JP2003266083A - フッ素含有排水の処理方法及び装置 - Google Patents

フッ素含有排水の処理方法及び装置

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JP2003266083A JP2002069170A JP2002069170A JP2003266083A JP 2003266083 A JP2003266083 A JP 2003266083A JP 2002069170 A JP2002069170 A JP 2002069170A JP 2002069170 A JP2002069170 A JP 2002069170A JP 2003266083 A JP2003266083 A JP 2003266083A
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悦二 立木
Tomoyuki Ieda
智之 家田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CaF2の純度の高いCaF2含有ケーキを得る
ことができる、フッ素含有排水の処理技術を提供する。 【解決手段】フッ素含有排水の処理方法を、少なくと
も、より高濃度のフッ素含有排水にカルシウム化合物を
添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以
下に維持し、所定濃度にフッ素成分を残存させるように
反応させる第1の反応工程と、第1の反応工程によって
得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成分とより低
濃度のフッ素含有排水との混合物にカルシウム化合物を
添加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以
下に維持し、前記第1の工程より低い所定濃度にフッ素
成分を残存させるように反応させる第2の反応工程、と
を含む反応工程を実施するようにする。この排水処理方
法よれば、最終的に固液分離を経て得られる固形分にお
けるCaF2含有量を増大させることができる。このた
め、高純度のCaF2を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有排水の
処理技術に関し、特に、半導体製造工程などにおいて排
出されるフッ素含有排水の処理技術に関し、高純度なフ
ッ化カルシウムを得ることができるフッ素含有排水の処
理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程などにおいて排出される
フッ素含有排水などの各種フッ素含有排水は、一般的に
は、カルシウム塩などの水溶性カルシウム化合物などを
添加してCaF2(沈殿物)を含有する汚泥を生成さ
せ、その後、この汚泥を固液分離する方法が用いられて
いる。この方法によれば、フッ素が、CaF2という固
形分で水系から排除されることで、フッ素濃度が低減さ
れた処理水を得ることができる。この方法におけるCa
2の生成反応は、以下の式に示すとおりである。 Ca2++2F→CaF2
【0003】このフッ素含有排水処理においては、近
年、フッ素の排水基準がきびしくなり、環境面からもフ
ッ素を効率的に回収することが要望されている。このた
め、上記式からも明かなように、水溶性のカルシウム化
合物などを過剰に添加することが多く行われてきてい
た。さらに、近年、フッ素濃度がより一層低減された処
理水を得ることが要望されてきている。例えば、特開2
001−212574号公報には、処理水に含まれるフ
ッ素以外のイオンであって、CaF2の生成を抑制する
難溶性塩生成するイオンの量を測定して、このイオン量
に基づいてカルシウム塩の添加量を制御し、これにより
高水質な処理水を得ることが開示されている。また、特
開平6−114382号公報には、CaF2を含む濃縮
汚泥を一部反応槽へ返送して汚泥循環させることで、フ
ッ素含有排水からのフッ素の除去効率を高めることが開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法は、難溶性塩を生成するイオンをかなり大量に含む
場合には好適であるが、本来的にそのようなイオンを多
く含まない処理液には適合しない。さらに、処理水中の
フッ素イオン濃度を低下させることができたものの、大
量の難溶性塩がCaF2含有ケーキに含まれるおそれが
ある。また、後者の方法は、CaF2の析出を促進させ
る点においては効果的ではあるものの、大量の汚泥を返
送させる必要がある、このために、得られるCaF2
有ケーキには、CaF2以外の固形分も濃縮されること
になる。すなわち、これらの方法によっては、フッ素濃
度が低減された処理水を得ることはできるものの、純度
の高いCaF2含有ケーキを得ることは困難であった。
【0005】そこで、本発明は、CaF2の純度の高い
CaF2含有ケーキを得ることができる、フッ素含有排
水の処理技術を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フッ素含
有排水に対してカルシウム化合物を添加して行うCaF
2の生成反応において、その反応系のpH制御ないしフ
ッ素イオン濃度制御について、種々検討したところ、上
記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供され
る。
【0007】(1)フッ素含有排水の処理方法であっ
て、少なくとも、以下の反応工程:フッ素含有排水にカ
ルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10
を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を
残存させるように反応させる第1の反応工程と、第1の
反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フ
ッ素成分にカルシウム化合物を添加して得られる反応液
のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記第1の
反応工程より低い所定濃度にフッ素成分を残存させるよ
うに反応させる第2の反応工程、とを備える、方法。 (2)フッ素含有排水の処理方法であって、少なくと
も、以下の反応工程:より高濃度のフッ素含有排水にカ
ルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10
を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を
残存させるように反応させる第1の反応工程と、第1の
反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残存フ
ッ素成分とより低濃度のフッ素含有排水との混合物にカ
ルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10
を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程より低い
所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第
2の反応工程、とを備える、方法。 (3)フッ素含有排水の処理方法であって、少なくと
も、以下の反応工程;より高濃度のフッ素含有排水にカ
ルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10
を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を
残存させるように反応させる第1の反応工程と、前記第
1の反応工程の反応生成物及び残存フッ素成分とより低
濃度のフッ素含有排水との混合物にさらにカルシウム化
合物を添加して得られる反応液のpHを10を超え1
2.5以下に維持し、前記第1の工程より低い所定濃度
にフッ素成分を残存させるように反応させる第2の反応
工程、を備え、最終反応工程の反応液を中和する工程
と、反応生成物を固液分離する工程、とを備える、方
法。 (4)前記反応工程中、前記第1の反応工程と前記第2
の反応工程との間には、第1の反応工程の反応液を固液
分離する固液分離工程を備える、(1)〜(3)のいず
れかに記載の方法。 (5)前記第1の反応工程における残存フッ素成分濃度
は、2700mg/l以上3300mg/l以下であ
る、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。 (6)前記第2の反応工程における残存フッ素成分濃度
は、270mg/l以上330mg/l以下である、
(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。 (7)前記中和工程における中和は、pH7.5以上1
0以下とする、(3)記載の方法。 (8)前記第1及び第2の反応工程では、カルシウム化
合物として、Ca(OH)2のスラリーを用いて行う、
(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。 (9)前記高濃度フッ素含有処理水は、5000mg/
l以上30000mg/l以下のフッ素を含有し、前記
低濃度フッ素含有処理水は、500mg/l以上500
0mg/l未満のフッ素を含有する、(2)または
(3)に記載の方法。 (10)アンモニア含有フッ素含有排水の処理方法であ
って、アンモニア含有フッ素含有排水にカルシウム化合
物を添加して得られる反応液のpHを10を超え12.
5以下に維持し、フッ素成分を残存させるように反応さ
せる第1の反応工程と、第の1の反応工程の反応液を固
液分離し、液体中のアンモニアを除去する工程と、固液
分離後の固形分とアンモニア除去後の液体との混合物に
カルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを1
0を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程より低
い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる
第2の反応工程、とを備える、方法。 (11)前記第2の反応工程の混合物には、前記アンモ
ニア含有フッ素含有排水よりも低濃度のフッ素を含有す
るフッ素含有排水を供給する、(10)記載の方法。 (12)前記固液分離工程により分離された固形分の少
なくとも一部を前記反応工程のいずれかに返送する、
(3)または(4)に記載の方法。 (13)CaF2含有量が90wt%以上の固形分を得るた
めの(1)〜(12)のいずれかに記載の方法。 (14)さらに、以下の特徴: (a)CaF2以外のCa分の含有量が9.0wt%以
下 (b)塩素イオン、硝酸イオン、及び炭酸イオンの含有
量の総量が1000ppm以下である、 を備える、固形分を得るための請求項13に記載の方
法。 (15)フッ素含有排水の処理装置であって、第1の反
応槽と、この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手
段と、この反応槽内の反応液のpHを検出する手段と、
この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手
段、とを備える、第1の反応装置群と、前記第1の反応
槽の反応液の少なくとも一部が供給される第2の反応槽
と、この反応槽内の反応液のpH検出手段と、この反応
槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、この反応槽
内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、とを備
える第2の反応装置群と、第2の反応槽の反応液を中和
する手段と、反応生成物を固液分離する固液分離手段、
とを備える、装置。 (16)さらに、前記第1の反応装置によって得られる
反応液を固液分離する手段を備える、(15)記載の装
置。 (17)さらに、前記第1の反応装置によって得られる
反応生成物を固液分離する手段によって分離された処理
水からアンモニアを除去するアンモニア除去手段を備え
る、(16)記載の装置。 (18)前記第1の反応装置の反応槽に高濃度フッ素含
有排水を供給する手段と、前記第2の反応装置の反応槽
に低濃度フッ素含有排水を供給する手段、とを備える、
(15)〜(17)のいずれかに記載の装置。
【0008】これらのフッ素含有排水処理方法よれば、
最終的に固液分離して得られる固形分におけるCaF2
含有量を増大させるとともに、CaF2以外のカルシウ
ム分を低減することができる。このため、高純度のCa
2を得ることができる。また、これらのフッ素含有排
水処理装置によれば、高純度のCaF2を容易に得るこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のフッ素含有排水の処理方法
は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加して得ら
れる反応系のpHを10を超え12.5以下に維持し、
所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第
1の工程と、第1の工程によって得られる反応液中の少
なくとも残存フッ素成分にさらにカルシウム化合物を添
加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下
に維持し、前記第1の反応工程より低い所定濃度にフッ
素成分を残存させるように反応させる第2の反応工程、
とを備えている。また、より高濃度のフッ素含有排水に
カルシウム化合物を添加して得られる反応系のpHを1
0を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分
を残存させるように反応させる第1の工程と、第1の工
程によって得られる反応液中の少なくとも残存フッ素成
分とより低濃度のフッ素含有排水との混合物にさらにカ
ルシウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10
を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程より低い
所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第
2の反応工程、とを備えている。すなわち、より高濃度
のフッ素含有排水をフッ素成分を残存させながら反応さ
せつつ、かつ残存するフッ素成分(未反応分)をより低
濃度側のフッ素含有排水と合わせて処理していく、フッ
素含有排水処理方法である。したがって、濃度差のある
フッ素濃度のフッ素含有排水がある場合には、少なくと
も第1と第2の反応工程を実施し、必要に応じて、3工
程以上の反応工程を実施することができる。
【0010】また、本発明の装置は、第1の反応槽と、
この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、こ
の反応槽内の反応液のpHを検出する手段と、この反応
槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手段、とを
備える、第1の反応装置群と、前記第1の反応槽の反応
液の少なくとも一部が供給される第2の反応槽と、この
反応槽内の反応液のpH検出手段と、この反応槽内にカ
ルシウム化合物を供給する手段と、この反応槽内の反応
液のフッ素イオン濃度を検出する手段、とを備える第2
の反応装置群と、第2の反応槽の反応液を中和する手段
と、反応生成物を固液分離する固液分離手段、とを備え
ている。
【0011】(フッ素含有排水)これらの処理方法及び
処理装置、すなわち、処理技術は、フッ素を含む排水処
理に適用することができる。フッ素含有排水は、例え
ば、シリコンウエハなどの半導体製造工程、プリント基
板の製造工程、ステンレス鋼鈑製造工程、フッ酸製造工
程に関連して排出されるフッ素含有排水に適用すること
ができる。
【0012】特に、半導体製造工程において発生するフ
ッ素含有排水に好ましく適用することができる。なかで
も、エッチング工程から発生する比較的高濃度にフッ素
を含有する排水や洗浄工程から発生する比較的低濃度の
フッ素含有排水である。前者は、例えば、フッ素濃度が
10000〜15000mg/lであることがある。ま
た、後者は、例えば、フッ素濃度が500〜1500m
g/lであることがある。本発明においては、これらの
濃度差のあるフッ素含有廃液は、混合して一括処理する
よりも、高濃度フッ素含有排水を第1の反応工程に供給
し、次いで第2の反応工程を実施し、低濃度フッ素含有
排水を前記高濃度フッ素含有排水に対する第2の工程に
供給し、前記高濃度フッ素含有排水由来の第1の工程の
結果物とともに第2の工程を実施することが好ましい。
このように濃度に応じて異なる工程に供給することによ
り、第1の工程での処理量の増大を抑制できる。また、
第1の工程に供給するフッ素含有排水の濃度の変動を抑
制することができるため、反応系中の余剰カルシウム量
を一定値以下に保ちやすくなる。すなわち、フッ素含有
排水のフッ素濃度が大きく変動すると、カルシウム化合
物が過剰に反応系に添加されやすくなって余剰カルシウ
ム量が反応系内に存在するようになると、最終的に得ら
れる固形分においてもCaF2以外のカルシウム塩の含
有量が高くなる傾向にあるが、第1の工程の供給するフ
ッ素含有排水の濃度が安定していると、固液分離後の固
形分中のCaF2含有量を高純度にすることができる。
【0013】また、半導体製造工程などから発生するフ
ッ素含有排水は、半導体材料であるSiO2などのSi
系成分を同時に含有することが多い。本発明の処理技術
においては、SiO2として5mg/l以下の範囲で含
有するフッ素含有排水であることが好ましい。
【0014】(カルシウム化合物)本処理技術におい
て、CaF2生成のために用いることのできるカルシウ
ム化合物(以下、固定化剤ともいう。)は特に限定しな
いで、この反応に従来使用されている化合物を使用する
ことができる。例えば、CaCO3、生石灰(Ca
O)、Ca(NO32、Ca(OH)2などを用いるこ
とができる。最終的に得られる固形分の再利用を考慮す
れば、好ましくは、Ca(OH)2である。
【0015】Ca(OH)2を使用する場合には、粉
末、溶液などの形態で反応系に供給することもできる
が、好ましくは、水に懸濁したスラリー状として供給す
る。スラリーにおいては、濃厚なCa(OH)2溶液に
Ca(OH)2粒子が分散された状態となっている。ス
ラリーを用いることにより、反応液中において接触反応
させやすく、また、注入量の制御が容易という利点があ
る。したがって、余剰のCa(OH)2を発生させにく
くすることができる。Ca(OH)2のスラリー濃度は
特に限定しないが、20〜40wt%程度とすることが
できる。
【0016】以下、本発明の処理技術を図1を参照しな
がら説明する。 (第1の反応工程)第1の反応工程は、フッ素含有排水
にカルシウム化合物を添加して得られる反応液におい
て、フッ素成分が残存するように反応させる工程であ
る。具体的には、反応液のpHを10を超え12.5以
下に維持して反応させる、及び/又は、フッ素イオン濃
度を計測しながら所定濃度にフッ素成分を残存させるよ
うに反応させる工程である。この工程には、少なくとも
1個の反応槽2を備えており、2以上の反応槽を備える
こともできる。2以上の反応槽2を備える場合には、オ
ーバーフローなどにより反応槽2間を反応液が移動する
ように構成することができる。なお、一つの槽が実質的
に区画されて2以上の反応区画に分画されることで2以
上の反応槽が構成されていてもよい。反応槽2は、必要
に応じて貯留槽にもなる。反応槽2には、比較的高濃度
のフッ素含有排水Aが供給用配管などの供給手段4を介
して供給されるようになっている。フッ素含有排水A
は、アンモニアを含んでいてもよい。反応槽2は、槽内
の反応系のpHを検出する手段6と、Ca(OH)2
どのカルシウム化合物を反応槽2に供給するための供給
手段8とを備えることができる。さらに、反応槽2に
は、フッ素イオン濃度検出手段10を備えることもでき
る。フッ素イオン濃度検出手段10としては、公知のフ
ッ素イオン濃度検出手段を用いることができる。好まし
くは、反応槽2を始点及び終点とする循環経路10aを
形成し、この循環経路にフッ素イオン濃度検出手段10
を備えるようにする。反応槽2中の反応液には固形分も
含有しているため、フッ素イオン濃度検出手段10に至
る循環経路にはろ過手段11が備えられていることが好
ましい。
【0017】pH検出手段6により、反応槽2に供給さ
れた排水Aに対して、カルシウム化合物供給手段8によ
ってカルシウム化合物が供給される。pH検出手段6
は、反応槽2内の反応液のpHを測定可能に形成されて
いることが好ましく、カルシウム化合物も、反応槽2の
前段側において供給されるようになっていることが好ま
しい。供給量の制御は、反応槽2内の反応系のpHによ
って行うが、pHが10を超える条件に維持することが
好ましい。pHが10以下となると、Ca(OH)2
投入不足で未反応フッ素が顕著に増加するからである。
また、上限は、12.5以下とすることが好ましい。1
2.5を超えると、Ca(OH)2の投入過剰で、顕著
に不純物となるカルシウム化合物が増量するからであ
る。pHによるカルシウム化合物の供給量制御によれ
ば、簡易に過剰なカルシウム化合物の供給を回避でき
る。また、反応槽2の反応液のフッ素イオン濃度が所定
濃度以下あるいは当初排水濃度の所定割合以下、例えば
約20%以下となった時点で反応槽2におけるカルシウ
ム化合物の供給を停止するような制御をすることもでき
る。このような制御によれば、第2の反応工程あるいは
固形分離工程に対して、一定のフッ素イオン濃度の処理
液を供給することができる。あるいは、第1の工程での
フッ素イオン低下割合を一定することで、最終的に得ら
れる固形分における純度が安定化される。特に、フッ素
イオン濃度によるカルシウム化合物供給量制御によれ
ば、無駄なカルシウム化合物の供給を確実に回避でき
る。
【0018】例えば、第1の反応工程に供給するフッ素
含有排水のフッ素濃度が5000mg/l以上3000
0mg/l以下の場合には、残存させるフッ素イオン濃
度の下限を2700mg/l以上3300mg/l以下
に設定することが好ましく、より好ましくは、約300
0mg/lである。また、当初フッ素濃度に応じて残存
させるフッ素イオン濃度の上限を設定させる場合には、
当初フッ素濃度の約13%以上約70%以下に下限設定
することが好ましい。より好ましくは、約20%以上約
50%以下である。
【0019】第1の反応工程において、カルシウム化合
物として、Ca(OH)2スラリーを用い、上記pH制
御を実施することにより、反応系における余剰のCaの
存在を回避しつつ、効率よくCaF2を沈殿させること
ができる。このため、かかる第1の反応工程を実施する
ことにより、高い純度のCaF2を得られやすくなる。
特に、高濃度フッ素含有排水に対してこのような第1の
工程を実施することで、効率的にCaF2を沈殿させる
ことができる。
【0020】(第1の工程と第2の工程との中間工程)
第1の工程により得られる反応液のうち、少なくとも残
存フッ素成分は、その後、第2の反応工程に供給され
る。例えば、第1の反応工程に供給される排水がアンモ
ニアを含有している場合には、第1の工程の実施後に、
固液分離工程と、分離された液体についてのアンモニア
除去工程を実施することができる。その後、固形分とア
ンモニア除去後の液体とを、第2の工程に供給すること
ができる。アンモニア含有排水にこの処理を実施するこ
とで、第2の工程におけるアンモニア由来の不純物を低
減することができる。当該固液分離工程は、特に手段を
限定しないが、遠心分離機などの簡易的な固液分離手段
30を使用することが好ましい。また、アンモニア除去
工程としては、アルカリ下でアンモニアをガス化するこ
とにより除去することができる。このとき、pHは11
以上とすることが好ましい。アルカリとしては、特に限
定しないが、NaOHなどを使用できる。
【0021】(第2の反応工程)第2の反応工程は、第
1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも残
存フッ素成分にカルシウム化合物を添加して、さらに低
濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる工程で
ある。具体的には、反応液のpHを10を超え12.5
以下に維持して反応させる、及び/又は、フッ素イオン
濃度を計測しながらより低い所定濃度にフッ素成分を残
存させるように反応させる工程である。第2の反応工程
には、第1の反応工程によって得られる反応液の全体を
供給することもできるが、少なくとも当該反応液中の残
存フッ素成分を含む部分、一般的には、第1の反応工程
の反応液の固液分離後の液体を供給する。したがって、
当該液体に加えて、さらに、固液分離後の固形分の一部
あるいは全体も第2の反応工程の反応液に供給すること
もできる。
【0022】さらに、第2の反応工程及びそれ以降の反
応工程には、第1に反応工程に供給したフッ素含有排水
よりもより濃度の低いフッ素含有排水を供給することが
できる。例えば、このようなフッ素含有排水としては、
洗浄工程からの洗浄排水、あるいはスクラバーのブロー
排水やスクラバーメインテナンス排水等のスクラバー系
排水を挙げることができる。スクラバー系排水は大量に
発生するため、フッ素濃度は極めて低濃度であるもの
の、含有される全フッ素量が多い。したがって、濃縮す
ることが有効であり、また、他の半導体製造工程のフッ
素含有排水の処理工程に合流させることによって効率的
な排水処理が可能となっている。
【0023】第2の工程には、少なくとも1個の反応槽
12を備えており、2以上の反応槽を備えることもでき
る。図1に示す形態では、第2の反応槽12が備えられ
ている。反応槽12には、第1の工程と同様に、槽内の
反応系のpHを検出する手段16と、Ca(OH) 2
どのカルシウム化合物を反応槽12に供給するための供
給手段18とを備えることができる。反応槽12には、
フッ素含有排水Aより低濃度のフッ素含有排水Bが供給
用配管などの供給手段14を介して供給されるようにな
っている。また、反応槽12には、フッ素イオン濃度検
出手段20も備えることができる。フッ素イオン濃度検
出手段20は、第1の工程に備えられる手段10と同様
に、循環経路20aとろ過手段21とを備えている。な
お、フッ素イオン濃度は、反応工程以降の中和工程、凝
集工程において変化することはないため、中和槽22や
凝集槽32において検出することもできる。
【0024】第2の反応工程におけるフッ素とカルシウ
ム化合物との反応の制御は、第1の反応工程におけるの
とほぼ同様であるが、残存させようとするフッ素成分の
濃度においてのみ相違する。第2の反応工程では、第1
の反応工程で制御したよりも低い濃度にまで残存フッ素
成分を減少させるようにする。このような段階的な残存
フッ素成分の濃度制御により、純度の高い固形分が得ら
れる。また、例えば、半導体製造工程において、各種濃
度のフッ素含有排水に対して、その排出濃度に応じて効
率的な処理が可能となっている。
【0025】第2の反応工程におけるフッ素イオン濃度
の下限設定値は、例えば、270mg/l以上330m
g/l以下とすることが好ましい。この範囲内の濃度を
下限設定値として設定することにより、CaF2の回収
率と純度とを確保しやすくなる。例えば、第2の工程に
供給されるフッ素含有排水のフッ素濃度が500mg/
l以上5000mg/l未満の場合には、フッ素イオン
濃度の下限値を270mg/l〜330mg/lに設定
することが好ましく、より好ましくは、約300mg/
lである。また、第2の反応工程に供給されたフッ素含
有排水のフッ素イオン濃度に対しては、その約5%〜約
50%程度を下限値とすることが好ましい。より好まし
くは、約20%〜約40%を下限値とする。
【0026】反応工程は、第1の反応工程と第2の反応
工程のみならず、第3の反応工程以上を設けることもで
きる。排出されるフッ素含有排水濃度やその多様性に応
じて適宜反応工程を増やすことができる。反応工程と反
応工程との間には、固液分離工程などを設け、適宜、固
形分を反応液から除去することができる。また、得られ
た固形分は、次段の反応工程のみならず、前段の反応工
程に供給して、種晶として利用したり、再精製させるこ
ともできる。
【0027】(中和工程)全ての反応工程を終了して得
られる反応液は、中和しておくことが好ましい。中和す
ることによって、その後の固液分離工程を経て得られる
固形分の取り扱いやすさや安全性を確保することができ
るとともに、処理水も安全に処理できるようになる。中
和工程では、特に、その反応系を中和する。中和は特に
限定しないが、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸などを用いるこ
とができる。好ましくは、硫酸を使用し、硝酸、塩酸、
炭酸などは、最終的に得られるCaF2からフッ酸の製
造工程における不純物となるため、使用しないことが好
ましい。中和のpH制御は、少なくとも酸を加えること
によって行う。好ましくは、酸を加えて7.5以上10
以下とする。より好ましくは、pH8以上9以下とす
る。
【0028】中和工程は、反応工程の反応液が供給され
る中和槽22にて行われることが好ましい。中和槽22
には、中和剤を供給する手段24とpH検出手段26と
が備えられている。
【0029】(凝集工程)反応工程後の反応液あるいは
中和後の中和液は、必要に応じて、高分子凝集剤などの
凝集剤を添加して凝集させる。凝集対象液に対して、凝
集剤供給手段34をにより凝集剤を供給し、凝集させる
ことができる。凝集には、別途凝集槽32を用いること
が好ましい。効率的な固液分離工程を実施するには、凝
集工程を予め実施することが好ましい。通常、図1に示
すように、中和槽22からオバーフローなどで凝集槽3
2に移送され、ここに、凝集剤が添加されて凝集反応が
実施される。
【0030】(固液分離工程)固液分離工程では、反応
工程後の反応液、中和工程後の中和液、あるいは凝集工
程の凝集液を固液分離する。固液分離工程は、公知の固
液分離手段42を用いて行うことができる。例えば、ク
ラリファイヤーやシックナーなどを用いて行うことがで
きる。固液分離工程において分離された液体は、必要に
応じてさらなる排水処理工程に供給される。一方、分離
された固形分は、CaF2を高純度に含有されていると
ともに、CaF2以外のCa塩などCa分が低減されて
いる。本処理技術によれば、90重量%以上のCaF2
を含有する固形分を得ることができる。かかる高純度C
aF2は、フッ酸製造原料として再利用することができ
る。さらに、CaF2以外のカルシウム分が9.0重量
%以下の固形分を得ることができる。したがって、本処
理技術によれば、フッ素含有排水の処理のみならず、フ
ッ酸製造原料への再生ないし再利用のための方法となっ
ている。半導体製造工程由来のフッ素含有排水を、半導
体製造工程のフッ酸製造原料として再利用する場合に
は、循環型の利用システムを構築することができる。な
お、最終的な固液分離工程に先んじて、反応工程間など
において必要に応じて行われた固液分離工程の分離固形
分は、個別の固液分離工程において回収し再利用するこ
ともできるし、最終的に行われる固液分離工程で得られ
る固形分に合わせることもできる。
【0031】本処理技術によれば、第1の反応工程にお
いて、フッ素成分が残存するように反応させる。具体的
には、CaF2生成反応において、pHに基づくカルシ
ウム化合物の供給量制御により、反応系に存在する過剰
な、すなわち、フッ素イオンに対して過剰なカルシウム
供給が抑制されている。このため、最終的に得られる固
形分における固定化剤やその他のカルシウム塩の含有量
が低下されている。さらに、同時に、第1の工程におい
てフッ素イオン濃度に基づく固定化剤の供給量制御が実
施されている場合には、より精密な固定化剤供給制御が
達成できるため、最終固形分におけるCaF2含有量を
高純度で安定化させることができる。
【0032】また、本処理技術によれば、次いで、第2
の反応工程において、さらにフッ素濃度が低濃度側にお
いて、なおかつフッ素成分を残存させるように反応させ
る。このように、段階的に残存フッ素成分濃度を低くし
ていくことにより、過剰なカルシウム化合物の供給量を
全体として低く押さえ、過剰な供給を回避できるため、
CaF2純度の高い固形分を容易に得ることができる。
さらに、第2の反応工程や第2の反応工程に引き続くさ
らなる反応工程において、第1の反応工程に供給したフ
ッ素含有排水よりも低濃度のフッ素含有排水をそれぞれ
合流させ、混合して併合処理することもできる。これに
より、半導体製造工程の様々な工程において発生する各
種濃度のフッ素含有排水を効率的に処理することができ
る。また、引き続いて実施する反応工程に、前段の反応
工程の反応生成物(CaF2含有固形分)の一部あるい
は全体を供給することで、共沈などにより効率的にCa
2を生成させることもできる。
【0033】なお、このようなカルシウム供給量の制御
により、中和工程を実施した際においても添加する中和
剤量を低減することができる。したがって、中和(酸の
添加)によって生成するカルシウム塩などの不純物の生
成を抑制し、最終固形分における不純物低減に寄与する
ことができる。
【0034】また、中和剤として硫酸のみを用い、硝
酸、塩酸、炭酸、リン酸などを使用しないことにより、
フッ酸製造に好ましい原料を供給することができるよう
になる。例えば、硝酸イオン、塩素イオン及び炭酸イオ
ンの総量が1000ppm以下の固形分を得ることがで
きる。
【0035】なお、固液分離工程により得られた固形分
は、再利用などする他、それ以前に実施した1種あるい
は2種以上の反応工程の反応槽に返送することもでき
る。このように返送することにより、固形分中に残留し
た固定化剤を有効に再利用することができる。また、次
に得られる固形分からの不純物としてのCa含有量を低
減させることができる。さらに、固形分に含まれるCa
2は、沈殿生成反応のための種晶としての作用する。
【0036】図1に示す処理工程では、特に、アンモニ
ア含有排水Aを第1の工程に供給し、第1の工程と第2
の工程との中間工程でアンモニアを除去し、第2の工程
でアンモニアが0.001重量%以下のフッ素含有排水
をさらに供給している。このように、アンモニア除去処
理の必要なフッ素含有排水とそうでない含有排水とを併
せることなく、それぞれが分別された状態で、一つの処
理工程の異なる段階で供給することにより、アンモニア
除去効率を低下させることなく、フッ素含有排水処理を
実施することができる。
【0037】また、図1に示す処理工程では、高濃度フ
ッ素含有排水を第1の工程に供給し、こ の第1の工程
に引き続く第2の工程において、さらに、低濃度フッ素
含有排水を供給している。このようにフッ素濃度の高い
排水をそのまま高濃度で効率的に処理し、一旦、ある程
度までフッ素を固定化し残存フッ素濃度を低下させた後
に、第1の工程後の反応生成物と低濃度の排水とを合わ
せることで、フッ素濃度の変動を抑制し、過剰な固定化
剤の供給を抑制しやすくなる。また、既に固定化された
CaF2を含有する固形分を含む反応系に、低濃度の排
水が供給されることで、低濃度排水中のフッ素も共沈に
より、過剰の固定化剤を加えることなく固定化しやすく
することができる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の処理技術の実施例について
説明する。試験プラントは、概略として図1に示すよう
な装置構成を有している。試験プラントにおいては、排
水供給手段4によりアンモニア−フッ酸含有排水(B−
HF)(試料1)が、また、排水供給手段14により希
フッ酸含有排水(試料2)が供給されるようになってい
る。表1に、B−HF排水と、希フッ酸含有排水の成分
分析結果を示す。
【表1】
【0039】第1の工程の処理条件は、pHを上限1
0.25〜10.50の範囲に維持して、Ca(OH)
2スラリー(Ca(OH)2(30wt%水懸濁液)を供給
した。また、第1の工程の後段側においては、フッ素イ
オン濃度を測定し、下限を3000mg/lに設定し
て、3000mg/lに到達したらCa(OH)2スラ
リーの供給を停止するようにした。続いて、遠心分離し
て固液分離し、液体に水酸化ナトリウムを加えてpHを
11以上として、アンモニアをアンモニアガスとして除
去した。固形分と、アンモニア除去後の液体とを第2の
工程に供給し、そこで、試料2が供給された。
【0040】第2の工程での処理条件は、まず、反応槽
12で、pH制御に基づくCa(OH)2スラリー供給
を行った。pHの制御範囲は、10.75〜11.00
とした。次いで、中和槽22にて、pHが8〜9となる
ように中和剤として硫酸のみを使用して中和した。さら
に、引き続いて、凝集槽32にて、高分子凝集剤を添加
して、凝集生成させた。なお、実施例においては、凝集
層32においてフッ素イオン濃度を検出し制御した。凝
集槽32における反応系でのフッ素イオン濃度を300
mg/lを下限設定値として、この下限設定値に到達し
たら、受け入れ槽における固定化剤の供給を停止するよ
うにした。
【0041】第2の工程の反応生成物を固液分離手段に
静置し、固形分を沈殿させて、脱水したものをサンプリ
ングし、試料3とした。試料3の成分分析結果を表2に
示す。
【表2】
【0042】表2に示すように、この処理工程によれ
ば、高純度のCaF2を得ることができた。また、その
他のカルシウム分もよく低減された固形分を得ることが
できた。また、硫酸のみによって中和しているために、
塩素イオンや硝酸イオンが良く低減された固形分を得る
ことができた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素含有排水から高
純度のCaF2を含有する固形分を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理技術の工程及び装置の概略を
示す図である。
【符号の説明】
2、12 反応槽 4、14 フッ素含有排水供給手段 6、16 pH検出手段 8、18 カルシウム化合物供給手段 10、20 フッ素イオン濃度検出手段 10a、20a 循環経路 11、21 ろ過手段 22 中和槽 30、42 固液分離手段 32 凝集槽
フロントページの続き (72)発明者 家田 智之 石川県能美郡川北町字山田先出25 松下環 境空調エンジニアリング株式会社石川セク ション内 Fターム(参考) 4D015 BA19 BB05 CA20 DB01 EA31 4D037 AA13 AB12 BA23 BB05 CA08 CA14 4D038 AA08 AB41 BA04 BA06 BB13 BB18

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素含有排水の処理方法であって、 少なくとも、以下の反応工程:フッ素含有排水にカルシ
    ウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超
    え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ素成分を残存
    させるように反応させる第1の反応工程と、 第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも
    残存フッ素成分にカルシウム化合物を添加して得られる
    反応液のpHを10を超え12.5以下に維持し、前記
    第1の反応工程より低い所定濃度にフッ素成分を残存さ
    せるように反応させる第2の反応工程、とを備える、方
    法。
  2. 【請求項2】フッ素含有排水の処理方法であって、 少なくとも、以下の反応工程:より高濃度のフッ素含有
    排水にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のp
    Hを10を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ
    素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程
    と、 第1の反応工程によって得られる反応液中の少なくとも
    残存フッ素成分とより低濃度のフッ素含有排水との混合
    物にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpH
    を10を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程よ
    り低い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応さ
    せる第2の反応工程、とを備える、方法。
  3. 【請求項3】フッ素含有排水の処理方法であって、 少なくとも、以下の反応工程;より高濃度のフッ素含有
    排水にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のp
    Hを10を超え12.5以下に維持し、所定濃度にフッ
    素成分を残存させるように反応させる第1の反応工程
    と、 前記第1の反応工程の反応生成物及び残存フッ素成分と
    より低濃度のフッ素含有排水との混合物にさらにカルシ
    ウム化合物を添加して得られる反応液のpHを10を超
    え12.5以下に維持し、前記第1の工程より低い所定
    濃度にフッ素成分を残存させるように反応させる第2の
    反応工程、を備え、 最終反応工程の反応液を中和する工程と、 反応生成物を固液分離する工程、とを備える、方法。
  4. 【請求項4】前記反応工程中、前記第1の反応工程と前
    記第2の反応工程との間には、第1の反応工程の反応液
    を固液分離する固液分離工程を備える、請求項1〜3の
    いずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記第1の反応工程における残存フッ素成
    分濃度は、2700mg/l以上3300mg/l以下
    である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記第2の反応工程における残存フッ素成
    分濃度は、270mg/l以上330mg/l以下であ
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】前記中和工程における中和は、pH7.5
    以上10以下とする、請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の反応工程では、カルシ
    ウム化合物として、Ca(OH)2のスラリーを用いて
    行う、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記高濃度フッ素含有処理水は、5000
    mg/l以上30000mg/l以下のフッ素を含有
    し、前記低濃度フッ素含有処理水は、500mg/l以
    上5000mg/l未満のフッ素を含有する、請求項2
    または3に記載の方法。
  10. 【請求項10】アンモニア含有フッ素含有排水の処理方
    法であって、 アンモニア含有フッ素含有排水にカルシウム化合物を添
    加して得られる反応液のpHを10を超え12.5以下
    に維持し、フッ素成分を残存させるように反応させる第
    1の反応工程と、 第の1の反応工程の反応液を固液分離し、液体中のアン
    モニアを除去する工程と、 固液分離後の固形分とアンモニア除去後の液体との混合
    物にカルシウム化合物を添加して得られる反応液のpH
    を10を超え12.5以下に維持し、前記第1の工程よ
    り低い所定濃度にフッ素成分を残存させるように反応さ
    せる第2の反応工程、とを備える、方法。
  11. 【請求項11】前記第2の反応工程の混合物には、前記
    アンモニア含有フッ素含有排水よりも低濃度のフッ素を
    含有するフッ素含有排水を供給する、請求項10記載の
    方法。
  12. 【請求項12】前記固液分離工程により分離された固形
    分の少なくとも一部を前記反応工程のいずれかに返送す
    る、請求項3または4に記載の方法。
  13. 【請求項13】CaF2含有量が90wt%以上の固形分を
    得るための請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】さらに、以下の特徴: (a)CaF2以外のCa分の含有量が9.0wt%以
    下 (b)塩素イオン、硝酸イオン、及び炭酸イオンの含有
    量の総量が1000ppm以下である、を備える、固形
    分を得るための請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】フッ素含有排水の処理装置であって、 第1の反応槽と、 この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、 この反応槽内の反応液のpHを検出する手段と、 この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手
    段、とを備える、第1の反応装置群と、 前記第1の反応槽の反応液の少なくとも一部が供給され
    る第2の反応槽と、 この反応槽内の反応液のpH検出手段と、 この反応槽内にカルシウム化合物を供給する手段と、 この反応槽内の反応液のフッ素イオン濃度を検出する手
    段、とを備える第2の反応装置群と、 第2の反応槽の反応液を中和する手段と、 反応生成物を固液分離する固液分離手段、とを備える、
    装置。
  16. 【請求項16】さらに、前記第1の反応装置によって得
    られる反応液を固液分離する手段を備える、請求項15
    記載の装置。
  17. 【請求項17】さらに、前記第1の反応装置によって得
    られる反応生成物を固液分離する手段によって分離され
    た処理水からアンモニアを除去するアンモニア除去手段
    を備える、請求項16記載の装置。
  18. 【請求項18】前記第1の反応装置の反応槽に高濃度フ
    ッ素含有排水を供給する手段と、前記第2の反応装置の
    反応槽に低濃度フッ素含有排水を供給する手段、とを備
    える、請求項15〜17のいずれかに記載の装置。
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