JP2003261541A - 新規なヘアピン型ポリアミド - Google Patents
新規なヘアピン型ポリアミドInfo
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Abstract
列に対して、従来のこの種の機能分子よりも更に高いD
NAアルキル化能と配列認識能を兼ね備えたピロール−
イミダゾールポリアミド系の機能分子を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明は、ピロール−イミダゾールポリ
アミドの末端にビニールリンカーを介してアルキル化反
応部位を有するヘアピン型ポリアミドに関する。また、
本発明は、上記ヘアピン型ポリアミドを含んでなる、特
定遺伝子の発現を抑制する薬剤並びに抗ガン性を有する
薬剤に関する。
Description
現を抑制し、高い抗ガン作用を有する新規で且つ極めて
有用なヘアピン型ピロール−イミダゾールポリアミドに
関する。
現在、ある特定の塩基配列に対して特異的な機能を有す
る分子に多くの研究者の注目が集まっている。例えばD
ervanらは逆平行に配向したピロール(Py)−イ
ミダゾール(Im)ポリアミドが塩基配列特異的にDN
Aのマイナーグルーブに結合することを見い出した(Bi
oorg. Med. Chem. 2001, 9, 2215;Curr. Opin. Str. B
iol. 1997, 7, 355;J.Am. Chem. Soc. 1997, 119, 763
6 等)。これらの分子は転写因子などに匹敵する結合定
数と特異性を有しているので(J. Am Chem. Soc. 1998,
120, 3534;J.Am Chem. Soc. 1998, 120, 6219 等)、
実際これらの分子を用いて遺伝子の発現の制御が既に検
討されている(Nature, 1997, 387, 202;Proc. Natl.
Acad.Sci. USA 1998, 95, 12890等)。しかしながら遺
伝子の発現の制御は転写因子の結合を阻害することによ
って行われているため、ポリアミドが結合するターゲッ
ト配列は限られている(J. Am. Chem. Soc. 2000, 122,
4856)。本発明者らはPy−Imポリアミドにデュオ
カルマイシンAのアルキル化部位であるセグメントA
(Du)を結合したハイブリット分子1を先に開発し特
許出願している(WO00/15641号公報)。そのハイブ
リット分子1はPy−Imポリアミドによる配列認識能
と450塩基対のDNAフラグメントの1ケ所をアルキ
ル化する(J. Am Chem. Soc. 1999, 121, 4961)。しか
しながら、1によるDNAの配列特異的アルキル化反応
は、完了するのに1週間以上要し、反応の効率も7%と
低かった。
ポリアミドとの間にビニルリンカーを挿入したImPy
LDu86(Lはビニルリンカーを示す。以下同じ。)
が2量体となって選択的にPyG(A/T)CPuとい
う配列において5塩基離れた両方の鎖で反応することを
見い出している(特開2000−281679号公報;
J. Am Chem. Soc. 2000, 122, 1602)。この際、アルキ
ル化部分の安定性を高めるためにサイクロプロピルイン
ドール(CPI)であるDu86のセグメントAに変更
した。この化合物は25nMという低濃度においても、
用いたImPyLDu86の70%がアルキル化を引き
起こし、リンカー部の導入により反応性と効率が劇的に
向上することが判明した。
存在する特定の塩基配列に対して、従来のこの種の機能
分子よりも更に高いDNAアルキル化能と配列認識能を
兼ね備えたピロール−イミダゾールポリアミド系の機能
分子を提供することを目的とする。
ミダゾールポリアミドの末端にビニールリンカーを介し
てアルキル化反応部位を有するヘアピン型ポリアミドに
関する。
ドを含んでなる、特定遺伝子の発現を抑制する薬剤に関
する。
ドを含んでなる、抗ガン性を有する薬剤に関する。
ドとしては、例えば下記一般式[1]
原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,
q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示
される化合物が挙げられる。
るアルキル化反応部位としては、DNA上に存在する特
定の塩基配列に対して、アルキル化能と配列認識能を兼
ね備えた基であればどのような基でも良いが、例えば、
下記構造式
u86)の残基や、下記構造式
ロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オ
ンの残基等が挙げられる。
ルキルとしては、例えば炭素数1〜20、好ましくは1
〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状の低
級アルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。また、k,p,q,
m,nで表される自然数としては、通常1〜10位,好
ましくは1〜5位の自然数が挙げられる。
は、例えば下記一般式[2]
基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自
然数を表す。)で示される化合物が挙げられる。
しては、例えば下記構造式
しては、例えば下記一般式[3]
基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自
然数を表す。)で示される化合物が挙げられる。
しては、例えば下記構造式
概略を化合物13及び14を例にして反応スキーム1に
示す。なお、反応スキーム1には、比較のために使用し
た既存のタイプのヘアピン型ポリアミド(化合物12)
の合成法も併せて示した。
Pを用いて行いトリアミド4を合成した。その加水分解
により得られるカルボン酸5を12−14のN末端側の
半分にあたる共通のパーツとして利用した。8a−cと
5をカップリングすることによりヘアピンエステル9a
−cを合成した。アルキル化部分としては、ポリアミド
部分とのカップリング条件でより安定なDU86のセグ
メントAを用い、12−14をそれぞれ合成した。最終
化合物はHPLCにより分取、精製をおこない、NMR
及びエレクトロスプレーマスにより構造確認した。
ル化能 ヘアピンポリアミド1、12−14のDNAとの反応に
ついて長鎖DNA(pUC−I’)を用いて検討した。
アルキル化反応を24時間行いシークエンスゲル電気泳
動を用いて解析した結果を図1に示す。比較の対象とし
て用いたImPyPy−γ−ImPyPyDu(1)は
サイト3の5'−GTCAG−3'配列のGで選択的に反
応した。一方で、ImPyPy−γ−ImPyPyDu
86(12)のアルキル化は100nM−12.5nM
では観察できなかった(レーン5−8)。更に10μM
まで濃度をあげてもDNAは全く消失せず、アルキル化
は起こらなかった。この事実はDuの方がDu86より
も高い反応性を有していることを示している。一方、ピ
ロールを1つ除きビニルリンカーを挿入したImPyP
y−γ−ImPyLDu86(13)は1より優れたア
ルキル化能を示し、サイト3のGTCAG配列のA(レ
ーン9−12)で反応した上、100nMの条件ではほ
とんどの出発DNAが消失した(レーン9)。加えてI
mPyPy−γ−ImPyPyにビニルリンカーを挿入
したImPyPy−γ−ImPyPyLDu86(1
4)は13と比較すれば若干反応性が低下しているもの
の、優先的にアルキル化する塩基配列がサイト3のGT
CAG配列のGと異なるマッチサイトであるサイト7や
サイト4、ミスマッチサイトであるサイト2でもアルキ
ル化が進行し、1とは配列特異性が異なっていたことが
明らかとなった(レーン13−16)。これらの結果は
Du86の近傍の自由度が増したためと考えられる。な
お、上記及び以下の記載において、−γ−はγ−アミノ
酪酸残基を表す。
ために、短い反応時間でのアルキル化を解析した。その
結果、興味深いことに13は5分という短時間での反応
でもアルキル化が見られたが、1は1時間でもまだ反応
していないことが明らかになった。これらのことは13
は1に比べてDNAに対して劇的に配列特異的アルキル
化のスピードが向上している事実を示している(図2)
化 アルキル化サイトの反応塩基部を明確に確認するため
に、ポリアミド12、13、14によるアルキル化につ
いてDNAオリゴマー5'−CAAGTCAGAG/5'
−CTCTGACTTGを基質としてHPLCを用いて
検討した。結果を図3に示す。ポリアミドによって反応
性に著しい違いがあったが、すべての場合において反応
の進行に伴いアルキル化体と考えられるピークが観測さ
れた。更に加熱により分解し、先に本発明者らが論文に
示した方法(Tetrahedron Lett.1990, 31, 7197;Tetra
hedron Lett. 1993, 34, 2179 等)によりオリゴマーの
分解生成物を調べることにより、矢印のところでアルキ
ル化反応が起こっていることが確認された。オリゴマー
に対する反応性においても12の反応性は1と比較して
も非常に悪いことが確認された(17hで13%、図
3)。この事実は長鎖DNAに対する反応性と同様Du
とDu86の反応性の差から起因していると思われる。
また逆に13は劇的な反応性の向上が見られた(5分で
75%)。このことはアルキル化部位(Du86)の反
応性よりもDNAマイナーグルーブ内における位置がD
NAアルキル化能に重要な影響を与えていることを示し
ている。14は短鎖DNAに対する反応性だけで見ると
1とほぼ同等(2hで46%)であるが、13と比べる
と反応性が劣っている。以上の結果から、13のような
分子設計、即ちイミダゾール−ピロールヘアピン型ポリ
アミドとCPIアルキレーターの間にビニル基を配置し
たこと、それが、DNAアルキル化能の劇的な向上に大
きく寄与していることが明らかになった。また、DNA
アルキル化剤の塩基配列認識でもビニル基とセグメント
Aとの組み合わせは効果的に機能することが判明した。
ここで合成したヘアピン型ポリアミド13及び14は、
高いDNAアルキル化能を有した塩基配列特異的アルキ
ル化剤であり、遺伝子発現制御やがん細胞に対する抗細
胞増殖阻害活性の結果については後述する。
ル化剤の分子設計 更に認識配列を拡張した機能分子として、14のN末端
にイミダゾール環を付けたAcImImPyPy−γ−
ImPyPyLDu86(15)を設計した。更に、N
末端のアルキル化能に与える影響も確認するために、ア
セチル基を削除したImImPyPy−γ−ImPyP
yLDu86(16)を設計した。合成方法はスキーム
1と同様の方法で、カルボン酸17,18とアミン体1
9とをFDPPによりカップリングを行い20を合成
し、8cとのカップリング後、15,16へと導いた。
最終化合物はHPLCにより分取、精製をおこない、N
MR及びエレクトロスプレーマスにより構造確認した
(スキーム2)。
較するために長鎖DNA(pUC−II)を用いるDN
Aアルキル化反応を行った。反応時間を24時間行い、
シークエンスゲル電気泳動を用いて解析した結果、それ
ぞれnM濃度下での5'−TGACCA−3'における配
列特異的なアルキル化を観察することができた(図
4)。興味深いことに、14もマッチ配列である5'−
TGACCA−3'でアルキル化が観察されているが、
その反応性は15,16と比べると低く、ミスマッチ配
列でのアルキル化も観察されている。明らかにDu86
の近傍の自由度があることがその配列認識能の低下を引
き起こしている。また、N末端のアセチル基を外すこと
による影響は、ほとんどなかった。15,16のような
分子設計は、Im−Py認識則に従った配列認識能を有
しており、認識塩基配列をイミダゾール−ピロールの配
置によって、変えることができる。このような塩基配列
認識能を有しながら高いDNAアルキル化能を兼ね備え
た配列特異的アルキル化剤は前例がないものである。
化剤の分子設計 ここまで述べてきた本発明者らが開発した機能分子1
3,14,15,16は、非常に優れた塩基配列認識能
と、nM濃度で発現するDNAアルキル化能を兼ね備え
た理想的な配列特異的アルキル化剤である。その上、イ
ミダゾール−ピロールの配置を変えることで、認識配列
を変えることも可能にしている。しかしながら、これら
の化合物は何れもDNAアルキル化部分に天然物である
デュオカルマイシンB2由来のセグメントAを使用して
いるので大量生産という点で若干問題が残る。この点に
ついては、本発明者らは、既にBogerらによって合
成法が報告されている(J. Org. Chem. 1992, 57, 287
3;J. Org. Chem. 1995, 60, 1271 等)、CBI:1,
2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ
[e]インドール−4−オン(22)をDu86の代わ
りに使用することでこの問題が解決できると考えた。C
BIを使う上での利点として1,3−ジヒドロキシナフ
タレンという市販品を出発原料として用いることができ
る点、また両エナンチオマーも光学分割によって供給可
能になる点などが挙げられる。そこで、本発明者らは、
16のDu86部をCBIに置き換えた化合物23を新
しく合成した。そしてそのDNAアルキル化能評価を長
鎖DNA(pUC−II)を用いて行った。結果を図5
に示す。
Aと比べても遜色なく配列特異的にアルキル化を行うこ
とができることを見い出した。このCBIへの変換は、
本発明者らが開発してきた配列特異的アルキル化剤に適
用可能であると考えられる。本発明者らのこの新しい発
見は、既存のIm−PyヘアピンポリアミドとCBIを
ビニルリンカーで結合させたことである。このビニルリ
ンカーでの結合による分子設計の最適化が、配列特異的
アルキル化剤実現の重要な因子であった。この発見によ
って、本発明者らが開発した配列特異的アルキル化剤の
実用化、汎用化の可能性が一段と大きくなった。
−Imポリアミドの応用例 (i)遺伝子発現制御ツールとしての可能性―新しいジ
ーンノックアウト法の開発に向けて 特定の遺伝子の発現を人為的にコントロールする方法と
しては、遺伝子の転写産物であるmRNAに対する相補
的なDNA誘導体を投与し、タンパク質への翻訳を阻害
するアンチセンス法や、mRNAを配列選択的に切断す
るリボザイム法などがあり、前者はHIV患者に対する
サイトメガロウイルスに対する点眼薬として既に実用化
されている。遺伝子の転写の段階を抑える方法としては
オリゴヌクレオチド誘導体を標的とする2本鎖DNAに
三重鎖を形成させるアンチジーン法が提案されており、
米国ではベンチャービジネスも数社設立された。しか
し、この方法はターゲットとなる塩基配列がAとGの連
続した部分に限られていることや、またオリゴヌクレオ
チドの核への透過の困難さから、実用化の段階には達し
ていない。
となる塩基配列を自由に選択でき、更に細胞膜や核膜の
透過性も非常にすぐれているため、遺伝子の発現をコン
トロールする分子として大きく発展する可能性を秘めて
いる。実際、Dervanらによってピロール(Py)
−イミダゾール(Im)ポリアミドを用いて遺伝子の発
現の制御の報告がなされている。しかしながら、Der
vanらの遺伝子発現の制御は転写因子の結合を阻害す
ることによって行われるため、ポリアミドが結合するタ
ーゲット配列は限られているのが現状である。アルキル
化能をもつPy−ImポリアミドはDNAに配列特異的
に結合するので、特定の遺伝子の発現を制御領域のみで
なく、蛋白をコードしている領域でも効果的に制御する
ことが可能であると考えられる。従ってこれらの分子
は、ポストゲノム時代に必要とされているノックアウト
ジーン法として未知遺伝子の機能解析や、更にはテーラ
ーメード医薬としてもさまざまな利用が考えられる。ア
ルキル化能をもつPy−ImポリアミドはDNAに配列
特異的に共有結合するので、特定遺伝子のタンパクの発
現をコードする領域でも効果的に制御することが可能で
あると考えられる(図6)。このことはターゲットが似
ている配列が多い調節領域にとどまらず、任意の配列を
ターゲットに選べることを意味している。
づいた新しい抗がん剤として有望であると考えられる。
即ち抗がん剤として細胞において重要な役割を果たして
いることが知られている遺伝子、例えばrasオンコジ
ーン、細胞周期を調節するE2F遺伝子、テロメア領域
やテロメアーゼ遺伝子などをターゲットとする方法があ
げられる。現在、まだ初期的な実験として、T7プロモ
ーターとT7ポリメラーゼを用い、GFPプロテイン発
現コード領域を使った実験を進めているが、そのコード
領域中の387nt位のアデニンに対する化合物13の
配列特異的なアルキル化に由来したポリメラーゼの転写
阻害から生成したmRNAを観察することができている
(図7)。まだ、実験条件が整っていない段階であり、
更に詳細な転写阻害機構を解析していく必要がある。し
かしながら、この結果は、配列特異的アルキル化剤がコ
ード領域中で特異的に転写を阻害する能力を有していた
ことを世界で初めて示した実験であり、その意義は大き
いと考えられる。新しいノックアウトジーン法の開発に
向けてのブレイクスルーになるものである。
殖阻害活性に与える効果・・・・・・テーラーメード抗がん
剤の開発に向けて 本発明者らが合成した多くの配列特異的アルキル化能を
もつPy−Imポリアミドについて39種類のヒト培養
がん細胞に対する抗細胞活性を検討した結果(39種類
のヒト培養がん細胞に対する抗細胞活性評価は、全て
(財)癌研究会癌化学療法センター、矢守隆夫氏に依頼し
た。)、いくつか興味深い事実が明らかになってきた。
ひとつは、DNAアルキル化能と抗細胞活性の間に比例
関係がみられたことである(図8)。例えば、平均IC
50値はそれぞれImPyDu(−4.59)、ImP
yDu86(−5.95)、ImPyLDu86(−
8.25)のようにDNAアルキル化能の増大に伴い、
小さくなっていく。特に、ビニルリンカーをイミダゾー
ル−ピロールポリアミドとDu86の間に配置したこと
による劇的な抗細胞活性の向上が、同系列の配列特異的
アルキル化剤(PyPyLDu86、PyPyPyLD
u86、ImPyPyLDu86)でも観察されている
ことは特筆すべき事実である。
的アルキル化剤、ImPyPy−γ−ImPyLDu3
6(13)とImPyPy−γ−ImPyPyLDu3
6(14)の場合について抗細胞活性を示すフィンガー
プリントパターンを比較したときに得られた(図9)。
一般に、作用機序が類似した薬剤間でフィンガープリン
トパターンを比較した場合、高い相関係数(r=0.7
5〜1.0)が得られてくることが知られており、実
際、DNAインターカレーター、ドキソルビシン、ダウ
ノルビシン、エピルビシン間では非常に高い類似性が見
られる。しかし、13と14は、同じDNAマイナーグ
ループでアデニン、グアニンのN3位をアルキル化する
反応機序であるにもかかわらず、両者のフィンガープリ
ントパターンの相関性はかなり低いものであった(r=
0.60)。この13と14のように、構造が類似して
いながら塩基配列認識能の違いだけで、抗細胞活性に影
響を与えられたことは、これまで前例がなく、非常に重
要な知見になった。これらの結果はアルキル化剤に配列
選択性を付与することで抗細胞増殖阻害活性を変えるこ
とが可能であることを意味しており、新しい抗ガン剤や
遺伝子治療薬への道を拓くものであることを示唆してい
る。
と言われマイトマイシン、シスプラチン、ナイトロジェ
ンマスタード、サイクロフォスファミドなど様々な薬物
が開発され、現在でも臨床で用いられている。しかし、
正常細胞に対する重い副作用など克服が難しい問題があ
り、開発はその後頭打ちになっている。そのため、メト
トキセートや5−フルオロウラシルなどの代謝拮抗剤
や、カンプトテシンなどのトポイソメラーゼの阻害剤、
タキソールなどのチュブリンをターゲットとするDNA
以外を標的とした抗がん剤の開発が主流になっている。
DNAアルキル化剤にDNAの塩基配列特異性を付与す
ることによって、特定の遺伝子の発現を選択的にコント
ロールすることにより、副作用のないテーラーメード抗
がん剤を開発する糸口になると考えられる。
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
た450塩基対DNAの合成 DNAフラグメント(pUC−I')は、5'−テキサス
レッドでラベルした20塩基対プライマー:5'−AG
AATCAGGGGATAACGCAG−3’(pUC
18 forward,780−799)、20塩基対
プライマー:5’−TTACCAGTGGCTGCTG
CCAG−3'(pUC18 reverse,1459
−1478)を用いてpUC18を鋳型としてPCR法
によって合成した。得られたDNAフラグメントはSu
prec−02にてろ過精製した後、UV吸収を測定し
てその濃度を決定した。DNAフラグメント(pUC−
II)は、5'−テキサスレッドでラベルした21塩基
対プライマー:5'−TGCTGGCCTTTTGCT
CACATG−3'(pUC18 reverse,18
61−1881)、18塩基対プライマー:5'−TG
TAAAACGACGGCCAGT−3'(pUC18
forward,378−395)を用いてpUC18
を鋳型としてPCR法によって合成した。得られたDN
AフラグメントはSuprec−02にてろ過精製した
後、UV吸収を測定してその濃度を決定した。
動を用いた解析 全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたD
NAフラグメント(pUC−I')10nM、DMF1
0%(v/v)と図1に表記した濃度の薬剤を含む標準
反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて
23℃下で24時間静置した。 [レーン1−4,100,50,25,12.5nM
(1);レーン5−8,100,50,25,12.5
nM(12);レーン9−12,100,50,25,
12.5nM(13);レーン13−16,100,5
0,25,12.5nM(14);レーン17,DNA
コントロール] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチング
を行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得ら
れたDNAにローディング色素(フューシンレッドのD
MF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20
分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μ
lについて、HITACHI 5500−S DNAシ
ーケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリア
クリルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図1に
示す。
動を用いた解析 全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたD
NAフラグメント(pUC−I’)10nM、DMF1
0%(v/v)と図2に表記した濃度の薬剤を含む標準
反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて
23℃下で5分、1時間、2時間、それぞれ静置した。 [レーン1,DNAコントロール;レーン2−4,10
0,50,25nM (13);レーン5−7,10
0,50,25nM(13);レーン8−10,10
0,50,25nM(13);レーン11−13,10
0,50,25nM(1);] 各反応時間後、子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加
えクェンチングを行い、90℃にて5分間振動させた。
遠心減圧下得られたDNAにローディング色素(フュー
シンレッドのDMF溶液)8μlを加え溶解させた後、
94℃にて20分間振動させた。直ちに0℃にて急冷し
た後、その2μlについて、HITACHI 5500
−S DNAシーケンサーシステムを用いた6%ディネ
ーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行っ
た。結果を図2に示す。
キル化反応の解析 DNAオリゴマーはDNA合成機で合成したものを用い
た。全量50μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)50mM中に二本鎖DNAフラグメント150
μM、DMF10%(v/v)とそれぞれの試薬1,1
2,13,又は14(150μM)を含む標準反応溶液
を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて23℃下
で静置した 反応の進行をケムコボンド 5−ODS−H カラム
(4.6×150mm)を用いてHPLCにて測定し
た。HPLC条件を以下に表記する。[50mMギ酸ア
ンモニウム及び0−50%アセトニトリル リニアグラ
ジエント(0−40min)、流速:1.0mL/mi
n、254nm]結果を図3に示す。
動を用いた解析 全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたD
NAフラグメント(pUC−II)10nM、DMF1
0%(v/v)と図4に表記した濃度の薬剤を含む標準
反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて
23℃下で24時間静置した。 [レーン1,DNAコントロール;レーン2−7,5
0,25,12.5,10,7.5,5,2.5nM
(15);レーン8−13,50,25,12.5,1
0,7.5,5,2.5nM(16);レーン14−1
9,50,25,12.5,10,7.5,5,2.5
nM(14)] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチング
を行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得ら
れたDNAにローディング色素(フューシンレッドのD
MF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20
分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μ
lについて、HITACHI 5500−S DNAシー
ケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアク
リルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図4に示
す。
動を用いた解析 全量10μlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
5mM中に5'末端がテキサスレッドでラベルされたD
NAフラグメント(pUC−II)10nM、DMF1
0%(v/v)と図5に表記した濃度の薬剤を含む標準
反応溶液を微量遠心分離管(エッペンドルフ)に入れて
23℃下で24時間静置した。 [レーン1−5,50,25,12.5,6.3nM
(16);レーン6−10,50,25,12.5,
6.3nM(23)] 子牛胸腺DNA(1mM,1μL)を加えクェンチング
を行い、90℃にて5分間振動させた。遠心減圧下得ら
れたDNAにローディング色素(フューシンレッドのD
MF溶液)8μlを加え溶解させた後、94℃にて20
分間振動させた。直ちに0℃にて急冷した後、その2μ
lについて、HITACHI 5500−S DNAシー
ケンサーシステムを用いた6%ディネーチャーポリアク
リルアミドゲルでの電気泳動を行った。結果を図5に示
す。
の合成 反応スキーム1に従って、化合物12,13及び14を
合成した。 (1)AcImPyPy−γ−CO2CH3 (4)の合
成 化合物2(1.0g,3.72mmol)のメタノール
−酢酸エチル混合溶液(1:1,30mL)に10%パ
ラジウム−炭素(220mg)を加え、水素雰囲気下、
室温にて3時間撹拌した。触媒成分をセライトろ過によ
り除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体を得
て(859mg)、更なる精製をすることなく、これを
次の反応に用いた。クルードのアミン体(859mg,
3.59mmol)を15mlのDMFに溶かし、化合
物3(820mg,2.69mmol)とFDPP:ペ
ンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネート
(1.70g,4.42mmol)を加え、続いてiP
r2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(1.54m
L,8.84mmol)を添加した。反応混合物を室温
にて24時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去して得
た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−
10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶離)にて
精製することにより化合物4(1.33g)を収率94
%で得た。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.23 (s, 1H),
9.94 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.42
(s, 1H), 7.27 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J= 1.5
Hz, 1H), 7.12 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J= 1.5
Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H),
3.59 (s, 3H), 3.16 (dt, J= 6.0, 7.0 Hz,2H), 2.34
(t, J= 7.0 Hz, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.74 (qu, J= 7.0
Hz, 2H)。 ESMS m/e calcd for C24H31N8O6 (M+H) 527.
2, found 527.1。
(5)の合成 化合物4(1.33g,2.52mmol)を蒸留水5
0mlで懸濁し、水酸化ナトリウム(800mg,20
mmol)を加えた。これを室温にて24時間撹拌した
のち、10%HCl水溶液を0℃下で加えて酸性(pH
2)にした。生じた沈殿物をろ取し、水洗してから乾燥
し、化合物5(1.10g)を収率85%で得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 10.24 (s, 1H), 9.
95 (s, 1H), 9.89 (s,1H), 8.02 (brt, 1H), 7.42 (s,
1H), 7.26 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J=1.5 Hz, 1
H), 7.11 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J= 1.5 Hz, 1
H), 3.94 (s,3H), 3.84 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.17
(dt, J= 6.0, 7.0 Hz, 2H), 2.24 (t, J= 7.0 Hz, 2H),
2.01 (s, 3H), 1.79 (qu, J= 7.0 Hz, 2H)。 ESMS m/e calcd for C23H29N8O6 (M+H) 513.
2, found 513.3。
CH3(8c)の合成 化合物6(500mg,2.23mmol)のメタノー
ル−酢酸エチル混合溶液(1:1,20mL)に10%
パラジウム−炭素(200mg)を加えた。更に水素化
ほう素ナトリウム(170mg,4.47mmol)を
蒸留水(1ml)で懸濁したものを、0℃下で滴下した
後、反応混合物を窒素雰囲気下、室温にて20分間撹拌
した。触媒成分をシリカゲルろ過にて除去した後、ろ液
を濃縮してクルードのアミン体を得て(418mg)、
更なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。
クルードのアミン体(418mg,2.15mmol)
を14mlのDMFに溶かし、化合物7(330mg,
1.13mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニ
ルジフェニルフォスフィネート(1.3g,3.39m
mol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロピ
ルエチルアミン(1.18mL,6.78mmol)を
添加した。反応混合物を20時間撹拌した後、反応溶液
の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラ
ジエント溶離)にて精製することにより化合物8c(3
59mg)を収率83%で得た。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.86 (s, 1H),
9.98 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.51 (d, J= 16.0 Hz, 1
H), 7.41 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (s, 1H),6.74
(s, 1H), 6.07 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.14 (q, J= 7.0
Hz, 2H), 4.05(s,3H), 3.85 (s, 3H), 3.68 (s, 3H),
1.23 (t, J= 7.0 Hz, 3H)。 ESMS m/e calcd for C21H24N7O6 (M+H) 470.
2, found 470.1。
yCO2CH3(9a)の合成 化合物8a(200mg,0.466mmol)のメタ
ノール−酢酸エチル混合溶液(1:1,8mL)に10
%パラジウム−炭素(100mg)を加え、水素雰囲気
下、室温にて5時間撹拌した。触媒成分をセライトろ過
により除去した後、ろ液を濃縮してクルードのアミン体
を得て(178mg)、更なる精製をすることなく、こ
れを次の反応に用いた。クルードのアミン体(178m
g,0446mmol)を2mlのDMFに溶かし、化
合物5(190mg,0.373mmol)とFDP
P:ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィネー
ト(268mg,0.699mmol)を加え、続いて
iPr2NEt:ジイソプロピルエチルアミン(0.2
43mL,1.39mmol)を添加した。反応混合物
を室温にて16時間撹拌した後、反応溶液の溶媒を留去
して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(0−10%MeOH/CHCl3、グラジエント溶
離)にて精製することにより化合物9a(154.5m
g)を収率49%で得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 9.96 (s, 1H), 9.94 (s,
1H), 9.90 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.45 (s, 1H),
7.42 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.14 (s,
1H), 7.12 (s,1H), 6.89 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 3.9
4 (s, 6H), 3.84 (s, 3H), 3.83 (s, 3H),3.82 (s, 3
H), 3.81 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.20 (m, 2H), 2.35
(m, 2H),2.01 (s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C41H48N15O9 (M+H) 89
4.4, found 894.3。
CO2CH2CH3(9b)の合成 化合物8b(68mg,0.20mmol)のメタノー
ル−酢酸エチル混合溶液(1:1,4mL)に10%パ
ラジウム−炭素(30mg)を加えた。更に水素化ホウ
素ナトリウム(20mg,0.528mmol)を蒸留
水(0.2ml)で懸濁したものを、0℃下で滴下した
後、反応混合物を窒素雰囲気下、室温にて20分間撹拌
した。触媒成分をシリカゲルろ過にて除去した後、ろ液
を濃縮してクルードのアミン体を得て(60mg)、更
なる精製をすることなく、これを次の反応に用いた。ク
ルードのアミン体(60mg,0.189mmol)を
0.6mlのDMFに溶かし、化合物5(97mg,0
189mmol)とFDPP:ペンタフルオロフェニル
ジフェニルフォスフィネート(109mg,0.284
mmol)を加え、続いてiPr2NEt:ジイソプロ
ピルエチルアミン(99μL,0.568mmol)を
添加した。反応混合物を18時間撹拌した後、反応溶液
の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(0−10%MeOH/CHCl3、グラ
ジエント溶離)にて精製することにより化合物9b(1
07mg)を収率69%で得た。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.27 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.95 (s,1H), 9.89 (s, 2H), 8.01 (br
t, 1H), 7.51 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.45 (s,1H), 7.4
3 (d, J= 1.0 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.27 (d, J= 1.
0 Hz, 1H), 7.17(d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 2.0
Hz, 1H), 6.89 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.83 (d, J= 2.0
Hz, 1H), 6.11 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.15 (q, J= 7.
0 Hz, 2H),3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3
H), 3.80 (s, 3H), 3.69 (s, 3H),3.20 (dt, J= 5.5,
7.0 Hz, 2H), 2.36 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 2.02 (s, 3
H), 1.79(q, J= 7.0 Hz, 2H), 1.24 (t, J= 7.0 Hz, 3
H)。 ESMS m/e calcd for C38H46N13O8 (M+H) 81
2.4, found 812.3。
た化合物7及び8、及び上記(4)において原料として
用いた化合物8a、並びに上記(5)において原料とし
て用いた化合物8bは、J. Am Chem. Soc. 1999, 121,
4961 及び J. Am Chem. Soc.2000, 122, 1602 等に記載
の方法により合成したものを使用した。
yLCO2CH2CH3(9c)の合成 化合物9cは、化合物9bと同様の合成手順により収率
28%で得られた。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.97 (s,1H), 9.95 (s, 1H), 9.94 (s,
1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.52 (d, J= 16.
0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.41 (s, 1
H), 7.27 (s, 2H),7.17 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.13
(s, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.75 (s, 1H),6.08 (d, J= 1
6.0 Hz, 1H), 4.15 (q, J= 7.0 Hz, 2H), 3.95 (s, 3
H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80
(s, 3H), 3.69 (s, 3H), 3.21 (m,2H), 2.36 (m, 2H),
2.02 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.24 (t, J= 7.0 Hz, 3
H)。 ESMS m/e calcd for C44H52N15O9 (M+H) 93
4.4, found 934.4。
yCO2H(10a)の合成 化合物9a(154.5mg,0.181mmol)を
0.6mlの蒸留水で懸濁したものに、1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)
(0.2ml,1.34mmol)を添加した。この反
応混合物を2時間撹拌し、1%HCl水溶液を0℃下で
加えて酸性(pH2)にした。生じた沈殿物をろ取し、
水洗した後、乾燥し、化合物10a(131.5mg)
を収率86%で得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 10.25 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.97 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.90 (s,
1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.45 (s, 1H),
7.41 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.12 (s,
2H), 6.89 (s,1H), 6.84 (s, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.8
4 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.81 (s, 3H),3.79 (s, 3
H), 3.18 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.78
(m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C40H46N15O9 (M+H) 88
0.4, found 880.4。
CO2H(10b)の合成 化合物9b(143mg,0.176mmol)を0.
6mlの蒸留水で懸濁したものに、DBU(0.6m
l,4.01mmol)を添加した。この反応混合物を
6時間撹拌した後、溶媒を留去して得た残留物をジエチ
ルエーテルと酢酸エチルを用いて洗浄した。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(0−20%MeOH
/CHCl3、グラジエント溶離)にて精製した後、粗
結晶のカルボン酸塩を1%酢酸で酸性にさせた。生じた
沈殿物をろ取、水洗、乾燥して化合物10b(70m
g)を収率51%で得た。1 H NMR(DMSO−d6) δ 10.27 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.89 (s, 2H), 8.02 (br
t, 1H), 7.46 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 7.45 (s,1H), 7.4
2 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.27 (d, J= 2.0 Hz, 1H),
7.17 (s, 1H),7.13 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J=
2.0 Hz, 1H), 6.80 (d, J= 2.0 Hz, 1H),6.03 (d, J= 1
6.0 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.85 (s,
3H), 3.80(s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 2.36
(m, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.79(m,2H)。 ESMS m/e calcd for C36H42N13O8 (M+H) 78
4.3, found 784.3。
yLCO2H(10c)の合成 化合物10cは、化合物9bの代わりに化合物9cを用
い、化合物10bと同様の合成手順により収率50%で
得られた。1 H NMR(DMSO−d6) δ 10.24 (s, 1H), 1
0.21 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 9.91 (s,
1H), 9.88 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H), 7.45 (d, J= 1
6.0 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.37 (s,
1H), 7.26 (s, 2H),7.16 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.11
(s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.70 (s, 1H),5.99 (d, J= 1
6.0 Hz, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 6H), 3.79 (s,
3H), 3.66(s, 3H), 3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01
(s, 3H), 1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C42H48N15O9 (M+H) 90
6.4, found 906.3。
PyCOIm(11a)の合成 化合物10a(10mg,11.3μmol)をDMF
(0.2ml)で溶かしたものに、1,1’−カルボニ
ルジイミダゾール(3.5mg,22.0μmol)を
加えた。この反応混合物を室温にて5時間撹拌した。減
圧下溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル
(5ml)で3回洗浄して化合物11a(10mg)を
収率95%で得た。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.25 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 10.06(s,1H), 10.03 (s, 1H), 9.96 (s,
1H), 9.90 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.01 (brt,1H),
7.77 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.41 (s,
1H), 7.26 (s,2H), 7.20 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.1
3 (s, 2H), 6.95 (s, 1H), 6.89 (s, 1H),3.94 (s, 6
H), 3.90 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79
(s, 3H),3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H),
1.78 (m, 2H)。 ESMS m/e calcd for C43H48N17O8 (M+H) 93
0.4, found 930.3。
LCOIm(11b)の合成 化合物11bは、化合物10aの代わりに化合物10b
を用い、化合物11aと同様の合成手順により収率94
%で得られた。1 H NMR (DMSO−d6) δ 10.26 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 10.08(s,1H), 9.95 (s, 1H), 9.89 (s,
1H), 8.68 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.90 (s, 1H),
7.87 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.49 (s, 1
H), 7.47 (s, 1H),7.42 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.27
(s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.14 (d, J= 15.0Hz, 1H), 7.
13 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.95 (s, 3
H), 3.86(s,3H), 3.81 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.21
(m, 2H), 2.37 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.80 (m, 2
H)。 ESMS m/e calcd for C39H44N15O7 (M+H) 83
4.4, found 834.3。
PyLCOIm(11c)の合成 化合物11cは、化合物10aの代わりに化合物10c
を用い、化合物11aと同様の合成手順により収率94
%で得られた。1 H NMR(DMSO−d6)δ 10.24 (s, 1H), 10.
21 (s, 1H), 10.04 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 9.94 (s,
1H), 9.88 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H),
7.89 (s, 1H), 7.87 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1
H), 7.47 (s, 1H),7.45 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.28
(s, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.22 (s, 1H),7.16 (s, 1H),
7.13 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.09 (s, 1
H), 6.89(s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.86
(s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s,3H), 3.77 (s, 3H),
3.20 (m, 2H), 2.35 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.79 (m,
2H)。 ESMS m/e calcd for C45H50N17O8 (M+H) 95
6.4, found 956.5.
PyCPI(12)の合成 水素化ナトリウム(3.0mg,75μmol,60%
ミネラルオイル懸濁液)の無水DMF(0.1ml)溶
液中にDU86のセグメントA(3.7mg,14.5
μmol)の無水DMF(0.1ml)溶液を加えた
後、化合物11a(10mg,10.7μmol)の無
水DMF(0.1ml)溶液を0℃下で添加し、反応混
合物を0℃にて1時間撹拌した。そこに50mMリン酸
ナトリウム緩衝液(2mL,pH6.86)を0℃下で
加えてクエンチングした後、減圧下溶媒を留去して黄色
残留物を得た。この粗結晶をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、0−5%MeOH/CHCl
3、グラジエント溶離)にて精製し、化合物12(5.
7mg)を収率49%で得た。更なる精製をケムコボン
ド 5−ODS−H カラムを用いたHPLC(0.1%
AcOH/CH3CN0−50%リニアグラジエント、
35.1min/40min、254nm)で行い、得
られた化合物12を前述したDNAアルキル化反応に用
いた。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.37 (brs, 1H), 1
0.25 (s, 1H), 10.22 (s,1H), 9.96 (s, 1H), 9.94 (s,
1H), 9.93 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.01 (brt, 1H),
7.44 (s, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.25 (s, 2H), 7.16 (s,
1H), 7.14 (s,1H), 7.12 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.7
0 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.22 (m, 1H),4.08 (m, 1
H), 3.94 (s, 6H), 3.84 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 3.73
(s, 3H),3.72 (s, 3H), 3.42 (m, 1H), 3.21 (m, 2H),
2.41 (s, 3H), 2.34 (m, 2H), 2.17(m, 1H), 2.01 (s,
3H), 1.78 (m, 2H), 1.41 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C54H58N17O11 (M+H)
1120.4, found 1120.5.
LCPI(13)の合成 化合物13は、化合物11aの代わりに化合物11bを
用い、化合物12と同様の合成手順により収率50%で
得られた。更なる精製をケムコボンド 5−ODS−H
カラムを用いたHPLC(0.1%AcOH/CH3C
N 0−50%リニアグラジエント、32.9min/4
0min、254nm)で行い、得られた化合物13を
前述したDNAアルキル化反応に用いた。1 H NMR (DMSO−d6)δ 12.18 (brs, 1H),
10.26 (s, 1H), 10.22(s, 1H), 10.19 (s, 1H), 9.94
(s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt, 1H), 7.57(d, J=
15.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.34 (s,
1H), 7.27 (s,1H), 7.18 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.9
8 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.58 (d, J=15.0 Hz, 1H),
5.96 (s, 1H), 4.28 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.95 (s,
6H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.
72 (s, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.20(m, 2H), 2.46 (s, 3
H), 2.36 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.79
(m, 2H), 1.29 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C50H54N15O10 (M+H)
1024.4, found 1024.4.
PyLCPI(14)の合成 化合物14は、化合物11aの代わりに化合物11cを
用い、化合物12と同様の合成手順により収率51%で
得られた。更なる精製をケムコボンド 5−ODS−H
カラムを用いたHPLC(0.1%AcOH/CH3C
N 0−50%リニアグラジエント、36.8min/4
0min,254nm)で行い、得られた化合物14を
前述したDNAアルキル化反応に用いた。1 H NMR (DMSO−d6)δ12.37 (brs, 1H), 1
0.26 (s, 1H), 10.22(s,1H), 10.19 (s, 1H), 9.97 (s,
1H), 9.94 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 8.02 (brt,1H),
7.58 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.42 (s, 1
H), 7.39 (s, 1H),7.28 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.17
(s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.13 (s, 1H),6.90 (s, 2H),
6.58 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.29 (m, 1
H), 4.15 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 3.86
(s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.80(s,3H), 3.73 (s, 3H),
3.72 (s, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.19 (m, 2H), 2.47 (s,
3H), 2.38 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.8
0 (m, 2H), 1.29 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C
56H60N17O11 (M+H) 1146.5, found 1146.5.
合成 反応スキーム1に記載の化合物13および14の合成方
法に従って、スキーム2に示すように、化合物15及び
16を合成した。 (1)AcImImPyPy−γ−ImPyPyLCP
I (15):1H NMR (DMSO−d6) d 10.30 (s,
1H), 10.27 (s, 2H), 10.24 (s,1H),9.94 (s, 1H), 9.
90 (s, 2H), 9.31 (brs, 1H), 8.00 (brt, 1H), 7.57
(d, J= 14.5 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.50 (s, 1H),
7.45 (s, 1H), 7.37 (s, 1H),7.27 (s, 2H), 7.17 (s,
1H), 7.15 (s, 2H), 6.89 (s, 2H), 6.55 (d, J= 14.5H
z, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.18 (m, 1H),
4.00 (s, 3H), 3.97(s,3H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s, 3
H), 3.80 (s, 6H), 3.72 (s, 3H), 3.71 (s,3H), 3.50
(m, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.35 (m, 2H),
2.15 (m, 1H),2.03 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.30 (m,
1H)。 ESMS m/e calcd for C61H65N20O12 (M+H)
1269.5, found 1269.4。
yPyLCPI (16):1H NMR (DMSO−d6)
d 12.34 (brs, 1H), 10.30 (s, 2H), 10.23 (s,1H),
9.94 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 8.00 (br
t, 1H), 7.57 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 7.55 (s, 2H), 7.
45 (s, 1H), 7.44 (s, 2H), 7.37 (s, 1H),7.27 (s, 2
H), 7.17 (s, 1H), 7.14 (s, 2H), 7.06 (s, 1H), 6.89
(s, 1H),6.55 (d, J= 14.5 Hz, 1H), 4.27 (m, 1H),
4.13 (m, 1H), 4.00 (s, 6H), 3.95 (s, 3H), 3.85 (s,
3H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.
71(s,3H), 3.45 (m, 1H), 3.15 (m, 2H), 2.47 (s, 3
H), 2.35 (m, 2H), 2.17 (m,1H), 1.78 (m, 2H), 1.30
(m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C59H62N19O11 (M+H)
1212.5, found 1212.5。
代わりに1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ
[c]ベンズ[e]インドール−4−オンを用いた以外
は反応スキーム1及び2に記載の化合物13〜16の合
成法に従って化合物23を合成した。 H−ImImPyPy−γ−ImPyPyLCBI (2
3):1H NMR (DMSO−d6) 10.30 (s, 1H), 1
0.23 (s, 1H), 9.96 (s, 1H),9.95 (s, 1H), 9.90 (s,
1H), 9.68 (s, 1H), 7.99 (brt, 1H), 7.98 (d, J=8.0
Hz, 1H), 7.61-6.89 (m, 17H), 6.57 (d, J= 15.0 Hz,
1H), 4.33 (m, 1H),4.28 (m, 1H), 4.00 (s, 6H), 3.94
(s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.80(s, 3H),
3.72 (s, 3H), 3.68 (m, 1H), 3.18 (m, 2H), 2.35
(m, 2H), 1.79(m,2H), 1.70 (m, 1H), 1.55 (m, 1H)。 ESMS m/e calcd for C58H59N18O9 (M+H) 11
51.5, found 1151.5。
配列に対して、高いDNAアルキル化能と配列認識能を
兼ね備えた機能分子の設計に関するものである。この機
能分子は、分子内のイミダゾールーピロールの配置を変
えることで、塩基配列認識能を変えることが可能であ
る。このような特性を備えたアルキル化剤は本発明者ら
が開発したアルキル化剤の他には例がない。このことは
ヒトゲノム上での重要な遺伝子配列、或いはがんなどの
病気に由来した遺伝子異常に対する有用なドラッグとし
て、はじめてのポストゲノム時代を担う遺伝子レベルで
の創薬を実現するものである。
基配列特異的なアルキル化反応の比較を示す。
キル化能を評価結果を示す。
14の配列特異的アルキル化能の評価結果を示す。
-3'配列に対する塩基配列特異的なDNAアルキル化反
応について解析した結果を示す。
DNAアルキル化能の比較を示す。
て調べた結果を示す。
よりコード領域でのmRNA転写が阻害されている状態
を示す。
イン)による抗がん効果の評価結果を示す。
胞に対する抗細胞増殖活性の評価結果を示す。
2)
リアミド。
リアミド。
しては、例えば下記構造式
しては、例えば下記構造式
Claims (12)
- 【請求項1】 ピロール−イミダゾールポリアミドの末
端にビニールリンカーを介してアルキル化反応部位を有
するヘアピン型ポリアミド。 - 【請求項2】 ヘアピン型ポリアミドが下記一般式
[1] 【化1】 (式中、R1はアルキル化反応部位を表し、R2は水素
原子、アルキル基又はアセトアミド基を表し、k,p,
q,m及びnはそれぞれ独立して自然数を表す。)で示
される化合物である請求項1に記載のヘアピン型ポリア
ミド。 - 【請求項3】 一般式[1]で示される化合物が、下記
一般式[2] 【化2】 (式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド
基を表し、k,p,m及びnはそれぞれ独立して自然数
を表す。)で示される化合物である請求項2に記載のヘ
アピン型ポリアミド。 - 【請求項4】 一般式[2]で示される化合物が下記構
造式 【化3】 で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポ
リアミド。 - 【請求項5】 一般式[2]で示される化合物が下記構
造式 【化4】 で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポ
リアミド。 - 【請求項6】 一般式[2]で示される化合物が下記構
造式 【化5】 で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポ
リアミド。 - 【請求項7】 一般式[2]で示される化合物が下記構
造式 【化6】 で示される化合物である請求項3に記載のヘアピン型ポ
リアミド。 - 【請求項8】 一般式[1]で示される化合物が、下記
一般式[3] 【化7】 (式中、R2は水素原子、アルキル基又はアセトアミド
基を表し、k,p,q,m及びnはそれぞれ独立して自
然数を表す。)で示される化合物である請求項2に記載
のヘアピン型ポリアミド。 - 【請求項9】 一般式[3]で示される化合物が下記構
造式 【化8】 で示される化合物である請求項8に記載のヘアピン型ポ
リアミド。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載のヘアピ
ン型ポリアミドを含んでなる、特定遺伝子の発現を抑制
する薬剤。 - 【請求項11】 特定遺伝子が異常遺伝子である請求項
10に記載の薬剤。 - 【請求項12】 請求項1〜9の何れかに記載のヘアピ
ン型ポリアミドを含んでなる、抗ガン性を有する薬剤。
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