する方法であって、当該偏心体を加工する加工方法として、従来、特許文献1に開示された方法が知られている。
特許文献1に記載された加工方法では、旋盤の主軸に、主軸軸線から径方向に偏位(シフト)した位置にワークを把持する把持部を有する偏心チャックを装着し、偏心体の軸線が主軸軸線と同軸となるように、偏心チャックにワークを把持させる。そして、この状態で主軸を回転させて適宜工具を用いて偏心体の外周部を加工する。
また、特許文献2には、クランク軸の偏心軸を旋削加工する方法が開示されている。特許文献2に記載の加工方法では、クランク軸の一方端を主軸により把持し、他方を心押軸により支持した状態でクランク軸を回転させるとともに、偏心軸の半径をrとして、当該クランク軸の回転周期に同期させて、工具を2rのストロークで上下方向(Y軸方向)、及び前後方向(Z軸方向)に送り移動させる。このY軸方向の送り及びZ軸方向の送りの合成送りによって、工具に半径rの円運動を行わせ、これによって偏心軸の外周が旋削加工される。
また、特許文献3にも同様の加工方法が提案されている。特許文献3に記載の加工方法は、基部の端面から基部の中心軸に沿って外方に突出した第1の偏心軸と、この第1の偏心軸から更に外方に突出した第2の偏心軸との2つ偏心軸と、を加工するというものである。
特開2003-236701号公報 特開昭54-94185号公報 特開2017-209779号公報
ところで、上述した特許文献1から3に開示された方法は、いずれも、主軸にワークを保持させたときの偏心体の位置であって、主軸の軸線を中心とした偏心体の周方向の角度位置(位相)については、何ら考慮されていない。このため、これらの方法では、偏心体の位相が定められた基準位相となるように、当該ワークを主軸に保持させた状態で、ワークの加工を開始する必要があるものと思われる。
ところが、偏心体を除くその他の加工部位の関係から、当該ワークを主軸に保持させたときの偏心体の位相が、それぞれのワークによって異なる場合があり、この場合には、当該ワークを主軸に保持させたときの偏心体の位相を基準位相にすることができない。そこで、このようなワークの場合には、それぞれ異なる位相にある状態で、当該偏心体の加工を開始することができれば、便利である。
また、偏心体を有する加工品としては、上述したクランク軸および偏心ピンが例示される。この他に、偏心体を有する加工品として、くさび効果により、小さな締めつけトルクで大きなクランプ力を得る倍力装置に用いられる偏心ネジ、定量且つ脈動なくさまざまな液体を移送でき、水状の液体から高粘度液、固形物、粉体まで効率的に移送可能な回転容積式一軸偏心ネジポンプに用いられる当該一軸偏心ネジなど、様々な形状のものがある。そこで、このような様々な形状の偏心体を特殊な専用の工作機械および専用のチャックを用いることなく、汎用の工作機械および汎用のチャックを用いて加工できれば、設備コスト上有利である。
また、上述した加工方法では、主軸の回転速度に同期させた状態で、送り軸を高速に動作させることによって円運動を実現しているため、特に送りモータの負荷が高くなるという問題がある。そこで、送りモータに作用する負荷が許容負荷を超えないように主軸モータの回転速度を制御すれば、送りモータが損傷するのを未然に防止することができる。
本開示は以上の実情に鑑みなされたものであって、偏心体が任意の位相に位置する状態で旋削加工を開始することができる制御装置及びこれを備えた工作機械の提供を一の目的とし、また、多様な形状の偏心体を加工することができる制御装置及びこれを備えた工作機械の提供を他の目的とし、また、偏心体を加工する際に、送りモータに作用する負荷が許容負荷を超えないようにすることができる制御装置及びこれを備えた工作機械の提供を更に他の目的とする。
上記課題を解決するための本開示は、ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部とを備えた工作機械の、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部の作動を制御する制御装置であって、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部を制御する制御部と、前記主軸に保持された前記ワークの、前記主軸の中心から径方向に偏位した位置に設けられた偏心体を加工する偏心切削制御部と、を備え、前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記主軸を回転させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした後、前記主軸の中心から前記偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、前記偏心体の中心の前記X軸を基準とした前記主軸軸線周りの回転角度をθとして、前記主軸の回転に同期させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした位置に対して次式(1)及び次式(2)となる値の円弧軌跡を描く円弧運動の移動量を算出し、算出した前記円弧運動の移動量となるように、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させながら、前記工具保持部及び前記主軸を前記Z軸方向に相対的に移動させるように構成され、前記偏心体は、前記Z軸方向に沿ったリードである場合に、前記偏心切削制御部は、前記偏心体の前記Z軸方向の長さをLengZとし、該Z軸方向における偏心の位相増減値をQとして、前記制御部と連携し、更に、単位時間当たりのZ軸方向の送り量ΔZに同期させて、単位時間当たりの位相変化値Δφを次式(3)として、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させるように構成された制御装置に係るものである。
X=Rcosθ ・・・(1)
Y=Rsinθ ・・・(2)
Figure 0007309094000001
この制御装置によれば、偏心切削制御部は、制御部と連携して、主軸を回転させて、偏心体の中心位置がX軸上に位置するように位置決めするとともに、工具を、X軸,Y軸及びZ軸によって形成される3次元空間内において、旋削開始位置に移動させる。このとき、工具刃先はワークと非接触の状態にあり、且つ後述のZ軸方向の移動によって、偏心体の外周面に定められた切り込み深さで接触可能な状態にある。
次に、主軸の中心から前記偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、偏心体の中心のX軸を基準とした主軸軸線周りの回転角度をθとして、主軸の回転(位相θ)に同期させて、X軸方向の位置X、及びY軸方向の位置Yが半径Rの円弧軌跡を描く円弧運動となるように、工具を相対移動させながら、Z軸方向に相対移動させる。
主軸の回転(位相θ)に同期させて、位置X=Rcosθ、位置Y=Rsinθとなるように工具を相対移動させることにより、主軸の軸線を中心に回転する偏心体の外周面に、当該偏心体の回転に追随させて、工具を接触させることができる。そして、この状態で工具をZ軸方向に移動させることで、当該偏心体の外周を加工することができる。
このように、本開示に係る制御装置によれば、ワークを主軸に保持させたときの偏心体の位相が、それぞれのワークによって異なる場合でも、偏心体の中心位置がX軸上に位置するように位置決めした後に、加工を開始することができる。したがって、従来の加工方法のように、ワークを、その偏心体の位相が定められた基準位相となるように、主軸に保持させる必要はなく、主軸にワークを保持させる際に、煩わしい調整作業を行うことなく、多様なワークを加工することができる。また、このようにすることで、当該加工を行うためのNC(Numerical Control)加工プログラムを、加工上の基準位置をX軸上に設定した加工プログラムとすることができる。
また、工作機械及びワークを保持する保持装置には、汎用の物を適用することができる。
さらに、この態様の制御装置によれば、偏心体の長手方向がZ軸方向である場合に、その外周面を加工することができる。尚、リード軸としてはネジなどを例示することができる。
また、本開示は、ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部とを備えた工作機械の、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部の作動を制御する制御装置であって、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部を制御する制御部と、前記主軸に保持された前記ワークの、前記主軸の中心から径方向に偏位した位置に設けられた偏心体を加工する偏心切削制御部と、を備え、前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記主軸を回転させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした後、前記主軸の中心から前記偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、前記偏心体の中心の前記X軸を基準とした前記主軸軸線周りの回転角度をθとして、前記主軸の回転に同期させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした位置に対して次式(4)及び次式(5)となる値の円弧軌跡を描く円弧運動の移動量を算出し、算出した前記円弧運動の移動量となるように、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させながら、前記工具保持部及び前記主軸を前記Z軸方向に相対的に移動させるように構成され、前記偏心体は、前記Z軸方向に沿ったリードである場合に、前記偏心切削制御部は、前記偏心体の前記Z軸方向の長さをLengZとし、該Z軸方向における偏心量増減値をKとして、前記制御部と連携し、更に、単位時間当たりのZ軸方向の送り量ΔZに同期させて、前記偏心量Rを次式(6)として、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させるように構成された制御装置に係るものである。
X=Rcosθ ・・・(4)
Y=Rsinθ ・・・(5)
Figure 0007309094000002
この態様の制御装置によっても、偏心体の長手方向がZ軸方向である場合に、その外周面を加工することができる。
尚、本開示では、前記制御部は、前記主軸を定められた回転速度で回転させる速度制御モード、前記主軸をその軸線周りの定められた回転角度位置に位置決めする位置制御モード、及び前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作とを同期させる同期制御モードの3つの制御モードを実行可能に構成されるとともに、前記偏心切削制御部は、前記制御部を前記同期制御モードに移行させることにより、前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作とを同期させるように構成された態様を採ることができる
た、本開示における前記制御装置は、少なくとも前記制御部を介して、前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作との同期を伴わない旋削加工を実行するように構成された態様を採ることができる。
また、本開示における前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記送り駆動部に対してフィードフォワード制御を行うように構成された態様を採ることができる。
た、本開示における前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記送り駆動部の送り速度と、前記円弧運動における角速度との合成速度を、予め定めた制限速度以下に制御するように構成され、前記合成速度は、前記送り駆動部における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定された態様を採ることができる。
この態様の制御装置によれば、送り駆動部における負荷が許容負荷を超えないように制御されるので、当該送り駆動部が損傷するのを未然に防止することができる。
また、本開示における前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記円弧運動における等速円運動の加速度を予め定めた制限加速度以下に制御するように構成され、前記制限加速度は、前記送り駆動部における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定された態様を採ることができる。
この態様の制御装置によれば、送り駆動部が、作用する負荷が許容負荷を超えない範囲で、円弧運動における等速円運動の加速度が定められた制限加速度以下となるように制御されるので、当該送り駆動部を安定した状態で動作させることができるとともに、当該送り駆動部が損傷するのを未然に防止することができる。
また、本開示は、ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部と、上述したいずれかの制御装置と、を備えた工作機械に係るものである。
以上のように、本開示に係る制御装置、及びこれを備えた工作機械によれば、ワークを主軸に保持させたときの偏心体の位相が、それぞれのワークによって異なる場合でも、偏心体の中心位置がX軸上に位置するように位置決めした後に、加工を開始することができるので、従来のように、ワークを主軸に保持させる際に、煩わしい調整作業を行う必要はなく、多様なワークを効率的に加工することができる。
また、工作機械およびワークを保持する保持装置には、汎用の物を適用することができるので、設備コストの低廉化を図ることができ、また、専用の段取り(調整作業)が不要であるため生産性を向上させることができる。
また、リード軸など、多様な形状、形態の偏心体の加工を実現することができる。
本開示の一実施形態に係る工作機械を用いた偏心体の加工方法の一例を説明するための説明図 本実施形態に係る工作機械の概略構成の一例を示すブロック図 本実施形態に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図 本実施形態に係るNCプログラムの一例を示す説明図 本実施形態の偏心切削制御部及び制御部における処理の一例を示すフローチャート 本実施形態に係る他のワークの加工例を示す斜視図 本実施形態の変形例1に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図 変形例1に係るNCプログラムの一例を示す説明図 変形例1の偏心切削制御部及び制御部における処理の一例を示すフローチャート 本実施形態の変形例2に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図 変形例2に係るNCプログラムの一例を示す説明図
以下、本開示の具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る工作機械を用いた偏心体の加工方法の一例を説明するための説明図である。図2は、本実施形態に係る工作機械の概略構成の一例を示すブロック図である。尚、図1に示すように、本例の加工対象物であるワークWは、円柱状をした基部Wa、及びこの基部Waの前端面から前方に突出し、且つ基部Waの軸線から径方向に距離Rだけ偏位した位置に、半径rの円柱状をした偏心体Wbを備えている。
図1及び図2に示すように、本例の工作機械1は、主軸2、この主軸2に装着された状態でワークWの基部Waを把持するチャック3、工具Tを保持する刃物台4、駆動部10、この駆動部10を制御する制御装置20、並びに入出力装置30を備える。
尚、本例の工作機械1は、汎用の横形のNC旋盤であるが、本開示に適用可能な工作機械はこれに限られるものではなく、立形のNC旋盤の他、旋削加工とミーリング加工とを行うことができるように構成された複合加工型の工作機械など、各種の工作機械を適用することができる。
駆動部10は、主軸2を回転させる主軸モータを駆動、制御する主軸駆動部15と、刃物台4を移動させる送り装置のモータを駆動、制御する送り駆動部11と、を備える。送り駆動部11は、刃物台4をX軸方向に移動させるX軸送り装置のモータを駆動、制御するX軸送り駆動部12、同じくY軸方向に移動させるY軸送り装置のモータを駆動、制御するY軸送り駆動部13、並びに同じくZ軸方向に移動させるZ軸送り装置のモータを駆動、制御するZ軸送り駆動部14を備える。また、本例では、Z軸は主軸2の軸線と同軸に設定され、X軸は、Z軸と水平に直交し、Y軸は、X軸及びZ軸の双方に直交している。
斯くして、送り駆動部11により駆動、制御されるX軸送り装置、Y軸送り装置、及びZ軸送り装置の動作によって、刃物台4がX軸、Y軸及びZ軸方向に移動する。これにより、工具TがX軸、Y軸及びZ軸で定義される3次元空間内で移動する。また、主軸2は、主軸駆動部15によって駆動、制御される主軸モータにより駆動されて、その軸線を中心として回転する。
入出力装置30は、例えば、タッチパネル等の入力機能付きディスプレイ、データなどを入出力するための入出力インターフェースなどを備えている。言うまでもないことではあるが、入力機能付きディスプレイには、画像、文字情報などが表示され、また、入力機能を介した入力が可能になっている。
制御装置20は、NCプログラム記憶部21、プログラム解析部22、制御部23、パラメータ記憶部26及び偏心切削制御部27を備える。
尚、制御装置20は、数値制御装置であり、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などを含むコンピュータから構成され、プログラム解析部22、制御部23、及び偏心切削制御部27は、コンピュータプログラムによってその機能が実現され、後述する処理を実行する。また、NCプログラム記憶部21及びパラメータ記憶部26はRAMなどの記憶媒体から適宜構成される。
NCプログラム記憶部21は、NC制御用のNCプログラム(加工プログラム)を記憶する機能部であり、例えば、入出力装置30から入力されたNCプログラムを記憶する。また、パラメータ記憶部26は、偏心切削におけるパラメータである偏心クランプ速度、偏心クランプ加速度及び偏心フィードフォワードゲインなどの設定値を記憶する機能部であり、例えば、入出力装置30から入力された各パラメータを記憶する。
プログラム解析部22は、NCプログラム記憶部21に格納されたNCプログラムの中から、実行するNCプログラムについて、これを構成するブロックごとに順次読み出して、当該ブロック中に含まれるNCコードを処理する。プログラム解析部22は、送り制御に関するNCコードを処理する際には、当該NCコードに係る指令を制御部23に送信する。プログラム解析部22は、回転制御に関するNCコードを処理する際には、当該NCコードに係る指令を制御部23に送信する。
また、プログラム解析部22は、偏心切削指令とその他の指令とを判別する。プログラム解析部22は、偏心切削指令の場合には、偏心切削に必要な指令を偏心切削制御部27及び制御部23に送信する。プログラム解析部22は、偏心切削指令以外の場合には、これに応じた指令を制御部23に送信する。
制御部23は、送り制御部24及び主軸制御部25を有する。送り制御部24は、X軸送り駆動部12、Y軸送り駆動部13及びZ軸送り駆動部14を介して、それぞれX軸送り装置、Y軸送り装置及びZ軸送り装置の動作を制御する機能部である。送り制御部24は、プログラム解析部22から送り制御に係る指令を受信して、受信した指令に応じた速度でX軸送り装置、Y軸送り装置及びZ軸送り装置が動作するように、X軸送り駆動部12、Y軸送り駆動部13及びZ軸送り駆動部14を制御する。
また、主軸制御部25は、主軸駆動部15を介して主軸モータの回転動作を制御する機能部である。主軸制御部25は、プログラム解析部22から回転制御に係る指令を受信し、受信した指令に応じた回転方向及び回転速度で、主軸モータが回転するように、主軸駆動部15を制御する。
制御部23は、プログラム解析部22からの指令に応じて、主軸制御部25に対して、速度制御モード、及び位置制御モードの2つの処理モードで動作させるとともに、主軸制御部25及び送り制御部24に対して、同期制御モードで動作させることができる。速度制御モードは、主軸モータを定められた回転速度で回転させるモードである。位置制御モードは、主軸モータをその軸線周りの定められた回転角度位置に位置決めするモードである。同期制御モードは、主軸モータの動作と、X軸送り装置、Y軸送り装置、及びZ軸送り装置の動作とを同期させるモードである。
そして、主軸制御部25は、速度制御モードでは、プログラム解析部22から送信される主軸回転速度指令に応じて、主軸モータをその回転速度で回転させるための角度位置データを主軸駆動部15に出力する。主軸制御部25は、位置制御モードでは、プログラム解析部22から送信される角度位置指令に応じて、主軸モータをその軸線周りの指令された角度位置に位置決めするための角度位置データを主軸駆動部15に出力する。また、主軸制御部25は、同期制御モードでは、プログラム解析部22又は偏心切削制御部27から送信される同期指令に応じて、主軸モータの動作と、X軸送り装置、Y軸送り装置、及びZ軸送り装置の動作とを同期させる。
偏心切削制御部27は、プログラム解析部22から偏心切削指令を受信して、制御部23に偏心切削に関する指令を送信し、制御部23と連携して駆動部10に偏心切削を実行させる。
図3は、本実施形態に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図である。図4は、本実施形態に係るNCプログラムの一例を示す説明図である。図3に示すように(図1も参照)、偏心体Wbは、その軸心が、ワークWの軸心(即ち、主軸2の軸心)からX軸方向に距離R(以下において、偏心量Rという)だけ偏心している。また、偏心体WbのX軸のプラス側の軸を基準軸とした、主軸軸線を中心とした時計回りの方向の角度位置(位相)をCとする。角度位置Cは、ワークWが主軸2に取り付けられたときの偏心体Wbの角度位置、すなわち偏心体Wbの造形位置を決めるための主軸2の割り出し位置を示している。また、加工処理の際に主軸2が回転することによって偏心体Wbの位置も主軸軸線を中心に回転する。偏心体Wbの主軸回転指令に対する、任意時刻での、X軸のプラス側の軸を基準軸とした主軸軸線周りの回転角度をθとする。尚、以下では、偏心切削特有のNCコードについて主に説明する。
図4において、コード「M45」は、位置制御モードへの移行指令であり、M45に係る指令はプログラム解析部22から制御部23に送信され、この指令を受信して、主軸制御部25は位置制御モードに移行する。
コード「G128」は、偏心切削制御に関するコードであり、「P」はその有効、無効を定義し、「P1」は偏心切削制御有効、「P0」は偏心切削制御無効を意味する。また、「R」は偏心量であり、「C」は偏心体Wbの位相(偏心位相)である。そして、これらのコードがプログラム解析部22によって認識されると、偏心切削開始に係る指令及び偏心切削に係る情報が偏心切削制御部27に送信され、制御部23との連携の下で、後述する図5に示した処理が実行される。
また、コード「G50」は、主軸モータの最高回転速度を制限する(即ち、クランプする)指令であり、コード「G96」は、周速を一定に制御する指令である。また、「S」は速度指令である。
次に、偏心切削制御部27及び制御部23の連携の下で実行される偏心切削制御について、図5に基づいて詳しく説明する。図5は、本実施形態の偏心切削制御部及び制御部における処理の一例を示すフローチャートである。
制御部23は、まず、プログラム解析部22から受信した偏心量Rに基づいて、当該偏心量R(=10mm)をX軸のオフセットに加算した偏心オフセットを算出し、この偏心オフセットに基づいて、以降の機械座標の制御を行う(ステップS1)。
次に、偏心切削制御部27は、プログラム解析部22から受信した偏心位相C(=90°)に係る指令を制御部23に送信して、主軸制御部25及び主軸駆動部15による制御の下で、主軸モータを偏心位相Cの角度(90°)だけ逆方向に回転させて、偏心体Wbの中心位置がX軸上に位置するように位置決めさせる(ステップS2)。つまり、偏心位相Cの位置に、C軸この場合には主軸2の軸心周りの位置を位置決めする。これにより、偏心体Wbの造形位置が決定される。尚、このとき、制御部23はプログラム解析部22からコード「M45」に係る位置制御モードの指令を受信しており、既に、主軸制御部25の処理モードを位置制御モードに移行させている。また、上記の例では、主軸モータを偏心位相Cの角度(90°)だけ逆方向に回転させているが、偏心位相の角度C(90°)±360°×n(ただしnは0または自然数)だけ回転させてもよい。要するに、偏心体Wbの中心がX軸上に位置するように回転させればよい。ただし、nは小さい値であればあるほど、加工時間を短くすることができる。
次に、偏心切削制御部27は、制御部23に同期制御モードに関する指令を送信して、主軸制御部25及び送り制御部24を同期制御モードに移行させる(ステップS3)。斯くして、以上のシーケンスを実行することにより、偏心切削制御状態となる。
ついで、偏心切削制御部27は、プログラム解析部22から送信された速度指令Sおよび主軸オーバーライド等から主軸回転速度を算出するとともに、パラメータ記憶部26を参照して、偏心クランプ加速度から算出した回転速度、またはG50指令の回転速度を超過しないように主軸回転速度をクランプ(制限)する(ステップS4)。
偏心切削制御では、工具TをX軸-Y軸平面内で、主軸回転速度Sに同期させて偏心量Rの偏心円弧運動を行わせる。この偏心円弧運動におけるX軸及びY軸の各指令位置X,Yは、主軸2の角速度をωとし、時間をtとすると、それぞれ次式()及び次式()によって表される。尚、ωtは、主軸2の回転角度θに対応する。
X=Rcos(ωt) ・・・(
Y=Rsin(ωt) ・・・(
そして、()式および()式において、等速円運動の最大加速度をAとすると、当該最大加速度Aは、次式()で表される。
A=Rω2=R(2πS)2 ・・・(
斯くして、この最大加速度Aを偏心クランプ加速度に設定することで、次式(10)によってクランプ主軸回転速度Sclampを設定することができる。
clamp≦(1/(2π))×(A/R)1/2 ・・・(10
次に、偏心切削制御部27は、ステップS4で設定したクランプ主軸回転速度Sclampにより制限された主軸回転速度から、X軸-Y軸平面内における偏心円弧移動量を算出する(ステップS5)。制御単位時間T当たりの主軸回転角度をΔθとすると、X軸及びY軸の偏心円弧移動量ΔX,ΔYは次式(11)及び次式(12)によって算出される。尚、偏心クランプ加速度は、X軸送り装置及びY軸送り装置における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定されるのが好ましい。このようにすれば、X軸送り装置及びY軸送り装置が損傷するのを未然に防止することができる。
ΔX=Rcos(Δθ) ・・・(11
ΔY=Rsin(Δθ) ・・・(12
そして、偏心切削制御部27は、以上のようにして、制御単位時間T間隔で偏心円弧移動量ΔX,ΔYを算出し、算出した偏心円弧移動量ΔX,ΔYを制御部23に逐次送信する。
そして、制御部23では、送り制御部24及び主軸制御部25による連携の下で、主軸モータをクランプ主軸回転速度Sclamp以下で回転させるとともに、その回転角度位置に同期させて、偏心切削制御部27から送信される偏心円弧移動量ΔX,ΔYで工具Tが移動するように、X軸送り駆動部12及びY軸送り駆動部13を介して、X軸送り装置及びY軸送り装置を駆動する。尚、送り制御部24は、プログラム解析部22から送信されるX軸、Y軸方向の移動量に、これらの偏心円弧移動量ΔX,ΔYを加えることによってその移動量を補正する。
また、X軸送り装置及びY軸送り装置を用いた円弧運動を制御する場合、位置ループゲインに起因した応答遅れによって内回りが発生し、実際の加工位置が指定した偏心量Rよりも小さくなるという現象が生じる。そこで、偏心切削制御部27は、パラメータ記憶部26に格納された偏心フィードフォワードゲインを、偏心円弧移動量ΔX,ΔYに適用して、内回りを抑制する。即ち、偏心切削制御部27は、制御部23と連携して、送り駆動部11に対してフィードフォワード制御を行う。
制御部23は、プログラム解析部22から通常の旋削指令を受信したかを判定する(ステップS6)。制御部23は、プログラム解析部22から通常の旋削指令を受信した場合(ステップS6でありの場合)、この指令に基づいた各送り装置についての移動量を算出する(ステップS7)。この旋削指令には、早送り指令または切削指令だけでなく、ねじ切りといった旋削指令も含まれる。
ここで、制御部23は、通常の旋削指令の移動量が、パラメータ記憶部26に格納された偏心クランプ速度を超過しないようにクランプする。偏心円弧移動量ΔX,ΔYは、NCプログラムの指令値とは別に常に補正されるため、通常の旋削指令との合成速度が早送りまたは切削送りのクランプ速度を超過するためである。従って、早送りまたは切削送りのクランプ速度から偏心クランプ速度を減算した速度から求めた移動量でクランプする(ステップS8)。つまり、偏心切削制御部27は、制御部23と連携して、送り駆動部11の送り速度と、円弧運動における角速度との合成速度を、予め定めた制限速度以下に制御するように構成される。尚、合成速度は、送り駆動部11における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定されていることが好ましい。
次に、制御部23は、プログラム指令位置に対して偏心量Rと、偏心クランプ速度を考慮して求めた通常指令の移動量、及び偏心円弧移動量ΔX,ΔYとを加算して、駆動部10に位置指令として出力することで偏心体Wbの加工を実現する(ステップS9)。
即ち、図3に示すように、ワークWが右回りに回転速度Sで回転しているとして、その回転に同期して工具Tが右回りに偏心円弧運動し、これにより、偏心体Wbの外周面に工具Tが接触した状態が実現される。
斯くして、工具Tを、その刃先が偏心体Wbの端面からZ軸プラス方向に定められた距離だけ離れた位置、且つ、偏心体Wbの外周に対して、X軸方向に定められた切り込み深さで切り込んだ状態となる位置に位置決めした後、工具Tを、ワークWの回転に同期させ、半径Rで円弧運動させながら、Z軸方向に移動させることで、偏心体Wbの外周面が工具Tによって旋削される。
尚、制御部23での加減速処理は通常指令の移動量に対してのみ行う。これは、偏心円弧移動量ΔX,ΔYは主軸回転速度の加減速に同期しているからであり、内回りを抑制する観点からも加減速処理は不要である。
次に、偏心切削制御部27及び制御部23は、プログラム解析部22から偏心切削終了に係る指令を受信したかを判定する(ステップS10)。偏心切削制御部27及び制御部23は、プログラム解析部22から偏心切削終了に係る指令を受信すると(ステップS10でありの場合)、偏心切削制御部27は偏心円弧移動量ΔX,ΔYの算出を中止するとともに(ステップS11)、制御部23は同期制御モードを解除した後(ステップS12)、処理を終了する。ステップS12で、同期制御モードが解除されると、制御装置20は、少なくとも制御部23を介して、主軸駆動部15の動作と送り駆動部11の動作との同期を伴わない旋削加工を実行する。
一方、ステップS10において、偏心切削制御部27及び制御部23が、プログラム解析部22から偏心切削終了に係る指令を受信していない場合(ステップS10でなしの場合)には、偏心切削制御部27及び制御部23は、ステップS4からS9の処理を繰り返して実行する。
また、ステップS6において、通常の旋削指令を受信していないと認識される場合(ステップS6でなしの場合)に、偏心切削制御部27及び制御部23は、プログラム解析部22から偏心切削制御に係る指令を受信したかを判定する(ステップS13)。再度、偏心切削制御に係る指令を受信した場合(ステップS13でありの場合)、制御部23は、まず、プログラム解析部22から新たに受信した偏心量Rに基づいて、偏心オフセットの変更を行うとともに(ステップS14)、前回の偏心位相と今回の偏心位相との位相差を算出した後(ステップS15)、ステップS4以降の処理を実行する。そして、ステップS4において、位相差を0とするように主軸モータの加減速処理を行うことで、一度の偏心切削制御で複数の偏心体Wbを任意の位置に造形でき、クランクピンなどの加工をより効率的に行うことができる。また、ステップS13において、偏心切削制御に係る指令を受信していないと認識された場合(ステップS13でなしの場合)も、ステップS4以降の処理を実行する。
以上のように構成された本例の工作機械1によれば、ワークWをチャック3(主軸2)に保持させたときの偏心体Wbの偏心位相Cが、それぞれのワークWによって異なる場合でも、偏心体Wbの中心位置がX軸上に位置するように位置決めした後に、加工を開始することができるので、従来の加工方法のように、ワークWを、その偏心体Wbの偏心位相Cが定められた基準位相となるように、チャック3(主軸2)に保持させる必要はなく、したがって、チャック3(主軸2)にワークWを保持させる際に、煩わしい調整作業を行うことなく、多様なワークWを加工することができる。
また、工作機械1の駆動部10およびチャック3は、従来、一般的に汎用されている構造の物を採用することができる。
尚、この実施形態において、図6に示すようなワークWを加工することができる。図6は、本実施形態に係る他のワークの加工例を示す斜視図である。このワークW1は、基部Wa1からZ軸方向に突出する偏心体Wb1のZ軸方向における偏心量Rは一定であるが、半径rが突出方向で変化する態様である。図6に示した態様では、半径rが突出方向に増大している。半径rは、偏心体Wb1の中心位置からプログラムによって指令されるX軸の座標指令の距離である。したがって、通常の旋削指令によりX軸とZ軸の位置を指定することで、偏心量Rを基準として半径rが突出方向で変化する任意の形状を造形することができる。
変形例1
次に、上述した実施形態の変形例1について説明する。図7は、本実施形態の変形例1に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図である。この変形例1では、図7に示したワークW2を加工する。このワークW2は、円柱状をした基部Wa2と、その前端面からZ軸方向に突出し、且つ基部Wa2の軸線から径方向に偏心量Rだけ偏位した位置に形成された偏心体Wb2を備え、偏心体Wb2は、その軸線が基部Wa2の軸線側に傾いた(シフトした)形状を有している。
図8は、変形例1に係るNCプログラムの一例を示す説明図である。図8では、ワークW2の偏心体Wb2を加工するNCプログラムの一例が示されている。図8に示すように、この例では、図4に示したNCプログラムと比べて、シーケンスN08における指令が、「G128 P2 Z-30.K10.F2.」となっている点で異なっている。コード「G128 P2」は、偏心切削制御位相シフト指令であり、「Z」はリード軸の移動量(本例ではZ軸方向に30mm)、「K」は偏心量の径方向への変化量(本例では10mm)、「F」は同期送り速度(本例では2mm/回転)を定義している。尚、偏心量の径方向への変化量、即ち偏心変化量「K」は偏心の偏心量増減値である。
このNCプログラムでは、偏心切削制御部27及び制御部23の連携の下、図9に示した処理が実行される。図9は、変形例1の偏心切削制御部及び制御部における処理の一例を示すフローチャートである。尚、図9に示した処理は、図5に示した処理のステップS13に続いて、ステップS16及びS17の処理を実行するもので、他の処理は、図5に示した処理と同じである。したがって、以下では、ステップS16及びS17の処理についてのみ説明し、他の処理については、その説明を省略する。
ステップS13において、偏心切削制御に係る指令を受信していないと認識された場合(ステップS13でなしの場合)、制御部23は、プログラム解析部22から、偏心切削制御位相シフト指令及びこれに関する情報を受信しているかを判定する(ステップS16)。プログラム解析部22から、偏心切削制御位相シフト指令及びこれに関する情報を受信していることが認識されない場合(ステップS16でなしの場合)、ステップS4以降の処理を実行する。
また、プログラム解析部22から、偏心切削制御位相シフト指令及びこれに関する情報を受信していることが認識されると(ステップS16でありの場合)、偏心切削制御部27は、シフト制御下における偏心円弧移動量を算出して、制御部23に送信する(ステップS17)。具体的には、偏心切削制御部27は、偏心円弧動作増減値を算出し、ステップS5で算出した偏心円弧移動量に偏心円弧動作増減値を加算した最終的な偏心円弧移動量を算出し、制御部23に送信する。
そして、偏心円弧移動量ΔX,ΔYは、リード軸の移動量Z、偏心変化量K及び同期送り速度Fから、以下のようにして算出される。
まず、偏心量Rの単位時間当たりの変化量ΔRは次式(13)によって表される。ただし、ΔZは、制御単位時間T当たりのリード軸の移動量であり、同期送り速度Fから算出される。
Figure 0007309094000003
これによって、(11)式及び(12)式で使用される偏心量Rは、次式(14)で示されるように、Z軸方向における偏心変化量Kを考慮した偏心量Rとなる。
Figure 0007309094000004
したがって、偏心円弧移動量ΔX,ΔYは、(11)式及び(12)式ではなく、次式(15)及び次式(16)によって算出することができる。
ΔX=(R+ΔR)cos(Δθ) ・・・(15
ΔY=(R+ΔR)sin(Δθ) ・・・(16
偏心切削制御部27は、制御部23と連携し、(14)式で示される偏心量Rを用いて工具Tを相対移動させる。斯くして、この変形例1によれば、図7に示すようなワークW2の偏心体Wb2を加工することができる。
変形例2
次に変形例2について説明する。この変形例2では、図10に示したワークW3を加工する。図10は、本実施形態の変形例2に係る偏心切削の概要の一例を示す説明図である。このワークW3は、円柱状をした基部Wa3と、その前端面からZ軸方向に突出し、且つ基部Wa3の軸線から径方向に偏心量Rだけ偏位した位置に形成された偏心体Wb3を備え、偏心体Wb3は、その軸線がZ軸方向に沿って螺旋状にねじれた形状、即ち、偏心位相がZ軸方向で増減する形状を有している。このワークW3は、回転容積式一軸偏心ネジポンプに用いられる部品である。
図11は、変形例2に係るNCプログラムの一例を示す説明図である。図10のワークW3の偏心体Wb3を加工するNCプログラムの一例が図11に示されている。図11に示すように、この例では、図4に示したNCプログラムと比べて、シーケンスN08における指令が、「G128 P2 Z-90.Q1080.F2.」となっている点で異なっている。コード「G128 P2」は、偏心切削制御位相シフト指令であり、「Z」はリード軸の移動量(本例ではZ軸方向に90mm)、「Q」は偏心位相の変化量(本例では1080°(3ピッチ分))、「F」は同期送り速度(本例では2mm/回転)を定義している。尚、偏心位相の変化量「Q」は偏心の位相増減値である。
このNCプログラムでは、偏心切削制御部27及び制御部23の連携の下、図9に示したステップS17の処理において、偏心切削制御部27により、シフト制御下における偏心円弧移動量が算出され、制御部23に送信される。
即ち、偏心円弧移動量ΔX,ΔYは、リード軸の移動量LengZ、偏心位相変化量Q及び同期送り速度Fから、以下のようにして算出される。
まず、制御単位時間T当たりの位相変化値Δφは次式(17)によって表される。尚、ΔZは、制御単位時間T当たりのリード軸の移動量であり、同期送り速度Fから算出される。
Figure 0007309094000005
そして、(11)式および(12)式における偏心体Wb3の位相は、次式(18)に示されるように、制御単位時間T当たりの主軸回転角度Δθと、単位時間当たりの位相変化値Δφとの和となるため、偏心円弧移動量ΔX,ΔYは、次式(18)及び次式(19)によって算出され、制御部23に送信される。
ΔX=Rcos(Δθ+Δφ) ・・・(18
ΔY=Rsin(Δθ+Δφ) ・・・(19
尚、主軸回転速度指令Sに対する、任意時刻での、X軸上からの角度はθであり、主軸回転速度指令Sに対する、制御単位時間T当たりの主軸回転角度はΔθである。制御単位時間T当たりのXYの移動量は、(11)式及び(12)式で表される。単位時間当たりの位相変化値Δφは、(17)式で表され、単位時間当たりの位相変化値Δφを加えた移動量は、(18)式及び(19)式で表される。以上より、(1)式及び(2)式で表された偏心円弧運動におけるX軸及びY軸の各指令位置X,Yは、次式(20)及び次式(21)で表される。
Figure 0007309094000006
Figure 0007309094000007
斯くして、この変形例2によれば、図10に示すようなワークW3の偏心体Wb3を加工することができる。
以上のように、偏心切削制御の指令時に決定した偏心条件だけでなく、Z軸方向の移動と同期して偏心条件を変更することで、図6、図7及び図10に示すようなワークW1、W2及びW3の加工を容易に実現することができる。このような偏心条件の変更は、制御上、偏心切削制御指令に加え、偏心切削制御シフト指令を指令することで実現することができる。
以上、本開示の具体的な実施形態について説明したが、本開示が採り得る態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。
また、上例では、偏心切削に関する情報の一部をNCコードとしたが、これに限られるものではなく、パラメータとして設定して、パラメータ記憶部26に格納する態様としてもよい。
また、上例では、NCプログラム中に指令されたコード「M45」により位置制御モードに移行させるようにしたが、制御部23が自律的に位置制御モードに切換えて、位置決めを行うようにしてもよい。
繰返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。一例では、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。本開示の範囲は、上述の実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。さらに、本開示の範囲には、請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
1 工作機械、2 主軸、3 チャック、4 刃物台、10 駆動部、11 送り駆動部、12 X軸送り駆動部、13 Y軸送り駆動部、14 Z軸送り駆動部、15 主軸駆動部、20 制御装置、21 NCプログラム記憶部、22 プログラム解析部、23 制御部、24 送り制御部、25 主軸制御部、26 パラメータ記憶部、27 偏心切削制御部、30 入出力装置。

Claims (7)

  1. ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部とを備えた工作機械の、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部の作動を制御する制御装置であって、
    前記主軸駆動部及び前記送り駆動部を制御する制御部と、
    前記主軸に保持された前記ワークの、前記主軸の中心から径方向に偏位した位置に設けられた偏心体を加工する偏心切削制御部と、
    を備え、
    前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記主軸を回転させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした後、前記主軸の中心から前記偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、前記偏心体の中心の前記X軸を基準とした前記主軸軸線周りの回転角度をθとして、前記主軸の回転に同期させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした位置に対して次式(1)及び次式(2)となる値の円弧軌跡を描く円弧運動の移動量を算出し、算出した前記円弧運動の移動量となるように、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させながら、前記工具保持部及び前記主軸を前記Z軸方向に相対的に移動させるように構成され、
    前記偏心体は、前記Z軸方向に沿ったリードである場合に、
    前記偏心切削制御部は、前記偏心体の前記Z軸方向の長さをLengZとし、該Z軸方向における偏心の位相増減値をQとして、前記制御部と連携し、更に、単位時間当たりのZ軸方向の送り量ΔZに同期させて、単位時間当たりの位相変化値Δφを次式(3)として、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させるように構成されていることを特徴とする制御装置。
    X=Rcosθ ・・・(1)
    Y=Rsinθ ・・・(2)
    Figure 0007309094000008
  2. ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部とを備えた工作機械の、前記主軸駆動部及び前記送り駆動部の作動を制御する制御装置であって、
    前記主軸駆動部及び前記送り駆動部を制御する制御部と、
    前記主軸に保持された前記ワークの、前記主軸の中心から径方向に偏位した位置に設けられた偏心体を加工する偏心切削制御部と、
    を備え、
    前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記主軸を回転させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした後、前記主軸の中心から前記偏心体の中心までの距離である偏心量をRとし、前記偏心体の中心の前記X軸を基準とした前記主軸軸線周りの回転角度をθとして、前記主軸の回転に同期させて、前記偏心体の中心位置が前記X軸上に位置するように位置決めした位置に対して次式(4)及び次式(5)となる値の円弧軌跡を描く円弧運動の移動量を算出し、算出した前記円弧運動の移動量となるように、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させながら、前記工具保持部及び前記主軸を前記Z軸方向に相対的に移動させるように構成され、
    前記偏心体は、前記Z軸方向に沿ったリードである場合に、
    前記偏心切削制御部は、前記偏心体の前記Z軸方向の長さをLengZとし、該Z軸方向における偏心量増減値をKとして、前記制御部と連携し、更に、単位時間当たりのZ軸方向の送り量ΔZに同期させて、前記偏心量Rを次式(6)として、前記工具保持部及び前記主軸を相対的に移動させるように構成されていることを特徴とする制御装置。
    X=Rcosθ ・・・(4)
    Y=Rsinθ ・・・(5)
    Figure 0007309094000009
  3. 前記制御部は、前記主軸を定められた回転速度で回転させる速度制御モード、前記主軸をその軸線周りの定められた回転角度位置に位置決めする位置制御モード、及び前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作とを同期させる同期制御モードの3つの制御モードを実行可能に構成され、
    前記偏心切削制御部は、前記制御部を前記同期制御モードに移行させることにより、前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作とを同期させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記制御装置は、少なくとも前記制御部を介して、前記主軸駆動部の動作と前記送り駆動部の動作との同期を伴わない旋削加工を実行するように構成され、
    前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記送り駆動部に対してフィードフォワード制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記送り駆動部の送り速度と、前記円弧運動における角速度との合成速度を、予め定めた制限速度以下に制御するように構成され、
    前記合成速度は、前記送り駆動部における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記偏心切削制御部は、前記制御部と連携して、前記円弧運動における等速円運動の加速度を予め定めた制限加速度以下に制御するように構成され、
    前記制限加速度は、前記送り駆動部における負荷が許容負荷を超えない範囲で設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. ワークを保持して回転させる主軸と、工具を保持する工具保持部と、前記主軸を回転させる主軸駆動部と、前記工具保持部及び前記主軸を、前記主軸の軸線に一致するZ軸、該Z軸に直交するX軸、前記X軸及び前記Z軸に直交するY軸に沿って相対的に移動させる送り駆動部と、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置と、
    を備えることを特徴とする工作機械。
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